JP3246587B2 - 磁気ねじ - Google Patents

磁気ねじ

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JP3246587B2
JP3246587B2 JP05646195A JP5646195A JP3246587B2 JP 3246587 B2 JP3246587 B2 JP 3246587B2 JP 05646195 A JP05646195 A JP 05646195A JP 5646195 A JP5646195 A JP 5646195A JP 3246587 B2 JP3246587 B2 JP 3246587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械、その他の各
種機器に利用する磁気ねじに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、工作機械、その他の各種精密機
器の送り装置には、滑りねじ又はボールねじを利用した
ものと、磁気ねじを利用したものとがある。滑りねじ又
はボールねじを利用した送り装置は、実公昭58−40
377号公報、実公昭60−30511号公報等に開示
されるように、ねじ軸とナット体とを備え、このねじ軸
とナット体との間のねじ軌道面の滑り接触又はボールに
よる転がり接触によって、ねじ軸の回転運動をナット体
の直線運動に変換する構造を採っている。
【0003】また磁気ねじを利用した送り装置は、特開
平1−176850号公報等に開示されるように、磁性
材料から成り且つ外周面にねじ山が形成されたねじ軸
と、このねじ軸の外周に間隙をおいて套嵌されたナット
体とを備え、このナット体の内周側に磁極を設け、この
磁極の磁力作用により、ねじ軸の回転運動をナット体の
直線運動に変換する構造を採っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の滑りねじ等を利
用した送り装置は、何れもねじ軸、ナット体等が金属接
触し、この金属接触を介して一方の運動を他方に伝達し
ているため、次のような問題点がある。即ち、滑りねじ
等を利用した送り装置では、必ずねじ軌道面の金属接触
による摩擦抵抗があるため、ねじ軌道面を耐摩耗材で被
覆すると共に、固体潤滑剤、グリース又は潤滑油等で潤
滑する必要がある。
【0005】また、このような対策を講じても、摩擦抵
抗を小さくするには自ずと限界があり、摩擦抵抗による
発熱によってねじ軸が線膨張する等、機械的精度が低下
すると同時に、摩耗による機械的精度の低下、耐久性の
低下等を招く問題がある。更に、潤滑剤、グリース等の
使用による環境汚染、金属接触部分の摩耗に伴って発生
する摩耗粉による環境汚染、更には金属接触部分の振動
に伴って発生する騒音問題等を惹起する欠点がある。
【0006】磁気ねじを利用した送り装置は、磁極の磁
力作用により、ねじ軸の回転運動を筒体の直線運動に変
換しており、ねじ軸とナット体とを直接接触させる必要
がないので、無潤滑での使用が可能であると共に、摩耗
による環境の汚染、騒音等を防止でき、耐久性が向上す
る等、滑りねじ又はボールねじを利用した送り装置の問
題点を悉く解消できる利点がある。
【0007】またナット体側に磁極を設け、ねじ軸を磁
性材料により構成した場合には、ねじ軸側に磁極を設け
る場合に比較して磁極を設ける範囲が少なくなり、安価
に製作できると共に、ねじ軸に対する鉄粉等の付着を防
止できる利点がある。しかし、従来の磁気ねじは、バッ
クアップ材に多数の磁石を装着したものを用い、これを
ねじ軸のねじ山と同じ条数だけナット体の内側に同一リ
ード角で螺旋状に嵌装しているため、ナット体側の製作
が非常に煩わしく、製作コストが著しく高騰する欠点が
ある。
【0008】また従来の磁気ねじは、多数の永久磁石の
小片をバックアップ材に装着し、これをナット体の内側
に螺旋状に嵌装しているため、バックアップ材を螺旋状
に曲げながらナット体内に組み込み得たとしても、微視
的に見れば、独立した各磁石が螺旋方向に一定間隔で配
置されており、N極又はS極の磁極が螺旋状に連続した
状態になっていないので、磁石面積が不足して十分な磁
力作用を得難くなる欠点がある。
【0009】このため、従来の磁気ねじは、全体の構造
を大型化して磁束数を増やさなければ、所定のスラスト
剛性を得ることができず、その用途がスラスト剛性を差
程必要としない軽負荷用に限定される等、大きなスラス
ト剛性を必要とする箇所には採用し得ない問題がある。
本発明は、このような従来の課題に鑑み、簡単な構造で
容易且つ安価に製作し得ると共に、全体の小型化を図り
つつもスラスト剛性を確保でき、大きなスラスト剛性を
必要とする箇所にも十分使用できる磁気ねじを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料から
成り且つ外周面にねじ山が形成されたねじ軸と、ねじ
軸の外周に間隙をおいて套嵌されたナット体とを備え、
前記ナット体の内周側に磁極を設けた磁気ねじにおい
て、前記ナット体の内周側に、外筒体と、該外筒体に内
嵌され且つ内周面が平滑状に形成された内筒体とを備え
磁性筒体を前記ねじ軸と非接触状態で略同心状に設
け、前記内筒体の内周面側を、前記ねじ軸のねじ山に対
応してN極及びS極の磁極が交互に螺旋状となるように
