JP3241551B2 - 荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法 - Google Patents

荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法

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JP3241551B2 JP27894494A JP27894494A JP3241551B2 JP 3241551 B2 JP3241551 B2 JP 3241551B2 JP 27894494 A JP27894494 A JP 27894494A JP 27894494 A JP27894494 A JP 27894494A JP 3241551 B2 JP3241551 B2 JP 3241551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、半導体集積回
路の製造工程等において、いわゆる部分一括方式の電子
ビーム露光のマスクとして用いられる荷電粒子線露光用
マスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高集積化への要請は近
年ますます加速されるばかりであり、これにともなっ
て、微細パターン露光のさらなる微細化が急務となって
いる。
【0003】現在、微細パターン露光は、光によるフォ
トリソグラフィー法が主流であるが、このフォトリソグ
ラフィー法は、光の波長に起因する原理的な限界があ
る。このため、近年、光に比較して原理的に高分解能を
有するX線、あるいは、電子ビームやイオンビーム等の
荷電粒子線を用いた方法の実用化が種々検討されてい
る。
【0004】この中で、電子ビームを用いた電子ビーム
露光については、従来からいわゆる一筆書きの描画によ
る露光方法が実用化されているが、この方法は、露光に
著しい時間を要する(スループットが低いという場合が
ある)ことから、大量の製品を迅速に製造するために迅
速な露光が要請される工程には用いることはできない。
このため、最近、例えば、露光パターン中に繰り返して
表れる種々の要素的パターンを、マスクを用いた転写方
式で露光できるようにし、これら種々の要素的パターン
転写を組み合わせることによって所望のパターンの露光
を迅速に行なえるようにした、いわゆる部分一括露光
(ブロック露光又はセルプロジェクション露光という場
合もある)方法が提案されている。この方法に用いられ
るマスクは、通常、多数の互いに異なる要素的パターン
が1枚のマスクに形成されているものであり、このマス
クを用いた露光は、1つの要素的パターンの転写が終了
すると、電子ビームを偏向させるかもしくはマスクを移
動させるかもしくはその双方を行なう等によって次の要
素的パターン転写を行なうようにしている。
【0005】ところで、上述の電子ビームによる部分一
括露光方法等のような荷電粒子線露光に用いられる荷電
粒子線露光用マスクは、一般に、支持枠部に支持された
薄膜部に荷電粒子線を通過させる貫通パターンが形成さ
れたものである。すなわち、荷電粒子線を良好に通過さ
せるような物質はないことから、荷電粒子線を通過させ
る部分にはいかなる物質も存在させることができないの
で、この部分は貫通されていなければならない。また、
この貫通パターンを厚い板等に形成すると、通過する電
子ビームが貫通パターンの側壁の影響を受けて正確な転
写が行われなくなるので、貫通パターンは薄膜に形成さ
れなければならない。また、薄膜を平面精度を保って支
持するためには所定強度を有する支持枠部が必要とな
る。
【0006】従来の荷電粒子線露光用マスクとしては、
例えば、基板に放電加工による貫通パターンを形成する
方法や、感光ガラスを用いる方法等の報告例がある。し
かし、これらの方法は、露光における耐久性や加工精度
等を考慮すると十分でない。このため、最近、基板表面
に薄膜を張り付けておき、基板裏面から支持枠部と張り
付け形成した薄膜とが残るように基板を湿式エッチング
することによって支持枠部と薄膜部とを形成するように
し、一方、この薄膜部に形成する貫通パターンは、上記
薄膜部形成の湿式エッチングの前又は後にドライエッチ
ングによって形成するようにした方法が注目されてきて
いる。この方法のうち、貫通パターンを薄膜部形成の後
に形成する方法の具体的手順は次の通りである。
