JP3243356B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は毛髪化粧料に関し、更に
詳細には、２つの異なる視覚的に分離した相を含有し、
使用前に振とうすることにより直ちに混合され均一なエ
マルションとなり、使用後にはすぐに、好ましくは透明
な、異なる二層に分離する毛髪化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】分離し
た二層を含有し、使用前に振とうすることにより直ちに
混合され均一なエマルションとなり、使用後にはすぐに
二層に分離するという性質を有する毛髪化粧料は、その
魅力的な外観により、消費者に好評である。特に、好ま
しくは透明な、２つの相が異なる色である場合には、振
とうすることによってこれらの相が混合され、更に面白
い視覚的な効果が得られる。
【０００３】このような製品を使用する際には、振とう
することによって二層が素早く混合され、乳化によって
均一なエマルションになり、これを毛髪に適用すること
ができ、またその後はすぐに二層に分離するという要件
を満たしていることが重要である。
【０００４】このような製品としては、ドイツ特許出願
第３，６２７，３１３号が知られている。この製品は、
乳化剤として、全組成中に１重量％以下のトリラネース
−４ホスフェート（エチレンオキシド平均４モル付加ラ
ノリンアルコールとリン酸のトリエステル）を含有する
ものである。なお、以下の原料名は、一般名又は米国Ｃ
ＴＦＡ（Ｔｈｅ Ｃｏｓｍｅｔｉｃ，Ｔｏｉｌｅｔｒｙ
ａｎｄ Ｆｒａｇｒａｎｃｅ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏ
ｎ）名を用いた。しかしながら、これらの製品は、毛髪
に充分浸透するような均一なエマルションを形成せず、
また、その後長時間後でも拡散した外観のままで透明な
二層に分離しないなど、前記の要件を満足するものでは
なかった。
【０００５】ドイツ特許第４，１００，４９０号には、
スキントリートメント用の二層組成物が開示されてい
る。この組成物は、分離した透明な二層が存在し、振と
うにより混合されると均一相を形成し、その後異なる透
明な二層に分離するものであり、乳化剤として、炭素数
１２〜１８のトリグリセリン脂肪酸モノエステルを全組
成物中に０．１〜１．０重量％含有する。このように製
造される組成物は前記の要件を満足するが、毛髪のコン
ディショニング効果を得るためには、トリグリセリン脂
肪酸モノエステル自身ではほとんど効果が得られないた
め、他の特別の成分を、しばしば多量に配合する必要が
あるという欠点があった。しかも、このことは適合性に
ついての問題も生じる。
【０００６】従って、分離した二層を含有し、振とうす
ることにより一時的に均一なエマルションとなり、その
後すぐに２つの異なる視覚的に分離した相になり、しか
も乳化剤が、それ自体で更にヘアコンディショニング効
果を有するものである組成物が望まれていた。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、乳化剤として特定の
シリコーンコポリオールを用いれば、上記課題を解決し
た二層型の優れた毛髪化粧料が得られることを見出し、
本発明を完成した。
【０００８】すなわち、本発明は、（ａ）油相１５〜４
０重量％、（ｂ）一般式（１）
【０００９】
【化２】
【００１０】（式中、Ｒは炭素数１〜１８のアルキル基
を示し、Ａはエチレン基又はプロピレン基を示し、Ｘは
水素原子又は炭素数１〜４のアルキル基を示し、ｍ、ｎ
及びｚはそれぞれ２〜２５の数を示し、ｌは１〜１０の
数を示す） で表わされるシリコーンコポリオールの少なくとも１種
からなる乳化剤０．０５〜５重量％、及び（ｃ）残部の
水相からなる、使用前には異なる二層に分離し、振とう
することにより混合されて短時間に均一なエマルション
を形成し、その後二層に分離する毛髪化粧料を提供する
ものである。
【００１１】一般式（１）で表わされるシリコーンコポ
リオールの好ましいものとしては、例えばダウコーニン
グ社、ゴールドシュミット社、ユニオンカーバイド社、
信越化学工業社等から市販されているジメチコーンコポ
リオールが挙げられ、これらは式（１）中、ｍが５〜１
５、ｎが３〜７、ｌが２又は３、ｚが１０〜１５の数を
示すものである。また、Ｘは水素原子、エチル基、メチ
ル基、ｎ−プロピル基、イソプロピル基、ｎ−ブチル基
を示す。Ｒとしては、メチル基、ラウリル基、セチル基
が好ましい。
【００１２】このようなシリコーンコポリオールとして
は、Ａｂｉｌ Ｂ ８８４２、Ｂ８８４３、Ｂ ８８４
７、Ｂ ８８５１、Ｂ ８８５２、Ｂ ８８６３、Ｂ
８８７３、Ｂ ８８１８３、Ｂ ８８１８４（以上、ゴ
ールドシュミット社製）、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ １
９０、１９３、Ｑ２−５２２０ポリエーテル（以上、ダ
ウコーニング社製）、信越 ＫＦ ３５１Ａ、ＫＦ ３
５２Ａ、ＫＦ ３５３Ａ、ＫＦ ３５４Ａ、ＫＦ ３５
５Ａ、ＫＦ ６１５Ａ、ＫＦ ６２５Ａ、ＫＦ ９４５
Ａ（以上、信越化学工業社製）、Ｓｉｌｗｅｔ（ユニオ
ンカーバイド社製）などの市販品を用いることができ
る。
【００１３】これらのシリコーンコポリオールは、１種
又は２種以上を組合わせて用いることができ、全組成中
に０．０５〜５重量％、好ましくは０．２５〜３重量％
配合される。０．０５重量％未満では、振とうにより速
やかに乳化せず、５重量％を超えると静止による速やか
な二層分離を得ることができない。
【００１４】本発明の毛髪化粧料において、油相の割合
は全組成中に約１５〜４０重量％、特に約２０〜３０重
量％、更に約２０重量％であるのが好ましい。この油相
は天然又は合成油のあらゆるものを含んでいてもよく、
かかる油相成分としては、例えば前記ドイツ特許第４，
１００，４９０号に記載されているものなどが挙げられ
る。
【００１５】油相成分としては、公知の種々のシリコー
ン油、特に高〜低揮発性脂肪族又は環状シロキサンが好
ましい。好ましいシロキサンとしては、例えばヘキサメ
チルジシロキサンが挙げられ、特にこれを単独又はポリ
フェニルメチルシロキサン等の環状シロキサンと混合し
たものが好ましい。また、例えばオクタ−、デカ−又は
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の、一般名「シ
クロメチコーン」として知られている、ポリジメチルシ
クロシロキサンも好ましい。これらの揮発性シリコーン
を用いる場合には、密閉可能なエアゾール容器又はスプ
レー容器を用いるのが好ましい。
【００１６】更に、油相成分として好ましいものとして
は、炭素数約４〜３０の直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水
素、またこれらと前記シリコーン油との混合物が挙げら
れる。これらの場合には、脂肪族アルコールも好まし
く、例えば炭素数８〜２２の脂肪族アルコール、そのエ
ステル、更に長鎖脂肪酸の例えばエチル又はイソプロピ
ルアルコール等の低級アルコールのエステルなどが挙げ
られる。
【００１７】本発明の毛髪化粧料において、油相成分と
して好ましく用いられる天然油脂としては、当該分野で
公知のものが挙げられ、例えば“化粧品の基礎及び処
方”（Ｋ．Ｓｃｈｒａｄｅｒ，第２版，１９８９年，Ｈ
ｕｔｈｉｇ Ｂｕｃｈｖｅｒｌａｇ，ハイデルベルク）
第３２４〜３４１頁に記載されているものなどが挙げら
れる。
【００１８】水相の割合は、油相の割合に依存すること
は明らかであり、両相の合計が１００重量％となる。水
相には、前記シリコーンコポリオールのほか、通常の毛
髪化粧料に用いられる成分、例えば水、保湿剤、アルコ
ール類、ビタミン類、植物抽出物、紫外線吸収剤、血行
促進剤、抗炎症剤、香料等、更に、生理学的に許容され
る酸、所望のpHに調整するための緩衝剤などが配合され
る。
【００１９】本発明の毛髪化粧料には、更に視覚的な変
化をもたせるために、染料を配合することができ、油相
には油溶性の染料を、水相には水溶性の染料を使用する
ことができる。好ましい染料としては、ドイツ化粧品規
則（Ｄｅｕｔｓｃｈｅ Ｋｏｓｍｅｔｉｋｖｅｒｏｒｄ
ｎｕｎｇ）のＡｎｎｅｘIII に記載されている、化粧品
に許容される染料などが挙げられる。
【００２０】本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンス等のヘ
アコンディショニング剤とする場合には、更にヘアコン
ディショニング成分を１相又は両相に添加することがで
きる。ヘアコンディショニング成分としては、公知のも
の、例えば前記Ｓｃｈｒａｄｅｒの文献の第７２２〜７
７１頁に記載されているものなどが挙げられる。また、
毛髪にハリ・コシを持たせるためには、ナフタレンスル
ホン酸塩、例えば２−ナフタレンスルホン酸のアルカリ
金属塩等を全組成中に０．１〜１０重量％、特に０．５
〜５重量％配合するのが好ましい。
【００２１】本発明の毛髪化粧料は、２５℃における粘
度が１０００mPa・sec2(cSt) 以下であるのが好まし
い。
【００２２】
【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、乳化剤としてシ
リコーンコポリオール（１）を使用することにより、２
つの異なる視覚的に分離した相を含み、使用前に振とう
することにより直ちに混合され均一なエマルションとな
り、その後すぐに透明な二層に分離するものである。そ
して、前記乳化剤以外に特に乳化剤やコンディショニン
グ剤を用いる必要がなく、前記二層型の優れた性能が得
られ、しかもコンディショニング効果も良好である。
【００２３】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【００２４】実施例１ 透明な油相Ａと透明な水相Ｂを含む下記組成のヘアコン
