JP3243427B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

自動二輪車用タイヤ

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JP3243427B2
JP3243427B2 JP05316297A JP5316297A JP3243427B2 JP 3243427 B2 JP3243427 B2 JP 3243427B2 JP 05316297 A JP05316297 A JP 05316297A JP 5316297 A JP5316297 A JP 5316297A JP 3243427 B2 JP3243427 B2 JP 3243427B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C2200/00Tyres specially adapted for particular applications
    • B60C2200/10Tyres specially adapted for particular applications for motorcycles, scooters or the like

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  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面から受ける外
力の向きと第1のトレッド溝の向きを一致させることに
よって、パターン剛性を高く保ちつつ排水性を向上でき
ウエット走行性能を大巾に向上しうる自動二輪車用タイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】近年
の車両の高出力化、高性能化に伴い、自動二輪車用タイ
ヤにおいても高速度で安全走行しうる高性能タイヤが強
く要求されており、このためにトレッドパターンの改良
が計られている。
【0003】このトレッドパターンのウエット路面にお
ける役割は、トレッド溝により接地面内の水を排水する
こと、並びにトレッド陸部の剛性(パターン剛性)を維
持して外力による変形をできるだけ抑えて、接地面積を
確保することである。従って、これら二律背反する前記
排水性とパターン剛性維持とを両立して高め、より優れ
たウエット走行性能を発揮させるためには、トレッド溝
の傾き方向を外力の方向に向けることが必要となる。す
なわち、外力とトレッド溝の方向とが平行な場合には、
陸部が最も変形し難しくなり、その剛性が高く維持され
る。しかも、この外力の向きに発生する陸部のすべり
は、溝内の水との相対的な動きを招くため、水が溝内を
流れやすくなり排水性も向上されるからである。
【0004】しかしながら自動二輪車では、直進走行及
び旋回走行などの走行状態によって車体のバンク角(姿
勢角)が変わり、これにつれてタイヤが路面と接触する
接地点の位置も変化する。又タイヤに要求される性能
も、バンク角を略0とする直立状態での直進走行では、
制動性能及び駆動性能が重要となるのに対して、バンク
角が大きくなるに伴い横方向へのグリップ性能の重要性
が増すこととなる。
【0005】従って、ウエット走行性能を極限まで高め
るためには、トレッド輪郭形状及びバンク角に関連する
接地点の位置、並びに前記要求性能に起因して接地点ご
とに変化する外力の向き、大きさをそれぞれ考慮しなが
ら、トレッド溝を形成することが必要となる。
【0006】なおトレッド溝として、従来、タイヤ周方
向にのびる直線状溝、タイヤ周方向に引き延ばされたS
字状溝などが提案されてはいるが、このような接地点の
位置、及び接地点ごとに変化する外力の向き、大きさを
考慮したものはなく、ウエット走行性能の向上を不充分
としていた。
【0007】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、第1のトレッド溝の傾き方向のベクトルV(P) のベ
クトル成分(Gx(P)、Gy(P))を特定の数式によって表
すことによって、路面から受ける外力の向きと第1のト
レッド溝の向きを一致させることができ、パターン剛性
を高く保ちつつ排水性を向上してウエット走行性能を大
巾に向上しうる自動二輪車用タイヤの提供を目的として
いる。
【0008】請求項2記載の発明は、前輪用タイヤとし
