JP3240314B2 - 衛星航法受信装置および移動体測位システム - Google Patents

衛星航法受信装置および移動体測位システム

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JP3240314B2
JP3240314B2 JP31376893A JP31376893A JP3240314B2 JP 3240314 B2 JP3240314 B2 JP 3240314B2 JP 31376893 A JP31376893 A JP 31376893A JP 31376893 A JP31376893 A JP 31376893A JP 3240314 B2 JP3240314 B2 JP 3240314B2
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嘉治 中園
武 石崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばGPSなどの
測位システムにおける衛星航法受信装置およびそれを用
いた移動体測位システムに関する。
【0002】
【従来の技術】GPS測位システムに用いられる衛星航
法受信装置は、単独測位を行う場合、複数の航法衛星か
ら送信される一定周期のコード変調された測位用電波を
受信し、受信信号に含まれるコードの位相と受信信号の
キャリアの位相に同期して、各航法衛星から受信点まで
の距離と各航法衛星の軌道情報から受信点の位置を求
め、またキャリアのドップラ効果から受信点の移動方向
および移動速度を求める。
【0003】また、干渉測位を行う衛星航法受信装置
は、既知点に基準局として、また移動体に移動局として
それぞれ設けられ、各々受信信号のキャリア位相をカウ
ントし、基準局が求めた位相カウント値と移動局が求め
た位相カウント値との位相差から基準局と移動局間を基
線とする基準局に対する移動体の相対位置を測位する。
【0004】何れの受信装置においても、キャリア位相
との同期をとるために、再生キャリア信号を発生する発
振回路と、受信したキャリア信号とその再生キャリア信
号との位相誤差を検出する位相誤差検出部および位相誤
差に基づいて発振回路を制御するループフィルタとから
成るフェーズロックループ(PLL)回路が構成されて
いる。
【0005】また、干渉測位を行う場合、衛星からの電
波に対する障害物や雑音電波、多重反射などの影響で受
信が瞬間的に中断されることがあるが、一瞬でも信号が
止まると、瞬間的に位相同期ループが動作不能となり、
その間、発振回路がフリーランの状態となり、その結
果、受信が再開されたとき、それまでの位相関係と36
0°の整数倍のジャンプ、いわゆるサイクルスリップが
生じる。従来よりこのようなサイクルスリップが生じな
いように、アンテナの設置場所や運用上の工夫を行って
いる。もしサイクルスリップが生じていたことが後処理
の段階で判明した場合には、記録されている位相データ
の編集によって可能な場合にサイクルスリップを補正し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】キャリア位相に同期を
とるための従来のPLLフィルタでは、受信信号(観測
信号)が常に存在しているとの条件の下で動作する。従
って、受信信号が遮断している間でも、PLLフィルタ
に入力されるノイズの位相を追尾しようとするため、受
信信号の復帰後には、もはやフェーズロックループの引
込み可能周波数以上に発振周波数がずれてしまい、直ち
に位相追尾が続けられなくなる、といった問題があっ
た。
【0007】この発明の目的は、このような受信信号の
中断が生じても、その中断中のキャリア位相との同期ず
れを最小限に抑え、信号復帰後に引込み可能周波数以内
に収まるようにして前述の問題を解消した衛星航法受信
装置を提供することにある。
【0008】また、従来の干渉測位を行う衛星航法受信
装置では、サイクルスリップが発生したことを、蓄積さ
れた位相データを処理して測位を行う後処理の段階で発
見するだけであり、観測中にサイクルスリップが発生し
たことを直ちに知ることはできなかった。
【0009】この発明の他の目的は、観測中にサイクル
スリップが生じたことを直ちに検出できるようにした衛
星航法受信装置を提供することにある。
【0010】また、干渉測位により基準局に対する移動
局の相対位置を測位する従来の測位システムでは、陸上
の移動体においてサイクルスリップの発生を検出すれ
ば、移動局を停止してその場で再較正することもできる
が、例えば測量船を用いた海上測量では、測量船を瞬時
に停止させることはできず、サイクルスリップの生じた
場所での再測定は不可能であった。
【0011】この発明の他の目的は、途中でサイクルス
リップが生じても移動体を停止させずに、移動体の移動
経路を基準局に対する相対位置として順次連続的に測位
できるようにした移動体測位システムを提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る衛星航法受信装置は、擬似雑音コードによりスペクト