着磁し、前記ナット体のスラスト方向の両側に、前記
筒体と前記ねじ軸とが微小間隙で略同心状となるよう
に、前記ねじ軸を保持して摺動自在に案内する合成樹脂
製のガイドリングを設け、磁石材料から成るスラスト方
向に複数個のリング体により前記内筒体を構成し、該各
リング体の外周面を前記外筒体に接着剤で固定したもの
である。
【0011】別の本発明は、磁性材料から成り且つ外周
面にねじ山が形成されたねじ軸と、該ねじ軸の外周に間
隙をおいて套嵌されたナット体とを備え、前記ナット体
の内周側に磁極を設けた磁気ねじにおいて、前記ナット
体は、ハウジングと、該ハウジングに内嵌され且つ内周
面が平滑状に形成された内筒体とを備え、前記内筒体を
前記ねじ軸と非接触状態で略同心状に設け、該内筒体の
内周面側を、前記ねじ軸のねじ山に対応してN極及びS
極の磁極が交互に螺旋状となるように着磁し、前記ナッ
ト体のスラスト方向の両側に、前記内筒体と前記ねじ軸
とが微小間隙で略同心状となるように、前記ねじ軸を保
持して摺動自在に案内する合成樹脂製のガイドリングを
設け、磁石材料から成るスラスト方向に複数個のリング
体により前記内筒体を構成し、該各リング体の外周面を
前記ハウジングに接着剤で固定したものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】本発明では、ねじ軸と磁性筒体とを微小間隙を
おいて略同心状に保持し、磁性筒体の内周側に螺旋状に
着磁された磁極とねじ軸との間の磁力作用によって、一
方から他方へとトルクを伝達する。磁極を設ける場合、
磁性筒体の内周面をねじ軸と略同心状の平滑状に形成
し、この磁性筒体の内周面側をねじ軸のねじ山に対応し
て螺旋状に着磁する。このため、磁性筒体側の構造が簡
単になり、磁性筒体を容易且つ安価に製作できる。また
磁極を螺旋状に連続的に設け易くなり、磁石面積の確
保、螺旋状の磁極の条数の増加等が容易になるため、全
体の小型化を図りつつもスラスト剛性を確保でき、大き
なスラスト剛性を必要とする箇所にも十分使用できる。
前記ナット体のスラスト方向の両側のガイドリングによ
り、ねじ軸と磁性筒体とを略同心状に保持して、両者を
非接触状態に保つ。そして、作動時には、各ガイドリン
グにより両者を非接触状態に保ったままの状態でねじ軸
を摺動自在に案内する。
【0017】前記磁性筒体の着磁部分の着磁幅を前記ね
じ山の外周側のねじ山幅よりも大にし、ねじ山の頂部に
磁束が集中し易くなるようにしているので、ねじ山の頂
部を通る磁束密度が増えてスラスト剛性を増大できる。
作動時にはガイドリングの突起がねじ軸のねじ溝内に嵌
合して摺動する。このため、過大負荷による脱調を防止
できる。前記ねじ軸の外周に2条のねじ山があり、この
2条のねじ山の一方のねじ山にN極が、他方のねじ山に
S極が夫々対応するように、前記磁性筒体の内周側にN
極とS極とがあるため、スラスト剛性を増大できる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1乃至図6は、本発明の第1実施例を
例示する。この磁気ねじ1 は、図1に示すように、ねじ
軸2 と、このねじ軸2 の外周に間隙をおいて套嵌された
磁性筒体3 と、この磁性筒体3 のスラスト方向の両側に
設けられた一対のガイドリング4,5 と、磁性筒体3 及び
ガイドリング4,5 を保持するハウジング6 とを備えてい
る。なお、磁性筒体3 、ガイドリング4,5 及びハウジン
グ6 等によりナット体7 が構成されている。
【0023】ハウジング6 は、ステンレス材料等により
筒状に構成されており、このハウジング6 のスラスト方
向の一端側の外周には、取り付け用のフランジ8 が一体
に形成されている。ハウジング6 の内側には、スラスト
方向の中央側に筒体嵌合部9が形成されると共に、この
筒体嵌合部9 の一端側に雌ねじ孔10が、他端側に隔壁部
11を介してガイド嵌合部12が夫々筒体嵌合部9 と同心状
に形成されている。
【0024】磁性筒体3 はハウジング6 の筒体嵌合部9
に挿脱自在に内嵌され、隔壁部11と雌ねじ孔10に着脱自
在に螺合するナット13とにより固定されている。ナット
13には、ハウジング6 の雌ねじ孔10に螺合した時に、磁
性筒体3 をハウジング6 の隔壁部11側に押圧する隔壁部
14と、この隔壁部14に対してスラスト方向の外側に形成
されたガイド嵌合部15とが設けられている。
【0025】各ガイドリング4,5 はナット13及びハウジ
ング6 の各ガイド嵌合部15,12 に磁性筒体3 と同心状に
嵌合され、周方向に複数本のねじ16,17 によりスラスト
方向の外側から各隔壁部14,11 に着脱自在に固定されて
いる。ねじ軸2 は所定の機械的強度を有する磁性材料か
ら成り、このねじ軸2 の外周には同一リード角で等ピッ
チの2条のねじ山18,19 が螺旋状に形成されている。な
お、ねじ山18,19 は断面が角形に形成されている。
【0026】磁性筒体3 は、磁性金属材料、希土類磁石
材料等の磁性体により構成されている。即ち、この第1
実施例では、磁性筒体3 は、図2に示すように、円筒状
のヨーク用の外筒体20と、この外筒体20の内側に内嵌さ
れた内筒体21とによって内外の二重構造に構成され、内
筒体21の内周面は、そのスラスト方向の全長に亘って略
同一内径となるように、機械加工により平滑状に加工さ
