JP3245822U - 無重力姿勢機能付きチェア - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、着座者の身体全体にわたって最適且つ十分にリラックスできる無重力姿勢機能付きチェアを提供する。【解決手段】無重力姿勢機能付きチェアは、基台部102に支持される枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分を有し、各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、枕部、背もたれ部、座面部及び脚載せ部のいづれかが配設角度を基台部に対して調整する駆動手段と、背もたれ部及び座面部のなす角度を120°~140°、背もたれ部、座面部、及び脚載せ部の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、枕部の水平面とのなす角度を0°~45°に維持して各部分からなる全体形状から着座者にV字姿勢を形成するように駆動手段を制御する姿勢制御手段を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、無重力姿勢機能を有する無重力姿勢機能付きチェアに関し、特に、簡素な構成で、優れたリラックス効果を発揮できる無重力姿勢機能付きチェアに関する。
現在、家具のチェアは、マッサージチェアのように、単に座って寛ぐことのみならず、マッサージ等のリラックス効果により付加価値を高めた製品が日々研究開発されている。このようなチェアとしては、例えば、無重力姿勢機能等のリラックス効果を付加した無重力姿勢機能付きチェアが知られている。
例えば、従来の無重力姿勢機能付きチェアは、リフト位置及び無重力操作位置の双方を形成する家具部材動力機構として、第1及び第2接続リンクが固定される第1トルクチューブを備える。これらの接続リンクは、それぞれ第1及び第2接続アームに回動可能に接続される。第1及び第2接続アームは、ギアハウジングに回動可能に接続される。ギアハウジングに接続される位置決めモータにより、ギアハウジングに連結されるスライド部材が変位する。スライド部材が動くことで第1及び第2接続アームが変位し、前記第1トルクチューブが変位し回転する。第1及び第2接続プレートがスライド部材に回動可能に接続される。第2トルクチューブの対向する端部は、家具部材ベース部の第1及び第2アームレスト部のそれぞれに固定される。第1及び第2接続プレートは第2トルクチューブにも接続され、スライド部材が変位することでベース部材が回動するものが知られている(特許文献1参照)。
特表2017‐530751号公報
しかし、従来の無重力姿勢機能付きチェアは、上記特許文献1に記載のように、リフト位置及び無重力操作位置の双方を形成する動力機構に関するものが知られているが、あくまでリフト位置と無重力操作位置の2つの位置を相互に切り替える機構に関するものであり、実際の着座者の状態を考慮して、実際の着座者の身体全体が最適且つ十分にリラックスできる無重力姿勢が得られるまでには至っていない。
本考案は前記課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成で、着座者の身体全体にわたって最適且つ十分にリラックスできる無重力姿勢機能付きチェアを提供することを目的とする。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、基台部に支持される枕部、背もたれ部、座面部、及び脚載せ部の各部分を有し、当該各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、前記枕部、背もたれ部、座面部及び脚載せ部のいづれかが配設角度を前記基台部に対して調整する駆動手段と、前記背もたれ部及び前記座面部のなす角度を120°~140°、前記背もたれ部、前記座面部、及び脚載せ部の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、前記枕部の水平面とのなす角度を0°~45°に維持して前記各部分からなる全体形状から前記着座者にV字姿勢を形成するように前記駆動手段を制御する姿勢制御手段を備えるものである。
