JP2002217094A - 電子線露光用マスク及びその製造方法 - Google Patents

電子線露光用マスク及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002217094A
JP2002217094A JP2001014338A JP2001014338A JP2002217094A JP 2002217094 A JP2002217094 A JP 2002217094A JP 2001014338 A JP2001014338 A JP 2001014338A JP 2001014338 A JP2001014338 A JP 2001014338A JP 2002217094 A JP2002217094 A JP 2002217094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
electron beam
mask
electron
beam exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001014338A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kurihara
健二 栗原
Hideo Yoshihara
秀雄 吉原
Nobuo Shimazu
信生 島津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIIPURU KK
NTT Advanced Technology Corp
Reaple Inc
Original Assignee
RIIPURU KK
NTT Advanced Technology Corp
Reaple Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIIPURU KK, NTT Advanced Technology Corp, Reaple Inc filed Critical RIIPURU KK
Priority to JP2001014338A priority Critical patent/JP2002217094A/ja
Publication of JP2002217094A publication Critical patent/JP2002217094A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で超微細パターンを有する電子線露光
用マスクを提供する。 【解決手段】 本発明の電子線露光用マスクは、転写す
べき所定パターンが形成されたマスク部10を有する電
子遮蔽膜と、所定パターンに対応する貫通孔を有し、電
子遮蔽膜を支持する支持膜と、マスク部10の外側で支
持膜を支持する支持枠とを備え、電子遮蔽膜をタンタル
膜4で構成し、支持膜をダイヤモンド膜3で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路パターンを電
子線により基板上のレジストに転写するための電子線露
光用マスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路技術の進展は目ざ
ましく、半導体素子の微細化、高集積化の傾向も著し
い。これに伴い、長年微細パターンを形成する手段の主
流であった光を用いたフォトリソグラフィー技術に代わ
って、電子線やX線を利用する新しい露光方式が提案さ
れている。このうち、電子線を利用してパターン形成す
る電子線露光方式において、処理能力が飛躍的に向上す
る技術として注目されているのが、電子透過型リソグラ
フィである。電子透過型リソグラフィは、所定の回路パ
ターンを有する電子線露光用マスクに電子線を照射し、
このマスクを透過した電子線がレジストの塗布された基
板に入射してレジストを感光させ、回路パターンを焼き
付ける技術であり、電子線の照射範囲にあるマスク上の
回路パターンを一括して露光することができる。
【0003】従来の電子線露光用マスクの構成例を図4
に示す。図4は、Solid State Technology誌1984年
9月号210頁掲載の「High Throughput Submicron Li
thography with Electron Beam Proximity Printing」
に記載されている電子線露光用マスクの構造を示す断面
