JP3240558U - ポーラスコンクリート層形成用キット、及びポーラスコンクリート層 - Google Patents

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Abstract

【課題】型枠内にポーラスコンクリートを吹き付ける工法により、美観に優れ且つひび割れが抑制されたポーラスコンクリート層を形成することのできるポーラスコンクリート層形成用キットを提供する。【解決手段】ポーラスコンクリート吹付工法において用いられるポーラスコンクリート層形成用キット100は、セメント21、骨材22、及び繊維23を含むポーラスコンクリート原料20と、施工面に設置される型枠10であって、前記ポーラスコンクリート原料が内部に吹き付けられる複数のセルを画定する型枠とを備える。【選択図】図1

Description

本考案はポーラスコンクリート層形成用キット、及びポーラスコンクリート層に関する。
傾斜面の崩壊防止等を目的として、傾斜面の表面に保護層を設けることが広く行われている。保護層は例えば、コンクリートやモルタルを傾斜面の表面に吹き付けることにより形成される。また、ポーラス(多孔質)コンクリートを傾斜面の表面に吹き付けることにより、透水性を有するポーラスコンクリート保護層を形成することも行われている。
特許文献1は、複数のセルから構成される型枠を施工面に設置し、当該複数のセルの各々にセメント、骨材、及び水を吹き付けることによりポーラスコンクリート層を形成するコンクリート吹き付け工法を開示している。
特許第3961452号公報
特許文献1には「セル内にコンクリートを吹き付けることによって、吹き付け面に当たって跳ね飛ぶ骨材の不規則な運動をセルの壁面で拘束できるとともに、コンクリート層に十分な空隙を形成することができる。吹き付けられた圧縮空気の流れをセルの壁面でコントロールすることによって、不必要に強い気流で押し付けられるのを防ぐことができ、これによって均一な空隙が形成されやすくなり、同時に骨材の飛散も抑制できると考えられる。結果として、透水性に優れ、強度にも優れたコンクリート層をムラなく吹き付けることが可能になる」と記載されている(段落0010)。
ここで、現状では、型枠のセル内にポーラスコンクリートを吹き付ける工法においては、型枠(或いはセル)の上端までポーラスコンクリートを形成することは容易ではなく、型枠がポーラスコンクリートの表面から1~2cm程度突出してしまう。これは、型枠の上端近傍にポーラスコンクリートを吹き付ける際には、型枠の残りの高さ(即ち、吹付済のポーラスコンクリートの頂面から型枠の上端までの高さ)が低く、特許文献1に記載された上記の効果が十分に奏されないためである。型枠の上端までポーラスコンクリート形成した場合、ポーラスコンクリートの表面にひび割れ等が生じ得ることが観察されている。
しかしながら、近年では、型枠の上端までポーラスコンクリートを形成して、比較的滑らかな(即ち、型枠の痕跡が目立たず美観の向上した)仕上がり面を有するポーラスコンクリート保護層を施工したいという要望が高まっている。
そこで本考案は、型枠内にポーラスコンクリートを吹き付ける工法により、美観に優れ且つひび割れが抑制されたポーラスコンクリート層を形成することのできるポーラスコンクリート層形成用キットを提供することを目的とする。
また、本考案は、型枠内に形成されたポーラスコンクリートを有するポーラスコンクリート層であって、美観が優れ且つひび割れが抑制されたポーラスコンクリート層を提供することを目的とする。
本考案の第1の態様に従えば、ポーラスコンクリート吹付工法において用いられるポーラスコンクリート層形成用キットであって、
セメント、骨材、及び繊維を含むポーラスコンクリート原料と、
施工面に設置される型枠であって、前記ポーラスコンクリート原料が内部に吹き付けられる複数のセルを画定する型枠とを備えるポーラスコンクリート層形成用キットが提供される。
本考案の第2の態様に従えば、ポーラスコンクリート吹付工法において用いられるポーラスコンクリート層形成用キットであって、