このように、基台部に支持される枕部、背もたれ部、座面部、及び脚載せ部の各部分を有し、当該各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、前記枕部、背もたれ部、座面部及び脚載せ部のいづれかが配設角度を前記基台部に対して調整する駆動手段と、前記背もたれ部及び前記座面部のなす角度を120°~140°、前記背もたれ部、前記座面部、及び脚載せ部の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、前記枕部の水平面とのなす角度を0°~45°に維持して前記各部分からなる全体形状から前記着座者にV字姿勢を形成するように前記駆動手段を制御する姿勢制御手段を備えることから、前記各部分からなる全体形状から前記着座者の頭部から足先部までの全身にわたって最適なV字姿勢が淀みなく形成されることとなり、前記着座者に最適な無重力姿勢が形成されて高いリラックス効果を発揮することができる。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、必要に応じて、複数の空気セル又は揉み玉からなる可動部材が前記背もたれ部に配設されてなる可動部、及び前記可動部の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する駆動部を有する施療制御手段を備えるものである。このように、複数の空気セル又は揉み玉からなる可動部材が前記背もたれ部に配設されてなる可動部、及び前記可動部の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する駆動部を有する施療制御手段を備えることから、前記各部分からなる全体形状から前記着座者の頭部から足先部までの全身にわたって最適なV字姿勢が淀みなく形成されたうえで、可動部材が前記着座者の背中側にマッサージ効果を与えることとなり、最適な無重力姿勢と快適なマッサージ効果により前記着座者に対して高いリラックス効果を発揮することができる。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、必要に応じて、前記可動部の各々の可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されているものである。このように、前記可動部の各々の可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されていることから、可動部材によって前記着座者の背中側に均等に最適なマッサージ効果を与えることとなり、最適な無重力姿勢と安定的で快適なマッサージ効果により前記着座者に対して高いリラックス効果を発揮することができる。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、必要に応じて、前記姿勢制御手段が、前記可動部の各々の可動部材の動きに伴う位置変化に応じて、前記V字姿勢の形成の微調整を制御する姿勢微調整部と、を備えるものである。このように、前記姿勢制御手段が、前記可動部の各々の可動部材の動きに伴う位置変化に応じて、前記V字姿勢の形成の微調整を制御する姿勢微調整部と、を備えることから、可動部材の動きによって、多少前記各部分からなる全体形状が変動した場合であっても、前記姿勢制御手段により微調整されて、前記着座者の全身にわたって最適なV字姿勢が維持されることとなり、安定的に維持された最適な無重力姿勢により前記着座者に対してさらに高いリラックス効果を発揮することができる。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、必要に応じて、前記背もたれ部及び/又は座面部の前記着座者側に配設され、発熱機能を有する発熱部材からなる発熱部と、を備えるものである。このように、前記背もたれ部及び/又は座面部の前記着座者側に配設され、発熱機能を有する発熱部材からなる発熱部と、を備えることから、最適なV字姿勢が維持されたなかで、前記着座者の背面側を高面積にわたって発熱されることとなり、最適な無重力姿勢と加温との重畳的なリラックス効果を発揮することができる。
本願に開示する無重力姿勢機能付きチェアは、必要に応じて、前記姿勢制御手段により形成された前記着座者の姿勢に基づいて、前記発熱部による発熱温度を制御する発熱制御手段と、を備えるものである。このように、前記姿勢制御手段により形成された前記着座者の姿勢に基づいて、前記発熱部による発熱温度を制御する発熱制御手段と、を備えることから、前記着座者のV字姿勢の度合いに応じて前記着座者の背面側が発熱されることとなり、無重力姿勢と最適化された加温との重畳的なリラックス効果を発揮することができる。
本願考案の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの構成図を示す。 本願考案の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの制御ブロック図を示す。 本願考案の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの詳細な制御ブロック図を示す。 本願考案の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアのフローチャート図を示す。 