JP3244012B2 - 活性汚泥濾過装置 - Google Patents

活性汚泥濾過装置

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JP3244012B2
JP3244012B2 JP00374697A JP374697A JP3244012B2 JP 3244012 B2 JP3244012 B2 JP 3244012B2 JP 00374697 A JP00374697 A JP 00374697A JP 374697 A JP374697 A JP 374697A JP 3244012 B2 JP3244012 B2 JP 3244012B2
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繁樹 澤田
和夫 鈴木
哲夫 長谷川
睦郎 永井
和久 福永
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性汚泥濾過装置に
係り、特に、生物反応槽内に浸漬配置した濾過体により
活性汚泥を効率的に分離して生物処理する活性汚泥濾過
装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】生物反応により水中の有機
物を分解処理する活性汚泥などの生物処理装置では、一
般に、この生物汚泥を固液分離するために、沈殿池等の
沈降分離手段が用いられている。しかしながら、生物反
応槽の後段に沈殿池を設けた従来の生物処理装置では、
次のような問題がある。
【0003】 比重差により汚泥を沈降分離する沈殿
処理では、汚泥の分離性能にも限界があり、流入負荷の
変動時や、バルキング発生時等には、処理水質が悪化す
る。
【0004】このため、高度な処理水質が要求される場
合には、沈殿池の後段に、更に急速濾過機やストレーナ
ー等の設備が必要である。 最終沈殿池で分離した生物汚泥を生物反応槽に返送
する操作も必要とされる。 汚泥返送操作や汚泥濃度管理を行っても、最終沈殿
池でスカムが発生したり、汚泥が浮上したりする等のト
ラブルが発生し、水質が悪化する場合が多い。 沈殿池は、大きな設置スペースを必要とするため、
工業的に不利である。
【0005】一方、沈降分離の代りに、生物汚泥を限外
濾過膜や精密濾過膜により膜分離する場合もある。この
膜分離処理によれば、沈殿池のような大きなスペースを
必要とすることなく、SSが高度に除去された高水質処
理水を得ることができる。
【0006】しかしながら、限外濾過膜や精密濾過膜に
よる膜分離処理では、稼働エネルギーが大きい上に、膜
で阻止した物質(この膜汚染物質は、高分子状の微生物
代謝産物などが主体となっている。)により膜が汚染さ
れ、膜孔の閉塞で濾過性能が低下するため、定期的な薬
品洗浄が必須であるという欠点がある。
【0007】このような膜分離処理における問題を解決
するものとして、濾布を備える濾過体を生物反応槽に浸
漬配置し、この濾過体の濾布を通過した濾過水を処理水
として取り出すことで、生物汚泥を固液分離することが
考えられている。
【0008】この濾過体による濾過は、実際には、濾過
の進行により濾過体の濾布表面に形成された活性汚泥粒
子の付着物層(ダイナミック濾過層。以下、単に「濾過
層」と称する場合がある。)によって行われている。即
ち、濾過体の濾布は、実質的には活性汚泥粒子を通過さ
せる、金属や高分子繊維の不織布よりなる厚み2mm以
下のものであるが、濾過の駆動圧が小さい条件下におい
て、濾布の表面に活性汚泥粒子の付着物層が形成され、
この付着物層により活性汚泥粒子の通過を阻止すること
ができるようになる。
【0009】しかして、本出願人らは、このような活性
汚泥濾過装置において、濾過体の濾過層の圧密化及びそ
れによる濾過速度の低下を有効に防止して、安定かつ効
率的な濾過を継続することを目的とし、先に、生物反応
槽内の濾過体の下方に濾過体洗浄用のガスを供給するた
めの通気管を設け、間欠的に処理水の取り出しを停止す
ると共に、通気管からガスを供給して濾過体の表面の付
着層を剥離させる方法を提案した(特願平8−2852
06号。以下「先願」という。)。
【0010】図4は、先願に係る活性汚泥濾過装置を示
