JP3212224U - 猪または鹿用忌避材 - Google Patents

猪または鹿用忌避材 Download PDF

Info

Publication number
JP3212224U
JP3212224U JP2017002715U JP2017002715U JP3212224U JP 3212224 U JP3212224 U JP 3212224U JP 2017002715 U JP2017002715 U JP 2017002715U JP 2017002715 U JP2017002715 U JP 2017002715U JP 3212224 U JP3212224 U JP 3212224U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
derived
repellent
fat
repellent material
deer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017002715U
Other languages
English (en)
Inventor
克彦 庄野
克彦 庄野
悟志 斉藤
悟志 斉藤
Original Assignee
家庭化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 家庭化学工業株式会社 filed Critical 家庭化学工業株式会社
Priority to JP2017002715U priority Critical patent/JP3212224U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3212224U publication Critical patent/JP3212224U/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】忌避効果のある豚由来の脂肪に加えて捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分を組み合わせることで、より優れた忌避効果を有し、かつ、取扱い性のよい猪または鹿用忌避材を提供する。【解決手段】猪または鹿用忌避材1は、表面に豚由来の脂肪3と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4とが付着されている油吸着性基材からなり、油吸着性基材は孔11を有する不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体10である。猪または鹿用忌避材は、さらにパラフィンが付着されていてもよい。【選択図】図8

Description

本考案は、耕作地やその周辺部の周囲に設置する猪または鹿用忌避材に関する。
日本各地では猪や鹿による耕作地及びその周辺部への被害は年々増加している。被害の実態としては、猪や鹿が耕作地に侵入して作物を食害することに加え、猪の場合では農道、水路、畔などの耕作地を管理するために必要な周辺部を掘り起こしたり、破損したりするなどケースが報告されている。また、耕作地だけでなく、例えば、公園やゴルフ場の芝生を猪が掘り起こしたりする被害も報告されている。
このため、最も効果的な防護対策の一つとして、耕作地などの被害を抑えたい場所の周囲を金属製の柵で囲ったり、猪や鹿にショックを与える電気柵を設けて猪や鹿の浸入を防ぐ手段が知られている。しかしながら、猪や鹿の接近を防ぐことは困難であり、例えば、柵の周囲を猪や鹿が徘徊した結果、少しでも隙間があればその場所から浸入を許してしまうケースがあることも知られている。
他の防護対策としては、忌避用薬剤の散布、忌避薬剤を容器に入れて設置するなどの手段が知られている。これは、猪や鹿の嗅覚が優れている性質を利用した対策で、猪や鹿が忌避する臭いを散布することで、猪や鹿の接近を抑える効果がある。このような忌避用薬剤としては、例えば、ナフタレン、パラジクロベンゼン、カンフル、メントールなど(特許文献1)、木酢液あるいは籾酢液(特許文献2)、オオカミから採取した尿(特許文献3)などが知られている。
しかしながら、このような忌避用薬剤は、それぞれ猪や鹿対策としてなんらかの効果はあると思われるが、いずれも、その効果が長期間持続するものではなく、適当な時期に薬剤の補充、追加などのための点検・保守が必要であり、また、上記のような薬剤は入手に手数がかかり、実用性に難点がある。
そこで、豚の皮下脂肪部分あるいは脂肪が多い肉部分を煮詰めて得られる脂肪液を吸着させた吸着材と、この吸着材を柵あるいは立木などに着脱できるように上記吸着材に設けられた着脱具とを備えてなる猪用忌避具が知られている(特許文献4)。
この猪用忌避具は忌避効果が大きいものの、豚の脂肪液に特有の不快臭が当初から強く感じられるため、耕作地の周囲で生活している人々や、自身の耕作地に隣接する耕作地を運営する他の人々に対する配慮が必要であり、それらの人々の理解が得られない場合には設置ができなくなる可能性があるという問題があった。
一方、高速道路や、鉄道線路などでは、猪や鹿などの野生動物と自動車や列車との衝突事故を解決する手法の一つとして、水に溶かしたライオン糞を、線路沿いにじょうろで散布する方法が知られており、その他、乾燥したライオン糞や水に溶かしたものを樹木に塗布または農作物周囲に散布する方法などが提案されている(特許文献5)。しかしながら、これらの水に溶かした糞を撒く方法では、撒く時点での刺激臭がきつく、民家の近くでは実施しづらい等の問題があった。