本願考案の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアのV字姿勢での傾斜角度を説明する説明図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの構成図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアのエアセルとセル駆動部を説明する説明図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの制御ブロック図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの詳細な制御ブロック図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアのフローチャート図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの好適な制御ブロック図を示す。 本願考案の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの制御動作を説明する説明図を示す。 本願考案の第3の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの構成図を示す。 本願考案の第3の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの制御ブロック図を示す。 本願考案の第3の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの詳細な制御ブロック図を示す。
(第1の実施形態)
本願の第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアについて、上記図1~図5を用いて以下説明する。
第1の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、図1(a)に示すように、基台部102に支持される枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分を有し、この各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、前記枕部、背もたれ部、座面部及び脚載せ部のいづれかが配設角度を前記基台部に対して調整する駆動手段3と、この背もたれ部及びこの座面部のなす角度を120°~140°、この背もたれ部、この座面部、及び脚載せ部の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、この枕部の水平面とのなす角度を0°~45°に維持してこの各部分からなる全体形状からこの着座者にV字姿勢を形成するように制御する姿勢制御手段4を備える構成である。
また、図1(a)に示すように、この基台部102から下方向に伸長して無重力姿勢機能付きチェアを地面に固定する固定脚100を備える。
この枕部11とは、着座者の首から頭部を固定するヘッドレストとして機能する部分である。背もたれ部12とは、着座者の背中周辺を固定する部分である。座面部13とは、着座者の臀部から太もも周辺にかけての所謂座面を固定する部分である。脚載せ部14とは、着座者のふくらはぎ周辺を固定する部分である。
また、図1(a)に示すように、この枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分を支持固定する骨格フレームも備える。即ち、枕部を背面から支持固定する枕部支持フレーム21と、背もたれ部を背面から支持固定する背もたれ部支持フレーム22と、座面部を背面から支持固定する座面部支持フレーム23と、脚載せ部を背面から支持固定する脚載せ部支持フレーム24と、を備える。
この駆動手段3は、上記の枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分の駆動を駆動する。この駆動手段3は、枕部と背もたれ部間に配設される枕部駆動軸21aを介して頭部の姿勢を駆動する枕部駆動部31と、背もたれ部と座面部間に配設される背もたれ部駆動軸22aを介して着座者の背もたれ部12の姿勢を駆動する背もたれ部駆動部32と、座面部13と脚載せ部14間に配設される脚載せ部駆動軸23aを介して着座者の下脚の脚載せ状態の姿勢を駆動する脚載せ部駆動部34と、の各駆動部から構成される。
この脚載せ部支持フレーム24がこの脚載せ部駆動部34により上下動することで、この脚載せ部14は、着座者の足を安定的に載置するための台座であるオットマンとして収納可能に機能することができる。これにより、着用者は、足を上げた状態でくつろぐことができ、リラックスした座り心地が得られる。
この脚載せ部支持フレーム24がこの脚載せ部駆動部34により上下動は、例えば、脚載せ部支持フレーム24の背面で可動してこの脚載せ部支持フレーム24の上下動を支持する脚載せ部可動支持部材と、座面部支持フレーム23の背面で可動してこの脚載せ部可動支持部材を押し出し機構(ピストン機構)により伸縮自在に収納する押し出し部材を備えることができる。