セメント及び骨材を含むポーラスコンクリート原料と、
施工面に設置される型枠であって、前記ポーラスコンクリート原料が内部に吹き付けられる複数のセルを画定する型枠と、
前記ポーラスコンクリート原料により形成されたポーラスコンクリート上に塗布されるケイ酸塩系の表面含侵剤とを備えるポーラスコンクリート層形成用キットが提供される。
本考案の第3の態様に従えば、施工面に設置され且つ複数のセルを画定する型枠と、
前記複数のセルの各々の内部において該セルの略上端まで形成されたポーラスコンクリートとを備え、
前記ポーラスコンクリートが、セメント、骨材、及び繊維を含むポーラスコンクリート層が提供される。
本考案の第4の態様に従えば、施工面に設置され且つ複数のセルを画定する型枠と、
前記複数のセルの各々の内部において該セルの略上端まで形成されたポーラスコンクリートと、
前記ポーラスコンクリートの表面に塗布されたケイ酸塩系の表面含侵剤とを備え、
前記ポーラスコンクリートが、セメント及び骨材を含むポーラスコンクリート層が提供される。
本考案のポーラスコンクリート層形成用キットは、型枠内にポーラスコンクリートを吹き付ける工法により、美観に優れ且つひび割れが抑制されたポーラスコンクリート層を形成することができる。
本考案のポーラスコンクリート層は、型枠内に形成されたポーラスコンクリートを有し、美観に優れ、且つひび割れが抑制されている。
図1は、ポーラスコンクリート層形成用キットの構成を示す概略図である。 図2(a)は、収縮状態にある型枠の斜視図である。図2(b)は、展開状態にある型枠の斜視図である。 図3は、収縮状態にある型枠の一部を拡大した平面図である 図4は、型枠により画定されるセルの拡大斜視図である。 図5は、ポーラスコンクリート層形成用キットを用いてポーラスコンクリート層を形成する工程のフローチャートである。 図6(a)は、傾斜面に型枠が設置された状態を示す平面図である。図6(b)は、傾斜面に設置された型枠の各セルにポーラスコンクリートが充填された状態を示す平面図である。図6(c)は、型枠の各セルに充填されたポーラスコンクリートの表面に表面含侵剤を塗布した状態を示す平面図である。 図7(a)は、傾斜面に型枠が設置された状態を示す側面図である。図7(b)は、傾斜面に設置された型枠の各セルにポーラスコンクリートが充填された状態を示す側面図である。図7(c)は、型枠の各セルに充填されたポーラスコンクリートの表面に表面含侵剤を塗布した状態を示す側面図である。 図8は、ポーラスコンクリート吹付工程で用いる吹付システムの構成を示す概略図である。
<実施形態>
本考案の実施形態のポーラス(多孔質)コンクリート層形成用キット100(図1)、及びポーラスコンクリート層1000(図7(c))を、図1~図8を参照して説明する。
[ポーラスコンクリート層形成用キット100]
図1に示す通り、ポーラスコンクリート層形成用キット100は、型枠10と、ポーラスコンクリート原料20と、表面含侵剤30とを含む。
[型枠10]
型枠10は、ポーラスコンクリート層1000を形成する施工面(一例として傾斜面)に配置されて、施工面上に多数のセルを画定する。型枠10は、樹脂、木材、鋼板、布、コンクリート等により形成し得る。樹脂としては、例えば高密度ポリエチレンを用い得る。
本実施形態の型枠10は、図2(a)に示す収縮状態と、図2(b)に示す展開状態との間で変移可能である。型枠10は、収縮状態で施工現場へと運搬され、施工現場で展開状態にされて、施工面に設置される。
型枠10は、収縮状態においては、複数のシート部材11が重ね合わされた構成を有する。複数のシート部材11の各々は長尺の帯状である。複数のシート部材11の各々の長手方向の寸法L1は一例として約300cm~400cmであり、短手方向の寸法L2は一例として約5cm~50cmである。重ね合わされる帯状部材11の数は任意であるが、本実施形態では60枚である。
複数のシート部材11の各々は、次の態様により、隣接するシート部材11に融着されている。