図である。この電子線露光用マスクは、10kV程度の
加速電圧で加速された電子線を露光光源に用いる等倍の
開口マスクであり、所定のパターンに開口された厚さ2
μmのシリコン基板(メンブレン)41と、このシリコ
ン基板41上に所定パターンで配置された電子線の透過
を阻止し、かつ導電性を得るための厚さ0.5μmの金
膜42と、酸化シリコン層43を介してシリコン基板4
1を下面から支持する複数のシリコン支柱44とから構
成されている。この場合、金膜42に入射した電子線は
吸収されて透過が阻止され、開口部に入射した電子線は
通過するので、所定のパターンで露光することができ
る。この電子線露光用マスクは、導電性を向上するため
硼素を注入したシリコン基板41にリソグラフィーでマ
スクパターンを形成し、エッチングでパターン部分を開
口した後、金膜42を成膜することにより製作する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、等倍転
写の電子透過型リソグラフィで今後必要とされる0.0
5μmの開口を有する電子線露光用マスクを得ようとす
ると、図4に示した電子線露光用マスクでは、エッチン
グによりシリコン基板41に開口するときの開口寸法
(0.05μm)と開口高さ(シリコン基板41の厚
さ:2μm)の比であるアスペクト比が40となり、現
在のプロセス技術では製造が困難であるという問題があ
る。本発明は、高精度で超微細パターンを有する電子線
露光用マスク及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、所定パターンを電子線によりウェハ
上のレジストに転写するための電子線露光用マスクにお
いて、転写すべき所定パターンが形成されたマスク部を
有する電子遮蔽膜と、所定パターンに対応する貫通孔を
有し、電子遮蔽膜を支持する支持膜と、マスク部の外側
で支持膜を支持する支持枠とを備え、支持膜がダイヤモ
ンド、炭化珪素、窒化珪素、炭化硼素及び窒化硼素のい
ずれか1つからなることによって特徴づけられる。本発
明の電子線露光用マスクは、ダイヤモンド、炭化珪素、
窒化珪素、炭化硼素及び窒化硼素のいずれか1つから支
持膜を構成するので、高剛性で熱伝導性のよい支持膜が
得られる。これにより、支持膜の膜厚を薄くできるので
現在のプロセス技術で製造可能なアスペクト比とするこ
とができる。
【0006】この電子線露光用マスクのマスク部の一構
成例は、所定パターンの周辺に電子遮蔽膜のパターンか
らなる位置合わせ用のアライメントマークを有する。ま
た、電子遮蔽膜の一構成例は、塩素及びフッ素のいずれ
かと反応し、反応性ドライエッチングで除去可能な蒸気
圧の反応生成物を生成する金属又はこの金属を主成分と
する化合物で構成されている。この場合、金属の構成例
は、タンタル、タングステン及びクロムのいずれか1つ
から構成されている。また、この電子線露光用マスクの
一構成例は、絶縁体で構成された部分が導電体で被覆さ
れている。また、電子遮蔽膜の別の構成例は、導電体で
構成されている。この場合、導電体の一構成例は白金パ
ラジウム(PtPd)膜である。この電子線露光用マス
クの別の構成例は、アライメントマークが形成された領
域が光透過可能に構成され、かつ光学的反射防止膜が設
けられている。
【0007】本発明の電子線露光用マスクの製造方法
は、所定パターンを電子線によりウェハ上のレジストに
転写するための電子線露光用マスクの製造方法であっ
て、シリコンウェハの一方の面側にダイヤモンド、炭化
珪素、窒化珪素、炭化硼素及び窒化硼素のいずれか1つ
からなる支持膜を形成した後、この支持膜上に電子遮蔽
膜を形成する工程と、電子遮蔽膜上に所定パターンのエ
ッチング用マスクを形成し、反応性ドライエッチングに
より電子遮蔽膜に所定パターンを有するマスク部を形成
する工程と、所定パターンが形成された電子遮蔽膜をマ
スクとして反応性ドライエッチングにより支持膜に所定
パターンと対応した貫通孔を形成する工程と、シリコン
ウェハを加工し、マスク部の外側で支持膜を支持する支
持枠を形成する工程とを有することによって特徴づけら
れる。この電子線露光用マスクの製造方法の一構成例
は、マスク部を形成する工程で所定パターンの周辺に電
子遮蔽膜のパターンからなる位置合わせ用のアライメン
トマークを同時に形成する。この電子線露光用マスクの
製造方法の別の構成例は、絶縁体で構成された部分を導
電体で被覆する工程を最後に有する。また、この電子線