【0007】まず、厚さ500μm程度のSiウエハ等
のSi基板表面に厚さ1μm程度のSiO2 層を挾んで
薄い(厚さ40μm程度)Si板を貼りあわせ、この薄
いSi板を研摩して厚さ20μm程度の薄膜状にしてS
OI基板を作製する。次に、このSOI基板全面にSi
を対象とする湿式エッチングに耐性のあるSi3 N4等
のシリコン窒化膜を形成する。次に、基板裏面のシリコ
ン窒化膜にドライエッチングよって支持枠部となる部分
を残して薄膜部となる部分を除去するパターンニングを
施す。次に、このパターンニングされたシリコン窒化膜
をマスクにして、湿式エッチングにより基板のうちの支
持枠部となる部分を残し、薄膜部となる領域を基板裏面
から浸蝕して取り除く。これによって、支持枠部に上記
貼りあわせた薄膜が支持されたものを得る。次に、上記
シリコン窒化膜をある種の湿式エッチングもしくはドラ
イエッチングによって除去する。そして、上記薄膜部に
ドライエッチングによって貫通パターンを形成する。な
お、この貫通パターン形成のために用いるマスクとなる
膜は、上記シリコン窒化膜を形成する前に予め形成して
おいてもよいし、また、支持枠部と薄膜部とを形成した
後に形成してもよい(詳しくは、例えば、特開平6ー1
30655号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板上に貼
付け形成した薄膜で貫通パターンを形成する薄膜部を構
成するようにした上述のものにおいては、製造中あるい
は使用中にこの貼付け形成した薄膜の膜剥がれや皺発生
等の可能性がどうしても残ってしまう。それゆえ、その
様な可能性をできるだけ小さくするために種々の場面で
細心の配慮が必要となる。また、この種の荷電粒子線露
光用マスクの製造についても、歩留まり性の向上やコス
ト面等からその製造工程ができるだけ単純であることが
望ましいが、上述の基板上に形成した薄膜で貫通パター
ンを形成する薄膜部を構成するようにした方法は、基板
のエッチングや貫通パターンの形成工程の前に、基板表
面にSiO2 層を挾んで薄いSi板を貼りあわせ、この
薄いSi板を研摩する等によってSOI基板を作製する
工程がどうしても必要であるので、工程を単純化するに
は不利であるという問題がある。
【0009】しかも、SOI基板は、表面に貼り合わさ
れた薄膜状Siと基板Siとの間がSiO2 膜によって
電気的に絶縁されていることから、仮に導電層で覆って
もその導電層と基板との間の多くがSiO2 によって絶
縁されることになる為に電子線露光時にどうしてもチャ
ージアップしやすい。それゆえ、その対策法として、例
えば、上記薄膜状Siと基板Siとの間の全面に一様に
SiO2 膜を介在させる代わりに、薄膜部となる領域に
は絶縁膜を介在させ、それ以外の領域には導電膜(ポリ
Si、高不純物濃度Siエピ層等)を介在させるように
した方法も提案されている(特開平4ー216613号
公報参照)。
【0010】しかし、この提案にかかる方法を実施する
には、上述の貼り合わせ工程に加えて、リソグラフィー
技術によって絶縁膜をパターン加工する工程と、この絶
縁膜の一部を除去した領域跡に導電膜を埋め込む工程
と、これら絶縁膜と導電膜とを平坦化する工程が含まれ
てしまうので、さらなる工程増加は免れず、製造工程が
より複雑・困難になってしまい、コスト上昇、歩留まり
低下を余計に生じてしまうおそれがある。
【0011】以上のような問題を解決できる方法とし
て、Si基板の一部をエッチングによって除去して支持
枠部を構成する部分と薄膜部を構成部分のみを残すこと
により、支持枠部と薄膜部とが共に基板の一部からなる
一体のもので構成される荷電粒子線露光用マスク(以
下、ベアSi基板マスクと略称する)を得るようにした
方法が考えられる(例えば、特開平ー144119号公
報参照)。もし、実際にこの様な方法で製造可能であれ
ば、Si基板表面にSiO2 層を挾んで薄いSi板を貼
りあわせ、この薄いSi板を研摩する等によってSOI
基板を作製する工程が不要となり、また、表面の薄膜状
Si膜とSi基板との間に絶縁膜が介在されることもな
いから、工程の単純化ができ、また、表面に導電膜を形
成しておけば比較的容易にチャージアップ防止を図るこ
とも可能となる。
【0012】しかしながら、現実にはこのベアSi基板
を用いた方式の荷電粒子線露光用マスクは未だ実用レベ
ルでは得られていない。これは、ベアSi基板を用いた
