JPS5838360B2 - シヨウコウシキホウコウダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として船外機を備えた船や船内機ユニット
および船外機ユニットないしはその一方を備えつけた舶
用の昇降式方向舵に関する。

本発明は、とくに、低速運転時にその進路の安定性を失
ない、かじ取り性能の悪化するプラニング、セミプラン
グベセルズ（Ｐ ｆａｎｎｉｎｇ ａｎｄｓｅｍ ｉｐ
ｌａｎｎｉｎｇ ｖｅｓｓｅｌｓ ）に適用されるもの
である。

従来、このような、船外機などでは、低速時の操舵力の
向上を図るために、推進機の後方に小型の舵、いわゆる
トリムタブを垂下している。

しかしながら、このようなトリムタブでは、通常の舵に
比べてその表面積が極端に小さいため低速時における水
流に対しては、その機能ウＳ発揮されず、逆に高速時に
おいて、その影響が表われ、かじ取り操作が不安定とな
っている。

そこで、低速時における上述のタイプの船の方向安定性
を増大させるために、モーターあるいは駆動ユニットの
水中部品にトリムタブに比べて表面積の大きい方向舵を
とりつけ、この方向舵を推進機の後流（Ｓｌｉｐｓｔｒ
ｅａｍ ）中に配置して水中部品の動きに従うようにし
たものがある。

このような従来の方向蛇の欠点は、船の速度が約１０ノ
ット以上になると方向舵力が大きくなるということであ
る。

この結果、大きな方向舵力のためにかじ取り機構をほん
の少し動かすだけで船が転覆するおそれがあり、高速時
におけるかじ取り操作が危険なものになるということで
ある。

その上、船そのものが高速時におけるかじ取り操作のた
めに大きナ努力を必要とする。

本発明の目的は、高速時における従来の方向舵のもつ欠
点を解消するとともに低速度における達切な船の進路方
向の安定さとかじ取り性能を改良することにある。

この目的は、所定速度に到達するまで推進機の後流中に
表面積の大きい方向舵翼が垂設され、この方向舵翼が推
進機の水流作用域を縦断して水流方向を規制するように
配置されていることを内容とする本発明によって達威さ
れる。

前記所定速度以上においては方向舵は該方向舵翼の最下
端部に設けられた後述する調節翼などの作用によって自
動的に垂直方向に移動し、後流の流域から離れる。

この結果、前記所定速度以上では方向舵は船の進路方向
の安定さとかじ取り性能にほとんど影響を及ぼさないよ
うになる。

方向舵を動かすのに必要な垂直方向の力は、推進機の後
流の一部の流れの方向を方向舵の重心を通る垂直軸と交
差する軸で支持されている調節翼あるいは調節板によっ
て変えてやることにより得られる。

本発明によれば、特別の方向舵力は低速時においてのみ
もたらされる。

このため、船の進路方向が安定し、船が直進することが
でき、これによって燃料の節約ができ、運転者は度々の
走行修正のために緊張し、警かいをしている必要がなく
なる。

また非常に浅い水域を通過するときは手動によって方向
舵を持ち上ることもできる。

さらに方一船が座礁などした時は方向舵は上方に移動し
、このため方向舵が損傷することが防止される。

たとえば、船が波から波へと軽くジャンプして進む高速
運転時に方向舵が落下しないようにするため、方向舵は
最上部でロックざれるようになっている。

推進機の後流中における所望の舵面積は、スペーサーに
よって方向舵機構を支持することにより調節される。

このため大きさの異なる船に同一の方向舵を用いること
ができる。

本発明の一例にしか過ぎない実施例を図示する。

第１図は船外機ユニットのキャビテーション・プレート
に設けた本発明の方向舵の側面図、第２図は本発明の係
る方向舵の背面図（図には船外機ユニットのウチキャビ
テーション・プレートだけが点線で示されている）、第
３図は第２図のＡ −Ａ線による断面図であり、同図に
はトップ位置に方向舵をロックしているロック機構とと
もに、方向舵の調節翼と方向舵に対するかじ取り棒の附
属品を示してある。

船外駆動ユニットのキャピテーション・プレートに対す
るアタッチメント用の取り付け枠は、アングルアイアン
５、トッププレート６およびフラモトアイアン８によっ
て構成される。

トッププレート６は方向舵翼１を挿通すべき長手力向の
スリツ｝６ａを有している０方向舵翼１はアングルアイ
アンＩによって横方向に案内されるようになっており、
さらにガイド４内で動くことのできるかじ取り棒３が進
行方向と横方向の両方向に方向舵翼１を案内する働きを
もっている。

この方向舵翼１の両側面には、調節翼２が傾斜して設け
られており、この調節翼２は推進機からの水流に作用し
て方向舵翼１に垂直方向の力を付与するものである。

この垂直方向の力がある条件のもとに方向舵翼１を最上
位まで持ち上げる０昇降部としてのかじ取り棒３の一方
には、所定個所に保合部としての凹部３ａが設けられて
おり、船が設定速度に達したとき、ロック手段としてト
ッププレート６に支持された円筒状のピン１２が該凹部
３ａに係合し、方向舵翼１を上昇位置でロックするもの
である。

上記ピン１２はトッププレート６にボルト締めされた板
バネ１１に支持されており、該ピン１２は板バネ１１の
付勢力によってガイド４に穿設された孔４ａを通してか
じ取り棒３の周面に圧接されている。