ラム拡散された測位用衛星からの電波を受信する受信手
段と、受信信号に含まれている擬似雑音コードに同期す
るコード同期手段と、受信信号に含まれるキャリア信号
を再生するキャリア信号再生手段と、このキャリア信号
再生手段により再生された再生キャリア信号と受信信号
との位相比較を行って位相誤差を求める位相誤差抽出手
段と、その位相誤差から受信信号のキャリア位相に同期
する再生キャリア信号の周波数を定めるループフィルタ
手段とを備えた衛星航法受信装置において、コード同期
によりスペクトラム逆拡散された信号の強度を基準強度
と比較し、基準強度に満たないとき、前記ループフィル
タに対する位相誤差を0とし、前記スペクトラム逆拡散
された信号の強度が基準強度以上であるとき、前記ルー
プフィルタに対する位相誤差を前記位相誤差抽出手段の
求めた位相誤差とする位相誤差切替手段を設け、位相誤
差データを順次積算して周波数変化分データを求める位
相誤差データ積算手段と、この周波数変化分データの移
動平均値を記憶する平均周波数変化分データ記憶手段
と、周波数変化分データを積算して周波数データを求め
る周波数変化分データ積算手段と、前記位相誤差デー
タ、周波数変化分データおよび周波数データをそれぞれ
重み付けして加算することにより再生キャリア信号の周
波数制御データを求める周波数制御データ算出手段と、
前記位相誤差切替手段により位相誤差が0に切り替えら
れたとき、前記周波数変化分データ記憶手段の内容を周
波数変化分データとする周波数変化分データ切替手段と
から、前記ループフィルタ手段を構成したことを特徴と
する。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】請求項記載の衛星航法受信装置は、複数
ビットからなる航法メッセージデータにより繰り返し変
調された測位用衛星からの電波を受信する受信手段と、
受信信号に含まれるキャリア信号を再生するキャリア信
号再生手段と、再生されたキャリア信号の位相角を積算
する位相角積算手段と、航法メッセージデータを復調す
る航法メッセージデータ復調手段とを備えた衛星航法受
信装置において、復調された航法メッセージデータを構
成する各ビットデータが予め定められた1ビット分の時
間連続するか否かを判定するビットデータ長さ判定手段
を設け、このビットデータ長さ判定手段の結果により、
前記再生キャリア信号の位相角の積算時に生じるサイク
ルスリップの有無を検出することを特徴とする。
【0017】請求項記載の衛星航法受信装置は、複数
ビットからなる航法メッセージデータにより繰り返し変
調された測位用衛星からの電波を受信する受信手段と、
受信信号に含まれるキャリア信号を再生するキャリア信
号再生手段と、再生されたキャリア信号の位相角を積算
する位相角積算手段と、航法メッセージデータを復調す
る航法メッセージデータ復調手段とを備えた衛星航法受
信装置において、復調された航法メッセージデータに繰
り返し現れるコードパターンを抽出するコードパターン
抽出手段と、抽出されたコードパターンが予め定められ
た周期で現れるか否かを判定するコードパターン出現判
定手段とを設け、このコードパターン出現判定手段の結
果により、前記再生キャリア信号の位相角の積算時に生
じるサイクルスリップの有無を検出することを特徴とす
る。
【0018】請求項に係る衛星航法受信装置は、測位
用衛星からの電波を受信する受信手段と、受信信号に含
まれるキャリア信号を再生するキャリア信号再生手段
と、再生されたキャリア信号の位相角を積算する位相角
積算手段とを備えた衛星航法受信装置において、受信信
号のキャリア周波数の直交成分を抽出する直交成分抽出
手段と、キァリア成分除去手段によりキャリア成分が除
去された直交成分の絶対値を求める絶対値抽出手段と、
その絶対値の一定時間での移動平均値を求める移動平均
値抽出手段と、この移動平均値より求めた基準値と前記
絶対値との大小比較を行う比較手段と、この比較手段の
比較結果により、前記再生されたキャリア信号の位相角
の積算時に生じるサイクルスリップの有無を検出するこ
とを特徴とする。
【0019】請求項に係る移動体測位システムは、測
位用衛星からの電波を受信する受信手段と、受信信号に
含まれるキャリア信号を再生するキャリア信号再生手段
と、再生されたキャリア信号の位相角を積算し位相角積
算値データを求める位相角積算手段と、この位相角積算
値データを無線送信する位相角積算値データ送信手段と
からなる、既知の固定点に設置した基準局と、移動体上
で相対的に一定の位置関係にある複数の点で測位用衛星
からの電波をそれぞれ受信する受信手段と、各受信信号
に含まれるキャリア信号を再生するキャリア信号再生手
段と、再生された各キャリア信号の位相角を積算し位相
角積算値データを求める位相角積算手段と、前記基準局
より送信された位相角積算値データを受信する位相角積
算値データ受信手段と、この位相角積算値データ受信手
段の受信した位相角積算値データと、前記複数の点で受
信して求めた位相角積算値データと基準点の位置情報お
よび測位用衛星の位置情報から基準点に対する移動体上
