JP3244611B2 - 液体充填容器の液漏れ検知方法 - Google Patents

液体充填容器の液漏れ検知方法

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JP3244611B2
JP3244611B2 JP03680795A JP3680795A JP3244611B2 JP 3244611 B2 JP3244611 B2 JP 3244611B2 JP 03680795 A JP03680795 A JP 03680795A JP 3680795 A JP3680795 A JP 3680795A JP 3244611 B2 JP3244611 B2 JP 3244611B2
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光正 上保
篤 有賀
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第一製薬株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばシリンジ製剤等
の、液体が充填され密封部材が挿着されて密封状態とさ
れる透明又は半透明の液体充填容器において、容器本体
と密封部材との間に生じるおそれのある液漏れを検知す
る液体充填容器の液漏れ検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明又は半透明の合成樹脂製容器若しく
はガラス製の容器に、液体が充填され密封部材が挿着さ
れて密封状態とされたシリンジ製剤が知られている。こ
のようなシリンジ製剤を製造する工程においては、細菌
或は異物等の不純物の混入による品質の低下を防止する
ために、容器の密封性を検査する工程が設けられてい
る。 この種の液体充填容器は、容器本体と密封部材と
の間に液漏れが発生するおそれがあり、従来、この種の
液体充填容器に対する密封性検査は、作業者が手作業で
容器本体を照明下にかざして該容器本体の外周から目視
することによって容器本体と密封部材との間の液漏れの
検査を行っていた。しかし、照明下にかざすといった光
の当たり具合の不安定な状態での目視検査によると、作
業者にとって比較的見にくく、液漏れの見落とし等の誤
判断がなされるおそれがある。また、液体充填容器の生
産ラインにおいて目視検査を行った場合には、液体充填
容器の生産速度に対する検査速度の遅れが発生し、生産
ライン全体の作業効率が低下する不都合がある。更に、
手作業による目視検査は、作業者の不自然な姿勢による
身体の疲れや目の疲れ等により、作業者に対して過酷な
労働を強いることになる。また、検査速度を向上させる
ためには目視検査を行う作業者の人数を増加させること
にもなり、製造コストが増大する不都合がある。
【0003】一方、作業者の目視によらない、機械化さ
れた密封性検査方法としては、差圧式検査法、高電圧印
加法が知られている。
【0004】差圧式検査法は、液体充填容器の容器本体
を密封部材により密封状態としたとき、容器本体に充填
された液体に混入した気泡が容器本体と密封部材との間
を抜け出るのを検出して密封性の良否を判定するもので
ある。即ち、先ず、容器本体の密封部材が挿着されてい
る側を上方として容器本体を起立させて液体に混入した
気泡を密封部材側に集める。次いで、液体充填容器周囲
を減圧し、容器本体と密封部材との間からの液体に混入
した気泡による空気漏れを差圧式センサーで検出する。
【0005】しかし、差圧式検査法によると、容器本体
と密封部材との間に液漏れが発生していても、空気漏れ
が発生していない場合には密封性の誤判定となる不都合
がある。また、密封部材がゴム製であってその全周に鍔
状の密着片を複数備えて容器本体の内面との密着状態を
形成する場合には、密封部材と容器本体との間には各密
着片によって区切られた空隙が形成される。このような
密封部材によって密封された液体充填容器周囲を減圧し
たときには、差圧式センサーが各密着片の間の空隙から
漏れる空気の影響を受けてしまう不都合がある。
【0006】高圧印加法は、一般に、注射用アンプル等
のピンホール検査に採用されており、容器の周囲に高電
圧を印加した電極を容器の検出位置に接近させて容器か
ら漏れている液体と電極との間に発生する火花放電の有
無を検出する方法である。
【0007】しかし、前記液体充填容器の密封性検査を
高圧印加法によって行った場合は、液漏れが発生し易い
密封部材に電極を接近させることが困難であり、確実な
