JP3153508B2 - 磁気ねじ - Google Patents

磁気ねじ

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JP3153508B2
JP3153508B2 JP07650398A JP7650398A JP3153508B2 JP 3153508 B2 JP3153508 B2 JP 3153508B2 JP 07650398 A JP07650398 A JP 07650398A JP 7650398 A JP7650398 A JP 7650398A JP 3153508 B2 JP3153508 B2 JP 3153508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械、その他の各
種機器に利用する磁気ねじに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、工作機械、その他の各種精密機
器の送り装置には、滑りねじ又はボールねじを利用した
ものと、磁気ねじを利用したものとがある。滑りねじ又
はボールねじを利用した送り装置は、実公昭58−40
377号公報、実公昭60−30511号公報等に開示
されるように、ねじ軸とナットとを備え、このねじ軸と
ナットとの間のねじ軌道面の滑り接触又はボールによる
転がり接触によって、ねじ軸の回転運動をナットの直線
運動に変換する構造を採っている。
【0003】また磁気ねじを利用した送り装置は、特開
昭49−101771号公報、特開昭54−15695
9号公報等に開示されるように、ねじ軸と、このねじ軸
の外周に間隙をおいて套嵌された筒体とを磁性体により
構成し、ねじ軸と筒体との少なくとも一方に螺旋状の磁
極を設け、この磁極の磁力作用により、ねじ軸の回転運
動を筒体の直線運動に変換する構造を採っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の滑りねじ等を利
用した送り装置は、何れもねじ軸、ナット等が金属接触
し、この金属接触を介して一方の運動を他方に伝達して
いるため、次のような問題点がある。即ち、滑りねじ等
を利用した送り装置では、必ずねじ軌道面の金属接触に
よる摩擦抵抗があるため、ねじ軌道面を耐摩耗材で被覆
すると共に、固体潤滑剤、グリース又は潤滑油等で潤滑
する必要がある。
【0005】しかも、このような対策を講じても、摩擦
抵抗を小さくするには自ずと限界があり、摩擦抵抗によ
る発熱によってねじ軸が線膨張する等、機械的精度が低
下すると同時に、摩耗による機械的精度の低下、耐久性
の低下等を招く問題がある。更に、潤滑剤、グリース等
の使用による環境汚染、金属接触部分の摩耗に伴って発
生する摩耗粉による環境汚染、更には金属接触部分の振
動に伴って発生する騒音問題等を惹起する欠点がある。
【0006】磁気ねじを利用した送り装置は、磁極の磁
力作用により、ねじ軸の回転運動を筒体の直線運動に変
換しており、ねじ軸と筒体とを直接接触させる必要がな
いので、無潤滑での使用が可能であると共に、摩耗によ
る環境の汚染、騒音等を防止でき、耐久性が向上する
等、滑りねじ又はボールねじを利用した送り装置の問題
点を悉く解消できる利点がある。
【0007】本発明は、このような磁気ねじにおいて、
簡単な構造で容易に製作できるようにすることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性体から成
り且つ外周にねじ山が形成されたねじ軸と、磁性体から
成り且つ前記ねじ軸の外周に間隙をおいて套嵌された筒
体と、該筒体が内嵌されたハウジングとを備え、前記筒
体の内周面をその軸方向の全長に亘って同一径の平滑状
に構成し、該筒体の内周面に前記ねじ山に対応する螺旋
状の磁極を着磁し、前記ハウジングの内側に、軸心方向
の筒体嵌合凹部と、前記筒体嵌合凹部の一端側の雌ねじ
孔と、前記筒体嵌合凹部の他端側の隔壁部とを形成し、
前記筒体嵌合凹部内に前記筒体を内嵌し、前記筒体を前
記隔壁部と前記雌ねじ孔に螺合するナットとにより前記
ハウジングに固定したものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る磁気ねじ
の第1実施例を例示する。この磁気ねじは、図1に示す