方式の荷電粒子線露光用マスクを製造しようとする場
合、最初に薄膜部を形成し、次いでこの薄膜部に貫通パ
ターンを形成する方法と、逆に、貫通パターン用の凹状
パターンを形成してから、次いで薄膜部形成のためのエ
ッチングを行って薄膜部形成と同時に凹状パターンの底
部を貫通する方法とが考えられるが、いずれも従来のパ
ターン形成方法やエッチング技術をそのまま適用しただ
けでは、支持枠部以外をエッチングによって薄膜に形成
し、しかも薄膜部に貫通パターンを形成することが著し
く困難であり、実用レベルを考えると、不可能に近いも
のであったためである。以下にその事情を若干具体的に
説明する。
【0013】まず、先に薄膜部を形成してから貫通パタ
ーンの形成を行う場合を考える。この場合には、形成し
た薄膜部にレジスト形成、露光及びパターニング工程を
施す必要があるが、この薄膜部の膜厚が20μm程度と
薄いことから、これらの工程は細心の注意のもとで行う
必要があり、各工程の作業が著しく煩雑で困難なものと
なる。また、荷電粒子線露光用マスクの貫通パターンサ
イズは、最小寸法が2μm程度であるので、サイズの観
点からは一般的なコンタクト露光方法で十分な解像度が
得られるレベルであるが、薄膜にコンタクト露光を施す
ことを考えると、ハードマスクとのコンタクト時に薄膜
部に破損を生じるおそれがあることから密着露光を行え
ないために十分な解像度を確保することが困難となる。
結局、十分な解像度を確保するためには、ステッパー等
の縮小投影露光等の非接触高解像露光法を必要とする
が、これらの非接触高解像用装置は高価であり、コスト
増加を生じてしまうばかりか、スループットの低下をき
たすおそれもあるので、現実的でない。
【0014】次に、貫通パターン用の凹状パターンを形
成した後に、薄膜部形成を行う場合を考える。そうする
と、この貫通パターン用の凹状パターンを形成した部分
はSiが露出することになるので、そのままではウエッ
トエッチング液によって浸食されてしまう。それゆえ、
この部分をエッチング液に対して保護することが必要に
なる。この保護に用いることができる保護材(マスク
材)としては、CVD法により形成したSiN系やSi
O2 系の無機薄膜があるが、最大アスペクト比が5以上
になるような貫通パターン部分にエッチング液のしみこ
みが全くない無欠陥層を形成することは著しく困難で、
実際上は不可能に近いものであった。しかも、CVD法
による無機膜形成においては、最低300℃以上の条件
下で成膜する必要があり、その熱ストレスで貫通パター
ン部分が損傷を受けるおそれもある。
【0015】この様な事情により、ベアSi基板を用い
た方式の荷電粒子線露光用マスクは、アイデアとしては
存在していても未だ実用レベルでは得られていない。し
かも、仮に、ベアSi基板で薄膜化してそれに貫通パタ
ーンを形成できるとしても、チャージアップ防止のため
には、さらに導電膜を形成する必要があると考えられて
いたのでこの導電膜の存在によって工程はより複雑・困
難なものになると考えられる。
【0016】本発明は、上述の背景に基づいてなされた
ものであり、製造工程が単純で製造が容易であり、しか
も、耐久性に優れた荷電粒子線露光用マスク及びその製
造方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる荷電粒子線露光用マスクは、 (構成1) 支持枠部に支持された薄膜部に荷電粒子線
を通過させる貫通パターンを有し、前記支持枠部と薄膜
部とが基板の一部を除去することにより形成されたもの
であって共に前記基板の一部からなる一体のもので構成
された荷電粒子線露光用マスクにおいて、前記基板は、
リン又はボロンのいずれか一方又は双方を含んで導電性
を備えたものであることを特徴とする構成とした。
【0018】また、本発明にかかる荷電粒子線露光用マ
スク製造方法は、 (構成2) 支持枠部に支持された薄膜部に荷電粒子線
を通過させる貫通パターンを有し、前記支持枠部と薄膜
部とが基板の一部を除去することにより形成されたもの
であって共に前記基板の一部からなる一体のもので構成
された荷電粒子線露光用マスクを製造する荷電粒子線露
光用マスク製造方法において、基板表面に貫通パターン
となるパターンをエッチングを含むパターン形成方法に
よって形成するパターン形成工程と、前記基板における
前記パターン形成領域を含む薄膜部形成領域の裏面から
エッチングを施して表面部側に薄膜部を形成する薄膜部
形成工程とを有することを特徴とする構成とし、この構