図3に示す通り、重ね合わせ方向の一方からn枚目のシート部材11とn+1枚目のシート部材11とは、nが奇数の場合は、シート部材11の長手方向の一端部と、当該一端部から長手方向に沿って距離Wごとの位置に設けられた融着部F(図3の黒丸の位置)において融着されている。また、重ね合わせ方向の一方からn枚目のシート部材11とn+1枚目のシート部材11とは、nが偶数の場合は、シート部材11の長手方向の一端部から長手方向に沿ってW/2の位置と、当該位置から長手方向に沿って距離Wごとの位置に設けられた融着部Fにおいて融着されている。Wは一例として30cm~40cm程度であってよい。
即ち、複数のシート部材11の各々においては、重ね合わせ方向の一方の面に設けられた融着部Fと、重ね合わせ方向の他方の面に設けられた融着部Fとは、長手方向にW/2だけずれて位置している。
図2(a)に示す収縮状態の型枠10を重ね合わせ方向に引き延ばすと、型枠10は、図2(b)に示す展開状態に至る。上述の通り、各シート部材11の一面の融着部Fの位置と他面の融着部Fの位置とが長手方向(即ち重ね合わせ方向と直交する方向)にずれているため、展開状態の型枠10においては、各シート部材11は波状となる。これにより、隣接する2つのシート部材11の間に複数のセルCLが画定される。複数のセルCLの各々はハニカム状である。
複数のセルCLの各々の幅W(図4)は、一例として22cm~27cm程度である。複数のセルCLの各々の奥行D(図4)は、一例として18~23cm程度である。複数のセルCLの各々の高さH(即ち、型枠10の高さ。図4)は、シート部材11の短手方向の寸法L2に等しく、5cm~50cm程度である。セルCLの高さが低すぎると形成されるコンクリート層1000の厚みが不十分となり得るほか、骨材22の飛散防止効果が小さくなる。一方でセルCLの高さが高すぎると形成されるコンクリート層1000が厚くなり経済性及び作業性が低下する。
複数のセルCLの各々の平面視における面積は、一例として20cm~2000cm程度であってよく、約75cm~2000cm程度であってよく、約75cm~1000cm程度であってよい。複数のセルCLの各々の平面視における面積が大きすぎる場合には、骨材22の飛散防止効果が低下し、圧縮空気のセル内での流れの制御も不十分となり得る。これにより、セルCLの内部に形成されるポーラスコンクリートが不均質となり得る。
なお、各シート部材11には、図4に示すように多数の貫通孔THが形成されていてもよい(貫通孔THは、他の図では図示が省略されている)。これにより、複数のセルCLに渡って水分を流通させることができる。また、各セルCLの内部に形成されたポーラスコンクリートを互いに結合させることが出来る。
型枠10として、例えば、株式会社日本ランテックの販売するハニカム型法枠「テラセル」(登録商標)T-100、T-150、T-200等を使用し得る。
[ポーラスコンクリート原料20]
ポーラスコンクリート原料20(図1)は、主にセメント21、骨材22、及び繊維23を含む。
セメント21は、任意の種類のセメントを使用し得る。具体的には例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等を使用し得る。
骨材22は、任意の種類の骨材を使用し得る。具体的には例えば、天然石をそのまま使用してもよく、天然石を砕いて得られる砕石を使用してもよい。その他、高炉スラグ、溶融スラグ、人工骨材、又は廃棄コンクリートなどを骨材として使用してもよい。
骨材22の粒径は約2.5mm~15mmであってよく、約2.5mm~13mmであってよく、約2.5mm~5mmであってよい。ここで、「骨材の粒径がXmm~Ymmである」とは、骨材を呼び寸法がXmmのふるいにかけたときにその70%以上がふるい上に残り、呼び寸法がYmmのふるいにかけたときにその70%以上がふるいを通過することをいう。骨材22として、具体的には例えば6号砕石(粒径は約5mm~13mm)と7号砕石(粒径は約2.5mm~5mm)を単独で、又は混ぜ合わせて使用することができる。