この押し出し部材に収納された脚載せ部可動支持部材が押し出し機構(ピストン機構)に自在に出し入れされることで、脚載せ部が座面部の背面下部に折り畳まれる方向Aに沿って調整することも可能であり、脚載せ部が座面部と水平位置に起き上がる方向Bに沿って調整することも可能となり、着座者の所望とするリクライニング形状が容易に得られる。
本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、上記の姿勢制御手段4が各駆動部を駆動する制御により、上記の枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分の配設角度を調整して、着座者に無重力姿勢を形成する。無重力姿勢とは、着座者が地球上で受ける鉛直方向下向きの重力の影響を最小限にするために設計された姿勢を示す。
この配設角度の調整によって、図1(b)に示すように、椅子の背もたれと座面が上述した特定の角度で傾斜し、着座者の足が心臓よりも高い位置に配置される。この配置位置が形成されると、着座者に無重力姿勢が形成される。
この配設角度の調整に際しては、例えば、角度センサを用いて、各部分の傾斜角度を逐次検出することによって行うことができる。角度センサは、物体やデバイスの傾きや回転などの角度を検出するセンサを指す。例えば、加速度センサ(アクセラレーションセンサ)や磁気センサ(コンパスセンサ)を用いることができる。
加速度センサは、微小な位置変化を検知することができるMEMS(微小電気機械システム)技術を利用して、物体の傾きを検出できる。また、磁気センサは、地磁気を利用して方向を検出するセンサであり、地磁気の方向に対する配置を検出できる。これらの角度センサは、慣性計測装置(IMU)として組み合わせられ、物体の動きや位置を三次元で追跡して検出することができる。
この角度センサとしては、例えば、図2(a)に示すように、枕部11に配設された枕部センサ11a、背もたれ部12に配設された背もたれ部センサ12a、座面部13に配設された座面部センサ13a、及び脚載せ部14に配設された脚載せ部センサ14aから構成することができ、上記の姿勢制御手段4による制御のインプット情報となる。
図2(b)に示すように、着用者の頭、背中、臀部、及び足の各部分にかかる体重は鉛直方向下向きの重力(X、X、X、及びX)として不均衡な重力を形成するが、この無重力姿勢が形成されることにより、図2(c)に示すように、鉛直方向下向きの重力(Y、Y、Y、及びY)として均等に分散されることとなり、着座者に掛かる重力によるストレスが軽減され、着座者に快適でリラックスした状態を提供することができる。
また、この無重力姿勢により、さらに次のような効果が発揮される。まず、身体の各部位の筋肉が緩みやすくなることから、筋肉の緊張が緩和されて、リラックス効果が高められる。また、背骨が伸展状態となることから、脊椎にかかる圧力が軽減されることとなり、背中や腰のストレスも軽減される。
また、着座者の脚が心臓よりも高い位置に配置されるため、血液が心臓に戻りやすくなり、血液の循環が改善される。また、心臓が効率的に血液をポンプしやすくなり、心拍数が安定されて、リラックス効果が高められる。
この無重力姿勢を制御する姿勢制御手段4は、図3のブロック図に示すように、この各角度センサが検出した上記各部分の傾斜角度に基づいて、無重力姿勢に該当するか否かを演算する無重力姿勢演算部41と、この無重力姿勢演算部41の演算に基づいて、上記各駆動部を駆動制御する駆動制御部42を備える。また、図3に示すように、無重力姿勢機能付きチェアの起動停止や各種動作の操作を行う操作部5を備える。この操作部5により、 無重力姿勢を利用するための操作が、上記各部分の各々の傾斜角度を着座者が個別に操作する必要はなく、着座者にとって簡素且つ一元的に扱えることとなり、着座者にとってユーザーフレンドリーなインターフェースが提供される。
次に、本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの動作を図4のフローチャートに基づいて以下説明する。
図4に示すように、着座者からの入力によりこの操作部5の起動スイッチがONとなった場合(S1)には、無重力姿勢演算部41が、上記各角度センサから上記各部分の傾斜角度に関する情報を取得する(S2)。
この無重力姿勢演算部41は、この傾斜角度に関する情報に基づいて、現状が無重力姿勢に該当しているか否かの演算を行う(S3)。この無重力姿勢に該当しているか否かの演算は、例えば、着座者がニュートラルな姿勢で背骨の自然な湾曲であるS字カーブが形成されているか、又は、膝が心臓より高い位置にあるか等の指標に基づいて行われる。