露光用マスクの製造方法のさらに別の構成例は、電子遮
蔽膜を除去した後、絶縁体で構成された部分を導電体で
被覆する工程を有する。この場合、導電体が新たな電子
遮蔽膜を構成する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に図を用いて発明の実施の形
態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にか
かる電子線露光用マスクの構成を示す説明図である。同
図において、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A
線断面図、(c)は(b)のマスク部を拡大して模式的
に示した断面図である。この電子線露光用マスクは、図
1(a)に示すように、マスク部10と支持基板20と
から構成されている。マスク部10は、図1(b)に示
すように、支持基板20上の中央部に形成されており、
支持基板20はマスク部10が設けられた領域がくりぬ
かれて支持枠を構成している。この場合、支持基板20
は直径100mmのシリコンウェハであり、このシリコ
ンウェハ上の中央部にマスク部10が30mm角で形成
されている。
【0009】この電子線露光用マスクは、マスク部10
が所定パターンに合わせて開口された等倍の開口マスク
であり、図1(c)に示すように、シリコンウェハ1の
一方の面にシリコン窒化膜2、ダイヤモンド膜3、タン
タル膜4の順で積層された積層膜が形成されており、マ
スク部10の積層膜に所定パターンに合わせて開口され
た複数の貫通孔が設けられ、シリコンウェハ1のマスク
部10が設けられた領域がくりぬかれている。また、シ
リコンウェハ1の他方の面にもシリコン窒化膜2が形成
されており、貫通孔の壁面、シリコン窒化膜2の露出面
及びシリコンウェハ1の露出面に白金パラジウム(Pt
Pd)膜7が被着されている。
【0010】ここで、マスク部10の所定パターンは、
露光するウェハに回路用パターンを転写するための電子
線マスクとなる転写パターン4aと、露光するウェハと
の位置決めに用いるアライメントマークとなるアライメ
ントパターン4bとからなり、アライメントパターン4
bは転写パターン4a領域の周囲に配置されている。ま
た、露光時に電子線が透過する貫通孔の最小開口寸法
は、0.05μmである。シリコン窒化膜2は、シリコ
ンウェハ1をくりぬくエッチングを行う際の保護膜であ
り、厚さは0.1μmである。また、ダイヤモンド膜3
側のシリコン窒化膜2は、ダイヤモンド膜3の付着性を
よくする下地膜を兼ねている。ダイヤモンド膜3は、タ
ンタル膜4を支える支持膜であり、厚さは0.5μmで
ある。タンタル膜4は、露光用の電子線を遮蔽する電子
遮蔽膜であり、厚さは0.05μmである。白金パラジ
ウム膜7は、露光用の電子線による帯電を防止するため
の帯電防止膜であり、厚さは0.01μm程度である。
【0011】次に、この実施の形態にかかる電子線露光
用マスクの製造工程について図2を参照して説明する。
図2は、この製造工程を順に示す断面図である。まず、
図2(a)に示すように、マスク部の支持枠となるシリ
コンウェハ1に支持枠形成時の保護膜となるシリコン窒
化膜2を形成する。ここで、シリコン窒化膜2は、減圧
CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、シリコ
ンウェハ1の両面に0.1μmの厚さに形成する。次
に、図2(b)に示すように、シリコン窒化膜2の形成
されたシリコンウェハ1の一方の面に電子遮蔽膜の支持
基板となるダイヤモンド膜3を形成する。ここで、ダイ
ヤモンド膜3は、周知のプラズマCVD法により0.5
〜1μmの厚さに形成する。
【0012】次に、図2(c)に示すように、ダイヤモ
ンド膜3上に電子遮蔽膜となるタンタル膜4を形成した
後、さらにタンタル膜4上にエッチングマスクとなるシ
リコン酸化膜5を形成する。ここで、タンタル膜4は、
スパッタリング法により0.05〜0.1μm程度の厚
さに形成する。この膜厚は、タンタル膜4がエッチング
マスクとして用いられることによる目減り分を考慮し
て、最終的な膜厚が0.03〜0.05μmとなるよう
な値にする。また、シリコン酸化膜5は、プラズマCV
D法より0.1〜0.2μm程度の厚さに形成する。
【0013】次に、図2(d)に示すように、シリコン
ウェハ1の他方の面に形成されたシリコン窒化膜2にシ
リコンウェハ1から所望の部分を除去してマスク部をメ
