JP3246656U - ペット用遺体収容器具(天国の窓) - Google Patents
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Abstract
【課題】ペットを亡くした飼い主の精神的な不安や身体的な不調を和らげる。【解決手段】ペット用遺体収容器具10は、収納ケース100を備えており、猫や犬などのペットの遺体12は、上面130を開けて収容ケース100内の安置台122の上にマット123を敷いて、その上に置かれる。一方、冷却機210の運転を開始し、給気口220から収容ケース100内に冷気を供給する。遺体12が安置された状態を収容ケース100の正面や斜め右側から見ると、冷却台200の装飾306があることから、草原の空中に遺体12が浮遊しているような様子を見ることができる。また、収容ケース100の背景装飾300に菜の花畑や後光がさす風景が描かれており、それら天国の風景が安置台122のペットを包み込むような情景となっていることから、あたかも遺体12が天国で安らかに眠っているような印象を与えることができる。【選択図】図1
Description
本考案は、ペット用の遺体を収容するペット用遺体収容具に関する。
ペットの遺体を収容するものとしては、例えば下記特許文献1記載の「発泡樹脂製棺桶」がある。これは、遺体の保冷に適するように断熱性が良好であり、成形性が良く、且つ防湿防水性が完全に得られて院内感染などの恐れもなく、さらに、火葬中にはバーナーの火力で直ぐに消失するために、遺体にバーナーの火が直ちに回り、また、灰も残らないようにすることを目的としたもので、身と蓋とを、発泡性及び成形性が良好であり、しかも焼却時にカーボン及びガスの発生が少ない完全焼失性の発泡樹脂材料により成形してなり、発泡樹脂が、メタクリル酸エステルを主成分とする焼失性のアクリル系発泡樹脂組成物からなる。
ところで、家族同然のペットが亡くなったときに、大変な悲しみにおそわれて、いわゆるペットロス症候群と称される精神的,身体的不調を訴えることも珍しくない。しかし、死亡後もしばらくはペットを傍に置いておくことができれば、飼い主の精神的な不安や身体的な不調を和らげることができる。
しかしながら、上述した背景技術では、遺体とともに火葬されることを前提としていることから、小窓が設けられているものの全体が不透明な発砲樹脂で形成されており、棺桶内の全体の様子を見ることはできない。
本考案は、かかる点に着目したもので、ペットを亡くした飼い主の精神的な不安や身体的な不調を和らげることを目的とする。
本考案は、ペットの遺体を収容するペット用遺体収容器具であって、前記ペットの遺体を収容する収容ケースを備えており、前記収容ケースは、正面側が透明であって、かつ、背面側にペットの冥福を祈願する風景の装飾が施されており、前記収容ケースに冷気を供給する冷却手段を設けたことを特徴とする。前記装飾として、例えば天国の風景を描くことで、あたかもペットの遺体が天国で安らかに眠っているような印象を与えることができる。また、前記収容ケース内の遺体は、冷却機やドライアイス・保冷剤などの冷却手段によって冷却される。前記ペット用遺体収容器具は、そのまま葬儀会場に設置されるか、葬儀用ケースに収納して葬儀会場に設置される。本考案の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本考案によれば、ペットの遺体を冷却する収容ケースの正面側を透明とするとともに、遺体の背面側にペットの冥福を祈願する装飾を施すこととしたので、ペットとの別れを惜しむにふさわしい十分な時間を過ごすことができ、飼い主の精神的な不安や身体的な不調を和らげることができ、ペット用の遺体収容器具として好適である。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2には、本考案の「天国の窓」の一実施例のペット用遺体収容器具10が示されている。図1(A)は正面から見た様子が示されており、同図(B)は内部の様子が示されている。また、図2には上段の収容ケース100を分解した様子が示されている。これらの図において、ペット用遺体収容器具10は、上段の遺体収容ケース100と下段の冷却台200とによって構成されている。