成2の態様として、 (構成3) 構成2の荷電粒子線露光用マスク製造方法
において、前記貫通パターンとなるパターン形成工程に
おけるエッチングがSiO2 をマスク材とするドライエ
ッチングによるものであり、前記薄膜部形成工程におけ
るエッチングが金属又は金属化合物をマスク材とするウ
エットエッチングによるものであることを特徴とする構
成とし、この構成3の態様として、 (構成4) 構成3の荷電粒子線露光用マスク製造方法
において、前記薄膜部形成のエッチングの際にマスクと
して用いる金属又は金属化合物マスク材にエッチング用
パターンを形成する工程、並びに、こうして形成したマ
スクを使用して薄膜を形成した後にこの使用済みのマス
クを除去する工程を、ともに室温ウエットエッチングで
行うことを特徴とする構成とし、構成3又は4の態様と
して、 (構成5) 構成3又は4の荷電粒子線露光用マスク製
造方法において、前記ウエットエッチングのマスク材を
構成する金属又は金属化合物が、タングステン、ジルコ
ニウム、ニッケル、クロム又はチタンのいずれか1又は
2以上を主成分とするものであることを特徴とする構成
とし、構成3ないし5のいずれかの態様として、 (構成6) 構成3ないし5のいずれかの荷電粒子線露
光用マスク製造方法において、前記薄膜部形成工程を行
う前に、前記貫通パターンとなるパターン形成の際にエ
ッチングのマスクとして用いるSiO2 マスク材にパタ
ーンを形成する工程を行うことを特徴とする構成とし、
構成3ないし6のいずれかの態様として、 (構成7) 構成3ないし6のいずれかの荷電粒子線露
光用マスク製造方法において、前記薄膜部形成工程にお
けるウエットエッチングを行う前に、該ウエットエッチ
ングによって除去する部分を除く部分を保護するために
それらの部分に形成される保護膜として樹脂膜を用いる
ことを特徴とする構成とし、構成7の態様として、 (構成8) 構成7の荷電粒子線露光用マスク製造方法
において、前記樹脂膜は、フッ素系樹脂、エチレン系樹
脂、プロピレン系樹脂、シリコン系樹脂、ブタジェン系
樹脂又はスチレン系樹脂のいずれか1又は2以上を主成
分とするものであることを特徴とする構成とし、構成8
の態様として、 (構成9) 構成8の荷電粒子線露光用マスク製造方法
において、前記樹脂膜は、所定部分に塗布後に200℃
以下の温度で硬化処理を行い、また、使用済み後は室温
で溶媒によって除去することを特徴する構成とした。
【0019】
【作用】上述の構成1によれば、「基板をリン又はボロ
ンのいずれか一方又は双方がイオン注入されて導電性を
具備した」もので構成するという極めて簡単な構成によ
って、いわゆるベアSi基板を用いた荷電粒子線露光用
マスクの特徴である単純な構成を維持しつつチャージア
ップ防止を可能にし、しかも、導電膜の存在を不要にし
たことによって、その製造を現実に可能にするという実
際上において極めて顕著な効果を得ている。さらに、こ
の構成のベアSi基板を用いた荷電粒子線露光用マスク
は、基板上に貼付け形成した薄膜で薄膜部を構成するよ
うにした上述の従来のもののように、製造中あるいは使
用中にこの貼付け形成した薄膜の膜剥がれのおそれは全
くなく、また、皺発生等のおそれも著しく小さいので、
著しい耐久性を備えたものでもある。
【0020】また、構成2ないし9によれば、貫通パタ
ーンとなるパターン形成工程におけるエッチングをドラ
イエッチングで行ない、薄膜部形成工程におけるエッチ
ングをウエットエッチング(湿式エッチング)で行なう
という構成2の基本構成のもとに、構成3のように、上
記ドライエッチングのマスクにSiO2 を用いかつ上記
ウエットエッチングのマスクとして金属又は金属化合物
を用い、さらに、構成4のように、このウエットエッチ
ングの際のマスクにエッチング用パターンを形成する工
程及びその使用済みパターンを除去する工程をウエット
エッチングで行い、また、上記ウエットエッチングのマ
スク材料としてタングステン、ジルコニウム、ニッケ
ル、クロム又はチタンのいずれか1又は2以上を主成分
とするものを用い、構成6のように、薄膜部形成工程を
行う前に貫通パターンとなるパターン形成の際にエッチ
ングのマスクとして用いるSiO2 マスク材にパターン
を形成する工程を行うようにし、さらに、薄膜部形成工
程におけるウエットエッチングを行う前に、該ウエット
エッチングによって除去する部分を除く部分を保護する
ためにそれらの部分に形成される保護膜として樹脂膜を
