JP3118390B2 - 転写マスクの製造方法 - Google Patents

転写マスクの製造方法

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JP3118390B2
JP3118390B2 JP8473295A JP8473295A JP3118390B2 JP 3118390 B2 JP3118390 B2 JP 3118390B2 JP 8473295 A JP8473295 A JP 8473295A JP 8473295 A JP8473295 A JP 8473295A JP 3118390 B2 JP3118390 B2 JP 3118390B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線露光、イオンビ
ーム露光、X線露光などに用いられる転写マスクの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、次世代のサブハーフミクロン領域
またはクオーターミクロン領域の超微細化素子等の製造
技術として、電子線リソグラフィー、イオンビームリソ
グラフィー、X線リソグラフィー等が注目されている
が、いずれが量産技術として主流となるかは未だ不透明
な状況にある。
【0003】このような状況下、電子線露光、イオンビ
ーム露光、X線露光用のマスクとして、Si、Mo、A
l、Auなどの金属箔に穴(貫通孔、開口)をあけて露
光すべきパターンを形成した転写マスク(ステンシルマ
スク;Stencil mask)が開発され一部実用化されつつあ
るが、作製が難しいため量産的実用化には至っていな
い。
【0004】特に、電子線を用いてパターンを描画する
電子線リソグラフィーにおいては、部分一括露光、ブロ
ック露光あるいはセルプロジェクション露光と称され
る、露光すべきパターンを分割して得られる各部分に対
応した透過型図形(開口)を各種形成したマスクを用
い、この開口で電子ビームを成形して、所定の区画(ブ
ロックまたはセル)を部分的に一括して露光し、この操
作を繰り返して描画を行う描画方式が近年提案され、次
世代LSI技術として急浮上し脚光を浴びている。この
部分一括露光による描画方式は、すでに実用化されてい
る電子線(細いビームスポット)で露光パターンを走査
して描画を行う直接描画方式(いわゆる一筆書き方式)
において問題であった描画時間が極端に長く低スループ
ットであることに対処すべく案出された方式であり、可
変矩形による直描方式に比べても高速描画が可能であ
る。
【0005】このような部分一括露光等に用いられる転
写マスクは、従来より種々の方法で作製されているが、
二枚のシリコン板をSiO2層を介して貼り合わせた構
造のSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、開口
パターン部分をドライエッチングにより高精度に加工
し、その開口部に対応した基板の裏面部分をウエットエ
ッチングにより加工して作製するのが一般的である。こ
れは、中間SiO2層がドライエッチングおよびウエッ
トエッチングの際に、エッチングストッパー層(エッチ
ング停止層)として働くため、マスクを作製しやすいか
らである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SOI
基板を用いた場合、中間SiO2層が誘電体であるため
に、電子線照射時に電荷がたまりやすく、その量に応じ
てパターンが変形してしまうなどの悪影響を及ぼす恐れ
がある。また、SOI基板は、その構成上、シリコンに
対してSiO2層が強い圧縮応力が生ずるため、マスク
全体に反りが生じ、その結果として、パターン位置精度
の低下や、耐久性の低下等を生じる恐れがある。
【0007】これを防ぐ方法としては、図4に示すよう
に、転写マスク全体に金属良導体をオーバーコートして
帯電を防止する方法があるが、上部シリコン基板2と下
部シリコン基板1が導電層20で接触する部分21の面
積が小さいために、帯電防止効果が十分でない。
【0008】また、リソグラフィー法により部分的に中
間SiO2層を導電体に置換する方法が知られているが
(特開平4−216613号公報)、この方法だとエッ
チングや堆積などの複数の工程が必要となり工程増加と
なってしまう。
【0009】本発明は上述した問題点にかんがみてなさ
れたものであり、電子線照射時の放熱特性や電気伝導性
に優れるとともに、マスク作製が容易な転写マスクの製
造方法の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、基板の結晶方位
性に着目し、基板裏面のウエットエッチングエッチング
液であるアルカリ水溶液に対して、異方的にエッチング
