JP6082920B2 - 鳥類忌避剤 - Google Patents

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Description

本発明は、民家、農家をはじめビルディング、鉄道ガード下、銅像等の建造物及び公園の樹木、農園、養殖池等に於いて、ヒトにとって不都合な場所に構えた止り場、塒および営巣場所で、糞尿害とそれに起因する人畜共通感染症、食害、鳴き声、もしくは、しばしばヒトに恐怖心を与えるカラス、ハト等の鳥類を特定範囲内に近寄らせないことを目的とする鳥類忌避剤に関する。
鳥類によりヒトが受ける直接的および間接的被害を一般に鳥害と称している。鳥害防止策には大きく分けて3つの方法が行われてきた。一つ目は、個体数を減少させる方法であり、二つ目は、ヒト・鳥類共存法なるものである。三つ目は、最も一般的な方法で、追い払い法である。
鳥類の個体数を減少させる方法には、全面をネットで形成した覆った小屋、すなわち捕獲トラップによる捕獲や、化学不妊剤や殺鳥剤を種子や餌などに粉衣もしくは混合し、鳥類がその薬剤に接触もしくは摂取することによりそれぞれ目的を逹成する方法が行われている。
共存法とは、鳥類が好む場所や樹木を別途用意して、当該場所または樹木に鳥類を集めて、ヒトにとって不都合な場所に鳥類を寄せ付けない様にするもので、ヒトと鳥類の共存を図りつつ鳥害防除する方法である。
追い払い法とは、鳥類が感知すると忌避反応を起こす刺激を与えて、鳥類を所定の場所に寄せ付けないものである。用いられる刺激は、鳥類が示す忌避反応が強いほど良く、また慣れにくいほどよく、視覚刺激、聴覚刺激、味覚刺激、接触刺激、そして嗅覚刺激が単独もしくは複数の組み合わせ刺激として用いられる(特許文献1)。追い払い法で使用される各刺激物は経験によって見出されることが多い。
特開平3−271203
鳥害を防止するにあたって、ヒトおよび対象とする鳥類そのものや、鳥類以外の動物や生物、そして環境への安全性確保を勘案するならば、化学薬品に依存する個体数削減は汎用性に乏しく、また環境法規による制約もあり、手近な防止策とはならないという問題点がある。
共存法については、鳥類の個体数と鳥害の一層の増加を招きかねず、住居等の建造物が密接して複雑に入り組んでいる市街地などにおいては適用し難いという問題点がある。
追い払い法のうち、視覚刺激では対象とする鳥類が慣れてしまう問題があり、聴覚刺激については可聴周波数範囲や音圧レベルがヒトと重なる、もしくは近接していることなどからヒトにも不快感を与えてしまい、汎用性に乏しいという問題点がある。
さらに、味覚刺激では、殺菌剤や殺虫剤、さらに殺軟体動物剤などの化学薬品で処理した餌を摂食させることで鳥類に生理的苦痛を与え、苦痛を学習させようとするもので、化学薬品によるヒトや他の生物への二次災害という点で汎用性に乏しいという問題点がある。
さらにまた、接触刺激では、ベランダに鳥類を寄せ付けないために、粘着剤を塗ったり、針状の金属を巻きつけたり、テグスを張ったりする方法などが行われているが、忌避効果が刺激物を設置した空間に限定されること、設置したことで時にヒトの生活や行動範囲が制約されたり、周辺の美観を損ねたりする弊害があり、汎用性に乏しいという問題点がある。
各刺激物の忌避反応度をみると、効果の空間範囲が狭いこと、慣れを防止するための複数の組み合わせ刺激策が煩雑であること、さらに住居等の建造物が密接して複雑に入り組んでいる市街地などにおいては適用しにくいこと、などから汎用性に乏しく、ごく一部を除いて追い払い策の効果を実感できないでいた。
