JP3242839U - 掘削用バケット - Google Patents

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秀一 中嶌
尊司 石川
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株式会社ハヤブサ
明和機械株式会社
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Abstract

【課題】地中に吊下されて地中に縦穴を掘削する掘削用バケットにおいて、掘削回転方向の切り替えが容易であり、ドラムの交換作業を省略する。【解決手段】内部中空な円柱状のドラム2と、ドラムの外周面に配置され、外周面の外方へ向けて突出される外周カッター5と、ドラムの中心軸上に配置され、中心軸の上方及び下方の双方に向けて連結可能に配置される上下一対の連結部であるケリーボックス41とを備える。この連結部であるケリーボックスは、ドラムの重心位置に配置されている。ドラムの内径に沿ってドラムの内側面間に張り渡されるビーム部を備え、ケリーボックスは、ビーム部の上下に配置されて支持されている。ビーム部は、その表面から内側面にかけて応力を伝達するブレース部31を備える。外周カッターは、ドラムの外周面において、同一の周方向に向けて突出されている。【選択図】図2

Description

本考案は、地中に吊下されて地中に縦穴を掘削する掘削用バケットに関する。
従来より、ビルの新築や建て替えに際し、建造物を支持する杭基礎を構築するために縦穴を掘削する場合がある。従来の掘削用バケットとしては、中空なドラムの上面の中央にケリーバー接続部を設けるとともに、サイドカッターを、ドラムの外周面にドラムの正回転方向に向けて設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、この特許文献1に開示されたバケットを使用して穴を掘削するには、接続したケリーバーによりバケットを一方向に回転(正回転)しながら下降し、サイドカッターにより穴の内周面を削りながら掘り下げてゆく。
特開平09-328986号公報
しかしながら、従来の掘削用バケット装置は、上述したように、ドラムの外周に突出された掘削刃を使用して縦穴壁面を掘削している。これらの掘削刃は、一方の周方向に向けて突出されているため、掘削可能なドラム回転方向が一方向に限定されている。この制約により、掘削回転方向を切り替えるためには、掘削刃の向きが異なる別のドラムに交換しなければならず、交換作業に手間がかかっていた。また、異なる掘削回転方向のドラムを2つ用意する必要があり、その調達コスト、輸送費、管理費など、全体的な工費が嵩む原因ともなっている。
そこで、本考案の目的は、地中に吊下されて地中に縦穴を掘削する掘削用バケットにおいて、掘削回転方向の切り替えが容易であり、ドラムの交換作業を省略するとともに、工費の削減、工期の短縮を実現できる掘削用バケット装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案は、地中に吊下されて地中を掘削する掘削用バケットであって、
内部中空な円柱状のドラムと、
前記ドラムの外周面に配置され、前記外周面の外方へ向けて突出される外周カッターと、
前記ドラムの中心軸上に配置され、前記中心軸の上方及び下方の双方に向けて連結可能に配置される上下一対の連結部と
を備えるものである。
上記考案において連結部は、前記ドラムの重心位置に配置されていることが好ましい。また、上記考案において前記ドラムの内径に沿って前記ドラムの内側面間に張り渡されるビーム部をさらに備え、前記連結部は、前記ビーム部に支持されていることが好ましい。
さらに、上記考案において前記ビーム部は、その表面から前記内側面にかけて応力を伝達するブレース部をさらに備えることが好ましい。また、上記考案において前記外周カッターは、前記ドラム外周面において、同一の周方向に向けて突出されていることが好ましい。
以上述べたように、本考案の掘削用バケットによれば、掘削回転方向を切り替える際にドラムの交換作業が不要であり、効率的な掘削作業が可能となる。すなわち、本実施形態では、一対の連結部を上下に向けて配置し、上下の連結部をドラムを上下反転可能とすることにより、ドラムの上下を反転させるだけでドラムの掘削回転方向を切り替えることができる。このため、従来のようなドラムの交換作業が不要となり、ドラム2の掘削回転方向を切り替える作業に要する時間と労力を省略して掘削作業の効率化を図ることができる。また、異なる掘削回転方向のドラムを2つ用意する必要がなくなり、コスト削減にも寄与する。
