JP3245988B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工方法

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JP3245988B2
JP3245988B2 JP23091892A JP23091892A JP3245988B2 JP 3245988 B2 JP3245988 B2 JP 3245988B2 JP 23091892 A JP23091892 A JP 23091892A JP 23091892 A JP23091892 A JP 23091892A JP 3245988 B2 JP3245988 B2 JP 3245988B2
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重信 丸山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】絶縁材料および金属材料からなる
電子回路基板の配線をレーザ光を照射して切断する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】配線基板の製造においては、レジストパ
ターンの欠陥などにより形成された余剰配線、あるい
は、回路設計が誤っていて形成されてしまった不要な配
線を切断あるいは除去することが必要になることがあ
る。このような配線切断において、配線の幅あるいは厚
さが50μmを下回る金属配線については、機械的切断
が困難であり、レーザ光を用いた微細加工が適してい
る。
【0003】絶縁材料および金属材料からなる配線基板
の金属配線切断に適用が可能な方法の一つとして、米国
特許第4,686,437号公報に記載の技術がある。
これは、パルス紫外レーザ光を照射することにより下地
および隣接する絶縁材料に熱的損傷を与えずに金属配線
を除去する技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術を用いる
と、金属配線切断部及びその近傍に、レーザ照射により
除去された金属の一部が再付着する。このような切断部
への金属の再付着は、絶縁抵抗の低下を引き起こし、電
子回路基板の信頼性を低下させる原因となる。また極端
な場合には、切断の目的が達せられない。
【0005】本発明の目的は、配線切断部における金属
材料の残留の無い、レーザ加工方法を提供することに有
る。
【0006】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、絶縁膜上に形成された配線の不要部分
にレーザを照射して除去するレーザ加工方法において、
配線の不要部分を含む領域にレーザを第1のエネルギ密
度で照射して配線の不要部分を除去加工する工程と、所
望の領域を含んでこの所望の領域よりも広い領域にレー
ザを第1のエネルギ密度よりも小さい第2のエネルギ密
度にして照射するようにした。
【0007】
【作用】金属配線を除去した後、照射範囲および強度を
制御して配線除去部及びその周辺部に再付着した金属を
除去するためのレーザ照射を行う。これにより、再付着
した金属が除去され、除去修正部の絶縁抵抗の低下など
の悪影響を防止することができる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図を用いて説明す
る。
【0009】本発明方法の実施例であるレーザ光を用い
た配線切断方法を図1に示す。
【0010】本発明による配線切断方法は、2段階から
なる。すなわち、 (1)レーザ光1を照射し不要な金属配線3を蒸発さ
せ、除去する。この時、不要な金属配線3の形状(膜
厚、線幅、材質)およびレーザ光1の照射条件により、
金属を含む再付着膜6が形成される。
【0011】(2)金属を含む再付着膜6を除去するた
め、レーザ光5を照射する。レーザ光5は、再付着膜6
を除去することが可能で、かつ、下地基板4にダメージ
を与えない様に照射条件(波長、パルス幅、レーザ強
度、照射回数、照射領域の広さ)を設定して照射し、再
付着膜6を除去する。
【0012】上記の配線切断方法を用いることにより、
金属材料の残留のない金属配線3の切断が実現できる。
【0013】金属を含む再付着膜6は次のように発生す