す断面図であり、生物反応槽1内の一側部に生物反応に
必要な酸素を供給するための散気管2が設けられ、他側
部に濾過体3が設けられ、この濾過体3の下方に通気管
4が設けられている。
【0011】この濾過体3は不織布等の濾布を備える平
板型濾過ユニットが鉛直方向に積層されて構成されてお
り、処理水(濾過水)は、この濾過体3の中央部に、濾
布の濾過側に連通するように設けられた処理水排出管5
から処理水槽6に抜き出される。7は仕切壁、V1 はバ
ルブである。
【0012】この活性汚泥炉過装置においては、生物反
応に必要な酸素は、生物反応槽1の中間の深さ位置に設
けられた散気管2より供給し、通気管4からは、濾過体
3の洗浄用のガスを供給する。なお、散気管2は、生物
反応槽1の中間の深さ位置に設けられているため、一般
的な中圧ブロワにより十分に散気を行うことができる
が、通気管4は生物反応槽1の底部に設けられているた
め、この水深圧よりも大きい吐出圧力の高圧ブロワを用
いてガス供給を行う必要がある。
【0013】この生物反応槽1内では、散気管2からの
散気により、散気管2を設けた槽内の一側部に上昇流が
生じ、濾過体3を設けた他側部に下降流が生じること
で、槽内液の緩やかな循環流(旋回流)が形成される
(矢印F)。この循環流により、濾過体3の濾布表面に
均等なクロスフローが付与され、濾過が進行する。
【0014】散気管2は、濾過体3が設けられた側とは
反対側に設けられ、濾過体3の下方に設けられておら
ず、散気による気泡は、上向流部分で大部分分離される
ことから、濾過体3が散気管2による散気の気泡と直接
接触することはない。このため、生物処理及び濾過処理
中に濾過体3の濾布表面に形成される濾過層が気泡によ
って剥離することはない。これにより、濾過処理は安定
して行われ、処理水質も安定している。散気管2を濾過
体3の下方に設けた場合には、散気管2の散気による気
泡で濾過体3の濾過層の形成が不安定となり、処理水質
が低下するため、好ましくない。
【0015】この生物反応槽1においては、生物反応槽
1の水位よりも処理水槽6の水位を低水位とし、この水
頭差ΔHを駆動力として濾過を進行させる。
【0016】このように濾過体3を生物反応槽1に浸漬
配置したものでも、濾布の表面に形成される濾過層の圧
密化により、長期間濾過を継続すると濾過速度が低下し
てくる。
【0017】従って、この濾過層の圧密化を防止するた
めに、通水を停止すると共に、バルブV1 を開き、濾過
体3の下方に設けた通気管4から間欠的にガスを供給し
て、濾過体3を気液混合流の掃流にさらす。これによ
り、圧密化しつつある濾過層を効果的に剥離除去するこ
とができ、濾過層の圧密化による濾過速度の低下は防止
される。この間、生物反応槽1内の水位と処理水槽6内
の水位は同一となるため、濾過は行われない。
【0018】なお、通気管4からのガス供給による濾過
層の剥離中に濾過を継続すると、濾過体3による濾過作
用が得られず、生物処理槽内の汚泥混合液が流出し、処
理水の濁度が悪化する。このため、濾過層の剥離操作
中、即ち、洗浄運転中においては、処理水の取り出しは
停止する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記先願の方法によれ
ば、通気管4からガスを供給して濾過体3の濾過層を剥
離除去することにより、濾過層の圧密化及びそれによる
濾過速度の低下を有効に防止することができるが、な
お、次のような不具合があった。
【0020】即ち、濾過体の洗浄運転中に、濾過体の処
理水取り出し側(濾過体の内部、処理水通路等、以下
「二次側」と称す場合がある。)に生物処理槽内の汚泥
粒子(SS)が侵入する。これは、この洗浄運転中に、
処理水の取り出しを停止して、生物反応槽内の汚泥混合
液の流出を防止するようにしていても、濾過体の濾過層
が破壊されると、元来、濾過体は汚泥粒子を通過させる
ものであることから、高濃度の汚泥混合液が、一部濾過
体の二次側に移行することによる。このため、洗浄運転
後においては、濾過体の二次側にSSが残留した状態と
なる。
【0021】一方、濾過層の剥離後、処理水を取り出す
濾過運転を再開した際には、濾過体に濾過作用を奏する
だけの十分な濾過層が形成されるまでは、生物反応槽内
