JP3244739B2 - 自動二輪車用後輪懸架装置のダンパ配置構造 - Google Patents

自動二輪車用後輪懸架装置のダンパ配置構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車用後輪懸架
装置に関し、詳細には、ダンパとして回転式のものを採
用した場合の、該ダンパの配置構造の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動二輪車用後輪懸架装置で
は、リヤアームと車体フレームとの間にコイルばねと伸
縮式筒型ダンパとからなる緩衝器を介設した構造が採用
されている。そして最近では、上記緩衝器を1本とし、
これをリヤアームのピボット部近傍部分と車体フレーム
の燃料タンク下方部分,あるいはシート下方部分との間
に、直接又はリンク機構を介して配設するのが一般的と
なっている(例えば特開昭59−120585参照)。
【0003】しかしながら上記従来装置では、車両中央
に位置する部品配置スペースを上記緩衝器が占領するこ
ととなり、そのためエアクリーナ,バッテリ等の他の車
載部品の配置スペースの確保が困難となり、また吸気系
を直線状に構成できない等、部品配置上のスペース効率
が悪いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、現在、本発明者
等は、上記コイルばねの代わりに板ばねを採用するとと
もに、伸縮式ダンパの代わりに回転式ダンパを採用する
ことを検討中である。この板ばねと回転式ダンパとから
なる懸架装置を採用した場合、上記スペース効率の改善
が期待できるものの、上記回転式ダンパ自体の構造,及
びその配置構造の如何によっては、リヤアームの形状に
制約が生じ、特に左,右のアーム本体を接続するクロス
メンバの断面積を十分に確保できず、リヤアームの剛性
が低下するという問題が懸念される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、路面から後輪
に加わるショックを緩和する緩衝ばね,及び後輪の不規
則な上下振動を抑制するダンパを備え、リヤアームと車
体固定部との間に介設された自動二輪車の後輪懸架装置
の上記ダンパ配置構造において、上記リヤアームを、
左,右一対のアーム本体の前端部にピボット部を形成
し、該アーム本体のピボット部より後方部分をクロスメ
ンバで接続固定してなるものとし、上記緩衝ばねを帯板
状の板ばねとしてエンジン下方に配置し、上記ダンパ
を、車両側方から見て略扇形をなす箱状のダンパケース
と、該ダンパケースの扇の要部分を貫通するように配置
された回転軸と、該回転軸に一端が固定され扇形の外周
側に延び、上記ダンパケース内に収容配置されて該ダン
パケース内を略扇形の2室に画成する板状の翼形ピスト
ンとを備えた回転式ダンパとし、該ダンパを、上記回転
軸を車幅方向に向け、上記ダンパケースの扇の要部分の
少なくとも一部を該自動二輪車が静止状態にあるときに
車両側方から見て上記リヤアームの左,右アーム本体,
クロスメンバ,及びピボット部で囲まれた空間内に位置
させ、かつ縦長となるよう配置し、上記回転軸を上記リ
ヤアームに連結する一方、上記ダンパケースを車体フレ
ーム又はエンジンに固定したことを特徴としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、路面から後輪
に加わるショックを緩和する緩衝ばね,及び後輪の不規
則な上下振動を抑制するダンパを備え、リヤアームと車
体固定部との間に介設された自動二輪車用後輪懸架装置
の上記ダンパの配置構造において、上記緩衝ばねを帯板
状の板ばねとしてエンジン下方に配置し、上記ダンパ
を、大略箱状で一端に回転軸が挿通されたダンパケース
と、上記回転軸に一端が固定され、上記ダンパケース内
に収容配置されて該ケース内を2室に画成する板状の翼
形ピストンとからなる回転式ダンパとし、該ダンパを、
上記回転軸が車幅方向を向き、かつ上記ダンパケースが
縦長となるよう配置し、上記回転軸を上記リヤアームに
連結する一方、上記ダンパケースを車体フレーム又はエ
ンジンに固定したことを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明に係る後輪懸架装置のダンパ配置構造に
よれば、ダンパケースを側面視扇形とし、扇の要部分の