粒径が2.5mm未満の骨材22を多く使用した場合は、ポーラスコンクリート層1000においてポーラスコンクリートの空隙率が低下し、ひいては透水性が低下し得る。一方で、粒径が15mm以上の骨材を多く使用した場合は、ポーラスコンクリートを吹き付ける作業(詳細後述)が困難になり得る。
繊維23は、ポーラスコンクリートを補強する繊維片である。繊維23は、具体的には例えば、ナイロン繊維とし得る。ナイロン繊維23の長さは一例として3mm~50mm程度とし得る。ナイロン繊維23の太さは一例として5μm~1500μm程度とし得る。なお、ナイロン繊維以外の樹脂繊維(アラミド繊維等)、鋼繊維、炭素繊維、天然鉱物繊維、天然植物繊維等により形成された繊維片を使用してもよい。
ポーラスコンクリート原料20の配合比率(吹き付けられて層状に形成された状態における配合比率)は、100重量部のセメント21に対して、骨材22が300~500重量部程度、繊維23が0.075~2.5重量部程度、水が15~30重量部程度であってよい。また、骨材22の配合比率は、100重量部のセメント21に対して330~440重量部程度であってもよい。繊維23の配合比率は、100重量部のセメント21に対して0.025~3.75重量部程度であってもよい。水の配合比率は、100重量部のセメント21に対して15~26重量部程度であってもよく、15~19重量部程度であってもよい。
通常のコンクリートを形成する場合の配合比率に比べて骨材21の配合比率を大きくし、及び/又は水の配合比率を小さくすることで、ポーラスコンクリートを容易に形成することができる。ただし、骨材21の配合比率が大きすぎる場合、及び/又は水の配合比率が小さすぎる場合には、形成されたポーラスコンクリートの強度が低下し得る。
その他、ポーラスコンクリート原料20は、添加剤としてAE減水剤を含んでもよい。AE減水剤を使用することで、水の配合比率が小さい場合であっても作業中の流動性の経時変化を抑制することができる。AE減水剤としては例えば、ポリカルボン酸系化合物等を使用することが出来る。
また、ポーラスコンクリート原料20は、高分子バインダーを含んでもよい。高分子バインダーを使用することで、ポーラスコンクリート層の強度を向上させることができる。高分子バインダ―としては例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ラテックス、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン、ポリアクリル酸エステル(PAE)エマルジョン等を使用し得る。
表面含侵剤30は、本実施形態では、ケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤を用いる。
[ポーラスコンクリート層1000の形成方法]
ポーラスコンクリート層形成用キット100(図1)を用いてポーラスコンクリート層1000(図7(c))を形成する方法は、図5のフローチャートに示す通り、型枠設置工程S1、ポーラスコンクリート吹付工程S2、表面含侵剤塗布工程S3を含む。
型枠設置工程S1においては、図6(a)、図7(a)に示すように、施工面である傾斜面SLに型枠10を設置する。設置作業において作業者は、収縮状態にある型枠10を重ね合わせ方向を傾斜面SLの上下方向に一致させて傾斜面SLの上端近傍に配置した後、型枠10を傾斜面SLの下方に向けて展開する。そして、展開状態に至った型枠10をアンカーAN(例えば頭部が直角に折れたL型アンカー)により傾斜面SLに固定する。これにより、多数のセルCLが傾斜面SL上に効率よく配置される。傾斜面SLは一例として、道路、河川、宅地などの造成工事によって形成された法面、ダムや溜池などの湛水斜面、各種建築物周囲の傾斜面、及び崩壊のおそれのある急傾斜面等である。
ポーラスコンクリート吹付工程S2は、吹付システム500(図8)を用いて行われる。