実用新案登録第3164186号公報 特開2008−283911号公報 実用新案登録第3154756号公報 実用新案登録第3168763号公報 特開平10−191868号公報
本考案は前述の状況に鑑み、忌避効果のある豚由来の脂肪に加えて捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分を組み合わせることで、猪や鹿に対してより優れた忌避効果を有し、かつ、取扱い性のよい猪または鹿用忌避材を提供することを目的とする。
本考案者は、猪または鹿に対する有効な忌避成分である豚由来の脂肪に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分を組み合わせることで忌避効果がより顕著に発現されることを見出し、本考案を完成させた。
即ち、本考案の要旨は、
〔1〕表面に豚由来の脂肪と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とが付着されている油吸着性基材からなり、
前記油吸着性基材が不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体である猪または鹿用忌避材、
〔2〕前記無機系または有機系の多孔質固体の材質がゼオライト、活性炭、軽石、シリカゲル、メソポーラスシリカ、生分解性プラスチックまたはパーライトである前記〔1〕に記載の猪または鹿用忌避材、
〔3〕前記捕食性肉食動物がトラ、オオカミ、ライオンおよびワニからなる群より選ばれる1種以上の動物である前記〔1〕または〔2〕に記載の猪または鹿用忌避材、
〔4〕前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が合成物である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材、
〔5〕さらにパラフィンが付着されている前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材、
〔6〕さらに枯草菌を含有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材
に関する。
本考案の猪または鹿用忌避材(以下、本考案の忌避材という)は、猪や鹿の忌避効果に優れる豚由来の脂肪と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とを組み合わせることで、前記脂肪および捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分による猪または鹿に対する忌避効果が顕著に優れたものとなる。
本考案の忌避材は、前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が拡散することで、猪または鹿の接近行動を速やかに抑制し、次いで自然界にある枯草菌などの作用により前記豚由来の脂肪が発行してイノシシ科動物の死臭が生じていくことで、本考案の忌避材に対する猪または鹿の慣れを予防し、猪または鹿に対する忌避効果が継時的に持続させることが可能である。
また、本考案の忌避材では、前記脂肪および捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分に、油吸着性基材に付着させていることで忌避効果を持続させ、さらに、前記油吸着性基材が不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体であることで、取扱い性がよく、しかも様々な環境下に猪または鹿用忌避材を設置することを容易にしている。
例えば、本考案の忌避材が不織布、紐、ロープなどの形態のものである場合、猪または鹿の浸入を防ぐために設置されている柵などに対しては、所望の位置に容易に設置することができる。また、本考案の忌避材で使用する油吸着性基材が無機系もしくは有機系の多孔質固体である場合、猪や鹿が徘徊している場所の地面に猪または鹿用忌避材を散布したり、空気穴の開いた容器に充填し、その容器を地面に置いたりすることで、容易に設置できる。
前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分がトラ、オオカミ、ライオンおよびワニからなる群より選ばれる1種以上の動物の糞、尿などの排泄物に由来することで、猪や鹿に対する忌避効果をより向上させることができる。
前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が合成物であることで、本考案の忌避材へ前記臭気成分を効率よく混合させることができる。
また、本考案の忌避材は、さらにパラフィンが付着されていることで、耐候性を向上させることができる。
また、本考案の忌避材に枯草菌を組み合わせることで、前記脂肪および捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分に特有の不快臭を低減することができ、これにより耕作地やその周囲で猪や鹿が出没して困っている付近に本考案の忌避材を設置した場合でも、設置後の周囲の人々に対する配慮が顕著に低減される。
