JP3246317B2 - 車両状態量センサの零点検出装置 - Google Patents

車両状態量センサの零点検出装置

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JP3246317B2 JP4779496A JP4779496A JP3246317B2 JP 3246317 B2 JP3246317 B2 JP 3246317B2 JP 4779496 A JP4779496 A JP 4779496A JP 4779496 A JP4779496 A JP 4779496A JP 3246317 B2 JP3246317 B2 JP 3246317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両状態量センサの
零点検出装置に関し、車両状態量センサの零点補正を行
うために零点検出を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりヨーレートセンサ等の車両状態
量センサの零点補正を行うためにセンサ出力の零点検出
を行う装置がある。例えば特開平6−160415号公
報には車両のドアが開いた状態から閉じた状態に変化し
たことをドア検出手段で検出し、車両のドアが閉じられ
た後の短時間内にヨーレートセンサで検出されるヨーレ
ートをヨーレートセンサの零点として設定することが記
載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来装置ではドアを閉
じたときにヨーレートセンサの零点検出を行っているた
め、例えば駐車場のターンテーブル上で車両を回転して
いる場合にはヨーレートセンサの零点の精度が低下する
おそれがある。また、長時間走行する場合にヨーレート
センサの零点がずれたとしても、ずれた後の零点検出を
行うことができず零点の精度が低下するという問題があ
った。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、車両の直進時の所定の車速領域での車両状態量セン
サの検出データと、検出時の車速との関係に基づいて零
点補正値を算出することにより、車両状態量センサの零
点を精度良く検出できる車両状態量センサの零点検出装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、図1に示す如く、車両に搭載されて、車両状態量を
検出する車両状態量センサM1の零点を検出する車両状
態量センサの零点検出装置において、車両の直進状態を
検出する直進状態検出手段M2と、上記車両の直進状態
の検出時に所定の車速領域における上記車両状態量セン
サM1の検出データを選択する選択手段M3と、上記選
択された各検出データと検出時の車速との所定の関係に
基づき車両状態量センサの零点補正値を算出して零点検
出を行う算出手段M4とを有する。
【0006】このように、直進状態に限定することによ
り、タイヤの特性モデル誤差や非線形性、路面外乱の影
響の大きい検出データを排除し、また所定の車速領域外
の低速時の路面外乱の影響の大きい検出データ、及び高
速時のタイヤの特性モデル誤差の影響の大きい検出デー
タを排除して、これら以外の検出データと、その検出時
の車速との関係に基づいて車両状態量センサの零点補正
値を算出することにより、精度の高い零点検出を行うこ
とが可能となる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
車両状態量センサの零点検出装置において、前記選択手
段は、所定の車速領域内の車速が互いに離された複数の
領域の検出データを選択する。
【0008】このため、車速の異なる複数の領域の検出
データで零点補正値の算出が行われ、上記零点補正値算
出のための演算式の分母が零又は小さな値になることを
防止でき、演算結果の誤差を小さくでき、精度の高い零
点検出が可能となる。請求項3に記載の発明は、請求項
1記載の車両状態量センサの零点検出装置において、前
記算出手段は、所定の車速領域内での車速のばらつきが
充分に大きいときに零点検出を行う。
【0009】このため、検出データの検出時の車速のば
らつきが充分に大きくなり零点補正値算出の演算式の分
母が零又は小さな値となることを防止でき、演算結果の
誤差を小さくでき、精度の高い零点検出が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】図2は本発明装置の構成図を示
