JP3242512B2 - 水中翼付船舶 - Google Patents
水中翼付船舶Info
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- JP3242512B2 JP3242512B2 JP31611893A JP31611893A JP3242512B2 JP 3242512 B2 JP3242512 B2 JP 3242512B2 JP 31611893 A JP31611893 A JP 31611893A JP 31611893 A JP31611893 A JP 31611893A JP 3242512 B2 JP3242512 B2 JP 3242512B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船体と船底に設けた全
水没式の水中翼とにより揚力を発生させて航走する水中
翼付船舶に関する。
水没式の水中翼とにより揚力を発生させて航走する水中
翼付船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船体と船底に設けた全水没式の水
中翼とにより揚力を分担して船体重量を支えて航走する
水中翼付船舶に関する技術は公知のものとされており、
前記水中翼は、船底に設けた回動軸に前後方向に回動可
能に軸支された支柱に支持され、該支柱と船底との間に
介設されたアクチュエータにて前後回動方向に位置決め
可能に構成されていた。そして、前記水中翼付船舶が高
速で航走するときには、復原力を持つ船体によって縦方
向と横方向の安定性を保ち、前記船体と水中翼とで分担
した揚力によって船体重量を支えていた。
中翼とにより揚力を分担して船体重量を支えて航走する
水中翼付船舶に関する技術は公知のものとされており、
前記水中翼は、船底に設けた回動軸に前後方向に回動可
能に軸支された支柱に支持され、該支柱と船底との間に
介設されたアクチュエータにて前後回動方向に位置決め
可能に構成されていた。そして、前記水中翼付船舶が高
速で航走するときには、復原力を持つ船体によって縦方
向と横方向の安定性を保ち、前記船体と水中翼とで分担
した揚力によって船体重量を支えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
において、船体の重量や重心位置が乗船者の人数や積み
荷等の積載量の多少により変化した場合、その変化に伴
い船体と水中翼との揚力の最適な分担割合が変わるの
で、船体の重量や重心位置の変化に応じて船体と水中翼
との揚力の最適な分担割合となるように水中翼の仰角を
調節する必要があるが、該水中翼の仰角のきめ細かい調
節を行うことができず、安定した航走を行うことができ
なかった。
において、船体の重量や重心位置が乗船者の人数や積み
荷等の積載量の多少により変化した場合、その変化に伴
い船体と水中翼との揚力の最適な分担割合が変わるの
で、船体の重量や重心位置の変化に応じて船体と水中翼
との揚力の最適な分担割合となるように水中翼の仰角を
調節する必要があるが、該水中翼の仰角のきめ細かい調
節を行うことができず、安定した航走を行うことができ
なかった。
【0004】また、船底に水中翼を設けた場合、該水中
翼が浅瀬航走時の海底或いは流木等の障害物に衝突した
ときに人身事故等の重大な事故を引き起こす恐れがある
とともに、陸揚げして上架するときにさまたげとなるの
で、前記水中翼を格納することができるように支柱も含
めて後方に回動可能とし、かつ、前記水中翼と支柱の抵
抗に打ち勝って位置を保持する構成としなければなら
ず、その為にアクチュエータの容量を大きくする必要が
あり、それに伴い衝撃吸収能力が低くなるという不具合
が生じていた。
翼が浅瀬航走時の海底或いは流木等の障害物に衝突した
ときに人身事故等の重大な事故を引き起こす恐れがある
とともに、陸揚げして上架するときにさまたげとなるの
で、前記水中翼を格納することができるように支柱も含
めて後方に回動可能とし、かつ、前記水中翼と支柱の抵
抗に打ち勝って位置を保持する構成としなければなら
ず、その為にアクチュエータの容量を大きくする必要が
あり、それに伴い衝撃吸収能力が低くなるという不具合
が生じていた。
【0005】そこで、本発明は、船体の重量や重心位置
の変化に応じて水中翼の仰角を制御して船体と水中翼と
の揚力が最適な分担割合となるようにし、小容量のアク
チュエータにて回動可能で障害物に対する衝撃吸収能力