ンブレン化し、かつ支持枠を形成するためのいわゆる裏
窓を形成した後、シリコン酸化膜5上に電子線レジスト
6を塗布する。ここで、裏窓は、シリコンウェハ1の他
方の面に形成されたシリコン窒化膜2にレジストを塗布
し、パターニングして窓を開けたレジストマスクを形成
した後、ドライエッチングにより窓部分のシリコン窒化
膜2を除去し、さらにレジストマスクを除去することに
より行う。
【0014】次に、図2(e)に示すように、電子線レ
ジスト6をパターニングして所望の回路用レジストパタ
ーン6aと、位置合わせ用アライメントレジストパター
ン6bを形成する。なお、位置合わせ用アライメントレ
ジストパターン6bは、回路用レジストパターン6aの
周囲に配置する。ここで、パターニングは、電子線レジ
スト6に電子線を用いて所望のパターンを得るためのレ
ジストパターン描画を行い、描画後に現像処理すること
により行う。
【0015】次に、図2(f)に示すように、電子線レ
ジスト6のレジストパターン6a,6bをエッチングマ
スクとしてシリコン酸化膜5を加工し、回路用ハードマ
スク5aとアライメントパターン用ハードマスク5bを
形成する。ここで、シリコン酸化膜5の加工は、例えば
フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(以後、
RIEと記す)法で行う。次に、図2(g)に示すよう
に、電子線レジスト6を除去した後、回路用ハードマス
ク5aとアライメントパターン用ハードマスク5bをエ
ッチングマスクとしてタンタル膜4を加工し、転写パタ
ーン4aとアライメントパターン4bを形成する。ここ
で、電子遮蔽膜となるタンタル膜4の加工は、例えば塩
素系ガスを用いたRIE法で行う。また、電子線レジス
ト6の除去は、シリコン酸化膜5のエッチング時に、い
わゆるオーバーエッチングを行うことにより行う。
【0016】次に、図2(h)に示すように、シリコン
酸化膜5を除去した後、転写パターン4aとアライメン
トパターン4bをエッチングマスクとしてダイヤモンド
膜3を加工する。ここで、支持膜となるダイヤモンド膜
3の加工は、酸素ガスを用いたRIE法で行う。また、
シリコン酸化膜5の除去は、タンタル膜4のエッチング
時に、いわゆるオーバーエッチングを行うことにより行
う。次に、図2(i)に示すように、裏窓が形成された
シリコン窒化膜2をエッチングマスクとしてシリコンウ
ェハ1を加工し、マスク部をメンブレン化するととも
に、マスク部の支持枠を形成する。ここで、シリコンウ
ェハ1の加工は、タンタル膜4が形成された面をOリン
グシールし、KOH溶液でエッチングすることにより行
う。
【0017】次に、図2(j)に示すように、転写パタ
ーン4aとアライメントパターン4bをエッチングマス
クとして、マスク部をメンブレン化するときに保護膜と
して用いたダイヤモンド膜3側のシリコン窒化膜2を加
工してマスク部に貫通孔を形成した後、貫通孔壁、シリ
コン窒化膜2の露出面及びシリコンウェハ1の露出面に
導電性を付与するために白金パラジウム(PtPd)膜
7をコーティングする。ここで、ダイヤモンド膜3側の
シリコン窒化膜2の加工は、例えば転写パターン4aと
アライメントパターン4bをマスクとしてフッ素系ガス
を用いたRIE法で行う。また、白金パラジウム膜7の
コーティングは、0.01μm程度の膜厚となるように
スパッタリング法により行う。以上の処理により、この
実施の形態にかかる電子線露光用マスクが完成する。
【0018】この電子線露光用マスクは、電子遮蔽膜を
支持する支持膜として高剛性のダイヤモンド膜を用いて
いるので、30mm角のマスク部でも0.5μm程度の
厚さでよく、かつ従来のシリコン基板を用いた支持膜の
ように下面から支持する複数のシリコン支柱をマスク部
に設ける必要もない。このため、ダイヤモンド膜の厚さ
を0.5μmとすれば、回路用パターンの開口寸法が
0.05μmとなっても、アスペクト比は10であり、
容易に製造可能な値となる。また、ダイヤモンド膜は、
高熱伝導性を有し、かつ高融点であるので、電子線照射
による温度上昇を抑え、加熱による影響を低減すること
が可能である。
【0019】また、電子遮蔽膜として、重金属のタンタ
ルを用いているので、遮蔽に必要な膜厚を薄くすること
ができる。重金属を用いると膜厚を薄くできるのは、物
質中の電子飛程Rが材料の密度をρ(g/cm3)、電
子のエネルギーをE(keV)としたときに、R=0.
