JP2021000038A - 有害獣用忌避材 - Google Patents

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【課題】取扱い性に優れ、忌避効果が高く、かつ、生分解性素材からなるために設置する場所から回収する必要がない有害獣用忌避材を提供すること。【解決手段】忌避成分が表面に付着された生分解性基材からなり、前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材、並びに通気性を有する生分解性の袋体の内部に、表面に忌避成分が付着された生分解性基材が充填されており、前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物、および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅地、農地、山林およびこれらの周辺部などの野外における有害獣用忌避材に関するものである。
日本各地では猪、鹿、クマ、アライグマなどの有害獣による住宅地、農地、山林及びその周辺部(以下、住宅地などという)への被害は年々増加している。被害の実態としては、有害獣が住宅地などに侵入してエサとなる農作物やヒトが出したゴミを食害することに加え、猪の場合では農道、水路、畔などの耕作地を管理するために必要な周辺部、公園やゴルフ場の芝生を掘り起こして破損したりする被害が報告されている。さらに、近年では、住宅地などに侵入してきた有害獣によって襲われて、ヒトが死傷するケースも発生している。
このため、最も効果的な防護対策の一つとして、被害を抑えたい場所の周囲を金属製の柵で囲ったり、猪や鹿にショックを与える電気柵を設けて猪や鹿の浸入を防ぐ手段が知られている。しかしながら、猪や鹿の接近を防ぐことは困難であり、例えば、柵の周囲を猪や鹿が徘徊した結果、少しでも隙間があればその場所から浸入を許してしまうケースがあることが知られている。
他の防護対策としては、忌避用薬剤の散布、忌避薬剤を容器に入れて設置するなどの手段が知られている。これは、猪や鹿の嗅覚が優れている性質を利用した対策で、猪や鹿が忌避する臭いを散布することで、猪や鹿の接近を抑える効果がある。このような忌避用薬剤としては、例えば、ナフタレン、パラジクロベンゼン、カンフル、メントールなど(特許文献1)、木酢液あるいは籾酢液(特許文献2)、オオカミから採取した尿(特許文献3)などが知られている。
しかしながら、このような忌避用薬剤は、それぞれ猪や鹿対策としてなんらかの効果はあると思われるが、いずれも、その効果が長期間持続するものではなく、適当な時期に薬剤の補充、追加などのための点検・保守が必要であり、また、上記のような薬剤は入手に手数がかかり、実用性に難点がある。
一方、高速道路や、鉄道線路などでは、猪や鹿などの野生動物と自動車や列車との衝突事故を解決する手法の一つとして、水に溶かしたライオン糞を、線路沿いにじょうろで散布する方法が知られており、その他、乾燥したライオン糞や水に溶かしたものを樹木に塗布または農作物周囲に散布する方法などが提案されている(特許文献4)。しかしながら、これらの水に溶かした糞を撒く方法では、撒く時点での刺激臭がきつく、民家の近くでは実施しづらい等の問題があった。また、雨が降ると忌避成分は流失し易く、忌避効果の持続性の点で問題があった。
そこで、本件発明者は、表面に豚由来の脂肪と枯草菌とが付着されている繊維基材からなる猪用忌避材(特許文献5)、表面に豚由来の脂肪と捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とが付着されている油吸着性基材からなり、前記油吸着性基材が不織布、紐、ロープまたは無機系もしくは有機系の多孔質固体である猪または鹿用忌避材(特許文献6)を開発している。
これらの忌避材は、いずれも繊維基材や不織布、紐、ロープ、無機系または有機系の多孔質固体のような比較的大きな基材と使用しているため、忌避効果が顕著に低減しても基材は残存しており、新しい忌避材を設置するには、以前に設置した忌避材を取り換えて回収する必要があった。
実用新案登録第3164186号公報 特開2008−283911号公報 実用新案登録第3154756号公報 特開平10−191868号公報 実用新案登録第3188837号 実用新案登録第3212224号
