JP3242813U - 横笛の発音補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】横笛の歌口に工具を要さずに固定でき、角度や位置を調整することなく、吐息を吹き込めば、安定した音を鳴らすことができる補助具を提供する。【解決手段】補助具は、吹き込み口3aから吐息を吹き入れ、補助具内を通る吐息の誘導路3cを経由して、発音に必要な条件を満たす吐息の流れを、横笛1の歌口のエッジ2aに導くことにより発音し、適当な弾性と形状を持つ円弧部3dによって単独で横笛に固定される。補助具は、3Dプリンタによる造形で実現できる。【選択図】図3
Description
本考案は、横笛の歌口に装着し発音を容易にする補助具に関するものである。
横笛は篠竹で作られた篠笛を代表として、真竹やプラスチック、金属など様々の材料でできた筒に、歌口および指で塞ぐための穴を開け、筒頭を塞いだ構造で、両手で横向きに持ち、歌口に下唇をあてがい、歌口エッジに吐息を当てることによって発音し、指で塞ぐ穴の数や塞ぎ加減を変えることによって曲を演奏する楽器である。
単純な構造であるが、音を発すること自体に熟練を要する。また基本となる音階(呂)に対して、1オクターブ高い音(甲)及び2オクターブ高い音(大甲)を専ら吐息の調整によって作り出すため、特に大甲の発音は難しく、呂、甲、大甲の連続的な吹き分けは更に難しい。
単純な構造であるが、音を発すること自体に熟練を要する。また基本となる音階(呂)に対して、1オクターブ高い音(甲)及び2オクターブ高い音(大甲)を専ら吐息の調整によって作り出すため、特に大甲の発音は難しく、呂、甲、大甲の連続的な吹き分けは更に難しい。
これまでにその発音を容易にするために考案された補助具が存在する。特許文献1では、脱着、取り付け位置、角度、息の吹き出し方向などを調整可能とした補助具が示されているが、脱着に工具を要すること、発音のための調整が必要であることなど、さらに簡単に発音可能な補助具とする余地がある。特許文献2では横笛に限定しない初級練習者用吹奏補助アダプターが示されており、これに従って実験したが、口元での角度調整を必要とし、取り付け位置、形状に関する定量的条件が無いことから安定したよい発音には至らず、再現性に関して改善の余地がある。
補助具形状の決定に十分な発音条件を明確にし、取り付けや吹き出しの角度調整、脱着のための工具を要することなく、再現性よく安定した発音が可能な補助具とすることが課題である。
本考案は、熟練者の演奏時の唇状態の観察と試行錯誤によって得られた、発音に必要な条件を満たすよう、誘導路(3c)によって導かれた吐息を歌口のエッジ(2a)に与え、調整や工具を要さずに脱着可能なことを主要な特徴とする、横笛の発音補助具である。
本考案が対象とする横笛は、外径15~23mm程度の細長い筒の側面に開けた穴である歌口(2)のエッジ(2a)に息を吹きあてることにより音を鳴らし、同じく筒側面に開けた音階調整用の穴(1a)を指で開閉して演奏する楽器である。発音のための歌口(2)は単に穴であり、構造は単純であるが、歌口(2)の半分程度をふさぐように下唇をあて、上下唇の隙間から適当な開口面積、方向、速度に吐息を調整の上、エッジ(2a)にあてることにより音を発する。しかしその発音技術の習得は容易ではなく、演奏に先立って障壁となる。
安定した発音が可能であれば、曲を奏でる指使いの習得は、学校教育課程の音楽で皆が経験済の吹けば鳴る縦笛と基本的に同様であり、難しいものではない。
安定した発音が可能であれば、曲を奏でる指使いの習得は、学校教育課程の音楽で皆が経験済の吹けば鳴る縦笛と基本的に同様であり、難しいものではない。
横笛の発音に関して、次の条件をみたす吐息によって熟練者と同等の発音になることが、本考案者自身による、熟練者の発音状況の観察と試行錯誤的な実験により見出された。
発音条件の第1は、歌口(2)の中央を上にし、横笛(1)の断面を示す図3及び図4において、エッジ(2a)を通る垂直線(4)と吹き出し口(3b)からの吐息の吹き出し角度を示す線(4a)の間の角度25~55度の範囲でエッジ(2a)に吐息の中央が当たること。
発音条件の第2は、エッジ(2a)に十分な速度で吐息が到達するために、吹き込み口(3a)から吹き出し口(3b)へ行くに従って誘導路(3c)が細くなり、吹き出し口(3b)がエッジ(2a)から4~8mmの近距離であること。