046(1/ρ)E1.75の関係にあるためである。した
がって、低エネルギー電子線露光用マスクとして、例え
ば2keVのエネルギーの電子を想定すると、電子を遮
断するために必要なタンタルの膜厚は、0.03μmで
よい。このように非常に薄い膜厚で十分な電子遮蔽効果
が得られるので、回路用パターンの開口寸法が0.05
μmとなっても、加工時にアスペクト比が問題になるこ
とがない。また、膜厚が薄くてよいので支持膜に及ぼす
応力が小さく、薄い支持膜を用いても支持膜を大きく歪
ませることがないので、高精度のマスクを安定に製造す
ることができる。
【0020】この実施の形態では、支持膜にダイヤモン
ド膜を用いた例で説明したが、ダイヤモンドと同様の高
剛性、高熱伝導性及び高融点の材料を用いてもよい。ダ
イヤモンドに近い材料として、例えば炭化珪素、窒化珪
素、炭化硼素及び窒化硼素のいずれかを支持膜としても
よい。これらの材料は、いずれもダイヤモンド膜と同様
にCVD法で形成することができる。また、炭化珪素は
塩素系ガスを用いたRIE法、窒化珪素、炭化硼素及び
窒化硼素はフッ素系ガスを用いたRIE法により加工す
ることができる。
【0021】また、電子遮蔽膜としてタンタルを用いた
例で説明したが、タンタルと同様に塩素及びフッ素のい
ずれかと反応し、反応性ドライエッチングで除去可能な
蒸気圧の反応生成物を生成する金属又はこの金属を主成
分とする化合物でもよい。このような金属として、例え
ばタンタル、タングステン及びクロムから1つを選択し
て用いてよい。タングステン及びクロムもタンタル同
様、スパッタリング法で電子遮蔽膜を形成することがで
きる。
【0022】また、第1の実施の形態において、図2
(i)の状態からシリコン窒化膜2を加工してマスク部
に貫通孔を形成した後、タンタル膜4等の重金属を除去
し、貫通孔壁、シリコン窒化膜2の露出面及びシリコン
ウェハ1の露出面に導電性を付与するために白金パラジ
ウム(PtPd)膜をコーティングし、この白金パラジ
ウム(PtPd)膜を新たな電子遮蔽膜として用いるこ
とも可能である。この場合、アライメントマークが形成
された領域を除いて白金パラジウム(PtPd)膜をコ
ーティングすることも可能である。さらに、この場合、
露出したダイヤモンド膜の光学透過率が高いので、マー
ク部分のパタンではコントラストが低くなる問題がで
る。そこで、アライメントマークが形成された領域にリ
フトオフ技術を用いる等により金属等の光学反射率の高
い膜を形成した構造とすることも可能である。
【0023】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる
電子線露光用マスクの製造工程を順に示す断面図であ
り、図3(j)が、この実施の形態にかかる電子線露光
用マスクの構成を示す。この電子線露光用マスクが図1
に示したものと異なる点は、回路用パターンの周囲に配
置される位置合わせ用アライメントパターン部分のダイ
ヤモンド膜に開口を設けないことと、アライメントパタ
ーン部分のシリコン窒化膜に白金パラジウム膜が被着し
ていないことである。
【0024】この場合、光がシリコン窒化膜2とダイヤ
モンド膜3を透過するため、このマスクのアライメント
マークと露光するウェハのアライメントマークを光学的
に検出することができるので光学式の位置合わせが可能
であり、従来のアライメント方式が採用できる。また、
電子線がアライメントパターン部分を透過しないため、
露光するウェハのアライメントマークが電子線で露光さ
れることがないので、その後のプロセスで露光の影響に
よってウェハ上のアライメントマークが変形することが
ない。
【0025】次に、この実施の形態にかかる電子線露光
用マスクの製造工程について図3を参照して説明する。
同図において、(a)〜(g)は、図2と同じ工程であ
るので説明を省略する。タンタル膜4の加工が終了し、
シリコン酸化膜5を除去した後、アライメントパターン
部分のダイヤモンド膜3を保護した状態で、図3(h)
に示すように、転写パターン4aをエッチングマスクと
してダイヤモンド膜3を加工する。ここで、アライメン
トパターン部分のダイヤモンド膜3を保護する方法は、
回路用パターン部分を開口したステンシルマスクを表面
に装着する方法を用いる。なお、保護したい部分にレジ
ストを塗布する方法でもよい。ダイヤモンド膜3の加工
は、酸素ガスを用いたRIE法で行う。
【0026】次に、図3(i)に示すように、裏窓が形
成されたシリコン窒化膜2をエッチングマスクとしてシ
リコンウェハ1を加工し、マスク部をメンブレン化する
とともに、マスク部の支持枠を形成する。ここで、シリ
コンウェハ1の加工は、タンタル膜4が形成された面を
Oリングシールし、KOH溶液でエッチングすることに
より行う。次に、図3(j)に示すように、マスク部を
メンブレン化するときに保護膜として用いたダイヤモン
ド膜3側のシリコン窒化膜2を加工してマスク部に貫通