少なくとも一部を静止時に車両側方から見てリヤアーム
の左,右アーム本体,クロスメンバ及びピボット軸で囲
まれた空間内に位置させ、かつ縦長となるよう該ダンパ
を配置したので、扇の要部分という車両前後方向寸法が
最も小さい部分をリヤアームのクロスメンバとピボット
軸との間に配置したこととなり、その結果クロスメンバ
の配置スペースを十分に確保でき、該クロスメンバを大
型にでき、リヤアームの剛性確保上有利である。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1ないし図4は本発明の第1実施例による自動二
輪車用後輪懸架装置のダンパ配置構造を説明するための
図であり、図1は側面図、図2は平面図、図3は図1の
III-III 線断面図、図4は該装置を備えた自動二輪車の
左側面図である。
【0009】図において、1は該実施例懸架装置が採用
された自動二輪車である。該自動二輪車1の車体フレー
ム2は、いわゆるセミダブルクレードル型のものであ
り、以下の構造を有している。ヘッドパイプ3にタンク
レール4の前半部4aの前端を接続し、該タンクレール
4の左,右に分岐された後半部4bの各後端にリヤアー
ムブラケット5,5を接続する。また上記各リヤアーム
ブラケット5,5の下端にダウンチューブ6の左,右分
岐部6aの後端を接続するとともに該ダウンチューブ6
の1本の角パイプからなる前半部6bを上記ヘッドパイ
プ3に接続する。さらに上記タンクレール4の分岐点付
近と上記ダウンチューブ6の前半部6bとを1本の丸パ
イプからなる補強用テンションパイプ7で接続する。上
記タンクレール4は、2本の角パイプの前半部4a同士
を車幅方向に重ねて溶接結合し、後半部4bを左,右に
分離させた構造のものである。上記左,右のリヤアーム
ブラケット5,5はアッパクロスパイプ5b,ロアクロ
スパイプ5cで接続されている。なお、8はシートレー
ル、9はシートレール8の後端部を支持するバックステ
ーである。
【0010】上記車体フレーム2のタンクレール4上に
は燃料タンク10が、シートレール8上にはシート11
が、またタンクレール4,リヤアームブラケット5,ダ
ウンチューブ6で構成されるクレードル内にはエンジン
12がそれぞれ搭載されている。
【0011】上記エンジン12は、水冷式2サイクル単
気筒型のものであり、変速機ケースと一体化されたクラ
ンクケース13の前部にシリンダブロック14,及びシ
リンダヘッド15を前傾状態に積層締結した構造となっ
ている。このエンジン12は、上記クランクケース13
の前部,底部ボス部13a,13bをダウンチューブ6
の左,右分岐部6aの立ち上がり部にボルト締め固定さ
れた支持ブラケット61,及び底部に溶接固着されたブ
ラケット6cにボルト締め固定し、クランクケース13
の後部ボス部13cを後述のピボット軸27で支持し、
さらにシリンダヘッド15の懸架ボス部15aを懸架ブ
ラケット15bを介して上記タンクレール4にボルト締
め固定することにより車体フレーム2に搭載されてい
る。
【0012】上記リヤアームブラケット5によってリヤ
アーム21が上下に揺動自在に枢支されている。このリ
ヤアーム21は、左,右一対の角筒状のアーム本体22
a,22bの前端部にピボット部23を形成し、該アー
ム本体22a,22bのピボット部23より後方部分同
士を角筒状のクロスメンバ24で接続固定してなるもの
であり、左,右のアーム本体22a,22bの後端部間
に挿通固定された車軸25で後輪26が軸支されてい
る。上記ピボット部23はこれに挿通されたピボット軸
27によって軸受を介して軸支されており、該ピボット
軸27は上記左,右のリヤアームブラケット5にナット
27aで締め付け固定されている。なお、上述のクラン
クケース13の後部ボス部13cは上記左,右のピボッ
ト部23,23間に位置している。
【0013】そして上記リヤアーム21の前部からエン
ジン12の下方にかけて後輪懸架装置29が配設されて
いる。この後輪懸架装置29は、上記リヤアーム21と
リヤアームブラケット5との間に配設され、後輪26の
不規則な上下動を抑制する回転式ダンパ30と、上記リ
ヤアーム21と上記車体フレーム2のダンウンチューブ
6との間に配置され、路面から後輪26に加わるショッ
クを緩和する板ばね31と、該板ばね31,及び上記ダ
ンパ30を上記リヤアーム21に連結するリンク機構5
6とで構成されている。