火花放電が得られない不都合がある。そして、密封部材
に電極をある程度接近させた状態で火花放電を得るため
には、印加電圧を更に高く設定する必要があり、火花放
電が発生した場合に液体充填容器の容器本体や密封部材
が焼かれて損傷するおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液体充填容
器の密封性検査における液漏れの検出を容易とすること
を目的とし、特に、誤判定なく迅速な液漏れの検出を可
能として、生産速度を向上させることができ、しかも、
液体充填容器を損傷させることなく確実に液漏れを検出
できて、更に、生産コストを低減させることができる液
体充填容器の液漏れ検知方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、透明又は半透明の筒状容器本体に液体
が充填され、該容器本体に密封部材を挿着して密封状態
とされる液体充填容器において前記容器本体と前記密封
部材との間に生じた液漏れを検知する検知方法であっ
て、照明手段により照射光を前記容器本体への前記密封
部材の挿着方向に平行に該容器本体の一端縁から該容器
本体の側壁に沿って透過照明し、密封部材が存する位置
に生じる明暗差によって液漏れを判定することを特徴と
する。
【0010】前記照明手段は、前記容器本体の一端縁に
のみ光を照射することが好ましい。
【0011】更に、前記照明手段は、前記容器本体に対
応して選択される所定範囲の波長の光を照射することが
好ましい。
【0012】また、本発明において、前記照明手段によ
って容器本体を照明した状態で、前記容器本体の外方か
ら密封部材が存する位置を画像入力手段により画像化
し、該画像を画像処理手段によって画像処理して液漏れ
の判定を行うことを特徴とする。このとき、画像入力手
段はCCD(チャージカップルドディバイス)カメラで
あってもよい。
【0013】前記画像入力手段は画像入力位置の前記容
器本体の周囲に複数配設してもよく、このとき、前記容
器本体は、移動手段によって画像入力位置に沿って移動
され、各画像入力手段は、画像入力位置を通過する前記
容器本体に対して夫々割り当てられた所定方向から該容
器本体の周囲を画像化することが好ましい。
【0014】また、前記画像入力手段は、前記容器本体
を前記密封部材の挿着方向を軸として回転させつつ画像
を入力してもよい。
【0015】画像処理手段は、前記画像入力手段によっ
て入力された画像から最大輝度変化点を基準として画像
処理領域を設定することを特徴とする。
【0016】また、画像処理手段は、入力された画像に
おける所定領域の輝度の頻度分布に基づいて標本点数を
求め、該標本点数と予め設定された判定値との比較を行
うことによって液漏れを検知してもよい。或いは、画像
処理手段は、予め設定された基準画像と実際に入力され
た画像との比較を行うことによって液漏れを検知しても
よい。又は、画像処理手段は、予め設定された輝度と入
力された画像の輝度との比較を行うことによって液漏れ
を検知してもよい。
【0017】そしてまた、画像処理手段は、前記画像入
力手段によって入力された画像を画像積分によって画質
改善した後に画像処理を行うことが好ましい。
【0018】
【作用】本発明によれば、照明手段の照射光を、容器本
体の側壁に沿って透過照明する。これにより、容器本体
と密封部材との間で液漏れが発生している場合には、液
漏れ部分に明暗差が明確に表れる。即ち、比較的明るい
部分に液漏れが発生している。このとき、容器本体の一
端縁にのみ光を照射して、密封部材等の反射を軽減す
る。
【0019】また、液漏れ部分の明暗差を更に明確とす
るために、照明手段から所定範囲の波長の光を照射す
る。このとき、照射する光の波長は、一般に、赤色系と
することにより、容器本体と密封部材との間で液漏れが
発生している場合の液漏れ部分のコントラストが明確と
なる。そして、容器本体が透明であるか半透明であるか
等の違いや容器本体が着色されている場合等には適切な
波長の光を選択することにより明確なコントラストを得
る。
【0020】更に、画像入力手段が密封部材の存する位
置を画像化し、その画像を画像処理手段が画像処理して
液漏れの判定を行うので、作業者による直接の目視が不
要となる。このとき、画像入力手段としてはCCDカメ
ラが挙げられる。
【0021】また、画像入力手段を容器本体の周囲に複
数配設して、容器本体の全周を画像化する。そのとき、
例えば容器本体を移送している移送路に沿って画像入力
手段を配設する場合には、夫々の画像入力手段が容器本
