JP3245202B2 - 新規骨形成誘導蛋白質及びそれを有効成分とする骨形成誘導剤 - Google Patents

新規骨形成誘導蛋白質及びそれを有効成分とする骨形成誘導剤

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JP3245202B2
JP3245202B2 JP32511191A JP32511191A JP3245202B2 JP 3245202 B2 JP3245202 B2 JP 3245202B2 JP 32511191 A JP32511191 A JP 32511191A JP 32511191 A JP32511191 A JP 32511191A JP 3245202 B2 JP3245202 B2 JP 3245202B2
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賢治 寒川
純 日野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な骨形成誘導蛋白
質及びそれを有効成分とする骨形成誘導剤に関し、更に
詳しくは、脊椎動物の骨から抽出、精製することにより
得ることができる骨形成誘導蛋白質とそれを有効成分と
する骨粗鬆症、歯槽膿漏による顎骨の部分欠損及び骨折
の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢者の増加に伴い骨粗鬆症が社
会的、医学的に注目されている。これまで、この骨粗鬆
症の治療薬として、カルシトニン、女性ホルモン、活性
ビタミンD3 、蛋白同化ステロイド等が用いられてき
た。しかしながら、これら治療薬は、骨溶解を抑制する
に過ぎず、骨量の増加を図るという根本的な治療を達成
するものではない。また、例えば、ビタミンD3 を用い
た場合には、高カルシウム尿症といった副作用も問題と
なる。一方、歯槽膿漏による歯の脱落は、顎骨の部分欠
損を原因とするものであり、特に高齢者において起こり
易く、かつ、骨の欠損を伴うという点で骨粗鬆症と共通
するものであるが、これに対して有効な治療法はない。
【0003】これら疾患はいずれも骨欠損によるものな
ので、欠損部位の骨形成を促進できれば、根本的な治療
が可能になる。また、骨折の治療においても、骨形成の
促進は、骨折部位の癒合を促進して骨折の加療期間を短
縮し、リハビリテーション期間の短縮、更には医療費の
低減という利点をもたらす。このような骨形成を促進す
る物質として、ウリスト(Urist)らは、0.6N塩酸で
脱灰した骨基質を用いた異所性骨誘導実験系を確立し
〔Science,150, 893-899 (1965)〕、その後、この骨誘
導現象は石灰化組織のコラーゲンに固く結合した蛋白質
によって引き起こされることを実験的に示し、それを骨
形態形成蛋白質(BMP)と命名した。以来、骨肉腫あ
るいは脱灰骨や脱灰歯牙基質から、4M塩酸グアニジン
や6M尿素を溶媒として抽出し、イオン交換やゲル濾過
等の精製方法を用いてBMPを精製した例が報告されて
いる〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,, 85, 9484-9488 (198
8):J.Bio.Chem.,264, 13377-13380 (1989):J.Bio.Che
m.,265, 13198-13205 (1990)〕。
【0004】しかしながら、これら報告されたBMP
は、いずれも骨誘導活性が低く、骨粗鬆症等の治療剤と
して用いるには、より活性の高い骨形成誘導蛋白質が望
まれているのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い骨誘導
活性を有する骨形成誘導蛋白質並びにそれを有効成分と
する骨形成誘導剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、脊椎動物の骨の中に極
めて高活性な骨形成誘導蛋白質が存在することを見出し
た。本発明は、分子量が、還元剤非存在下でのSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動では、約32kd、還元
剤存在下でのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で
は、約16kd及び約13kdであり、サンパス(Sampa