【0014】上記板ばね31は、クランクケース13の
下方にて車両前後方向に延びる帯板状の樹脂製のもので
あり、中央部から前,後端部に向かって徐々に薄くなっ
ている。
【0015】上記板ばね31の前端部31bは前部ばね
ブラケット47の支持部47aに支持プレート48a及
び固定ボルト48bで固定されており、該前部ばねブラ
ケット47は初期荷重調整機構57を介して上記ブラケ
ット61で支持されている。また板ばね31の後端部3
1aは上記リンク機構56を介してリヤアーム21で支
持されている。
【0016】また上記板ばね31の長手方向略中央の上
側には、リヤアーム21の上下動に伴って該板ばね31
を変形させる前部,後部ピロー62,63がその前後方
向位置を調整可能に配設されている。上記前部ピロー6
2は、多数の取付ねじ孔62cが前後方向に列をなすよ
うに形成された左,右一対の側板62a同士をベース板
62bで接続するとともに該ベース板62bの下面に比
較的硬質のゴム,発砲ウレタン等の弾性体からなるブロ
ック62dを貼着したものであり、上記側板62aがダ
ウンチューブ6の左,右の分岐部6aにボルト62eで
締め付け固定されている。また上記後部ピロー63は、
ベース板63aの下面に上記弾性体からなるブロック6
3bを貼着してなるものであり、上記ベース板63aが
上記分岐部6a,ロアクロスパイプ5cにかけて溶接固
定された底板63dにボルト63cで締め付け固定され
ている。
【0017】上記リンク機構56は、上記板ばね31の
後端部31aに連結された左,右一対のばねリンク3
9,39と、後述するダンパのピストンを回動させる
左,右一対のダンパアーム37,37と、該ダンパアー
ム37,及び上記ばねリンク39を上記リヤアーム21
とを連結する左,右一対の中間リンク38とで構成され
ている。
【0018】上記左,右の中間リンク38は側面視略三
角形状の板状体であり、その第1,第2連結孔38a,
38bに挿通された第1,第2連結ボルト38c,38
d,及びナット38eによって一体的に結合されてい
る。なお、38f,38gは両中間リンク38,38間
寸法を規制する第1,第2連結カラーである。
【0019】上記第1連結カラー38fには上記クロス
メンバ24の下面に固着された支持ブラケット24aが
軸受24bを介して連結されており、これにより上記中
間リンク38はリヤアーム21で上下揺動自在に支持さ
れている。
【0020】また上記第2連結カラー38gには上記
左,右一対のダンパアーム37の下端37aが軸受を介
して回動自在に連結されている。なお、37b,37c
は上記左,右のダンパアーム37同士を締結一体化する
ボルト,ナットである。
【0021】また上記各中間リンク38の外側面には連
結ピン38hが突設されており、該各ピン38hに上記
左,右のばねリンク39の上端39aが軸受を介して連
結されている。この左,右のばねリンク39の下端39
bには後部ばねブラケット43の左,右支持ピン43a
が軸受を介して挿入されており、該後部ばねブラケット
43の支持部43bに上記板ばね31の後端部31aが
ボルト締め固定されている。これにより上記板ばね31
の後端部31aはばねリンク39及び中間リンク38を
介してリヤアーム21で支持されている。
【0022】上記回転式ダンパ30は、ケース本体32
aと蓋体32bとからなる側面視略扇形の箱体であるダ
ンパケース32内に、該ケース内を2室に画成する略板
状の翼形ピストン33を収容配置し、該ピストン33の
下端部33aに回転軸34を挿入するとともにスプライ
ン嵌合させ、かつ該回転軸34を上記ダンパケース32
で回転自在に軸支した構造のものである。なお、32f
は弾性体製のバンプストッパ54を支持する支持ブラケ
ット、24cはストッパ部材である。
【0023】そして上記ダンパ30は、上記回転軸34
を上記ピボット軸27の後側にて車幅方向に向け、上記
ダンパケース32を上記回転軸34を下端にして上方に
起立させて、つまり縦長にして配置されている。そして
上記ダンパケース32に一体形成された上,下ボス部3
2d,32eが固定ボルト35a,35bで支持ブラケ
ット36a,36bに固定されている。この支持ブラケ
ット36a,36bはそれぞれ上記アッパクロスパイプ
5b,ロアクロスパイプ5cに溶接固定されている。
【0024】また上記回転軸34のダンパケース32か
ら外方に突出した両端部には上記ダンパアーム37の上