本発明は、取扱い性に優れ、忌避効果が高く、かつ、生分解性素材からなるために設置する場所から回収する必要がない有害獣用忌避材を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、
(1)忌避成分が表面に付着された生分解性基材からなり、
前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材、
(2)忌避成分がマイクロカプセルに包含されている前記(1)に記載の有害獣用忌避材、
(3)前記生分解性基材の表面がパラフィンでコーティングされている、前記(1)または(2)に記載の有害獣用忌避材、
(4)通気性を有する生分解性の袋体の内部に、表面に忌避成分が付着された生分解性基材が充填されており、
前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物、および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材、
(5)前記生分解性基材の表面がパラフィンでコーティングされている、前記(4)に記載の有害獣用忌避材、
(6)前記袋体がメッシュまたは布である、前記(4)または(5)に記載の有害獣用忌避材、
(7)前記袋体の素材が、天然繊維または生分解性プラスチックである、前記(4)〜(6)のいずれかに記載の有害獣用忌避材、
(8)前記生分解性基材の表面に、さらに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が付着されている、前記(1)〜(7)のいずれか記載の有害獣用忌避材、
(9)前記捕食性肉食動物がトラ、オオカミ、ライオンおよびワニからなる群より選ばれる1種以上の動物である、前記(8)に記載の有害獣用忌避材、
に関する。
本発明の有害獣用忌避材(以下、本発明の忌避材ともいう)は、有害獣に対する忌避成分が表面に付着された生分解性基材が、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることで、忌避成分が付着する表面積が大きくなって、忌避効果が高くなり、また、散布や保管がし易い点で取扱い性に優れ、さらに忌避材は野外において生分解するため、取り換え時に回収する必要がない。
また、前記忌避成分がマイクロカプセルに包含されていることで、忌避効果の持続性がより優れたものとなる。
また、前記生分解性基材の表面がパラフィンでコーティングされていることで、耐候性を向上させて、忌避効果の持続性がより優れたものとなる。
また、本発明の忌避材は、通気性を有する生分解性の袋体の内部に、表面に忌避成分が付着された生分解性基材が充填されていることで、取扱い性をよりよくすることに加えて、充填する生分解性基材の量を調整することで、忌避効果の程度を調整することもできる。
また、前記袋体として、メッシュまたは布を用いることで、忌避効果を調整することができる。例えば、メッシュを用いた場合には、忌避効果が強く奏することができ、布を用いた場合には忌避効果が弱いが、持続性を高めることができる。
また、本発明の忌避材は、前記生分解性基材の表面に、さらに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が付着されていることで、害獣に対する忌避効果をより高めることができる。
本発明の忌避材1の一実施形態を示す概略図である。本実施形態では、複数の生分解性基材2の表面に忌避成分3が付着されているタイプの忌避材を示す。忌避材1a(以下、1A、1B、1Cも同じ)は、複数個ある忌避材の代表例を示す。図1の左図は忌避材1の全体図を示し、図1の右図は、忌避材1aの拡大図を示す。 図2は、本発明の忌避材1Aの一実施形態を示す概略図である。本実施形態の忌避材1Aでは、生分解性基材2の表面に忌避成分3が包含されたマイクロカプセル4が付着されている状態を示す。 図3は、本発明の忌避材1B、1Cの一実施形態を示す概略図である。本実施形態では、生分解性基材2の表面がパラフィンワックス5でコーティングされているタイプの忌避材を示す。図3(a)の忌避材1Bでは、生分解性基材2の表面に、忌避成分3を含むパラフィンワックス5がコーティングされている。図3(b)の忌避材1Cでは、生分解性基材2の表面に、忌避成分3が包含されたマイクロカプセル4を含むパラフィンワックス5がコーティングされている。 図4は、本発明の忌避材1bの一実施形態を示す概略図である。本実施形態では、通気性を有する生分解性の袋体6の内部に、表面に忌避成分3が付着された生分解性基材2(忌避材1)が充填されているタイプの忌避材を示す。図4(a)は、前記袋体6の開口部7から内部に向けて、表面に忌避成分3が付着された複数の生分解性基材2(忌避材1)が充填されている状態を示し、図4(b)は、前記充填完了後に、開口部7をシールして、忌避材1bを作製した状態を示す。