る。1μs以下の短いレーザパルスで数μmの金属膜を
除去する場合、単位時間当りに蒸発する金属の体積が大
きいため、基板上空に蒸発物の圧力による衝撃波が発生
する。このため、基板表面から衝撃波面までの空間は非
常に高圧の状態になる。配線3の除去が続いている間
は、配線3の蒸発が次々と生じるため基板表面の蒸気圧
が最も高く、蒸発物は基板表面から上空へ一様に移動す
る。しかし配線3の除去が終了すると、基板表面からの
蒸発が無くなり基板表面の蒸気圧が下がるため、金属蒸
気が基板表面に向かって移動する向きに、圧力勾配が生
ずる。これにより、一度蒸発した金属が再び基板表面に
降り積もり、再付着膜6が形成される。ポリイミド上の
膜厚2μmの銅配線をXeClエキシマレーザ(波長3
08nm,パルス幅30ns(半値幅))により除去す
る場合、照射レーザ光のエネルギー密度が10J/cm
2を超えると配線切断部の絶縁抵抗が大きく低下する。
絶縁抵抗が低下した配線切断部及びその周辺部を光学顕
微鏡により観察すると再付着膜6が生じており、この再
付着膜6に銅が含まれていることはEDX(エネルギー
分散型X線分析器)による表面分析で確認できる。この
ことは、レーザ光1を用いて不要な金属配線3を切断す
る場合、基板表面に金属配線3と同じ材質を含む再付着
膜6が形成され、絶縁抵抗を低下させることを示してい
る。
【0014】再付着膜6の形成状態は、次の通りであ
る。ポリイミド上の膜厚2μmの銅配線をXeClエキ
シマレーザを用いて切断した場合、再付着膜6は、配線
除去部の面積に対して約4倍程度の広い領域に、0.5
μm以下の厚さで、等方的に形成される。ポリイミド上
の膜厚1〜10μmの銅配線3を1回のレーザ照射によ
り除去する場合、配線切断面積に対する付着面積の比率
は配線3の膜厚に比例して増加し、膜厚はほとんど変化
しない。また、配線3の膜厚が厚く、レーザ光1を複数
回照射して除去する場合には、形成される再付着膜6の
付着面積は変わらず、膜厚は厚くなる。一般に、配線3
の膜厚が1〜10μmの場合、再付着膜6は配線切断面
積の2〜20倍の領域に0.5μm以下の膜厚で生じ
る。
【0015】上記の様な再付着膜6を除去するためのレ
ーザ光5の照射条件は以下の通りである。先ず、照射領
域については、再付着膜6の全域に及ぶように照射領域
を拡大する必要がある。ただし、複数回のレーザ照射に
分けて、最終的に再付着膜6の全形成領域に照射しても
良い。次にレーザ光5のパルス幅としては、下地への熱
ダメージを抑制するという理由から、1μs以下である
ことが必要である。照射エネルギー密度は、加工用光源
としてパルス紫外レーザを用いる場合は、0.5〜2J
/cm2に設定すれば下地にダメージを与えずに再付着
膜6を除去できる。このとき、下地がポリイミドなどの
有機材料であっても、基板4の表面に熱影響は生じず、
かつ、紫外レーザ照射によって生じるポリイミドなどの
有機材料の凹みの深さも0.5μm以下に抑えることが
できる。一方、加工用光源として、パルス近赤外レー
ザ、具体的にはQスイッチパルスYAGレーザなどを用
いた場合には、レーザ光5の強度を0.5〜5J/cm
2に設定すれば、下地基板がポリイミドなどの有機材料
であってもレーザ光5が吸収されないためダメージを与
えずに、再付着膜6を除去することができる。また、基
板4が多層配線基板であっても、エネルギー密度が小さ
いため透過したレーザ光が下層の金属配線を切断するよ
うな悪影響を与えることは無い。
【0016】本発明装置の実施例である配線切断装置の
構成を図2に示す。この装置では、レーザ発振器7から
発振されたレーザ光1および5は、全反射ミラー8、透
過率可変フィルタ9、ズームエキスパンダ10、ダイク
ロイックミラー11、11’、11”、可変アパーチャ
12および対物レンズ13を経て、基板4に照射され
る。基板4のレーザ照射点への位置決めは、ダイクロイ
ックミラー11’、11”、参照光源15、照明光源1
6、カメラ17およびモニタ18から構成される観察光
学系およびステージ19により行うことができる。レー
ザ照射条件および基板4の設置位置は、制御装置20に
より制御できる。制御装置20はレーザ発振器7の発振
条件(パルスエネルギー、パルス繰返し数)、透過率可
変フィルタ9の透過率、ズームエキスパンダ10の倍率
および可変アパーチャ12の開口寸法を調整してレーザ