用いるようにし、この樹脂膜として、フッ素系樹脂、エ
チレン系樹脂、プロピレン系樹脂、シリコン系樹脂、ブ
タジェン系樹脂又はスチレン系樹脂のいずれか1又は2
以上を主成分とするものを用いるようにし、さらには、
樹脂膜は、所定部分に塗布後に200℃以下の温度で硬
化処理を行い、また、使用済み後は室温で溶媒によって
除去するようにすることによって、はじめて、いわゆる
ベアSi基板を用いた荷電粒子線露光用マスクを実用レ
ベルで製造することを可能にしている。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例にかかる荷電粒子線
露光用マスクの構成を示す模式的断面図、図2は本発明
の一実施例の変形例にかかる荷電粒子線露光用マスクの
構成を示す模式的断面図、図3ないし図8は一実施例に
かかる荷電粒子線露光用マスク製造方法の工程説明図で
ある。以下、これらの図面を参照にしながら一実施例の
荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法を説明する。
【0022】図1において、符号1は荷電粒子線露光用
マスクである。この荷電粒子線露光用マスクは、支持枠
部2と、この支持枠部2に支持された薄膜部3とから構
成されている。この支持枠部2と薄膜部3とは、素材た
るSi基板における支持枠形成領域を除いた薄膜形成領
域の一方の面側から他方の面側に向けてエッチングを施
して他方の面側に薄膜を構成する厚さ分だけ残して形成
したもので、共に素材たるSi基板の一部からなる一体
のものである。そして、上記薄膜部3に、要素的パター
ンである貫通パターン31を形成したものである。この
場合、素材たるSi基板には予め、イオン注入法によっ
てリン又はボロンのいずれか一方又は双方がイオン注入
されて導電性が付与されている。
【0023】支持枠部2の厚さは約500μm、薄膜部
3の厚さは約20μmである。また、薄膜部3の大きさ
は、0.5〜10mm程度、支持枠2の寸法は、20m
m×20mm程度である。なお、実際には、図1に示さ
れる荷電粒子線露光用マスク1と同様のマスクを1つの
要素的パターンの単位マスクとして、大きなSi基板に
このような単位マスクのパターンの異なるものが多数形
成されて1枚のマスクとして形成されるのが一般的であ
るが、各単位マスクはパターンが異なるほかは同じであ
るので、説明を簡単にするためにこの実施例では単位マ
スクのみを取り上げて説明している。
【0024】なお、図2に示されるように、支持枠部2
及び薄膜部3の表面に、膜厚2μm程度のタングステン
等からなる導電膜7を形成するようにしてもよい。これ
によれば、荷電粒子によってマスク表面が帯電されるこ
とをより完全に軽減することができる。
【0025】次に、図3ないし図8を参照にしながら一
実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造方法の工程
を説明する。
【0026】厚さ約500μmのシリコンウエハ等から
なる基板1aにイオン注入法によってリン又はボロンの
いずれか一方又は双方をイオン注入して導電性を付与す
る。次に、基板1aの両面に、後述するドライエッチン
グのマスクとして用いる厚さ2μmのSiO2 膜4a,
4bを蒸着法によってそれぞれ形成する(図3参照)。
なお、ここで、裏面にもSiO2 膜4bを形成するの
は、片面だけに形成すると基板1aに反りが生ずる場合
もあるので、これを防止するためである。
【0027】次に、基板1aの表面のSiO2 膜4a上
にフォトレジストを形成し、貫通パターン31(図1参
照)を形成するためのパターンの露光・現像を行なって
レジストパターン(図示せず)を形成し、次に、このレ
ジストパターンをマスクにしてSiO2 膜4aをドライ
エッチングして、貫通パターン31を形成するためのマ
スクとなるパターン41が形成されたパターン付SiO
2 膜4を得る(図4参照)。
【0028】次に、上記パターン付SiO2 膜4をマス
クにしてマグネトロンRIFを用いたドライエッチング
により、Si基板1aに、後で貫通パターン31となる
凹状パターン31aを形成して(この加工をトレンチ加
工という場合がある)凹状パターン付基板1bを得る
(図5参照)。
【0029】次に、上記パターン付SiO2 膜4及び基
板裏面のSiO2 膜4bを緩衝弗酸によって除去し、次
に、上記凹状パターン付基板1bの裏面に、室温スパッ