th)らによるプロシーディング・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミィ・オブ・サイエンセス・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステイツ・オブ・アメリカ〔Proc.Natl.Acad.S
ci., USA〕,80, 6591-6595 (1983)に記載されている方
法で測定した場合の比活性が約7000ユニット/mg
蛋白以上である骨形成誘導蛋白質であって、
【0007】(1)鉱物質を除去した脊椎動物の骨か
ら、4Mグアニジン塩酸塩/トリス‐塩酸を主成分とす
る溶液で蛋白質を抽出し、(2)得られた抽出液を、6
M尿素/50mMトリス‐塩酸/0.1M塩化ナトリウ
ム緩衝液中でジエチルアミノエチルセルロース陰イオン
体と接触させ、(3)非吸着蛋白質を、6M尿素/50
mMトリス‐塩酸/0.15M塩化ナトリウム緩衝液中
でヘパリンセファロース(ファルマシア社製)と接触さ
せ、(4)ヘパリンセファロースに吸着された蛋白質
を、(3)で用いた緩衝液よりも塩化ナトリウム濃度を
高くした緩衝液で溶出させて、骨形成誘導活性画分を分
離し、(5)得られた骨形成誘導活性画分を、6M尿素
/50mMトリス‐塩酸/1M塩化カリウム緩衝液中で
ブチルセルロファイン(チッソ社製)と接触させ、
(6)ブチルセルロファインに吸着された蛋白質を、
(5)で用いた緩衝液よりも塩化カリウム濃度を低くし
た緩衝液で溶出させて、骨形成誘導活性画分を分離し、
(7)得られた骨形成誘導活性画分を、6M尿素/50
mMトリス‐塩酸/10mMリン酸水素二ナトリウム緩
衝液中でヒドロキシアパタイトと接触させ、(8)ヒド
ロキシアパタイトに吸着された蛋白質を、(7)で用い
た緩衝液よりもリン酸水素二ナトリウム濃度を高くした
緩衝液で溶出させて、骨形成誘導活性画分を分離し、
(9)得られた骨形成誘導活性画分を、4Mグアニジン
塩酸塩/50mMトリス‐塩酸中でスーパーロースHR
12(ファルマシア社製)でゲル濾過して、骨形成誘導
活性画分を分離し、(10)得られた骨形成誘導活性画分
を、1%デオキシコール酸ナトリウム/50mMトリス
‐塩酸緩衝液中でConAセファロース(ファルマシア
社製)と接触させ、(11)ConAセファロースに吸着
された蛋白質を、0.5Mα‐メチル‐D‐マンノシド
で溶出させ、(12)該溶出液から得られた蛋白質を、
水:アセトニトリル:10%トリフルオロ酢酸=90:
10:1(V/V)混合液中で、TSKフェニル5PW
RP(東ソー社製)と接触させ、(13)TSKフェニ
ル5PW RPに吸着された蛋白質を、(12)で用いた
混合液よりもアセトニトリル濃度を高くした混合液で溶
出させて、骨形成誘導活性画分を分離する、ことによっ
て得ることができる蛋白質の発明である。
【0008】以下に、本発明の骨形成誘導蛋白質の単離
方法を詳しく説明する。本発明の骨形成誘導蛋白質は、
鉱物質を除去した脊椎動物の骨から抽出されるが、この
鉱物質の除去の典型的な方法は、米国特許第 4,294,753
号に記載されている。通常は粉砕した骨を塩酸で処理す
ることにより行われる。骨からの蛋白質の抽出は、4M
グアニジン塩酸塩/トリス‐塩酸を主成分とする溶液で
行われるが、エチレンジアミンテトラ酢酸、 N‐エチル
マレイミド、フェニルメチルスルホニルフルオライド、
ヨードアセトアミドの1つまたはそれ以上を含むのが好
ましく、エチレンジアミンテトラ酢酸、 N‐エチルマレ
イミド及びフェニルメチルスルホニルフルオライドを含
むのがより好ましく、5mMのエチレンジアミンテトラ
酢酸、5mMの N‐エチルマレイミド及び0.5mMの
フェニルメチルスルホニルフルオライドを含む4Mグア
ニジン塩酸塩/トリス‐塩酸が最も好ましい。この抽出
操作で得られる蛋白質は非線維状蛋白質であり、コラー
ゲンを主成分とする線維状蛋白質は除かれる。
【0009】次に、得られた抽出液を6M尿素/50m
Mトリス‐塩酸/0.1M塩化ナトリウム緩衝液中でジ
エチルアミノエチルセルロース陰イオン体と接触させ
て、本発明の蛋白質以外の一部の蛋白質を吸着により除
去した後、6M尿素/50mMトリス‐塩酸/0.15
M塩化ナトリウム緩衝液中でヘパリンセファロースに接
触させて、本発明の蛋白質を含む蛋白質を吸着させる。
この際一部の蛋白質が除去される。ヘパリンセファロー
スからの本発明の蛋白質の溶出は、吸着に用いた緩衝液
よりも塩化ナトリウム濃度を高くした緩衝液で段階的に
