JP3244548U - 運搬台車 - Google Patents

Abstract

【課題】コンパクトで携行可能かつ製造コストを低減可能な運搬台車を提供することができる。
【解決手段】板材１０とキャスター２０とを有する。板材１０は携行可能で被運搬物を支持可能である。被運搬物は自動車に設けられた１個の前車輪である。キャスター２０は、基部とボルト部とナットと車輪部とを有する。ボルト部は、基部に設けられ板材１０を厚さ方向に貫通する。ナットは、板材１０の上部でボルト部の先端に締め付けられ基部を板材１０に固定する。車輪部は、板材１０の上面に垂直な回転軸線を中心として回転可能に基部に設けられる。
【選択図】図１

Description

本考案は、運搬台車に関する。

高速道路には、対向車線を分ける中央に一定間隔で支柱を固定し、支柱に複数本のワイヤーロープを上下方向に間隔をあけて固定して成る安全設備を設置した箇所がある。このような場所で、スピードの出し過ぎやよそ見運転、居眠り運転などで運転を誤った自動車がワイヤーロープに突っ込み、右前輪が脱落または大きな損傷を受ける事故がしばしば起こる。事故車が自力で移動できない場合、レッカー車で移動させることになるが、事故により滞留車が発生するため、レッカー車が事故現場まで到着するのに長時間を要することが多い。このため、通行止めが長時間となり、道路の円滑な通行に支障をきたす問題があった。

従来、フレームの下に走行用車輪が取り付けられ、同フレームのうち走行用車輪よりも手前側に牽引アームが取り付けられ、同フレームに油圧ジャッキと、被牽引車の下部に差し込み可能で且つ油圧ジャッキにより昇降されて、その上昇時に被牽引車を持ち上げ可能なリフトアームとが取り付けられた自動車移動装置が開示されている（例えば、特許文献１参照）。

実開平６－６８９７９号公報

しかしながら、特許文献１に記載の自動車移動装置では、大きな装置となり、携行しにくいうえ、製造コストがかさむという課題があった。

本考案は、このような課題に着目してなされたもので、コンパクトで携行可能かつ製造コストを低減可能な運搬台車を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案に係る運搬台車は、携行可能で被運搬物を支持可能な板材と、前記板材を支持して移動可能に前記板材の底部に設けられた複数のキャスターとを、有することを特徴とする。
本考案に係る運搬台車は、板材および複数のキャスターの単純な構成から成り、コンパクトで携行可能かつ製造コストを低減可能である。

本考案に係る運搬台車において、前記被運搬物は自動車に設けられた１個の前車輪であり、前記キャスターは、基部と、前記基部に設けられ前記板材を厚さ方向に貫通するボルト部と、前記板材の上部で前記ボルト部の先端に締め付けられ前記基部を前記板材に固定するナットと、前記板材の上面に垂直な回転軸線を中心として回転可能に前記基部に設けられた車輪部とを有することが好ましい。
この場合、事故車両の脱落または大きな損傷を受けた右前輪の下方に運搬台車を配置して右前輪を板材で支持し、設置面に沿って全方向に移動可能な複数のキャスターにより、事故車両を移動させることができる。
前記板材に前記板材を牽引可能な柄が着脱可能に設けられていてもよい。
この場合、運搬台車を柄を持って牽引することができ、被運搬物を載せて移動させる際には、柄を邪魔にならないよう取り外すことができる。

本考案によれば、コンパクトで携行可能かつ製造コストを低減可能な運搬台車を提供することができる。

本考案の実施の形態の運搬台車を示す斜視図である。 図１の運搬台車の底部を示す斜視図である。 図１の運搬台車を自動車の右前輪を支持した状態を示す斜視図である。

以下、図面に基づき本考案の実施の形態について説明する。
図１～図３は、本考案の実施の形態の運搬台車を示している。
運搬台車１は、板材１０と４個のキャスター２０とを有している。板材１０は、携行可能で被運搬物を支持可能な大きさと強度とを有している。板材１０の大きさは、例えば平面が３０ｃｍ四方で厚さが約３．５ｃｍである。板材１０は、例えばベニヤ板を３枚張り合わせて成り、１ｔ以上の耐荷重を有する。被運搬物は、例えば、自動車に設けられた１個の前車輪や、その他の重量物である。