て使用しうる自動二輪車用タイヤの提供を目的としてい
る。
【0009】請求項3記載の発明は、後輪用タイヤとし
て使用しうる自動二輪車用タイヤの提供を目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、タイヤ子午
断面におけるトレッド面の輪郭線がタイヤ赤道からトレ
ッド端に向かって凸円弧状に湾曲してのびるトレッド部
を有する自動二輪車用タイヤであって、前記トレッド面
は、タイヤ赤道側からトレッド端に向かって湾曲しての
びる複数の第1のトレッド溝を有するとともに、該第1
のトレッド溝のタイヤ赤道面となす鋭角側の角度αはタ
イヤ赤道側からトレッド端に向かって漸増し、かつトレ
ッド端においてこのトレッド端と直交するとともに、前
記輪郭線において、この輪郭線上の点Pを通るタイヤ周
方向線上にある前記第1のトレッド溝の傾き方向のベク
トルV(P) のベクトル成分Gx(P)、Gy(P)が、次式(1)
、(2) で表され、しかもこの第1のトレッド溝に直交
する第2のトレッド溝を形成することによりトレッド面
にブロックを形成し、かつトレッド面における前記ブロ
ックが形成される領域は前記トレッド面の2/3以上の
範囲であることを特徴とする自動二輪車用タイヤ。 Gy(P)=Gy(e)・ tanA(P) /tan A(e) ---(1) Gx(P)=√(V(e) 2 Gy(P) 2 ) ---(2) ここで、 Gx(P):ベクトルV(P) のタイヤ周方向の成分、 Gy(P):ベクトルV(P)のタイヤ軸方向の成分、 A(P) :前記輪郭線の前記点Pにおける接線とタイヤ軸
方向線とがなす角度、 A(e) :前記輪郭線のトレッド端eにおける接線とタイ
ヤ軸方向線がなす角度、 G(e) :トレッド端eでの第1のトレッド溝を定めるベ
クトルV(e) として便宜的に単位ベクトルとして、G
(e) =1とする。 Gy(e):トレッド端でのベクトルV(e) のタイヤ軸方向
の成分(トレッド端と直交するため Gy(e)=1)。
【0011】なお請求項2記載の発明は、前記第1のト
レッド溝を、タイヤの回転方向に向かってタイヤ赤道側
からトレッド端に傾斜させることを特徴とし、請求項3
記載の発明は、反回転方向に向かって傾斜させることを
特徴としたものであります。
【0012】ここで前記式(1) 、(2) について説明す
る。自動二輪車用タイヤのトレッド面の輪郭線2Sは、
円弧に近いため、図8(A)に示すように、バンク角θ
を略0とする直立状態、すなわち直進走行では、タイヤ
赤道C上の点Pで接地するとともに、この接地点Pに
は、タイヤ周方向に向く駆動力(又は制動力)Fxのみ
が作用する。
【0013】又旋回走行においては、図8(B)に示す
ように、バンク角θが大きくなるに伴って、接地点Pが
トレッド端e側に移行するとともに、この接地点Pに
は、タイヤ軸方向の横力Fyとタイヤ周方向の駆動力F
xとの合力Fが作用する。なお旋回時に二輪車が転倒し
ないためには、路面から受ける荷重反力Fz(一定)と
前記横力Fyとの合力F0 の作用線が二輪車の重心gを
通る必要があり、この時 Fy=Fz・ tan θ ----(3) の関係が成り立つ。
【0014】又前記キャンバー角θは、図9に示すよう
に、接地点Pにおける前記輪郭線2Sの接線Lとタイヤ
軸方向線Nとがなす角度A(P) と一致する。このこと
は、キャンバー角θすなわち前記角度A(P) が決まるこ
とによって、接地点Pの位置が一意的に定まり、又前記
式(3) によって各接地点Pでの横力Fyも確定されるこ
とを意味する。
【0015】又各接地点Pには、前記横力Fyの他に、
前記した如くタイヤ周方向に向く駆動力Fxが作用し、
この駆動力Fxは走行状況によって種々変化する。従っ
て、本願では、タイヤにスリップが発生し始める極限状
態を想定し、この極限状態で作用する外力Fの大きさを
特定することによって、限界走行におけるウエット走行
性能を向上し、又限界走行以下においては走行の安全性
を確保するものである。
【0016】言い換えると、路面最大摩擦係数とタイヤ
荷重との積によって定まる、グリップの限界値である最
大摩擦力Fmの考え方を導入し、図10に示すように、
この最大摩擦力Fmを半径とする摩擦円を設定すること
により、前記式(3) で定まる横力Fyとこの摩擦円とか
ら、限界走行における最大の駆動力Fxが得られる。な
おこの横力Fy及び駆動力Fxは、これらの合力である
外力Fのタイヤ軸方向のベクトル成分Fy(P)、及びタイ