されやすい結晶方位を有する基板と、エッチングされに
くい結晶方位を有する基板とを、貼り合わせた基板、す
なわち、同一のアルカリ水溶液に対して、エッチング選
択性を有する二枚の基板を直接あるいは金属を介して貼
り合わせた基板、を用いることにより、電子線照射時の
放熱特性や電気伝導性に優れる転写マスクを容易に作製
できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の転写マスクの製造方法
は、支持枠部と、該支持枠部に支持された薄膜部と、該
薄膜部に形成された開口とを有する転写マスクの製造方
法において、二種類の結晶方位の異なるシリコン基板を
接合した基板を用い、上部シリコン基板は薄膜部として
開口を形成し、下部シリコン基板は支持枠部として加工
する構成としてある。
【0012】また、本発明の転写マスクの製造方法は、
上記転写マスクの製造方法において、上部シリコン基板
表面の結晶方位が(111)、(221)または(33
1)のいずれかであり、下部シリコン基板表面の結晶方
位が(100)または(110)のいずれかである構
成、上部シリコン基板と下部シリコン基板とを、減圧
下、接合した基板を用いる構成、上部シリコン基板と下
部シリコン基板とを、金属を介して融着した基板を用い
る構成、前記金属が、Sn、Cu、Nd、Ag、Ge、
Eu、Yb、Ce、Al、Mg、Sb、Zn、Bi、S
u、Inのいずれかの金属、またはこれらの金属を少な
くとも一以上含む合金である構成、あるいは、上部シリ
コン基板および/または下部シリコン基板が、ボロンあ
るいはリンをドープした基板である構成としてある。
【0013】
【作用】本発明により製造される転写マスクは、中間S
iO2層が存在しないので、電子線照射時の放熱特性や
電気伝導性に優れる上、マスク自己応力を小さくするこ
とができ、位置精度に優れたマスクを形成することがで
きる。
【0014】また、本発明の転写マスクの製造方法は、
二種類の結晶方位の異なるシリコン基板を接合した基板
を用いており、各シリコン基板のエッチングレートが異
なるため、SiO2層が介在しなくても、SOI基板を
用いた場合と同様にマスク作製(加工)が容易である。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
は、二種類の結晶方位の異なるシリコン基板を接合した
基板を用いる。
【0016】ここで、上部シリコン基板表面はの結晶方
位は、(111)、(221)または(331)のいず
れかとし、下部シリコン基板表面は結晶方位は(10
0)または(110)とする。
【0017】上部シリコン基板/下部シリコン基板の結
晶方位の組合せとしては、(111)/(100)、
(221)/(100)、(331)/(100)、
(111)/(110)、(221)/(110)、
(331)/(110)が挙げられる。
【0018】なお、上部シリコン基板および/または下
部シリコン基板は、導電特性の観点からボロンあるいは
リンをドープした基板であることが好ましい。
【0019】この場合、ドープ量は、1×1014〜1×
1019atm/cm2程度が好ましい。
【0020】上部シリコン基板と下部シリコン基板との
接合は、例えば、これらの基板を減圧下、直接接合して
行う。
【0021】ここで、減圧下で接合を行うのは、常圧で
貼り合わせを行うと基板に吸着した水分が接合時に除去
しきれず、図3に示すように、ボイド30の形で残存し
てしまうので、減圧下でまず水分を十分に除去した上で
接合を行いボイドのない基板を作製するためである。
【0022】直接接合における熱処理の温度は、ボイド
の有無や接合強度の観点から、400〜800℃程度が
適当である。ただし常温圧着によっても接合できる。
【0023】また、上部シリコン基板と下部シリコン基
板との接合は、例えば、これらの基板を金属を介して融
着して行うこともできる。
【0024】ここで、金属としては、融点が1100℃
以下の金属であれば特に制限されないが、例えば、S
n、Cu、Nd、Ag、Ge、Eu、Yb、Ce、A
l、Mg、Sb、Zn、Bi、Su、Inのいずれかの
金属、またはこれらの金属を少なくとも一以上含む合金
等が使用できる。
【0025】これらの金属は、上下基板の間に金属箔を
挟むか、あるいはいずれか一方の基板または両方の基板
に各種薄膜形成法により金属層を成膜して、基板間に介
在させる。
【0026】熱融着の温度は、使用する金属により異な
る。例えば、Inは200℃程度、Alは650℃程
度、Agは950℃程度が適当である。
【0027】熱融着は、表面吸着層の除去や金属の酸化
防止の観点から、減圧下、あるいは真空置換処理を施し
た還元雰囲気下で行うことが好ましい。
【0028】接合して得られた基板は、公知の方法で両
面研磨を行う。
【0029】なお、上記貼り合わせ基板は、従来のSO