れている。
【0027】外筒体20には軟鋼等の鉄系金属材料が用い
られ、また内筒体21には希土類磁石材料、好ましくはネ
オジウムと鉄とボロンとを含有するネオジウム磁石材料
が用いられている。内筒体21は、ネオジウム磁石材料か
ら成る複数個のリング体22を備え、その各リング体22の
スラスト方向の端面同士を突き合わせた状態で外筒体20
内に内嵌されている。
【0028】なお、この磁性筒体3 を製作する場合に
は、市販のネオジウム磁石材料製のリング体22を複数個
準備し、このリング体22の外周面と外筒体20の内周面と
の何れか一方又は両方に接着剤を塗布した状態で、各リ
ング体22を外筒体20内に内嵌して接着剤で固定した後、
各リング体22に亘って内周面を機械加工により平滑状に
加工すれば良い。
【0029】内筒体21は、図3に示す如く、その内周面
側にスラスト方向にN極23とS極24との各磁極23,24 が
一定間隔で交互にできるように螺旋状に連続して着磁さ
れている。各N極23及びS極24は、ねじ軸2 の各ねじ山
18,19 に夫々対応するように、ねじ山18,19 と同一リー
ド角、同一ピッチで螺旋状に連続している。
【0030】磁性筒体3 は、内周の磁極23,24 とねじ軸
2 の外周のねじ山18,19 との間に微小間隙ができるよう
にねじ軸2 の外周に套嵌され、且つ両側のガイドリング
4,5によりねじ軸2 に対して非接触状態で同心状に保持
されている。従って、磁性筒体3 とねじ軸2 は、そのス
ラスト方向及び周方向に相対移動自在である。
【0031】磁性筒体3 のN極23はねじ軸2 のねじ山18
に、S極24はねじ軸2 のねじ山19に夫々対応しており、
ねじ軸2 側と磁性筒体3 側との間には、螺旋状の各磁極
23,24 の全範囲に亘って、磁性筒体3 のN極23からねじ
軸2 のねじ山18、ねじ山19を経て磁性筒体3 のS極24に
続く閉ループ状の磁気回路が夫々形成され、磁性筒体3
側のN極23及びS極24の磁力作用によりねじ軸2 が全周
で外側に吸引されている。
【0032】なお、内筒体21の各磁極23,24 の着磁幅W1
は、各ねじ山18,19 のねじ山幅w2よりも大であり、着磁
幅W1を1とした時にねじ山幅w2が0.5 〜0.7 程度の比率
となるように設定されている。また各ねじ山18,19 の高
さh は、着磁幅W1の1.3 〜1.7 程度になるように設定さ
れている。ねじ山18,19 間の溝幅はねじ山幅w2と同程度
か又は若干大きい程度である。
【0033】各ガイドリング4,5 は、ナイロン、ポリア
セタール、フッ素樹脂等の耐摩耗性、滑り性を有する合
成樹脂材料等の非磁性材料により構成されており、この
各ガイドリング4,5 にねじ軸2 がスラスト方向及び周方
向に摺動自在に挿入されている。この磁気ねじ1 を工作
機械の送り装置等に組み込む場合には、例えばねじ軸2
をモータ等の駆動源に連動連結し、ハウジング6 のフラ
ンジ8 を摺動台等に固定する。
【0034】そして、モータ等の駆動源によってねじ軸
2 をスラスト廻りに正転又は逆転方向に回転させると、
磁性筒体3 側のN極23とS極24との磁力がねじ軸2 のね
じ山18,19 の頂部に作用しているため、その磁力作用に
よりねじ軸2 の回転に伴って磁性筒体3 がスラスト方向
に移動し、摺動台をスラスト方向に移動させることがで
きる。この時、各ガイドリング4,5 がねじ軸2 の外周を
摺動して、ねじ軸2 と磁性筒体3 とを微小間隙で非接触
状態に保ちながら、磁性筒体3 をねじ軸2 に沿ってスラ
スト方向に案内する。
【0035】即ち、磁性筒体3 側の螺旋状のN極23とS
極24との磁力が、その全範囲にわたってねじ軸2 の各ね
じ山18,19 の頂部に微小間隙を介して外側から作用し
て、磁性筒体3 側の各磁極23,24 とねじ軸2 のねじ山1
8,19 との間に吸引力が働くため、この磁力作用によっ
てねじ軸2 がスラスト方向に拘束された状態となる。
【0036】そこで、ねじ軸2 を回転してねじ山18,19
が周方向に回転すると、このねじ山18,19 に対応する磁
性筒体3 側の各磁極23,24 がその回動に追従しようとし
て、ねじ山18,19 のリード角に従ってスラスト方向に移
動する。このため、ねじ軸2側と磁性筒体3 側との間に
微小間隙があり、両者が非接触状態であるにも拘わら
ず、各磁極23,24 の磁力作用を利用して、ねじ軸2 の回
転運動を磁性筒体3 の直線運動に変換することができ
る。
【0037】この磁気ねじ1 によれば、次のような利点
がある。この磁気ねじ1 では、ねじ軸2 と磁性筒体3 と
を非接触状態に保持しており、両者の間に機械的な接触
がないので、従来の摩擦抵抗による問題を全て解消する
ことができる。即ち、ねじ軸2 と磁性筒体3 とを非接触
状態に保持し、磁性筒体3 の内周側の各磁極23,24 の磁
力作用を利用する構造を採用しているため、従来の摩擦
による機械的精度の低下、耐久性の低下等がなく、高精
度状態で半永久的に使用することができる。
【0038】またねじ軸2 と磁性筒体3 との両者が非接
触状態であるため、本来的に潤滑の必要性がなく、無潤
滑での長期使用が可能であり、潤滑剤、摩耗粉等による
環境汚染、振動による騒音問題の発生を全て未然に防止
できる利点がある。従って、潤滑剤、摩耗粉等を嫌う場
所での使用には非常に効果的である。