処理することにより行われ、特に塩化ナトリウム濃度が
0.2〜0.3Mである場合に本発明の蛋白質を含む画
分が選択的に溶出できる。
【0010】次いで、得られた本発明の蛋白質を含む画
分を、ヘパリンセファロースの場合と同じ要領で、対応
する緩衝液中でブチルセルロファイン、ヒドロキシアパ
タイトに順次処理して精製する。ブチルセルロファイン
からの溶出に用いる緩衝液は吸着に用いた緩衝液よりも
塩化カリウム濃度を低くした緩衝液で段階的に処理する
ことにより行われ、特に塩化カリウム濃度が0〜0.5
Mである場合に本発明の蛋白質を含む画分が選択的に溶
出できる。また、ヒドロキシアパタイトからの溶出に用
いる緩衝液は吸着に用いた緩衝液よりもリン酸水素二ナ
トリウム濃度を高くした緩衝液で段階的に処理すること
により行われ、特にリン酸水素二ナトリウム濃度が10
0mMである場合に本発明の蛋白質を含む画分が選択的
に溶出できる。
【0011】次いで、得られた画分を、4Mグアニジン
塩酸塩/50mMトリス‐塩酸中でスーパーロースHR
12でゲル濾過して、更に分画する。分画した画分を1
%デオキシコール酸ナトリウム/50mMトリス‐塩酸
緩衝液中でConAセファロースに吸着させ、0.5M
α‐メチル‐D‐マンノシドで溶出させたのち、水:ア
セトニトリル:10%トリフルオロ酢酸=90:10:
1(V/V)混合液中で、TSKフェニル5PW RP
に吸着させ、これを吸着に用いた混合液よりもアセトニ
トリル濃度を高くした混合液で溶出させて、本発明の蛋
白質を単離する。溶出に用いる混合液にアセトニトリル
10〜60%の濃度勾配のものを用いると、本発明の蛋
白質はアセトニトリル濃度20〜25%付近に溶出す
る。
【0012】上記の蛋白質の単離に使用したヘパリンセ
ファロース、ブチルセルロファイン、スーパーロースH
R12、ConAセファロース及びTSKフェニル5P
WRPは、商品名をもって記載したが、これらと同様な
吸着能を有する吸着剤であれば、本発明の蛋白質の単離
に同じく使用でき、上記蛋白質の単離が、これら商品名
で記載した吸着剤によって限定されないことは言うまで
もない。
【0013】このようにして得られた本発明の蛋白質
は、還元剤非存在下でのSDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動では、約32kd、還元剤存在下でのSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動では、約16kd及び約
13kdの分子量を有する。また、サンパス(Sampath)
らによるプロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミィ・オブ・サイエンセス・オブ・ザ・ユナイテッ
ド・ステイツ・オブ・アメリカ〔Proc.Natl.Acad.Sci.,
USA〕,80, 6591-6595 (1983)に記載されている方法で
測定した場合の比活性が約7000ユニット/mg蛋白
以上と極めて高活性な骨形成誘導蛋白質である。
【0014】かかる蛋白質の構造については、これまで
に発見されているBMPにはない構造的特徴が見出され
ている。即ち、本発明の蛋白質は、そのジスルフィド結
合を切断して得られる分子量約16kd及び約13kd
の2本のペプチド鎖からなり、約16kdのペプチド鎖
には糖鎖が結合しているが、約13kdのペプチド鎖に
は糖鎖が結合していないのである。
【0015】以上、説明した本発明の蛋白質の単離は脊
椎動物の骨を原料とするものであるが、本発明の蛋白質
は脊椎動物の骨肉腫にも含まれており、これを原料とす
ることもできる。また、上記単離方法における吸着、溶
出操作は、カラムクロマトグラフィー法、バッチ方式の
いずれでも行うことができる。
【0016】上記単離方法は本発明の骨形成誘導蛋白質
を特定するための一例に過ぎず、本発明は、上記のよう
にして得られた蛋白質と同一の蛋白質であれば、その取
得方法を問わず、いかなる製造方法及び単離方法に依る
ものも含むものである。上記単離方法と異なる取得方法
としては、例えば、上記方法と条件の異なる単離方法、
化学合成法、本発明の蛋白質をコードする相補的DNA
(cDNA)あるいはゲノムDNAを遺伝子組み換えに
よって、適当なベクターに結合した後、大腸菌、枯草
菌、酵母菌あるいは種々の動物細胞に導入し、適当な培
地で培養することによって、細胞内あるいは細胞外液中
に生成させる生物学的方法がある。
【0017】本発明は、また、この骨形成誘導蛋白質を