光1および5の照射条件を制御し、ステージ19を駆動
して基板4上の不要な配線3にレーザ光1および5が照
射されるように制御する。特に再付着膜6を除去するた
めのレーザ光5については、エネルギー密度を透過率可
変フィルタ9の透過率とズームエキスパンダ10の拡大
倍率の調整により、照射領域の広さを可変アパーチャ1
2の開口寸法を変化させることにより、照射条件を制御
できる。すなわちレーザ光の照射強度と照射領域の広さ
を制御することにより、配線切断および再付着膜除去を
1台の配線切断装置で行うことが可能である。 本発明
方法の別の実施例を以下に示す。配線3を除去するため
のレーザ光1を拡大してレーザ光5として基板4に照射
することにより、再付着膜6を除去することが可能であ
る。この方法を用いる場合、配線3をレーザ光1の1回
の照射により除去できるならば、再付着膜6をレーザ光
5の1回の照射により除去することができる。再付着膜
6の付着面積は除去した配線3の膜厚に比例して広くな
るが、不要な配線3を除去するためのレーザ光1のエネ
ルギー密度は熱伝導によるエネルギーの拡散の効果が無
視できないため配線3の膜厚に比例する以上に大きくす
る必要がある。このため、配線3を除去するためのレー
ザ光1を再付着膜6の除去に適するエネルギー密度にな
る様に、例えば対物レンズの倍率を低くしたり、あるい
はデフォーカスしたりして、ビーム寸法を拡大すると、
再付着膜6の付着領域以上に照射範囲を広くすることが
できる。これにより、レーザ光5を1回照射するだけ
で、再付着膜6を除去することができるのである。具体
的には、ポリイミド上の2μmの銅配線3をXeClエ
キシマレーザを用いて除去するために8J/cm2のエ
ネルギー密度が必要であるが、この配線3を除去するた
めのレーザ光1を拡大しエネルギー密度を1J/cm2
にすると照射面積は8倍となる。ポリイミド上の2μm
の銅配線を除去する場合の再付着膜6の付着面積は除去
した銅配線の4倍であるから、1回の照射で付着膜6が
除去できることになる。また、この方法による場合、配
線3がレーザ光1の複数回の照射により除去される場合
においても、多くともレーザ光1の照射回数と同じだけ
レーザ光5を照射すれば再付着膜6を除去することが可
能である。
【0017】本発明装置の別の実施例である配線切断装
置の構成を図3に示す。この装置は、レーザ発振器7、
全反射ミラー8、ダイクロイックミラー11、11’、
11”、可変アパーチャ12および対物レンズ13、参
照光源15、照明光源16、カメラ17およびモニタ1
8、光軸方向に駆動可能なステージ21および制御装置
20’からなる。ここで制御装置20’はレーザ発振器
7の発振条件とステージ21の動作を制御する。この装
置では、結像位置において不要な金属配線3を除去した
後、再付着膜6の除去に適したレーザ強度になる様にス
テージ21を光軸方向に駆動して基板4をデフォーカス
してレーザ光5を照射することにより再付着膜6の除去
を行うことができる。再付着膜6の除去に適したレーザ
強度になるデフォーカス量は、配線3を除去するための
レーザ光1の照射条件および対物レンズの特性値(焦点
距離f、開口比NA)から算出することが可能である。
デフォーカス量を試料ステージ21を光軸方向に駆動し
て得る代わりに、対物レンズ13を含む加工光学系を光
軸方向に移動することによって得ることも可能である。
この場合には、光軸方向に駆動可能な試料ステージ21
を用いる代わりに、加工光学系を光軸方向に駆動するた
めの機構を組み込めば良い。デフォーカスすることによ
り、レーザ強度を低下させることと照射領域を広げるこ
とを同時に行うことができる。また、配線3の除去形状
が一定である場合、配線除去のためのレーザ光1の照射
条件をレーザ発振器7の発振条件と対物レンズ13の倍
率の選択により設定できる。このためこの装置構成にす
ることにより、レーザ照射条件を制御するための透過率
可変フィルタ9、ズームエキスパンダ10などの光学素
子を無くすことが可能となり、加工光学系の構成が簡単
になる。また、光学素子の反射吸収による損失が減少す
るため、レーザ光1および5の利用効率が向上する。
【0018】本発明装置の更に別な実施例である配線切
断装置の構成を図4に示す。この装置は、レーザ発振器
7、全反射ミラー8、ダイクロイックミラー11、1