【0039】更に、ねじ軸2 と磁性筒体3 とを非接触状
態に保持するに当たって、磁性筒体3 の両側にガイドリ
ング4,5 を設け、このガイドリング4,5 で磁性筒体3 に
対しねじ軸2 を同心状に保持して摺動自在に案内するよ
うにしているため、ねじ軸2と磁性筒体3 との接触を確
実に防止することができ、両者を非接触状態で常に一定
の微小間隙に保持することができる。
【0040】また磁性筒体3 と各ガイドリング4,5 とを
ハウジング6 内に嵌合し、その各ガイドリング4,5 でね
じ軸2 と磁性筒体3 とを微少間隙をおいて同心状に保持
しているので、磁気ねじ1 全体を一つのユニットとして
取り扱うことができ、送り装置等に組み込む際の取り扱
いが非常に容易である。
【0041】特に、工作機械等の機器に組み込む場合
に、その機器側でねじ軸2 と磁性筒体3 とを同心状に保
持して微小間隙を確保する必要がないため、磁気ねじ1
の組み込み時に、ねじ軸2 と磁性筒体3 との間隙に考慮
を払う必要がなく、磁気ねじ1側にこじれ等が生じない
ように組み込めば良いので、組み込み時の作業が非常に
容易であると共に、機器側のガイド機構が簡単になり、
その精度が特に要求されるようなこともない。
【0042】更に、ガイドリング4,5 でねじ軸2 と磁性
筒体3 とを非接触状態に保持する構造であるため、ねじ
軸2 と磁性筒体3 との間の間隙を最小限の微小間隙にす
ることが可能である。このため、磁性筒体3 の各磁極2
3,24 とねじ軸2 のねじ山18,19 との間での磁力作用が
大になり、ねじ軸2 から磁性筒体3 側への伝達トルクを
大きくすることができる。
【0043】しかも、ガイドリング4,5 でねじ軸2 と磁
性筒体3 とを非接触状態に確実に保持できるので、ねじ
軸2 のねじ山18,19 が磁性筒体3 の各磁極23,24 に直接
接触することがなく、ねじ軸2 の回転に連動して磁性筒
体3 をスラスト方向に確実に移動させることができ、両
者が接触して磁性筒体3 が運動不能に陥るようなことも
ない。
【0044】各ガイドリング4,5 でねじ軸2 を保持し摺
動自在に案内するが、ねじ軸2 のねじ山18,19 が螺旋状
に連続する上に、ガイドリング4,5 がナイロン、ポリア
セタール、フッ素樹脂等の耐摩耗性、滑り性を有する合
成樹脂材料等の非磁性材料から構成されているので、各
ガイドリング4,5 によってねじ軸2 を円滑に案内するこ
とができると共に、各ガイドリング4,5 の耐久性も十分
に確保することができる。また各ガイドリング4,5 が合
成樹脂材料等の非磁性材料から構成されているので、ガ
イドリング4,5 側を磁束が通ることもなく、各ガイドリ
ング4,5 によって鉄粉、その他の粉塵等の磁性筒体3 側
への進入も阻止することができる。
【0045】各ガイドリング4,5 はハウジング6 のガイ
ド嵌合部15,12 に嵌合させてねじ16,17 により着脱自在
に固定しているため、長期間の使用によって内周側が摩
耗した時には、ねじ16,17 を外すことによって容易に交
換することができる。磁性筒体3 の内周を平滑状に構成
し、この内周側を着磁してN極23とS極24とを螺旋状に
設けているので、磁性筒体3 側に各磁極23,24 があるに
も拘わらず、その構造が簡単であり、容易に製作するこ
とができる。
【0046】また磁性筒体3 の内周側に各磁極23,24 を
設け、ねじ軸2 を磁性材により構成し、このねじ軸2 の
外周に、磁性筒体3 側の螺旋状の各磁極23,24 と同一リ
ード角、同一ピッチでねじ山18,19 を螺旋状に形成して
いるため、ねじ軸2 側の加工を容易にできると同時に、
ねじ軸2 の表面に外部から鉄粉等の磁性粉が付着するこ
ともない。
【0047】しかも、各磁極23,24 は磁性筒体3 の内周
にあるため、磁極23,24 に外部から他の磁性粉等が直接
付着することもなく、また磁性筒体3 側の磁極23,24 の
磁束の殆どは、その内部のねじ軸2 側を通るので、磁極
23,24 の磁力作用を利用しているにも拘わらず、各磁極
23,24 から外部に漏れる漏洩磁束は殆どなく、漏洩磁束
による問題も生じ難くなる。また磁性筒体3 側に磁極2
3,24 があるため、磁性筒体3 が直線運動する時のスト
ロークに関係なく、磁極23,24 を設けるべきスラスト方
向の範囲が定まり、ねじ軸2 側に磁極23,24 を設ける場
合に比較してその範囲を小さくできる。
【0048】磁性筒体3 の内周側にネオジウム磁石材料
からなる内筒体21を設け、この内筒体21を、ねじ軸2 の
ねじ山18,19 に対応させて螺旋状に着磁しているので、
後述のテスト結果からも明らかなように、他の磁石材料
に使用した場合に比較して、ねじ軸2 のスラスト剛性が
非常に大になり、大きなスラスト剛性を必要とする箇所
にも十分使用することができる。
【0049】また内筒体21の内周面を平滑状にして、こ
の平滑な内筒体21の内周面を螺旋状に着磁しているの
で、個々の磁石を螺旋状に設ける従来の場合に比較し
て、磁性筒体3 の内周側にN極23、S極24の各磁極23,2
4 を容易に連続状に設けることができ、構造が非常に簡
単になると共に、容易に製作することができる。
【0050】特に、磁性筒体3 の内周面をスラスト方向
の全長に亘って同一内径の平滑状に構成して、この内周