有効成分とする骨形成誘導剤の発明である。本発明の蛋
白質は、その優れた骨形成誘導活性から、骨粗鬆症、歯
槽膿漏等の骨欠損を伴う疾患及び骨折の治療剤として有
用なものである。本発明の治療剤の投与は、例えば、経
口及び注射等、種々の方法で行うことができ、それぞれ
に適した製剤、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、内用液剤等の経口投与剤及び注射剤にすることがで
き、かかる製剤は、本発明の蛋白質をそのままか、また
は本発明の蛋白質を各剤形に応じた薬学的、製剤学的に
許容される添加剤と混合し、若しくは適当な溶剤中に溶
解、乳化または懸濁する等して、常法により行うことが
できる。
【0018】散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等に加え
る添加剤としては、賦形剤(例えば、乳糖、ブドウ糖、
D‐マンニトール、澱粉、結晶セルロース、炭酸カルシ
ウム、カオリン等)、結合剤(例えば、デンプン糊液、
ゼラチン溶液、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、エタノール等)、崩壊剤(例えば、デンプン、ゼラ
チン末、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム塩等)、滑沢剤(例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、タルク等)、コーティング剤
(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセ
チルセルロース、白糖、酸化チタン等)があり、その他
必要に応じて着色剤、矯味剤等が加えられる。また、内
用液剤に加えられる添加剤としては、保存剤(例えば、
安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸
ナトリウム等)、懸濁化剤または乳化剤(例えば、アラ
ビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩、メチルセルロース、卵黄、界面活性剤
等)、甘味剤(例えば、白糖、単シロップ、クエン酸
等)があり、その他必要に応じて着色剤、安定剤等が加
えられ、これらに使用される溶剤は、主として精製水で
あるが、エタノール、グリセリン、プロピレングリコー
ル等も使用される。
【0019】注射剤に使用する溶剤としては、蒸留水、
注射用水、非水溶性溶剤(例えば、エタノール、グリセ
リン、プロピレングリコール、マクロゴール等)があ
り、また、注射剤に使用する添加剤には、緩衝剤(例え
ば、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム等)、等張剤(例えば、ブドウ
糖、塩化ナトリウム等)、保存剤(例えば、フェノー
ル、チメロサール、パラオキシ安息香酸エステル等)、
安定剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム等)があり、そ
の他必要に応じて、無痛化剤、溶解補助剤等が加えられ
る。
【0020】なお、骨粗鬆症の治療には、主として注射
剤が適用され、歯槽膿漏及び骨折の治療には、上記の経
口剤、注射剤以外にコラーゲンや軟骨との混合剤を患部
へ移植することも行われる。
【0021】本発明の治療剤の投与量は、その投与方法
及び製剤の種類のほか、疾患の種類、患者の年令、性別
等によって大きく変動するが、一般に、本発明の蛋白質
の量が成人で1回当たり100〜0.01mgである。
また、コラーゲン等との混合剤として患部に移植する場
合の本発明の蛋白質とコラーゲン等との混合比は、4×
10-6〜4×10-1重量%、好ましくは4×10-6〜4
×10-2重量%、更に好ましくは4×10-5〜4×10
-3重量%とするのがよい。移植する混合剤の量は、疾患
の程度により、医師により適宜決定される。
【0022】
【発明の効果】本発明により、歯槽膿漏による歯の脱落
及び骨粗鬆症の予防及び根本的治療が可能となり、ま
た、骨折の加療期間を短縮することができる。以下に実
施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの記
載によって限定されるものではない。
【0023】
【実施例】実施例1 工程1 骨処理 牛大腿骨10kgの骨から骨膜層を機械的手段で除去