のSSが濾布を通過して濾過体の二次側に流入する。
【0022】このため、洗浄運転後の濾過運転再開時に
は、洗浄運転中に濾過体の二次側に侵入したSSと、濾
過運転再開初期に濾過体を通過するSSとで、処理水中
に相当な量のSSが流出することとなり、処理水水質は
低下する。
【0023】そして、このような洗浄運転を繰り返し行
うと、濾過体の二次側にSSが徐々に蓄積されること
で、二次側の流路が閉塞され、濾過流束が低下する。ま
た、この二次側の流路の閉塞で、濾過体の濾過層側(以
下「一次側」と称す場合がある。)と二次側との有効圧
力差にバラツキが生じ、この結果、一次側の汚染の進行
が加速され、濾過速度の低下傾向を助長させることとな
る。
【0024】本発明は上記先願の問題点を解決し、濾過
体の洗浄運転中の、濾過体の二次側へのSSの流入を防
止する活性汚泥濾過装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の活性汚泥濾過装
置は、生物反応槽と、該生物反応槽内の一側部に配置さ
れた、生物反応に必要な酸素を供給するための散気管
と、該生物反応槽内の他側部に浸漬配置された濾過体
と、該濾過体の下方に配置された、濾過体洗浄用ガスを
供給するためのガス供給手段と、を備えた活性汚泥濾過
装置であって、該濾過体を構成する濾布は、活性汚泥粒
子を通過させるものであるが、該濾布の表面に活性汚泥
粒子の付着物層を形成させて槽内の水を該付着物層で
過して濾過水を該濾過体内から取り出す濾過運転と、間
欠的に前記ガス供給手段からガスを槽内に供給して濾過
体に沿う上昇流を形成し、この上昇流によって濾過体外
表面を洗浄する洗浄運転とを行う活性汚泥濾過装置にお
いて、前記洗浄運転を行っているときに該濾過体内に
水を供給する清浄水供給手段を設けたことを特徴とす
る。
【0026】本発明においては、洗浄運転中に濾過体の
二次側に、清浄水を導入することにより、該二次側への
生物反応層内のSSの侵入を抑制すると共に、既に濾過
体の二次側に存在するSSを濾過体の一次側へ押し出
す。
【0027】洗浄運転後、濾過運転再開に当っては、濾
過体に十分な濾過層が形成されるまでの間、濾過体の二
次側にSSが侵入してくるが、濾過体の二次側は清浄水
で満たされており、侵入したSSがこの清浄水で希釈さ
れるため、濾過運転再開初期の処理水の水質の低下は軽
減される。
【0028】また、洗浄運転中の濾過体の二次側へのS
Sの侵入が防止され、該二次側にSSが蓄積されてゆく
ことは殆どないため、二次側の流路閉塞、それによる濾
過流束の低下、更には濾過体の一次側と二次側との有効
圧力差のバラツキによる一次側の汚染や濾過速度の低下
も防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0030】図1〜3は本発明の活性汚泥濾過装置の実
施の形態を示す断面図であり、図1〜3において、図4
に示すものと同一機能を奏する部材には同一符号を付し
てある。
【0031】図1に示す活性汚泥濾過装置は、処理水槽
6内の処理水を給水ポンプ8で汲み上げて給水槽9に貯
留し、この水を送水管10で濾過体3の下方から、濾過
体の二次側に供給するように構成されている点のみが図
4に示す先願装置と異なり、その他は同様に構成されて
いる。
【0032】本実施例においては、濾過運転時(生物反
応処理時)には、生物反応槽1に原水を供給すると共
に、散気管2から空気等の酸素含有ガスを散気して生物
処理を行い、生物処理液を濾過体3で濾過し、前述の如
く、水頭差ΔHによる濾過駆動力で濾過水を処理水とし
て処理水槽6に取り出す。
【0033】濾過体3の洗浄に当っては、原水の供給を
停止すると共に、バルブV2 を開として、給水槽9内の
処理水を送水管10を経て濾過体3の二次側に供給す
る。そして、通気管4より曝気を行うことにより、濾過
体3の濾布表面の濾過層を気液混合流の掃流で洗浄除去
する。
【0034】濾過体3の二次側に流入した処理水は、濾
過体3の二次側を満たし、大部分は濾過体の濾布を経て
生物反応槽1内に流出し、残部は処理水排出管5を経て
処理水槽6に流入する。
【0035】このように、洗浄運転中に、濾過体3の二
次側に処理水を供給することにより、濾過体3内へのS