本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図である。本実施形態では忌避材1の油吸着性基材は不織布で構成され、ロール状に巻かれている。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図である。本実施形態では忌避材1の油吸着性基材は紐で構成され、ロール状に巻かれている。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図である。本実施形態では忌避材1の油吸着性基材はロープで構成され、ロール状に巻かれている。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図であり、図1に示す忌避材1を横方向から拡大して見た側面図である。図4aに示す本実施形態では不織布2の表面に豚由来の脂肪層3が形成されており、この脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4が分散状態で含有されている。図4bに示す本実施形態では、脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9が分散状態で含有されている。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図であり、図2に示す忌避材1を横方向から拡大して見た側面図である。図5aに示す本実施形態では紐5の表面に豚由来の脂肪層3が形成されており、この脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9が分散状態で含有されている。図5bに示す本実施形態では、脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9が分散状態で含有されている。また、図5aおよび図5b中、左側は、紐5の表面を被覆している豚由来の脂肪層3の一部を取り除いた断面図である。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図であり、図3に示す忌避材1を横方向から拡大して見た側面図及び繊維7の拡大図である。図6aに示す本実施形態ではロープ6を構成する繊維7の表面に豚由来の脂肪層3が形成されており、この脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4が分散状態で含有されている。図6bに示す本実施形態では、脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9が分散状態で含有されている。また、図6aおよび図6bにおいて、繊維7の拡大図中の左側は、繊維7の表面を被覆している豚由来の脂肪層3の一部を取り除いた断面図である。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図であり、図4aおよび図4bに示す忌避材の表面にさらにパラフィンワックス層8が設けられた忌避材を示す。 本考案の忌避材1の一実施形態を示す概略図である。本実施形態では忌避材1の油吸着性基材は無機系もしくは有機系の多孔質固体10で構成されている。
次に、次に本考案の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本考案は、添付図面に示された形態に限定されず実用新案登録請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
本考案に係る猪または鹿用忌避材は、表面に豚由来の脂肪と、捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とが付着されている油吸着性基材からなることを特徴とする。
本考案で用いる油吸着性基材としては、前記豚由来の脂肪を付着または吸収できる基材をいい、本考案の忌避材の生産性および取扱い性に優れるという観点から、不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体が挙げられる。
前記不織布の形状としては、家屋、田、畑、果樹園などで設置がし易い観点から、帯状の形態のものが好ましい。帯状とは、一定の幅があって細長く続く形をいう。帯状であれば、例えば、目的の場所の周囲に目立たずに設置することができるし、設置場所の面積が大きければ周囲を囲うように設置できる。なお、図1に示すようにロール状に巻いておけばかなり長さのあるものでもコンパクトに収容することができ、取り扱い性もよくすることができるので好ましい。
また、紐とは、繊維を撚り合わせて太くしたものであり、糸より太いものをいう。ロープとは、繊維を撚り合わせて太くしたものであり、紐よりも太いものであり、例えば、複数の紐を撚ったものなどが挙げられる。紐やロープのサイズについては特に限定はない。
前記繊維を構成する材料としては、特に限定はなく、木綿、麻、シュロ、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、紙、ゴムなどが挙げられるが、特に限定はない。
例えば、図1、4a、4b、7a、7bに示す忌避材1では油吸着性基材は不織布2、図2、5a、5bに示す忌避材1では油吸着性基材は紐5、図3、6a、6bに示す忌避材1では油吸着性基材はロープ6で構成されている。