体の周囲の所定の範囲を画像化するように、画像入力位
置を通過する前記容器本体に対して夫々割り当てられた
所定方向から該容器本体の周囲を画像化する。
【0022】また、容器本体を密封部材の挿着方向を軸
として回転させるようにしても、画像入力手段による容
器本体の周囲全周の画像化が可能となる。このとき、画
像入力手段は複数である必要はない。
【0023】画像処理を行うにあたって、液漏れを判定
する部分を特定する必要がある。液漏れが発生し易い部
分は、容器本体と密封部材との間であり、画像入力手段
が画像化するのもこの部分とするが、画像入力手段によ
って入力された画像のうち全部の領域に対して画像処理
を行ったのでは、容器本体の両側端部での光の透過状態
が容器本体の中央部での光の透過状態と異なるため、画
像にノイズが発生し、そのノイズによって正確な液漏れ
の判定が阻害されるおそれがあるからである。そこで、
本発明においては、画像入力手段によって入力された画
像の中から画像処理する画像処理領域を定めて液漏れを
判定する部分とし、他の部分を排除する。画像処理領域
を定めるとき、先ず、画像入力手段によって入力された
画像から最大輝度変化点を見出す。容器本体は前記照明
手段によって明暗差が明確とされており、容器本体の液
体が充填された部分と密封部材が挿着された部分の境界
では、著しい輝度の変化が見られる。更に、容器本体の
画像内での左右端縁と容器本体の外側との境界も著しい
輝度の変化が見られる。このような最も大きな輝度の変
化により容器本体の位置及び容器本体内部の密封部材の
位置が判断され、容器本体の画像内での左右端縁のうち
何れか一端縁と、容器本体の液体と、密封部材とが互い
に交わる一点を基準点とする。この基準点から、液漏れ
を判定する部分、即ち、密封部材が挿着された範囲を画
像内で限定し更にこの範囲からノイズが発生し易いと思
われる画像内での上下左右の端部を排除して画像処理領
域とする。
【0024】本発明の画像処理手段における液漏れの検
知は3つの方法がある。
【0025】その1の方法としては、先ず、画像入力手
段によって入力された画像から輝度の頻度分布を測定す
る。このとき、液漏れが発生している部分の輝度が比較
的高く、比較的高い輝度を有する部分を標本点数に換算
する。画像入力手段がCCDカメラであれば、このとき
の標本点数は画素数となる。そして、標本点数が多いほ
ど液漏れしている面積が広く、液漏れ量も多いとの判断
が可能となる。従って、密封性が不良とされる標本点数
を判定値として、実際に採取した標本点数と判定値とを
比較することにより、密封性の良否に影響する液漏れ量
が検知される。
【0026】その2の方法としては、液漏れの無い状態
或いは液漏れがあっても密封性を低下させるものでない
状態の画像を基準として、実際に入力した画像と基準画
像とを比較することにより、入力画像と基準画像とが異
なっている場合に液漏れが発生していると判断する。こ
のとき、基準画像と入力画像とを夫々パターン化し、両
パターンを照合するようにしてもよい。
【0027】また、その3の方法としては、先ず、画像
入力手段によって入力された画像における輝度を測定す
る。次いで、このとき測定した輝度と、予め、液漏れの
無い状態或いは液漏れがあっても密封性を低下させるも
のでない状態で抽出された特定の輝度との比較を行う。
測定した輝度が予め抽出された輝度を越えるものであれ
ば、液漏れが発生しているとする。
【0028】そして更に、画像処理をするにあたって、
画像入力手段による入力画像にノイズが発生した場合に
は、このノイズを除去する必要がある。例えば、容器本
体の形状が複雑である場合に照明手段による照明時に乱
反射等が発生し、この乱反射の影響によって画像入力手
段による入力画像にノイズが発生することがある。ノイ
ズによって正確な液漏れの判定が阻害されるおそれがあ
ることは上述した通りである。このようなノイズの除去
方法としては、画像入力手段がCCDカメラである場合
にはゲイン(入出力比)又はγ補正係数を調整する方法
があり、これによって見たい部分の明るさを拡大するこ
とが考えられる。一方、本発明においては、画像入力手
段によって入力された画像を画像積分することによって
画質改善し、これによってノイズを除去した後に画像処
理を行う。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0030】図1は一実施例の検知装置を平面視して概
略構成を示す説明図、図2は図1の要部の構成を模式的
に示す説明図、図3は画像処理における画像を示す説明