し、中心腔の骨髄を冷水で洗浄して除去した。これを常
法により微粒子に粉砕し、室温で脱脂後、更に充分乾燥
させた。得られた乾燥粉末を0.5N塩酸中で12〜2
4時間撹拌してのち、上澄み液をデカンテーションし
た。このようにして、鉱物質を除去した骨粉末を脱イオ
ン蒸留水で、pHが中性に近づくまで洗浄した。水洗浄
後、エタノール、次いで、エーテルで洗浄して付着水を
除き、乾燥した。
【0024】工程2 蛋白質の抽出 工程1で得られた骨粉末2kgを20リッター/kg容
量の5mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、
5mM N‐エチルマレイミド(NEM)、0.5mMフ
ェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)を含
む4Mグアニジン塩酸塩/トリス‐塩酸中で4℃で16
時間抽出処理した。この抽出懸濁液を4℃で20000
xgで30分間遠心分離に付し、沈澱部分(骨マトリッ
クス残渣)を分離した。上清画分を合わせて限外濾過に
より、1/40倍量にまで濃縮し、これに8.5倍量の
エタノールを加え、4℃で10000xgで30分間遠
心分離した。得られた沈澱を85%エタノールで3回洗
浄してのち凍結乾燥した。得られた蛋白質は35gであ
った。
【0025】工程3 蛋白質の精製 6M尿素/50mMトリス‐塩酸/0.1M塩化ナトリ
ウム緩衝液(pH7.2)で平衡化した陰イオン交換体
であるジエチルアミノエチルセルロース(DE‐52)
1.5リッターを充填したカラムに、同じ緩衝液に溶解
した工程2で得た蛋白質を流し、更に同緩衝液で洗浄し
た。
【0026】工程4 蛋白質の精製 工程3で得られた通過液を、予め6M尿素/50mMト
リス‐塩酸/0.15M塩化ナトリウム緩衝液(pH
7.0)で平衡化したヘパリンセファロースカラム
(5.0cm×27cm、ファルマシア社製)に流し
た。更に同緩衝液で洗浄したあと、0.2、0.3及び
0.5M塩化ナトリウムを含む緩衝液で段階的に溶出し
分画した。各画分について、骨形成誘導活性測定を行っ
たところ、主として0.3M塩化ナトリウム画分に、そ
して、僅かに0.2M塩化ナトリウム画分に活性が検出
されたので、これらの画分を合わせた。上記各画分の2
80nmでの光学濃度と骨形成誘導活性画分を図1に示
した。
【0027】なお、上記骨形成誘導活性の測定は、サン
パスらの方法〔Proc.Natl.Acad.Sci., USA,80, 6591-6
595 (1983)〕に従って、次のように行った。以下に行う
測定についても同様である。まず、上記工程2の遠心分
離で生成する骨マトリックス残渣と同様にして調製した
25mgのラットの骨マトリックス残渣と蛋白質試料と
で共沈澱ペレットを作り、これを21〜28日雄 Sprag
ue-Dawleyラットの腹胸部皮下に移植した。次いで、1
2日後にペレットを取り出し、アルカリ性ホスファター
ゼ活性及びカルシウム含量を測定した。
【0028】工程5 蛋白質の精製 工程4で得られた骨形成誘導活性画分の塩濃度を塩化カ
リウムで1モルに調整したあと、予め6M尿素/50m
Mトリス‐塩酸/1M塩化カリウム緩衝液(pH7.
0)で平衡化したブチルセルロファインカラム(5.0
cm×12.5cm、チッソ社製)に流し、同緩衝液で
洗浄したあと、0.5、0.1及び0M塩化カリウムを
含む緩衝液で段階的に溶出し分画した。0.5M塩化カ
リウム画分と0.1M塩化カリウム画分に骨形成誘導活
性が検出されたので、これらの画分を合わせた。上記各
画分の280nmでの光学濃度と骨形成誘導活性画分を
図2に示した。
【0029】工程6 蛋白質の精製 工程5で得られた骨形成誘導活性画分を、予め6M尿素
/50mMトリス‐塩酸/10mMリン酸水素二ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したヒドロキシアパ
タイトカラム(Bio‐gel、3.2cm×30c
m、Bio‐Rad)に流し、同緩衝液で洗浄したあ
と、100mM及び500mMリン酸水素二ナトリウム
を含む同緩衝液で段階的に溶出し分画した。100mM
リン酸水素二ナトリウム画分に骨形成誘導活性が検出さ
れた。上記各画分の280nmでの光学濃度と骨形成誘
導活性画分を図3に示した。
【0030】工程7 蛋白質の精製 工程6で得られた骨形成誘導活性画分を、予め4Mグア
ニジン塩酸塩/50mMトリス‐塩酸緩衝液(pH7.