ヤ周方向のベクトル成分Fx(P)であって、それぞれ次式
(4)、(5)で与えられる。 Fy=Fy(P)=Fz・ tan A(P) ----(4) Fx=Fx(P)=√(Fm2 −Fy(P)2 ) ----(5)
【0017】すなわち、輪郭線2S上の任意の接地点P
において、各接地点Pに作用する最大の外力Fが前記式
(4) 、(5) によって確定できる。従って、トレッド溝の
傾き方向のベクトルV(P) のベクトル成分(Gx(P)、G
y(P))をこの外力Fのベクトル成分(Fx(P)、Fy(P))
に置き換えることによって、溝のベクトルV(P) と外力
Fのベクトルとが同方向となる、前記式(1) 、(2) が導
き出される。 Gy(P)=Gy(e)・ tanA(P) /tan A(e) ---(1) Gx(P)=√(V(e) 2 Gy(P) 2 ) ---(2) これは、トレッドの輪郭線2Sの形状及びトレッド端e
における溝のベクトルV(e)が初期値として定まること
によって、各位置Pにおける溝のベクトルV(P) が確定
することを意味し、言い替えると、ベクトルV(P) がな
す流線Kが特定され、この流線Kに沿ってトレッド溝を
形成することによって、トレッド溝の向きを極限状態で
の外力Fの向きと一致させることができ、限界走行にお
けるウエット走行性能を向上しうるのである。なおベク
トルV(e)は、トレッド端eでの溝の方向を定めるもの
であり、便宜的に単位ベクトルを用いることができ、従
ってG(e)は1となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。なお図1は、自動二輪車用タイ
ヤ1(以下タイヤ1という)が大型車両の後輪用タイヤ
である場合の子午断面を示す。
【0019】図においてタイヤ1は、トレッド部2と、
その両端からタイヤ半径方向内方に向かってのびるサイ
ドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径
方向内方端に位置するビード部4とを有し、又前記ビー
ド部4、4間に架け渡されるカーカス6と、このカーカ
ス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配される
ベルト層7とによって、タイヤ強度及び剛性を高めてい
る。
【0020】前記カーカス6は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る
本体部に、このビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側
から外側に折返す折返し部を有し、この本体部と折返し
部との間に、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にの
びる断面三角形状のビードエーペックスゴム8を充填し
ている。前記カーカス6は、本例では、ナイロンコード
をタイヤ赤道Cに対して90°の角度で傾けて配列した
1枚のラジアル構造プライからなるが、前記コードに
は、ポリエステル、レーヨン等の他の各種の有機繊維コ
ードを適宜採用しうる。
【0021】前記ベルト層7は、本例では、芳香族ポリ
アミドコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の小角
度、本例では20°の角度で傾けて配列した内、外2枚
のベルトプライ7A、7Bから形成され、ベルト層7
は、前記コードがプライ間相互で交差するようにプライ
7A、7Bの向きを違えて配している。
【0022】又前記トレッド部2は、タイヤ子午断面に
おいて、トレッド面の輪郭線2Sが、タイヤ赤道Cから
トレッド端eに向かって凸円弧状に滑らかに湾曲しての
びるとともに、このトレッド端e、e間のタイヤ軸方向
の距離であるトレッド巾TWがタイヤの最大巾になるよ
う形成される。本例では、前記輪郭線2Sはタイヤ赤道
面C0に中心を有する曲率半径Rの単一円弧からなり、
この曲率半径Rは、前記トレッド巾TWの0.50〜
0.66倍、本例では略0.58程度に設定している。
なお輪郭線2Sとしては、単一円弧の他、種々の曲線に
よって形成してもよい。
【0023】又トレッド端eにおけるキャンバー角A
(e)は、高い旋回特性をうるために50〜65度の範
囲、本例では60度としている。
【0024】又前記トレッド面には、図2(B)に示す