のよい水中翼を有する水中翼付船舶を構成することを目
的とする。
の変化に応じて水中翼の仰角を制御して船体と水中翼と
の揚力が最適な分担割合となるようにし、小容量のアク
チュエータにて回動可能で障害物に対する衝撃吸収能力
のよい水中翼を有する水中翼付船舶を構成することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段として、本発明は、次の如く構成したものであ
る。請求項1においては、船体1の船底1aに設けた支
柱取付軸2に、航走時に船体1を浮上させる向きに揚力
を発生させる水中翼4を備えた支柱3を前後方向に回動
可能に軸支し、前記支柱3と船底1aとの間に、支柱3
を前後回動方向に位置決め可能に支持する水中翼昇降用
アクチュエータ5を介設した船舶において、更に、支柱
3の下部に設けた水平翼取付軸7に、水中翼4の基部を
前後回動可能に軸支し、前記水中翼4を船体1の内部に
配設した仰角変更用アクチュエータ22に操作ロッド9
を介して前後回動可能に構成したものである。
めの手段として、本発明は、次の如く構成したものであ
る。請求項1においては、船体1の船底1aに設けた支
柱取付軸2に、航走時に船体1を浮上させる向きに揚力
を発生させる水中翼4を備えた支柱3を前後方向に回動
可能に軸支し、前記支柱3と船底1aとの間に、支柱3
を前後回動方向に位置決め可能に支持する水中翼昇降用
アクチュエータ5を介設した船舶において、更に、支柱
3の下部に設けた水平翼取付軸7に、水中翼4の基部を
前後回動可能に軸支し、前記水中翼4を船体1の内部に
配設した仰角変更用アクチュエータ22に操作ロッド9
を介して前後回動可能に構成したものである。
【0007】請求項2においては、請求項1に記載の水
中翼付船舶において、水中翼4に作用する揚力と、水中
翼4及び支柱3に各々作用する抗力との合力の作用線U
が、船底1aに設けた回動軸である支柱取付軸2の前方
側で、かつ、水中翼4を支柱3に軸支する水平翼取付軸
7の後方側を通るように、前記水中翼4と支柱3を配置
したものである。
中翼付船舶において、水中翼4に作用する揚力と、水中
翼4及び支柱3に各々作用する抗力との合力の作用線U
が、船底1aに設けた回動軸である支柱取付軸2の前方
側で、かつ、水中翼4を支柱3に軸支する水平翼取付軸
7の後方側を通るように、前記水中翼4と支柱3を配置
したものである。
【0008】請求項3においては、請求項1記載または
2記載の水中翼付船舶において、支柱3を、水中翼昇降
用アクチュエータ5に対して、後方向きの外力が一定の
大き さ以下で支持し、かつ、一定の大きさを越える外力
に応じて、支柱3のみが水中翼昇降用アクチュエータ5
から離脱して後方に回動可能に構成したものである。
2記載の水中翼付船舶において、支柱3を、水中翼昇降
用アクチュエータ5に対して、後方向きの外力が一定の
大き さ以下で支持し、かつ、一定の大きさを越える外力
に応じて、支柱3のみが水中翼昇降用アクチュエータ5
から離脱して後方に回動可能に構成したものである。
【0009】請求項4においては、請求項1または2記
載の水中翼付船舶において、航走時の前後方向の船体1
の傾斜角である航走トリム角を検出する手段、及び、該
手段にて検出した航走トリム角の検出毎の値の平均値を
演算する手段を設けるとともに、最適航走トリム角を記
憶する記憶手段を設け、前記航走トリム角の平均値と最
適航走トリム角との差を演算し、その差に比例した揚力
変更値を揚力目標値に加算して新規揚力目標値とし、そ
の新規揚力目標値に応じて水中翼4の仰角を変更修正す
る水中翼昇降用アクチュエータ5を設けたものである。
載の水中翼付船舶において、航走時の前後方向の船体1
の傾斜角である航走トリム角を検出する手段、及び、該
手段にて検出した航走トリム角の検出毎の値の平均値を
演算する手段を設けるとともに、最適航走トリム角を記
憶する記憶手段を設け、前記航走トリム角の平均値と最
適航走トリム角との差を演算し、その差に比例した揚力
変更値を揚力目標値に加算して新規揚力目標値とし、そ
の新規揚力目標値に応じて水中翼4の仰角を変更修正す
る水中翼昇降用アクチュエータ5を設けたものである。
【0010】請求項5においては、請求項1または2記
載の水中翼付船舶において、船体1と水中翼4の両方で
船体質量を分担支持するように構成し、その水中翼4の
揚力を一定値に維持するように、仰角変更用アクチュエ
ータ22により、水中翼仰角を制御すべく構成したもの
である。
載の水中翼付船舶において、船体1と水中翼4の両方で