図、図4は他の実施例の検知装置を平面視して概略構成
を示す説明図である。
【0031】本実施例において液漏れ検査の対象となる
液体充填容器1は所謂シリンジ製剤であって、図示しな
い製造ラインによって、筒状のガラス製又は合成樹脂製
の透明の容器本体2に薬液3が充填され、密封部材であ
るガスケット4が該容器本体2に挿着されて密封状態と
される。本実施例の装置は、前記製造ラインに沿って設
けられており、前記容器本体2と前記ガスケット4との
間に生じた液漏れを検知するものである。
【0032】本実施例の装置Aは、図1に示すように、
前記製造ラインに連なって連続して容器1を移送する移
送手段(図示せず)を備えた移送路5と、該移送路5の
両側に沿って複数配設された画像入力手段であるCCD
カメラ6a〜6fと、各CCDカメラ6a〜6fの画像
入力位置7a〜7fにおいて、容器1を照明する照明手
段8と、前記移送路5の下流側で液漏れが発生している
不良容器1を排出する不良容器排出手段9とを備えてい
る。複数のCCDカメラ6a〜6fを配設することによ
って、移送路5に沿って容器1を移送する際に、各CC
Dカメラ6a〜6fは、各画像入力位置7a〜7fを通
過する容器1に対して夫々割り当てられた所定方向から
その周囲を画像化することができる。
【0033】本実施例の装置Aの要部を詳しく説明す
る。図2に画像入力位置7cにおける液漏れ検知状態を
側面視して示すように、容器1は移送手段の容器ホルダ
10によって、ガスケット4側を上に、薬液3が充填さ
れた側を下にして直立状態で支持されている。該容器ホ
ルダ10は移送路5に沿って移動自在とされており、図
示しない駆動手段によって移送路5の上流から下流へと
移動される。該容器ホルダ10によって支持された容器
1の直上位置には照明手段8の発光部11が設けられて
いる。前記照明手段8は、光源としてハロゲンランプを
備える光源部12と、該光源部12から光ファイバー1
3を介して送られた光を容器1に向かって照射する発光
部11とによって構成されている。光源部12の光源と
しては、一定時間にわたって安定した光量を得ることが
できるハロゲンランプが好適であるが、他の白色光ライ
トであってもよい。前記発光部11は前記容器本体2の
上端縁形状に対応して環状に形成されており、前記容器
本体2の上端縁に対向する下方側から該容器本体2の上
端縁に向かって光を照射する。これにより、発光部11
からの照射光は、前記容器本体2への前記ガスケット4
の挿着方向に平行に該容器本体2の上端縁から該容器本
体2の側壁に沿って透過し、この透過光は、ガスケット
4や薬液3をはじめ、容器本体2とガスケット4との間
に生じた液漏れ等をも夫々異なった光反射によって明暗
差を明確とし、容器1外側からの判断を容易とする。本
実施例においては、環状の発光部11を採用したが、発
光部11は、容器1の上端縁に向かって投光するもので
あれば、環状でなくともよい。但し、容器1の上端縁だ
けでなくガスケット4の上面にも投光すると、ガスケッ
ト4の上面で反射された光が、容器本体2の側壁の透過
光に影響を与えるおそれがあるため、発光部11は本実
施例のように環状とすることが好ましい。
【0034】また、図2に示すように、前記発光部11
にはフィルタ14が設けられている。該フィルタ14
は、特に、ガスケット4が存する位置のコントラストを
あげるために設けたものであり、本実施例においては6
00nm以上の波長を透過させる赤色系のシャープカット
フィルタを採用した。なお、容器1が無着色の透明であ
る場合には赤色系のシャープカットフィルタとすること
によって高いコントラストが得られるが、容器1が着色
されている場合等においては、該容器1に対応して高い
コントラストが得られるフィルタ14を選択することは
言うまでもない。また、本実施例においては、フィルタ
14を発光部11に設けたが、発光部11側に限ること
なく、例えば、容器1に対応して高いコントラストが得
られる図示しないフィルタを選択して前記CCDカメラ
6cの夫々の対物レンズ15側に設けてもよい。
【0035】また、図2に示すように、前記CCDカメ
ラ6cには、画質改善手段16及び画像処理手段17が
設けられている。
【0036】前記画質改善手段16は、入力された画像
を画像積分することによって画質改善する。これによっ
て、入力画像に発生したノイズを除去する。また、画質
改善手段16を設けなくとも、例えば、CCDカメラ6
cにおいてゲイン(入出力比)又はγ補正係数を調整す
る方法があり、これによって見たい部分の明るさを拡大
してもよい。