キャスター２０は、基部２１と、ボルト部２２と、ナット２３と、車輪部２４とを有する。基部２１は板状であって四隅にそれぞれ４つの取付孔を有している。ボルト部２２は、取付孔に挿入されて基部２１に設けられ板材１０を厚さ方向に貫通している。ナット２３は、板材１０の上部でボルト部２２の先端に締め付けられ基部２１を板材１０に固定している。ナット２３は、１個のキャスター２０につき例えば４個用いられ、板材１０の上面に１６個が突出して配置される。突出するナット２３は、被運搬物を板材１０の上面から滑り落ちにくくする滑り止めとしても機能する。

キャスター２０は、板材１０の上面に垂直な回転軸線を中心として回転可能に基部２１に設けられており、設置面に沿って全方向に移動可能である。１個のキャスター２０は、例えば３００ｋｇの耐荷重を有する低床キャスター２０から成る。
運搬台車１の全重量は、例えば５ｋｇである。なお、運搬台車１の寸法、重量、形状、材質その他は、一例であって限定されるものではない。

次に、作用について説明する。
運搬台車１は、板材１０および複数のキャスター２０の単純な構成から成り、コンパクトで作業者１人で携行可能であり、かつ製造コストを低減可能である。
高速道路中央のワイヤーロープに突っ込んで、右前輪２aが脱落または大きな損傷を受けた事故車両２を邪魔にならない場所に移動させる場合、管理ヤードに作業車を駐車し、事故現場まで運搬台車１を携行して数名で徒歩で移動する。このとき、低床アルミジャッキも携行することが好ましい。

現場に到着したならば、事故車両２の右前部をジャッキで持ち上げ、脱落または大きな損傷を受けた右前輪２aの下方に運搬台車１を配置する。ジャッキを外して右前輪２aを板材１０で支持し、数名で事故車両２を邪魔にならない場所まで押して移動させる。運搬台車１は設置面に沿って全方向に移動可能な複数のキャスター２０を有するので、容易に事故車両２を移動させることができる。

これにより、レッカー移動に比べて、事故による通行止め時間を大幅に短縮し、事故車両２による高速道路の滞留車を早期に解放することができる。また、現場処理時間を短縮し、作業者の高速道路での受傷リスクを低減させることができる。
板材１０には、板材１０を牽引可能な柄が着脱可能に設けられていてもよい。
この場合、運搬台車１を柄を持って牽引することができる。被運搬物を載せて移動させる際には、柄を邪魔にならないよう取り外すこともできる。

１ 運搬台車、２ 事故車両、２a 右前輪、２０ キャスター、２１ 基部、
２２ ボルト部、２３ ナット、２４ 車輪部

Claims (3)

1. 携行可能で被運搬物を支持可能な板材と、
   前記板材を支持して移動可能に前記板材の底部に設けられた複数のキャスターとを、
   有することを特徴とする運搬台車。
2. 前記被運搬物は自動車に設けられた１個の前車輪であり、
   前記キャスターは、基部と、前記基部に設けられ前記板材を厚さ方向に貫通するボルト部と、前記板材の上部で前記ボルト部の先端に締め付けられ前記基部を前記板材に固定するナットと、前記板材の上面に垂直な回転軸線を中心として回転可能に前記基部に設けられた車輪部とを有することを、
   特徴とする請求項１記載の運搬台車。
3. 前記板材に前記板材を牽引可能な柄が着脱可能に設けられていることを、
   特徴とする請求項２記載の運搬台車。