JP3244925B2 - 角速度・加速度センサ - Google Patents

角速度・加速度センサ

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車・航空機・船舶
・車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーションシステム
に用いる角速度・加速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の角速度センサとしては、特公昭4
ー1853号に、「板状圧電体の駆動部と、板状圧電体
の検知部とを直交して容量結合を遮断するように結合配
置するとともに、交流駆動電圧の印加により駆動部を振
動させたときにその振動方向と直交する方向の検知部の
屈曲状態を検出して角速度を得る」構成が開示されてい
る。
【0003】以下に、この従来の角速度センサを図を用
いて説明する。図17は、従来の角速度センサの斜視図
である。図17において、1,1′は2枚の圧電体を接
着剤等で張り合わせた駆動用圧電バイモルフ(駆動部)
で、2,2′は駆動用圧電バイモルフ1,1′と同様に
2枚の圧電体を張り合わせた検知用圧電バイモルフ(検
知部)で、駆動用圧電バイモルフ1,1′と検知用圧電
バイモルフ2,2′とは互いに直交するように金属継手
3,3′によりそれぞれ一体固定されている。7,7′
は駆動用圧電バイモルフ1,1′と金属継手3,3′と
の間にそれぞれ介在する絶縁体、8,8′は検知用圧電
バイモルフ2,2′と金属継手3,3′との間にそれぞ
れ介在する絶縁体である。9,9′は駆動用圧電バイモ
ルフ1,1′の一面の圧電体と金属継手3,3′とをそ
れぞれ接続するリード線、10,10′は検知用圧電バ
イモルフ2,2′と金属継手3,3′とをそれぞれ接続
するリード線、11,11′は駆動用圧電バイモルフ
1,1′の他面の圧電体にそれぞれ接続するリード線、
12,12′は検知用圧電バイモルフ2,2′の他面の
圧電体にそれぞれ接続するリード線である。
【0004】また、駆動用圧電バイモルフ1,1′の内
側の一面の圧電体は金属端子4に、溶接、半田等で固定
され、この金属継手3,3′は金属端子4を介して接地
されている。そして、駆動用圧電バイモルフ1,1′に
は、リード線11,11′を介して交流駆動電圧を印加
するようにしている。また、検知用圧電バイモルフ2,
2′の屈曲による検知信号はリード線12,12′から
取り出されるようになっている。
【0005】一方、従来の加速度を検出する方法として
は、カンチレバーに歪ゲージを貼りつけた歪ゲージ式セ
ンサが主に使われていた。その例を図18に示す。この
歪ゲージ式センサは、図18に示すように、固定部1
3、カンチレバー14、歪検知抵抗体15で構成されて
いる。これらの関連する先行技術として、特開昭61−
144576号公報がある。
【0006】一方、半導体のシリコンチップを用いたセ
ンサでは、温度変化に対して温度補償されたものがある
が、広範囲の加速度に対して、シリコンチップの曲げ強
度から実用上、直流に近い低周波の加速度から高加速度
までのフルレンジで検知することは不十分であった。そ
こで、耐衝撃を十分に耐えるカンチレバーの形成が要求
されている。関連技術として特願昭63−74157号
がある。
【0007】これらの角速度センサと加速度センサと
は、同一システムで使用されることが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の構成では、駆動用圧電バイモルフ1,1′、検知
用圧電バイモルフ2,2′は、2枚の圧電体を接着剤等
で張り合わせて構成しているため、外界の温度変化や接
着剤等の熱膨張や折り曲げた金属板の直交角度が変化す
るので、入力角速度が0のとき、温度変化により出力値
が変動する温度ドリフトの変動が大きいという問題を有
していた。
【0009】また、駆動用圧電バイモルフ1,1′、検
知用圧電バイモルフ2,2′に張り合わせる圧電体の寸
法、厚み、張り合わせ等のばらつき、および、駆動用圧
電バイモルフ1、1′、検知用圧電バイモルフ2、2′
との直交ばらつきが発生し、高精度に角速度を検出する
ことができないという問題を有していた。一方、上記の
ような2層構造の加速度センサは、外界の温度変化によ
って、検知部である歪検知抵抗体を貼りつけている接着
剤やカンチレバーの熱膨張などの変化を受けるために、
これら構造と材料的な要因により、温度ドリフトが大き
く、検知動作の安定性に難があり、温度変化により出力
値が変動するなど、センサ感度の変化が大きいなどの欠
点があった。
【0010】また、角速度センサと角速度センサとを同
一システムに組み込む場合、これらは別体であったの
で、設置スペースも大きくなるという問題があった。本
発明は、上記従来の課題を解決するために、角速度およ
び加速度の両方を検出することができ、しかも広い温度
範囲で温度特性に優れかつ各種ばらつきの少ない角速度
・加速度センサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度・加速度
センサは、所望の結晶軸とその面内で切り出された水晶
ブランクに機械的あるいは電気的加工法で加工し、水晶
ブランクだけで振動腕が面対称的に配置された一対の略
U字音叉形水晶振動子を形成し、それらの一方を駆動側
音叉とし他方を検知側音叉とし、両略U字音叉形水晶振
動子の作用を駆動用と検知用とに分離した一体構成、つ
まり2つの略U字音叉形水晶振動子を互いに平行に面対
向するように、2つの振動腕の基部である支持部におい
て結合子を介して一体構成したものである。
【0012】結合子の支持部に対する結合部位は、略U
字音叉形水晶振動子の機械的Q値の低下が少なく、かつ
有効に振動を伝達することができる箇所が望ましい。例
えば、支持部において、振動節(意味については後述す
る)を含むある面積をもった領域どうしを結合子を介し
一体構成すればよい。このように、駆動側音叉と検知側
音叉は、支持部に発生する振動節を部分的に含むある面
積をもった領域同士をブロック状の結合子を介して固着
すると、「エネルギー閉じ込め理論」により、音叉振動
の機械的Q値と駆動側音叉から検知側音叉への機械伝達
効率を最大にすることができる。したがって、従来の音
叉結合部の基板における機械的伝達ロスが飛躍的に改善
でき、コリオリの力による角速度検出の感度を格段に向
上させることができる。
【0013】なお、支持部の底面など、支持部の他の部
分同士を連結しても、駆動側から検知側へ振動を伝達で
きるので、結合の部位は、上記した振動節に限らないも
のである。上記のように、本発明は、一方の駆動側音叉
が駆動振動を持続するようにし、他方の検知側音叉はコ
リオリの力を検出するため、駆動側音叉の2つの振動腕
を結ぶ方向(X軸方向)、すなわち屈曲振動方向に対
し、直角方向(Z′方向)の振動成分の電気的信号を検
知側音叉で取り出すための電極を備え、角速度を検出す
るとともに、一方の駆動側音叉が駆動振動(捩じれ振
動)を持続するようにし、他方の検知側音叉はコリオリ
の力を検出するため、検知側音叉の2つの振動腕を結ぶ
方向(X軸方向)、すなわち加速度による変位速度の方
向(Z′軸方向)に対し直角方向(X軸方向)の振動成
分の電気的信号を検知側音叉で取り出すための電極を備
え、加速度を検出することにより、ことにより、温度ド
リフトが非常に少なく、かつ高精度で安価な角速度・加
速度センサを得ることができるものである。
【0014】また、振動腕と支持部が一体に連結する略
U字音叉形水晶振動子を用いているので、従来例にみる
圧電素子貼り付け工程などの種々の製造工程がなく、温
度的にばらつきのない安定した角速度・加速度センサを
得るものである。以下、各請求項に対応して説明する。
請求項1記載の角速度・加速度センサは、結晶軸X,
Y,ZのX軸周りに回転した新たな結晶軸X,Y′,
Z′のY′軸方向を長手方向にしてX,Y′面内でそれ
ぞれ切り出し、方形断面の一方および他方の対称な振動
腕を支持部で平行一体に連結した形状をそれぞれ有する
略U字音叉形水晶ブランクの前記一方および他方の振動
腕の周面に電極をそれぞれ配設してなる第1および第2
の音叉形水晶振動子を、互いに平行に面対向した状態に
結合子を介し前記支持部において固着したもので、前記
第1の音叉形水晶振動子を、電極を介して交流電圧を印
加することにより、一方および他方の振動腕のX軸方向
に変位する互いに逆相の屈曲振動を発生させるととも
に、一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互
いに逆相の捩じれ振動を発生させる駆動側音叉とし、前
記第2の音叉形水晶振動子を、前記結合子を経由して前
記第1の音叉形水晶振動子から伝播したX軸方向に変位
する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角速度に
基づくコリオリの力によって発生する一方および他方の
振動腕のZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じ
る交流電圧を電極を介して検出するとともに、前記結合
子を経由して前記第1の音叉形水晶振動子から伝播した
一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに
逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度とに基づくコリ
オリの力によって発生する一方および他方の振動腕のX
軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を
電極を介して検出する角速度・加速度検出用の検知側音
叉としたことを特徴とする。
【0015】請求項2記載の角速度・加速度センサは、
請求項1記載の角速度・加速度センサにおいて、駆動側
音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互
いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の一方お
よび他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の
捩じれ振動の共振周波数とがほぼ等しく、駆動側音叉の
一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに
逆相の捩じれ振動の共振周波数と検知側音叉の一方およ
び他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共
振周波数とがほぼ等しく、かつ前記駆動側音叉の一方お
よび他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動の共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方
の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数とが異なり、前記駆動側音叉の一方および他
方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ
振動の共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方の
振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動
の共振周波数とが異なるように、前記駆動側音叉の振動
腕と前記検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定
したことを特徴とする。
【0016】請求項3記載の角速度・加速度センサは、
請求項1記載の角速度・加速度センサにおいて、駆動側
音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互
いに逆相の屈曲振動の共振周波数とY′軸周りに変位す
る互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数と検知側音叉の