タ法によって膜厚3000オングストロームの金属チタ
ン膜5aを形成する(図6参照)。後述するように、こ
の金属チタン膜5aは基板1bを裏面からエッチングし
て薄膜部3を形成する際のマスクを形成するための膜で
ある。
【0030】次に、上記金属チタン膜5a上にフォトレ
ジストを形成し、薄膜部3(図1参照)を形成するため
のパターンの露光・現像を行なってレジストパターン
(図示せず)を形成し、次に、このレジストパターンを
マスクにして金属チタン膜5aを2%の希弗硝酸水溶液
でエッチングし、薄膜部3を形成するためのマスクとな
るパターン51が形成されたパターン付金属チタン膜5
を得、使用済みのレジストパターンを除去する。次に、
凹状パターン付基板1bの表面及び凹状パターン31a
の内部並びに基板1bの側面にフッ素樹脂をスピンコー
ト法で塗布し、70℃で硬化させてフッ素樹脂保護膜6
を形成する(図7参照)。このフッ素樹脂保護膜6は、
薄膜部3を形成する際のエッチング工程で使用するエッ
チング液から基板1bを保護するためのものである。
【0031】次に、上記パターン付金属チタン膜5及び
フッ素樹脂保護膜6が形成された凹状パターン付基板1
bに、上記パターン付金属チタン膜5をマスクにして、
100℃に加熱されたKOH水溶液を用いてエッチング
を施す。このエッチングは、凹状パターン付基板1bの
裏面における金属チタン膜が除去されて形成されている
パターン51内の領域が、上記凹状パターン31aの底
面部に貫通するようになるまで行なう(図8参照)。
【0032】次に、有機溶剤によってフッ素樹脂保護膜
6を除去し、また、パターン付金属チタン膜5を希弗硝
酸水溶液で除去することにより、図1に示される荷電粒
子線露光用マスク1を得る。
【0033】なお、上述の工程において、基板1bを裏
面からエッチングして薄膜部3を形成する際のマスクを
形成するための膜として金属チタン膜5aを用いたが、
この膜を構成する材料としては、金属チタンの代わり
に、タングステン、ジルコニウム、クロム又はニッケル
のいずれか1又は2以上を主たる成分として含む材料を
用いてもよい。
【0034】また、薄膜部3を形成する際のエッチング
工程で使用するエッチング液から基板1bを保護するた
めの保護膜としてフッ素樹脂保護膜6を用いたが、この
膜を構成する材料としては、他のフッ素系樹脂、エチレ
ン系樹脂、プロピレン系樹脂、シリコン系樹脂、ブタジ
エン系樹脂又はスチレン系樹脂のいずれか1又は2以上
を含むものであってもよい。
【0035】上述の一実施例の荷電粒子線露光用マスク
によれば、「基板をリン又はボロンのいずれか一方又は
双方がイオン注入されて導電性を具備した」もので構成
するという極めて簡単な構成によって、いわゆるベアS
i基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの特徴である単
純な構成を維持しつつチャージアップ防止を可能にし、
しかも、導電膜の存在を不要にしたことによって、その
製造を現実に可能にするという実際上において極めて顕
著な効果を得ている。さらに、この構成のベアSi基板
を用いた荷電粒子線露光用マスクは、支持枠部2と薄膜
部3とがSi基板1aの一部を除去することにより形成
されたものであって共にSi基板1aの一部からなる一
体のものであることから、基板上に貼付け形成した薄膜
で薄膜部を構成するようにした従来のもののように、製
造中あるいは使用中にこの貼付け形成した薄膜の膜剥が
れのおそれ等は全くなく、また、皺発生等のおそれの著
しく小さい。しかも、SOI基板等を作製する必要がな
いので、その製造工程を著しく単純化でき、また、製造
工程の選択の自由度も広い。
【0036】また、一実施例の荷電粒子線露光用マスク
の製造方法によれば、上記一実施例の荷電粒子線露光用
マスクの構成自体に起因する製造工程の単純化の可能性
を十分に生かして極めて単純な工程で一実施例の荷電粒
子線露光用マスクを得ることを可能にしている。しか
も、この場合、薄膜部3を形成する際のマスク材料とし
て金属チタン膜5aを用い、そのエッチングの際に他の
部分を保護するための保護膜としてフッ素樹脂保護膜6
を用いている。それゆえ、まず、これらの膜形成や使用
後の除去の工程を室温で行なうことができる。したがっ
て、これらの工程で他の部分に熱ストレスや損傷を与え
るおそれを著しく小さくできる。また、保護膜をフッ素
樹脂で構成したことにより、凹状パターン31aの内部