ように、タイヤ赤道側からトレッド端eに向かって(同
図では右上がりに)傾斜してのびる複数の第1のトレッ
ド溝10を具え、本例ではこの第1のトレッド溝10に
加え、タイヤ周方向に直線状にのびる縦溝11と、前記
第1のトレッド溝10及び縦溝11に交差する向きに
(同図では右下がり)のびるブロック形成用の第2のト
レッド溝12とが配される。
【0025】又前記輪郭線2S上の点Pを通るタイヤ周
方向線M上にある前記第1のトレッド溝10の傾き方向
のベクトルV(P) は、そのベクトル成分Gx(P)、Gy(P)
が前記式(1) 、(2) で示される。
【0026】ここで図3(A)に、前記輪郭線2Sが曲
率半径R=110mmの単一円弧であり、かつトレッド
端eでの溝のベクトルV(e) が、溝がトレッド端におい
てこのトレッド端と直交することによって、Gx(e)=
0、Gy(e)=1である場合(以下同じ)の流線Kを、ト
レッド面を平面に展開して例示する。この流線Kは、タ
イヤ赤道側からトレッド端eに向かって湾曲してのびる
とともに、流線Kのタイヤ赤道面COとなす鋭角側の角
度αはタイヤ赤道側からトレッド端eに向かって漸増
し、又前記式(1) 、(2) を満足することによって極限状
態での外力Fの向きと一致する。
【0027】また、図3(B)は、図3(A)の流線K
と、この流線Kに直交する流線Jとを示しており、トレ
ッドパターンを形成する時には、図3(B)に示す如
く、前記流線Kと、この流線Kに直交する流線Jとを使
用する。この直交する流線Jのベクトル成分(Gx(P)、
Gy(P))は、 Gy(P)=√(G(e)2−Gy(P)2 ) ---(6) Gx(P)=−Gy(e)・ tanA(P) /tan A(e) ---(7) であって、この流線Jに沿って第2のトレッド溝12を
形成することにより、図3(B)に基づくブロックパタ
ーンを得ることができる。この時、第2のトレッド溝1
2のエッジがブロックの動く方向と直角となるため、水
を拭き取るようなワイピング効果が発揮され、排水性が
より向上される。しかも外力Fの方向と直交するため、
偏摩耗が発生し難く、耐摩耗性にも有利となる。
【0028】なお前記図2(B)に示す、本例のトレッ
ドパターンは、図2(A)に示す流線K、Jのうち、流
線Kの一部である流線部分K1、K2に沿って形成され
る第1のトレッド溝10A、10B、及び流線Jの一部
である流線部分J1に沿って形成される第2のトレッド
溝12Aをそれぞれ組み合わせたブロックパターンであ
って、本例では、タイヤ赤道C上及びその近傍に、前記
縦溝11を形成している。
【0029】この時、ウエット走行性能の向上効果を達
成させるためには、前記トレッド溝10、12がなすブ
ロックが形成される領域Qをトレッド面の2/3以上の
範囲とすることが必要である。すなわち前記トレッド溝
10A、10B、12Aが配される領域Qの巾Wを、ト
レッド面の輪郭線2Sに沿った巾SWの2/3以上とし
ており、前記効果をより高く発揮するためには、前記領
域Qをトレッド端側に設けることが好ましい。なお前記
トレッド溝10、12の溝深さ及び溝巾は、従来タイヤ
と同様に設定できる。
【0030】又トレッド面の全面積S0と、各溝10、
11、12の面積の総和S1との比である溝面積比S1
/S0は、0.2〜0.5であることが好ましく、溝面
積比S1/S0が0.2未満の場合には排水効果が期待
できず、0.5を超えると実接地面積が過小となってウ
エット、ドライ双方でのグリップ性が著しく低下する。
【0031】なお図4(A)、(B)にトレッドパター
ンの他の例を開示する。図4(B)は、図4(A)に示
す流線K、Jのうち、流線Kの一部である流線部分K
3、K4、K5に沿って形成される第1のトレッド溝1
0C、10D、10E、及び流線Jの一部である流線部
分J2、J3に沿って形成される第2のトレッド溝12
B、12Cをそれぞれ組み合わせたブロックパターンで
あって、トレッド溝10C、10D、10E、12B、
12Cが配される領域Qの巾Wをトレッド面の巾SWの
約70%としている。
【0032】なお後輪側のタイヤは駆動側となるため、
外力Fのうちのタイヤ周方向のベクトル成分Fxとし
て、タイヤ回転方向Tと逆向きの駆動力がもっぱら作用
し、従って、後輪側のタイヤにあっては、図2(B)、
図4(B)に示すように、第1のトレッド溝10は、タ
イヤの反回転方向に向かってタイヤ赤道側からトレッド
端に傾斜してのびる。