図8に示す通り、吹付システム500は、ホッパー510、コンベヤ521、522、計量器530、吹付機540、コンプレッサー550、送水ポンプ560、及び吹付ノズル570を主に備える。吹付機540は、上部室541と下部室542とを有する。
コンベヤ521は、ホッパー510から供給された材料を計量器530に供給するように配置されている。コンベヤ522は、計量器530から供給された材料を吹付機540の上部室541に供給するように配置されている。
コンプレッサー550は、エア配管AT1、AT2を介して、吹付機540の上部室541、下部室542とそれぞれ接続されている。吹付ノズル570は、移送管TTを介して吹付機540の下部室542と接続されている。吹付ノズル570はまた、送水管WTを介して送水ポンプ560と接続されている。
ポーラスコンクリート吹付工程S2においては、まず作業者が、骨材22をホッパー510に投入する。ホッパー510に投入された骨材22は、コンベヤ521により運搬された後、計量器530に投入される。その後、計量器530で計量された骨材22は、コンベヤ522により運搬され、吹付機540の上部室541に投入される。
次いで作業者は、セメント21を計量機530に投入する。計量器530で計量されたセメント21は、コンベヤ522により運搬され、吹付機540の上部室541に投入される。また、作業者は、繊維23を計量器530に投入する。計量器530で計量された繊維23は、コンベヤ522により運搬され、吹付機540の上部室541に投入される。計量器530は一例として攪拌計量器とし得る。また、繊維23をコンベヤ522に投入してもよい。
吹付機540の上部室541に投入されたセメント21、骨材22、及び繊維23は、別途投入された水と共に、上部室541の内部で攪拌混合される。投入される水は、ポーラスコンクリート原料20の一部である(即ち、所定の配合比率により決定される分量の一部である)。
以下、セメント21、骨材22、繊維23、及び水を攪拌混合して得られる混合物を、混合物MXと呼ぶ。AE減水剤を用いる場合は、AE減水剤を上部室541に投入し、セメント21等と共に攪拌混合してもよい。
混合物MXは、落下により下部室542に供給される。下部室542に供給された混合物MXは、コンプレッサー550からエア配管AT2を介して下部室542に供給された圧縮空気とともに、移送管TTを介して吹付ノズル570に送られる。
一方で、吹付ノズル570には、送水ポンプ560から送水管WTを介して水が供給される。この水も、ポーラスコンクリート原料20の一部である(即ち、所定の配合比率により決定される分量の一部である)。
作業者は、吹付ノズル570を操作して、移送管TTを介して吹付ノズル570に送られてきた混合物MXと、給水管WTを介して吹付ノズル570に送られてきた水とを、傾斜面SLに設置された型枠10の各セルCL内に吹き付ける。このようにポーラスコンクリート原料20に含まれる水を、吹付機540の段階と吹付ノズル570の段階とに分けて供給することで、移送管TT内でセメント21、骨材22等と水とが分離して、吹付ノズル570において水が不足することを防止できる。また、吹付時の粉塵の発生を抑制することができる。ただし、吹付機540の段階で全ての水を供給してもよく、或いは吹付ノズル570の段階で全ての水を供給してもよい。
作業者は、多数のセルCLの各々について、型枠10の上端10aまで混合物MXを充填し、更に型枠10の上端10a(即ちシート部材11の上端11a。図7(a))よりも上側にも混合物MXを吹き付ける(図6(b)、図7(b))。即ち作業者は、型枠10が混合物MXの内部に埋没するように混合物MXを吹き付ける。一例として、型枠10の上端10aの0.1cm~3cm程度上方の位置まで混合物MXを吹き付け得る。作業者はその後、吹き付けた混合物MXが硬化するまで待機する。硬化した混合物MXによりポーラスコンクリートPCが形成される。