す。同図中、11は左前輪(FrLH)、12は右前輪
(FrRH)、13は左後輪(RrLH)、14は右後
輪(RrRH)である。操舵角センサ21は、ステアリ
ングホイール20による操舵角θを検出して電子制御装
置(ECU)25に供給し、車速センサ22は車速Vを
検出してECU25に供給する。また、ヨーレートセン
サ23は車両の回転により生じるヨーレートγを検出し
てECU25に供給し、横加速度センサ24は車両にか
かる横加速度Gyを検出してECU25に供給する。上
記の操舵角センサ21,ヨーレートセンサ23が車両状
態量センサM1に対応する。
【0011】電子制御装置25は図3に示す如く、マイ
クロコンピュータで構成され、中央処理ユニット(CP
U)40と、リードオンリメモリ(ROM)42と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)44と、入力ポート回
路46と、出力ポート回路48とを有し、これは双方向
性のコモンバス50により互いに接続されている。
【0012】入力ポート回路46には上記の操舵角セン
サ21,車速センサ22,ヨーレートセンサ23,横加
速度センサ24夫々の出力する検出信号が供給される。
ROM42は制御プログラムを記憶している。CPU4
0は制御プログラムに基づき後述する種々の演算を行
い、その際にRAM44が作業領域として使用される。
【0013】本発明の原理について説明する。ヨーレー
トγと操舵角θとは次式で表わされる関係がある。 0=γ+Kh×Gy×V−Θ×V …(1) Θ=θ/(N×H) 但し、Khはスタビリティファクタ、Gyは横加速度、
Vは車速、Nはギヤ比、Hはホイールベースである。ま
た、(1)式の右辺第2項は補正項である。
【0014】ここで、最小2乗法を用いてエラーeを最
小にする零点補正値Δγ,ΔΘを演算する。 e(Δγ,ΔΘ)=(γs−Δγ)+Kh×Gy×V−(Θs−ΔΘ)V …(2) 但し、γs,Θs夫々はヨーレートセンサ23,操舵角
センサ21夫々の出力値である。上記のエラーeを最小
にするΔγ,ΔΘは次式により表わされる。
【0015】
【数1】
【0016】図4は本発明装置のECU25が実行する
零点検出処理の第1実施例のフローチャートを示す。こ
の処理は所定時間毎に繰り返し実行される。同図中、ス
テップS10では(2)式に基づいてエラーe(=γ+
Kh×Gy×V−Θ×V)を算出する。次にステップS
12で直進中か否かを判別する。ここで直進中であれば
ステップS14に進み、直進中でなければステップS2
6に進む。
【0017】ステップS14では車速センサ22の検出
車速VがVl0からVl1までの範囲内、かつカウンタcoun
t Lの値が所定値CMAX未満かどうかを判別する。こ
こでVl0は例えば20Km/h、Vl1は例えば50Km/hであ
り、CMAXは例えば200である。Vl1>V>Vl0、
かつcount L<CMAXの場合はステップS16に進み
(5)〜(8)式に基づいてSev(=Sev+e×V),
Se (=Se +e),Sv (=Sv +V),Sv2(=S
v2+V2 )夫々を算出する。更にステップS18でカウ
ンタcount Lを1だけインクリメントしてステップS2
0に進む。なお、カウンタcount L,count H夫々は始
動時にゼロリセットされている。
【0018】一方、ステップS14でVl1≦V≦Vl0、
又はcount L≧CMAXの場合はステップS20に進
む。ステップS20では車速VがVh0からVh1までの範
囲内、かつカウンタcount Hの値がCMAX未満かどう
かを判別する。ここで、Vh0は例えば70Km/h、Vh1は
例えば100Km/hである。Vh1>V>Vh0、かつ、coun
t H<CMAXの場合はステップS22に進み、(5)
〜(8)式に基づいてSev(=Sev+e×V),Se
(=Se +e),Sv (=Sv +V),Sv2(=Sv2+
2 )夫々を算出する。更にステップS24でカウンタ
count Hを1だけインクリメントしてステップS26に
進む。また、ステップS20でVh1≦V≦Vh0、又はco
unt H<CMAXの場合はステップS26に進む。
【0019】ステップS26ではcount L>CMIN、
かつ、count H>CMINであるか否かを判別する。こ
こでCMINは例えば100である。count L>CMI
N、かつ、count H>CMINの場合はステップS28
に進み、カウンタcount Lとcount Hとを加算して変数
Nに格納する。次にステップS30で(3),(4)式