孔を形成した後、貫通孔壁、シリコン窒化膜2の露出面
及びシリコンウェハ1の露出面に導電性を付与するため
に白金パラジウム膜7を、ダイヤモンド膜3側のシリコ
ン窒化膜2のアライメントパターン部分を除いてコーテ
ィングする。
【0027】ここで、ダイヤモンド膜3側のシリコン窒
化膜2の加工は、例えば転写パターン4aをエッチング
マスクとして、フッ素系ガスを用いたRIE法で行う。
また、白金パラジウム膜7のコーティングは、ダイヤモ
ンド膜3側のシリコン窒化膜2のアライメントパターン
部分にレジストを塗布し、スパッタリング法により貫通
孔壁、シリコン窒化膜2の露出面及びシリコンウェハ1
の露出面に厚さ0.01μm程度の白金パラジウム膜7
を形成した後、アライメントパターン部分のレジストを
除去することにより行う。以上の処理により、この実施
の形態にかかる電子線露光用マスクが完成する。なお、
光学的アライメント時の多重干渉を防止するために、ア
ライメントパターン部分に反射防止膜を設けることが望
ましい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子線露
光用マスクは、電子遮蔽膜を支持する支持膜としてダイ
ヤモンド、炭化珪素、窒化珪素、炭化硼素及び窒化硼素
のいずれか1つを用いたので、高剛性で熱伝導性のよい
支持膜が得られるため、支持膜の膜厚を薄くでき、現在
のプロセス技術で製造可能なアスペクト比とすることが
できる。また、マスク部の所定パターンの周辺に電子遮
蔽膜のパターンからなる位置合わせ用のアライメントマ
ークを設け、アライメントマークが形成された領域が光
透過可能に構成され、かつ光学的反射防止膜が設けられ
ているので、このマスクのアライメントマークと露光す
るウェハのアライメントマークを光学的に検出すること
ができ、光学式の位置合わせが可能である。
【0029】また、電子遮蔽膜をタンタル、タングステ
ン及びクロムのいずれか1つの金属又はこの金属を主成
分とする化合物で構成したので、電子遮蔽に必要な膜厚
を薄くでき、加工時にアスペクト比が問題になることが
ない。また、膜厚が薄くてよいので支持膜に及ぼす応力
が小さく、薄い支持膜を用いても支持膜を大きく歪ませ
ることがないので、高精度のマスクを安定に製造するこ
とができる。また、絶縁体で構成された部分が導電体で
被覆されているので、電子線による帯電が抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる電子線露
光用マスクの構成を示す説明図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態にかかる電子線露
光用マスクの製造工程を順に示す断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態にかかる電子線露
光用マスクの製造工程を順に示す断面図である。
【図4】 従来の電子線露光用マスクの構成例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…シリコンウェハ、2…シリコン窒化膜、3…ダイヤ
モンド膜、4…タンタル膜、4a…転写パターン、4b
…アライメントパターン、5…シリコン酸化膜、5a…
回路用ハードマスク、5b…アライメントパターン用ハ
ードマスク、6…電子線レジスト、6a…回路用レジス
トパターン、6b…アライメントレジストパターン、7
…白金パラジウム膜、10…マスク部、20…支持基
板、41…シリコン基板、42…金膜、43…酸化シリ
コン層、44…シリコン支柱。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 秀雄 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 島津 信生 東京都町田市本町田1337−13 株式会社リ ープル内 Fターム(参考) 2H095 BA01 BA08 BB01 BB16 BC05 BC13 BC16 BC27 BE03 5F056 AA06 EA04 FA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンを電子線によりウェハ上の
    レジストに転写するための電子線露光用マスクにおい
    て、 転写すべき前記所定パターンが形成されたマスク部を有
    する電子遮蔽膜と、 前記所定パターンに対応する貫通孔を有し、前記電子遮
    蔽膜を支持する支持膜と、 前記マスク部の外側で前記支持膜を支持する支持枠とを
    備え、 前記支持膜は、ダイヤモンド、炭化珪素、窒化珪素、炭
    化硼素及び窒化硼素のいずれか1つからなることを特徴
    とする電子線露光用マスク。
  2. 【請求項2】 前記マスク部は、 前記所定パターンの周辺に前記電子遮蔽膜のパターンか
    らなる位置合わせ用のアライメントマークを有すること
