JP3244645B2 - 内視鏡下外科手術用処置具 - Google Patents

内視鏡下外科手術用処置具

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、筒状のトラカー
ルに通されて内視鏡観察下に体腔内の手術等の処置を行
うために用いられる内視鏡下外科手術用処置具に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】近年、各種の手術を行う場合に、腹壁等
に数個の孔をあけてその各孔に筒状のトラカールを通
し、そのうちの一つのトラカールには内視鏡を通し、他
のトラカールには各種処置具を通して、切開を行わずに
体腔内の手術を行う内視鏡観察下外科手術が広く行われ
るようになってきている。
【０００３】トラカールは、内視鏡や処置具等を挿脱す
る際に腹壁の開口部を傷つけないためや、処置具を交換
しながら使用する場合に空気漏れを防ぐため等に必要な
ものである。
【０００４】そのような内視鏡観察下の手術に用いられ
る処置具は、トラカールに挿通して使用する関係から短
いものであり、一般に、剛性のある外套管内に操作軸
（又は操作ワイヤ）を軸線方向に進退自在に挿通配置
し、その操作軸の進退動作によって作動する先端処置部
材が外套管の先端に取り付けられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】そのような内視鏡観察
下外科手術用処置具で、例えば臓器の裏側に対する処置
を行う場合等には、外套管が曲がったものを使用する必
要がある（特開平８−１４０９８１号）。
【０００６】すると、上述のように処置具はトラカール
に通して使用されるから、処置具の外套管の曲がり具合
に合わせた曲がりを有する多数のトラカールを準備する
必要があり、装置構成が非常に面倒なものになってい
た。
【０００７】そこで本発明は、通常の真っ直ぐなトラカ
ールを用いて内視鏡観察下の各種処置を容易に行うこと
ができる内視鏡下外科手術用処置具を提供することを目
的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡下外科手術用処置具は、弾性を有す
る管状部材により自然状態において湾曲した状態に形成
され弾性変形させて真っ直ぐな筒状のトラカールに対し
て挿脱自在な外套管と、体内における処置を行うための
先端処置部材が先端に連結されて上記外套管内に通され
た弾性を有する操作軸と、上記操作軸を介して上記先端
処置部材を動作させるために上記外套管の手元側に連結
された操作部とを有することを特徴とする。
【０００９】なお、上記操作軸が、上記外套管の曲がり
に合わせて自然状態において湾曲した状態に形成されて
いてもよく、上記操作軸が、パイプ状の部材によって形
成されていてもよい。
【００１０】また、上記操作軸が上記外套管内から挿脱
自在であってもよく、上記操作部が、上記外套管と上記
操作軸とに対して着脱自在であってもよい。また、上記
外套管が上記操作部に対して軸線回りに回転自在であっ
てもよい。
【００１１】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図１及び図２は、本発明を把持鉗子に適
用した実施の形態を示しており、図２は使用状態を示
し、図１は部分別に分解した状態を示している。
【００１２】１は、真っ直ぐな筒状の（いわゆる直達
の）トラカールであり、剛性のある金属又はプラスチッ
ク材によって形成されていて、体壁１００に小さくあけ
られた孔に通される。
【００１３】トラカール１の手元側の挿入口は、処置具
等を挿入し易いようにテーパ状に広げた形状に形成され
ている。なお、トラカール１を、屈曲可能なように弾性
に富む材料によって形成してもよい。
【００１４】内視鏡下外科手術用処置具は、トラカール
１に挿通される外套管部１０と、外套管部１０の先端に
おいて体内の患部に対する処置を行うための処置機構部
２０と、外套管部１０の手元側において処置機構部２０
の動作を遠隔的に操作するための操作部３０とによって
構成されている。
【００１５】外套管部１０は、柔軟で弾性変形する外套
管１１によって形成されていて、その先端内周面には、
処置機構部２０を連結するための雌ネジ１２が形成さ
れ、手元側端部には、操作部３０と連結するための連結
環１３が取り付けられている。
【００１６】外套管１１は、例えばフッ素樹脂、ナイロ
ン、又はポリイミド樹脂等のチューブを素材として形成
されており、自然状態において湾曲した形状に形成され
ている。その湾曲の程度は、使用目的等に対応して選択
される。
【００１７】処置機構部２０は、外套管部１０の雌ネジ
１２に係脱自在に螺合する雄ネジ２１が形成された先端
本体２２に、支軸２３を中心に開閉する一対の先端把持
片２４（先端処置部材）と、その先端把持片２４を開閉
動作させるためのリンク機構２５とが配置され、外套管
部１０内に全長にわたって挿通された操作軸２７の先端
が、連結軸２６を介してリンク機構２５に連結されて構
成されている。
【００１８】操作軸２７は、真っ直ぐに形成されている
が、外套管１１の湾曲に沿って弾性変形して湾曲するよ
うに、弾性に富む例えばステンレスパイプ材等によって
形成されており、外套管１１に対して軸線方向に進退自
在に配置されている。２８は、操作軸２７の手元側端部
を操作部３０側と連結するための連結端であり、操作軸
２７は操作部３０に対して軸線回りに回転自在に連結さ
れる。
【００１９】なお、操作軸２７は、フッ素樹脂やナイロ
ン等のような少し硬めのプラスチックからなるパイプ材
又は棒材等によって形成してもよく、あるいは耐圧縮性
の優れた撚り線等によって形成してもよい。
【００２０】また、図３に示されるように、操作軸２７
を外套管１１の湾曲形状に合わせて自然状態において湾
曲した形状に形成してもよい。なお、先端把持片２４や
リンク機構２５等は本発明が適用される処置具の種類に
よって相違するものであり、本発明は各種の処置具に適
用されるものである。また、処置機構部２０と外套管１
１との連結は、螺合に限らず、バヨネット又はクリック