一方および他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲
振動の共振周波数とY′軸周りに変位する互いに逆相の
捩じれ振動の共振周波数とが互いに隔離して異なるよう
に、前記駆動側音叉の振動腕と前記検知側音叉の振動腕
とを異なる形状寸法に設定したことを特徴とする。
【0017】請求項4記載の角速度・加速度センサは、
請求項1記載の角速度・加速度センサにおいて、駆動側
音叉の一方および他方の振動腕の周面に配設する電極は
前記一方および他方の振動腕の基部と先端部で分割さ
れ、駆動側音叉の前記一方および他方の振動腕の基部の
電極は、Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕
の表裏および両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分で
周方向に4分割された状態にそれぞれ設けてあり、前記
一方の振動腕の表裏面電極と前記他方の振動腕の両側面
電極とを共通接続し、前記他方の振動腕の表裏面電極と
前記一方の振動腕の両側面電極とを共通接続し、駆動側
音叉の前記一方および他方の振動腕の先端部の電極は、
Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕の表裏面
にそれぞれ周方向に3分割された状態でそれぞれ設けて
あり、前記一方および他方の振動腕の表裏面の3分割さ
れて外側にある電極を外電極とし中側にある電極を中側
電極とし内側にある電極を内電極としたとき、一方の振
動腕の表面内電極と表面外電極と裏面中側電極と他方の
振動腕の裏面内電極と裏面外電極と表面中側電極とを共
通接続し、かつ他方の振動腕の表面内電極と表面外電極
と裏面中側電極と一方の振動腕の裏面内電極と裏面外電
極と表面中側電極とを共通接続し、かつ検知側音叉の一
方および他方の振動腕の周面に配設する電極は、前記一
方および他方の振動腕の基部と先端部で分割され、検知
側音叉の前記一方および他方の振動腕の基部の電極は、
Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕の表裏お
よび両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分で周方向に
4分割された状態にそれぞれ設けてあり、前記一方の振
動腕の表裏面電極と前記他方の振動腕の両側面電極とを
共通接続し、前記他方の振動腕の表裏面電極と前記一方
の振動腕の両側面電極とを共通接続し、検知側音叉の前
記一方および他方の振動腕の先端部の電極は、Z′軸方
向に見て一方および他方の振動腕の4周面にそれぞれ表
裏面および両側面の略中央を通る線で周方向に4分割さ
れて隣接する2周面に跨がる状態でそれぞれ設けてあ
り、一方および他方の振動腕をそれぞれY′軸方向に見
て4個の電極のうち左上がり対角線上にある2個の電極
をそれぞれ左対角電極とするとともに右上がり対角線上
にある2個の電極をそれぞれ右対角電極としたときに、
一方の振動腕の2個の右対角電極と他方の振動腕の2個
の左対角電極とを共通接続し、一方の振動腕の2個の左
対角電極と他方の振動腕の2個の右対角電極とを共通接
続したことを特徴とする。
【0018】請求項5記載の角速度・加速度センサは、
請求項1記載の角速度・加速度センサにおいて、結合子
は、両端面がある面積を有する柱状であって、両端面が
駆動側音叉および検知側音叉の支持部に生成される振動
節を部分的に含む表面に接着されていることを特徴とす
る請求項1記載の角速度・加速度センサ。請求項6記載
の角速度・加速度センサは、請求項1記載の角速度・加
速度センサにおいて、駆動側音叉および検知側音叉は、
支持部に生成される振動節を部分的に含むある面積をも
った貫通孔をそれぞれ有し、結合子は、柱状であって、
両端部が前記貫通孔に貫挿した状態に前記駆動側音叉お
よび検知側音叉の支持部に接着されていることを特徴と
する。
【0019】請求項7記載の角速度・加速度センサは、
請求項1記載の角速度・加速度センサにおいて、方形断
面の一方および他方の対称な振動腕を支持部で平行一体
に連結した形状をそれぞれ有する略U字音叉形水晶ブラ
ンクの前記一方および他方の振動腕の周面に電極をそれ
ぞれ配設してなる第1および第2の音叉形水晶振動子
を、互いに平行に面対向した状態に結合子を介し前記支
持部において固着したもので、前記第1の音叉形水晶振
動子を、電極を介して交流電圧を印加することにより、
前記一方および他方の振動腕の並び方向に変位する互い
に逆相の屈曲振動を発生させるとともに、一方および他
方の振動腕の長手方向の周りに変位する互いに逆相の捩
じれ振動を発生させる駆動側音叉とし、前記第2の音叉
形水晶振動子を、前記結合子を経由して前記第1の音叉
形水晶振動子から伝播した前記一方および他方の振動腕
の並び方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と前記一方
および他方の振動腕の長手方向の周りの回転角速度に基
づくコリオリの力によって発生する一方および他方の振
動腕の並び方向と直交する方向の互いに逆相の屈曲振動
により生じる交流電圧を電極を介して検出するととも
に、前記結合子を経由して前記第1の音叉形水晶振動子
から伝播した一方および他方の振動腕の長手方向の周り
に変位する互いに逆相の捩じれ振動と前記一方および他
方の振動腕の並び方向と直交する方向の加速度とに基づ
くコリオリの力によって発生する一方および他方の振動
腕の並び方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流
電圧を電極を介して検出する角速度・加速度検出用の検
知側音叉としたことを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の構成によれば、駆動側音叉であ
る第1の音叉形水晶振動子に電極を介して交流電圧を印
加することにより、駆動側音叉に一方および他方の振動
腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動が発生す
るとともに、駆動側音叉に一方および他方の振動腕の
Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動が発生す
る。
【0021】上記のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動は、Y′軸周りの回転角速度が加えられる(当然
第2の音叉形水晶振動子も同じ回転角速度が与えられ
る)と、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と
Y′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって
一方および他方の振動腕のZ′軸方向の互いに逆相の屈
曲振動が発生する。この第2の音叉形水晶振動子の一方
および他方の振動腕のZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振
動により生じる交流電圧を電極を介して検出する。この
交流電圧はY′軸周りの回転角速度に比例した値をとる
ので、上記の交流電圧からY′軸周りの回転角速度が検
出できる。
【0022】同様にして、上記のY′軸周りに変位する
互いに逆相の捩じれ振動は、一方および他方の振動腕に
Z′軸方向の加速度が加えられる(当然第2の音叉形水
晶振動子も同じ加速度が与えられる)と、Y′軸周りに
変位する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度
に基づくコリオリの力によって第1の音叉形水晶振動子
の一方および他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈
曲振動が発生する。この第2の音叉形水晶振動子の一方
および他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動
により生じる交流電圧を電極を介して検出する。この交
流電圧はZ′軸方向の加速度に比例した値をとるので、
上記の交流電圧からZ′軸方向の加速度が検出できる。
【0023】請求項2記載の構成によれば、駆動側音叉
の一方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに
逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の一方および
他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動の共振周波数とがほぼ等しく、駆動側音叉の一方
および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相
の捩じれ振動の共振周波数と検知側音叉の一方および他
方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数とがほぼ等しく、かつ前記駆動側音叉の一方および
他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動の共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方の振
動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振
周波数とが異なり、前記駆動側音叉の一方および他方の
振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動
の共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方の振動
腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共
振周波数とが異なることにより、駆動側音叉を共振駆動
した場合において、X軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動とY′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力
によって駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発生す
るZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動が効率良く抽出さ
れるとともに、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動の影響が小さくなる。この結果、X軸方向に変位する
互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧の影響を抑
えつつ、Z′軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じ
る交流電圧を有効に検出できることになり、精度よく
Y′軸周りの回転角速度を検出することが可能となる。
【0024】また、駆動側音叉を共振駆動した場合にお
いて、検知側音叉では、一方および他方の振動腕のY′
軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向
の加速度に基づくコリオリの力によって駆動側音叉の一
方および他方の振動腕に発生するX軸方向の互いに逆相
の屈曲振動が効率良く抽出されるとともに、Y′軸周り
に変位する互いに逆相の捩じれ振動の影響が小さくな
る。この結果、Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、X軸方
向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効
に検出できることになり、精度よくZ′軸方向の加速度
を検出することが可能となる。