ように、ねじ軸1 と、このねじ軸1 の外周に套嵌された
筒体2 と、この筒体2 の軸心方向の両側に設けられた一
対のガイドリング3,4 と、筒体2 及びガイドリング3,4
を保持するハウジング5 とを備えている。
【0010】ハウジング5 は、ステンレス材料等により
筒状に構成されており、このハウジング5 の軸心方向の
一端側の外周には取り付け用のフランジ6 が一体に形成
されている。ハウジング5 の内側には、軸心方向の中央
側に筒体嵌合凹部7 が形成されると共に、この筒体嵌合
凹部7 の一端側に雌ねじ孔8 が、他端側に隔壁部9 を介
してガイド嵌合凹部10が夫々形成されている。
【0011】筒体嵌合凹部7 には筒体2 が内嵌され、こ
の筒体2 は隔壁部9 と雌ねじ孔8 に着脱自在に螺合する
ナット11とにより固定されている。ナット11には筒体2
側に、隔壁部9 に対応する隔壁部12ができるようにガイ
ド嵌合凹部13が形成されている。各ガイドリング3,4 は
ナット11及びハウジング5 の各ガイド嵌合凹部13,10 に
筒体2 と同心状に嵌合され、周方向に複数本のねじ14,1
5 により軸心方向の外側から各隔壁部12,9に着脱自在に
固定されている。
【0012】ねじ軸1 は、鉄系金属材料、又はマンガ
ン、アルミ、炭素等を主成分とするマンガンアルミ磁性
材料等の磁性体から成り、このねじ軸1 の外周には同一
リード角で等ピッチの2条のねじ山16,17 が螺旋状に形
成されている。なお、ねじ山16,17 は断面が角形に形成
されている。
【0013】筒体2 は、鉄系金属材料、希土類磁性材料
等の磁性体から円筒状に構成されており、この筒体2 の
内周面はその軸心方向の全長にわたって同一径の平滑状
に形成されている。そして、筒体2 の内周には、図2に
示す如く、その軸心方向にN極18とS極19との各磁極1
8,19 が一定間隔で交互にできるように螺旋状に着磁さ
れている。各N極18及びS極19は、ねじ軸1 の各ねじ山
16,17 に夫々対応するように、ねじ山16,17 と同一リー
ド角、同一ピッチで螺旋状に連続して設けられている。
【0014】筒体2 は、ねじ軸1 の外周に套嵌され、且
つ内周の磁極18,19 とねじ軸1 の外周のねじ山16,17 と
の間に微小間隙ができるように、筒体2 の両側のガイド
リング3,4 によりねじ軸1 に対して非接触状態で同心状
に保持されている。従って、筒体2 とねじ軸1 は、その
軸心方向及び周方向に相対移動自在である。
【0015】筒体2 のN極18はねじ軸1 のねじ山16に、
S極19はねじ軸1 のねじ山17に夫々対応しており、ねじ
軸1 側と筒体2 側との間には、螺旋状の各磁極18,19 の
全範囲に亘って、筒体2 のN極18からねじ軸1 のねじ山
16、ねじ山17を経て筒体2 のS極19に続く閉ループ状の
磁気回路が夫々形成され、筒体2 側のN極18及びS極19
の磁力作用によりねじ軸1 が全周で外側に吸引されてい
る。
【0016】各ガイドリング3,4 は、MCナイロン、デ
ルリン等の耐摩耗性、滑り性を有する合成樹脂材料等の
非磁性材料により構成されており、この各ガイドリング
3,4にねじ軸1 が軸心方向及び周方向に摺動自在に挿入
されている。この磁気ねじを工作機械の送り装置等に組
み込む場合には、例えばねじ軸1 をモータ等の駆動源に
連動連結し、ハウジング5 のフランジ6 を摺動台等に固
定する。
【0017】そして、モータ等の駆動源によってねじ軸
1 を軸心廻りに正転又は逆転方向に回転させると、筒体
2 側のN極18とS極19との磁力がねじ軸1 のねじ山16,1
7 に作用しているため、その磁力作用によりねじ軸1 の
回転に伴って筒体2 が軸心方向に移動し、摺動台を軸心
方向に移動させることができる。この時、各ガイドリン
グ3,4 がねじ軸1 の外周を摺動して、ねじ軸1 と筒体2
とを微小間隙で非接触状態に保ちながら、筒体2 をねじ
軸1 に沿って軸心方向に案内する。
【0018】即ち、筒体2 側の螺旋状のN極18とS極19
との磁力が、その全範囲にわたってねじ軸1 の各ねじ山
16,17 の頂面に微小間隙を介して外側から作用して、筒
体2側の各磁極18,19 とねじ軸1 のねじ山16,17 との間
に吸引力が働くため、この磁力作用によってねじ軸1 が
軸心方向に拘束された状態となる。