I基板に比べ、少ない工程数で製造できるので、コスト
低下を実現できる。
【0030】本発明では、上部シリコン基板は薄膜部と
して開口を形成し、下部シリコン基板は支持枠部として
加工して転写マスクを製造する。
【0031】ここで、支持枠部は、下部シリコン基板の
裏面を支持枠部を残して上部シリコン基板に達するまで
エッチング加工して形成する。また、この裏面加工によ
って、上部シリコン基板からなる薄膜部が同時に形成さ
れる。
【0032】なお、上部シリコン基板に開口を形成する
工程と、下部シリコン基板の裏面を加工する工程は、い
ずれを先に行ってもよい。
【0033】上部シリコン基板への開口の形成は、開口
精度の観点からドライエッチングにより行うことが好ま
しい。また、下部シリコン基板の裏面加工は、製造コス
トおよび加工時間等の観点からウエットエッチングによ
り行うことが好ましい。
【0034】以下に、上部シリコン基板および下部シリ
コン基板の加工例を示す。
【0035】下部シリコン基板裏面を支持枠部を残して
エッチング加工するには、基板裏面にウエットエッチン
グマスク層を形成し、このウエットエッチングマスク層
をリソグラフィー技術によってパターンニングし、基板
裏面をエッチング液に浸し、基板裏面のエッチング加工
を行なえばよい。
【0036】この際、基板表面および側面が、基板裏面
のエッチング液に侵される場合には、基板表面および側
面にエッチング保護層を形成してもよい。ウエットエッ
チングマスク層およびエッチング保護層は同一の材料で
形成してもよく、違う材料で形成してもよい。
【0037】下部シリコン基板裏面のエッチング液とし
ては、KOH、NaOH等のアルカリ水溶液や、アルコ
ール等を含むアルカリ水溶液、有機アルカリ等のアルカ
リ系溶液が挙げられる。
【0038】エッチングの温度は、熱ストレスによる影
響を避けるため、150℃以下の低温とすることが好ま
しく、110℃以下の低温とすることがより好ましい。
エッチング方法としては、浸漬(ディッピング)法等が
挙げられる。
【0039】基板裏面に形成するウエットエッチングマ
スク層としては、SiO2、SiC、SiN、Si3N
4、サイアロン(SiとAlの複合混合物)、SiON
などの無機層を用いることができる。
【0040】また、ウエットエッチングマスク層として
は、タングステン、ジルコニウム、チタン、クロム、ニ
ッケルなどの金属単体、またはこれらの金属を含む合
金、あるいはこれらの金属または合金と酸素、窒素、炭
素のうちの少なくとも一以上元素とを含む金属化合物を
用いることができる。これらの金属系は低温ウエットエ
ッチングによるパターンニングが可能であるとともに、
これらの金属系の除去も100℃以下の低温ウエットエ
ッチングで行うことができるので、これらの処理中に薄
膜部の破損等が生じない。
【0041】ウエットエッチングマスク層の形成方法と
しては、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの薄膜形成
方法が挙げられるが、膜質が悪いとエッチング液がしみ
込みシリコン基板に蝕孔(エッチピット)が生じるので
これを避けるという観点、および高温成膜では熱ストレ
ス等によりクラック等のダメージが入ることがあるので
これを避けるという観点から、成膜条件等を制御するこ
とが好ましい。
【0042】ウエットエッチングマスク層の厚さは、
0.1〜1μmの範囲とするのが適当である。ウエット
エッチングマスク層の厚さが、0.1μmより薄いとシ
リコン基板を完全に被覆できず、1μmを越えると成膜
に長時間を要するとともに膜応力の影響も増大する。
【0043】ウエットエッチングマスク層のパターンニ
ングは、具体的には、ウエットエッチングマスク層上に
レジストを塗布しリソグラフィー法によってレジストパ
ターンを形成し、このレジストパターンをマスクとし、
エッチング液にてウエットエッチングマスク層をウエッ
トエッチングして、パターンニングする。
【0044】また、ウエットエッチングマスク層のエッ
チングに用いるエッチング液は特に制限されないが、例
えば、SiO2のエッチング液としては緩衝弗酸等が、
SiNのエッチング液としては熱リン酸等が、チタンの
エッチング液としては4%希弗硝酸水溶液等が、クロム
のエッチング液としては硝酸第二セリウム・アンモニウ
ム/過塩素酸水溶液等が、ニッケルのエッチング液とし
ては塩化第二鉄等が、タングステンのエッチング液とし
ては赤血塩(フェリシアン化カリウム)水溶液等が挙げ
られる。
【0045】基板表面および側面に形成されるエッチン
グ保護層としては、樹脂層他、上述したウエットエッチ
ングマスク層に用いられる金属層や無機層が用いられ
る。
【0046】ここで、樹脂層としては、200℃以下の
低温で硬化する樹脂を用いることが好ましい。硬化温度