【0033】又図5に、前輪用タイヤである場合の子午
断面を示し、カーカス6として、ナイロンコードをタイ
ヤ赤道Cに対して88°の角度で配列した2枚のカーカ
スプライを用いるとともに、ベルト層7としては、芳香
族ポリアミドコードをタイヤ赤道Cに対して16゜の角
度で配列した2枚のベルトプライ7A、7Bから形成し
ている。
【0034】又トレッド面には、図6(A)、(B)に
示す如く、ブロックパターンの一例を開示する。図6
(A)は、輪郭線2Sが曲率半径R=65mmの単一円
弧であり、かつトレッド端eでの溝のベクトルV(e)が
(Gx(e)=0、Gy(e)=1)である場合における、流線
K及びこれと直交する流線Jとが示されており、図6
(B)は、前記流線K、Jのうち、流線Kの一部である
流線部分K1、K2に沿って形成される第1のトレッド
溝10A、10B、及び流線Jの一部である流線部分J
1に沿って形成される第2のトレッド溝12Aを組み合
わせて形成される。
【0035】この時、前輪用タイヤは従動側であるた
め、外力Fのうちのタイヤ周方向のベクトル成分Fxと
して、常に制動力が作用し、従って、第1のトレッド溝
10は、タイヤの回転方向Tに向かってタイヤ赤道側か
らトレッド端に傾斜してのびることとなる。
【0036】又図7(A)、(B)にトレッドパターン
の他の例を開示する。図7(B)は、図7(A)に示す
流線K、Jのうち、流線Kの一部である流線部分K3、
K4、K5に沿って形成される第1のトレッド溝10
C、10D、10E、及び流線Jの一部である流線部分
J2に沿って形成される第2のトレッド溝12Bをそれ
ぞれ組み合わせたブロックパターンである。
【0037】このように、前後輪用のタイヤは、各流線
K、Jの一部又は全部を組み合わせ種々の形状のトレッ
ド溝を有するトレッドパターンを形成することができ、
又各トレッドパターンともに、タイヤ赤道Cを中心とし
た対称、及び非対称に形成しうる等種々の態様に変化し
うる。
【0038】
【実施例A】図1の基本構造を有するタイヤサイズ19
0/55R17の後輪用のタイヤを、表1の仕様に基づ
き試作するとともに(実施例品1A〜2A、比較例品1
A)、リム(MT6.25x17)、内圧(210kP
a)の基で、排気量750ccの自動二輪車の後輪に装
着して実車走行し、各試供タイヤをのウエットグリップ
性能、及び耐偏摩耗性能を測定した。なお前輪タイヤと
しては、実施例Bのテストで用いる比較例品1Bのタイ
ヤを使用している。
【0039】(1)ウエットグリップ性:散水した燥舗
装路コースを限界速度で走行し、旋回時のグリップ力の
高さをドライバーの官能により判定したものであり、比
較例品1Aを100とした指数で評価した。数値が高い
ほど優れている。 (2)偏摩耗:上記条件にて乾燥舗装路を3000km
走行させ、目視可能な偏摩耗が発生したかどうかを判断
した。
【0040】
【実施例B】図5の基本構造を有するタイヤサイズ12
0/70R17の前輪用のタイヤを、表2の仕様に基づ
き試作するとともに(実施例品1B〜2B、比較例品1
B)、リム(MT3.50x17)、内圧(200kP
a)の基で、排気量750ccの自動二輪車の前輪に装
着して実車走行し、各試供タイヤのウエットグリップ性
能、及び耐偏摩耗性能を、前記実施例Aと同じ方法にて
測定した。なお後輪タイヤとしては、実施例Aのテスト
で用いる比較例品1Aのタイヤを使用している。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1、2に示すように、実施例品のタイヤ
は、耐偏摩耗性に加え、ウエットグリップ性能が大幅に
改善されるのが確認できる。
【0044】
【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、
路面から受ける外力の向きとトレッド溝の向きを一致さ
せることができ、パターン剛性を高く保ちつつ排水性を
向上して限界走行におけるウエット走行性能を大巾に向
上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が後輪用タイヤである場合の
断面図である。
【図2】(A)、(B)はそのタイヤのトレッドパター
ンの一例を示す展開図、及びそれに用いる溝の流線を示
す線図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれトレッド溝の流線K