【0019】そこで、ねじ軸1 回転してねじ山16,17
が周方向に回転すると、このねじ山16,17 に対応する筒
体2 側の各磁極18,19 がその回動に追従しようとして、
ねじ山16,17 のリード角に従って軸心方向に移動する。
このため、ねじ軸1 側と筒体2 側との間に微小間隙があ
り、両者が非接触状態であるにも拘わらず、各磁極18,1
9 の磁力作用を利用して、ねじ軸1 の回転運動を筒体2
の直線運動に変換することができる。
【0020】この磁気ねじによれば、次のような利点が
ある。この磁気ねじでは、ねじ軸1 と筒体2 とを非接触
状態に保持しており、両者の間に機械的な接触がないの
で、従来の摩擦抵抗による問題を全て解消することがで
きる。即ち、ねじ軸1 と筒体2 とを非接触状態に保持
し、筒体2 の内周側の各磁極18,19 の磁力作用を利用す
る構造を採用しているため、従来の摩擦による機械的精
度の低下、耐久性の低下等がなく、高精度状態で半永久
的に使用することができる。
【0021】またねじ軸1 と筒体2 との両者が非接触状
態であるため、本来的に潤滑の必要性がなく、無潤滑で
の長期使用が可能であり、潤滑剤、摩耗粉等による環境
汚染、振動による騒音問題の発生を全て未然に防止でき
る利点がある。従って、潤滑剤、摩耗粉等を嫌う場所で
の使用には非常に効果的である。
【0022】更に、ねじ軸1 と筒体2 とを非接触状態に
保持するに当たって、筒体2 の両側にガイドリング3,4
を設け、このガイドリング3,4 で筒体2 に対しねじ軸1
を同心状に保持して摺動自在に案内するようにしている
ため、ねじ軸1 と筒体2 との接触を確実に防止すること
ができ、両者を非接触状態で常に一定の微小間隙に保持
することができる。
【0023】また筒体2 と各ガイドリング3,4 とをハウ
ジング5 内に嵌合し、その各ガイドリング3,4 でねじ軸
1 と筒体2 とを微少間隙をおいて同心状に保持している
ので、磁気ねじ全体を一つのユニットとして取り扱うこ
とができ、送り装置等に組み込む際の取り扱いが非常に
容易である。
【0024】特に、工作機械等の機器に組み込む場合
に、その機器側でねじ軸1 と筒体2 とを同心状に保持し
て微小間隙を確保する必要がないため、磁気ねじの組み
込み時に、ねじ軸1 と筒体2 との間隙に考慮を払う必要
がなく、磁気ねじ側にこじれ等が生じないように組み込
めば良いので、組み込み時の作業が非常に容易であると
共に、機器側のガイド機構が簡単になり、その精度が特
に要求されるようなこともない。
【0025】更に、ガイドリング3,4 でねじ軸1 と筒体
2 とを非接触状態に保持する構造であるため、ねじ軸1
と筒体2 との間の間隙を最小限の微小間隙にすることが
可能である。このため、筒体2 の各磁極18,19 とねじ軸
1 のねじ山16,17 との間での磁力作用が大になり、ねじ
軸1 から筒体2 側への伝達トルクを大きくすることがで
きる。
【0026】しかも、ガイドリング3,4 でねじ軸1 と筒
体2 とを非接触状態に確実に保持できるので、ねじ軸1
のねじ山16,17 が筒体2 の各磁極18,19 に直接接触する
ことがなく、ねじ軸1 の回転に連動して筒体2 を軸心方
向に確実に移動させることができ、両者が接触して筒体
2 が運動不能に陥るようなこともない。
【0027】各ガイドリング3,4 でねじ軸1 を保持し摺
動自在に案内するが、ねじ軸1 のねじ山16,17 が螺旋状
に連続する上に、ガイドリング3,4 がMCナイロン、デ
ルリン等の耐摩耗性、滑り性を有する合成樹脂材料等の
非磁性材料から構成されているので、各ガイドリング3,
4 によってねじ軸1 を円滑に案内することができると共
に、各ガイドリング3,4 の耐久性も十分に確保すること
ができる。また各ガイドリング3,4 が合成樹脂材料等の
非磁性材料から構成されているので、ガイドリング3,4
側を磁束が通ることもなく、各ガイドリング3,4 によっ
て鉄粉等の粉塵の筒体2 側への進入も阻止することがで
きる。
【0028】各ガイドリング3,4 はハウジング5 のガイ
ド嵌合凹部13,10 に嵌合させてねじ14,15 により着脱自
在に固定しているため、長期間の使用によって内周側が
摩耗した時には、ねじ14,15 を外すことによって容易に