0)で平衡化したスーパーロースHR12(16cm×
50cm、ファルマシア社製)にかけ、1.0ml毎に
分画した。各画分の280nmでの光学濃度と骨形成誘
導活性画分を図4に示した。この図中の画分26〜33
に骨形成誘導活性が検出された。
【0031】工程8 蛋白質の精製 工程7で得られた骨形成誘導活性画分を脱イオン蒸留水
に対し透析を行ったあと、凍結乾燥し1%デオキシコー
ル酸ナトリウム/50mMトリス‐塩酸緩衝液(pH
8.0)に溶解し、同緩衝液で平衡化したConAセフ
ァロースカラム(200μl、ファルマシア社製)に流
し、同緩衝液で洗浄したあと、0.5Mα‐メチル‐D
‐マンノシドで溶出を行った。ConA吸着画分に骨形
成誘導活性が検出されたので、この画分を5mMトリス
‐塩酸(pH8.0)に透析し、凍結乾燥後、デオキシ
コール酸ナトリウムを除去するために冷エタノールで洗
浄し、更に、乾燥した。0.16mgの蛋白質が得られ
た。
【0032】工程9 蛋白質の精製 工程8で得られた骨形成誘導活性蛋白質を、水:アセト
ニトリル:10%トリフルオロ酢酸=90:10:1
(V/V)混合液に溶解し、予め同混合液で平衡化した
TSKフェニル5PW RPカラム(4.6mm×75
mm、東ソー社製)にかけ、アセトニトリル10〜60
%の濃度勾配で流出速度1ml/分で溶出を行い、1.
0ml毎に分画した。各画分の280nmでの光学濃度
と骨形成誘導活性画分を図5に示した。この図中の画分
27と28に骨形成誘導活性が検出された。図6は、画
分27と28の混合物を、分子量既知の標準品と共に濃
度を変えて泳動させた25mMジチオスレイトール(D
TT)存在下でのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動図である。
【0033】以上の骨形成誘導因子の各精製段階におけ
る蛋白質収量、アルカリ性ホスファターゼ活性(ALP
活性)及び蛋白質1mgについての比活性を表1にまとめ
た。
【0034】 表 1 骨形成誘導蛋白質の精製 ──────────────────────────── 精製段階 蛋白質(mg) 総活性(ALP活性) 比活性 ──────────────────────────── 工程2 35000 ND − 3 24650 ND − 4 738 3517 4.8 5 127 922 7.3 6 33 1008 30.5 7 1.3 440 338 8 0.16 ND − 9 0.018 132 7333 ──────────────────────────── ND:未測定 表1から明らかなように、工程9で得られた本発明の骨
形成誘導蛋白質はそれまでの精製段階で得られた蛋白質
よりも、遥かに高い比活性を示している。
【0035】図7〜10に、実施例1で得られた最終精
製骨形成誘導因子の骨形成誘導活性を測定した際の12
日目のペレットの組織学的所見を示した。図7及び図8
は、フェニル5PWRPの逆相高速液体クロマトグラフ
ィーによって得られた最終精製骨形成誘導因子とラット
骨マトリックス残渣の共沈澱ペレットを移植したもので
あり、図9及び図10は、ラット骨マトリックス残渣の
みを移植したものである。図7及び図9は、ヘマトキシ
リン及びエオシン染色後の顕微鏡写真であり、図8及び
図10は、von Kossa 染色後の顕微鏡写真(×80)で
ある。
【0036】図7では、移植したマトリックス粒子の周
辺に分化した軟骨細胞が観察される。図8では、軟骨細
胞の回りと新たに形成された骨細胞の中にカルシウム沈
着が認められる。一方、図9には、移植したマトリック
スの粒子の間に結合組織細胞が存在しているが、軟骨及
び骨形成は認められず、図10にはカルシウム沈着が認
められない。
【0037】このように、本発明の骨形成誘導蛋白質は
高い骨誘導活性を有する。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の工程4の各画分の吸光度と骨形成誘
導活性画分を示したものである。黒線を付した領域が骨
形成誘導活性画分である。
【図2】実施例1の工程5の各画分の吸光度と骨形成誘
導活性画分を示したものである。黒く塗り潰した部分が
骨形成誘導活性画分であり、その高さはアルカリ性ホス
ファターゼ活性の程度を示す。
【図3】実施例1の工程6の各画分の吸光度と骨形成誘
導活性画分を示したものである。黒線を付した領域が骨
形成誘導活性画分である。
【図4】実施例1の工程7の各画分の光学濃度と骨形成
誘導活性画分を示したものである。
【図5】実施例1の工程9の各画分の光学濃度と骨形成
誘導活性画分を示したものである。
【図6】実施例1の工程9の骨形成誘導活性画分のSD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動写真である。レーン