が200℃を越えると、硬化処理時の熱ストレスによる
影響で薄膜部等の歪みや破損が生じる。このような熱ス
トレスによる影響をより完全に避けるためには、室温で
硬化する樹脂を用いることがより好ましい。
【0047】樹脂としては、フッ素系樹脂、エチレン系
樹脂、プロピレン系樹脂、シリコン系樹脂、ブタジエン
系樹脂、スチレン系樹脂のうちの少なくとも一種以上を
含む樹脂等が挙げられる。
【0048】基板の表面および側面に樹脂層を形成する
方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプ
レイ法などが挙げられが、ハンドリングや作業効率等を
考慮するとスピンコート法が好ましい。基板側面の被覆
はスピンコート法における初期低速回転時等に基板側面
に樹脂を回り込ませて行う。
【0049】樹脂層の厚さは、30μm以上とするのが
適当である。樹脂層の厚さが、30μmより薄いとエッ
チング液に対する耐久性や保護層としての機能が乏しく
なる。
【0050】樹脂層は、その形成、除去に際し他の部分
に熱ストレスによる影響を与えることがなく、スピンコ
ーティング法等で簡単に形成でき、段差被覆性に優れ、
エッチング液の液浸食を完全に防ぐことができる。した
がって、安定的かつ容易に転写マスクを製造することに
寄与する。
【0051】一方、上部シリコン基板への開口の形成
は、開口精度を考慮するとドライエッチングによること
が好ましい。
【0052】この場合、まず、上部シリコン基板上にド
ライエッチングマスク層を形成する。
【0053】ここで、ドライエッチングマスク層として
は、SiO2層の他、SiC層、Si3N4層、サイアロ
ン(SiとAlの複合混合物)層、SiON層などの無
機層や、レジスト、感光性フィルムなどの有機層、タン
グステン、ジルコニウム、チタン、クロム、ニッケルな
どの金属、これらの金属を含む合金、あるいはこれらの
金属または合金と酸素、窒素、炭素等との金属化合物な
どの金属層等が用いられる。 なお、ドライエッチング
マスク層は各種薄膜形成法によって形成する。例えば、
SiO2層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、
熱酸化法、CVD法や、SOG(スピン・オングラ
ス)、感光性ガラス、感光性SOGなどを用いる方法等
の薄膜形成方法などが挙げられる。
【0054】次いで、ドライエッチングマスク層をリソ
グラフィー技術を用いて所望の形状にパターンニングす
る。具体的には、例えば、ドライエッチングマスク層上
にレジストを塗布し、露光、現像によってレジストパタ
ーンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてド
ライエッチングマスク層のドライエッチングを行い、レ
ジストパターンをドライエッチングマスク層に転写す
る。この場合、ドライエッチングマスク層(SiO2
など)のエッチングガスとしては、フロロカーボン系ガ
ス(SF6/O2、CF4/O2、C26/O2等)などが
用いられる。
【0055】次に、レジストを除去した後、パターンニ
ングされたドライエッチングマスク層をマスクとしてド
ライエッチングにより上部シリコン基板のドライエッチ
ングを行い、ドライエッチングマスク層パターンを上部
シリコン基板に転写して開口を形成する。
【0056】ここで、上部シリコン基板のドライエッチ
ングに用いるエッチングガスとしては、例えば、HBr
ガス、Cl2/O2混合ガス、SiCl4/N2混合ガス等
が挙げられる。
【0057】最後に、不必要層を除去し転写マスクを得
る。ここで、ウエットエッチングマスク層およびドライ
エッチングマスク層はそれぞれ各種エッチング液等にて
除去し、樹脂層は有機溶剤等で除去する。
【0058】本発明では、上述した転写マスクの表面等
に導電層を形成することができる。これは、シリコン単
体からなる転写マスクは、そのままでは開口を形成した
シリコン薄膜部が、電子線に対する耐久性に乏しいた
め、シリコン薄膜部の上に、タンタル(Ta)、タング
ステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、白金
(Pt),銀(Ag)等の金属層を形成し、電子線照射
時のマスクの耐久性を向上させるためである。また、こ
れらの金属は、良導体であり、電子伝導性や熱伝導性に
優れているため、帯電(チャージアップ)によるビーム
ずれの防止や、発熱によるマスクの熱歪み防止効果に寄
与している。さらに、これらの金属は、電子線に対する
遮蔽性に優れ、エネルギー吸収体として作用するため、
シリコン薄膜部を薄く構成することができ、したがっ
て、開口精度の向上や、開口側壁による電子線への影響
を低減できる。
【0059】さらに、本発明では、先に基板上に導電層