香料からの揮発物質による嗅覚刺激は、刺激の伝播が空気とほぼ同じであり、香料の設置場所の自由度は著しく大きいので、都市部、沿岸部、山間部を問わず、唯一汎用性のある防除策となり得る。しかし、従来の研究に依ると、鳥類は哺乳類に比べ嗅覚が発達しておらず、カラスに至っては、ことさら嗅覚器官は発達していないと言われている。例えば、腐敗物が入っているゴミ袋から食餌したり、ヒトが悪臭として忌避する臭気が漂う場所でも活動したりする。
さらに、カラスの嗅覚が未発達であることを示す実験報告がある。すなわち、ある匂いの強い餌二つを、一つはカラスに見えるように、もう一つは見えないように包装して並べたところ、ヒトの嗅覚では、いずれの包装形態でも匂いを感知できたが、カラスは見えない方には関心を示さなかったというものである。
これらの報告から、カラスにとって痛覚刺激になる刺激臭を除いて、従来から提案されている嗅覚刺激物に忌避効果は期待できないといわれてきた。
一方、従来の研究によると、動物は何らかの化学物質に反応するものであり、反応しない種は存在しないといわれている。本願発明者は、カラス以外の鳥類に対する匂いへの忌避感度を観測中、風下方向にある100m以上離れた建物群上空を、カラスが飛び去っていくという事例を数多く経験している。
上記例にみるカラスの忌避行動が、嫌いな匂いと判断したのか、日常経験していない匂いに驚いて避難したのか、さらに、嗅細胞以外の細胞−たとえば、三叉神経などの神経細胞が感知したのかが明らかではないが、匂いによっては、ヒトよりも遥か鋭敏な嗅感覚を有していることが判明した。前記の特許文献1にはカラス等に対して忌避効果を有するメチルナフチルエーテル(2−メトキシナフタレン)やエチルナフチルエーテル(2−エトキシナフタレン)を用いた組成物が提案されているが、効果の持続性や、揮発物が空気中上方に拡散しがたいという点で、例えば空港のような平坦地への適用には課題があった。
本願発明者は、嗅覚刺激による忌避法に注目し、適切な香料を選定し、当該香料からの揮散物質を長期間保持するための手段を施すことで、カラスを広範囲かつ長期間にわたり忌避せしめ、それでいてヒトへの健康被害を最小限に留める忌避剤を提供することを課題として本発明を完成した。
本発明の忌避剤は、ベンゼン核にアルコキシ基、水酸基及びアルデヒド基が同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−1)およびベンゼン核にメチレンジオキシ基とアルデヒド基を同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−2)から選ばれる一種または二種以上の芳香族エーテルの45〜70重量%と、ナフタレン核2位(β位)にアルコキシ基が置換基結合した芳香族エーテル(B)の55〜30重量%との混合物を有効成分とする鳥類忌避剤である(第1発明)。
また、本発明の忌避剤は、前記第1の発明における芳香族エーテル(A−1)がエチルバニリン及び/又はバニリンであり、芳香族エーテル(A−2)がピペロナールであり、芳香族エーテル(B)が2−メトキシナフタレン及び/又は2−エトキシナフタレンである鳥類忌避剤である(第2発明)。
また、本発明の忌避剤は、前記第1または第2の発明における忌避対象となる鳥類がカラスまたはハトである鳥類忌避剤である(第3発明)。
本発明によれば、特定の香料を混合し、これを黒色低密度ポリエチレン袋等に封入し、袋から透過してくる香料が発する揮散物質を風に乗せて鳥類に嗅覚刺激を与えることによって、鳥類が広範囲かつ長期間にわたり忌避することで、これらを遠ざけることができる。
本発明の実施例による忌避剤の断面図である。 本発明の実施例の平面街並み図である。 本発明の実施例の平面街並み図である。 本発明の実施例の平面街並み図である。 本発明の実施例の平面地形図である。 本発明の実施例の平面地形図である。 本発明の実施例の平面地形図である。
本発明では、芳香族エーテル(A−1)、(A−2)群と芳香族エーテル(B)との混合物を忌避剤の有効成分として用いるが、これらの化合物について記載する。