形成されたポーラスコンクリートPCの全空隙率は10~25体積%程度であってよく、約15~25体積%程度であってよい。全空隙率が小さすぎる場合には透水性が不十分となり得る。一方で、全空隙率が大きすぎる場合には、ポーラスコンクリートPCの強度が不十分となり得る。ここで、全空隙率とは、財団法人先端建設技術センター編「ポーラスコンクリート河川護岸工法の手引き」第116~117頁(山海堂2001年4月20日刊)に記載された方法に従って測定された「容積法」を用いた値をいう。全空隙率のうち、連続空隙率の割合が50%以上であってよく、80%以上であってよく、90%以上であってよい。連続空隙率とは、前記「ポーラスコンクリート河川護岸工法の手引き」第116~117頁に記載された方法に従って測定された値をいう。
硬化後のポーラスコンクリートPCの透水係数は、良好な透水性を確保するために、0.01cm/秒程度であってよく、0.05cm/秒程度であってよい。また、透水係数は通常1cm/秒以下である。ここで、透水係数とは前記「ポーラスコンクリート河川護岸工法の手引き」第118~120頁に記載された方法に従って水温15℃で測定された値をいう。
表面含侵剤塗布工程S3においては、ポーラスコンクリートPCの表面の全面にケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤を塗布する。表面含侵剤の塗布は、スプレー(例えば粉霧器、噴霧器等)、ローラ、刷毛等を用いて行うことができる。ポーラスコンクリートPCの表面にケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤を塗布することで、ポーラスコンクリートPCの表面が緻密化し、ポーラスコンクリートPCのひび割れが抑制される。
以上により、型枠の上端までポーラスコンクリートが形成されたポーラスコンクリート層1000が形成される。
本実施形態の効果を以下にまとめる。
本実施形態のポーラスコンクリート層形成用のキット100は、ポーラスコンクリート原料20に繊維23が含まれている。そして、型枠10のセルCL内に形成されたポーラスコンクリートPCにおいては、繊維23が補強繊維として機能して、ポーラスコンクリートPCのひび割れを防止する。したがって、ポーラスコンクリート吹付工法において本実施形態のポーラスコンクリート層形成用のキット100を用いれば、型枠10の上端10aまでポーラスコンクリートPCを形成して、美観に優れ且つひび割れが抑制されたポーラスコンクリート層1000を形成することができる。
本実施形態のポーラスコンクリート層形成用のキット100は、表面含侵剤23を含む。したがって、型枠10の上端10aまで形成されたポーラスコンクリートPCのひび割れをより良好に抑制することができる。
本実施形態のポーラスコンクリート層形成用のキット100を用いて形成されたポーラスコンクリート層1000は、ポーラスコンクリートPCの表面から型枠10が飛び出しておらず、比較的滑らかな(即ち美観の向上した)仕上がり面を有する。したがって、本実施形態のポーラスコンクリート層形成用のキット100及びポーラスコンクリート層1000によれば、ポーラスコンクリートPCを植生基盤材(土壌、肥料、種子等の混合物)で覆うことなく、美観が向上した保護層を施工することができる。
[変形例]
上記実施形態において、次の変形態様を用いることも出来る。
上記実施形態においては、ポーラスコンクリート形成用キット100は、繊維23と表面含侵剤30の両方を含んでいる。しかしながら、ポーラスコンクリート形成用キット100は、繊維23及び表面含侵剤30のいずれか一方を含むのみでもよい。ポーラスコンクリート原料20が繊維23を含まず、ポーラスコンクリートPCが繊維23を含まない場合でも、型枠10の上端10aまで形成されたポーラスコンクリートPCの表面に表面含侵剤30を塗布することにより、ポーラスコンクリートPCのひび割れを抑制することができる。