【0037】前記画像処理手段17は、CCDカメラ6
cによって入力された画像を画像処理して液漏れの判定
を行うものであるが、それに先立って、液漏れを判定す
る部分を特定する。即ち、図3(a)に示すように、液
漏れが発生し易い部分は、容器本体2とガスケット4と
の間であるため各CCDカメラ6a〜6fによって入力
された画像の中から画像処理する画像処理領域18を定
めて液漏れを判定する部分とし、他の部分を排除する。
画像処理領域18を定めるとき、先ず、夫々のCCDカ
メラ6a〜6fによって入力された画像から最大輝度変
化点を見出す。容器本体2は前記照明手段8によって明
暗差が明確とされており、容器本体2の薬液3が充填さ
れた部分とガスケット4が挿着された部分の境界19で
は、著しい輝度の変化が見られる。更に、容器本体2の
画像内での左右端縁20,21と容器本体2の外側との
境界も著しい輝度の変化が見られる。このような最も大
きな輝度の変化により容器本体2の位置及び容器本体2
内部のガスケット4の位置が判断され、容器本体2の画
像内での一端縁20と、容器本体2内の薬液3と、ガス
ケット4とが互いに交わる一点を基準点Pとする。この
基準点Pから、液漏れを判定する部分、即ち、ガスケッ
ト4が挿着された範囲を画像内で限定し更にこの範囲か
らノイズが発生し易いと思われる画像内での上下左右の
端部を排除して画像処理領域18とする。
【0038】なお、CCDカメラ6a〜6fに対して常
に正確に容器1が位置決めされている場合には画像処理
領域18の抽出のために最大輝度変化点を見出す必要が
なく、画像内での上下左右の端部からの寸法で所定の範
囲を特定してもよい。但し、そのためには、容器1の位
置決めを正確とする装置の構成が複雑となり、本実施例
のように最大輝度変化点を見出して画像処理領域18を
抽出する方が好ましい。
【0039】そして、前記画像処理手段17は、画像処
理領域18において画像処理して液漏れの判定を行う。
即ち、先ず、CCDカメラ6a〜6fによって入力され
た画像から輝度の頻度分布を測定する。このとき、液漏
れが発生している部分の輝度が比較的高く、比較的高い
輝度を有する部分を標本点数に換算する。本実施例にお
いては、このときの標本点数をCCDカメラ6a〜6f
の画素数とする。そして、標本点数が多いほど液漏れし
ている面積が広く、液漏れ量も多いとの判断が可能とな
る。このような画像処理による実験を行い、そのときの
画像の模式図を図3(b)乃至(d)に示す。本実験に
おいては、入力画面範囲57.0mm×29.0mmのうち
画像処理領域18を18.7mm×7.4mmとした。この
領域18における標本点数(画素数)は168×37で
ある。図3(a)は、液漏れが全く無いものである。図
3(b)乃至(d)は、輝度の高い部分Q(図中白く抜
けた部分)に液漏れが認められたものであり、図3
(b)は液漏れの対照として1μリットルを添加したも
のであり、輝度の高い部分Qの標本点数(画素数)が3
2である。この標本点数(画素数)から換算して、液漏
れ面積が0.7mm2 であることが測定される。同じよう
に、図3(c)の場合には、液漏れの対照として10μ
リットルを添加したものであり、輝度の高い部分Qの標
本点数(画素数)が524であり、この標本点数(画素
数)から換算した液漏れ面積が11.6mm 2 である。図
3(d)の場合には、同様に液漏れの対照として50μ
リットルを添加したものであり、輝度の高い部分Qの標
本点数(画素数)が592であり、この標本点数(画素
数)から換算した液漏れ面積が13.1mm2 となる。
【0040】このように、輝度の高い部分Qの標本点数
(画素数)が容易に確認できるため、密封性が不良とさ
れる標本点数を判定値として、実際に採取した標本点数
と判定値とを比較することにより、密封性の良否に影響
する液漏れ量を検知することができる。
【0041】また、前記画像処理手段17による画像処
理は、上述のような輝度の頻度分布測定に限るものでな
く、その他の方法としては、液漏れの無い状態或いは液
漏れがあっても密封性を低下させるものでない状態の画
像を基準として、実際に入力した画像と基準画像とを比
較することにより、入力画像と基準画像とが異なってい
る場合に液漏れが発生していると判断してもよい。この
とき、基準画像と入力画像とを夫々パターン化し、両パ
ターンを照合するようにしてもよい。また、その他の方
法としては、先ず、CCDカメラ6a〜6fによって入
力された画像における輝度を測定し、次いで、このとき
測定した輝度と、予め、液漏れの無い状態或いは液漏れ