【0025】請求項3記載の構成によれば、駆動側音叉
の一方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに
逆相の屈曲振動の共振周波数とY′軸周りに変位する互
いに逆相の捩じれ振動の共振周波数と検知側音叉の一方
および他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動
の共振周波数とY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動の共振周波数とが互いに隔離して異なることによ
り、駆動側音叉を共振駆動した場合において、検知側音
叉では、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と
Y′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって
駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発生するZ′軸
方向の互いに逆相の屈曲振動に対して、X軸方向に変位
する互いに逆相の屈曲振動の影響がなくなる。この結
果、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動により生
じる交流電圧の影響を抑えつつ、Z′軸方向の互いに逆
相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に検出できる
ことになり、精度よくY′軸周りの回転角速度を検出す
ることが可能となる。
【0026】また、駆動側音叉を共振駆動した場合にお
いて、検知側音叉では、一方および他方の振動腕のY′
軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向
の加速度に基づくコリオリの力によって駆動側音叉の一
方および他方の振動腕に発生するX軸方向の互いに逆相
の屈曲振動に対して、Y′軸周りに変位する互いに逆相
の捩じれ振動の影響がなくなる。この結果、Y′軸周り
に変位する互いに逆相の捩じれ振動により生じる交流電
圧の影響を抑えつつ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動
により生じる交流電圧を有効に検出できることになり、
精度よくZ′軸方向の加速度を検出することが可能とな
る。
【0027】請求項4記載の構成によれば、駆動側音叉
の共通接続した2組の電極間に駆動側音叉に交流電圧を
加えてX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を起こ
させるとともに、一方および他方の振動腕のY′軸周り
に変位する互いに逆相の捩じれ振動を起こさせる。この
際、交流電圧の周波数は、一方および他方の振動腕のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数お
よびY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共
振周波数に近いものとし、駆動側音叉を共振駆動する。
一方、検知側音叉の共通接続した2組の電極間には、一
方および他方の振動腕に発生するZ′軸方向の互いに逆
相の屈曲振動に伴う交流電圧とX軸方向の互いに逆相の
屈曲振動に伴う交流電圧とが生じることになる。
【0028】請求項5記載の構成によれば、駆動側音叉
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動が、駆動側
音叉の機械的Q値が低下することなく、効率よく検知側
音叉に伝達されることになる。同様にして、駆動側音叉
の一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互い
に逆相の捩じれ振動が、駆動側音叉の機械的Q値が低下
することなく、効率よく検知側音叉に伝達されることに
なる。
【0029】請求項6記載の構成によれば、駆動側音叉
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動が、駆動側
音叉の機械的Q値が低下することなく、効率よく検知側
音叉に伝達されることになる。同様にして、駆動側音叉
の一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位す屈曲振
動が、駆動側音叉の機械的Q値が低下することなく、効
率よく検知側音叉に伝達されることになる。
【0030】請求項7記載の構成によれば、駆動側音叉
および検知側音叉の切り出し方向が任意であるので、切
り出し方向の違いによる特性の違いはあるものの、本質
的には、請求項1と同様に作用する。ここで、2つの略
U字音叉形水晶振動子を結合子を介して連結して一体化
している理由について説明する。
【0031】音叉形水晶振動子において、今、仮にY軸
を通りYZ面対称に各一方および他方の振動腕がX軸方
向に+v,−vの速度で共振屈曲振動(Xモードの振
動)をしているものとする。この音叉形水晶振動子のY
軸を回転する方向に角速度ωの回転が加わったとする
と、各振動腕にはコリオリの力がY軸線対称の方向(Z
軸方向の振動;Zモードの振動)に発生する。このと
き、発生するY軸線対称の振動は、共振駆動の屈曲振動
と直交するZ軸方向に振動することになる。
【0032】しかしながら、単一の音叉形水晶振動子に
おいては、共振駆動のXモードの共振周波数と、これに
同期して新たに発生するZモードの非共振周波数は、同
一周波数であるので分離することは一般に困難である。
これは、仮に分離電極配置等の工夫によりこの2モード
をうまく分離し検出することができたとしても、共振駆
動の強いレベルに対して、検出レベルは極めて低いレベ
ルであることから、誘導等により検出レベルがマスクさ
れ、あるいは影響を受けて、もとより正確な検出ができ
ないことに起因している。かくして、周波数の差異によ
って、駆動と検出を分離する何らかの解決手段が望まれ
ていた。
【0033】同様に、音叉形水晶振動子において、今仮
に、音叉形水晶振動子のZ′軸に加速度を加えたとする
と、加速度による変位速度vにより、各振動腕には、コ
リオリの力がX軸線対称の方向に発生する。このとき、
発生するX軸線対称方向の振動は、Y′軸の周りの捩じ
れ振動とZ軸の加速度方向と直交するX軸方向成分に振
動をすることになる。すなわち、加速度検知の原理は、
一方および他方の振動腕がY′軸周りに変位する互いに
逆相の捩じれ振動を生じているとき、振動腕に加速度に
よる変位速度vが印加されたとすると、コリオリの力は
Z軸方向と直交するX軸方向に屈曲振動として新たに発
生する。この屈曲振動の成分を検出することにより、加
速度を検出することが可能となる。
【0034】しかしながら、単一の音叉形水晶振動子に
おいては、共振駆動のY′軸周りに変位する互いに逆相
の捩じれ振動の共振周波数と、これに同期して新たに発
生するX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の非共振周波数
は、同一周波数であるので分離することは一般に困難で
ある。これは、仮に分離電極配置等の工夫によりこの2
モードをうまく分離し検出することができたとしても、
共振駆動の強いレベルに対して、検出レベルは極めて低
いレベルであることから、誘導等により検出レベルがマ
スクされ、あるいは影響を受けて、もとより正確な検出
ができないことに起因している。かくして、周波数の差
異によって、駆動と検出を分離する何らかの解決手段が
望まれていた。
【0035】そこで、本発明は、2個の略U字音叉形水
晶振動子を結合子を介して接合することにより、駆動側
と検知側に分離し、この困難性を解決したものである。
本発明においては、水晶振動子そのものが一対の振動腕
を面対称的に配置したものであり、音叉形状を有する略
U字音叉形水晶振動子の2つのうち一方を駆動側音叉と
し、他方を検知側音叉とし、結合子で一体化して、角速
度および加速度を単一のユニットで検出できるようにし
たものである。
【0036】そして、これらの音叉の素材として、水晶
を用いることにより、角速度・加速度の検知感度が高
く、熱的膨張係数が小さく、電極配置によりXモードの
屈曲振動をさせることにより温度変化に対する水晶の周
波数依存性がより小さくなり、結果的には角速度・加速
度センサの温度ドリフト低減につながり、小さくなるの
である。また、駆動側の駆動信号成分の検知側へ不要信
号成分としての混入が小さく、駆動時の共振周波数変動
が小さく、同期検波時の位相ずれ変化が小さいという作
用効果を得る。そして結果的には、広い温度範囲で温度
特性に優れた角速度・加速度センサを得ることができる
のである。
【0037】ここで、本発明の作用についてもう少し説
明する。これは大きく振動している特定の駆動モード
(この場合はXモード)で共振振動している音叉に、コ
リオリの力による新しい振動モード(この場合はZモー
ド)が(絶対に共振ではなく)発生するので、この発生
した新しい振動モード(この場合はZモード、但し、周
波数は駆動モードと同期しているので駆動モードと同一
である)をモード共振により選択的(一種のメカニカル
なフィルタリングです)に検出するものである。
【0038】つまり、検知側音叉に駆動側振動モードが
混在すると、誤検出となる恐れがありますので(レベル
が100dBと隔絶しているので)、駆動の振動モード
に対し検出の振動モードを選択できるよう、検出側音叉
の電極構造を駆動側音叉と異なるものとし、また共振周
波数に対し共振選択特性を付与すべく振動腕の形状寸法
を異ならしめているのである。検知側音叉においては、
駆動モードを可能な限り抑制して、検出モードのみを可
能な限り効率よく検出するのである。
【0039】この発明では、複数の振動モードを取り扱
うので、それらに対する対策が重要なポイントとなって
いる。すなわち、このX軸方向に変位する互いに逆相の
屈曲振動は、駆動側音叉の第1の音叉形水晶振動子の支
持部から結合子を介して検知側音叉である第2の音叉形
水晶振動子の支持部に一部伝播するが、第2の音叉のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と共振周波数が
一致せず共振しないように設定されてあるから、大部分
は駆動側音叉に閉じ込められる。このときに、第1の音
叉形水晶振動子にY′軸周りの回転角速度が与えられる
(当然第2の音叉形水晶振動子も同じ回転角速度が与え
られる)と、コリオリの力とによって、第1の音叉形水
晶振動子の一方及び他方の振動腕のZ′軸方向の互いに
逆相の屈曲振動が新たに発生する。このZ′軸方向の互
いに逆相の屈曲振動は結合子を介して第2の音叉形水晶
振動子に伝播するが、Z′軸方向の互いに逆相の屈曲振
動の共振周波数とほぼ等しく設定してあると、効率よく
検出することができる。
【0040】共振現象を利用した検出は高感度、高能率
であるから、小型化・高精度に好適であるが、他の信号
妨害を受け易い欠点も持っている。また、X軸方向の互
いに逆相の屈曲振動、あるいはZ′軸方向の互いに逆相
の屈曲振動などの、多数の異なる振動を利用しようとす
る場合、不要振動による干渉を排除しと抑制することに
特に留意しなければならない。比較的容易な対策は、多
少感度を犠牲にしても互いの共振周波数を隔離しあるい
は近接を避けるよう設定することである。
【0041】幸いにして、これら各種振動は互いに直交
していて境界条件が独立な関係にあるから、相互干渉も
なく制御しやすい利点がある。例えば、Z′軸方向に変
位する屈曲振動とX軸方向に変位する屈曲振動は、振動
腕の長さを周波数決定の共通境界条件としているが、他
方、厚みと幅を他の境界条件としているので、圧電定数
の差異と併せ、厚みと幅を異ならしめることによりきわ
めて容易にそれら共振周波数を隔離し異なるよう設定す
ることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の第1の実施例の角速度・加速
度センサの斜視図を示している。同図(a)は組み立て
状態の斜視図、同図(b)は分解状態の斜視図である。