上記実施形態においては、ポーラスコンクリート吹付工程S2において、型枠10の上端10aの上方まで混合物MXを吹き付けているがこれには限られない。混合物MXの吹付は型枠10の上端10aの高さや、型枠10aの上端10aの少し下側までとしてもよい。即ち形成されるポーラスコンクリートPCの高さを型枠10の上端10aの高さや、型枠10aの上端10aの少し下側までの高さとしてもよい。ポーラスコンクリートPCの高さを型枠10aの上端10aの少し下側までの高さとする場合には、例えば型枠10aの上端10aから0.1cm~0.5cm低い高さとし得る。このような態様によっても、ひび割れが抑制されており、且つ比較的滑らかな(即ち、型枠の痕跡が目立たず美観の向上した)表面を有するポーラスコンクリート層1000を形成することができる。本考案においてポーラスコンクリートが「型枠(セル)の略上端まで形成され」ているとは、ポーラスコンクリートが型枠の上端から0.5cm低い位置よりも上方まで形成されていることを意味する。
上記実施形態において、ケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤に変えて、ケイ酸リチウム系の表面含侵剤を用いてもよい。ケイ酸リチウム系の表面含侵剤を用いた場合も、ケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤を用いた場合と同様のひび割れ抑制効果を得ることができる。ここでは、ケイ酸ナトリウム系の表面含侵剤とケイ酸リチウム系の表面含侵剤を総称してケイ酸塩系の表面含侵剤と呼ぶ。
上記実施形態においては、型枠10は樹脂製でありハニカム状のセルCLを画定するが、これには限られない。例えば型枠10は、四角形のセルを格子状に画定するコンクリート製の型枠であってもよい。
本考案の特徴を維持する限り、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本考案の範囲内に含まれる。
10 型枠
11 シート部材
20 ポーラスコンクリート原料
21 セメント
22 骨材
23 繊維
30 表面含侵剤
100 ポーラスコンクリート層形成用キット
500 吹付システム
1000 ポーラスコンクリート層
CL セル
PC ポーラスコンクリート
SL 傾斜面

Claims (6)

  1. ポーラスコンクリート吹付工法において用いられるポーラスコンクリート層形成用キットであって、
    セメント、骨材、及び繊維を含むポーラスコンクリート原料と、
    施工面に設置される型枠であって、前記ポーラスコンクリート原料が内部に吹き付けられる複数のセルを画定する型枠とを備えるポーラスコンクリート層形成用キット。
  2. 前記ポーラスコンクリート原料により形成されたポーラスコンクリート上に塗布されるケイ酸塩系の表面含侵剤を更に備える請求項1に記載のポーラスコンクリート層形成用キット。
  3. ポーラスコンクリート吹付工法において用いられるポーラスコンクリート層形成用キットであって、
    セメント及び骨材を含むポーラスコンクリート原料と、
    施工面に設置される型枠であって、前記ポーラスコンクリート原料が内部に吹き付けられる複数のセルを画定する型枠と、
    前記ポーラスコンクリート原料により形成されたポーラスコンクリート上に塗布されるケイ酸塩系の表面含侵剤とを備えるポーラスコンクリート層形成用キット。
  4. 施工面に設置され且つ複数のセルを画定する型枠と、
    前記複数のセルの各々の内部において該セルの略上端まで形成されたポーラスコンクリートとを備え、
    前記ポーラスコンクリートが、セメント、骨材、及び繊維を含むポーラスコンクリート層。
  5. 前記ポーラスコンクリートの表面に塗布されたケイ酸塩系の表面含侵剤を更に備える請求項4に記載のポーラスコンクリート層。
  6. 施工面に設置され且つ複数のセルを画定する型枠と、
    前記複数のセルの各々の内部において該セルの略上端まで形成されたポーラスコンクリートと、
    前記ポーラスコンクリートの表面に塗布されたケイ酸塩系の表面含侵剤とを備え、
    前記ポーラスコンクリートが、セメント及び骨材を含むポーラスコンクリート層。
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