面側を螺旋状に着磁しているので、磁性筒体3 を着磁す
る際に、磁極23,24 側のリード角がねじ軸2 のねじ山1
8,19 のリード角に一致するように自在に着磁できると
共に、磁性筒体3 の全体に亘って両者の間隙を一定に維
持できる。
【0051】しかも、磁性筒体3 の内周面を螺旋状に着
磁して、N極23及びS極24の各磁極23,24 を螺旋状に設
けているので、磁極23,24 を細かいピッチで螺旋方向に
連続状に容易に設けることができる。このため、前述の
構造が簡単で製作が容易であること、及び内筒体21にネ
オジウム磁石材料を用いていることと相まって、従来の
個々の磁石を螺旋状に配置する場合に比べて、磁気ねじ
1 全体の小型化を図りながらも、大きなスラスト剛性を
確保することができる。
【0052】即ち、磁極23,24 を細かいピッチで螺旋方
向に連続状に設けることができるため、全体を小型化し
つつも、磁石面積を大きく取ることが可能であり、しか
もその一定の磁石面積内でも、N極23及びS極24の各磁
極23,24 、ねじ山18,19 の条数を多く取るとができるの
で、スラスト剛性が著しく向上する。
【0053】特に、ねじ軸2 の外周に2条のねじ山18,1
9 があり、この2条のねじ山18,19の一方のねじ山18に
N極23が、他方のねじ山19にS極24が夫々対応するよう
に、前記磁性筒体3 の内周側にN極23とS極24とがあ
る。このため、磁石面積の割合に対してねじ山18,19 及
び磁極23,24 の条数が多くなるので、スラスト剛性が増
大する。
【0054】また磁性筒体3 の内周側には、ねじ軸2 の
2条のねじ山18,19 に対応してN極23とS極24とが交互
にあるため、内周側がN極又はS極のみとなるように着
磁する場合に比較してスラスト剛性が増大する。これ
は、各ねじ山18,19 に対応してN極23とS極24とが交互
にあれば、磁性筒体3 とねじ軸2 との間でN極23、ねじ
山18、S極24、ねじ山19を通る磁気回路ができ、この磁
気回路が細かいピッチで磁性筒体3 の内周側の全範囲に
対応して螺旋方向に形成されるためである。
【0055】磁性筒体3 は外筒体20と内筒体21とにより
二重構造に構成し、外筒体20の内側に内筒体21を嵌合し
接着しているので、脆いネオジウム磁石材料を用いて内
筒体21を構成しているにも拘わらず、内筒体21側の内面
の機械加工が容易であり、組み立て分解等の作業時にお
けるハウジング6 に対する着脱、その他の取り扱いも容
易である。
【0056】磁性筒体3 をハウジング6 の筒体嵌合部9
に嵌合させた状態では、外側の外筒体20を隔壁部11とナ
ット13の隔壁部14との間で挟んで固定しているので、そ
の内側のネオジウム磁石材料製の内筒体21に締め付け力
が直接かかることはなく、内筒体21の損傷を防止でき
る。内筒体21は単位長さのリング体22を用い、このリン
グ体22を外筒体20の内側にスラスト方向に複数個嵌合さ
せて構成しているので、市販のリング体22を使用して容
易且つ安価に製作できる。
【0057】内筒体21の着磁部分の着磁幅W1は、各ねじ
山18,19 のねじ山幅w2よりも大であり、着磁幅W1を1と
した時にねじ山幅w2が0.5 〜0.7 程度の比率となるよう
に設定しているが、このような比率にすれば、スラスト
剛性が増加する。これは、比率が0.5 〜0.7 程度の場合
には、各磁極23,24 の磁束がねじ山18,19 の頂部に集中
して磁束密度が大になると同時に、ねじ山18,19 の頂部
を通らない漏洩磁束を少なくできるのに対して、比率が
0.7 を越えれば、漏洩磁束は少なくなるものの、ねじ山
18,19 の頂部側の磁束密度が低下し、たま比率が0.5 未
満になれば、漏洩磁束が増加することによると考えられ
る。
【0058】また各ねじ山18,19 の高さh を着磁幅W1
1.3 〜1.7 程度に設定した場合にも、スラスト剛性が増
加する。これは、着磁幅W1の1.3 〜1.7 程度の場合に
は、各磁極23,24 の磁束がねじ山18,19 の頂部に集中
し、ねじ山18,19 の頂部を通らない漏洩磁束を少なくで
きるが、ねじ山18,19 の高さh が着磁幅W1の1.7 を越え
れば、ねじ軸2 側の磁気抵抗が大きくなって漏洩磁束が
増加し、逆に1.3 未満になれば、ねじ山18,19 の磁束密
度が低下するためと考えられる。
【0059】磁性筒体3 の内筒体21には、各種の磁石材
料を使用することが可能であるが、ネオジウム磁石材料
製の内筒体21とマンガンアルミ磁石材料製の内筒体21と
を製作してスラスト剛性を測定した結果、ネオジウム磁
石材料を用いた場合には、マンガンアルミ磁石材料を用
いた場合に比較して、スラスト剛性が約5倍程度まで向
上することが判った。
【0060】磁性筒体3 の内筒体21の磁石材料のみが異
なる2種類の磁気ねじ1 を準備し、図4に示すように、
この各磁気ねじ1 を動トルク測定器のチャック25に装着
すると共に、ねじ軸2 を廻り止め具26により廻り止め
し、このねじ軸2 とテールストック27との間にダイヤル
ゲージ28とスプリングスケール29とを介在した状態で、
ハンドル30を操作してスラスト方向(a矢示方向)に加
圧しながら、ダイヤルゲージ28とスプリングスケール29
とによって、ねじ軸2 の変位量と加圧量との関係を測定
した。