本発明で使用するベンゼン核にアルコキシ基、水酸基及びアルデヒド基を同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−1)としては、バニリン、エチルバニリン(3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルテヒド)が例示できる。これらの外にアルコキシ基のアルキル鎖が炭素数3までのものが有効である。炭素数3を超えるとアルコキシ基の共鳴効果におよぼす電子供与性の低下が生じ、忌避効果が低減するので本発明の効果は得られない。
本発明で使用するベンゼン核にメチレンジオキシ基とアルデヒド基を同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−2)としては、ピペロナール(3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド)が例示できる。
本発明で使用するナフタレン核2位(β位)にアルコキシ基が置換基結合した芳香族エーテル(B)としては、2−メトキシナフタレン(メチル2−ナフチルエーテル),2−エトキシナフタレン(エチル2−ナフチルエーテル)が挙げられる。これらの外にアルコキシ基のアルキル鎖が炭素数3までのものが有効である。炭素数が3を超えると鳥類に対する忌避性が弱くなって本発明の効果が得られない。
前記の内で本発明の組み合わせとしては、芳香族エーテルA群のエチルバニリンまたはピペロナールと、芳香族エーテル(B)の2−エトキシナフタレンを組み合わせた混合物が、人に対する匂いの嗜好性を勘案すると、特に有効である。
上記したバニリン、エチルバニリン、ピペロナール、2−メトキシナフタレンそして2ーエトキシナフタレンの5者について、たとえばハトに対する忌避性の強さを、忌避剤を風上に設置して、その忌避剤をハトに逐次近づけていってハトが逃避するまでの距離を尺度として比較した。
風が強く感じられる晴天時は5者に差異はみられないが、微風かつ雨天時ではバニリン、エチルバニリン、ピペロナール群と、2−メトキシナフタレン、2−エトキシナフタレン群で差異がみられ、バニリンの距離が最も小さく、次いでエチルバニリン、ピペロナールでやや距離が長くなっており、2−メトキシナフタレン、2−エトキシナフタレンの2者には差異は無く、距離は伸びた。
これらを数値で表わすと、バニリンの距離を1として、エチルバニリンはおよそ1.25、ピペロナールはおよそ1.35、そして2−メトキシナフタレン及び2−エトキシナフタレンそれぞれはおよそ1.53であり、2−メトキシナフタレン及び2−エトキシナフタレンに特に強い忌避性がある。
また一方、前記芳香族エーテル類を透明低密度ポリエチレン袋に封止して室内窓際に静置し、袋の外に放出される匂いを経時的に嗅いで、匂いがしなくなるまでの期間、つまり匂いの持続性を調べると、バニリンの期間を1として2−メトキシナフタレン、2−エトキシナフタレンは0.5〜0.6、次いでピペロナールで1.2〜1.3倍という結果を得た。エチルバニリンの寿命は長く、1.5倍であった。
上記したように、雨天時に強い匂いを出す2−メトキシナフタレンおよび2−エトキシナフタレンと匂いの寿命が長いエチルバニリン及び/又はピペロナールとの混合によって補完作用を容易に期待できる。
さらに、この混合によって、ベンゼン核に水酸基とアルデヒド基およびエトキシ基を結合するエチルバニリンとナフタレン核にメトキシ基、エトキシ基をそれぞれ結合する2−メトキシナフタレン、2−エトキシナフタレンとの間に分子間力が働くことは容易に推測できる。すなわち、互いに持つ調合香料の保留剤としての機能を損なわず一層高い保留効果、すなわち忌避剤としての長寿命化が期待できる。