図1において、21は方形断面の一方および他方の対称
な振動腕24,25を支持部23で平行一体に連結した
形状をそれぞれ有する略U字音叉形水晶ブランクからな
る第1の音叉形水晶振動子(以下、駆動側音叉という)
で、電気的加工または機械的加工によって切り出され、
一方および他方の振動腕24,25の周面に駆動用電極
22を配設している。26は同じく方形断面の一方およ
び他方の対称な振動腕29,30を支持部28で平行一
体に連結した形状をそれぞれ有する略U字音叉形水晶ブ
ランクからなる第2の音叉形水晶振動子(以下、検知側
音叉という)で、一方および他方の振動腕29,30の
周面に検知用電極27を配設している。
【0043】31は水晶からなる結合子で、両端面を駆
動側音叉21および検知側音叉26のそれぞれの駆動側
支持部23および検知側支持部28の略中央部表面に位
置する駆動側振動節を部分的に含む接合部32と検知側
振動節を部分的に含む接合部33とを接着により結合し
て角速度・加速度センサを構成している。この場合、駆
動側音叉21と検知側音叉26とは、互いに平行に面対
向した状態になっている。この結合子31は、駆動側音
叉21の振動を検知側音叉26に伝達させる機能を有し
ているが、それは、結合子31が駆動側音叉21および
検知側音叉26とともに音叉を構成しているからである
と考えられる。
【0044】以下に、要部である駆動側音叉21および
検知側音叉26に用いる略U字音叉形水晶ブランクにつ
いて説明する。図2は駆動側音叉21および検知側音叉
26に用いる略U字音叉形水晶ブランクの斜視図であ
る。図2において、34は駆動側音叉21および検知側
音叉26に用いる略凹形状を有する略U字音叉形水晶ブ
ランクである。この水晶ブランク34は結晶軸X,Y,
Zに対して、X軸周りで角度θ(=2〜3°)回転した
新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方向に
してX,Y′面内で切り出したものであり、平行な2つ
の振動腕35A,35Bを支持部35Cで結合した構造
である。
【0045】ここで、略U字音叉形水晶振動子を構成す
る水晶ブランクの寸法の一例について説明する。例え
ば、第1の実施例として、駆動側音叉および検知側音叉
の振動腕は、水晶をU字形状に長さ(L)10mm×厚み
(t)2.5mm×幅(W)3.5mmの寸法で図2に示し
たカット方向にて成型加工される。駆動側音叉および検
知側音叉の寸法は、上記の例に限らず、両音叉の寸法は
同じである必要はなく、各屈曲および捩じれ振動のモー
ドの共振周波数に応じて適宜設定される。
【0046】この略U字音叉形水晶ブランク34を図1
に示した角速度・加速度センサの駆動側音叉21および
検知側音叉26に用いる場合、駆動側音叉21の一方お
よび他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動の共振周波数と検知側音叉26の一方および他方
の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振
動の共振周波数とがほぼ等しく、駆動側音叉21の一方
および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相
の捩じれ振動の共振周波数と検知側音叉26の一方およ
び他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共
振周波数とがほぼ等しく、かつ駆動側音叉21の一方お
よび他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動の共振周波数と検知側音叉26の一方および他方
の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数とが異なり、駆動側音叉21の一方および他
方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ
振動の共振周波数と検知側音叉26の一方および他方の
振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動
の共振周波数とが異なるような形状寸法で切りだして用
いている。
【0047】上記の駆動側音叉21は、駆動用電極22
を介して交流電圧を印加することにより、一方および他
方の振動腕24,25のX軸方向に変位する互いに逆相
の屈曲振動を発生させる。この場合、交流電圧の周波数
は、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数にほぼ一致した周波数として、共振駆動を行う。同
様にして、駆動用電極22を介して交流電圧を印加する
ことにより、一方および他方の振動腕24,25のY′
軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動を発生させ
る。この場合、交流電圧の周波数は、Y′軸周りに変位
する互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数にほぼ一致し
た周波数として、共振駆動を行う。
【0048】また、検知側音叉26は、結合子31を経
由して駆動側音叉21から伝播したX軸方向に変位する
互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角速度に基づ
くコリオリの力によって発生する一方および他方の振動
腕29,30のZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動によ
り生じる交流電圧を電極を介して検出する(角速度)。
同様にして、検知側音叉26は、結合子31を経由して
駆動側音叉21から伝播したY′軸周りに変位する互い
に逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度に基づくコリ
オリの力によって発生する一方および他方の振動腕2
9,30のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じ
る交流電圧を電極を介して検出する(加速度)。
【0049】以下に、要部である駆動用電極22の具体
構成について説明する。駆動用電極22としては、振動
腕24,25の基部にはX軸方向の互いに逆相の屈曲振
動を生成する電極が設けられ、先端部にはY′軸周りに
変位する互いに逆相の捩じれ振動を生成する電極が設け
られている。図3は、要部である駆動側音叉21の一方
および他方の振動腕の基部の周面に形成された駆動用電
極22の結線図である。図3において、36a,36c
は一方の振動腕24のZ′軸方向から見て表面および裏
面にそれぞれ形成された駆動用電極、36b,36dは
一方の振動腕24のZ′軸方向から見て両側面にそれぞ
れ形成された駆動用電極である。37a,37cは他方
の振動腕25のZ′軸方向から見て表面および裏面にそ
れぞれ形成された駆動用電極、37b,37dは他方の
振動腕25のZ′軸方向から見て両側面にそれぞれ形成
された駆動用電極であり、図1に示した通り、Z′軸方
向に見て一方および他方の振動腕の表裏および両側の4
周面にそれぞれ4つの稜線部分で周方向に4分割された
状態にそれぞれ設けてある。
【0050】そして、一方の振動腕24の表裏面の駆動
用電極36a,36cと他方の振動腕25の両側面の駆
動用電極37b,37dとを共通接続し、他方の振動腕
25の表裏面の駆動用電極37a,37cと一方の振動
腕24の両側面の駆動用電極36b,36dとを共通接
続している。駆動用電極36a,36c,37b,37
dの共通接続、ならびに駆動用電極36b,36d,3
7a,37cの共通接続は、振動腕24,25の周面上
で電極パターンを延長形成することにより行っている。
【0051】38は共通接続した駆動用電極36a,3
6c,37b,37dに接続された共通線路、39は共
通接続した駆動用電極36b,36d,37a,37c
に接続された共通線路である。図4は、要部である駆動
側音叉21の一方および他方の振動腕の先端部の周面に
形成された駆動用電極22の結線図である。図4におい
て、36a′,36b′,36c′は一方の振動腕24
のZ′軸方向から見て表面に形成された外側、中側、内
側の駆動用電極、36d′,36e′,36f′は一方
の振動腕24のZ′軸方向から見て裏面に形成された外
側、中側、内側の駆動用電極である。37a′,37
b′,37c′は他方の振動腕25のZ′軸方向から見
て表面に形成された内側、中側、外側の駆動用電極、3
7d′,37e′,37f′は他方の振動腕25のZ′
軸方向から見て裏面に形成された内側、中側、外側の駆
動用電極であり、図1に示した通り、Z′軸方向に見て
一方および他方の振動腕の表裏面にそれぞれ周方向に3
分割された状態にそれぞれ設けてある。
【0052】そして、一方の振動腕24の表裏面の駆動
用電極36a′,36c′,36e′と他方の振動腕2
5の両側面の駆動用電極37b′,37d′,37f′
とを共通接続し、他方の振動腕25の表裏面の駆動用電
極37a′,37c′,37e′と一方の振動腕24の
両側面の駆動用電極36b′,36d′,37f′とを
共通接続している。駆動用電極36a′,36c′,3
6e′,37b′,37d′,37f′の共通接続、な
らびに駆動用電極36b′,36d′,,36f′,3
7a′,37c′,37e′の共通接続は、振動腕2
4,25の周面上で電極パターンを延長形成することに
より行っている。
【0053】38は共通接続した駆動用電極36a′,
36c′,36e′,37b′,37d′,37f′に
接続された共通線路、39は共通接続した駆動用電極3
6b′,36d′,,36f′,37a′,37c′,
37e′に接続された共通線路である。以上のように構
成された駆動用電極22の動作について説明すると、共
通線路38,39間に駆動信号(交流電圧)を印加して
共振駆動を行えば、一方および他方の振動腕24,25
のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動が発生し、駆動音叉
21の一方の振動腕24、他方の振動腕25が開いた
り、閉じたりする。また、このときに同時に、一方およ
び他方の振動腕24,25のY′軸周りに変位する互い
に逆相の捩じれ振動が発生し、駆動音叉21の一方の振
動腕24、他方の振動腕25が互いに逆方向に捩じれる
のである。
【0054】以下に、要部である検知用電極27につい
て説明する。図5および図6は、要部である検知側音叉
26の一方および他方の振動腕の周面に形成された検知
用電極27の結線図である。検知用電極27としては、
振動腕29,30の先端部にはZ′軸方向の互いに逆相
の屈曲振動を検出する電極が設けられ、基部にはX軸方
向の互いに逆相の屈曲振動を検出する電極が設けられて
いる。
【0055】図5は、要部である検知側音叉26の一方
および他方の振動腕の先端部の周面に形成された検知用
電極27の結線図である。図5において、40aおよび
40cは一方の振動腕29をY′軸方向に見て一方の振
動腕29の左上がり対角線上の2隅にそれぞれ位置する
検知用電極、40b,40dは一方の振動腕29をY′
軸方向に見て一方の振動腕29の右上がり対角線上の2
隅にそれぞれ位置する検知用電極である。41aおよび
41cは他方の振動腕30をY′軸方向に見て他方の振
動腕30の左上がり対角線上の2隅にそれぞれ位置する
検知用電極、41b,41dは他方の振動腕30をY′
軸方向に見て他方の振動腕30の右上がり対角線上の2
隅にそれぞれ位置する検知用電極であり、図1に示した
通り、Z′軸方向に見て一方および他方の振動腕29,
30の4周面にそれぞれ表裏面および両側面の略中央を
通る線で周方向に4分割されて隣接する2周面に跨がる
状態でそれぞれ設けてある。
【0056】そして、一方の振動腕29の左対角の検知
用電極40a,40cと他方の振動腕25の右対角の検
知用電極41b,41dとを共通接続し、他方の振動腕
30の左対角の検知用電極41a,41cと一方の振動