発音条件の第3は、吹き出し口(3b)の形状が縦0.5~1.5mm、横6~12mmの細長い形状であること。
発音条件の第4は、奏者の下唇が当たる部位に相当する歌口の左側領域(2c)において、歌口(2)全体の少なくとも半分がふさがっていること。
発音条件の第5は、吐息が吹き抜けるエッジ(2a)先方の吹き抜け部(2d)に吐息の流れを妨げる障害物がないこと。
発音条件の第1~3においてはその数値の範囲の外側であっても何らかの発音は可能であるが、熟練者が発する安定した美しい音色ではなくなる。
発音条件の第1は、歌口(2)の中央を上にし、横笛(1)の断面を示す図3及び図4において、エッジ(2a)を通る垂直線(4)と吹き出し口(3b)からの吐息の吹き出し角度を示す線(4a)の間の角度25~55度の範囲でエッジ(2a)に吐息の中央が当たること。
発音条件の第2は、エッジ(2a)に十分な速度で吐息が到達するために、吹き込み口(3a)から吹き出し口(3b)へ行くに従って誘導路(3c)が細くなり、吹き出し口(3b)がエッジ(2a)から4~8mmの近距離であること。
発音条件の第3は、吹き出し口(3b)の形状が縦0.5~1.5mm、横6~12mmの細長い形状であること。
発音条件の第4は、奏者の下唇が当たる部位に相当する歌口の左側領域(2c)において、歌口(2)全体の少なくとも半分がふさがっていること。
発音条件の第5は、吐息が吹き抜けるエッジ(2a)先方の吹き抜け部(2d)に吐息の流れを妨げる障害物がないこと。
発音条件の第1~3においてはその数値の範囲の外側であっても何らかの発音は可能であるが、熟練者が発する安定した美しい音色ではなくなる。
これら条件を満たす吐息の誘導路(3c)をもった補助具形状は、歌口(2)付近の横笛(1)の外径と歌口(2)の大きさによって決定、成形可能である。本考案はこれら条件を満たす、次の特長をもつ補助具である。
・横笛に装着し、吹き込み口(3a)から息を吹き込めば、熟練者の発する安定した音色に近い音が鳴る
・発音のための調整が不要である
・補助具単独で横笛(1)に固定可能である
・横笛に装着し、吹き込み口(3a)から息を吹き込めば、熟練者の発する安定した音色に近い音が鳴る
・発音のための調整が不要である
・補助具単独で横笛(1)に固定可能である
取り付け角度を確定するために突起(3e)を設ける。この突起(3e)が歌口(2)の下唇に当たるエッジ(2b)に掛ることにより円周方向の補助具位置が決定され角度調整が不要となる。
横笛に単独で固定するため、円弧部(3d)は適当な弾性をもった材料と形状で成形する。
横笛は自然に生育した竹を材料にすることもあり、断面が真円からずれていることにより吹き出し口の角度が変わる場合がある。補助具の背中部分の中間にねじ穴(3f)を設け、ねじを差し込むことによりエッジに向く吐息の吹き出し角度を微調整することもできる。
横笛は祭りにも使用されることから、演奏中の奏者の動きによる脱落の可能性もある。補助具に腕(3h)を設け、結束バンドや輪ゴムなど追加の固定具によって予め横笛(1)に固定し、脱落を防止することもできる。
追加の固定手段としての腕(3h)は吹き出し口(3b)の両側に設けることにより、横笛(1)の上部中央を吹き出し口(3b)の角度変化の支点(3i)とし、本体背部のネジ(3f)での角度合わせを可能とする。
外径や歌口(2)の大きさが異なる横笛であっても、発音条件の第1~5を満たすよう補助具の形状を決定、成形することによって、種々の横笛に適合する補助具とすることができる。
本考案の発音補助具は、熟練を要することなく、横笛に装着し息を吹き込めば、再現性よく安定した音が容易に鳴り、演奏を楽しむことができる利点がある。日本各地に伝わる伝統芸能である祭り囃子には、横笛は欠かせない楽器であるが、習得に年単位の熟練を要することから初学者の挫折を招き、後継者の育成が難しいという問題がある。本考案によって、横笛演奏の発音にかかる障壁を排除し、伝統芸能の発展に寄与する効果がある。
息を吹き込めば横笛での曲演奏に十分な音質の発音を可能とする補助具を、発音条件の第1~5をもとに3D CADにより形状を設計し、そのデータをもとに3Dプリンタにより造形し実現する。3Dプリンタでは金型を要することなく所定の形状のプラスチック成形品を容易にかつ安価に造形可能である。