これらのうち、収容ケース100は、壁面110,底面120,上面130によって箱状に構成されている。これらのうち、底面120を除く各面は、透明のアクリルやガラスによって構成されている。壁面110は、正面110A,左右側面110B・110C,及び背面110Dによって構成されており、少なくとも側面110B・110Cの一方、及び背面110Dは、空気層を介在させた二重構造となっている。図2の例では、壁面110の全体が二重構造となっている。
次に、底面120は、冷却台200との間の仕切りとなっており、安置台122が隙間124をおいて設けられている。また、底面120には、冷却台200に通ずる給気口220及び排気口222がそれぞれ設けられており、いずれも隙間124に通じている。加えて、隙間124には、給気口220と排気口222との間の冷気の流れを遮断する仕切り224が設けられている。一方、上面130は、壁面110で囲まれた空間を塞ぐためのもので、壁面110の二重構造の隙間112に突起132が嵌まり込むようになっている。なお、内側の突起134によって壁面110の内側に係止するようにしてもよい。
冷却台200内には、冷却機(クーラー)210が設けられており、冷気の吐出側は給気口220に通じており、空気の吸入側は排気口222に通じている。すなわち、冷却機210で生成された冷気が給気口220から収容ケース100内に供給され、収容ケース100内を冷却した空気が排気口222から冷却機210に戻されて再び冷却されるようになっている。
ところで、本実施例では、収容ケース100の左側面110B及び背面110Dに、天国をイメージする背景装飾300が設けられている。背景装飾300は、紙,布,樹脂フィルムなどの適宜の素材に描かれており、左側面110B及び背面110Dのケース外側に取り付けられるか、もしくは二重構造の間に挿入されている。図示の例では、下側に菜の花畑を想起させる絵(イラスト)302と、空から後光がさす様子を示す絵304が描かれている。加えて、冷却台200の正面及び右側面には、草原の様子を示す装飾306が施されている。
次に、本実施例の全体の作用を説明する。猫や犬などのペットの遺体12は、上面130を開けて収容ケース100内の安置台122の上にマット123を敷いて、その上に置かれる。一方、冷却機210の運転を開始し、給気口220から収容ケース100内に冷気を供給する。この動作は、遺体12をケース内に収容する前から行ってもよい。このように、遺体12を冷却することで、長時間の保存を行うことができる。
遺体12が安置された状態を収容ケース100の正面や斜め右側から見ると、冷却台200の装飾306があることから、草原の空中に遺体12が浮遊しているような様子を見ることができる。また、収容ケース100の背景装飾300が菜の花畑や後光がさす風景が描かれており、それら天国の風景が安置台122のペットを包み込むような情景となっていることから、あたかも遺体12が天国で安らかに眠っているような印象を与えることができる。このようにして、飼い主は、愛したペットとの別れのときを十分に時間をかけて過ごすことができ、ペットを亡くしたことによる精神的な不安や身体的な不調を和らげることができる。
次に、図3を参照して、本考案の実施例2について説明する。上述した実施例と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする。本実施例は、上述した冷却機210の代わりに、ドライアイスを用いた例である。図3(A)のペット用遺体収容器具20Aは、ドライアイス容器400を、収容ケース100の側面側に設けた例で、ドライアイス容器400内には、ドライアイス402が収容されている。このドライアイス容器400と収容ケース100との間には、送気ファン404が設けられており、これによってドライアイス402から気化した低温の二酸化炭素が収容ケース100内に送り込まれ、遺体12が冷却される。なお、ドライアイス402は気化して膨張するので、送気ファン404を設けることなく通気口を設けるのみでも、同様の冷却効果を得ることができる。
図3(B)のペット用遺体収容器具20Bは、ドライアイス容器410を、収容ケース100の上面側に設けた例で、ドライアイス容器410内には、ドライアイス412が収容されている。このドライアイス容器410と収容ケース100との間には、送気ファン414が設けられており、これによってドライアイス412から気化した低温の二酸化炭素が収容ケース100内に送り込まれ、遺体12が冷却される。なお、前記実施例と同様に、送気ファン414の代わりに通気口を設けるようにしてもよい。