前記無機系または有機系の多孔質固体とは、表面に複数の孔を有する固体である。前記無機系または有機系とは、その材質が、ゼオライト、活性炭、軽石、シリカゲル、メソポーラスシリカ、またはパーライトなどの無機系材質あるいは生分解性プラスチックなどの有機系材質であることをいう。前記材質については、特に限定はない。
前記多孔質固体の形状としては、球状、回転楕円体状、立方体状、三角錐状、角柱状、円柱状、円錐状、多面体状などが挙げられるが、特に限定はない。
また、前記多孔質固体のサイズについても、家屋、田、畑、果樹園などで設置がしやすければよく、特に限定はないが、例えば、0.2〜2.0mm程度であれば、目的の場所に本考案の忌避材を散布などして設置しても、猪や鹿だけでなく、その場所を通行する人に対しても目立たず、利用しやすいという利点がある。
例えば、図8に示す忌避材1では、油吸着性基材は複数の孔11を有する多孔質固体10で構成されている。
本考案の忌避材では、前記油吸着性基材の表面に豚由来の脂肪3と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4が付着されている。
前記豚由来の脂肪3は、猪または鹿用の忌避薬剤として作用するものであり、具体的には、豚の皮下脂肪、脂肪が多い肉部分を煮詰めて得られる脂肪液、豚の脂肪を圧搾して得られる油分液などが挙げられる。
本考案において、前記豚由来の脂肪の量は、多いほど忌避効果に優れるが特に限定はなく、例えば、前記油吸着性基材100重量部に対して5重量部以上であればよい。
前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4とは、トラ、オオカミ、ライオン、ワニ
などの捕食性肉食動物の排泄物に含まれている臭気成分をいう。
前記臭気成分としては、例えば、前記捕食性肉食動物の排泄物そのものでもよい。また、本考案の忌避材への混合がし易い観点から、前記排泄物から分離されたり、精製されたりした臭気成分、および合成された臭気成分であってもよい。具体的には、ピラジン化合物、イソペンテニルメチルスルファイド、これらの誘導体および塩類などが挙げられるが特に限定はない。
本考案において、前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分の量は、多いほど忌避効果に優れるが特に限定はない、例えば、前記油吸着性基材100重量部に対して0.01重量部以上であればよい。
また、前記臭気成分が化合物である場合、前記豚由来の脂肪中における分散性を良好にするため、乳化剤を用いてもよい。例えば、前記臭気成分および乳化剤を含む乳化溶液を前記豚由来の脂肪中に混合すればよい。
前記乳化剤としては、特に限定はないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどが挙げられる。また、乳化剤の使用量としては、前記臭気成分の量が乳化できる量であればよく、特に限定はない。
また、本考案において、前記脂肪3と前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4とを併用することで優れた忌避効果が生じるメカニズムについての詳細は不明ではあるが、例えば、前記脂肪3は環境下におかれると自然界に存在する微生物の作用により分解などして、猪が死亡している際に発生する死臭に類似した臭いを発生し、また前記前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4は捕食者の存在を示す臭いであることから、これらの臭いが混合することで、本考案の忌避材から生じる臭いを感知した猪や鹿に対して、猪を捕食する肉食動物が本考案の忌避材の近くに生息していると猪や鹿に思い込ませることで、本考案の忌避材が設置された場所へ猪や鹿が接近することを防止できることが考えられる。
また、本考案の忌避材では、前記脂肪3中に枯草菌9を含有してもよい。
本考案で用いる枯草菌は、前記豚由来の脂肪3および前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4に特有の不快臭を抑えるために用いる。ここで、前記特許文献4では、豚由来の脂肪に特有の不快臭そのものが猪や鹿の忌避効果を有するように記載されているが、本考案の忌避材においては、前記のように、豚由来の脂肪、さらには前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分に特有の不快臭が抑えられているにも関わらず、猪や鹿に対する忌避効果は確認されている。つまり、本考案の忌避材は、枯草菌の作用により、豚由来の脂肪および前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分から人が感知できる不快臭の発生を緩和しながら、忌避成分は残すことで、特許文献4に記載の猪用忌避具や特許文献5に記載のようにライオン糞を用いた忌避剤と比べて、不快臭が抑えられている点で一線を画する顕著な効果が奏されていると考えられる。
本考案で使用する枯草菌は生菌であればよく、乾燥菌体であっても生の菌体でもよいが、取扱性及び入手性に優れる観点から、BN菌などの市販されるバチルス属の菌を用いるのが好ましい。
なお、BN菌は、株式会社明治から市販されているバチルス属の菌であり、「バチルス・サブチリスBN1001」ともいう(特許第2553727号公報)。