船体質量を分担支持するように構成し、その水中翼4の
揚力を一定値に維持するように、仰角変更用アクチュエ
ータ22により、水中翼仰角を制御すべく構成したもの
である。
【0011】
【作用】次に、作用について説明する。請求項1の如く
構成したことによって、水中翼付船舶の航走時におい
て、水中翼の仰角を水中翼押下力付勢手段(仰角変更用
アクチュエータ)を介して調節することができる。ま
た、請求項2の如く構成したことによって、水中翼の揚
力と抗力との合力の作用線(揚力作用線)が支柱の回動
軸より前方を通るので、水中翼の揚力を利用して支柱の
船体への回動軸回りのモーメントが支柱を前方に回動さ
せる方向に作用するようにし、水中翼を作動状態位置で
ある最下位置に固定することができる。
構成したことによって、水中翼付船舶の航走時におい
て、水中翼の仰角を水中翼押下力付勢手段(仰角変更用
アクチュエータ)を介して調節することができる。ま
た、請求項2の如く構成したことによって、水中翼の揚
力と抗力との合力の作用線(揚力作用線)が支柱の回動
軸より前方を通るので、水中翼の揚力を利用して支柱の
船体への回動軸回りのモーメントが支柱を前方に回動さ
せる方向に作用するようにし、水中翼を作動状態位置で
ある最下位置に固定することができる。
【0012】また、請求項3の如く構成したことによっ
て、アクチュエータにて支柱を介して水中翼を作動状態
位置である最下位置及び収納位置の前後回動可能である
とともに、支柱に障害物等が衝突したときには、前記ア
クチュエータの容量及び作動位置に関係なく、支柱とア
クチュエータとの係合が外れて支柱が後方へ回動する。
また、請求項4の如く構成したことによって、自動的に
水中翼の仰角を調節することができ、船体抵抗が最小と
なる航走トリム角となるようにし、船体と水中翼との揚
力を最適な分担割合とすることができる。さらにまた、
請求項5の如く構成したことによって、船体と水中翼の
両方で船体質量を分担する際の分担率を一定に保つよう
にして、船体の姿勢を安定させ、しかも最適分担率の設
定により航走抵抗を最小にすることができる。
て、アクチュエータにて支柱を介して水中翼を作動状態
位置である最下位置及び収納位置の前後回動可能である
とともに、支柱に障害物等が衝突したときには、前記ア
クチュエータの容量及び作動位置に関係なく、支柱とア
クチュエータとの係合が外れて支柱が後方へ回動する。
また、請求項4の如く構成したことによって、自動的に
水中翼の仰角を調節することができ、船体抵抗が最小と
なる航走トリム角となるようにし、船体と水中翼との揚
力を最適な分担割合とすることができる。さらにまた、
請求項5の如く構成したことによって、船体と水中翼の
両方で船体質量を分担する際の分担率を一定に保つよう
にして、船体の姿勢を安定させ、しかも最適分担率の設
定により航走抵抗を最小にすることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図1は、
水中翼付船舶の側面図、図2は、船体1の船底1aに設
けた水中翼4の部分を示す側面断面図、図3は、水中翼
4の揚力制御工程を示すフローチャートである。図1・
図2において、水中翼付船舶の船体1の船底1a後部に
は、推進装置Aが配設されており、船底1aの深い位置
となる略中央部の中心線上の部分には、水中翼4が配設
されている。該水中翼4は、揚力を発生させる為に左右
水平に設けた翼状の部材からなり、その中央部には上方
へ突出した板状部6が立設され、該板状部6の中途部に
は平板状の整流板12が設けられ、上端部には水中翼連
結部15が形成されている。該水中翼連結部15は、支
柱3の下端部に形成されている水中翼取付部8に回動軸
となる水平翼取付軸7を介して前後方向に回動自在に軸
支されており、前記支柱3の上端後部には、後方へ突出
した支柱連結部13が形成され、該支柱連結部13の後
端部は、船底1aに垂設されている支柱取付部14に回
動軸となる支柱取付軸2を介して前後方向に回動自在に
軸支されている。
水中翼付船舶の側面図、図2は、船体1の船底1aに設
けた水中翼4の部分を示す側面断面図、図3は、水中翼
4の揚力制御工程を示すフローチャートである。図1・
図2において、水中翼付船舶の船体1の船底1a後部に
は、推進装置Aが配設されており、船底1aの深い位置
となる略中央部の中心線上の部分には、水中翼4が配設
されている。該水中翼4は、揚力を発生させる為に左右
水平に設けた翼状の部材からなり、その中央部には上方