Sの侵入は防止される。また、既に濾過体3の二次側に
侵入していたSSを濾過体3の一次側(生物反応槽1
内)に押し出すこともできる。
【0036】このような濾過体3の洗浄運転後は、バル
ブV1 ,V2 を閉として、通気管4からの曝気及び送水
管10からの処理水の供給を止め、原水の導入及び処理
水の取り出しを再開して生物反応槽1の水位と処理水槽
6の水位にΔHの水頭差を設け、濾過運転を再開する。
【0037】この濾過運転の再開に当っては、濾過体3
の表面に十分な濾過層が形成されるまでの間、濾過体3
の二次側にSSが流入するが、流入したSSが濾過体3
の二次側に満たされた清浄な処理水で希釈されるため、
得られる濾過水の水質の低下は軽減される。
【0038】このようなことから、濾過体の二次側への
SSの流入、蓄積が防止され、二次側の流路閉塞、それ
による濾過流束の低下、更には濾過体の一次側と二次側
との有効圧力差のバラツキによる一次側の汚染や濾過速
度の低下も防止される。
【0039】図2に示す活性汚泥濾過装置は、処理水排
出管5が濾過体3の下部に連結され、洗浄運転時に濾過
体3の二次側に処理水を供給するための送水管10が濾
過体3の上部に連結されている点が、図1に示す活性汚
泥濾過装置と異なり、その他は同様の構成とされてい
る。
【0040】この図2の活性汚泥濾過装置であっても、
図1に示す活性汚泥濾過装置と同様の運転操作で濾過体
3の二次側へのSSの流入は効果的に防止される。
【0041】図3に示す活性汚泥濾過装置は、洗浄運転
時に濾過体3の二次側に処理水を供給するための送水管
10が処理水排出管5の途中部分に連結されている点
が、図2に示す活性汚泥濾過装置と異なり、その他は同
様の構成とされている。
【0042】この図3の活性汚泥濾過装置であっても、
図1,2に示す活性汚泥濾過装置と同様の運転操作で濾
過体3の二次側へのSSの流入は効果的に防止される。
【0043】本発明において、このような洗浄運転は、
濾過層が圧密化する前に行うのが好ましく、生物反応槽
内の汚泥性状や汚泥濃度等によっても異なるが、一般的
には、1〜24時間の濾過運転毎に1回の割合で定期的
に行うのが好ましい。
【0044】この洗浄運転時間、剥離洗浄のための通気
量は、濾過体の濾過層を剥離できるような条件であれば
良く、洗浄運転時間については通常の場合1〜60分程
度とされる。通気量は、濾過体3の表面積1m2 当り
0.1〜2m3 /m2 ・Hr程度とするのが好ましい。
【0045】なお、濾過体洗浄用のガスとしては、一般
的には空気を用いる。また、洗浄運転中に濾過体の二次
側に供給する清浄水の流量は、濾過体の二次側へのSS
の侵入を阻止し得る程度であれば良く、一般的には、濾
過体の有効面積に対して100〜1000L/m2 ・h
r程度とされる。
【0046】本発明においては、上述の如く、洗浄運転
時には、濾過、即ち、処理水の抜き出しを停止し、濾過
体の二次側へ清浄水を供給し、通気管からの曝気を行
う。この通気管からの曝気開始は、清浄水の供給開始と
同時であっても良く、清浄水の供給開始後であっても良
い。一方、洗浄運転終了時には、清浄水の供給停止と同
時に通気管からの曝気を停止しても良いが、洗浄運転
後、濾過体の濾布表面に濾過層が形成されるために数分
間要することから、通気管からの曝気時間よりも清浄水
供給時間を若干長くして、曝気終了後、1〜5分程度経
過後に清浄水の供給を停止して濾過運転を再開するよう
にしても良い。
【0047】この洗浄運転時において、散気管からの散
気は継続していても良いが、通気管からのガス供給によ
る気液混合流(上昇流)で濾過体表面を円滑に掃流する
ためには、散気管による散気による下降流が濾過体設置
部分に生じないようにすることが好ましく、また、散気
のための動力の節減のためにも、洗浄運転中は散気管か
らの散気を停止するのが好ましい。ただし、この場合に
は、通気管からの洗浄用ガスとして、空気等の酸素含有
ガスを用いる必要がある。
【0048】なお、図1〜3に示す装置は、本発明の活
性汚泥濾過装置の一例を示すものであり、本発明は何ら
図示の態様に限定されるものではない。
【0049】例えば、生物反応槽の形式には何ら制限は
なく、深槽曝気槽、その他の形式のものを採用できる。