図3は、本考案の実施例の断面図であって、発音条件の第1~5を満たし、円弧部(3d)の弾性力を持って単独で横笛に固定可能なものである。
3Dプリンタを使用したプラスチック製の場合、円弧部(3d)の形状を、円弧部中心角(3g)200度、厚さ3mmとすることで、装着時の変形で破壊せず、演奏の障害とならない程度に固定され、取り外しも容易となる弾力性を実現できる。
3Dプリンタを使用したプラスチック製の場合、円弧部(3d)の形状を、円弧部中心角(3g)200度、厚さ3mmとすることで、装着時の変形で破壊せず、演奏の障害とならない程度に固定され、取り外しも容易となる弾力性を実現できる。
演奏者が補助具に吐息を吹き込み易いよう、吹き込み口(3a)を奏者の方向に向け、徐々に断面が縮まる緩やかなカーブの誘導路(3c)によって吹き出し口(3b)に吐息が誘導され、エッジ(2a)に吐息が適当な角度で当たり発音する。
本考案により、空気を吹き込めば横笛での発音が可能な条件および補助具の実施例を提供した。これらを応用することで、本考案の実施例とは形状が異なっても、発音条件の第1~5を満たしつつ、周囲環境に適応した形状とすることもでき、また奏者が人間である必要もなく、実際の横笛を使用するロボットによる自動演奏にも応用できる可能性がある。
1 横笛
1a 音階調整用の穴
2 歌口
2a エッジ
2b 下唇に当たるエッジ
2c 歌口の左側半分
2d 吹き抜け部
3 本体
3a 吹き込み口
3b 吹き出し口
3c 誘導路
3d 円弧部
3e 突起
3f ねじ穴
3g 円弧部中心角
3h 腕
3i 角度変化の支点
4 エッジ(2a)を通る垂直線
4a 吹き出し角度を示す線
1a 音階調整用の穴
2 歌口
2a エッジ
2b 下唇に当たるエッジ
2c 歌口の左側半分
2d 吹き抜け部
3 本体
3a 吹き込み口
3b 吹き出し口
3c 誘導路
3d 円弧部
3e 突起
3f ねじ穴
3g 円弧部中心角
3h 腕
3i 角度変化の支点
4 エッジ(2a)を通る垂直線
4a 吹き出し角度を示す線
Claims (1)
- 吹き込み口(3a)から徐々に断面が狭くなり、縦0.5~1.5mm、幅6~12mmの横長形状の吹き出し口(3b)をもち、垂直線(4)と25~55度をなす吹き出し角度を示す線(4a)に沿ってエッジ(2a)の左上4~8mmの近傍からエッジ(2a)に吐息中央を導く誘導路(3c)と、装着によって歌口の左側半分(2c)を塞ぐ本体(3)と、エッジ(2a)先方の吹き抜け部(2d)で吐息の流れを妨げず横笛(1)に固定するための弾性を持つ円弧部(3d)を、一体的に持つことを特徴とする横笛用発音補助具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001666U JP3242813U (ja) | 2023-05-17 | 2023-05-17 | 横笛の発音補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001666U JP3242813U (ja) | 2023-05-17 | 2023-05-17 | 横笛の発音補助具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3242813U true JP3242813U (ja) | 2023-07-13 |
Family
ID=87071078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2023001666U Active JP3242813U (ja) | 2023-05-17 | 2023-05-17 | 横笛の発音補助具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3242813U (ja) |
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2023
- 2023-05-17 JP JP2023001666U patent/JP3242813U/ja active Active
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