本発明の有害獣用忌避材は、忌避成分が表面に付着された生分解性基材からなり、
前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする。
本発明で有害獣とは、人間活動に害をもたらす哺乳類に属する動物を指し、イノシシ、シカ、サル、クマ、タヌキ、キツネ、イタチ、アライグマ、ハクビシン、ヌートリア、イヌ、ネコなどが挙げられる。
本発明で用いる忌避成分とは、揮発することで前記有害獣に対して忌避効果のある成分であればよく、例えば、豚由来の脂肪、植物エキス(トウガラシ、ニンニク、ヨモギ、ドクダミ、緑茶、クマザサ、サンショ、朝鮮人参葉、ヒノキ、ヒバ、ショウブ葉、ビワ葉、ゲットウ、ワサビ等)、植物精油、木酢液、木タールなどが挙げられる。前記豚由来の脂肪は、豚の皮下脂肪、脂肪が多い肉部分を煮詰めて得られる脂肪液、豚の脂肪を圧搾して得られる油分液などが挙げられる。
本発明で用いる生分解性基材は、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなるものである。本発明の忌避材では、前記のように、細かい状態になっている生分解性基材を用いることで、忌避成分が付着する表面積が大きくなるために忌避効果が高くなり、また、散布や保管がし易い点で取扱い性に優れ、さらに忌避材は野外において生分解するため、回収する必要がないという利点がある。
前記木竹類の原料となる植物の種類としては、建築用または農作業用に市販されている針葉樹、広葉樹、竹類などであればよく、特に限定はない。例えば、針葉樹としては、スギ、ヒノキ、マツ、ヒバ、イチイ、カヤ、ネズコ、カラマツ、など、広葉樹としては、サクラ、ケヤキ、ブナ、クリ、コナラ、カシワ、クヌギ、カエデ、ミズナラ、クルミ、クス、ホウノキ、カツラ、ウルシ、カキノキ、リンゴ、コクタンなどが挙げられる。
また、木竹類の粉砕方法については、所望のサイズに粉砕できる方法で処理されていればよく、特に限定はない。
前記木竹類の破砕物のサイズとしては、特に限定はないが、忌避成分が付着し易く、生分解性にも優れる点から、長径が5mm以下であることが好ましい。
前記木竹類の破砕物としては、例えば、市販のスモークチップを使用することもできる。
生分解性プラスチックの種類としては、微生物系(バイオポリエステル(PHB/Vなど)、バクテリアセルロース、微生物多糖(プルラン、カードランなど)など)、化学合成系(脂肪族ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸など)、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸類(PMLGなど)、天然物系(キトサン/セルロース、澱粉)などが挙げられる。
前記生分解性プラスチックの粒状物の形状としては、球状、回転楕円体状、立方体状、三角錐状、角柱状、円柱状、円錐状、多面体状などが挙げられるが、特に限定はない
前記生分解性基材の種類は、1種類であってもよいし、2種類以上を混合してもよい。
また、前記生分解性プラスチックのサイズとしては、特に限定はないが、忌避成分が付着できる表面積が大きく、かつ、取扱い性がよいという両者のバランスに優れる点で、平均粒子径が5mm以下サイズであればよい。
本発明の有害獣用忌避材において、前記忌避成分を、前記生分解性基材の表面に付着させる方法としては、例えば、前記生分解性基材と前記忌避成分とをミキサーなどの混合機に添加して混合する方法、前記生分解性基材を前記忌避成分を含む溶液中に含浸する方法、前記生分解性基材に、前記忌避成分を含む溶液をスプレーする方法などが挙げられる。
なお、前記忌避成分を含む溶液の媒体、水、有機溶剤(エタノール、メタノール、ヘキサン)、水と有機溶剤の混合溶液などが挙げられる。前記媒体については、前記忌避成分を溶解できるものまたは忌避成分を均一に分散できるものであればよく、使用する忌避成分にあわせて適当なものを適宜選択すればよい。