さらに、ビーム部30及びブレース部31を設けたことにより、ドラムの強度と剛性が向上されて、安定した掘削作業が可能となり、掘削品質も向上する。これにより、杭基礎の品質が高まり、建造物の安全性や耐久性が向上することが期待できる。
実施形態に係る工事設備の全体構成を示す概念図である。 実施形態に係る掘削用バケットを上方から見下ろした斜視図である。 実施形態に係る掘削用バケットを下方から見上げた斜視図である。 実施形態に係る掘削用バケットの構成を示す側面図である。 実施形態に係る掘削用バケットの内部構造を示す透視側面図である。 実施形態に係る掘削用バケットの上面図である。 実施形態に係る掘削用バケットの回転方向を切り替えた状態の上面図である。
以下に添付図面を参照して、本考案に係る掘削用バケット及びこれを用いた掘削工法の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本考案の掘削用バケットを使用して縦穴G2を掘削する場合を例に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この考案の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この考案の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この考案の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(工事設備の全体構成)
図1は、本実施形態に係る工事設備の全体構成を示す概念図である。本実施形態では、ビルの新築や建て替えに際して建造物を支持する杭基礎を構築するため、地盤G中に縦穴G2を掘削する。具体的には、図1に示すように、重機9のアームで揚重されたアースドリル装置10を構成するケリーバー91で、掘削用バケット1を吊下する。そして、ケリーバー91により掘削用バケット1を一方に回転させながら下降させつつ孔壁G3を切削させ、底部G1に到達するまで降下させて孔壁を掘削する。
このとき、本実施形態に係る掘削工法では、ケリーバー91に連結する際、上下のケリーボックス41,42のいずれかを選択することにより、孔壁G3に対する外周カッター5の掘削方向を選択することができる。すなわち、ドラム2の上下を反転させて外周カッター5が孔壁G3に接触される向きを切替えるとともに、ドラム2の回転方向を正転若しくは逆転させることにより、ドラム2を回転させた際の、孔壁G3に対する外周カッター5の向きを切り替えつつ、ドラム2を孔壁G3に押圧させて任意の向きの外周カッター5で孔壁G3を切削することができる。
(掘削用バケット1の構成)
次いで、上記掘削用バケット1の構成について説明する。図2~図7に本実施形態に係る掘削用バケット1の構成を示す。本実施形態に係る掘削用バケット1は、上面及び下面に開口部2aを有する中空な金属板製円筒体のドラム2を基体とし、このドラム2の上方においてドラム2の中心軸方向に沿って延設される回転軸であるケリーバー91が配置され、このケリーバー91の下端部分において,連結部であるケリーボックス41又は42を介して、ドラム2が連結されることによってドラム2が吊下される。
このドラム2は、鋼鉄製の内部中空の筒状体であり、筒の中心軸を中心として回転し、筒状体の外周面を掘削対象の孔壁に接触させ、自重による圧力で外周面上に配置された外周カッター5を孔壁に押圧させて切削を行う。
ドラム2の外周面には、外周面に沿って接線方向に突出された外周カッター5が設けられている。この外周カッター5は、多数の掘削刃をドラム2外周面の接線方向、即ち軸方向に垂直な方向に向けて配置されている。この掘削刃は、接線方向に平行となるように多数配列されており、本実施形態では、外周面上の4カ所にこれら掘削刃の配列が設置されている。そして、これらの外周カッター5はドラム2が回転することにより縦穴G2の側壁面を切削するように周回移動される。
また、ドラム2の中心軸上には、中心軸の上方及び下方に向けて、ケリーバー91が連結される上下一対の連結部であるケリーボックス41、42が設置されている。このケリーボックス41、42は、ドラム2の重心位置付近に配置され、上下正反対の方向に向けられて、ビーム部30,30を介して、ドラム2に固定されている。
ビーム部30,30は、ドラム2の中心付近において、ドラム2の重心位置を中心として十字状に組まれた梁部材であり、円筒状のドラム2の直径に合致するように、ドラム2の内径に沿って、内側面間に張り渡されている。この十字状に組まれたビーム部30,30の中心位置において、その上下方向に向けられてケリーボックス41,42が支持されている。このケリーボックス41,42は、円筒状のドラム2の中心軸に合致されて固定されている。