形成しておき、導電層およびシリコン薄膜部を連続的に
ドライエッチングして開口を形成することもできる。こ
のように導電層およびシリコン薄膜部を連続的にドライ
エッチングして開口を形成すると、導電層を含めた開口
部の形成を連続ドライエッチングにより一工程でしかも
短時間で行うことができるとともに、高精度な開口部を
容易に形成することができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。実施例1 図1は本発明の転写マスクの製造工程の一例を示す工程
説明図である。図1に示すように、厚さ400μmの結
晶方位(100)のリンドープシリコン基板1と、厚さ
100μmの結晶方位(111)のリンドープシリコン
基板2を、10-7torrの減圧下、600℃で熱融着
させ、表面を研磨して二層構造の貼り合わせ基板を作製
した(図1(a))。
【0061】次に、裏面側からウエットプロセスにより
下部シリコン基板1の裏面をエッチング加工して支持枠
部11および支持枠部に支持された上部シリコン基板2
からなる薄膜部12を形成した(図1(b))。
【0062】なお、裏面加工に際し、アルカリ水溶液に
対し、結晶方位(100)の下部シリコン基板1はテー
パーエッチングができるが、結晶方位(111)の上部
シリコン基板2は不対電子数の違いにより、エッチング
速度が極端に遅いため、容易にエッチングストップが可
能であった。
【0063】続いて、表面側からドライエッチングによ
り、開口パターン13を形成し、転写マスクを得た(図
1(c))。
【0064】さらに、上記転写マスクに金属(例えば、
Au、Agなど)層を形成して導電層20形成し、耐久
性に優れた転写マスクを得た(図1(d))。
【0065】得られた転写マスクを電子線一括露光装置
に装着し、描画テストを行ったところ、放熱特性や電気
伝導性に優れ、実用性が高いことが確認された。
【0066】実施例2 図2は本発明の転写マスクの製造工程の他の例を示す工
程説明図である。図2に示すように、厚さ500μmの
結晶方位(100)のリンドープシリコン基板1と、厚
さ50μmの結晶方位(221)のリンドープシリコン
基板2を、Ar雰囲気中で、金属Snを介して280℃
でホットメルト法にて接合し、両面を研磨して二層構造
の貼り合わせ基板(ミラー基板)を作製した(図1
(a))。
【0067】作製した基板全面にCVD法により厚さ2
μmのSiO2層4を形成し、その後、裏面SiO2層4
をレジストを用いたリソグラフィーおよびドライエッチ
ングによってパターンニングした(図1(b))。
【0068】次いで、パターンニングした裏面SiO2
層4をマスクとして、エチレンジアミンを主成分とする
有機アルカリ水溶液により、下部シリコン基板1の裏面
を所定の大きさ、形状にエッチング加工して支持枠部1
1および上部シリコン基板2からなる薄膜部12を形成
した(図1(c))。
【0069】なお、この場合、上部シリコン基板1は有
機アルカリ水溶液に対するエッチングストッパー層とし
て作用している。
【0070】続いて、表面SiO2層4にレジストを用
いたリソグラフィー技術により薄膜部分に位置するよう
に所定のパターンを形成し、SF6をエッチングガスと
して用いたドライエッチングにより、レジストパターン
を表面SiO2層4に転写した(図1(d))。
【0071】レジストを除去後、上記パターンニングさ
れた表面SiO2層4をマスクとして、HBrをエッチ
ングガスとして用いたドライエッチングにより、上部シ
リコン基板2からなる薄膜部12に深堀り加工(トレン
チエッチング)を施し、開口パターン(透過パターン)
13を形成した(図1(e))。
【0072】最後に、不必要となったSiO2層4を希
フッ酸で除去し、耐久性に優れた転写マスクを得た(図
1(f))。
【0073】得られた転写マスクを電子線一括露光装置
に装着し、描画テストを行ったところ、放熱特性や電気
伝導性に優れ、実用性が高いことが確認された。
【0074】実施例3 下部シリコン基板として、厚さ500μmの結晶方位
(100)のボロンドープシリコン基板を用いたこと、
および金属Znを介して熱処理により接合を行ったこと
こと以外は実施例2と同様にして転写マスクを作製し、
同様の結果を得た。
【0075】実施例4 厚さ400μmの結晶方位(100)のリンドープシリ
コン基板と、厚さ100μmの結晶方位(221)のリ
ンドープシリコン基板を、Snの酸化を防ぐため減圧下
で、金属Snを介して280℃でホットメルト法にて接
合し、両面を研磨して二層構造の貼り合わせ基板(ミラ
ー基板)を作製した。
【0076】作製した基板全面にCVD法により厚さ1
μmのチタン(Ti)層を形成し、その後、裏面Ti層
をレジストを用いたリソグラフィーおよびウエットエッ
チング(エッチング液:希弗硝酸水溶液)によってパタ