へ突出した板状部6が立設され、該板状部6の中途部に
は平板状の整流板12が設けられ、上端部には水中翼連
結部15が形成されている。該水中翼連結部15は、支
柱3の下端部に形成されている水中翼取付部8に回動軸
となる水平翼取付軸7を介して前後方向に回動自在に軸
支されており、前記支柱3の上端後部には、後方へ突出
した支柱連結部13が形成され、該支柱連結部13の後
端部は、船底1aに垂設されている支柱取付部14に回
動軸となる支柱取付軸2を介して前後方向に回動自在に
軸支されている。
【0014】前記水中翼4の板状部6の上方後端部に
は、水中翼4の仰角を変更する為の操作ロッド9の下端
部がピン10にて枢結されており、前記操作ロッド9の
上端部には、プッシュロッド11の下端部がピン10に
て枢結されている。前記プッシュロッド11は、支柱3
の後端部の内側で上下位置に配設されているスライド軸
受け20・20を介して上下方向に摺動可能に装着さ
れ、下部には戻しバネ21が付設されており、前記プッ
シュロッド11の上端は、支柱3が水中翼4の作動状態
位置である最下位置のときに船底1aに配置されている
上下方向に駆動可能な仰角変更用アクチュエータ22
(油圧シリンダ)の下端に当接するように構成され、そ
の位置決めは支柱3の上端前部に設けられているセッテ
ィングボルト23を介して調節可能とされている。
は、水中翼4の仰角を変更する為の操作ロッド9の下端
部がピン10にて枢結されており、前記操作ロッド9の
上端部には、プッシュロッド11の下端部がピン10に
て枢結されている。前記プッシュロッド11は、支柱3
の後端部の内側で上下位置に配設されているスライド軸
受け20・20を介して上下方向に摺動可能に装着さ
れ、下部には戻しバネ21が付設されており、前記プッ
シュロッド11の上端は、支柱3が水中翼4の作動状態
位置である最下位置のときに船底1aに配置されている
上下方向に駆動可能な仰角変更用アクチュエータ22
(油圧シリンダ)の下端に当接するように構成され、そ
の位置決めは支柱3の上端前部に設けられているセッテ
ィングボルト23を介して調節可能とされている。
【0015】前記仰角変更用アクチュエータ22は、船
体1内に配置されているタンクT内の作動油を油圧ポン
プPにて吸入し加圧して供給される圧油にて駆動され、
その駆動制御はコントローラCからの信号にて操作され
るリリーフ弁24にて圧油の圧力を調節することによっ
て行われる。すなわち、前記仰角変更用アクチュエータ
22の圧力に比例した力と、支柱3内に設けたプッシュ
ロッド11及び操作ロッド9を介して伝わる水中翼4の
揚力に比例した力がバランスすることによって、自動的
に水中翼4の仰角を変更調節可能に構成されている。ま
た、前記仰角変更用アクチュエータ22は、船体1内に
設けられて障害物等に影響されないので、耐久性の向上
を図ることができ、水中翼4の仰角を確実に制御するこ
とができる。
体1内に配置されているタンクT内の作動油を油圧ポン
プPにて吸入し加圧して供給される圧油にて駆動され、
その駆動制御はコントローラCからの信号にて操作され
るリリーフ弁24にて圧油の圧力を調節することによっ
て行われる。すなわち、前記仰角変更用アクチュエータ
22の圧力に比例した力と、支柱3内に設けたプッシュ
ロッド11及び操作ロッド9を介して伝わる水中翼4の
揚力に比例した力がバランスすることによって、自動的
に水中翼4の仰角を変更調節可能に構成されている。ま
た、前記仰角変更用アクチュエータ22は、船体1内に
設けられて障害物等に影響されないので、耐久性の向上
を図ることができ、水中翼4の仰角を確実に制御するこ
とができる。
【0016】そして、前記水中翼4の揚力と抗力との合
力の作用線(揚力作用線)Uが前記支柱取付軸2の位置
より前方で、かつ、水平翼取付軸7の位置より後方を通
るように水中翼4の相対位置を設定し、該水中翼4の揚
力が発生すると、その力を利用して、支柱3の船体1へ
の支柱取付軸2の回りのモーメントが支柱3を前方に回
動させる方向に作用するようにし、支柱3を作動状態位
置である最下位置に固定するように構成されている。ま
た、前記水中翼4は、支柱3を介して前後方向に回動可
能に支持されており、前記支柱3と船底1aとの間に
は、水中翼昇降用アクチュエータ(油圧シリンダ)5が
介設されている。該アクチュエータ5の基部は、船底1
aに垂設されているアクチュエータ取付部25に軸支さ
れており、先端部は前記支柱取付軸2に基部が軸支され