また、忌避成分を含む溶液中における忌避成分の含有量についても、生分解性基材の表面に付着させる方法にあわせて適宜調整すればよい。
本発明の忌避材の表面に付着される前記忌避成分の量としては、多いほど忌避効果に優れるが特に限定はなく、例えば、前記生分解性基材100重量部に対して5重量部以上であればよい。
また、前記忌避成分を予めマイクロカプセルに包含させてもよい。前記忌避成分をマイクロカプセル中に包含させることで、忌避成分が環境中に放出される時間を引き延ばして、忌避効果をより長く持続することができる。
また、前記マイクロカプセル中に包含される前記忌避成分の量としては、マイクロカプセルに設けられた孔の容量により一概に限定できないが、前記忌避成分の全てを包含させてもよいし、前記忌避成分の一部をマイクロカプセル中に包含させてもよい。包含される忌避成分の量が多いほど忌避効果を強くし、かつ長期間持続させることができる。
ここで、包含とは、マイクロカプセルに設けられた孔中に前記忌避成分が含有されていることをいう。
前記マイクロカプセルとしては、シリカ、珪酸カルシウム、アルミナなどが挙げられるが、特に限定はない。また、マイクロカプセルは忌避成分の放出性に優れる点から、多孔質のものであることが好ましい。
前記マイクロカプセルの大きさとしては、直径が約0.5μm〜1000μmほどであればよい。前記マイクロカプセルとしては、市販のものを使用すればよい。
前記マイクロカプセル中に前記忌避成分を包含させる手法としては、公知の手法であればよく、例えば、前記忌避成分を含有する溶液をマイクロカプセルに噴霧したり、前記忌避成分を含有する溶液中にマイクロカプセルを浸漬するなどの手法が挙げられるが、特に限定はない。
また、前記忌避成分を包含させたマイクロカプセルを前記生分解性基材の表面に付着させる方法としては、天然ゴム、生分解性樹脂エマルジョンなどの生分解性粘着剤を前記忌避成分を包含させたマイクロカプセルと混合し、さらに前記生分解性基材と撹拌混合する方法が挙げられる。中でも、忌避効果の耐候性を向上させる観点から、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
パラフィンワックスを用いる方法については、後述する。
本発明の忌避材では、前記生分解性基材の表面に忌避成分に加えて捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が付着されていてもよい。
前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分とは、トラ、オオカミ、ライオン、ワニなどの捕食性肉食動物の排泄物に含まれている臭気成分をいう。
前記臭気成分としては、例えば、前記捕食性肉食動物の排泄物そのものでもよい。また、本発明の忌避材への混合がし易い観点から、前記排泄物から分離されたり、精製されたりした臭気成分、および合成された臭気成分であってもよい。具体的には、ピラジン化合物、イソペンテニルメチルスルファイド、これらの誘導体および塩類などが挙げられるが特に限定はない。
本発明の忌避材において、前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分の量は、多いほど忌避効果に優れるが特に限定はない、例えば、前記生分解性基材100重量部に対して0.01重量部以上であればよい。
また、前記臭気成分が化合物である場合、乳化剤を用いてもよい。例えば、前記臭気成分および乳化剤を含む乳化溶液を、前記忌避成分を含む溶液中に混合すればよい。
前記乳化剤としては、特に限定はないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどが挙げられる。また、乳化剤の使用量としては、前記臭気成分の量が乳化できる量であればよく、特に限定はない。
また、本発明の忌避材では、前記忌避成分および前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分に特有の不快臭を抑えるために枯草菌を用いてもよい。
本発明で使用する枯草菌は生菌であればよく、乾燥菌体であっても生の菌体でもよいが、取扱性及び入手性に優れる観点から、BN菌などの市販されるバチルス属の菌を用いるのが好ましい。
なお、BN菌は、株式会社明治から市販されているバチルス属の菌であり、「バチルス・サブチリスBN1001」ともいう(特許第2553727号公報)。