まで完全に保護膜を形成することが容易に可能であるの
でエッチング液の浸食に対する保護を完全に行なうこと
が可能であるとともに、その除去は、有機溶剤で簡単に
しかも完全に行なうことができる。
【0037】このように、一実施例の荷電粒子線露光用
マスクの製造方法によれば、その製造工程数自体が少な
いこと、比較的高コストの薄膜形成工程やドライエッチ
ング工程を少なくし、低コストの湿式エッチング工程や
樹脂コーティング工程を採用していること、各工程が安
定して欠陥の生じにくい確実なものであるとともに、低
い処理温度で行なうことができる等の理由で他の部分に
熱ストレスや損傷を与えるおそれが小さいこと等から、
単純な構成で耐久性に富む荷電粒子線露光用マスクを高
歩留まりで安定してしかも低コストで製造することを可
能にしている。なお、上述の一実施例では、貫通パター
ンとなる凹状パターンを形成した後に薄膜部の形成を行
っているが、逆に、薄膜部形成を行ってから貫通パター
ン形成を行うようにしてもよい。
【0038】また、基板にリン又はボロンを含ませる方
法として、イオン注入法を用いた場合を例に掲げたが、
これは、例えば、CVD雰囲気中にリン又はボロンもし
くはその双方を含ませることによって基板に付着・拡散
させるようにしてもよい。また、その場合においては、
CVD中もしくはCVD処理後に基板を加熱して拡散を
促進させることが望ましい。また、他にも、例えば、リ
ン又はボロンの存在する密閉空間中に基板を配置して熱
拡散させてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明にかかる
荷電粒子線露光用マスクによれば、「基板をリン又はボ
ロンのいずれか一方又は双方を含んで導電性を備えた」
もので構成するという極めて簡単な構成によって、いわ
ゆるベアSi基板を用いた荷電粒子線露光用マスクと同
様に単純な構成に基づく優れた耐久性等特徴を維持しつ
つチャージアップ防止を可能にし、しかも、導電膜の存
在を不要にしたこと等によって、その製造を現実に可能
にするという実際上において極めて顕著な効果を得てい
る。
【0040】また、本発明にかかる荷電粒子線露光用マ
スク製造方法によれば、上記本発明の荷電粒子線露光用
マスクの構成自体に起因する製造工程の単純化の可能性
を十分に生かして極めて単純な構成で耐久性に富む本発
明の荷電粒子線露光用マスクを高歩留まりで安定してし
かも低コストで製造することを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる荷電粒子線露光用マ
スクの構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施例の変形例にかかる荷電粒子線
露光用マスクの構成を示す模式的断面図である。
【図3】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【図4】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【図5】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【図6】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【図7】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【図8】一実施例にかかる荷電粒子線露光用マスク製造
方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1…荷電粒子線露光用マスク、2…支持枠部、3…薄膜
部、31…貫通パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持枠部に支持された薄膜部に荷電粒子
    線を通過させる貫通パターンを有し、前記支持枠部と薄
    膜部とが基板の一部を除去することにより形成されたも
    のであって共に前記基板の一部からなる一体のもので構
    成された荷電粒子線露光用マスクにおいて、 前記基板は、リン又はボロンのいずれか一方又は双方を
    含んで導電性を備えたものであることを特徴とする荷電
    粒子線露光用マスク。
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