この板バネ１１の上部には面積を大きくして水流に作用
する解除手段としての作用面１１ａが設けられ、水流の
作用によって板バネ１１をかじ取り棒３から離間させる
ことによってピン１２を凹部３ａから解除するようにし
ている。

なお、上記ピン１２は板バネ１１の付勢力によってかじ
取り棒る側に移動すれるが、他の手段によって移動させ
てもよい。

９，１０はＴ型の支持板である。

板バネ１１の後方への動きはかじ取り棒３のガイド４に
配設したストッパー１３によって制限をうける。

次に本発明の動作を説明する。

低速で船が航行しているときは、方向舵１翼は、推進機
の後流側の水流作用域を縦断して水流方向を規制し、安
定したかじ取りを行なうことができる０ そして、船が高速になるにしたがって、調節翼２に水流
が作用して方向舵翼１が上昇し、方向舵力を低減する。

次いで、船が設定速度に達すると板バネ１１が水面に浮
上し、水流が作用面１１ａに作用しなくなるので、ピン
１２は板バネ１１の付勢力によってかじ取り棒３に圧接
する。

そして、このとき、方向舵翼１も水面上に押し上げられ
、かじ取り棒３の凹部３ａがピン１２によって係止され
、方向舵１翼１は上昇位置でロックされる。

こうして、高速時における方向舵力の低減によってかじ
取り操作の安全を図ることができる。

次に、船が減速して来ると、船体が降下し、板バネ１１
が水中に沈む。

そして、作用面１１ａに水流が作用して、板バネ１１を
付勢力に抗してかじ取り棒３から引き離し、ピン１２を
凹部３ａから解除する。

こうして、方向舵翼１は降下し、調節翼２の及ぼす揚力
に応じた位置に保たれる。

このように本発明の昇降式方向舵によれば、船が低速に
なると推進手段の水流作用域を縦断して、水流方向を規
制すべく方向舵翼を十分大きく設定したので、従来のト
リムタブに比して低速時における操舵力が著しく向上し
、船の進路方向の安定化および直進性の向上を図ること
ができる。

また方向舵翼に揚力を付与する手段を該方向舵翼の最下
端部に設け、かつ、船が設定速度に達すると水面上に完
全に浮上すべく上記方向舵翼を上昇位置でロックする構
成としたので、高速時には方向舵翼による操舵力を低減
し、設定速度ではその影響をほとんど除去することがで
きる。

さらに、水流が作用する作用面を有し、かつ水流の作用
によって応動し、ロック手段を昇降部側から離間させる
解除手段を、設定速度で、水面上に作用面が位置し、か
つ設定速度以下で、水中に作用面が位置するように設け
たので、船が低速になると、方向舵翼を降下して、操舵
力を増大することができる。

以上特定の実施例を参照しながら本発明を説明してきた
が、この技術分野における技術者にとっては、本発明の
技術的思想と付記クレームから逸脱することなしに種々
の実施態様が行なわれうろことは明白である。

付記 １ 水平面に対し望ましくは傾斜している２枚の調節板
あるいは調節翼を備えたことを特徴とするクレーム１記
載の昇降式方向蛇。

２ 前記２枚の傾斜調節翼の枢軸が方向舵の重心を通る
縦軸と交差していることを特徴とする付記１記載の昇降
式方向舵。

３ 船外駆動ユニットのキャビテーション・７”Ｖート
に設けた剛性枠が、アングル・アイアンなどを誘導した
り、水平方向の力を吸収するのに必要な方向舵にとりつ
けた棒を誘導することによって方向舵を正しい位置に維
持するようにしたことを特徴とする前記クレーム１、付
記３記載の昇降式方向舵。

４ 上部位置における方向舵が、水流によってコントロ
ールされる板バネに設けた円筒状のピンによって自動的
にロックされたり、ロックをとかれたりすることを特徴
とする前記クレーム１〜付記１，２．３記載の昇降式方
向舵。

５ モーターのスピード調節機構との同時作用によって
ロックがとかれることを特徴とする付記４記載の昇降式
方向舵。

【図面の簡単な説明】

第１図は船外機ユニットのキャビテーション・プレート
に設けた本発明の方向舵の側面図、第２図は本発明に係
る方向舵の背面図（図には船外機ユニットのウチキャビ
テーション・プレートだけが点線で示されている）、第
３図は第２図のＡ−Ａ線による断面図であり、同図には
トップ位置に方向舵をロックしているロック機構ととも
に、方向舵の調節翼と方向舵に対するかじ取り棒の附属
品を示してある。 １・・・・・・方向舵翼、２・・・・・・調節翼、３・
・・・・・かじ取り棒、３ａ・・・・・・凹部、１１・
・・・・・板バネ、１１ａ・・・・・・作用面、１２・
・・・・・ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 方向可変推進手段の後流側に、該推進手段と一体的
   に旋回可能に支持されるとともに船体に対して昇降可能
   な方向舵翼を設け、かつ所定個所に係合部を設けた昇降
   部と、上記方向舵翼の最下端部に設けられ、水流に作用
   して上記方向舵翼に揚力を付与する調節翼と、上記船体
   側に支持されるとともに上記昇降部側に移動可能に設け
   られたロック手段と、船が設定速度に達すると上記ロッ
   ク手段を上記昇降部側に移動させる手段と、船が設定速
   度以下になると作動し、上記ロック手段を昇降部側から
   離間させる解除手段とを備え、上記昇降部の係合部を、
   船が設定速度に達したとき上記ロック手段に対向する位
   置に設けたことを特徴とする舶用の昇降式方向舵。