に基づいてヨーレートセンサ,操舵角夫々の零点補正値
Δγ,ΔΘを算出して処理を終了する。また、ステップ
S26でcount L≦CMIN、又はcount H≦CMIN
の場合はそのまま処理を終了する。
【0020】上記のステップS12が直進状態検出手段
M2に対応し、ステップS14,S20が選択手段M3
に対応し、ステップS16,S18,S22,S24,
S28,S30が算出手段M3に対応する。ところで、
図5は直進判定処理のフローチャートを示す。同図中、
ステップS40ではヨーレートγの絶対値が所定値γl
未満、かつ、横加速度Gyの絶対値が所定値Gyl未満,
かつ操舵角Θの微分値である操舵角速度Θdの絶対値が
所定値Θdl未満であるか否かを判別する。
【0021】ここで、γlは例えば5deg/sec 、Gylは
例えば0.2G、Θdlは例えば10deg/sec である。つ
まり、ヨーレートγが小さく、かつ、横加速度Gyが小
さく、かつ操舵角速度Θdが小さいときにステップS4
0の条件を満足するとステップS42に進み直進中と判
定し、ステップS40の条件を満足できないときはステ
ップS44に進み直進中ではないと判定する。ステップ
S12ではこの判定結果を用いる。
【0022】上記図4の実施例では車速VがVl0〜Vl1
の低速領域と、Vh0〜Vh1の高速領域との夫々で(5)
〜(8)式の積算演算データが取得され、低速領域,高
速領域夫々の積算演算データ数が所定数CMINを超え
たとき(3),(4)式の演算によって零点補正値Δ
γ,ΔΘが得られる。ここで、γとΘとの間には車速V
によって図6に示す如き関係がある。低速時には図6の
一点鎖線で示す関係となり、高速時には実線で示す関係
となり、この一点鎖線と実線との交点が零点補正値Δ
γ,ΔΘの値となる。
【0023】このように、略直線走行と判定されたとき
にのみステップS16,S22で(5)〜(8)式の積
算演算を行うため、車両のタイヤの特性モデルの誤差や
タイヤの非線形性、路面外乱等の影響の小さい状態での
積算演算データを取得でき、零点補正値Δγ,ΔΘの精
度が高くなる。また低速と高域の複数の車速領域で積算
演算を行っているため、(3),(4)式夫々の分母が
零又は小さい値になることを防止でき、(3),(4)
式の演算における誤差を小さくできる。
【0024】更に、車速VがVl0(=20km/h) 以下で
の積算演算を行わないため、路面外乱の影響の大きなデ
ータが積算演算データに含まれることを防止でき、Δ
γ,ΔΘの精度が向上する。また、車速VがVc 以上で
の積算演算を行わないため、タイヤ特性のモデル誤差
(スタビリティファクタKhのモデル誤差)の影響の大
きなデータが積算演算データに含まれることを防止でき
Δγ,ΔΘの精度が向上する。なお、Vc =(1/K
h)1/2 であり、Vc≒100Km/hである。
【0025】図7,8は本発明装置のECU25が実行
する零点検出処理の第2実施例のフローチャートを示
す。この処理は所定時間毎に繰り返し実行される。同図
中、ステップS50では(2)式に基づいてエラーe
(=γ+Kh×Gy×V−Θ×V)を算出する。次にス
テップS52で直進中か否かを判別する。ここで直進中
であればステップS54に進み、直進中でなければ図8
のステップS74に進む。
【0026】ステップS54では車速センサ22の検出
車速VがV0(例えば20km/h) からV1(例えば40
km/h) までの範囲内、かつカウンタcount(0)の値が所定
値CMAX未満かどうかを判別する。ここで、CMAX
は例えば200である。V1>V>V0、かつcount L
<CMAXの場合はステップS56に進み(5)〜
(8)式に基づいてSev(0) (=Sev(0) +e×V),
Se(0)(=Se(0)+e),Sv(0)(=Sv(0)+V),S
v2(0) (=Sv2(0) +V2 )夫々を算出し、カウンタco
unt(0)を1だけインクリメントしてステップS58に進
む。なお、カウンタcount(0)〜count(4)夫々は始動時に
ゼロリセットされている。
【0027】一方、ステップS54でV1≦V≦V0、
又はcount(0)≧CMAXの場合はステップS58に進
む。ステップS58では車速VがV2(例えば40km/
h) からV1までの範囲内、かつカウンタcount(1)の値
がCMAX未満かどうかを判別する。V2>V>V1、
かつ、count(1)<CMAXの場合はステップS60に進
み、(5)〜(8)式に基づいてSev(1) (=Sev(1)