2及び3が骨形成誘導活性画分であり、レーン1及び4
〜7は分子量既知の標準品である。写真右端の数値は分
子量(kd)を表す。
【図7】実施例1で得られた最終精製骨形成誘導蛋白質
の骨形成誘導活性を測定した際のペレットの組織学的所
見写真である。
【図8】実施例1で得られた最終精製骨形成誘導蛋白質
の骨形成誘導活性を測定した際のペレットの組織学的所
見写真である。
【図9】実施例1で得られた最終精製骨形成誘導蛋白質
の骨形成誘導活性を測定した際のペレットの組織学的所
見写真である。
【図10】実施例1で得られた最終精製骨形成誘導蛋白
質の骨形成誘導活性を測定した際のペレットの組織学的
所見写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高雄 誠 宮崎県宮崎市大字恒久4468番地の4 ニ ュー大淀ハイツ602号 (56)参考文献 国際公開89/10409(WO,A1) J.Biol.Chem.,Vol. 264,No.23(1989)p.13377− 13380 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/46 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が、還元剤非存在下でのSDSポ
    リアクリルアミドゲル電気泳動では、約32kd、還元
    剤存在下でのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で
    は、約16kd及び約13kdであり、サンパス(Sampa
    th)らによるプロシーディング・オブ・ザ・ナショナル
    ・アカデミィ・オブ・サイエンセス・オブ・ザ・ユナイ
    テッド・ステイツ・オブ・アメリカ〔Proc.Natl.Acad.S
    ci., USA〕,80, 6591-6595 (1983)に記載されている方
    法で測定した場合の比活性が約7000ユニット/mg
    蛋白以上である骨形成誘導蛋白質であって、以下の方法
    で得ることのできる蛋白質。 (1)鉱物質を除去した脊椎動物の骨から、4Mグアニ
    ジン塩酸塩/トリス‐塩酸を主成分とする溶液で蛋白質
    を抽出し、(2)得られた抽出液を、6M尿素/50m
    Mトリス‐塩酸/0.1M塩化ナトリウム緩衝液中でジ
    エチルアミノエチルセルロース陰イオン体と接触させ、
    (3)未吸着蛋白質を、6M尿素/50mMトリス‐塩
    酸/0.15M塩化ナトリウム緩衝液中でヘパリンセフ
    ァロースと接触させ、(4)ヘパリンセファロースに吸
    着された蛋白質を、(3)で用いた緩衝液よりも塩化ナ
    トリウム濃度を高くした緩衝液で溶出させて、骨形成誘
    導活性画分を分離し、(5)得られた骨形成誘導活性画
    分を、6M尿素/50mMトリス‐塩酸/1M塩化カリ
    ウム緩衝液中でブチルセルロファインと接触させ、
    (6)ブチルセルロファインに吸着された蛋白質を、
    (5)で用いた緩衝液よりも塩化カリウム濃度を低くし
    た緩衝液で溶出させて、骨形成誘導活性画分を分離し、
    (7)得られた骨形成誘導活性画分を、6M尿素/50
    mMトリス‐塩酸/10mMリン酸水素二ナトリウム緩
    衝液中でヒドロキシアパタイトと接触させ、(8)ヒド
    ロキシアパタイトに吸着された蛋白質を、(7)で用い
    た緩衝液よりもリン酸水素二ナトリウム濃度を高くした
    緩衝液で溶出させて、骨形成誘導活性画分を分離し、
    (9)得られた骨形成誘導活性画分を、4Mグアニジン
    塩酸塩/50mMトリス‐塩酸中でスーパーロースHR
    12でゲル濾過して、骨形成誘導活性画分を分離し、
    (10)得られた骨形成誘導活性画分を、1%デオキシコ
    ール酸ナトリウム/50mMトリス‐塩酸緩衝液中でC
    onAセファロースと接触させ、(11)ConAセファ
    ロースに吸着された蛋白質を、0.5Mα‐メチル‐D
    ‐マンノシドで溶出させ、(12)該溶出液から得られた
    蛋白質を、水:アセトニトリル:10%トリフルオロ酢
    酸=90:10:1(V/V)混合液中で、TSKフェ
    ニル5PW RPと接触させ、(13)TSKフェニル5
    PW RPに吸着された蛋白質を、(12)で用いた混合
    液よりもアセトニトリル濃度を高くした混合液で溶出さ
    せて、骨形成誘導活性画分を分離する。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蛋白質を有効成分とする
    骨形成誘導剤。
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