腕29の右対角の検知用電極40b,40dとを共通接
続している。検知用電極40a,40c,41b,41
dの共通接続、ならびに検知用電極40b,40d,4
1a,41cの共通接続は、振動腕29,30の周面上
で電極パターンを延長形成することにより行っている。
【0057】42は共通接続した検知用電極40a,4
0c,41b,41dに接続された共通線路、43は共
通接続した検知用電極40a,40c,41b,41d
に接続された共通線路である。図6は、要部である検知
側音叉26の一方および他方の振動腕の基部の周面に形
成された検知用電極27の結線図である。図6におい
て、40a′,40c′は一方の振動腕29のZ′軸方
向から見て表面および裏面にそれぞれ形成された検知用
電極、40b′,40d′は一方の振動腕29のZ′軸
方向から見て両側面にそれぞれ形成された検知用電極で
ある。41a′,41c′は他方の振動腕30のZ′軸
方向から見て表面および裏面にそれぞれ形成された検知
用電極、41b′,41d′は他方の振動腕30のZ′
軸方向から見て両側面にそれぞれ形成された検知用電極
であり、図1に示した通り、Z′軸方向に見て一方およ
び他方の振動腕の表裏および両側の4周面にそれぞれ4
つの稜線部分で周方向に4分割された状態にそれぞれ設
けてある。
【0058】そして、一方の振動腕29の表裏面の検知
用電極40a′,40c′と他方の振動腕30の両側面
の検知用電極41b′,41d′とを共通接続し、他方
の振動腕30の表裏面の検知用電極41a′,41c′
と一方の振動腕29の両側面の検知用電極40b′,4
0d′とを共通接続している。検知用電極40a′,4
0c′,41b′,41d′の共通接続、ならびに検知
用電極40b′,40d′,41a′,41c′の共通
接続は、振動腕29,30の周面上で電極パターンを延
長形成することにより行っている。
【0059】42は共通接続した検知用電極40a′,
40c′,41b′,41d′に接続された共通線路、
43は共通接続した検知用電極40b′,40d′,4
1a′,41c′に接続された共通線路である。以下
に、図1において駆動側振動節32および検知側振動節
33として示した振動節について詳しく説明する。図7
は、略U字音叉形水晶ブランク34の側面図で、振動節
の検出のための構成を示している。図8(a)は振動節
の位置を示す略U字音叉形水晶ブランク34の斜視図、
図8(b)は同じく正面図、図8(c)は同じく側面図
である。
【0060】図7において、略U字音叉形水晶ブランク
34の支持部35Cを挟み込むように対称なピンポイン
ト支持具43で略U字音叉形水晶ブランク34を保持
し、この略U字音叉形水晶ブランク34に電気信号を与
えて、図8(a),(b)の矢印方向(X軸方向)に示
すように、振動腕35A,35Bが開閉する方向、つま
り、Xモードの屈曲振動を与えて、屈曲振動(共振)の
機械的先鋭度(以下、「機械的Q値」と記す。)を測定
し、機械的Q値の減少が少ない点を測定する。図8
(a),(b),(c)に示す曲線AMB,BNCより
下側の斜線部は、機械的Q値の減少が数%以内に留まる
部分を示している。
【0061】上記曲線AMB,BNCを便宜上、振動節
と定義している。つまり、略U字音叉形水晶ブランク3
4が振動している部分と振動していない部分の境界線に
近いラインをイメージしている。つまり、それを含むよ
うにある面積の結合子で2つの略U字音叉形水晶ブラン
クを結合したときに、一方の略U字音叉形水晶ブランク
の屈曲振動がよく行われ、かつ一方の略U字音叉形水晶
ブランクの屈曲振動が他方の略U字音叉形水晶ブランク
に伝わりやすい部分が振動節である。
【0062】図8(b),(c)にはXモードの振動状
態を点線で示しているが、略U字音叉形水晶ブランクの
側面は表裏面に比べて下の方まで振動していることを示
している。振動腕と支持部の寸法にもよるが、支持部が
十分大きいなら、M点はおよそ中点にある。また、N点
は支持部の80%〜90%のところにある。M点を通る
音叉の対称軸上で斜線内で結合すれば、駆動側音叉とな
る略U字音叉形水晶ブランクの共振Q値の減少は少ない
が、検知側音叉となる略U字音叉形水晶ブランクへの振
動エネルギーの伝達が非常に悪い。
【0063】したがって、その曲線AMBからなる振動
節を含むある面積をもった結合子で結合すれば、有効な
振動の授受が可能となる。例えば、M点を中心とした矩
形PQRS(図8(b)参照)を接着面積とする柱状の
結合子で結合すればよい。その矩形PQRSの面積の大
きさは支持部の大きさと考え合わせ、設計上の事項であ
る。
【0064】図9および図10はピンポイント支持位置
(x)に対する機械的Q値の減少の度合いを示す一つの
実験例を示すものである。実験に使用した略U字音叉形
水晶ブランクのサンプルの寸法とカット軸を図9
(a),(b)に示す。図9(a),(b)において、
寸法z1 は95mm、z2 は25mm、z3 は70mm、z4
は5mm、z5 は15mmである。図9(a),(b)の略
U字音叉形水晶ブランクについて、Xモードの振動を起
こさせ、ピンポイント支持位置を、h線上、g線上、
h′線上、i線上をそれぞれ移動させて、機械的Q値の
減少の度合いを測定した。その実験結果を図10に示
す。図10の実験結果の縦軸は略U字音叉形水晶ブラン
クの底(x=0)は支持できないので、x=2mmのデー
タで基準化した。図10において、実線はg線上の特性
を示し、破線はh線上およびh′線上の特性を示し、一
点鎖線はi線上の特性を示している。この図より、略U
字音叉形水晶ブランクの振動腕および支持部の側面は表
裏面よりかなり下の方までピンポイント支持の影響が現
れていることがわかる。
【0065】また、h,h′上では、支持点をかなり振
動腕に近づけても機械的Q値に影響を与えないことがわ
かる。以上のように構成された角速度・加速度センサの
動作原理について、以下に説明する。図11(a)は、
本発明の角速度検出の原理を示す図である。図11
(a)において、YZ軸面に対して面対称な±X軸方向
に速度ベクトルvで2質点m,mが屈曲振動している状
態で、Y軸周りに角速度ベクトルωの回転が印加された
とすると、これらの質点m,mには2mω×vの外積で
表現されるコリオリの力Fが発生する。
【0066】このコリオリの力Fは、ベクトルω,vの
なす平面に右座標垂直方向であるから、この発生したコ
リオリの力Fを検出することにより、印加した角速度ベ
クトルωを直接検出できる。このコリオリの力Fの大き
さは、質点mの変位を d=AsinΩt とすると、速度|v|は、 |V|=dd/dt=AΩcosΩt であるから、その力|F|は、 |F|=2mAΩ|ω| として求められる。
【0067】ここで、角速度センサの出力信号、つまり
検知側音叉からの出力信号をAとすると、出力信号Aは
つぎのように表すことができる。 A=B×C×|F| ただし、Bは圧電材料常数、Cは形状サイズに関係する
常数である。したがって、入力角速度ωを与えると、検
知側音叉から得られる出力信号Aは、 A=2×B×C×m×v×|ω| で表されることになり、 2×B×C×m×v=D とおくと、 A=D×|ω| となり、検知側音叉から得られる出力信号Aは入力角速
度|ω|に比例することになり、出力信号Aの値から入
力角速度|ω|がわかることになる。
【0068】ここで、図11(b)は、本発明の要部で
ある水晶ブランク34の動作原理を示す図であり、同図
(a)の原理図に対応するものである。図11(b)に
おいて、Y軸を通りYZ対称面に振動腕35A,35B
がX軸方向に+v、−vの速度で共振屈曲振動をするも
のすると、水晶ブランク34のY軸が回転する方向に角
速度ωが加わったときに、それぞれの振動腕35A,3
5Bにコリオリの力Fが発生する。
【0069】図12(a)は、本発明の加速度検出の原
理を示す図である。図12(a)において、XY面に対
し面対称な±Z軸方向に加速度を加え、そのとき、質量
2mの角柱体が変位した速度をvとする。角柱体が変位
がY軸周りに角速度ベクトルωの捩じれ振動をしている
とすると、XY面に対し面対称な±Z軸方向に加速度を
加えると、これら角柱体には、2mω×vのベクトル外
積で表現されるコリオリの力Fが発生する。
【0070】このコリオリの力Fは、ベクトルω、vの
なす平面に右座標垂直方向であるから、この発生したコ
リオリの力のベクトルFを検出することにより、印加し
た加速度を直接検出することができるのである。後の信
号処理は上記角速度検出と同様である。以下に、本発明
の第1の実施例の角速度・加速度センサの動作について
説明する。
【0071】図13は、動作を説明するための角速度・
加速度センサをY′軸方向から見た状態の平面図であ
る。主として、以下のように動作する。駆動側音叉21
にX軸方向の駆動振動を持続させるように振動駆動手段
(図示せず)を用いて振動腕24,25の駆動用電極に
上記した通りに交流電圧を加えて振動腕24,25を屈
曲振動させると、コリオリの力による他のモードの振動
が生じる。検知側音叉26に結合子31を通じて伝播し
た振動成分により検知側音叉26がX軸方向に振動す
る。また、駆動側音叉21にY′軸周りに変位する互い
に逆相の捩じれ振動を持続させるように振動駆動手段
(図示せず)を用いて振動腕24,25の駆動用電極に
上記した通りに交流電圧を加えて振動腕24,25を捩
じれ振動させると、コリオリの力による他のモードの振
動が生じる。検知側音叉26に結合子31を通じて伝播
した振動成分により検知側音叉26がY′軸周りに変位
する互いに逆相の捩じれ振動をする。一方、検知側音叉
26のZモードの振動成分の電気的信号、すなわち、コ
リオリの力を検知側音叉26の振動腕29,30の表面
に設けた検知用電極から上記した通りに交流信号を信号
検知手段(図示せず)により取り出すことにより、駆動
側音叉21,検知側音叉26の回転角速度に対応した角
速度信号が得られる。また、検知側音叉26のX軸方向
の互いに逆相の屈曲振動の振動成分の電気的信号、すな
わち、コリオリの力を検知側音叉26の振動腕29,3
0の表面に設けた検知用電極から上記した通りに交流信
号を信号検知手段(図示せず)により取り出すことによ
り、駆動側音叉21,検知側音叉26の回転角速度に対
応した加速度信号が得られる。
【0072】なお、以下のような動作もする。駆動側音
叉21にX軸方向の駆動振動を持続させるように振動駆
動手段(図示せず)を用いて振動腕24,25の駆動用
電極に上記した通りに交流電圧を加えて振動腕24,2
5を屈曲振動させると、検知側音叉26に結合子31を
通じて伝播した振動成分により検知側音叉26がX軸方
向に振動する。また、駆動側音叉21にY′軸周りに変
位する互いに逆相の捩じれ振動を持続させるように振動
駆動手段(図示せず)を用いて振動腕24,25の駆動
用電極に上記した通りに交流電圧を加えて振動腕24,
25を捩じれ振動させると、検知側音叉26に結合子3
1を通じて伝播した振動成分により検知側音叉26が
Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動をする。
一方、検知側音叉26の振動方向に対して、直角方向の
Zモードの振動成分の電気的信号、すなわち、コリオリ
の力を検知側音叉26の振動腕29,30の表面に設け
た検知用電極から上記した通りに交流信号を信号検知手
段(図示せず)により取り出すことにより、駆動側音叉
21,検知側音叉26の回転角速度に対応した角速度信
号が得られる。また、検知側音叉26の振動方向に対し
て、直角方向のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の振動
成分の電気的信号、すなわち、コリオリの力を検知側音
叉26の振動腕29,30の表面に設けた検知用電極か
ら上記した通りに交流信号を信号検知手段(図示せず)
により取り出すことにより、駆動側音叉21,検知側音
叉26の回転角速度に対応した加速度信号が得られる。
【0073】この実施例の角速度・加速度センサによれ
ば、駆動側音叉21および検知側音叉26 としてそれ
ぞれ従来例のような貼り合わせタイプではない振動腕2
4,25;29,30と支持部25;28とがそれぞれ