【0061】なお、着磁幅W1は2.0mm であり、ねじ軸2
がスラスト方向に2.0mm 以上変位すれば脱調するように
なっている。また表面の磁束密度は3000G である。図5
は内筒体21にネオジウム磁石材料を用いた場合の測定結
果を示し、変位量が1.2mm になった時に、スラスト荷重
が16.3Kgf であり、この場合のスラスト剛性は16.3Kgf/
1.2mm となる。
【0062】図6は内筒体21にマンガンアルミ磁石材料
を用いた場合の測定結果を示し、変位量が1.2 〜1.4mm
になった時に、スラスト荷重が3.4 〜3.5Kgfであり、こ
の場合のスラスト剛性は3.4Kgf/1.2mm〜3.5Kgf/1.4mmと
なる。従って、この測定結果によれば、磁性筒体3 の内
筒体21にネオジウム磁石材料を用いた場合には、マンガ
ンアルミ磁石材料の場合に比較してスラスト剛性が約5
倍程度向上することになる。
【0063】図7は本発明との比較例を示し、磁性筒体
3 の内筒体21をスラスト方向の全長に亘って一体構造の
円筒体により構成したものである。この場合には、磁性
筒体3 のスラスト方向の長さに応じた内筒体21を準備す
る必要がある。
【0064】図8は本発明の第2実施例を例示し、外筒
体20を省略すると共に、磁性筒体3を複数個のリング体2
2からなる内筒体21によって構成したものである。ハウ
ジング6 には、スラスト方向の両端に大径のリング嵌合
部15,12 が形成されると共に、このリング嵌合部15,12
間に小径の筒体嵌合部9 が形成されている。そして、各
リング嵌合部15,12 にガイドリング4,5 が嵌合しねじ1
6,17 で固定され、また筒体嵌合部9 に、スラスト方向
に複数個のリング体22が嵌合し接着剤で固定されてい
る。
【0065】この第2実施例のように磁性筒体3 を内筒
体21によって構成し、この磁性筒体3 をハウジング6 の
筒体嵌合部9 に直接嵌合させて接着剤で固定しても良
い。なお、この実施例では、複数個のリング体22により
内筒体21、即ち、磁性筒体3 を構成している。
【0066】図9は別の比較例を、図10は本発明に係
る磁気ねじ1 の第3実施例を夫々示し、各ガイドリング
4,5 の内周に脱調防止用の突起31を螺旋状に設けたもの
である。ねじ軸2 には、図9に示すように、その各ねじ
山18,19 間に半円状のねじ溝32が螺旋方向に形成され、
このねじ溝32内を摺動するように、ガイドリング4,5の
内周に突起31が一体に形成されている。突起31はねじ溝
32の螺旋方向に沿って螺旋状に長く形成されている。
【0067】本発明に係る磁気ねじ1 に脱調防止用の突
起31を採用する場合、その突起31は、図10の(A)に
示すように、ねじ軸2 側の2条のねじ溝32に夫々対応し
て2条設けても良いし、図10の(B)に示すように、
ねじ軸2 側の2条のねじ溝32の何れか一方に対応させて
1条設けても良い。なお、この第3実施例では、その
性筒体3 は、第1実施例、第2実施例と同様である。
【0068】この第3実施例では、各ガイドリング4,5
に脱調防止用の突起31を螺旋状に設けているので、一時
的にスラスト方向に過大な負荷が作用した場合にも、こ
の突起31によってねじ軸2 と磁性筒体3 との脱調現象を
阻止することができる。従って、ねじ軸2 の各ねじ山1
8,19 と磁性筒体3 の各磁極23,24 とを常時対応させた
状態で、ねじ軸2 から磁性筒体3 に円滑且つ確実にトル
クを伝達することが可能である。
【0069】しかも、突起31が螺旋状になっているた
め、突起31の損傷も極力防止することができ、耐久性が
向上する。また突起31は螺旋状であるが、ガイドリング
4,5 が合成樹脂製の場合には、その成形時に容易に一体
に成形することができる。なお、この実施例では、各ガ
イドリング4,5 に突起31を夫々設けているが、ガイドリ
ング4,5 の何れか一方に設けても良い。
【0070】図11は他の比較例を示し、脱調防止用の
突起31をピン33により構成したものである。即ち、突起
31は先端が球面状になったピン33により構成され、ハウ
ジング6 のガイド嵌合部15,12 にガイドリング4,5 を嵌
合させた後、ハウジング6 の外側からガイドリング4,5
に突起31を挿入して、その先端の球面状の部分をねじ溝
32に嵌め込んでいる。
【0071】脱調防止用の突起31は、このようにピン33
により構成しても良い。この場合には、突起31とねじ溝
32との接触面積を小さくできるため、突起31による摩擦
抵抗の増大を防止できると共に、ピン33がハウジング6
とガイドリング4,5 とに貫通しているので、このピン33
によってガイドリング4,5 を固定することができ、第1
実施例のねじ16,17 を省略することも可能である。
【0072】図12は比較例を示し、ねじ軸2 の外周側
を着磁して、磁性筒体3 のN極23及びS極24に対応する
S極34及びN極35を螺旋状に設けると共に、各ガイドリ
ング4,5 の内周に、ねじ溝32に摺動自在に嵌合する脱調
防止用の突起31を設けたものである。
【0073】この場合には、ねじ軸2 の磁極34,35 と磁
性筒体3 の磁極23,24 との異極同士が内外に相対応して
いるため、その磁極34,35 と磁極23,24 との間に大きな
吸引力が働くことになり、ねじ軸2 と磁性筒体3 とのス
ラスト方向の磁気的拘束力を非常に大にできる利点があ