枯草菌の量は、多いほど不快臭の消臭効果に優れるが特に限定はなく、例えば、前記忌避成分100重量部に対して0.001重量部以上10重量部以下であればよい。
前記忌避成分、必要であれば、前記捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分および前記枯草菌が前記生分解性基材の表面に付着されている状態としては、特に限定はないが、例えば、前記生分解性基材の表面の一部または全面に前記忌避成分が付着された状態、また、前記忌避成分が豚由来の脂肪を用いた場合には、前記生分解性基材の表面に豚由来の脂肪が付着し、かつ付着した豚由来の脂肪中に捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分や枯草菌が分散された状態などが挙げられる。
また、本発明の忌避材を構成する生分解性基材の表面には、さらに、パラフィンワックスがコーティングされていてもよい。パラフィンワックスの層を前記生分解性基材の表面に形成することで、忌避成分が早期に散逸することをパラフィンワックスで抑えることができ、本発明の忌避材としての耐候性をさらに向上させることができる。
パラフィンワックスとしては、常温で固体となる性質のものであればよく、その融点については、特に限定はないが、取扱性及び耐候性に優れる観点から、融点が50〜100℃が好ましい。パラフィンワックスとしては、市販のものを使用すればよく、特に限定はない。
パラフィンワックスは、前記忌避成分、必要に応じて捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分や枯草菌と混合した状態でもよいし、忌避成分、必要に応じて捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分や枯草菌を付着させた表面にさらにパラフィンワックスの層を設けてもよい。
パラフィンワックスの使用量としては、特に限定はないが、忌避効果を保ちながら、耐候性を向上させる観点から、忌避成分100重量部に対して200重量部以下であればよい。
パラフィンワックスをコーティングする手法としては、特に限定はなく、例えば、前記忌避成分または忌避成分を包含したマイクロカプセルを、予め溶解したパラフィンワックス中に混合させ、次いで、生分解性基材に添加して、ミキサーなどの混合機中で撹拌混合する方法が挙げられる。
本発明の忌避材は、忌避成分や捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分などに特有の不快臭が顕著に低減されているため、耕作地やその周辺部、特に人家に近い場所に設置した場合でも、不快臭による周囲への配慮を必要としない点で、設置可能性が顕著に優れている。
また、本発明の忌避材としては、前記忌避成分が表面に付着された前記生分解性基材が、通気性を有する生分解性の袋体の内部に充填されていてもよい。
前記のように、通気性を有する生分解性の袋体の内部に、表面に忌避成分が付着された生分解性基材が充填されていることで、取扱い性をよりよくすることに加えて、充填する生分解性基材の量を調整することで、忌避効果の程度を調整することもできる。
なお、本発明において通気性の程度については、野外に設置した場合に、袋体の内部にある忌避成分が袋体の外部に揮発できるような状態であればよく、特に限定はない。
また、前記袋体として、メッシュまたは布を用いることで、忌避効果を調整することができる。例えば、メッシュを用いた場合には、忌避効果が強く奏することができ、布を用いた場合には忌避効果が弱いが、持続性を高めることができる。
また、前記袋体の内部に充填する表面に忌避成分が付着された生分解性基材の量についても、袋体の容量、忌避期間など、必要に応じて適宜調整すればよく、特に限定はない。
以上の本発明の忌避材は、住宅地、農地、山林およびこれらの周辺部などの様々な野外の場所において、好適に使用することができる。
例えば、住宅、農地などであれば、庭、壁の穴、建物の周囲、田畑の周囲など、有害獣が侵入していたり、侵入する可能性のある場所の付近に、本発明の忌避材を手などで適当量まいておくことで、有害獣の侵入を忌避することができる。また、地面にまかれた本発明の忌避材は、地表面に分散されるため、少量であれば地面の様子はほとんど変わらないため、まいた箇所の外観を損なうこともない。