ている連結部材16の側方に突出した突出部16bの下
面に垂設されているアクチュエータ取付部26に軸支さ
れている。
力の作用線(揚力作用線)Uが前記支柱取付軸2の位置
より前方で、かつ、水平翼取付軸7の位置より後方を通
るように水中翼4の相対位置を設定し、該水中翼4の揚
力が発生すると、その力を利用して、支柱3の船体1へ
の支柱取付軸2の回りのモーメントが支柱3を前方に回
動させる方向に作用するようにし、支柱3を作動状態位
置である最下位置に固定するように構成されている。ま
た、前記水中翼4は、支柱3を介して前後方向に回動可
能に支持されており、前記支柱3と船底1aとの間に
は、水中翼昇降用アクチュエータ(油圧シリンダ)5が
介設されている。該アクチュエータ5の基部は、船底1
aに垂設されているアクチュエータ取付部25に軸支さ
れており、先端部は前記支柱取付軸2に基部が軸支され
ている連結部材16の側方に突出した突出部16bの下
面に垂設されているアクチュエータ取付部26に軸支さ
れている。
【0017】前記連結部材16は、支柱連結部13の内
側に設けられており、先端部には前記支柱連結部13の
内側に架設されているピン19を係止する為の係止部1
6aが形成されているとともに、バネ17に付勢されて
前記突出部16b先端上面にて位置決めされている係止
部材18が枢結されている。該係止部材18には、ノッ
チ状の係止部18aが形成され、該係止部18aには、
支柱連結部13の内側に架設されているピン19に係合
されている。
側に設けられており、先端部には前記支柱連結部13の
内側に架設されているピン19を係止する為の係止部1
6aが形成されているとともに、バネ17に付勢されて
前記突出部16b先端上面にて位置決めされている係止
部材18が枢結されている。該係止部材18には、ノッ
チ状の係止部18aが形成され、該係止部18aには、
支柱連結部13の内側に架設されているピン19に係合
されている。
【0018】このように支柱3は、連結部材16の係止
部16aと係止部材18の係止部18aにピン19が係
合されることによって、水中翼昇降用アクチュエータ5
にて作動状態位置である最下位置、及び、水中翼4を上
方に移動して障害物等との接触を避けて保護する為の収
納位置に回動可能なように連結され、前方への回動に対
してはピン19が連結部材16の係止部16aに係止さ
れて取り外し不可であり、後方への回動に対してはアク
チュエータ5の位置に関係なく一定値以上の力が外部か
ら加わるとピン19が係止部材18のノッチ状の係止部
18aから外れて回動可能となるように構成されてい
る。
部16aと係止部材18の係止部18aにピン19が係
合されることによって、水中翼昇降用アクチュエータ5
にて作動状態位置である最下位置、及び、水中翼4を上
方に移動して障害物等との接触を避けて保護する為の収
納位置に回動可能なように連結され、前方への回動に対
してはピン19が連結部材16の係止部16aに係止さ
れて取り外し不可であり、後方への回動に対してはアク
チュエータ5の位置に関係なく一定値以上の力が外部か
ら加わるとピン19が係止部材18のノッチ状の係止部
18aから外れて回動可能となるように構成されてい
る。
【0019】そして、船体1の船底1aが船底滑走面と
なって揚力を発生し、水中翼4が水中に没して揚力を発
生して、双方の揚力が分担して船体重量を支えることに
よって、水中翼付船舶が航走するように構成されてい
る。該航走時に船体1の重量や重心位置の変化に応じて
船体1と水中翼4との揚力の分担割合が最適な状態とな
るように、船体1に設けられている傾斜センサーSにて
前後方向の船体傾斜角を検出し、その検出値をもとにコ
ントローラCを介してリリーフ弁24を操作し、仰角変
更用アクチュエータ22への圧油の油圧を調節して制御
し、水中翼4の揚力を調節することができるように構成
されている。以下、図3に示すフローチャートに従って
水中翼4の仰角を調節して最適な揚力を得る為の制御工
程について説明する。
なって揚力を発生し、水中翼4が水中に没して揚力を発
生して、双方の揚力が分担して船体重量を支えることに
よって、水中翼付船舶が航走するように構成されてい
る。該航走時に船体1の重量や重心位置の変化に応じて
船体1と水中翼4との揚力の分担割合が最適な状態とな
るように、船体1に設けられている傾斜センサーSにて
前後方向の船体傾斜角を検出し、その検出値をもとにコ
ントローラCを介してリリーフ弁24を操作し、仰角変