この駆動制御部42は、この演算結果に基づいて、図5に示すように、この枕部11の水平面とのなす角度γが0°~45°、より好適には10°~45°、さらに好適には20°~45°、さらに好適には30°~45°となるように枕部駆動部31の駆動制御を行う(S41)。
次に、図5に示すように、この背もたれ部12の水平面とのなす角度αが0°より大きい角度となるように背もたれ部駆動部32の駆動制御を行う(S42)。次に、図5に示すように、この座面部13の水平面とのなす角度βが0°より大きい角度となると共に、この背もたれ部12及びこの座面部13のなす角度が120°~140°、より好適には121°~135°、さらに好適には123°~133°、さらに好適には125°~131°、例えば、128°となるように座面部駆動部33の駆動制御を行う(S43)。次に、脚載せ部14の水平面とのなす角度δが0°より大きい角度となるように脚載せ部14の駆動制御を行う(S44)。
この各駆動制御から形成された枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分の全体形状により、この着座者にV字姿勢が形成される。この姿勢制御手段4は、このV字姿勢が無重力姿勢に該当しているか否かを判断する(S5)。この無重力姿勢に該当しているか否かの判断は、上記同様に、例えば、着座者がニュートラルな姿勢で背骨の自然な湾曲であるS字カーブが形成されているか、又は、膝が心臓より高い位置にあるか等の指標に基づいて判断される。
この姿勢制御手段4が、このV字姿勢が無重力姿勢に該当していないと判断した場合には、前重心となっているか否かを判断する(S6)。前重心とは、着座者の重心が、着座者の上半身や頭部が下半身よりも前方に偏っている状態を示す。前重心の状態では、前方に体が傾きやすく、前重心が過度になると、着座状態が不安定となる。
前重心と判断された場合には、着座者の上半身側に重心の偏りがあると判断して、着座者の上半身側に該当する枕部駆動制御以降の制御(上記S41)を再度行い、前重心状態を解消する。
前重心ではないと判断された場合には、後重心の場合と判断して、着座者の下半身側に該当する座面部駆動制御以降の制御(上記S43)を再度行い、後重心状態を解消する。後重心とは、着座者の重心が、着座者の上半身や頭部が下半身よりも後方に偏っている状態を示す。後重心の状態では、後方に体が傾きやすくなり、後重心が過度になると、着座者のリラックス効果が低下する。
このように、枕部11、背もたれ部12、座面部13、及び脚載せ部14の各部分を有し、この各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、この背もたれ部及びこの座面部のなす角度を120°~140°、この背もたれ部12、この座面部13、及び脚載せ部14の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、この枕部11の水平面とのなす角度を0°~45°に維持してこの各部分からなる全体形状からこの着座者にV字姿勢を形成するように制御する姿勢制御手段4を備えることから、この各部分からなる全体形状からこの着座者の頭部から足先部までの全身にわたって最適なV字姿勢が淀みなく形成されることとなり、この着座者に最適な無重力姿勢が形成されて高いリラックス効果を発揮することができる。
また、無重力ポジションの快適さは着座者の体格によって異なるところ、本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、この姿勢制御手段4の制御によって、前記各部分が固定位置に固定されたものではなく、体格が異なる個々の着座者に対して最適位置に制御されることとなり、多様な体格の着座者に対して最適な心地よいマッサージ効果が得られる。
(第2の実施形態)
本願の第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアについて、上記図6~図12を用いて以下説明する。
第2の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、上記第1の実施形態と同様に、前記無重力姿勢演算部41と、前記駆動制御部42と、前記姿勢制御手段4と、前記枕部センサ11aと、前記背もたれ部センサ12aと、前記座面部センサ13aと、前記脚載せ部センサ14aと、前記枕部駆動軸21aと、前記脚載せ部駆動軸23aと、前記背もたれ部駆動軸22aと、前記枕部駆動部31と、前記背もたれ部駆動部32と、前記脚載せ部駆動部34と、を備え、さらに、図6に示すように、複数の空気セル又は揉み玉からなる可動部材が前記背もたれ部に配設されてなる可動部61、及びこの可動部61の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する駆動部(セル駆動部62)を有する施療制御手段6を備えるものである。