本発明の有効成分である芳香族エーテル類は市販のものが使用できる。これらを封入するポリエチレン袋および外装となるポリエステル袋、付属部品も市販のものが使用できる。これらの芳香族エーテル類を通常の任意の方法で混合して封入するか、あるいは別々に封入して揮散時に両者が混合されるように忌避剤を調製する。
芳香族エーテルA群と芳香族エーテル(B)の化合物の混合比(重量比)は、A群45%に対し(B)55%〜A群70%に対し(B)30%が好適であり、用いる化合物の種類や対象とする害鳥や設置場所、気象条件等によって適宜定めれば良い。
芳香族エーテルA群の化合物の含有割合が45重量%より少なければ忌避効果の持続性が短くなり、70重量%より多ければ芳香族エーテル(B)の含有量が少なくなって、広い空間にわたる忌避性の強さが失われてしまう。さらに、芳香族エーテルA群の化合物の含有割合が45重量%より少なければ忌避効果の範囲が低い空域に止まり、70重量%より多ければ芳香族エーテル(B)の含有量が少なくなって高い空域での効果が増加する一方、低空域での効果を減じてしまうので、本発明の継続的で広範囲にわたる有効な効果が発揮できない。
本発明の鳥類忌避剤は、太陽光の照射を受ける屋外で使用する場合が大半となるが、その際、有効成分の混合物を収納する包装容器の壁面を太陽光が透過すると、とくに空気存在下で、光エネルギーによる自動酸化劣化を起こし、有効成分が短時間で機能しなくなることは十分予測されるところである。そこで、包装容器には、有効成分の透過性能を確保し、且つ太陽光のうち少なくとも紫外線と赤外線の遮光性が求められる。そこで、包装容器の材質はポリオレフィン材、もしくは紙とポリオレフィンフィルムとのラミネート材であって、少なくとも紙またはポリオレフィンフィルムのいずれか一方にカーボンブラック等の遮光剤を含むのが好ましい。好ましくは、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレンである。
鳥類のうち、その縄張りや集合場所に新規なものが設置されると、これを積極的に排除する行動が見られるが、特にカラスはそれが顕著である。包装容器をこうした排除行動から保護し、かつ鳥類忌避剤の機能を低下させないために赤外線吸収能の高い材質の防護ネット袋の外装が求められる。黒色ポリエステル製ネットが好ましい。
本発明の忌避剤の効果持続期間は、当該忌避剤の量によって任意に設定されるが、例えば1個当たり25gの有効成分を含む忌避剤を、屋外に約20m間隔で設置した場合は、90日から120日間程度、忌避効果は持続する。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
(忌避剤の調合)
(1)忌避剤A ピペロナールと2−メトキシナフタレンそれぞれ12.5gを乳鉢にとり、混合したもの
(2)忌避剤B エチルバニリンと2−エトキシナフタレンそれぞれ12.5gを乳鉢にとり、混合したもの
(3)忌避剤C エチルバニリンと2−メトキシナフタレンそれぞれ12.5gを乳鉢にとり混合したもの
(4)忌避剤D 前記の忌避剤Bにピペロナール5gを加え、乳鉢にて混合したもの
(5)忌避剤E バニリンと2−メトキシナフタレンそれぞれ12.5gを乳鉢にとり、混合したもの
(6)忌避剤F バニリンと2−エトキシナフタレンそれぞれ12.5gを乳鉢にとり、混合したもの
図1は本発明の鳥類忌避剤の断面図である。忌避剤A〜Fそれぞれを厚さ0.025mm×幅115mm×長さ195mmの黒色低密度ポリエチレン袋2に5gずつ5段階に分けて封入する。忌避剤を一段投入する毎にシールする。次にこの袋全体を大きさ140mm×200mmのメッシュ織りの黒色ポリエステル防護袋3に収納し側面のファスナーを閉じる。この忌避剤を設置した場所から鳥が外したり、移動させたり、取り壊したりしないよう針金製の取り付け具4をとりつける。設置は取り付け具4が上部になるようにする。