枯草菌の量は、多いほど不快臭の消臭効果に優れるが特に限定はなく、例えば、前記豚由来の脂肪100重量部に対して0.001重量部以上10重量部以下であればよい。
前記豚由来の脂肪3と前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4と前記枯草菌9とが前記油吸着性基材の表面に付着されている状態としては、特に限定はないが、例えば、図4b、5bに示すように前記豚由来の脂肪層3に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9を分散させた状態で油吸着性基材である不織布2や紐5の表面に付着されていてもよいし、図6bに示すように前記油吸着性基材であるロープ6を構成する各繊維7の表面に豚由来の脂肪層3を設け、その脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9を分散させた状態で付着されていてもよい。また、図5bに示す忌避材1の左側は、紐5の表面を被覆している豚由来の脂肪層3の一部を取り除いた状態を示す断面図であり、図6bに示す繊維7の拡大図中の左側は、繊維7の表面を被覆している豚由来の脂肪層3の一部を取り除いた状態を示す断面図である。
豚由来の脂肪層3中における捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9の位置には特に限定はなく、均一に分散していてもよいし、脂肪層3の外表面側などに局所的に偏在していてもよい。
中でも、豚由来の脂肪による不快臭の防臭効果に優れ、耐候性にも優れる観点から、豚由来の脂肪層3中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および枯草菌9が均一に分散されていることが好ましい。
また、本考案の忌避材を構成する油吸着性基材の表面には、前記豚由来の脂肪、捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分及び枯草菌に加えて、パラフィンワックスが付着されていてもよい。パラフィンワックスを用いることで、本考案の忌避材の耐候性をさらに向上させることができる。
パラフィンワックスとしては、常温で固体となる性質のものであればよく、その融点については、特に限定はないが、取扱性及び耐候性に優れる観点から、融点が50〜100℃が好ましい。パラフィンワックスとしては、市販のものを使用すればよく、特に限定はない。
パラフィンワックスは、前記豚由来の脂肪と混合して一体化した状態でもよいし、豚由来の脂肪層の表面にパラフィンワックスの層を設けてもよい。
例えば、パラフィンワックスと豚由来の脂肪を混合し、一体化させた場合には、これらの混合層中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分および枯草菌が分散した状態となる。したがって、図4a、4b、5a、5b、6a、6bに示す脂肪層3が脂肪とパラフィンワックスとの混合層になる。一方、図7a、7bにおいては、脂肪層3とは別に脂肪層3の表面にパラフィンワックス層8をさらに設けた忌避材1を示す。
なお、図示しないが、パラフィンワックス層8中に、捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4および/または枯草菌9が分散されていてもよい。
パラフィンワックスの使用量としては、特に限定はないが、例えば、パラフィンワックスを豚由来の脂肪とを混合する場合、忌避効果を保ちながら、耐候性を向上させる観点から、豚由来の脂肪100重量部に対して200重量部以下であればよい。
本考案の忌避材は、特許文献4に記載される従来品よりも、豚由来の脂肪および捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分に特有の不快臭が顕著に低減されているため、耕作地やその周辺部、特に人家に近い場所に設置した場合でも、不快臭による周囲への配慮を必要としない点で、設置可能性が顕著に優れている。
以上のような構成を有する本考案の忌避材の製造方法としては、特に限定はないが、例えば、図1、4aに示す忌避材1の場合、豚由来の脂肪を予め溶解させ、これに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4を混合した後、得られた混合液を油吸着性基材である不織布2の表面に塗布して乾燥させることで、不織布2の表面に枯草菌9を含む豚由来の脂肪層3を形成させることができる。前記脂肪の溶解液は、前記脂肪をトルエンなどの有機溶剤に溶解させて作製してもよいし、前記脂肪を加熱により溶解させて作製してもよい。
また、図1、4bに示す忌避材1の場合、前記豚由来の脂肪の溶解液中に、枯草菌9を配合した以外は、図4aに示す忌避材1と同様にして作製することができる。
また、図2、5aに示す忌避材1の場合、図4aに示す忌避材1の製造方法において、不織布2を紐5に代えればよいし、図3、6aに示す忌避材1の場合、図4aに示す忌避材1の製造方法において、不織布2をロープ6に代えればよい。なお、図3、6aに示す忌避材1では、例えば、豚由来の脂肪、捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4を含む混合液がロープ6を構成する各繊維7の表面を覆うことができるように、ロープ6を前記混合液中に浸漬してもよい。