生物反応槽内の仕切壁は必ずしも必要とされず、なくて
も良いが、図示の如く、生物反応槽内の中央に仕切壁を
設けることにより、安定な循環流を形成できるので好ま
しい。
【0050】また、洗浄運転中に濾過体の二次側に供給
する水は、清浄な水であれば良く、濾過水に限らず、別
途用水槽から導入するようにしても良い。
【0051】生物反応槽内の濾過体の数には特に制限は
ないが、1つの生物反応槽内に複数の濾過体を設ける場
合には、濾過体毎に、処理水排水管とそれに連通する処
理水槽を設けておくことにより、処理水槽出口を閉とす
ることで生物処理槽と処理水槽との水位を同一レベルに
することができ、濾過水の取り出しを自動的に停止する
ことができ、有利である。
【0052】本発明に係る生物反応槽は、有機物を分解
する活性汚泥処理装置の曝気槽であっても良く、また、
窒素を除去する硝化槽であっても良い。脱窒を行う場
合、槽内に仕切壁を設け、例えば上流側を脱窒部、下流
側を硝化部とすると共に、硝化部から脱窒部への返送配
管を設け、硝化部に濾過体を設けて処理水を取り出すよ
うにすることもできる。
【0053】なお、本発明において、濾過体の濾布とし
ては不織布や織布を用いる。織布としては、表面を起毛
した織布が好ましい。不織布は、表面がほぼ平坦である
ので、表面でブリッジを形成し易く、汚泥粒子を効率的
に捕捉することができる。
【0054】また、濾布の厚さが過度に厚いと汚泥が濾
布内に蓄積して目詰りを起こす恐れがある。逆に、濾布
の厚さが薄過ぎると強度が低下し、破損し易くなる。こ
のため、濾布の厚さは2mm以下、特に0.1〜1mm
程度であることが好ましい。
【0055】本発明で用いる濾布は、汚泥粒子が通過し
得るものであるが、具体的には、分離粒径(分離される
汚泥粒子の大きさ)10μm以上、特に30〜1000
μmの孔を有するものが好ましい。
【0056】なお、濾布を構成する繊維の材質としては
特に制限はなく、銅等の金属繊維や、ポリエステル、ポ
リプロピレン等の高分子繊維を用いることができる。
【0057】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0058】実施例1 図1に示す活性汚泥濾過装置により、合成下水の生物処
理を行った。
【0059】合成下水は流入BOD量が300mg/L
となるように生物反応槽1に導入し、生物反応槽1のM
LSSは約4000mg/Lに維持し、BOD−SS負
荷は0.15kg/kg・日とした。
【0060】また、生物反応槽1内に設けた濾過体3の
有効面積は0.4m3 で、濾布としては、ユニチカ製ポ
リエステル不織布(品番20157 WTD,目付量1
5g/m2 ,分離粒径100μm,厚さ0.11mm)
を用い、濾過体3の濾過水(処理水)は、15cmの水
頭差を駆動圧として取り出した。
【0061】このような活性汚泥濾過装置において、3
時間の濾過運転毎に3分の洗浄運転を行った。
【0062】洗浄運転時には、通水を停止すると共に散
気管2の曝気を停止し、送水管10から処理水を4L/
分で濾過体3の二次側に導入した。また、通気管4から
4m3 /時で曝気を行った。
【0063】その結果、1400時間の運転継続後にお
いても1m3 /m2 /日の濾過速度を安定して得ること
ができた。また、各洗浄運転後の濾過運転再開時には、
約3分後には得られる濾過水の濁度は10度以下になり
濾過水質は安定した。
【0064】1400時間の運転後、濾過体を引き上げ
て観察したところ、汚泥による濾過体の二次側流路の閉
塞は認められなかった。
【0065】比較例1 実施例1において、洗浄運転時に、濾過体3の二次側へ
の処理水の導入を行わなかったこと以外は同様にして運
転を行った。
【0066】その結果、濾過速度が徐々に低下し、20
0時間の運転継続後において、濾過速度は0.5m3
2 /日まで低下した。また、各洗浄運転後の濾過運転
再開時には、濾過水の濁度が10度以下になるまでに1
0分を要した。
【0067】900時間の運転後、濾過体を引き上げて
観察したところ、濾過体の二次側流路には汚泥による閉
塞が認められた。
【0068】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の活性汚泥濾