図3(C)のペット用遺体収容器具20Cは、ドライアイス容器420を、収容ケース100の下面側に設けた例で、ドライアイス容器420内には、ドライアイス422が収容されている。このドライアイス容器420と収容ケース100との間には、給気ファン424及び排気ファン426が設けられており、これらによってドライアイス422から気化した低温の二酸化炭素が収容ケース100内に送り込まれ、遺体12が冷却される。なお、給気ファン424及び排気ファン426の代わりに通気口を設けるのみでもよいが、ドライアイス422から気化した二酸化炭素は空気より重いので、気化時の膨張のみでは十分な冷却効果が得られない可能性がある。そのような場合には、図示したように給気ファン424及び排気ファン426を設けるようにする。
図3(C)のペット用遺体収容器具20Cは、ドライアイス容器420を、収容ケース100の下面側に設けた例で、ドライアイス容器420内には、ドライアイス422が収容されている。このドライアイス容器420と収容ケース100との間には、給気ファン424及び排気ファン426が設けられており、これらによってドライアイス422から気化した低温の二酸化炭素が収容ケース100内に送り込まれ、遺体12が冷却される。なお、給気ファン424及び排気ファン426の代わりに通気口を設けるのみでもよいが、ドライアイス422から気化した二酸化炭素は空気より重いので、気化時の膨張のみでは十分な冷却効果が得られない可能性がある。そのような場合には、図示したように給気ファン424及び排気ファン426を設けるようにする。
次に、図4を参照して、本考案の実施例3について説明する。上述した実施例と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする。上述したペット用遺体収容器具は、そのまま葬儀の式場において設置するようにしてよいが、本実施例のようにして設置するようにしてもよい。
同図(A)のペット用遺体収容器具30Aは、上述した収容ケース100を、葬儀用ケース500に更に収納し、葬儀用ケース500を、葬儀会場の棺台502の上に載置する。ドライアイス容器510は、図4(B)に示すように、葬儀用ケース500の下側に配置する。この状態で、葬儀会場で葬儀を行うようにする。葬儀用ケース500を透明とすることで、収容ケース100内の遺体12と対面することができる。
同図(C)のペット用遺体収容器具30Bは、上述した葬儀用ケース500を、図1に示した冷却台200の上に設置した例である。葬儀用ケース500には遺体12が収容された収容ケース100が収納されており、冷却台200には冷却機210が収納されている。本実施例では、葬儀用ケース500及び冷却台200の全体が葬儀会場に設置される。
<他の実施例> なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、全体を円筒状に形成するようにしてもよい。
(2)前記実施例では、収容ケース100の背景装飾300や、冷却台200の装飾306として、絵ないしイラストを描いたが、写真であってもよい。また、それら装飾を施す面も、正面側以外のすべての面とするなど、必要に応じて適宜設定してよい。安置台122上に描くようにしてもよい。また、それらの装飾としては、ペットの冥福を祈願するものであれば、前記実施例に限らず、どのようなものであってもよい。立体視可能なものでもよい。
(3)安置台122上のペットの遺体12を透明な容器で形成した棺の中に収め、この棺を安置台122の上に置くようにしてもよい。また、前記実施例では、冷却台200の上に収容ケース100を置いて一体としたが、収容ケース100と冷却台200を別々に設置し、ホースで接続するようにしてもよい。冷却台200にキャスタを設け、移動自在としてもよい。
(4)前記実施例では、ドライアイスを使用したが、高吸水性ポリマーなどを使用した各種の保冷剤をドライアイスの代わりに、あるいはドライアイスと併用するようにしてもよい。
(5)収容ケース100内に、除菌剤,消臭剤,芳香剤を置くようにしてもよい。また、背景装飾300の素材に除菌・消臭・芳香効果のある薬剤を混ぜ込むようにしてもよいし、冷却機210から供給される冷気に、除菌・消臭・芳香成分を混ぜるようにしてもよい。
(6)ペットとしては、猫や犬が好適な例であるが、特にそれらに限定されるものではない。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、全体を円筒状に形成するようにしてもよい。