(実施例2)
図2は、本発明の忌避剤の効果を知る実験場の一つである。鉄道駅から150mほどの距離にある八差路の交差点5であって、交差点5は高さ7〜20mの建物6などに囲まれている。電線が道路をよこぎってはりめぐらされており、電線上も含めハト7が路面上から10m付近の高さに至るまで止っており、その数45羽を超える。建物等それぞれの平面的な位置関係は図2の通りである。交差点5から風上方向で、およそ80mの忌避剤設置場所9の地上およそlmの高さに前記A〜Fから選ばれる忌避剤を1個設置した。
忌避剤A〜Fのそれぞれについて、設置後1分して交差点5の電線上のハト等は逃避開始し、一帯のハト7が6分後には10羽弱を残すのみであった。しかし、12分程で再び忌避剤設置以前に舞い戻った。2分ほどすると、また再び逃避がはじまった。こうしたサイクルが1時間ほど続いたが、サイクルを繰り返すうちに交差点5のハトの個体数が明らかに減少していき、3時間も過ぎると、数羽に減少した。
この実験を7回実施したところ、タ刻での実験では1時間程度で交差点5の電線上のハトの残留数は2羽弱であり、午前中での実験では数羽が残留したが、明らかに匂いの届かない離れた公園樹木等に多数集まっていた。交差点5の場所で給餌が有ると、公園樹木等にいたハトが飛来して餌に群がるが、風向きが変わり、餌場が忌避剤設置場所の風下になると飛散する行動が観察された。こうしたハトの振る舞いは忌避剤A〜Fそれぞれについてほぼ共通であった。
(実施例3)
図3は本発明の忌避剤の効果を知る実験場の他の一つである。駅ビル10とその反対側の街並みを結ぶ歩道橋11があって、歩道橋11を取り囲むように高さ15〜25mのビルが林立している盆地状広場がある。ハト12および13は高さ8〜20mの歩道橋11や駅ビル10等に計20余羽いる。広場で風が渦巻く地形と判断する。駅ビル10からおよそ80m強離れた忌避剤設置場所14で、高さ1mの位置に本発明の前記A〜Fから選ばれる忌避剤1個を設置したところ、15分弱でハト12および13の全数を逃避させた。逃避したハトは1時間後も戻ることはなかった。忌避剤A〜Fそれぞれの実験日は異なるがハトの逃避挙動はほぼ共通していた。
(実施例4)
図4は本発明の忌避剤の効果を知る実験場の他の一つである。高さ25mの駅ビル15をはじめ、高さおよそ20mのビル群に囲まれた盆地状地形である。駅ビル15の正面にバスの発着所がある。ハトは発着所付近17の高さ6〜7mの場所に計10余羽ほど止っている。さらに駅ビル15に対面する高さ20mのビル18の屋上にカラス20が計2羽、止っている。ハトに対して風上の忌避剤設置場所19に忌避剤Aを1個、高さ1mの位置に設置した。5分弱してハトは風下に向かって逃避した。一方、カラス20はビル21方向に逃避した。
(実施例5)
図5は本発明の忌避剤の効果を知る実験場の他の一つである。河川22の両側に堤防23があって、橋24上に架かる電線25に常時30羽を超えるハトが止っている。一方、堤防23付近の土地26内の高さ15m程の樹木26および、ほぼ同じ高さのビル27屋上には数羽のカラスが常時集まっている。ハト、カラスはともに時折22と23の間の河川敷に下りて食餌している。樹木26に対して風上の場所28の高さ0.2mと1mの位置に本発明の忌避剤Aを1個ずつ、計2個を設置した。設置後10分強で電線25にいたすべてのハトが逃避し、カラスも逃避した。この実験は連日行ったが、26、27周辺においてカラスは4日目以降発見せず、14日経過するまで見ることは無かった。一方、ハトは電線25から対岸方面の電線や河川敷に移動し、14日後も数羽が残った。
(実施例6)