過装置によれば、槽内に濾過体を浸漬配置した生物反応
槽で生物処理及び濾過を行う生物処理に当り、濾過体の
一次側及び二次側の汚染を共に有効に防止して、長期に
わたり安定かつ効率的な生物処理を継続することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性汚泥濾過装置の実施の形態の一例
を示す断面図である。
【図2】本発明の活性汚泥濾過装置の実施の形態の他の
例を示す断面図である。
【図3】本発明の活性汚泥濾過装置の実施の形態の別の
例を示す断面図である。
【図4】先願に係る活性汚泥濾過装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 生物反応槽 2 散気管 3 濾過体 4 通気管 5 処理水排出管 6 処理水槽 7 仕切壁 8 給水ポンプ 9 給水槽 10 送水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000006655 新日本製鐵株式会社 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 (73)特許権者 000005083 日立金属株式会社 東京都港区芝浦一丁目2番1号 (72)発明者 大同 均 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 田島 規行 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 澤田 繁樹 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 和夫 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 哲夫 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属 株式会社内 (72)発明者 永井 睦郎 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属 株式会社内 (72)発明者 福永 和久 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式會社技術開発本部内 (72)発明者 坂田 守生 東京都千代田区大手町2−6−3 新日 本製鐵株式會社内 (56)参考文献 特開 平7−313850(JP,A) 「浄化槽研究Vol.8No.1 1996」(財)日本環境整備教育センタ ー、平成8年3月発行、P27−34 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/12 B01D 29/62 C02F 1/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物反応槽と、 該生物反応槽内の一側部に配置された、生物反応に必要
    な酸素を供給するための散気管と、 該生物反応槽内の他側部 に浸漬配置された濾過体と、 該濾過体の下方に配置された、濾過体洗浄用ガスを供給
    するためのガス供給手段と、 を備えた活性汚泥濾過装置であって、 該濾過体を構成する濾布は、活性汚泥粒子を通過させる
    ものであるが、該濾布の表面に活性汚泥粒子の付着物層
    を形成させて槽内の水を該付着物層で濾過して濾過水を
    該濾過体内から取り出す濾過運転と、 間欠的に前記ガス供給手段からガスを槽内に供給して濾
    過体に沿う上昇流を形成し、この上昇流によって濾過体
    外表面を洗浄する洗浄運転とを行う活性汚泥濾過装置に
    おいて、 前記洗浄運転を行っているときに該濾過体内に清浄水を
    供給する清浄水供給手段を設けたことを特徴とする活性
    汚泥濾過装置。
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「浄化槽研究Vol.8No.1 1996」(財)日本環境整備教育センター、平成8年3月発行、P27−34

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