この可動部61は、特に限定されないが、空気セル(エアセル)を用いてもよいし、人の五本の指を模倣した揉み手の形状を有して指圧や揉みほぐしと類似する効果を得る揉み玉を用いてもよい。例えば、図6に示すように、この可動部61は、エアセル61a及びエアセル61bから構成することができる。また、この2つのエアセルに限定されず、例えば、図7(a)に示すように、この可動部61は、4つのエアセル61a、61b、61c、及び61dから構成することもできる。その他、6つのエアセルとしてもよいし、8つのエアセルとしてもよく、そのエアセルの個数は特に限定されない。
このエアセル61a及びエアセル61bによって、エアセルが特定の箇所に空気を送り込んで膨らませ、その部位を圧迫することで、血行促進や筋肉の緊張緩和を促す空気圧マッサージ効果が上述した無重力姿勢と重畳的に得られ、高度なリラックス効果が得られる。また、このエアセル61a及びエアセル61bが、着座者の身体を引っ張ったり圧縮したりすることにより、着座者の全身の筋肉や関節に対して、無重力姿勢を受けながら高度なストレッチ効果が得られる。
この可動部61は、より好適には、図7(b)及び(c)に示すように、この可動部61の各々の可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されて構成される。例えば、図7(b)に示すように、4つの可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されていてもよい。例えば、4つの可動部材が同時に動作することも可能であり、また、例えば、図7(b)に示すように、このセル駆動部62が、平面配置上交差する可動部材ごとに順番に可動部材を動作(矢印J、矢印K)させることも可能であり、また、このセル駆動部62が、隣接する可動部材ごとに順番に可動部材を動作させることも可能である。
また、図7(c)に示すように、2つの可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されていてもよい。例えば、2つの可動部材が同時に動作することも可能であり、また、図7(c)に示すように、このセル駆動部62が、可動部材ごとに順番に可動部材を動作(矢印L)させることも可能である。
このように、この可動部61の各々の可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されていることから、可動部材によってこの着座者の背中側に均等に最適なマッサージ効果を与えることとなり、最適な無重力姿勢と安定的で快適なマッサージ効果によりこの着座者に対して高いリラックス効果を発揮することができる。
この可動部61を駆動するセル駆動部62は、図8に示すように、この施療制御手段6による制御を受ける。本実施形態における姿勢制御手段4は、図9に示すように、上記第1の実施形態と同様に無重力姿勢演算部41により無重力姿勢に該当すると演算された場合に、この駆動制御部42が上記の姿勢制御手段4の各駆動部を駆動制御すると共に、本実施形態ではさらに、この施療制御手段6が、このセル駆動部62の駆動を制御する。
本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアの動作を図10のフローチャートに基づいて以下説明する。
図10に示すように、上記第1の実施形態と同様に、この操作部5の起動スイッチがONとなった場合(上記S1)に、各センサからの入力(上記S2)、無重力姿勢演算(上記S3)、各駆動部の制御(上記S4)、及び無重力姿勢の維持がされた後(上記S5)、施療モードに入る(上記S7)。この施療モードでは、上述のように、このセル駆動部62により、この可動部61の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する。
さらに、この施療モードにおいて、再度、この無重力姿勢演算部41により無重力姿勢が形成されているか否かが演算される(S8)。
より好適には、図11に示すように、この姿勢制御手段4が、この可動部61の各々の可動部材(例えばエアセル61a~61d)の動きに伴う位置変化に応じて、このV字姿勢の形成の微調整を制御する姿勢微調整部43を備える。この姿勢微調整部43は、図11に示すように、セル駆動部62が行った駆動動作に基づいて、この無重力姿勢演算部41に再度の無重力姿勢演算を行うようにフィードバック制御を実行する。
この姿勢微調整部43によるフィードバック制御については、例えば、図12(a)に示すように着座した着座者200に対して、可動部61を構成する可動部材(例えばエアセル61a~61d)が振動、上下動、及び/又は左右動の動きを起こす。この可動部61の可動部材(例えばエアセル61a~61d)が着座者200の背面から押し付ける動きにより、図12(b)に示すように、着座者200は、背もたれ部から傾斜角度αだけ前のめりになり、着座者200は体の前方(方向C)に動かされる。