があっても密封性を低下させるものでない状態で抽出さ
れた特定の輝度との比較を行ってもよい。その場合に
は、測定した輝度が予め抽出された輝度を越えるもので
あれば、液漏れが発生しているとすればよい。
【0042】上記のような画像処理によって、液漏れが
確認されて密封性が不良であるとされた容器1は、前記
不良容器排出手段9によってラインから排出される。不
良容器排出手段9の詳しい構成は省略するが、例えば、
図1の一方の矢印が示す方向に連なって製造ラインの後
工程が接続されているとき、他方の矢印が示す方向を排
出方向として、上記画像処理の液漏れ検知の結果によっ
て両矢印の何れか一方に向かって容器1が移送される。
【0043】また、本実施例においては、CCDカメラ
6a〜6fを夫々各別の画像入力位置7a〜7fに向け
て配設したが、これに限るものではなく、図4に示すよ
うに、画像入力位置22を移送路5の略中央部に位置さ
せると共に、該画像入力位置22の容器1を回転させる
回転手段23を設け、更に、1台のCCDカメラ24を
該画像入力位置22の容器1に対向させて設けてもよ
い。このとき、容器1を回転手段23によって回転させ
つつCCDカメラ24によって画像化することにより、
前述した実施例のように複数のCCDカメラ6a〜6f
を設けることなく、容器1の外周全周について画像化す
ることができる。更に、照明手段25も画像入力位置2
2にのみ設ければよく装置を簡単に構成することができ
る。図4中不良容器排出手段9については、図1中の不
良容器排出手段9と同様のものである。
【0044】また、上記各実施例における容器1はシリ
ンジ製剤としたが、それに限るものではなく、例えば、
図示しないが、透明ガラス壜の口にゴム栓を挿着したも
の等であっても容易に液漏れの検知を行うことができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、照明手段の照射光を、容器本体の側壁に沿っ
て透過照明するので、容器本体と密封部材との間で液漏
れが発生している場合には、液漏れ部分に明暗差を明確
に表わすことができ、誤判定のない液漏れの検出を可能
とすることができる。
【0046】このとき、容器本体の一端縁にのみ光を照
射して、密封部材等の反射を軽減することにより、より
明確な明暗差を出すことができる。
【0047】また、照明手段から所定範囲の波長の光を
照射することにより、液漏れ部分の明暗差を更に明確と
することができる。
【0048】更に、画像入力手段が密封部材の存する位
置を画像化し、その画像を画像処理手段が画像処理して
液漏れの判定を行うので、作業者による直接の目視が不
要となり、生産速度を向上させることができる。
【0049】また、画像入力手段を容器本体の周囲に複
数配設して、容器本体の全周を画像化する。そのとき、
例えば容器本体を移送している移送路に沿って画像入力
手段を配設することにより、移送路に沿って容器本体を
移送しつつ画像化することができるので、装置構成が簡
単となり、生産コストを低減させることができる。
【0050】また、容器本体を密封部材の挿着方向を軸
として回転させるようにしても、容器本体を回転しつつ
画像化することができるので、装置構成が簡単となり、
生産コストを低減させることができる。
【0051】また、本発明は、画像入力手段によって入
力された画像の中から画像処理する画像処理領域を定め
て液漏れを判定するので、ノイズが発生し易いと思われ
る画像内での上下左右の端部を排除して確実に画像処理
を行うことができる。
【0052】従って、本発明によれば、液体充填容器の
密封性検査における液漏れの検出を容易とする液体充填
容器の液漏れ検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の検知装置を平面視して概略
構成を示す説明図。
【図2】本実施例の要部の構成を模式的に示す説明図。
【図3】画像処理における画像を示す説明図。
【図4】他の実施例の検知装置を平面視して概略構成を
示す説明図。
【符号の説明】
1…液体充填容器、2…容器本体、3…液体(薬液)、
4…密封部材(ガスケット)、6a〜6f,24…画像
入力手段(CCDカメラ)、7a〜7f,22…画像入
力位置、11,25…照明手段、17…画像処理手段、