端37dがスプライン嵌合し、ナット締め固定されてい
る。なお図示していないが、上記蓋体32bには、上記
ピストン弁33で画成された両室を連通させるオイル通
路が形成されており、該通路内に絞り機構が配設されて
いる。上記ピストン弁33を回転軸34回りに回動させ
ると、作動油がダンパケース32の一方の室から上記絞
り機構を通って他方の室に移動し、これにより減衰力が
発生する。
【0025】次に本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例装置では、後輪26が例えば路面の凸部に
乗り上げるとその衝撃力によってリヤアーム21が上昇
し、これに伴って板ばね31の後端部31aが中間リン
ク38,ばねリンク39を介して引き上げられ、該板ば
ね31が前部ピロー62を支点として折れ曲がり、この
際のばね力によって上記衝撃力が緩和される。そしてリ
ヤアーム21がさらに上昇すると板ばね31は後部ピロ
ー63にも当接し、該部分を支点としても折れ曲がり、
衝撃力が緩和される。なお、リヤアーム21の上昇位置
はバンプストッパ54で規制される。
【0026】また上記リヤアーム21の上昇,下降に伴
ってダンパアーム37が中間リンク38を介して上下に
揺動され、これによりピストン33が回転軸34回りに
前後方向に回動し、一方の室内の作動油が上記絞り機構
を通過して他方の室に流入することにより減衰力が発生
し、後輪26の不規則な上下振動が抑制される。
【0027】このような動作を行う後輪懸架装置29に
おいて、ダンパケース32を回転軸34を中心とする扇
形状のものとし、該回転軸34を下端に位置させて上向
きに起立配置したので、該ダンパケース32のクロスメ
ンバ24方向に必要な配置スペースが小さくて済む。従
って上記クロスメンバ24の断面積を十分に確保でき、
リヤアーム21の剛性を十分に確保できる。
【0028】またダンパ30の取付に当たって、比較的
軽量のピストン33をリヤアーム21に連結するととも
に、比較的大重量のダンパケース32をリヤアームブラ
ケット5で固定支持したので、リヤアーム21と共に揺
動する部分の重量、つまりばね下重量を軽減できる。
【0029】また上述のコイルばね,筒形ダンパを採用
した場合に比較して、エンジンの吸気経路上の障害物が
少なくなり、該経路を直線化でき、吸気抵抗を軽減で
き、またダンパ単体の着脱作業が容易である。
【0030】上記第1実施例では、ダンパ30を上向き
に配置したが、該ダンパの向きは上向きに限定されるも
のではない。図5はダンパを下向きに配置した第2実施
例を示す図であり、図中、図1〜図4と同一符号は同一
又は相当部分を示す。
【0031】回転式ダンパ30は、回転軸34を上端に
位置させてここから下向きに配置されており、その上
部,下部ボス部32d,32eが支持ブラケット36の
上片36a,下片36bにボルト35a,35bで固定
されており、この支持ブラケット36はエンジン懸架用
パイプ5d及びロアクロスパイプ5cに溶接固定されて
いる。また本実施例では、バンプストッパ54はダンパ
ケース32の下面に、一体形成された支持ブラケット3
2fで支持されている。なお、板ばね31の側面及び上
面には断熱皮膜46が形成されている。これは側方を通
る排気管18a,18bからの熱を遮断するためのもの
である。
【0032】また本第2実施例では、上記ダンパ30の
ピストン33を駆動するダンパアーム37は右側に1本
だけ配設されており、またこのダンパアーム37はばね
アーム39の上端部と共に中間リンク38に連結ボルト
40aで連結されている。また中間リンク38は支持ブ
ラケット24aに連結ボルト41bで連結されている。
【0033】またばねアーム39の下端部は後部ばねブ
ラケット43にゴムブッシュ43aを介して連結されて
おり、該ばねブラケット43の支持部43bには板ばね
31の後端部31aが押圧プレート43c,固定ボルト
45で固定されている。この板ばね31の前端部31b
は、前部ばねブラケット47の支持部47bに支持プレ
ート48a,固定ボルト48bで固定されており、該前
部ばねブラケット47の連結部47aは支持ピン49a
で上記クランクケース13の支持ボス部13cに枢支さ
れている。
【0034】また上記板ばね31の中央部上側には初期
荷重を調整可能の調整プレート50が配置されている。
該プレート50は円弧状の押圧面にゴムシート51を貼