図6は本発明の忌避剤の効果を知る実験場の他の一つである。陸上競技場29があってその周辺は高さ1m弱から15mの樹木31に囲まれている。カラス32は競技場29内の芝生に常時数羽程度いる。カラス32の風上に地表面に5m離して本発明の忌避剤Aを設置場所33に1個ずつ設置する。設置時問は一日1時間弱であるが、14日間の観察では、4日目以降競技場29内に来なくなった。また、図面上で競技場29下側及び競技場29左側の樹木地帯31に出没していたカラスは見られなくなった。
(実施例7)
図7は本発明の忌避剤の効果を知る実験場の他の一つである。周辺を道路で囲まれた丘陵地帯であって、地帯34は盆地状をなし、その周辺は勾配70度を超える土の絶壁をなしていて丘陵地までの標高差は最大でおよそ20mである。地帯34には民家がある。畑もあり、果樹木、杉の木もある。地帯34上部から丘陵地に至る絶壁状斜面は竹林と樹木林が混在していて、さらに上の丘陵地には民家と7〜15m高さの高木周辺を二分するように立ち並んでいる。カラス35は盆地から斜面の樹木や畑、丘陵地上面の民家のテレビアンテナ、ベランダに至るほぼ全面に群がっていて総数50羽前後である。カラス35は全てではないが畑の生ゴミや昆虫、斜面地肌にいる昆虫類、ゴミ捨て場の生ゴミを啄ばんでいる。地帯34内に吹き込む風向きに配慮して本発明の忌避剤Aを3箇所の設置場所36に1個ずつ設置した。10日後ではあきらかに減じ10数羽残留している。20日後ではカラスの数は数羽に減じた。80日後では数羽残った。ただ105日後では残留カラス数は10数羽に増加した。
上記の通り、忌避剤A、B,C,D,E及びFのいずれもカラスを遠ざける効果が確認された。
なお、上記の忌避剤A〜Fの実施例において、芳香族エーテルA群と芳香族エーテル(B)の両方の化合物を混合したものを同一の袋に封入して実施したが、両者を混合せずにそれぞれの化合物を別個の袋に封入したものを隣接して同時に使用しても同様な効果が得られた。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。たとえば、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツバメ、ウミ鵜、カワ鵜、カモメ、にも請求項に記載した手段を適用すると駆除できることが確認できた。
1:忌避剤、2:黒色低密度ポリエチレン袋、3:黒色ポリエステル防護袋、4:取り付け具、5:交差点、6:建物、7,12,13:ハト、8:100m縮尺、9,14,19,28,33,36:忌避剤設置場所、10,15:駅ビル、11:歩道橋、17:発着所付近、18:高さ20mビル、20,32,35:カラス、21,27:ビル、22:河川、23:堤防、24:橋、25:電線、26:寺院敷地、29:陸上競技場、30:球場、31:樹木地帯、34:地帯

Claims (3)

  1. ベンゼン核にアルコキシ基、水酸基及びアルデヒド基が同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−1)、ベンゼン核にメチレンジオキシ基とアルデヒド基を同時に置換基結合した芳香族エーテル(A−2)から選ばれる一種または二種以上の芳香族エーテルの45〜70重量%と、ナフタレン核2位(β位)にアルコキシ基が置換基結合した芳香族エーテル(B)の55〜30重量%との混合物を有効成分とする鳥類忌避剤。
  2. 芳香族エーテル(A−1)がエチルバニリン及び/又はバニリンであり、芳香族エーテル(A−2)がピペロナールであり、芳香族エーテル(B)が2−メトキシナフタレン及び/又は2−エトキシナフタレンである請求項1記載の鳥類忌避剤。
  3. 忌避対象となる鳥類がカラスまたはハトである請求項1ないし請求項2に記載の鳥類忌避剤

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