更用アクチュエータ22への圧油の油圧を調節して制御
し、水中翼4の揚力を調節することができるように構成
されている。以下、図3に示すフローチャートに従って
水中翼4の仰角を調節して最適な揚力を得る為の制御工
程について説明する。
【0020】先ず、船体1に設けた傾斜センサーSにて
航走時の前後方向の船体傾斜角(以下、航走トリム角と
いう)を検出し(ステップ1)、波浪による影響を除い
た航走トリム角を検知する為に一定時間(例えば、5秒
から10秒程度)内の航走トリム角の検出値の平均値を
演算して平均化した航走トリム角をもとめ(ステップ
2)、平均化した航走トリム角と予め設定しておいた最
適航走トリム角との差を演算し(ステップ3)、平均化
した航走トリム角と最適航走トリム角との差に比例した
揚力増減値を演算する(ステップ4)。
航走時の前後方向の船体傾斜角(以下、航走トリム角と
いう)を検出し(ステップ1)、波浪による影響を除い
た航走トリム角を検知する為に一定時間(例えば、5秒
から10秒程度)内の航走トリム角の検出値の平均値を
演算して平均化した航走トリム角をもとめ(ステップ
2)、平均化した航走トリム角と予め設定しておいた最
適航走トリム角との差を演算し(ステップ3)、平均化
した航走トリム角と最適航走トリム角との差に比例した
揚力増減値を演算する(ステップ4)。
【0021】そして、揚力目標値を、前ステップまでの
揚力目標値から揚力増減値を加算或いは減算した値に置
き換え、また、揚力目標値が最大揚力値と最小揚力値と
の範囲内であるかを判断し(ステップ5・6)、揚力目
標値が最大揚力値と最小揚力値との範囲をこえている場
合には修正し(ステップ7・8)、揚力目標値を変更す
る(ステップ9)。そして、その揚力目標値に対応して
水中翼4の仰角を調節し、船体抵抗が最小となる航走ト
リム角となるようにする。また、一定時間経過後に航走
トリム角の平均値をみて、揚力値の変更がまだ必要であ
る場合に再び揚力値の変更を行う。
揚力目標値から揚力増減値を加算或いは減算した値に置
き換え、また、揚力目標値が最大揚力値と最小揚力値と
の範囲内であるかを判断し(ステップ5・6)、揚力目
標値が最大揚力値と最小揚力値との範囲をこえている場
合には修正し(ステップ7・8)、揚力目標値を変更す
る(ステップ9)。そして、その揚力目標値に対応して
水中翼4の仰角を調節し、船体抵抗が最小となる航走ト
リム角となるようにする。また、一定時間経過後に航走
トリム角の平均値をみて、揚力値の変更がまだ必要であ
る場合に再び揚力値の変更を行う。
【0022】なお、前記水中翼4に作用する揚力は、水
平翼取付軸7とピン10との間に上向きに惹起され、前
記ピン10における分担支持力が、操作ロッド9及びプ
ッシュロッド11を経て仰角変更用アクチュエータ22
に伝わり、コントローラCの指令により設定される圧力
になるように油圧ポンプPからの油圧を開放調節するリ
リーフ弁24によって、前記仰角変更用アクチュエータ
22の油圧がプッシュロッド11の上下方向の位置を一
定に維持するように制御するのである。
平翼取付軸7とピン10との間に上向きに惹起され、前
記ピン10における分担支持力が、操作ロッド9及びプ
ッシュロッド11を経て仰角変更用アクチュエータ22
に伝わり、コントローラCの指令により設定される圧力
になるように油圧ポンプPからの油圧を開放調節するリ
リーフ弁24によって、前記仰角変更用アクチュエータ
22の油圧がプッシュロッド11の上下方向の位置を一
定に維持するように制御するのである。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構
成したことにより、水中翼付船舶の航走時において、水
中翼の仰角を水中翼押下力付勢手段(仰角変更用アクチ
ュエータ)を介して調節することができるので、船体の
重量や重心位置の変化に応じて、船体と水中翼との揚力
の分担割合を最適の状態にすることができ、船体にかか
る抵抗を最小とすることができ、安定した航走を行うこ
とができる。
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構
成したことにより、水中翼付船舶の航走時において、水
中翼の仰角を水中翼押下力付勢手段(仰角変更用アクチ
ュエータ)を介して調節することができるので、船体の
重量や重心位置の変化に応じて、船体と水中翼との揚力
の分担割合を最適の状態にすることができ、船体にかか
る抵抗を最小とすることができ、安定した航走を行うこ
とができる。