この姿勢微調整部43は、この可動部材(例えばエアセル61a~61d)の動きを駆動したセル駆動部62の駆動動作に基づいて、無重力姿勢演算部41に再度の無重力姿勢演算を行うようにフィードバック制御を実行する。即ち、この各角度センサが、この着座者200の幾分かの位置変化に対して、この着座者200が傾斜角度αだけ前のめりになった状態を検知する。この検知結果から、この無重力姿勢演算部41が現状が無重力姿勢に該当するか否かを演算する。この演算結果に基づいて、この駆動制御部42は、各駆動部の駆動を行い、背もたれ部及び/又は座面部の固定位置を無重力姿勢を形成するように位置補正する。即ち、この駆動制御部42は、背もたれ部及び座面部の両方を位置補正することや、背もたれ部又は座面部の一方を位置補正することで、無重力姿勢を再度形成する。
この背もたれ部及び/又は座面部の固定位置の変動により、図12(c)に示すように、着座者200は後方(方向D)に動かされ、結果として、着座者200に対して無重力姿勢が継続的に維持されることとなる。
このように、この姿勢制御手段4が、この可動部61の各々の可動部材(例えばエアセル61a~61d)の動きに伴う位置変化に応じて、このV字姿勢の形成の微調整を制御する姿勢微調整部43と、を備えることから、可動部材(例えばエアセル61a~61d)の動きによって、多少この各部分からなる全体形状が変動した場合であっても、この姿勢制御手段4により微調整されて、この着座者の全身にわたって最適なV字姿勢が維持されることとなり、最適な無重力姿勢が安定的に維持されて、この着座者に対してさらに高いリラックス効果を発揮することができる。
一方で、この姿勢制御手段4が、このV字姿勢が無重力姿勢に該当していないと判断した場合には、前重心となっているか否かを判断する(S10)。前重心と判断された場合には、着座者の上半身側に重心の偏りがあると判断して、着座者の上半身側に該当する枕部駆動制御以降の制御(上記S41)を再度行う。前重心ではないと判断された場合には、後重心の場合と判断して、着座者の下半身側に該当する座面部駆動制御以降の制御(上記S43)を再度行う。
以上のように、本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、複数の空気セル又は揉み玉からなる可動部材(例えばエアセル61a~61d)が前記背もたれ部に配設されてなる可動部61、及びこの可動部61の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する駆動部(セル駆動部62)を有する施療制御手段6を備えることから、この各部分からなる全体形状からこの着座者の頭部から足先部までの全身にわたって最適なV字姿勢が淀みなく形成されたうえで、可動部材(例えばエアセル61a~61d)がこの着座者の背中側にマッサージ効果を与えることとなり、最適な無重力姿勢と快適なマッサージ効果によりこの着座者に対して高いリラックス効果を発揮することができる。
(第3の実施形態)
本願の第3の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアについて、上記図13~図15を用いて以下説明する。
第3の実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、上記第2の実施形態と同様に、無重力姿勢演算部41と、駆動制御部42と、前記姿勢制御手段4と、前記枕部センサ11aと、前記背もたれ部センサ12aと、前記座面部センサ13aと、前記脚載せ部センサ14aと、前記枕部駆動軸21aと、前記脚載せ部駆動軸23aと、前記背もたれ部駆動軸22aと、前記枕部駆動部31と、前記背もたれ部駆動部32と、前記脚載せ部駆動部34と、前記可動部61と、前記セル駆動部62と、を備え、さらに、図13に示すように、前記背もたれ部及び/又は座面部の前記着座者側に配設され、発熱機能を有する発熱部材からなる発熱部7と、を備える構成である。
この発熱部7は、上記各部分のうちのいずれの部分においても配置可能であり、特に限定されないが、例えば、図14に示すように、背もたれ部の背面に配設される発熱部としての背もたれ部発熱部71と、座面部の背面に配設される発熱部としての座面発熱部72と、から構成できる。発熱機能を有する発熱部材であれば、特に限定されず、公知の市販品を使用することができる。
この発熱部7は、図15に示すように、着座者から入力された操作部5の操作内容に基づいて、この発熱部7による発熱動作が要求された場合に、この施療制御手段6により発熱部7の発熱が制御される。
このように、本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、この背もたれ部及び/又は座面部のこの着座者側に配設され、発熱機能を有する発熱部材からなる発熱部7と、を備えることから、最適なV字姿勢が維持されたなかで、この着座者の背面側を高面積にわたって発熱されることとなり、最適な無重力姿勢と加温との重畳的なリラックス効果を発揮することができる。