    を特徴とする請求項1記載の電子線露光用マスク。
  3. 【請求項3】 前記電子遮蔽膜は、 塩素及びフッ素のいずれかと反応し、反応性ドライエッ
    チングで除去可能な蒸気圧の反応生成物を生成する金属
    又はこの金属を主成分とする化合物であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の電子線露光用マスク。
  4. 【請求項4】 前記金属は、 タンタル、タングステン及びクロムのいずれか1つから
    なることを特徴とする請求項3記載の電子線露光用マス
    ク。
  5. 【請求項5】 絶縁体で構成された部分が導電体で被覆
    されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    記載の電子線露光用マスク。
  6. 【請求項6】 前記電子遮蔽膜は、導電体であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の電子線露光用マスク。
  7. 【請求項7】 前記アライメントマークが形成された領
    域は、 光透過可能に構成され、かつ光学的反射防止膜が設けら
    れていることを特徴とする請求項2から6のいずれか記
    載の電子線露光用マスク。
  8. 【請求項8】 所定パターンを電子線によりウェハ上の
    レジストに転写するための電子線露光用マスクの製造方
    法であって、 シリコンウェハの一方の面側にダイヤモンド、炭化珪
    素、窒化珪素、炭化硼素及び窒化硼素のいずれか1つか
    らなる支持膜を形成した後、この支持膜上に電子遮蔽膜
    を形成する工程と、 前記電子遮蔽膜上に前記所定パターンのエッチング用マ
    スクを形成し、反応性ドライエッチングにより前記電子
    遮蔽膜に前記所定パターンを有するマスク部を形成する
    工程と、 前記所定パターンが形成された前記電子遮蔽膜をマスク
    として反応性ドライエッチングにより前記支持膜に前記
    所定パターンと対応した貫通孔を形成する工程と、 前記シリコンウェハを加工し、前記マスク部の外側で前
    記支持膜を支持する支持枠を形成する工程とを有するこ
    とを特徴とする電子線露光用マスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記マスク部を形成する工程は、 前記所定パターンの周辺に前記電子遮蔽膜のパターンか
    らなる位置合わせ用のアライメントマークを同時に形成
    することを特徴とする請求項8記載の電子線露光用マス
    クの製造方法。
  10. 【請求項10】 絶縁体で構成された部分を導電体で被
    覆する工程を最後に有することを特徴とする請求項8又
    は9記載の電子線露光用マスクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電子遮蔽膜を除去した後、絶縁体
    で構成された部分を導電体で被覆する工程を有すること
    を特徴とする請求項8又は9記載の電子線露光用マスク
    の製造方法。
JP2001014338A 2001-01-23 2001-01-23 電子線露光用マスク及びその製造方法 Pending JP2002217094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001014338A JP2002217094A (ja) 2001-01-23 2001-01-23 電子線露光用マスク及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001014338A JP2002217094A (ja) 2001-01-23 2001-01-23 電子線露光用マスク及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002217094A true JP2002217094A (ja) 2002-08-02

Family

ID=18881049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001014338A Pending JP2002217094A (ja) 2001-01-23 2001-01-23 電子線露光用マスク及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002217094A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005116847A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクおよびそのフォトマスクを用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法