また、山林などのように設置する範囲が大きな場合には、前記忌避成分が表面に付着された前記生分解性基材が、前記袋体の内部に充填されている袋体タイプの忌避材を、所望の間隔で置いておけばよい。また、忌避したい場所の中心部に、大型の袋体タイプの忌避材や複数の袋体タイプの忌避材を配置することで、忌避成分が周囲に拡散し易くしてもよい。
例えば、図1に、本発明の忌避材1の例を示す。また、忌避材1は、生分解性基材2の表面に忌避成分3が付着されているタイプの忌避材であり、忌避材1aは、複数個ある忌避材の代表例を示す。図1の左図で示される忌避材1は、忌避材1aを含めて立方体状になっているが、その形状は球状、回転楕円体状、立方体状、三角錐状、角柱状、円柱状、円錐状または多面体状であってもよい。
また、図1の右図に示すように、忌避材1aは、生分解性基材2の表面に忌避成分3が付着されている。忌避成分3が付着されている忌避材1aの表面の範囲については、一部であってもよいし、全面であってもよく、特に限定はない。
この忌避材1では、有害獣に対する忌避成分3が表面に付着された生分解性基材2は、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることで野外において生分解するため、設置後は回収する必要がない。また、このように微細な生分解性基材2から構成される忌避材1では、忌避成分3が付着する生分解性基材2の表面積が大きくなることで、忌避効果が高くなり、また、散布や保管がし易い点で取扱い性に優れる。
また、図2に、他の実施形態として、本発明の忌避材1Aを示す。前記忌避材1Aは、前記忌避材1aと同様に、複数個ある忌避材の代表例を示す。前記忌避材1Aでは、生分解性基材2の表面に忌避成分3が包含されたマイクロカプセル4が付着されている。マイクロカプセル4が付着されている忌避材1Aの表面の範囲については、一部であってもよいし、全面であってもよく、特に限定はない。この忌避材1Aのように、忌避成分3がマイクロカプセル4に包含されていることで、前記忌避材1aに比べて、忌避効果の耐候性、持続性をより向上させることができる。
図3に、他の実施形態として、本発明の忌避材1Bおよび1Cを示す。前記忌避材1B、1Cは、前記忌避材1aと同様に、複数個ある忌避材の代表例を示す。図3(a)の忌避材1Bでは、生分解性基材2の表面に、忌避成分3を含むパラフィンワックス5がコーティングされている。また、図3(b)の忌避材1Cでは、生分解性基材2の表面に、忌避成分3を包含させたマイクロカプセル4を含むパラフィンワックス5がコーティングされている。これらの忌避材1Bおよび1Cのように、パラフィンワックス5の層中に忌避成分3が含有されていることで、前記忌避材1a、1Aに比べて、忌避効果の耐候性、持続性をさらに向上させることができる。なお、前記忌避材1B、1Cでは、パラフィンワックス5と生分解性基材2の表面との間に忌避成分3や忌避成分3を包含させたマイクロカプセル4が配置されていてもよい。
図4に、他の実施形態として、本発明の忌避材1bを示す。前記忌避材1bでは、通気性を有する生分解性の袋体6の内部に、表面に忌避成分3が付着された生分解性基材2が充填されている。また、図4(a)は、前記袋体6の開口部7から内部に向けて、表面に忌避成分3が付着された複数の生分解性基材2が充填されている状態を示し、図4(b)は、前記充填完了後に、開口部7をシールして、忌避材1bを作製した状態を示す。シールの態様としては、袋体6の内部に充填されている表面に忌避成分3が付着された生分解性基材2が出なけれ、袋体6の材質、サイズなどに応じて適宜決定すればよく、特に限定はない。例えば、開口部7を熱圧着でシールしてもよいし、糸で縫ってもよい。
なお、前記忌避材1bにおいて、前記袋体6に充填する表面に忌避成分3が付着された生分解性基材2としては、前記忌避材1が挙げられ、また、個々の忌避材の形態としては忌避材1a、1A、1B、1Cのいずれでもよい。
このように、前記忌避材1bでは、通気性を有する生分解性の袋体6の内部に、表面に忌避成分3が付着された生分解性基材2が充填されていることで、前記忌避材1よりも持ち運び易く、設置もしやすい点で取扱い性を向上することに加えて、充填する忌避成分3が付着した生分解性基材2の量を調整することで、忌避効果の程度を調整することもできる。