一体となった略U字音叉形水晶ブランクを用いているの
で、広い温度範囲で温度特性に優れかつ各種ばらつきが
少なく高精度に角速度および加速度を検出することがで
きる。
【0074】また、駆動側音叉21の一方および他方の
振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共
振周波数と検知側音叉26の一方および他方の振動腕の
Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周
波数とがほぼ等しく、駆動側音叉21の一方および他方
の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振
動の共振周波数と検知側音叉26の一方および他方の振
動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
がほぼ等しく、かつ前記駆動側音叉21の一方および他
方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
の共振周波数と前記検知側音叉26の一方および他方の
振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共
振周波数とが異なり、前記駆動側音叉21の一方および
他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動の共振周波数と前記検知側音叉26の一方および
他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動の共振周波数とが異ならせているので、駆動側音
叉21を共振駆動した場合において、X軸方向に変位す
る互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角速度に基
づくコリオリの力によって駆動側音叉21の一方および
他方の振動腕24,25に発生するZ′軸方向の互いに
逆相の屈曲振動を効率良く抽出できるとともに、X軸方
向に変位する互いに逆相の屈曲振動の影響を小さくでき
る。この結果、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、Z′軸方向
の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に
検出できることになり、精度よくY′軸周りの回転角速
度を検出することが可能となる。また同様にして、駆動
側音叉21を共振駆動した場合において、Y′軸周りに
変位する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度
に基づくコリオリの力によって駆動側音叉21の一方お
よび他方の振動腕24,25に発生するX軸方向の互い
に逆相の屈曲振動を効率良く抽出できるとともに、Y′
軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の影響を小さ
くできる。この結果、Y′軸周りに変位する互いに逆相
の捩じれ振動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、
X軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧
を有効に検出できることになり、精度よくZ′軸方向の
加速度を検出することが可能となる。
【0075】また、検知用電極40a〜40d,41a
〜41dを振動腕29,30の2周面に跨がって形成し
ているので、検知側音叉26の電極面積を大きくでき、
内部抵抗を小さくでき、出力レベルをより大きくするこ
とができ、感度を高くできる。また、結合子31の両端
面を駆動側音叉21および検知側音叉26の支持部2
3,28に生成される振動節を部分的に含む表面に接着
しているので、駆動側音叉21のX軸方向に変位する互
いに逆相の屈曲振動、ならびに駆動側音叉21のY′軸
周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動を、駆動側音叉
21の機械的Q値を低下させることなく、最大の機械伝
達効率で検知側音叉26に伝達することができるととも
に、駆動側音叉21と検知側音叉26とを結合子31で
簡単に一体化することができ、製造が容易である。
【0076】ここで、上記実施例をもとに、従来例と比
較し、その特性効果について説明する。前記に説明の本
発明の実施例によると、略U字音叉形水晶振動子からな
る駆動側音叉21と検知側音叉26を平行に面対向する
ように結合子31で一体化することにより、機械的な共
振先鋭度(機械的Q値)が高く、角速度および加速度検
出感度が高く、熱膨張係数が小さく、駆動周波数が安定
し、その結果、前記に説明したセンサの信号処理におけ
る同期整流の位相ずれ変化が小さく、さらに駆動側の駆
動信号成分の一部が検知部へ不要信号成分として混入す
ることがなく、結果的には、ドリフト安定度は従来の1
/10と優れた特性を得ることができた。
【0077】図14は本発明の第2の実施例の角速度・
加速度センサの斜視図を示している。同図(a)は組み
立て状態の斜視図、同図(b)は分解状態の斜視図であ
る。この実施例の角速度・加速度センサは、図1の円柱
状の結合子に代えて、角柱状の結合子31Aを用いたも
ので、その他の構成は図1のものと同様である。この実
施例の効果は前記第1の実施例と同様である。
【0078】図15は本発明の第3の実施例の角速度・
加速度センサの斜視図を示している。同図(a)は組み
立て状態の斜視図、同図(b)は分解状態の斜視図であ
る。この実施例の角速度・加速度センサは、駆動側音叉
21および検知側音叉26の支持部23,28に振動節
を含むある面積の円形の貫通孔23a,28aを例えば
エッチングにより設け、結合子31を貫通孔23a,2
8aに貫挿した状態で接着したものである。その他の構
成は図1の実施例の同様である。
【0079】この実施例では、結合子31の両端を駆動
側音叉21および検知側音叉26の支持部23,28に
生成される振動節を部分的に含む貫通孔23a,28a
に貫挿した状態で接着しているので、駆動側音叉21の
X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を、駆動側音
叉21の機械的Q値を低下させることなく、最大の機械
伝達効率で検知側音叉26に伝達することができるとと
もに、駆動側音叉21と結合側音叉26とを結合子31
で強固に一体化で、耐振性に優れている。その他の効果
は第1の実施例と同様である。
【0080】図16は本発明の第4の実施例の角速度・
加速度センサの斜視図を示している。同図(a)は組み
立て状態の斜視図、同図(b)は分解状態の斜視図であ
る。この実施例の角速度・加速度センサは、駆動側音叉
21および検知側音叉26の支持部23,28に振動節
を含むある面積の方形の貫通孔23b,28bを例えば
えっチングにより設け、結合子31Aを貫通孔23b,
28bに貫挿した状態で接着したものである。その他の
構成は図11の実施例の同様である。
【0081】この実施例では、結合子31Aの両端を駆
動側音叉21および検知側音叉26の支持部23,28
に生成される振動節を部分的に含む貫通孔23b,28
bに貫挿した状態で接着しているので、駆動側音叉21
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を、駆動側
音叉21の機械的Q値を低下させることなく、最大の機
械伝達効率で検知側音叉26に伝達することができると
ともに、駆動側音叉21と結合側音叉26とを結合子3
1Aで強固に一体化で、耐振性に優れている。その他の
効果は第1の実施例と同様である。
【0082】なお、前記各実施例では、駆動側音叉の一
方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相
の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の一方および他方
の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振
動の共振周波数とがほぼ等しく、駆動側音叉の一方およ
び他方の振動腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩
じれ振動の共振周波数と検知側音叉の一方および他方の
振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数
とがほぼ等しく、かつ前記駆動側音叉の一方および他方
の振動腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方の振動腕
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波
数とが異なり、前記駆動側音叉の一方および他方の振動
腕のY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共
振周波数と前記検知側音叉の一方および他方の振動腕の
Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周
波数とが異なるように、駆動側音叉の振動腕と検知側音
叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定していたが、これ
に代えて、駆動側音叉の一方および他方の振動腕のX軸
方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周
波数と検知側音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向
の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とY′軸周りに変
位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数とが互いに
隔離して異なるように、駆動側音叉の振動腕と検知側音
叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定してもよい。
【0083】このように構成すると、駆動側音叉を共振
駆動した場合において、検知側音叉26では、X軸方向
に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角
速度に基づくコリオリの力によって検知側音叉26の一
方および他方の振動腕28,29に発生するZ′軸方向
の互いに逆相の屈曲振動に対して、X軸方向に変位する
互いに逆相の屈曲振動を極端に大きくならないようにで
きる。この結果、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲
振動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、Z′軸方
向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効
に検出できることになり、精度よくY′軸周りの回転角
速度を検出することが可能となる。
【0084】また、検知側音叉26では、Y′軸周りに
変位する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度
に基づくコリオリの力によって検知側音叉26の一方お
よび他方の振動腕28,29に発生するX軸方向の互い
に逆相の屈曲振動に対して、Y′軸周りに変位する互い
に逆相の捩じれ振動が極端に大きくならないようにでき
る。この結果、Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じ
れ振動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、X軸方
向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効