【0024】また、請求項2の如く構成したことによ
り、水中翼の揚力を利用して水中翼を作動状態位置であ
る最下位置に固定することができるので、支柱昇降用の
アクチュエータの容量は水中翼の格納位置に支柱を後方
回動させるのに必要なモーメントを発生させるだけでよ
く、小容量とすることができる。
り、水中翼の揚力を利用して水中翼を作動状態位置であ
る最下位置に固定することができるので、支柱昇降用の
アクチュエータの容量は水中翼の格納位置に支柱を後方
回動させるのに必要なモーメントを発生させるだけでよ
く、小容量とすることができる。
【0025】また、請求項3の如く構成したことによ
り、支柱に障害物等が衝突したときには、前記アクチュ
エータの容量及び作動位置に関係なく、支柱とアクチュ
エータとの係合が外れて支柱が後方へ回動するので、衝
撃吸収能力の設定自由度を大きくすることができ、衝撃
吸収能力の向上を図ることができる。
り、支柱に障害物等が衝突したときには、前記アクチュ
エータの容量及び作動位置に関係なく、支柱とアクチュ
エータとの係合が外れて支柱が後方へ回動するので、衝
撃吸収能力の設定自由度を大きくすることができ、衝撃
吸収能力の向上を図ることができる。
【0026】また、請求項4の如く構成したことによ
り、自動的に水中翼の仰角を調節することができ、船体
抵抗が最小となる航走トリム角となるようにし、船体と
水中翼との揚力を最適な分担割合とすることができるの
で、不安定な航走となることを未然に防止することがで
き、常に安定した航走を行うことができる。
り、自動的に水中翼の仰角を調節することができ、船体
抵抗が最小となる航走トリム角となるようにし、船体と
水中翼との揚力を最適な分担割合とすることができるの
で、不安定な航走となることを未然に防止することがで
き、常に安定した航走を行うことができる。
【0027】さらにまた、請求項5の如く構成したこと
により、船体と水中翼の両方で船体質量を分担支持する
ようにした船舶においては、その船体の姿勢が安定し、
船体と水中翼との揚力の分担割合の設定に応じて航走抵
抗を最小にすることができる。
により、船体と水中翼の両方で船体質量を分担支持する
ようにした船舶においては、その船体の姿勢が安定し、
船体と水中翼との揚力の分担割合の設定に応じて航走抵
抗を最小にすることができる。
【図1】水中翼付船舶の側面図である。
【図2】船体1の船底1aに設けた水中翼4の部分を示
す側面断面図である。
す側面断面図である。
【図3】水中翼4の揚力制御工程を示すフローチャート
である。
である。
1 船体 2 支柱取付軸2 3 支柱 4 水中翼 5 水中翼昇降用アクチュエータ 7 水平翼取付軸 9 操作ロッド 11 プッシュロッド 22 仰角変更用アクチュエータ C コントローラ S 傾斜センサー
Claims (5)
- 【請求項1】 船体1の船底1aに設けた支柱取付軸2
に、航走時に船体1を浮上させる向きに揚力を発生させ
る水中翼4を備えた支柱3を前後方向に回動可能に軸支
し、前記支柱3と船底1aとの間に、支柱3を前後回動
方向に位置決め可能に支持する水中翼昇降用アクチュエ
ータ5を介設した船舶において、更に、支柱3の下部に
設けた水平翼取付軸7に、水中翼4の基部を前後回動可
能に軸支し、前記水中翼4を船体1の内部に配設した仰
角変更用アクチュエータ22に操作ロッド9を介して前
後回動可能に構成したことを特徴とする水中翼付船舶。 - 【請求項2】 請求項1に記載の水中翼付船舶におい
て、水中翼4に作用する揚力と、水中翼4及び支柱3に
各々作用する抗力との合力の作用線Uが、船底1aに設
けた回動軸である支柱取付軸2の前方側で、かつ、水中
翼4を支柱3に軸支する水平翼取付軸7の後方側を通る
ように、前記水中翼4と支柱3を配置したことを特徴と
する水中翼付船舶。 - 【請求項3】 請求項1記載または2記載の水中翼付船
舶において、支柱3を、水中翼昇降用アクチュエータ5
に対して、後方向きの外力が一定の大きさ以下で支持
し、かつ、一定の大きさを越える外力に応じて、支柱3
のみが水中翼昇降用アクチュエータ5から離脱して後方
に回動可能に構成したことを特徴とする水中翼付船舶。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の水中翼付船舶に
おいて、航走時の前後方向の船体1の傾斜角である航走
トリム角を検出する手段、及び、該手段にて検出した航
走トリム角の検出毎の値の平均値を演算する手段を設け