の一例を示す線図である。
【図4】(A)、(B)は後輪用タイヤのトレッドパタ
ーンの他の例を示す展開図、及びそれに用いる溝の流線
を示す線図である。
【図5】本発明の一実施例が前輪用タイヤである場合の
断面図である。
【図6】(A)、(B)はそのタイヤのトレッドパター
ンの一例を示す展開図、及びそれに用いる溝の流線を示
す線図である。
【図7】(A)、(B)は前輪用タイヤのトレッドパタ
ーンの他の例を示す展開図、及びそれに用いる溝の流線
を示す線図である。
【図8】(A)、(B)は直進走行時、及び旋回走行時
において、接地点に作用する外力を説明する線図であ
る。
【図9】キャンバー角θと角度A(P) との関係を説明す
る線図である。
【図10】本願の式(1) 、(2) を説明するために、各接
地点で作用する外力を示す線図である。
【図11】(A)、(B)は、表で用いた比較例タイヤ
のトレッドパターンを示す展開図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 2S 輪郭線 10、10A、10B、10C、10D、10E 第1
のトレッド溝 12、12A、12B、12C 第2のトレッド溝 C タイヤ赤道 e トレッド端 L 輪郭線の接線 M タイヤ周方向線 N タイヤ軸方向線 T タイヤの回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 弘之 兵庫県神戸市兵庫区新開地6丁目1番12 号803号 (56)参考文献 特開 平6−55909(JP,A) 特開 平8−142614(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 - 11/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ子午断面におけるトレッド面の輪郭
    線がタイヤ赤道からトレッド端に向かって凸円弧状に湾
    曲してのびるトレッド部を有する自動二輪車用タイヤで
    あって、 前記トレッド面は、タイヤ赤道側からトレッド端に向か
    って湾曲してのびる複数の第1のトレッド溝を有すると
    ともに、 該第1のトレッド溝のタイヤ赤道面となす鋭角側の角度
    αはタイヤ赤道側からトレッド端に向かって漸増し、か
    つトレッド端においてこのトレッド端と直交するととも
    に、 前記輪郭線において、この輪郭線上の点Pを通るタイヤ
    周方向線上にある前記第1のトレッド溝の傾き方向のベ
    クトルV(P) のベクトル成分Gx(P)、Gy(P)が、次式
    (1) 、(2) で表され、 しかもこの第1のトレッド溝に直交する第2のトレッド
    溝を形成することによりトレッド面にブロックを形成
    し、かつトレッド面における前記ブロックが形成される
    領域は前記トレッド面の2/3以上の範囲であることを
    特徴とする自動二輪車用タイヤ。 Gy(P)=Gy(e)・ tanA(P) /tan A(e) ---(1) Gx(P)=√(V(e) 2 Gy(P) 2 ) ---(2) ここで、 Gx(P):ベクトルV(P) のタイヤ周方向の成分、 Gy(P):ベクトルV(P)のタイヤ軸方向の成分、 A(P) :前記輪郭線の前記点Pにおける接線とタイヤ軸
    方向線とがなす角度、 A(e) :前記輪郭線のトレッド端eにおける接線とタイ
    ヤ軸方向線がなす角度、 G(e) :トレッド端eでの第1のトレッド溝を定めるベ
    クトルV(e) として便宜的に単位ベクトルとして、G
    (e) =1とする。 Gy(e):トレッド端でのベクトルV(e) のタイヤ軸方向
    の成分(トレッド端と直交するため Gy(e)=1)。
  2. 【請求項2】前記第1のトレッド溝は、タイヤの回転方
    向に向かってタイヤ赤道側からトレッド端に傾斜しての
    びることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】前記第1のトレッド溝は、タイヤの反回転
    方向に向かってタイヤ赤道側からトレッド端に傾斜して
    のびることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タ
    イヤ。
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