1’、11”、可変アパーチャ12、対物レンズ切替え
機構22、(高倍率)対物レンズ13、低倍率対物レン
ズ23、参照光源15、照明光源16、カメラ17およ
びモニタ18、ステージ19および制御装置20”から
構成される。ここで制御装置20”は、レーザ発振器7
の発振条件および対物レンズ切り替え機構22の動作を
制御する。この装置では、不要な配線3を高倍率の対物
レンズ13を用いて除去し、対物レンズ切り替え機構2
2により光軸をずらさずに対物レンズを切り替え、再付
着膜6を低倍率の対物レンズ23により除去する。この
時、対物レンズ13および23は、それぞれ、レーザ発
振器7の発振状態に合わせ、配線3および再付着膜6を
除去するのに適当なエネルギー密度となるように選択す
る。これにより、レーザ光1に較べ、レーザ光5の照射
範囲を拡大しエネルギー密度を小さくすることができ
る。このとき、配線3がレーザ光1の1回の照射により
配線3を除去できるならば、レーザ光5の1回の照射に
より再付着膜6を除去できる。また、配線3がレーザ光
1の複数回の照射により除去される場合、多くともレー
ザ光1の照射回数と同じだけレーザ光5を照射すれば再
付着膜6を除去することができる。なお、対物レンズの
切り替え機構22は、レンズを固定する治具とそれを駆
動するための機構(モータ、エアシリンダおよびソレノ
イドなど)を組み合わせることにより実現できる。
【0019】本発明方法の別な実施例である金属余剰欠
陥修正方法を図5に示す。
【0020】配線基板の製造工程において、めっきの異
常析出、異物によるレジストパターンの欠陥またはエッ
チング残りなどにより金属余剰欠陥が発生する。金属余
剰欠陥は配線のショートの原因となるため、除去するこ
とが必要である。本発明による金属配線切断方法は、配
線基板の金属余剰欠陥修正にも適用が可能である。
【0021】本発明による金属余剰欠陥修正方法は、2
段階からなる。すなわち、 (1)レーザ光1を照射し金属余剰欠陥24を蒸発させ
除去する。この時、金属余剰欠陥24の形状は一般に不
定形不定厚であるため、レーザ光1の照射条件を選択し
ても金属を含む再付着膜25の形成を避けられない場合
がある。
【0022】(2)金属を含む再付着膜25を除去する
ため、レーザ光5を照射する。レーザ光5は、再付着膜
25を除去することが可能で、かつ、下地基板4にダメ
ージを与えない様に照射条件(波長、パルス幅、レーザ
強度、照射回数、照射領域の広さ)を設定し、再付着膜
25に照射しそれを除去する。
【0023】上記の金属余剰欠陥修正方法を用いること
により、金属材料の残留を防止した金属余剰欠陥24の
除去修正が実現できる。
【0024】金属余剰欠陥修正において発生する再付着
膜25の形成状態は、配線切断において発生する再付着
膜6とほぼ同じである。ポリイミド上の最大膜厚2μm
の銅を含む金属余剰欠陥24をXeClエキシマレーザ
を用いて除去した場合、再付着膜25は、欠陥除去部の
面積に対して約4倍程度の広い領域に、0.5μm以下
の厚さで、等方的に形成される。ポリイミド上の膜厚1
〜10μmの金属余剰欠陥24を1回のレーザ照射によ
り除去する場合、欠陥除去面積に対する再付着膜25の
付着面積の比率は欠陥24の最大膜厚に比例して増加
し、膜厚はほとんど変化しない。また、欠陥24の膜厚
が厚く、レーザ光1を複数回照射して除去する場合に
は、形成される再付着膜25の付着面積は変わらず、膜
厚は厚くなる。発明者等の実験によると、欠陥24の最
大膜厚が1〜10μmの場合、再付着膜25は欠陥除去
面積の2〜20倍の領域に0.5μm以下の膜厚で生じ
る。
【0025】上記の様な再付着膜25を除去するための
レーザ光5の照射条件は以下の通りである。先ず、照射
領域については、再付着膜25の全域に及ぶように照射
領域を拡大する必要がある。ただし、複数回のレーザ照
射に分けて、最終的に再付着膜25の全形成領域に照射
しても良い。次にレーザ光5のパルス幅としては、下地
への熱ダメージを抑制するという理由から、1μs以下
であることが必要である。照射エネルギー密度は、加工
用光源としてパルス紫外レーザを用いる場合は、0.5
〜2J/cm2に設定すれば下地にダメージを与えずに
再付着膜25を除去できる。このとき、下地がポリイミ
ドなどの有機材料であっても、基板4の表面に熱影響は