る。特に、磁性筒体3 側の磁極23,24 の螺旋方向の全長
に亘って磁極23,24 と磁極34,35 との間に大きな吸引力
が働くため、両者間の磁力作用が大になり、伝達トルク
を大きくすることができる。
【0074】図13及び図14は本発明の第4実施例
例示する。即ち、図13に示すように、この磁気ねじ1
は、磁性筒体3 の平滑な内周面を螺旋状に着磁して各磁
極23,24 を螺旋状に設けると共に、磁性筒体3 の両側に
ガイドリング4,5 をねじ等で着脱自在に装着し、ねじ軸
2 の外周にねじ山18を形成したものである。
【0075】ねじ軸2 は、断面角形のねじ山18,19 とね
じ溝32を持った角ねじが望ましいが、図14の(A)〜
(C)に示すような構造のものを用いることも可能であ
る。図14の(A)〜(C)の各ねじ軸2 は、ねじ山18
を台形状又は略台形状に構成している。なお、ねじ軸2
のねじ溝32の形状は、図14の(A)に示すV字状、
(B)に示す台形状、又は(C)に示す円弧状の何れで
も良いし、またこれら以外の形状を採用しても良い。
【0076】この場合にも、各実施例と同様な効果を得
ることができる。以上、本発明の各実施例について詳述
したが、本発明は各実施例に限定されるものではない。
例えば、ガイドリング4,5 、ハウジング6 等を合成樹脂
材料により一体に構成しても良い。その場合には、磁性
筒体3 の外筒体20をハウジング6 成形用の金型内に入れ
て合成樹脂材料を注入し、ハウジング6 等に外筒体20
モールド成形しても良い。ハウジング6 の外周形状は、
円筒形の他、角形等でも良い。
【0077】また磁性筒体3 に使用する磁石材料は、各
実施例に限定されるものではなく、希土類磁石材料、希
土類コバルト磁石材料、希土類プラスチック磁石材料、
その他の各種の材料を用いることができる。しかし、ス
ラスト剛性の向上に主眼を置いた場合には、希土類磁石
材料、取り分けネオジウム磁石材料が最も望ましい。
【0078】更に、各実施例では、ねじ軸2 等の回転の
運動を磁性筒体3 の直線運動に変換する場合について説
明しているが、ねじ軸2 等をスラスト方向に移動自在に
設けると共に、磁性筒体3 を回転自在に設けておけば、
磁性筒体3 の回転運動をねじ軸2 等の直線運動に変換す
ることも可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、磁性材料から成り且つ
外周面にねじ山が形成されたねじ軸と、ねじ軸の外周
に間隙をおいて套嵌されたナット体とを備え、ナット体
の内周側に磁極を設けた磁気ねじにおいて、ナット体の
内周側に、外筒体と、該外筒体に内嵌され且つ内周面が
平滑状に形成された内筒体とを備えた磁性筒体をねじ軸
と非接触状態で略同心状に設け、内筒体の内周面側を、
ねじ軸のねじ山に対応してN極及びS極の磁極が交互に
螺旋状となるように着磁し、ナット体のスラスト方向の
両側に、内筒体とねじ軸とが微小間隙で略同心状となる
ように、ねじ軸を保持して摺動自在に案内する合成樹脂
製のガイドリングを設け、磁石材料から成るスラスト方
向に複数個のリング体により内筒体を構成し、該各リン
グ体の外周面を外筒体に接着剤で固定しているので、簡
単な構造で容易且つ安価に製作し得ると共に、全体の小
型化を図りつつスラスト剛性を確保でき、大きなスラス
ト剛性を必要とする箇所にも十分使用できる磁気ねじを
提供することが可能である。
【0080】また磁性材料から成り且つ外周面にねじ山
が形成されたねじ軸と、該ねじ軸の外周に間隙をおいて
套嵌されたナット体とを備え、ナット体の内周側に磁極
を設けた磁気ねじにおいて、ナット体は、ハウジング
と、該ハウジングに内嵌され且つ内周面が平滑状に形成
された内筒体とを備え、内筒体をねじ軸と非接触状態で
略同心状に設け、該内筒体の内周面側を、ねじ軸のねじ
山に対応してN極及びS極の磁極が交互に螺旋状となる
ように着磁し、ナット体のスラスト方向の両側に、内筒
体とねじ軸とが微小間隙で略同心状となるように、ねじ
軸を保持して摺動自在に案内する合成樹脂製のガイドリ
ングを設け、磁石材料から成るスラスト方向に複数個の
リング体により内筒体を構成し、該各リング体の外周面
をハウジングに接着剤で固定しているので、簡単な構造
で容易且つ安価に製作し得ると共に、全体の小型化を図
りつつスラスト剛性を確保でき、大きなスラスト剛性を
必要とする箇所にも十分使用できる磁気ねじを提供する
ことが可能である。またナット体の両側に、内筒体とね
じ軸とが微小間隙で略同心状となるように、ねじ軸を保
持して摺動自在に案内する合成樹脂製のガイドリングを
設けているので、簡単な構造でねじ軸と磁性筒体とを非
接触状態に保持できると共に、円滑且つ確実な作動を確
保でき、しかも他の機器に対する組み付けも容易に行う
ことができる。更に内筒体の着磁部分の着磁幅をねじ山
の外周側のねじ山幅よりも大にしているので、ねじ山の
頂部に磁束が集中し易くなって磁束密度が大になり、ス
ラスト剛性を増大できる。またガイドリングの少なくと
も一方に、ねじ軸のねじ溝に摺動自在に嵌合する脱調防
止用の突起を設けているので、過大負荷による脱調を防
止でき、円滑且つ確実な作動を確保できる。しかもねじ
軸の外周に2条のねじ山を設け、この2条のねじ山の一
方のねじ山にN極が、他方のねじ山にS極が夫々対応す