+e×V),Se(1)(=Se (1) +e),Sv(1)(=S
v(1)+V),Sv2(1) (=Sv2(1) +V2 )夫々を算出
し、カウンタcount Hを1だけインクリメントしてステ
ップS62に進む。
【0028】一方、ステップS58でV2≦V≦V1、
又はcount(1)≧CMAXの場合はステップS62に進
む。ステップS62では車速VがV3(例えば80km/
h) からV2までの範囲内、かつカウンタcount(2)の値
がCMAX未満かどうかを判別する。V3>V>V2、
かつ、count(2)<CMAXの場合はステップS64に進
み、(5)〜(8)式に基づいてSev(2) (=Sev(2)
+e×V),Se(2)(=Se(2)+e),Sv(2)(=Sv
(2)+V),Sv2(2) (=Sv2(2) +V2 )夫々を算出
し、カウンタcount(2)を1だけインクリメントしてステ
ップS66に進む。
【0029】一方、ステップS62でV3≦V≦V2、
又はcount(2)≧CMAXの場合はステップS66に進
む。ステップS66では車速VがV4(例えば100km
/h) からV3までの範囲内、かつカウンタcount(3)の値
がCMAX未満かどうかを判別する。V4>V>V3、
かつ、count(3)<CMAXの場合はステップS68に進
み、(5)〜(8)式に基づいてSev(3) (=Sev(3)
+e×V),Se(3)(=Se(3)+e),Sv(3)(=Sv
(3) +V),Sv2(3) (=Sv2(3) +V2 )夫々を算
出し、カウンタcount(3)を1だけインクリメントしてス
テップS70に進む。
【0030】一方、ステップS66でV4≦V≦V3、
又はcount(3)≧CMAXの場合はステップS70に進
む。ステップS70では車速VがV5(例えば120km
/h) からV4までの範囲内、かつカウンタcount(4)の値
がCMAX未満かどうかを判別する。count H<CMA
Xの場合はステップS72に進み、(5)〜(8)式に
基づいてSev(4) (=Sev(4) +e×V),Se(4)(=
Se(4) +e),Sv(4)(=Sv(4)+V),Sv2(4)
(=Sv2(4) +V2 )夫々を算出し、カウンタcount(4)
を1だけインクリメントして図8のステップS74に進
む。
【0031】図8のステップS74では変数nに0をセ
ットし、次のステップS76でcount(n)<CMIN、か
つn<4を満足するか否かを判別する。CMINは例え
ば100である。これを満足するとステップS78で変
数n=1だけインクリメントしてステップS76に進
み、満足しないときはステップS80に進み、変数nの
値を変数nlにセットする。これにより、変数nlには
積算演算回数を計数する各領域のカウンタcount(0)〜co
unt(4)のうち、カウント値がCMINを超え、最も小さ
い領域(添字)の番号がセットされる。また、車速がV
0からV1まで、V1からV2まで、V2からV3ま
で、V3からV4までの5つの領域夫々のカウント値が
どれもCMINに達してない場合には変数nlの値は最
大値4にセットされる。
【0032】次に、ステップS82に進み、変数nに4
をセットする。次にステップS84でcount(n)<CMI
N、かつn>0を満足するか否かを判別する。これを満
足するとステップS86で変数nを1だけデクリメント
してステップS84に進み、満足しないときはステップ
S88に進み、変数nの値を変数nhにセットする。こ
れによって変数nhには各領域のカウンタのうちカウン
ト値がCMINを超え、最も大きな領域(添字)の番号
がセットされる。また5つの領域夫々のカウント値がど
れもCMINに達してない場合には変数nhの値が最小
値0にセットされる。
【0033】次にステップS90でnh−nl>1を満
足するか否かを判別する。つまりカウント値がCMIN
を超え、充分なデータ量が確保された領域の番号のうち
最も小さい番号と、最も大きな番号との差が1を超える
かどうか、即ち、この2つの領域が少なくとも1つ以上
の領域を挟んで離れているかどうかを判別する。そして
この条件を満足している場合にはステップS92でcoun
t(nh) とcount(nl) とを加算して変数Nにセットし、ス
テップS94で(3),(4)式に基づき次式によりΔ
γ,ΔΘを算出し、処理を終了する。
【0034】
【数2】
【0035】また、ステップS90の条件を満足しない
ときはそのまま処理を終了する。この実施例では車速に
応じて5つの領域に分割し、1つ以上離れた2つの領域