その他の結合手段により行ってもよい。
【００２１】図１及び図２に戻って、操作部３０には、
支軸３１を中心にして回動操作自在な一対の操作ハンド
ル３２，３３が設けられており、その操作によって、操
作軸２７の連結端２８と連結された作動軸３４が軸線方
向に駆動される。
【００２２】このように構成された内視鏡下外科手術用
処置具を使用する際には、自然状態で湾曲した外套管１
１を、弾性変形させながら真っ直ぐなトラカール１に通
す。外套管１１がトラカール１に通された状態では、図
２に示されるように、外套管１１が湾曲した状態に戻っ
て、処置機構部２０がトラカール１の軸線から離れた方
向に向く。
【００２３】そこで、操作部３０との連結部分において
外套管部１０を操作部３０に対して軸線回りにＡ方向に
回転させることにより、トラカール１の先端から突出し
た外套管１１部分が処置機構部２０とともに大きく回転
して、処置機構部２０をＢ方向に大きく回動させること
ができる。
【００２４】そして、操作ハンドル３２，３３を矢印Ｃ
方向に操作すれば、その動作が作動軸３４から操作軸２
７を経由してリンク機構２５に伝達され、先端把持片２
４が開閉されて目的とする患部等を把持することができ
る。
【００２５】なお、高周波電流を利用した処置を行う場
合には、操作部３０に設けられた端子３５を高周波電源
５０に接続して、処置機構部２０に対して高周波電流を
通じるようにすればよい。
【００２６】このように構成された内視鏡下外科手術用
処置具を用いることにより、例えば図４ないし図６に示
されるように、真っ直ぐなトラカール１を介して、体壁
１００内の臓器１０１の裏側に位置する部分に処置具の
先端処置機構部２０を容易に導いて、別のトラカール１
に通された内視鏡２による観察像をＴＶモニタ３で観察
しながら各種の処置を行うことができる。
【００２７】
【発明の効果】本発明によれば、自然状態において湾曲
した状態に形成された外套管を弾性変形させながら真っ
直ぐなトラカールに挿入することにより、トラカールの
先端から突出した体内部分では外套管が湾曲した状態に
戻るので、外套管の先端に配置された先端処置部材によ
って、臓器の裏側部分などに対する内視鏡観察下の各種
処置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の内視鏡下外科手術用処置
具の分解図である。
【図２】本発明の実施の形態の内視鏡下外科手術用処置
具の使用状態の全体構成図である。
【図３】本発明の実施の形態の湾曲した操作軸が用いら
れた例の部分構成図である。
【図４】本発明の使用状態の例を示す略示図である。
【図５】本発明の使用状態の第２の例を示す略示図であ
る。
【図６】本発明の使用状態の第３の例を示す略示図であ
る。
【符号の説明】
１ トラカール １０ 外套管部 １１ 外套管 ２０ 処置機構部 ２４ 先端把持片 ２７ 操作軸 ３０ 操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−164141（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−38342（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−336542（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−135554（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−140981（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−257032（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−285158（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−277120（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−255735（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 17/00 - 17/34 A61B 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】柔軟で弾性を有する管状部材により自然状
    態においてほぼ全長にわたり湾曲した形状に形成され、
    弾性変形させることにより真っ直ぐな筒状のトラカール
    に対して挿脱自在で、上記トラカールに通された状態で
    は自己の弾性によって上記の湾曲した状態に戻る外套管
    と、 体内における処置を行うための先端処置部材が先端に連
    結されて上記外套管内に通された弾性を有する操作軸
    と、 上記操作軸を介して上記先端処置部材を動作させるため
    に上記外套管の手元側に連結された操作部とを有するこ
    とを特徴とする内視鏡下外科手術用処置具。
  2. 【請求項２】上記操作軸が、上記外套管の曲がりに合わ
    せて自然状態において湾曲した状態に形成されている請
    求項１記載の内視鏡下外科手術用処置具。
  3. 【請求項３】上記操作軸が、パイプ状の部材によって形
    成されている請求項１又は２記載の内視鏡下外科手術用
    処置具。
  4. 【請求項４】上記操作軸が上記外套管内から挿脱自在で
    ある請求項１、２又は３記載の内視鏡下外科手術用処置
    具。
  5. 【請求項５】上記操作部が、上記外套管と上記操作軸と
    に対して着脱自在である請求項１、２、３又は４記載の
    内視鏡下外科手術用処置具。
  6. 【請求項６】上記外套管が上記操作部に対して軸線回り
    に回転自在である請求項１、２、３、４又は５記載の内
    視鏡下外科手術用処置具。
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