(2)前記実施例では、収容ケース100の背景装飾300や、冷却台200の装飾306として、絵ないしイラストを描いたが、写真であってもよい。また、それら装飾を施す面も、正面側以外のすべての面とするなど、必要に応じて適宜設定してよい。安置台122上に描くようにしてもよい。また、それらの装飾としては、ペットの冥福を祈願するものであれば、前記実施例に限らず、どのようなものであってもよい。立体視可能なものでもよい。
(3)安置台122上のペットの遺体12を透明な容器で形成した棺の中に収め、この棺を安置台122の上に置くようにしてもよい。また、前記実施例では、冷却台200の上に収容ケース100を置いて一体としたが、収容ケース100と冷却台200を別々に設置し、ホースで接続するようにしてもよい。冷却台200にキャスタを設け、移動自在としてもよい。
(4)前記実施例では、ドライアイスを使用したが、高吸水性ポリマーなどを使用した各種の保冷剤をドライアイスの代わりに、あるいはドライアイスと併用するようにしてもよい。
(5)収容ケース100内に、除菌剤,消臭剤,芳香剤を置くようにしてもよい。また、背景装飾300の素材に除菌・消臭・芳香効果のある薬剤を混ぜ込むようにしてもよいし、冷却機210から供給される冷気に、除菌・消臭・芳香成分を混ぜるようにしてもよい。
(6)ペットとしては、猫や犬が好適な例であるが、特にそれらに限定されるものではない。
本考案によれば、ペットの遺体を冷却する収容ケースの正面側を透明とするとともに、遺体の背面側にペットの冥福を祈願する装飾を施すこととしたので、ペットとの別れを惜しむにふさわしい十分な時間を過ごすことができ、飼い主の精神的な不安や身体的な不調を和らげることができ、ペット用の遺体収容器具として好適である。
10:ペット用遺体収容器具「天国の窓」
12:遺体
100:収容ケース
110:壁面
110A:正面
110B:左側面
110C:右側面
110D:背面
112:隙間
120:底面
122:安置台
123:マット
124:隙間
130:上面
132:突起
134:突起
200:冷却台
210:冷却機(クーラー)
220:給気口
222:排気口
224:仕切り
300:背景装飾
302:絵(イラスト)
304:絵
306:装飾
400:ドライアイス容器
402:ドライアイス
404:送気ファン
410:ドライアイス容器
412:ドライアイス
414:送気ファン
420:ドライアイス容器
422:ドライアイス
424:給気ファン
426:排気ファン
500:葬儀用ケース
502:棺台
510:ドライアイス容器
12:遺体
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502:棺台
510:ドライアイス容器
Claims (3)
- ペットの遺体を収容するペット用遺体収容器具であって、
前記ペットの遺体を収容する収容ケースを備えており、
前記収容ケースは、正面側が透明であって、かつ、背面側にペットの冥福を祈願する風景の装飾が施されており、
前記収容ケースに冷気を供給する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のペット用遺体収容器具。 - 前記収容ケースは、底面側に前記ペットの遺体を置く安置台を備えており、
この安置台の下に、前記冷却手段からの冷気を収容ケース内に供給する給気口が設けられたことを特徴とする請求項1記載のペット用遺体収容器具。 - 前記冷却手段がドライアイスもしくは保冷剤であり、前記収容ケースの少なくとも一つの面に前記ドライアイスもしくは保冷剤を設けたことを特徴とする請求項1記載のペット用遺体収容器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2024000635U JP3246656U (ja) | 2024-03-03 | 2024-03-03 | ペット用遺体収容器具(天国の窓) |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2024000635U Active JP3246656U (ja) | 2024-03-03 | 2024-03-03 | ペット用遺体収容器具(天国の窓) |
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