の積算演算データ数が所定値CMINを超えたとき零点
補正値Δγ,ΔΘが得られるため、Δγ,ΔΘを早急に
得ることができる。
【0036】図9は本発明装置のECU25が実行する
零点検出処理の他の実施例のフローチャートを示す。こ
の処理は所定時間毎に繰り返し実行される。同図中、ス
テップS100では(2)式に基づいてエラーe(=γ
+Kh×Gy×V−Θ×V)を算出する。次にステップ
S102で直進中で、かつVc >V>Vlか否かを判別
する。なお、Vc は例えば100km/h、Vlは例えば2
0km/hである。ここで直進中で、かつ車速VがVc >V
>VlであればステップS104に進み、直進中でなけ
ればステップS108に進む。
【0037】ステップS104では(5)〜(8)式に
基づいてSev(=Sev+e×V),Se (=Se +
e),Sv (=Sv +V),Sv2(=Sv2+V2 )夫々
を算出する。更にステップS106でカウンタcount を
1だけインクリメントしてステップS108に進む。な
お、カウンタcount は、始動時にゼロリセットされてい
る。
【0038】一方、ステップS102で直進中でない、
又はVc ≦V≦Vlの場合はステップS108に進む。
ステップS108では次式の演算によって車速のばらつ
きVs2を求める。 Vs2=(Sv /count)2 −Sv2/count …(9) なお、この式は次のようにして求めたものである。
【0039】 (V−Vav)2 =V2 −2V・Vav+Vav2 =Sv2/N−2(Sv /N)・(Sv /N)+(Sv /N)2 =Sv2/N−(Sv /N)2 但しVavは平均車速である。
【0040】次にステップS110ではカウンタcount
の値がCMINを超え、かつVs2>Vs2l で車速のばら
つきが充分に大きいという条件を満足するか否かを判別
する。なお、Vs2l は例えば900km2/h2である。ステ
ップS110を満足する場合はステップS112で
(3),(4)式に基づいてヨーレートセンサ,操舵角
夫々の零点補正値Δγ,ΔΘを算出して処理を終了す
る。またステップS110の条件を満足しない場合はそ
のまま処理を終了する。
【0041】図10は本発明装置のECU25が実行す
る零点検出処理の他の実施例のフローチャートを示す。
この処理は所定時間毎に繰り返し実行される。同図中、
ステップS120では(2)式に基づいてエラーe(=
γ+Kh×Gy×V−Θ×V)を算出する。次にステッ
プS122で直進中で、かつVc >V>Vlか否かを判
別する。ここで直進中で、かつ車速VがVc >V>Vl
であればステップS124に進み、直進中でなければス
テップS130に進む。
【0042】ステップS124では車速センサ22の検
出車速Vで図11のマップを参照し、重みWを算出す
る。次にステップS126に進み(5)〜(8)式に基
づいてSev(=Sev+e×V×W),Se (=Se +e
×W),Sv (=Sv +V×W),Sv2(=Sv2+V2
×W)夫々を算出する。更にステップS128でカウン
タcount を1だけインクリメントしてステップS130
に進む。なお、カウンタcount は始動時にゼロリセット
されている。
【0043】一方、ステップS102で直進中でない、
又はVc ≦V≦Vlの場合はステップS130に進む。
ステップS108では車速VがVh0からVh1までの範囲
内、かつカウンタcount の値がCMINを超えるかどう
かを判別する。count >CMINの場合はステップS1
32に進み、(3),(4)式に基づいてヨーレートセ
ンサ,操舵角夫々の零点補正値Δγ,ΔΘを算出して処
理を終了する。また、ステップS130の条件を満足し
ない場合はそのまま処理を終了する。
【0044】ここでは、図11のマップて得られる重み
Wが車速Vに対し複数のピークがあるように設定されて
いるため、等価的に入力データの車速のばらつきを大き
くしている。上記の図9,図10の実施例は簡易的にΔ
γ,ΔΘを算出するものであるが、原理的には第1,第
2実施例と同じであり、従来に比べて精度良く零点補正
値Δγ,ΔΘを求めることができる。
【0045】
【発明の効果】上述の如く、 請求項1に記載の発明
は、図1に示す如く、車両に搭載されて、車両状態量を
検出する車両状態量センサの零点を検出する車両状態量
センサの零点検出装置において、車両の直進状態を検出
する直進状態検出手段と、上記車両の直進状態の検出時
に所定の車速領域における上記車両状態量センサM1の