に検出できることになり、精度よくZ′軸方向の加速度
を検出することが可能となる。
【0085】その他の点については、前記各実施例と同
様である。なお、駆動側音叉および検知側音叉の支持部
における振動節ではなく、支持部の例えば下底部同士を
結合子を介して結合しても、駆動側音叉から検知側音叉
へ振動を有効に伝達することができ、このような構成も
実施例として含まれる。つまり、音叉振動の機械的振動
先鋭度が低下せずに、振動エネルギーの一部を伝達させ
る部位なら支持部のどこを結合してもよい。また、結合
は1箇所で行っているが、2個以上の結合子を用いるこ
とにより、2箇所以上で行ってもよいのは当然である。
【0086】また、駆動側音叉21,検知側音叉26の
電極構造は、上記各実施例に示したものに限らず、種々
変更可能であり、要は屈曲振動とコリオリの信号成分を
検出することができればよいものである。なお、上記実
施例では、結晶軸X,Y,ZのX軸周りに2〜3度程度
回転した新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長
手方向にしてX,Y′面内で切り出した水晶ブランクを
使用したが、結晶軸X,Y,ZのY軸方向を長手方向に
して切り出した水晶ブランクを使用することもできる。
したがって、特許請求の範囲における「結晶軸X,Y,
ZのX軸周りに回転した新たな結晶軸X,Y′,Z′」
の表現には、回転角度が0度の場合、つまり、結晶軸
X,Y,Zと結晶軸X,Y′,Z′とが重なっている場
合も含まれる。また、上記の結晶軸の回転角度2〜3度
以外の角度でもよい。つまり、駆動側音叉21,検知側
音叉26の切り出し方向は、図2に示したものに限ら
ず、結晶軸X,Y,ZのY軸方向を長手方向にしてX,
Y面内でそれぞれ切り出しても、所期の効果は達成でき
る。ただ、図1および図2の実施例に比べると、切り出
し方向の違いから多少効果は落ちるが、特に問題はな
い。また、長手方向とする軸は、Y,Y′にかぎらず、
X,X′軸、Z,Z′軸でも、所期の効果は得られる。
【0087】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、不要信号成分が低減され、広い温度範囲でかつ、急
激な温度変化に対し、特性変化のきわめて少ない安定し
た角速度・加速度センサを得ることができる。また、駆
動側音叉と検知側音叉を、支持部に発生する振動節を部
分的に含むある面積をもったブロック結合子を介して固
着すれば、、音叉振動の機械的Q値と駆動側音叉から検
知側音叉への機械的伝達効率を最も向上させることがで
きる。
【0088】したがって、両音叉を結合する際の機械的
伝達ロスが飛躍的に改善でき、コリオリ力による角速度
検出の感度を向上させることができる。そして、構成が
簡単な構造であるため、低コスト化を図ることができ、
工業的価値が大である。以下、各請求項毎の効果につい
て説明する。請求項1記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉および検知側音叉としてそれぞれ従来
例のような貼り合わせタイプではない振動腕と支持部と
が一体となった略U字音叉形水晶ブランクを用いている
ので、広い温度範囲で温度特性に優れかつ各種ばらつき
が少なく高精度に角速度および加速度を検出することが
できる。
【0089】請求項2記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉を共振駆動した場合において、X軸方
向に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転
角速度に基づくコリオリの力によって駆動側音叉の一方
および他方の振動腕に発生するZ′軸方向の互いに逆相
の屈曲振動を効率良く抽出できるとともに、X軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動の影響を小さくできる。
この結果、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動に
より生じる交流電圧の影響を抑えつつ、Z′軸方向の互
いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に検出
できることになり、精度よくY′軸周りの回転角速度を
検出することが可能となる。
【0090】また、Y′軸周りに変位する互いに逆相の
捩じれ振動とZ′軸方向の加速度に基づくコリオリの力
によって駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発生す
るX軸方向の互いに逆相の屈曲振動を効率良く抽出でき
るとともに、Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ
振動の影響を小さくできる。この結果、Y′軸周りに変
位する互いに逆相の捩じれ振動により生じる交流電圧の
影響を抑えつつ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動によ
り生じる交流電圧を有効に検出できることになり、精度
よくZ′軸方向の加速度を検出することが可能となる。
【0091】請求項3記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉を共振駆動した場合において、検知側
音叉では、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と
Y′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって
駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発生するZ′軸
方向の互いに逆相の屈曲振動に対して、X軸方向に変位
する互いに逆相の屈曲振動の影響がないようにできる。
この結果、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動に
より生じる交流電圧の影響を抑えつつ、Z′軸方向の互
いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に検出
できることになり、精度よくY′軸周りの回転角速度を
検出することが可能となる。
【0092】また、検知側音叉では、Y′軸周りに変位
する互いに逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度に基
づくコリオリの力によって駆動側音叉の一方および他方
の振動腕に発生するX軸方向の互いに逆相の屈曲振動に
対して、Y′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動
の影響がないようにできる。この結果、Y′軸周りに変
位する互いに逆相の捩じれ振動により生じる交流電圧の
影響を抑えつつ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動によ
り生じる交流電圧を有効に検出できることになり、精度
よくZ′軸方向の加速度を検出することが可能となる。
【0093】請求項4記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉および検知側音叉の製造が容易であ
る。請求項5記載の角速度・加速度センサによれば、駆
動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動、
ならびに駆動側音叉の一方および他方の振動腕のY′軸
周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動を、駆動側音叉
の機械的Q値を低下させることなく、最大の機械伝達効
率で検知側音叉に伝達することができるとともに、駆動
側音叉と結合側音叉とを結合子で簡単に一体化すること
ができ、製造が容易である。
【0094】請求項6記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動、ならびに駆動側音叉の一方および他方の振動腕
のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動を、駆動側音叉の機
械的Q値を低下させることなく、最大の機械伝達効率で
検知側音叉に伝達することができるとともに、駆動側音
叉と結合側音叉とを結合子で強固に一体化で、耐振性に
優れている。請求項7記載の角速度・加速度センサによ
れば、駆動側音叉および検知側音叉としてそれぞれ従来
例のような貼り合わせタイプではない振動腕と支持部と
が一体となった略U字音叉形水晶ブランクを用いている
ので、請求項1の場合と程度の差はあるが、広い温度範
囲で温度特性に優れかつ各種ばらつきが少なく高精度に
角速度および加速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の角速度・加速度センサ
の斜視図である。
【図2】略U字音叉形水晶ブランクの切り出し方向を示
す概略図である。
【図3】駆動側音叉に設けた駆動用電極の様子を示す概
略図である。
【図4】駆動側音叉に設けた駆動用電極の様子を示す概
略図である。
【図5】検知側音叉に設けた検知用電極の様子を示す概
略図である。
【図6】検知側音叉に設けた検知用電極の様子を示す概
略図である。
【図7】略U字音叉形水晶ブランクのピンポイント支持
位置を示す概略図である。
【図8】振動節を説明するための略U字音叉形水晶ブラ
ンクの概略図である。
【図9】略U字音叉形水晶ブランクのサンプルの寸法と
カット軸を示す概略図である。
【図10】本発明の角速度・加速度センサのピンポイン
ト支持位置の違いによる機械的Q値の違いを示す特性図
である。
【図11】本発明の第1の実施例の角速度・加速度セン
サにおいて角速度検出の原理を示す概略図である。
【図12】本発明の第1の実施例の角速度・加速度セン
サにおいて加速度検出の原理を示す概略図である。
【図13】本発明の第1の実施例の角速度・加速度セン
サにおいて角速度・加速度検出の動作を示す概略図であ
る。
【図14】本発明の第2の実施例の角速度・加速度セン
サを示す斜視図である。
【図15】本発明の第3の実施例の角速度・加速度セン
サを示す斜視図である。
【図16】本発明の第4の実施例の角速度・加速度セン
サを示す斜視図である。
【図17】従来の角速度センサの一例を示す斜視図であ
る。
【図18】従来の加速度センサの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
21 駆動側音叉 22 電極 23 支持部 24 一方の振動腕 25 他方の振動腕 26 検知側音叉 27 電極 28 支持部 29 一方の振動腕 30 他方の振動腕 31 結合子 32 振動節を含む接合部 33 振動節を含む接合部 36a〜36d 駆動用電極 37a〜37d 駆動用電極 38,39 共通線路 40a〜40d 検知用電極 41a〜41d 検知用電極 42,43 共通線路 31A 結合子 23a,28a 貫通孔 23b,28b 貫通孔 50a〜50d 検知用電極 51a〜51d 検知用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市瀬 俊彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 寺田 二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 大友 惇 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波 工業株式会社 狭山事業所内 (72)発明者 太田 治良 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波 工業株式会社 狭山事業所内 (72)発明者 太田 紘一郎 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波 工業株式会社 狭山事業所内 (72)発明者 石原 実 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波 工業株式会社 狭山事業所内 (56)参考文献 特開 平7−260489(JP,A) 特開 平7−260490(JP,A) 特開 平7−260488(JP,A) 特開 平4−324311(JP,A) 特開 昭60−73414(JP,A) 特開 平3−291517(JP,A) 特開 平3−113310(JP,A) 特開 昭64−16911(JP,A) 特開 平4−361165(JP,A) 特開 昭54−148392(JP,A) 特開 昭56−136014(JP,A) 特開 平1−236808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 3/00 G01P 9/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶軸X,Y,ZのX軸周りに回転した