るように、磁性筒体の内周側にN極とS極とを設けてい
るので、スラスト剛性を増大できる。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す一部切欠正面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例を示す磁性筒体の断面図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例を示す着磁状態の断面図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例を示すスラスト剛性測定方
法の説明図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す磁性筒体にネオジウ
ム磁石材料を用いた時の変位量と加圧量との関係を示す
図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す磁性筒体にマンガン
アルミ磁石材料を用いた時の変位量と加圧量との関係を
示す図である。
【図7】本発明との比較例を示す一部切欠正面図であ
る。
【図8】本発明の第2実施例を示す一部切欠正面図であ
る。
【図9】別の比較例を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施例を示すガイドリングの断
面図である。
【図11】他の比較例を示す要部の拡大断面図である。
【図12】比較例を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す一部切欠正面図で
ある。
【図14】本発明の第4実施例を示す要部の拡大断面図
である。
【符号の説明】
1 磁気ねじ 2 ねじ軸 3 磁性筒体 4,5 ガイドリング 6 ハウジング 7 ナット体 18,19 ねじ山 20 外筒体 21 内筒体 22 リング体 23 N極(磁極) 24 S極(磁極) 31 突起 32 ねじ溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−176850(JP,A) 特開 平6−2752(JP,A) 特開 昭63−169710(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料から成り且つ外周面にねじ山が
    形成されたねじ軸と、ねじ軸の外周に間隙をおいて套
    嵌されたナット体とを備え、前記ナット体の内周側に磁
    極を設けた磁気ねじにおいて、前記ナット体の内周側
    に、外筒体と、該外筒体に内嵌され且つ内周面が平滑状
    に形成された内筒体とを備えた磁性筒体を前記ねじ軸と
    非接触状態で略同心状に設け、前記内筒体の内周面側
    を、前記ねじ軸のねじ山に対応してN極及びS極の磁極
    が交互に螺旋状となるように着磁し、前記ナット体のス
    ラスト方向の両側に、前記内筒体と前記ねじ軸とが微小
    間隙で略同心状となるように、前記ねじ軸を保持して摺
    動自在に案内する合成樹脂製のガイドリングを設け、磁
    石材料から成るスラスト方向に複数個のリング体により
    前記内筒体を構成し、該各リング体の外周面を前記外筒
    体に接着剤で固定したことを特徴とする磁気ねじ。
  2. 【請求項2】 磁性材料から成り且つ外周面にねじ山が
    形成されたねじ軸と、該ねじ軸の外周に間隙をおいて套
    嵌されたナット体とを備え、前記ナット体の内周側に磁
    極を設けた磁気ねじにおいて、前記ナット体は、ハウジ
    ングと、該ハウジングに内嵌され且つ内周面が平滑状に
    形成された内筒体とを備え、前記内筒体を前記ねじ軸と
    非接触状態で略同心状に設け、該内筒体の内周面側を、
    前記ねじ軸のねじ山に対応してN極及びS極の磁極が交
    互に螺旋状となるように着磁し、前記ナット体のスラス
    ト方向の両側に、前記内筒体と前記ねじ軸とが微小間隙
    で略同心状となるように、前記ねじ軸を保持して摺動自
    在に案内する合成樹脂製のガイドリングを設け、磁石材
    料から成るスラスト方向に複数個のリング体により前記
    内筒体を構成し、該各リング体の外周面を前記ハウジン
    グに接着剤で固定したことを特徴とする磁気ねじ。
  3. 【請求項3】 前記内筒体の着磁部分の着磁幅を前記ね
    じ山の外周側のねじ山幅よりも大にしたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の磁気ねじ。
  4. 【請求項4】 前記ガイドリングの少なくとも一方に、
    前記ねじ軸のねじ溝に摺動自在に嵌合する脱調防止用の
    突起を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3に記
    載の磁気ねじ。
  5. 【請求項5】 前記ねじ軸の外周に2条のねじ山を設
    け、この2条のねじ山 の一方のねじ山にN極が、他方の
    ねじ山にS極が夫々対応するように、前記内筒体の内周
    側にN極とS極とを設けたことを特徴とする請求項1、
    2、3又は4に記載の磁気ねじ。
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