るとともに、最適航走トリム角を記憶する記憶手段を設
け、前記航走トリム角の平均値と最適航走トリム角との
差を演算し、その差に比例した揚力変更値を揚力目標値
に加算して新規揚力目標値とし、その新規揚力目標値に
応じて水中翼4の仰角を変更修正する水中翼昇降用アク
チュエータ5を設けたことを特徴とする水中翼付船舶。 - 【請求項5】 請求項1または2記載の水中翼付船舶に
おいて、船体1と水中翼4の両方で船体質量を分担支持
するように構成し、その水中翼4の揚力を一 定値に維持
するように、仰角変更用アクチュエータ22により、水
中翼仰角を制御すべく構成したことを特徴とする水中翼
付船舶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31611893A JP3242512B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水中翼付船舶 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31611893A JP3242512B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水中翼付船舶 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07165155A JPH07165155A (ja) | 1995-06-27 |
JP3242512B2 true JP3242512B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=18073451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31611893A Expired - Fee Related JP3242512B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水中翼付船舶 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3242512B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5319393B2 (ja) * | 2009-05-22 | 2013-10-16 | ヤンマー株式会社 | 水中翼を備えた船舶 |
JP5319394B2 (ja) * | 2009-05-22 | 2013-10-16 | ヤンマー株式会社 | 水中翼を備えた船舶 |
JP5319508B2 (ja) * | 2009-12-08 | 2013-10-16 | ヤンマー株式会社 | 水中翼を備えた船舶 |
JP5435791B2 (ja) * | 2009-12-08 | 2014-03-05 | ヤンマー株式会社 | 水中翼を備えた船舶 |
KR101716189B1 (ko) * | 2016-05-04 | 2017-03-14 | 한화테크윈 주식회사 | 부가물 각도 제어 시스템 |
FR3089200B1 (fr) | 2018-12-04 | 2021-07-16 | Univ Montpellier | Ensemble support pour élément profilé |
CN111422297B (zh) * | 2020-04-09 | 2022-09-09 | 李中应 | 一种舰船自动力多途径加速装置 |
SE2250037A1 (en) * | 2022-01-17 | 2023-07-18 | Candela Tech Ab | A strut for a profiled element of a marine vessel |
SE545711C2 (en) * | 2022-04-19 | 2023-12-19 | Mantaray Hydrofoil Craft Ab | A hydrofoil arrangement |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP31611893A patent/JP3242512B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07165155A (ja) | 1995-06-27 |
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