ディショニング剤を製造した。
【００２５】
【表１】 油相Ａ： （重量％） ジメチコーン（ＤＣ ２００，０．２５cSt(25℃) ） ２０．０ シクロメチコーン（ＤＣ ３４４） ５．０ 水相Ｂ： グリセリン ５．０ ２−ナフタレンスルホン酸ナトリウム ３．０ ジメチコーンコポリオールメチルエーテル （信越 ＫＦ ３５１Ａ） ０．５ アラントイン ０．２ 水 バランス
【００２６】得られたコンディショニング剤は２つの異
なる透明な完全に分離した相を含み、これを振とうする
と均一なエマルションが得られた。このエマルションを
毛髪に適用すると、均一に広がり、すぐに浸透してコン
ディショニング効果を得ることができた。また、振とう
後１０分以内にエマルションは完全に分離した透明な二
層にもどった。
【００２７】実施例２ 下記組成の透明な油相Ａと透明な水相Ｂより、ヘアコン
ディショニング剤を製造した。使用前に振とうして二層
を混合すると、直ちに均一になり、これをシャンプーし
た髪に適用すると、良好な光沢と豊かな感触とボリュー
ムが得られた。また、振とう後１０分以内に、エマルシ
ョンは分離した透明な二層にもどった。
【００２８】
【表２】 油相Ａ： （重量％） シクロメチコーン（ＤＣ ３４４） ５．０ ジメチコーン（ＤＣ ２００；０．６５cSt ） ５．０ フェニルトリメチコーン（ＤＣ ５５６） １．０ イソドデカン １０．０ 油相Ｂ： ジメチコーンコポリオールブチルエーテル （信越 ＫＦ ３５２Ａ） ０．５ エタノール ５．０ ０．２Ｍ クエン酸水溶液 ３．９ 緑茶エキス １．０ Ｄ−パンテノール ０．５ 水 バランス
【００２９】実施例３ 実施例２と同様に、２つの異なる色の相を含むヘアコン
ディショニング剤を製造した。得られたコンディショニ
ング剤は混合すると１つの均一な相になり、使用後は再
び完全に分離した。
【００３０】
【表３】 油相Ａ： （重量％） Ｃ12〜Ｃ14パラフィン混合物 ２０．００ 油溶性青色染料 ０．０１ 水相Ｂ： ジメチコーンコポリオール（信越 ＫＦ ３５３Ａ） ０．７５ パンテノール ０．５０ エタノール １０．００ 水 バランス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−236936（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−11954（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−24908（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−47606（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−59204（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−258712（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）油相１５〜４０重量％、（ｂ）一
    般式（１） 【化１】 （式中、Ｒは炭素数１〜１８のアルキル基を示し、Ａは
    エチレン基又はプロピレン基を示し、Ｘは水素原子又は
    炭素数１〜４のアルキル基を示し、ｍ、ｎ及びｚはそれ
    ぞれ２〜２５の数を示し、ｌは１〜１０の数を示す） で表わされるシリコーンコポリオールの少なくとも１種
    からなる乳化剤０．０５〜５重量％、及び（ｃ）残部の
    水相からなる、使用前には異なる二層に分離し、振とう
    することにより混合されて短時間に均一なエマルション
    を形成し、その後二層に分離する毛髪化粧料。
  2. 【請求項２】 一般式（１）で表わされるシリコーンコ
    ポリオールを全組成中に０．２５〜３重量％含有する請
    求項１記載の毛髪化粧料。
  3. 【請求項３】 一般式（１）中、ｍが５〜１５の数を示
    し、ｎが３〜７の数を示し、ｌが２又は３を示し、ｚが
    １０〜１５の数を示すシリコーンコポリオールを含有す
    る請求項１又は２記載の毛髪化粧料。
  4. 【請求項４】 一般式（１）中、Ｒがメチル基、ラウリ
    ル基又はセチル基を示すシリコーンコポリオールを含有
    する請求項１〜３のいずれかの項記載の毛髪化粧料。
  5. 【請求項５】 油相の主要部分が、少なくとも１種のシ
    リコーン油である請求項１〜４のいずれかの項記載の毛
    髪化粧料。
  6. 【請求項６】 油相の主要部分が、シリコーン油と炭素
    数４〜３０の炭化水素との混合物である請求項１〜４の
    いずれかの項記載の毛髪化粧料。
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