検出データを選択する選択手段と、上記選択された各検
出データと検出時の車速との所定の関係に基づき車両状
態量センサの零点補正値を算出して零点検出を行う算出
手段とを有する。
【0046】このように、直進状態に限定することによ
り、タイヤの特性モデル誤差や非線形性、路面外乱の影
響の大きい検出データを排除し、また所定の車速領域外
の低速時の路面外乱の影響の大きい検出データ、及び高
速時のタイヤの特性モデル誤差の影響の大きい検出デー
タを排除して、これら以外の検出データと、その検出時
の車速との関係に基づいて車両状態量センサの零点補正
値を算出することにより、精度が高い零点検出を行うこ
とが可能となる。
【0047】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の車両状態量センサの零点検出装置において、前記
選択手段は、所定の車速領域内の車速が互いに離された
複数の領域の検出データを選択する。
【0048】このため、車速の異なる複数の領域の検出
データで零点補正値の算出が行われ、上記零点補正値算
出のための演算式の分母が零又は小さな値になることを
防止でき、演算結果の誤差を小さくでき、精度の高い零
点検出が可能となる。また、請求項3に記載の発明は、
請求項1記載の車両状態量センサの零点検出装置におい
て、前記算出手段は、所定の車速領域内での車速のばら
つきが充分に大きいときに零点検出を行う。
【0049】このため、検出データの検出時の車速のば
らつきが充分に大きくなり零点補正値算出の演算式の分
母が零又は小さな値となることを防止でき、演算結果の
誤差を小さくでき、精度の高い零点検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の構成図である。
【図3】ECUのブロック図である。
【図4】零点検出処理のフローチャートである。
【図5】直進判定処理のフローチャートである。
【図6】本発明を説明するための図である。
【図7】直進判定処理のフローチャートである。
【図8】直進判定処理のフローチャートである。
【図9】直進判定処理のフローチャートである。
【図10】直進判定処理のフローチャートである。
【図11】マップを示す図である。
【符号の説明】
11〜14 車輪 21 操舵角センサ 22 車速センサ 23 ヨーレートセンサ 24 横加速度センサ 25 ECU 40 CPU 42 ROM 44 RAM 46 入力ポート回路 48 出力ポート回路 M1 車両状態量センサ M2 直進状態検出手段 M3 選択手段 M4 算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 B62D 137:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 21/00 G01P 15/00 - 15/16 G01P 9/00 - 9/04 B62D 6/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されて、車両状態量を検出す
    る車両状態量センサの零点を検出する車両状態量センサ
    の零点検出装置において、 車両の直進状態を検出する直進状態検出手段と、 上記車両の直進状態の検出時に所定の車速領域における
    上記車両状態量センサの検出データを選択する選択手段
    と、 上記選択された各検出データと検出時の車速との所定の
    関係に基づき車両状態量センサの零点補正値を算出して
    零点検出を行う算出手段とを有することを特徴とする車
    両状態量センサの零点検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両状態量センサの零点
    検出装置において、 前記選択手段は、所定の車速領域内の車速が互いに離さ
    れた複数の領域の検出データを選択することを特徴とす
    る車両状態量センサの零点検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両状態量センサの零点
    検出装置において、 前記算出手段は、所定の車速領域内での車速のばらつき
    が充分に大きいときに零点検出を行うことを特徴とする
    車両状態量センサの零点検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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