また、本実施形態に係るビーム部30には、図5に詳しく示したように、それぞれの両端部分において、その上下表面から内側面にかけて斜めに張り渡され、ビーム部30,30応力をドラム2側に伝達するブレース部31、31が設けられている。このブレース部31、31によりドラム2の剛性が向上されるとともに、ケリーボックス41,42からの回転力がドラム2側に伝達され、掘削時の剛性及び安定性が確保される。
(掘削工法)
次いで、以上説明した工事設備による掘削工法の手順について説明する。図6及び図7に示すように、本実施形態に係る掘削工法では、ケリーバー91に連結するケリーボックス41,42を選択することにより、ドラム2の上下を反転させ、図中矢印で示すように外周カッター5が孔壁G3に接触される向きを切替えるとともに、ドラム2の回転方向も切り替えて、回転させつつ孔壁G3に押圧させて外周カッター5で孔壁G3を切削する。
詳述すると、掘削に際して、先ずアースドリル装置10のケリーバー91の中心を新規造成すべき杭芯位置にセットする。具体的には、ケリーバー91の下端を、ケリーボックス41又は42のいずれかを選択して連結させる。このように上下のケリーボックス41,42を選択することにより、図6及び図7に示すように、上面視において時計回り(図6)とするか反時計回り(図7)とするかを切替えることができる。このケリーバー91のケリーボックス41又は42への連結は、例えば止め孔内に接続ピンを貫通させるなどの方法が採用可能である。このようにケリーバー91を、ケリーボックス41又は42の上下いずれか選択して接続し、この状態で縦穴G2内に降ろし、縦穴G2の孔壁G3に接触させた状態とする。その状態で、掘削用バケット1を回転させて掘削位置にある孔壁G3の切削を行う。
なお、上述した実施形態の説明は、本考案の一例である。このため、本考案は上述した実施形態に限定されることなく、本考案に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態による掘削用バケット1によれば、掘削回転方向を切り替える際にドラムの交換作業が不要であり、効率的な掘削作業が可能となる。すなわち、本実施形態では、一対のケリーボックス41,42を上下に向けて配置し、ドラム2を上下反転可能とすることにより、ドラム2の上下を反転させるだけでドラムの掘削回転方向を切り替えることができる。このため、従来のようなドラムの交換作業が不要となり、ドラム2の掘削回転方向を切り替える作業に要する時間と労力を省略して掘削作業の効率化を図ることができる。また、異なる掘削回転方向のドラムを2つ用意する必要がなくなり、コスト削減にも寄与する。
さらに、ビーム部30及びブレース部31を設けたことにより、ドラムの強度と剛性が向上されて、安定した掘削作業が可能となり、掘削品質も向上する。これにより、杭基礎の品質が高まり、建造物の安全性や耐久性が向上することが期待できる。
なお、本考案の実施形態は、例示的なものであり、本考案はこれらの実施形態に限定されるものではない。本考案の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更、改良が可能であり、これらもまた本考案に含まれるものとする。
G…地盤
G1…掘削面
G2…縦穴
G3…孔壁
1…掘削用バケット
2…ドラム
2a…開口部
5…外周カッター
9…重機
10…アースドリル装置
30…ビーム部
31,31…ブレース部
41,42…ケリーボックス
91…ケリーバー

Claims (5)

  1. 地中に吊下されて地中を掘削する掘削用バケットであって、
    内部中空な円柱状のドラムと、
    前記ドラムの外周面に配置され、前記外周面の外方へ向けて突出される外周カッターと、
    前記ドラムの中心軸上に配置され、前記中心軸の上方及び下方の双方に向けて連結可能に配置される上下一対の連結部と
    を備えることを特徴とする掘削用バケット。
  2. 前記連結部は、前記ドラムの重心位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削用バケット。
  3. 前記ドラムの内径に沿って前記ドラムの内側面間に張り渡されるビーム部をさらに備え、
    前記連結部は、前記ビーム部に支持されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の掘削用バケット。
  4. 前記ビーム部は、その表面から前記内側面にかけて応力を伝達するブレース部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の掘削用バケット。
  5. 前記外周カッターは、前記ドラム外周面において、同一の周方向に向けて突出されていることを特徴とする請求項の掘削用バケット。
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