本実施形態に係る無重力姿勢機能付きチェアは、より好適には、この姿勢制御手段4により形成されたこの着座者の姿勢に基づいて、この発熱部7による発熱温度を制御する発熱制御手段と、を備えるものである。この発熱制御手段は、施療制御手段6に組み込まれて動作できる。
例えば、上記無重力姿勢演算部41が、この着座者の姿勢が前重心であると演算した場合には、この発熱制御手段は、この着座者の覚醒度が高いと判断して、この発熱部7による発熱温度を下げる方向に制御し、高い覚醒度を阻害しない程度の温度に調整する。他方、上記無重力姿勢演算部41が、この着座者の姿勢が後重心であると演算した場合には、この発熱制御手段は、この着座者の覚醒度が低い若しくは睡眠状態に近いと判断して、この発熱部7による発熱温度を上げる方向に制御することで、よりリラックス状態を促進させる。
このように、この姿勢制御手段6により形成された着座者の姿勢に基づいて、この発熱部7による発熱温度を制御する発熱制御手段と、を備えることから、この着座者のV字姿勢の度合いに応じてこの着座者の背面側が発熱されることとなり、無重力姿勢と最適化された加温との重畳的なリラックス効果を発揮することができる。
11 枕部
11a 枕部センサ
12 背もたれ部
12a 背もたれ部センサ
13 座面部
13a 座面部センサ
14 脚載せ部
14a 脚載せ部センサ
21 枕部支持フレーム
21a 枕部駆動軸
22 背もたれ部支持フレーム
22a 背もたれ部駆動軸
23 座面部支持フレーム
23a 脚載せ部駆動軸
24 脚載せ部支持フレーム
3 駆動手段
31 枕部駆動部
32 背もたれ部駆動部
33 座面部駆動部
34 脚載せ部駆動部
4 姿勢制御手段
41 無重力姿勢演算部
42 駆動制御部
43 姿勢微調整部
5 操作部
6 施療制御手段
61 可動部
61a エアセル
61b エアセル
61c エアセル
61d エアセル
62 セル駆動部
62a セル駆動部
62b セル駆動部
7 発熱部
71 背もたれ部発熱部
72 座面部発熱部
100 固定脚
102 基台部
200 着座者

Claims (6)

  1. 基台部に支持される枕部、背もたれ部、座面部、及び脚載せ部の各部分を有し、当該各部分が各々の配設角度を調整して着座者に無重力姿勢を形成可能な無重力姿勢機能付きチェアであって、
    前記枕部、背もたれ部、座面部及び脚載せ部のいづれかが配設角度を前記基台部に対して調整する駆動手段と、
    前記背もたれ部及び前記座面部のなす角度を120°~140°、
    前記背もたれ部、前記座面部、及び脚載せ部の各々の水平面とのなす角度を0°より大きい角度、及び、
    前記枕部の水平面とのなす角度を0°~45°に維持して前記各部分からなる全体形状から前記着座者にV字姿勢を形成するように前記駆動手段を制御する姿勢制御手段を備えることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
  2. 請求項1に記載の無重力姿勢機能付きチェアにおいて、
    複数の空気セル又は揉み玉からなる可動部材が前記背もたれ部に配設されてなる可動部、及び前記可動部の可動部材に振動、上下動、及び/又は左右動の動きを駆動する駆動部を有する施療制御手段を備えることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
  3. 請求項2に記載の無重力姿勢機能付きチェアにおいて、
    前記可動部の各々の可動部材が、左右対称及び/又は上下対称となる位置に配設されていることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
  4. 請求項2に記載の無重力姿勢機能付きチェアにおいて、
    前記姿勢制御手段が、前記可動部の各々の可動部材の動きに伴う位置変化に応じて、前記V字姿勢の形成の微調整を制御する姿勢微調整部と、
    を備えることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
  5. 請求項1に記載の無重力姿勢機能付きチェアにおいて、
    前記背もたれ部及び/又は座面部の前記着座者側に配設され、発熱機能を有する発熱部材からなる発熱部と、
    を備えることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
  6. 請求項5に記載の無重力姿勢機能付きチェアにおいて、
    前記姿勢制御手段により形成された前記着座者の姿勢に基づいて、前記発熱部による発熱温度を制御する発熱制御手段と、
    を備えることを特徴とする
    無重力姿勢機能付きチェア。
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