また、前記袋体6として、メッシュまたは布を用いることで、忌避効果を調整することができる。例えば、前記袋体6がメッシュである場合には、通気性が高いため、充填された忌避成分3が外部に放出されやすく忌避効果を強く奏することができる。また、前記袋体6が布である場合には、メッシュの場合に比べて、通気性が低くなるために、忌避効果は弱くなるものの、その分、忌避効果の持続時間を長くして、持続性を高めることができる。
また、図示しないが、本発明の忌避材1(1a、1A、1B、1C)では、前記生分解性基材2の表面に、さらに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が付着されていてもよい。この場合、捕食性肉食動物の存在を有害獣に認識させることで、忌避材1を設置した場所に対する忌避効果をより高めることができる。
以下、本発明を実施例などによりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
市販の豚由来の脂肪20重量部を予め溶解させ、これを、ミキサーで撹拌している市販のスモークチップ(最大長さ5mm以下)100部に添加・混合して、室温で乾燥させることで、図1に示す忌避材1を作製した。
個々の忌避材1aの形状はおおむね立方体状であったが、大きさ、形状は均一化されたものではなかった。
前記忌避材1は、軽量であるため、持ち運び易く、また、忌避したい場所に手で簡単に散布することができた。
また、前記忌避材1は、市販のビニール袋、プラスチップ容器などに充填しておくことで、保管もしやすかった。
(実施例2)
実施例1で得られた忌避材1を、メッシュ状の袋体6に充填し、開口部7をシールして図4(b)に示す忌避材1bを作製した。
前記忌避材1bは、袋体6に入っているため、忌避したい場所に、そのまま袋体ごと設置すればよかった。
(試験例1)
イノシシの侵入被害を頻繁に受けていた畑の周囲に、一定の間隔で、実施例1で得られた忌避材1を同じ量ずつ手で散布した。
設置後、畑の周囲を回ったところ、切れ目なく忌避成分に特有のにおいがしていることを確認した。
(試験例2)
シカの食害を頻繁に受けていた山の斜面の中心部付近に、実施例2で得られた忌避材1bを複数個設置した。
設置後、中心部から離れて端の方に移動したところ、中心部付近から離れるほど忌避成分に特有のにおいは弱まっていったものの、端の部分まで忌避成分に由来するにおいがしていることを確認した。
試験例1、2のいずれも、設置直後から数週間、有害獣の侵入被害は顕著に少なくなった。
したがって、本発明の忌避材1、1bは、取扱い性に優れ、忌避効果が高いこと、そして、生分解性基材を用いることから、そのまま生分解して自然に還元されるため、設置した場所から回収する必要もないことがわかる。
1 忌避材
1a 1A 1B 1C 忌避材
2 生分解性基材
3 忌避成分
4 マイクロカプセル
5 パラフィンワックス
6 袋体
7 開口部

Claims (9)

  1. 忌避成分が表面に付着された生分解性基材からなり、
    前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材。
  2. 忌避成分がマイクロカプセルに包含されている請求項1に記載の有害獣用忌避材。
  3. 前記生分解性基材の表面がパラフィンでコーティングされている、請求項1または2に記載の有害獣用忌避材。
  4. 通気性を有する生分解性の袋体の内部に、表面に忌避成分が付着された生分解性基材が充填されており、
    前記生分解性基材が、木竹類の粉砕物、および生分解性プラスチックの粒状物のいずれか1種以上からなることを特徴とする有害獣用忌避材。
  5. 前記生分解性基材の表面がパラフィンでコーティングされている、請求項4に記載の有害獣用忌避材。
  6. 前記袋体がメッシュまたは布である、請求項4または5に記載の有害獣用忌避材。
  7. 前記袋体の素材が、天然繊維または生分解性プラスチックである、請求項4〜6のいずれかに記載の有害獣用忌避材。
  8. 前記生分解性基材の表面に、さらに捕食性肉食動物の排泄物由来の臭気成分が付着されている、請求項1〜7のいずれか記載の有害獣用忌避材。
  9. 前記捕食性肉食動物がトラ、オオカミ、ライオンおよびワニからなる群より選ばれる1種以上の動物である、請求項8に記載の有害獣用忌避材。
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