ーンニングした。
【0077】次いで、パターンニングした裏面Ti層を
マスクとして、KOH水溶液により、下部シリコン基板
の裏面を所定の大きさ、形状にエッチング加工して支持
枠部および上部シリコン基板からなる薄膜部を形成し
た。なお、この場合、上部シリコン基板が露出した時点
でエッチングをストップした。
【0078】次に、Ti層を希弗硝酸水溶液で除去した
後、上部シリコン基板上に厚さ2μmのレジスト層を形
成し、このレジスト層をベーキングした。
【0079】続いて、レジスト層をリソグラフィー技術
により露光、現像し、薄膜部に所定のパターンを形成
し、Cl2をエッチングガスとして用いたドライエッチ
ングにより、レジストパターンを上部シリコン基板に転
写して、開口パターンを形成した。
【0080】最後に、不必要となったレジスト層を有機
溶剤で除去し、耐久性に優れた転写マスクを得た。
【0081】得られた転写マスクを電子線一括露光装置
に装着し、描画テストを行ったところ、放熱特性や電気
伝導性に優れ、実用性が高いことが確認された。
【0082】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0083】例えば、開口パターンのドライエッチング
を先に行っても、同様の結果が得られた。
【0084】また、ダイミング用のスリット(溝)を形
成した状態でドライエッチングを行っても、同様の結果
が得られた。
【0085】なお、本発明の転写マスクは、電子線露光
マスクの他、イオンビーム露光用マスクやX線露光用マ
スク等としても利用できる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明の転写マスク
の製造方法によれば、電子線照射時の放熱特性や電気伝
導性に優れるとともにパターン位置精度に優れた転写マ
スクを容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による転写マスクの製造工程の一例を示
す工程説明図である。
【図2】本発明による転写マスクの製造工程の他の例を
示す工程説明図である。
【図3】貼り合わせ基板間に発生するボイドを示す説明
図である。
【図4】従来の転写マスクの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下部シリコン基板 2 上部シリコン基板 3 金属Sn 4 SiO2層 11 支持枠部 12 薄膜部 13 開口パターン 20 導電層 30 ボイド

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持枠部と、該支持枠部に支持された薄
    膜部と、該薄膜部に形成された開口とを有する転写マス
    クの製造方法において、 二種類の結晶方位の異なるシリコン基板を接合した基板
    を用い、上部シリコン基板は薄膜部として開口を形成
    し、下部シリコン基板は支持枠部として加工することを
    特徴とする転写マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 上部シリコン基板表面の結晶方位が(1
    11)、(221)または(331)のいずれかであ
    り、下部シリコン基板表面の結晶方位が(100)また
    は(110)のいずれかであることを特徴とする請求項
    1記載の転写マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 上部シリコン基板と下部シリコン基板と
    を、減圧下、接合した基板を用いることを特徴とする請
    求項1または2記載の転写マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 上部シリコン基板と下部シリコン基板と
    を、金属を介して融着した基板を用いることを特徴とす
    る請求項1または2記載の転写マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属が、Sn、Cu、Nd、Ag、
    Ge、Eu、Yb、Ce、Al、Mg、Sb、Zn、B
    i、Su、Inのいずれかの金属、またはこれらの金属
    を少なくとも一以上含む合金であることを特徴とする請
    求項4記載の転写マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 上部シリコン基板および/または下部シ
    リコン基板が、ボロンあるいはリンをドープした基板で
    あることを特徴とする請求項1ないし5記載の転写マス
    クの製造方法。
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