交換することができる。筒体2 の内周を平滑状に構成
し、この内周側を着磁してN極18とS極19とを螺旋状に
設けているので、筒体2 側に各磁極18,19 があるにも拘
わらず、その構造が簡単であり、容易に製作することが
できる。
【0029】また筒体2 側に各磁極18,19 を設け、ねじ
軸1 を磁性材により構成し、このねじ軸1 の外周に、筒
体2 側の螺旋状の各磁極18,19 と同一リード角、同一ピ
ッチでねじ山16,17 を螺旋状に形成しているため、ねじ
軸1 側の加工を容易にできると同時に、ねじ軸1 の表面
に外部から他の磁性粉等が付着することもない。
【0030】しかも、各磁極18,19 は筒体2 の内周にあ
るため、磁極18,19 に外部から他の磁性粉等が直接付着
することもなく、また筒体2 側の磁極18,19 の磁束の殆
どは、その内部のねじ軸1 側を通るので、磁極18,19 の
磁力作用を利用しているにも拘わらず、各磁極18,19 か
ら外部に漏れる漏洩磁束は殆どなく、漏洩磁束による問
題も生じ難くすることができる。
【0031】また筒体2 側に磁極18,19 があるため、筒
体2 が直線運動する時のストロークに関係なく、磁極1
8,19 を設けるべき軸心方向の範囲が定まり、ねじ軸1
側に磁極18,19 を設ける場合に比較してその範囲を小さ
くできる。
【0032】図3及び図4は本発明に係る磁気ねじの第
2実施例を例示し、各ガイドリング3,4 の内周に脱調防
止用の突起20を螺旋状に設けたものである。ねじ軸1 に
は、その各ねじ山16,17 間に半円状のねじ溝(螺旋溝)
22が形成され、このねじ溝22内を摺動するように、ガイ
ドリング3,4 の内周に突起20が一体に形成されている。
突起20はねじ溝22の螺旋方向に沿って螺旋状に長く形成
されている。
【0033】なお、この突起20は、図4の(A)に示す
ように、ねじ軸1 側の2条のねじ溝22に夫々対応して2
条設けても良いし、図4の(B)に示すように、ねじ軸
1 側の2条のねじ溝22の何れか一方に対応させて1条設
けても良い。この実施例では、各ガイドリング3,4 に脱
調防止用の突起20を螺旋状に設けているので、一時的に
スラスト方向に過大な負荷が作用した場合にも、この突
起20によってねじ軸1 と筒体2 との脱調現象を阻止する
ことができる。従って、ねじ軸1 の各ねじ山16,17 と筒
体2 の各磁極18,19 とを常時対応させた状態で、ねじ軸
1 から筒体2 に円滑且つ確実にトルクを伝達することが
可能である。
【0034】しかも、突起20が螺旋状になっているた
め、突起20の損傷も極力防止することができ、耐久性が
向上する。また突起20は螺旋状であるが、ガイドリング
3,4 が合成樹脂製の場合には、その成形時に容易に一体
に成形することができる。なお、第2実施例では、各ガ
イドリング3,4 に突起20を夫々設けているが、ガイドリ
ング3,4 の何れか一方に設けても良い。
【0035】図5は本発明に係る磁気ねじの第3実施例
を例示し、脱調防止用の突起20をピン31により構成した
ものである。即ち、突起20は先端が球面状になったピン
により構成され、ハウジング5 のガイド嵌合凹部10にガ
イドリング4 を嵌合させた後、ハウジング5 の外側から
ガイドリング4 に突起20を挿入して、その先端の球面状
の部分をねじ溝22に嵌め込んでいる。
【0036】脱調防止用の突起20は、このようにピン31
により構成しても良い。この場合には、突起20とねじ溝
22との接触面積を小さくできるため、突起20による摩擦
抵抗の増大を防止できると共に、ピン31がハウジング5
とガイドリング4 とに貫通しているので、このピン31
よってガイドリング4 を固定することができ、第1実施
例のねじ14,15 を省略することも可能である。
【0037】図は本発明に係る磁気ねじの第4実施例
を例示する。図の(A)はねじ軸1 側の外周に、筒体
2 のN極18及びS極19に夫々対応する台形状のねじ山16
とねじ山17とを夫々形成し、ねじ山16,17 間にV字状の
ねじ溝22を設けたものである。図の(B)はねじ軸1
側の外周に、筒体2 のN極18及びS極19に夫々対応する
台形状のねじ山16とねじ山17とを夫々形成し、ねじ山1
6,17 間にV字状の逆台形状のねじ溝22を設けたもので
ある。