18…画像処理領域、P…最大輝度変化点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G06T 7/00 G06F 15/62 400 (72)発明者 安達 あつし 東京都江戸川区北葛西1丁目16−13 第 一製薬株式会社東京研究開発センター生 産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−107140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/38 A61J 1/00 G01M 3/32 G01N 21/85 G06T 7/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明又は半透明の筒状容器本体に液体が充
    填され、該容器本体に密封部材を挿着して密封状態とさ
    れる液体充填容器において前記容器本体と前記密封部材
    との間に生じた液漏れを検知する検知方法であって、 照明手段により照射光を前記容器本体への前記密封部材
    の挿着方向に平行に該容器本体の一端縁から該容器本体
    の側壁に沿って透過照明し、密封部材が存する位置に生
    じる明暗差によって液漏れを判定することを特徴とする
    液体充填容器の液漏れ検知方法。
  2. 【請求項2】前記照明手段は、前記容器本体の一端縁に
    のみ光を照射することを特徴とする請求項1記載の液体
    充填容器の液漏れ検知方法。
  3. 【請求項3】前記照明手段は、前記容器本体に対応して
    選択される所定範囲の波長の光を照射することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の液体充填容器の液漏れ検知
    方法。
  4. 【請求項4】前記照明手段によって容器本体を照明した
    状態で、前記容器本体の外方から密封部材が存する位置
    を画像入力手段により画像化し、該画像を画像処理手段
    によって画像処理して液漏れの判定を行うことを特徴と
    する請求項1乃至3の何れかに記載の液体充填容器の液
    漏れ検知方法。
  5. 【請求項5】前記画像入力手段はCCDカメラであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の液体充填容器の液漏れ検
    知方法。
  6. 【請求項6】前記画像入力手段は画像入力位置の前記容
    器本体の周囲に複数配設されていることを特徴とする請
    求項4又は5に記載の液体充填容器の液漏れ検知方法。
  7. 【請求項7】前記容器本体は、移動手段によって画像入
    力位置に沿って移動され、各画像入力手段は、画像入力
    位置を通過する前記容器本体に対して夫々割り当てられ
    た所定方向から該容器本体の周囲を画像化することを特
    徴とする請求項6記載の液体充填容器の液漏れ検知方
    法。
  8. 【請求項8】前記画像入力手段は、前記容器本体を前記
    密封部材の挿着方向を軸として回転させつつ画像を入力
    することを特徴とする請求項4又は5に記載の液体充填
    容器の液漏れ検知方法。
  9. 【請求項9】画像処理手段は、前記画像入力手段によっ
    て入力された画像から最大輝度変化点を基準として画像
    処理領域を設定することを特徴とする請求項4乃至8の
    何れかに記載の液体充填容器の液漏れ検知方法。
  10. 【請求項10】画像処理手段は、入力された画像におけ
    る所定領域の輝度の頻度分布に基づいて標本点数を求
    め、該標本点数と予め設定された判定値との比較を行う
    ことによって液漏れを検知することを特徴とする請求項
    4乃至9の何れかに記載の液体充填容器の液漏れ検知方
    法。
  11. 【請求項11】画像処理手段は、予め設定された基準画
    像と実際に入力された画像との比較を行うことによって
    液漏れを検知することを特徴とする請求項4乃至9の何
    れかに記載の液体充填容器の液漏れ検知方法。
  12. 【請求項12】画像処理手段は、予め設定された輝度と
    入力された画像の輝度との比較を行うことによって液漏
    れを検知することを特徴とする請求項4乃至9の何れか
    に記載の液体充填容器の液漏れ検知方法。
  13. 【請求項13】画像処理手段は、前記画像入力手段によ
    って入力された画像を画像積分によって画質改善した後
    に画像処理を行うことを特徴とする請求項4乃至12の
    何れかに記載の液体充填容器の液漏れ検知方法。
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