また、図2、5bに示す忌避材1の場合、前記豚由来の脂肪の溶解液中に、枯草菌9を配合した以外は、図5aに示す忌避材1と同様にして作製することができる。
図3、6bに示す忌避材1の場合、前記豚由来の脂肪の溶解液中に、枯草菌9を配合した以外は、図6aに示す忌避材1と同様にして作製することができる。
また、図7aに示す忌避材1の場合、図4aに示す忌避材1の製造を行った後、さらに溶解したパラフィンワックスを前記脂肪4の層の表面に塗布して、外層としてパラフィンワックス層8を形成すればよい。
また、図7bに示す忌避材1の場合、図4bに示す忌避材1の製造を行った後、さらに溶解したパラフィンワックスを前記脂肪4の層の表面に塗布して、外層としてパラフィンワックス層8を形成すればよい。
以上のようにして得られた忌避材1は、そのまま使用してもよいが、油吸着性基材の形状や必要に応じて、ハサミやカッターで切るなどして所望の長さ、形状にしてから使用してもよい。
また、図8に示す忌避材1の場合、複数の孔11を有する多孔質固体10を用意する。次いで、豚由来の脂肪を予め溶解させ、これに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分4を混合した後、得られた混合液を油吸着性基材である多孔質固体10と撹拌混合して、多孔質固体10の表面および孔11内に浸透させた後、乾燥させることで、多孔質固体10の表面および孔11内に脂肪層3を形成させることができる。
以下、本考案を実施例、試験例によりさらに詳しく説明するが、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
市販の豚由来の脂肪2重量部を揮発性有機溶剤(ヘキサン)97.98重量部に溶解し、これに捕食性肉食動物であるトラの排泄物由来の臭気成分(合成品)0.02重量部を混合した後、得られた混合液10重量部を油吸着性基材である多孔質固体(材質:軽石)100重量部に撹拌混合し、室温で揮発性有機溶剤を乾燥させることで、図8に示す構造を有する忌避材1を作製した。
(試験例)
猪の侵入および掘り起しの被害を頻繁に受けていた大阪府四条畷市にあるサーキット場内の芝生の植生地において、実施例で得られた忌避材1を散布することで、猪の侵入を防止できるか実験を行った。
事前に調査したところ、前記サーキット場の芝生の植生地の山側の周囲には、金属製のフェンスを設置していたが、フェンスの一部に猪により突き破られた穴があることを発見した。周囲の状況から、前記の穴はサーキット場内への猪の侵入経路の1つであり、猪はフェンス沿いに行動し、フェンスの穴を通って侵入していると思われた。
(試験期間)2017年4月19日〜6月12日
(散布場所)4月19日に、事前の調査で、猪が接近・侵入した形跡があったフェンス沿い約20mの区間に忌避材を10kg散布(0.5kg/m)し、5月10日まで継続的に、芝生の植生地に猪の侵入被害が発生するかを調べた。
その結果、忌避材散布から14日後に一度侵入および掘り起しの被害があった以外は、猪による侵入被害がなくなった。
また、猪の侵入経路になっていると思われるフェンスの穴付近には、監視カメラを設置した。そして、忌避材1を散布してから3日後の午後9時頃に、イノシシが忌避材1を散布した場所に接近したが、地面の臭いを嗅ぎ、その後、サーキット場内へは侵入せず、山の方角へ帰っていく姿が記録された。この日にサーキット場内でイノシシによる被害は確認されなかった。
以上のことから、本考案の忌避材1の設置は地面に散布するという簡便な方法で行うことができ、しかも本考案の忌避材1が奏する猪の忌避効果は極めて顕著であり、さらに忌避効果が忌避材散布から約7週間以上という長期間持続することもわかった。
なお、前記試験例において、油吸着性基材を、紐や市販されている各種素材からなる農業用ロープや不織布にかえた場合でも、それぞれの油吸着性基材の表面上にトラの排泄物由来の臭気成分を含む豚由来の脂肪の層を形成させることができた。
1 忌避材
2 不織布
3 豚由来の脂肪層
4 捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分
5 紐
6 ロープ
7 繊維
8 パラフィンワックス層
9 枯草菌
10 多孔質固体
11 孔

Claims (6)

  1. 表面に豚由来の脂肪と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とが付着されている油吸着性基材からなり、
    前記油吸着性基材が不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体である猪または鹿用忌避材。
  2. 前記無機系または有機系の多孔質固体の材質がゼオライト、活性炭、軽石、シリカゲル、メソポーラスシリカ、生分解性プラスチックまたはパーライトである請求項1に記載の猪または鹿用忌避材。
  3. 前記捕食性肉食動物がトラ、オオカミ、ライオンおよびワニからなる群より選ばれる1種以上の動物である請求項1または2に記載の猪または鹿用忌避材。
  4. 前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が合成物である請求項1〜3のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材。