JP2005123337A (ja) * 2003-10-15 2005-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 荷電粒子線用転写マスクとその製造方法
KR20190026120A (ko) * 2017-09-04 2019-03-13 주식회사 선익시스템 웨이퍼 증착장치
CN110828336A (zh) * 2018-08-13 2020-02-21 Skc索密思株式会社 蚀刻装置用环形部件及使用其的基板的蚀刻方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005116847A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクおよびそのフォトマスクを用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法
JP2005123337A (ja) * 2003-10-15 2005-05-12 Dainippon Printing Co Ltd 荷電粒子線用転写マスクとその製造方法
KR20190026120A (ko) * 2017-09-04 2019-03-13 주식회사 선익시스템 웨이퍼 증착장치
KR101961186B1 (ko) * 2017-09-04 2019-03-21 주식회사 선익시스템 웨이퍼 증착장치
CN110828336A (zh) * 2018-08-13 2020-02-21 Skc索密思株式会社 蚀刻装置用环形部件及使用其的基板的蚀刻方法
CN110828336B (zh) * 2018-08-13 2023-06-06 Skc索密思株式会社 蚀刻装置用环形部件及使用其的基板的蚀刻方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4919749A (en) Method for making high resolution silicon shadow masks
JPS58190029A (ja) 投影マスク
US6051346A (en) Process for fabricating a lithographic mask
US6811959B2 (en) Hardmask/barrier layer for dry etching chrome films and improving post develop resist profiles on photomasks
JP3210143B2 (ja) X線マスク構造体とその作製方法、及び、該x線マスク構造体を用いたx線露光方法と、該x線マスク構造体を用いて作成するデバイス製造方法
JP2002217094A (ja) 電子線露光用マスク及びその製造方法
JP3271616B2 (ja) 電子線露光用マスク及びその製造方法
JP2958284B2 (ja) 転写マスク及びその製造方法並びにパターン転写方法
JP4245900B2 (ja) 転写用マスクの製造方法、及び転写用マスク基板
US6387574B1 (en) Substrate for transfer mask and method for manufacturing transfer mask by use of substrate
KR20040030501A (ko) X-ray/euv 투사 리소그래피에 의한 금속/반도체화합물 구조의 형성
JP3226250B2 (ja) 転写マスク
JP4422528B2 (ja) 荷電粒子線用転写マスクの製造方法
JP4333107B2 (ja) 転写マスク及び露光方法
JP3118429B2 (ja) 転写マスク及びその製造方法
JPH0744147B2 (ja) アスペクト比の高い吸収体パターンを含む解像力の高いx線マスク
JPH10268506A (ja) 電子ビ−ム装置用マスク及びその製造方法
JPH08240904A (ja) 転写マスクおよびその製造方法
JP3143043B2 (ja) 転写マスク
Muller et al. Etching on silicon membranes for sub‐0.25‐μm x‐ray mask manufacturing
JPH04315417A (ja) 長波長x線露光用マスク及びその製造方法
JP2999523B2 (ja) X線マスクの作製方法
KR100238237B1 (ko) 전자빔 셀 투영 리소그래피용 마스크 및 그 제조방법
JPH08328236A (ja) 転写マスクの製造方法
JP2003068615A (ja) 転写マスクブランクス、その製造方法、転写マスク、その製造方法及び露光方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050607