生じず、かつ、紫外レーザの照射によって生ずるポリイ
ミドなどの有機材料の凹みの深さも0.5μm以下に抑
えることができる。一方、加工用光源として、パルス近
赤外レーザ、具体的にはQスイッチパルスYAGレーザ
などを用いた場合には、レーザ光5の強度を0.5〜5
J/cm2に設定すれば、基板4が多層配線基板であっ
ても、エネルギー密度が小さいため、ポリイミドなどの
有機材料で形成された層間絶縁膜を透過したレーザ光が
下層の金属配線を切断するような悪影響を与えることは
無い。
【0026】また、下地基板4がポリイミドなどの有機
材料で構成されている場合、ポリイミドには近赤外レー
ザ光5が吸収されないため、下地基板4にダメージを与
えずに再付着膜6を除去することができる。
【0027】本発明方法の更に別な実施例である配線基
板製造時の残渣除去方法を図6に示す。
【0028】配線基板の製造工程において、ドライエッ
チ、ウェットエッチなどによるパターンの形成時に、残
渣が発生する場合がある。これらは、膜厚0.5μm以
下の薄膜、あるいは粒径0.5μm以下の微粒子の状態
をなしている場合が多い。このような残渣も、金属を含
む場合、余剰欠陥と同様に配線のショートの原因となる
ため除去する必要がある。本発明による配線切断方法
は、残渣除去にも適用が可能である。
【0029】本発明による残渣除去は、金属を含む残渣
26を除去するため、レーザ光5を照射することにより
行う。レーザ光5は、残渣26を除去することが可能
で、かつ、下地基板4にダメージを与えない様に照射条
件(波長、パルス幅、レーザ強度、照射回数)を設定
し、残渣26の発生領域に照射し残渣26を除去する。
【0030】残渣26を除去するための具体的なレーザ
光5の照射条件は以下の通りである。先ず、照射領域に
ついては、残渣26の全域に及ぶように照射領域を設定
する必要がある。必要に応じて複数回のレーザ照射に分
けて、最終的に残渣26の全形成領域に照射しても良
い。次にレーザ光5のパルス幅としては、下地への熱ダ
メージを抑制するという理由から、1μs以下であるこ
とが必要である。照射エネルギー密度は、加工用光源と
してパルス紫外レーザを用いる場合は、0.5〜2J/
cm2に設定すれば下地にダメージを与えずに再付着膜
25を除去できる。このとき、下地がポリイミドなどの
有機材料であっても、基板4の表面に熱影響は生じず、
かつ、形成される凹みの深さも0.5μm以下に抑制で
きる。一方、加工用光源として、パルス近赤外レーザ、
具体的にはQスイッチパルスYAGレーザなどを用いた
場合には、レーザ光5の強度を0.5〜5J/cm2
設定すれば、下地基板がポリイミドなどの有機材料であ
ってもレーザ光5が吸収されないためダメージを与えず
に、再付着膜6を除去することができる。また、基板4
が多層配線基板であっても、エネルギー密度が小さいた
め透過したレーザ光が下層の金属配線を切断するような
悪影響を与えることは無い。
【0031】
【発明の効果】レーザ光の強度及び照射範囲を調整して
照射する手段を用いることにより、金属配線切断部及び
その近傍における金属材料の残留を防止することが可能
になる。本発明は、上記の作用により配線パターン修正
時および論理変更時に配線を確実に切断することを可能
とし、配線基板の信頼性と製造歩留の向上に効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ光を用いた配線切断方法を
示す図である。
【図2】本発明による配線切断装置の構成を示す図であ
る。
【図3】本発明による配線切断装置の他の構成を示す図
である。
【図4】本発明による配線切断装置の更に他の構成を示
す図である。
【図5】本発明によるレーザ光を用いた金属余剰欠陥除
去方法を示す図である。
【図6】本発明によるレーザ光を用いた残渣除去方法を
示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ光、2…金属配線、3…除去すべき金属配
線、4…基板、5…レーザ光、6…金属を含む再付着
膜、7…レーザ発振器、8…全反射ミラー、9…透過率
可変フィルタ、10…ビームエキスパンダ、11,1
1',11”…ダイクロイックミラー、12…可変アパ
ーチャ、13…対物レンズ、15…参照光源、16…照
明光源、17…カメラ、18…モニタ、19…ステー