着してなる板状体であり、該プレート50のボス部50
aが支持ピン52を介してオイルパン28に形成された
支持ボス部28aで軸支されている。また上記調整プレ
ート50には調整ボルト53が螺挿されており、該ボル
トの頭部は上記オイルパン28に形成された調整座面2
8bに当接している。なお、53aはロックナットであ
る。
【0035】本第2実施例では、ダンパ30の配置に当
たって、ダンパケース32の頭部をピボット部23とク
ロスパイプ24との間に位置させるとともに該ダンパケ
ース32を下向きに配設したので、リヤアーム21の上
下揺動によるクロスパイプ24と該ダンパケース23と
の干渉を回避でき、従ってクロスメンバ24の断面積を
大きく設定でき、それだけリヤアーム21の剛性を向上
できる。
【0036】また本第2実施例では、比較的重量の大き
いダンパ30を下向きに配置したので、それだけ重心を
低下させることができる。さらにまた、回転軸34をピ
ボット軸27から後輪26側にオフセットさせたので、
リヤアーム21の揺動角度θ1よりダンパアーム37の
揺動角度θ2ひいては翼形ピストン33の回動角度が大
きくなり、ダンパ特性を設定する場合の自由度を拡大で
きる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明に係る自動二輪車用
後輪懸架装置のダンパ配置構造によれば、ダンパを回転
軸がダンパケースの一端に偏位している略扇形の回転式
のものにするとともに、該ダンパケースを扇の要部分が
リヤアームの左,右アーム本体,クロスメンバ及びピボ
ット軸で囲まれた空間内に位置するように、かつ縦長に
配置したので、ダンパのクロスメンバ方向に必要な配置
スペースが小さくて済み、従ってそれだけクロスメンバ
の断面積を大きくすることができ、リヤアームの剛性を
十分に確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による自動二輪車用後輪懸
架装置のダンパ配置構造を示す側面図である。
【図2】上記第1実施例の平面図である。
【図3】図1のIII-III 線断面図である。
【図4】上記第1実施例装置を採用した自動二輪車の左
側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るバンパ配置構造を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 12 エンジン 21 リヤアーム 26 後輪 29 後輪懸架装置 30 ダンパ 31 板ばね 32 ダンパケース 33 翼形ピストン 34,67 回転軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面から後輪に加わるショックを緩和す
    る緩衝ばね,及び後輪の不規則な上下振動を抑制するダ
    ンパを備え、リヤアームと車体固定部との間に介設され
    た自動二輪車の後輪懸架装置の上記ダンパ配置構造にお
    いて、上記リヤアームを、左,右一対のアーム本体の前
    端部にピボット部を形成し、該アーム本体のピボット部
    より後方部分をクロスメンバで接続固定してなるものと
    し、上記緩衝ばねを帯板状の板ばねとしてエンジン下方
    に配置し、上記ダンパを、車両側方から見て略扇形をな
    す箱状のダンパケースと、該ダンパケースの扇の要部分
    を貫通するように配置された回転軸と、該回転軸に一端
    が固定され扇形の外周側に延び、上記ダンパケース内に
    収容配置されて該ダンパケース内を略扇形の2室に画成
    する板状の翼形ピストンとを備えた回転式ダンパとし、
    該ダンパを、上記回転軸を車幅方向に向け、上記ダンパ
    ケースの扇の要部分の少なくとも一部を該自動二輪車が
    静止状態にあるときに車両側方から見て上記リヤアーム
    左,右アーム本体,クロスメンバ及びピボット部によ
    り囲まれた空間内に位置させ、かつ縦長となるよう配置
    し、上記回転軸を上記リヤアームに連結する一方、上記
    ダンパケースを車体フレーム又はエンジンに固定したこ
    とを特徴とする自動二輪車用後輪懸架装置のダンパ配置
    構造。
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