  5. さらにパラフィンが付着されている請求項1〜4のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材。
  6. さらに枯草菌を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の猪または鹿用忌避材。
JP2017002715U 2017-06-16 2017-06-16 猪または鹿用忌避材 Active JP3212224U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017002715U JP3212224U (ja) 2017-06-16 2017-06-16 猪または鹿用忌避材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017002715U JP3212224U (ja) 2017-06-16 2017-06-16 猪または鹿用忌避材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3212224U true JP3212224U (ja) 2017-08-31

Family

ID=59722025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017002715U Active JP3212224U (ja) 2017-06-16 2017-06-16 猪または鹿用忌避材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3212224U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chavasse et al. Chemical methods for the control of vectors and pests of public health importance
US20170118996A1 (en) Broad spectrum pest repellent compositions and pest management system
US20170112138A1 (en) Combination Animal Repellents
US20080115411A1 (en) Weed control system
JP3212224U (ja) 猪または鹿用忌避材
US5733552A (en) Mosquito repelling technique
JP6082920B2 (ja) 鳥類忌避剤
JP2007175041A (ja) 鳥獣の被害防止と農産物、樹木の防護装置
JP3188837U (ja) 猪用忌避材
Whelan et al. Biting Midges or “Sand Flies” in the NT
JPH06345613A (ja) 有害動物忌避剤
CN104365419A (zh) 用于农业生产中防治软体动物的装置与方法
JP2023086694A (ja) 猪忌避剤、猪忌避方法、猪忌避剤収容器および猪忌避剤製造方法
Castiov Testing potential repellents for mitigation of vehicle-induced mortality of wild ungulates in Ontario
KR101070143B1 (ko) 천적을 이용한 가로수의 해충방제방법
Melrose et al. The Prairie Gardener’s Go-To for Pests and Diseases
JP2021000038A (ja) 有害獣用忌避材
Borah et al. Man-elephant conflict problem: a case study
JP2007228955A (ja) 農作物の鳥獣よりの被害防止方法
NZ575651A (en) Avian-based insect repellent isolated from parrots (Cacatua)
Nair et al. Integrated Pest Management Strategies for Round-tailed Ground Squirrels
Merrill Control of opossums, bats, raccoons, and skunks
Kanonchoff Community Services Advisory Commission February 8, 2022 Minutes
Chhangani et al. Threats to Faunal Diversity of the Aravalli Hills with Special Reference to Kumbhalgarh Wildlife Sanctuary
Silvers Status and impacts of the melaleuca biological control program

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3212224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250