    新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方向に
    してX,Y′面内でそれぞれ切り出し、方形断面の一方
    および他方の対称な振動腕を支持部で平行一体に連結し
    た形状をそれぞれ有する略U字音叉形水晶ブランクの前
    記一方および他方の振動腕の周面に電極をそれぞれ配設
    してなる第1および第2の音叉形水晶振動子を、互いに
    平行に面対向した状態に結合子を介し前記支持部におい
    て固着した角速度・加速度センサであって、 前記第1の音叉形水晶振動子を、電極を介して交流電圧
    を印加することにより、一方および他方の振動腕のX軸
    方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を発生させるとと
    もに、一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する
    互いに逆相の捩じれ振動を発生させる駆動側音叉とし、 前記第2の音叉形水晶振動子を、前記結合子を経由して
    前記第1の音叉形水晶振動子から伝播したX軸方向に変
    位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角速度
    に基づくコリオリの力によって発生する一方および他方
    の振動腕のZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生
    じる交流電圧を電極を介して検出するとともに、前記結
    合子を経由して前記第1の音叉形水晶振動子から伝播し
    た一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互い
    に逆相の捩じれ振動とZ′軸方向の加速度とに基づくコ
    リオリの力によって発生する一方および他方の振動腕の
    X軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧
    を電極を介して検出する角速度・加速度検出用の検知側
    音叉としたことを特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 駆動側音叉の一方および他方の振動腕の
    X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数
    と検知側音叉の一方および他方の振動腕のY′軸周りに
    変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数とがほぼ
    等しく、駆動側音叉の一方および他方の振動腕のY′軸
    周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数と
    検知側音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向の互い
    に逆相の屈曲振動の共振周波数とがほぼ等しく、かつ前
    記駆動側音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向に変
    位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と前記検知側
    音叉の一方および他方の振動腕のX軸方向に変位する互
    いに逆相の屈曲振動の共振周波数とが異なり、前記駆動
    側音叉の一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位す
    る互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数と前記検知側音
    叉の一方および他方の振動腕のY′軸周りに変位する互
    いに逆相の捩じれ振動の共振周波数とが異なるように、
    前記駆動側音叉の振動腕と前記検知側音叉の振動腕とを
    異なる形状寸法に設定したことを特徴とする請求項1記
    載の角速度・加速度センサ。
  3. 【請求項3】 駆動側音叉の一方および他方の振動腕の
    X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数
    とY′軸周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振
    周波数と検知側音叉の一方および他方の振動腕のX軸方
    向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とY′軸周りに
    変位する互いに逆相の捩じれ振動の共振周波数とが互い
    に隔離して異なるように、前記駆動側音叉の振動腕と前
    記検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定したこ
    とを特徴とする請求項1記載の角速度・加速度センサ。
  4. 【請求項4】 駆動側音叉の一方および他方の振動腕の
    周面に配設する電極は前記一方および他方の振動腕の基
    部と先端部で分割され、 駆動側音叉の前記一方および他方の振動腕の基部の電極
    は、Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕の表
    裏および両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分で周方
    向に4分割された状態にそれぞれ設けてあり、前記一方
    の振動腕の表裏面電極と前記他方の振動腕の両側面電極
    とを共通接続し、前記他方の振動腕の表裏面電極と前記
    一方の振動腕の両側面電極とを共通接続し、 駆動側音叉の前記一方および他方の振動腕の先端部の電
    極は、Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕の
    表裏面にそれぞれ周方向に3分割された状態でそれぞれ
    設けてあり、前記一方および他方の振動腕の表裏面の3
    分割されて外側にある電極を外電極とし中側にある電極
    を中側電極とし内側にある電極を内電極としたとき、一
    方の振動腕の表面内電極と表面外電極と裏面中側電極と
    他方の振動腕の裏面内電極と裏面外電極と表面中側電極
    とを共通接続し、かつ他方の振動腕の表面内電極と表面
    外電極と裏面中側電極と一方の振動腕の裏面内電極と裏
    面外電極と表面中側電極とを共通接続し、 かつ検知側音叉の一方および他方の振動腕の周面に配設
    する電極は、前記一方および他方の振動腕の基部と先端
    部で分割され、 検知側音叉の前記一方および他方の振動腕の基部の電極
    は、Z′軸方向に見て前記一方および他方の振動腕の表
    裏および両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分で周方
    向に4分割された状態にそれぞれ設けてあり、前記一方
    の振動腕の表裏面電極と前記他方の振動腕の両側面電極
    とを共通接続し、前記他方の振動腕の表裏面電極と前記
    一方の振動腕の両側面電極とを共通接続し、 検知側音叉の前記一方および他方の振動腕の先端部の電
    極は、Z′軸方向に見て一方および他方の振動腕の4周
    面にそれぞれ表裏面および両側面の略中央を通る線で周
    方向に4分割されて隣接する2周面に跨がる状態でそれ
    ぞれ設けてあり、一方および他方の振動腕をそれぞれ
    Y′軸方向に見て4個の電極のうち左上がり対角線上に
    ある2個の電極をそれぞれ左対角電極とするとともに右
    上がり対角線上にある2個の電極をそれぞれ右対角電極
    としたときに、一方の振動腕の2個の右対角電極と他方
    の振動腕の2個の左対角電極とを共通接続し、一方の振
    動腕の2個の左対角電極と他方の振動腕の2個の右対角
    電極とを共通接続したことを特徴とする請求項1記載の
    角速度・加速度センサ。
  5. 【請求項5】 結合子は、両端面がある面積を有する柱
    状であって、両端面が駆動側音叉および検知側音叉の支
    持部に生成される振動節を部分的に含む表面に接着され
    ていることを特徴とする請求項1記載の角速度・加速度
    センサ。
  6. 【請求項6】 駆動側音叉および検知側音叉は、支持部
    に生成される振動節を部分的に含むある面積をもった貫
    通孔をそれぞれ有し、結合子は、柱状であって、両端部
    が前記貫通孔に貫挿した状態に前記駆動側音叉および検
    知側音叉の支持部に接着されていることを特徴とする請
    求項1記載の角速度・加速度センサ。
  7. 【請求項7】 方形断面の一方および他方の対称な振動
    腕を支持部で平行一体に連結した形状をそれぞれ有する
    略U字音叉形水晶ブランクの前記一方および他方の振動
    腕の周面に電極をそれぞれ配設してなる第1および第2
    の音叉形水晶振動子を、互いに平行に面対向した状態に
    結合子を介し前記支持部において固着した角速度・加速
    度センサであって、 前記第1の音叉形水晶振動子を、電極を介して交流電圧
    を印加することにより、前記一方および他方の振動腕の
    並び方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を発生させる
    とともに、一方および他方の振動腕の長手方向の周りに
    変位する互いに逆相の捩じれ振動を発生させる駆動側音
    叉とし、 前記第2の音叉形水晶振動子を、前記結合子を経由して
    前記第1の音叉形水晶振動子から伝播した前記一方およ
    び他方の振動腕の並び方向に変位する互いに逆相の屈曲
    振動と前記一方および他方の振動腕の長手方向の周りの
    回転角速度に基づくコリオリの力によって発生する一方
    および他方の振動腕の並び方向と直交する方向の互いに
    逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を電極を介して検
    出するとともに、前記結合子を経由して前記第1の音叉
    形水晶振動子から伝播した一方および他方の振動腕の長
    手方向の周りに変位する互いに逆相の捩じれ振動と前記
    一方および他方の振動腕の並び方向と直交する方向の加
    速度とに基づくコリオリの力によって発生する一方およ
    び他方の振動腕の並び方向の互いに逆相の屈曲振動によ
    り生じる交流電圧を電極を介して検出する角速度・加速
    度検出用の検知側音叉としたことを特徴とする角速度・
    加速度センサ。
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