ジ、20,20’,20”…制御装置、21…光軸方向
に駆動可能なステージ、22…対物レンズ駆動機構、2
3…低倍率対物レンズ、24…金属余剰欠陥、25…金
属を含む再付着膜、26…残渣
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 建興 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 片山 薫 神奈川県秦野市堀山下1番地株式会社日 立製作所神奈川工場内 (56)参考文献 特開 昭61−111563(JP,A) 特開 平2−90527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3205 H01L 21/3213 H01L 21/768

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁膜上に形成された配線の不要部分にレ
    ーザを照射して除去するレーザ加工方法であって、前記
    配線の不要部分を含む領域にレーザを第1のエネルギ密
    度で照射して前記配線の不要部分を除去加工する工程
    と、前記配線の不要部分を含む領域を含んで該配線の不
    要部分を含む領域よりも広い領域にレーザを前記第1の
    エネルギ密度よりも小さい第2のエネルギ密度にして照
    射する工程とを有することを特徴とするレーザ加工方
    法。
  2. 【請求項2】前記レーザが紫外波長のパルスレーザであ
    って、前記第2のエネルギ密度が、0.5〜2J/cm
    であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方
    法。
  3. 【請求項3】前記レーザが赤外波長のパルスレーザであ
    って、前記第2のエネルギ密度が、0.5〜5J/cm
    であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方
    法。
  4. 【請求項4】レーザ発振器から発振されたレーザを可変
    アパーチャを介して対物レンズを備えた光学系で集光し
    て試料に照射することにより該試料を加工する方法であ
    って、前記可変アパーチャで所望の形状に成形したレー
    ザを前記対物レンズを第1の倍率に設定した前記光学系
    を介して前記試料の所望の領域に照射して前記試料を加
    工し、次いで前記対物レンズを前記第1の倍率よりも小
    さい前記第2の倍率に設定した状態で前記レーザを前記
    光学系を介して前記試料の前記加工した所望の領域を含
    該所望のよりも広い領域に照射することを特徴とする
    レーザ加工方法。
  5. 【請求項5】レーザ発振器から発振されたレーザを該レ
    ーザのビーム径を拡大するビームエキスパンダを介し光
    学系で集光して試料に照射することにより該試料を加工
    する方法であって、前記レーザを第1のビーム拡大率に
    設定した前記ビームエキスパンダと前記光学系を介して
    前記試料の所望の領域に照射して前記試料を加工し、
    いで前記ビームエキスパンダを前記第1の拡大率よりも
    大きい第2の拡大率に設定した状態で前記レーザを前記
    ビームエキスパンダと前記光学系を介して前記試料の前
    記加工した所望の領域を含む該所望の領域よりも広い
    域に照射することを特徴とするレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】レーザ発振器から発振されたレーザを光学
    系で集光して試料に照射することにより該試料を加工す
    る方法であって、前記光学系の焦点を前記試料の被加工
    部に合わせた状態で前記レーザを該光学系を介して前記
    試料の所望の領域に照射して前記試料を加工し、前記光
    学系の焦点を前記試料の被加工部からずらした状態で前
    記レーザを前記光学系を介して前記試料の前記加工した
    所望の領域を含む該所望の領域よりも広い領域に照射す
    ることを特徴とするレーザ加工方法。
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