【0038】以上各実施例について詳述したが、本発明
は各実施例に限定されるものではない。例えば、非磁性
体又は弱磁性体からなる保護筒体を用い、この保護筒体
の内周に、強磁性体から成る小径の筒体2 を嵌め込んで
着磁しても良い。またリード角を大きくすれば、ねじ軸
1 又は筒体2 の直線運動を筒体2 又はねじ軸1 の回転運
動に変換することも可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、磁性体から成り且つ外
周にねじ山が形成されたねじ軸と、磁性体から成り且つ
ねじ軸の外周に間隙をおいて套嵌された筒体と、該筒体
が内嵌されたハウジングとを備え、筒体の内周面をその
軸方向の全長に亘って同一径の平滑状に構成し、該筒体
の内周面にねじ山に対応する螺旋状に磁極を着磁し、ハ
ウジングの内側に、軸心方向の筒体嵌合凹部と、筒体嵌
合凹部の一端側の雌ねじ孔と、筒体嵌合凹部の他端側の
隔壁部とを形成し、筒体嵌合凹部内に筒体を内嵌し、筒
体を隔壁部と雌ねじ孔に螺合するナットとによりハウジ
ングに固定しているので、構造が簡単であり、容易に製
作できる。またガイドリングがあるため、簡単な構造で
ねじ軸と筒体とを非接触状態に保持できると共に、ねじ
軸と筒体との間隙を微小間隙にできる。更にガイドリン
グの少なくとも一方に、ねじ軸のねじ溝に摺動自在に嵌
合する脱調防止用の突起を設けているため、過負荷によ
るねじ軸と筒体との脱調がなく、円滑且つ確実な作動を
確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ねじの第1実施例を示す一部
切欠正面図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る磁気ねじの第2実施例を示す一部
切欠正面図である。
【図4】本発明に係る磁気ねじの第2実施例を示す断面
図である。
【図5】本発明に係る磁気ねじの第3実施例を示すガイ
ドリングの拡大断面図である。
【図6】本発明に係る磁気ねじの第4実施例を示す要部
の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ねじ軸 2 筒体 3,4 ガイドリング 5 ハウジング 9,12 隔壁部 10,13 ガイド嵌合凹部 16 ねじ山 18 N極 19 S極 20 突起 22 ねじ溝 23 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 25/20 - 25/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体から成り且つ外周にねじ山が形成
    されたねじ軸と、磁性体から成り且つ前記ねじ軸の外周
    に間隙をおいて套嵌された筒体と、該筒体が内嵌された
    ハウジングとを備え、前記筒体の内周面をその軸方向の
    全長に亘って同一径の平滑状に構成し、該筒体の内周面
    に前記ねじ山に対応する螺旋状の磁極を着磁し、前記ハ
    ウジングの内側に、軸心方向の筒体嵌合凹部と、前記筒
    体嵌合凹部の一端側の雌ねじ孔と、前記筒体嵌合凹部の
    他端側の隔壁部とを形成し、前記筒体嵌合凹部内に前記
    筒体を内嵌し、前記筒体を前記隔壁部と前記雌ねじ孔に
    螺合するナットとにより前記ハウジングに固定したこと
    を特徴とする磁気ねじ。
  2. 【請求項2】 前記筒体の軸方向の両側に、前記筒体と
    前記ねじ軸とを略同心状に保持して摺動自在に案内する
    ガイドリングを設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の磁気ねじ。
  3. 【請求項3】 前記ナットにガイド嵌合凹部を形成し、
    該ガイド嵌合凹部に一方の前記ガイドリングを嵌合した
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ねじ。
  4. 【請求項4】 前記ガイドリングの少なくとも一方に、
    前記ねじ軸のねじ溝に摺動自在に嵌合する脱調防止用の
    突起を設けたことを特徴とする請求項3に記載の磁気ね
    じ。
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