の複数の受信点の相対位置ベクトルを求める相対位置ベ
クトル算出手段と、この相対位置ベクトル算出手段の求
めた移動体上の各受信点間の相対位置ベクトルと移動体
上の各受信点間の既知の相対位置ベクトルとの比較を行
う相対位置ベクトル比較手段と、その比較結果から前記
再生されたキャリア信号の位相角の積算時にサイクルス
リップの発生した受信点を判定するサイクルスリップ発
生点判定手段とからなる、移動体上に設けた移動局、と
からなる。
【0020】請求項に係る移動体測位システムは、請
求項記載の移動体測位システムに対し、さらに前記サ
イクルスリップ発生点判定手段により判定したサイクル
スリップの発生した受信点での受信による位相角積算値
に対しサイクルスリップ分の補正を行うサイクルスリッ
プ補正手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1の衛星航法受信装置では、位相誤差抽
出手段はキャリア信号再生手段により再生された再生キ
ャリア信号と受信信号との位相比較を行って位相誤差を
求め、ループフィルタ手段は位相誤差から受信信号のキ
ャリア位相に同期する再生キャアリ信号の周波数を定め
る。そして位相誤差切替手段はコード同期によりスペク
トラム逆拡散された信号の強度を基準強度と比較し、基
準強度に満たないとき、ループフィルタに対する位相誤
差を0とし、信号の強度が基準強度以上であるときルー
プフィルタに対する位相誤差を位相誤差抽出手段の求め
た位相誤差として切り替える。
【0022】ここで請求項1の衛星航法受信装置の主要
部の構成例をブロック図として図1に示す。図1におい
て受信回路1は衛星から電波を受信し、IQ分離回路2
は受信信号を同相成分(I信号)と直交成分(Q信号)
に分離する。キャリア成分除去回路3はI信号とQ信号
に対し再生されたキャリア信号を掛け合わせてキャリア
成分を除去する。C/Aコード同期回路4は受信信号に
含まれるC/Aコードに同期したC/Aコードとの積算
を行ってスペクトラム逆拡散を行う。位相誤差抽出回路
5は受信信号に含まれるキャリア信号と再生キャリア信
号との位相誤差を抽出する。ループフィルタ6はその位
相誤差からキャリア信号再生回路7を制御する。基準発
振器8は基準周波数信号を発生する。キャリア信号再生
回路7はこの基準周波数信号を基にループフィルタ6の
出力に応じて再生キャリア信号の周波数を制御する。信
号強度検出回路9はスペクトラム逆拡散された同相成分
の信号強度を基準強度と比較する。スペクトラム逆拡散
された同相成分の信号強度が基準強度以上であるとき、
位相誤差抽出回路5により抽出された位相誤差がループ
フィルタ6に与えられ、信号強度が基準強度に達しない
ときにはループフィルタ6に対する位相誤差は0とな
る。
【0023】受信信号が中断していない状態では位相誤
差抽出回路5、ループフィルタ6、キャリア信号再生回
路7およびキャリア成分除去回路3によるフェーズロッ
クループによってキャリア位相との同期がとられ、信号
が中断したりその強度が極端に低下した場合には、ルー
プフィルタ6に対する位相誤差が0となるため、キャリ
ア信号再生回路7は信号中断前の最後のキャリア周波数
を再生し続ける。従って信号中断中の測位用衛星と受信
装置間の相対的速度変化が少なければ信号中断中におけ
る再生キャリア信号の周波数は実際のキャリア周波数を
ほぼ追尾することになり、信号が復帰するまで引込み可
能周波数範囲内に収めることができる。
【0024】また、上記ループフィルタ手段、位相誤
差データ積算手段と平均周波数変化分データ記憶手段と
周波数制御データ算出手段と周波数変化分データ切替手
段とから構成され、位相誤差積算手段は位相誤差データ
を順次積算して周波数変化分データを求め、平均周波数
変化分データ記憶手段は周波数変化分データの移動平均
値を記憶し、周波数変化分データ積算手段は周波数変化
分データを積算して周波数データを求める。周波数制御
データ算出手段は前記位相誤差データ、周波数変化分デ
ータおよび周波数データをそれぞれ重み付けして加算す
ることにより再生キャリア信号の周波数制御データを求
める。そして周波数変化分データ切替手段は、上記位相
誤差切替手段により位相誤差が0に切り替えられたと
き、周波数変化分データ記憶手段の内容を周波数変化分
データとして切り替える。
【0025】ここで上記ループフィルタ部の構成例をブ
ロック図として図2に示す。図2において積算回路10
は位相誤差積算手段に相当し、平均回路11とメモリ1
2が平均周波数変化分データ記憶手段に相当し、積算回
路13が周波数変化分データ積算手段に相当し、重み付
け回路14,15,16および加算回路17が周波数制
御データ算出手段に相当する。スイッチSW1,SW2
は信号の中断のない通常状態を示し、この状態で平均回
路11は位相誤差の積算による周波数変化分を移動平均
をとり、メモリ12はそれを記憶する。信号の中断があ
れば、スイッチSW1は開放され、スイッチSW2はb
側に切り替えられる。この状態でメモリ12の内容が周
波数変化分データとして用いられる。従って測位用衛星
と受信装置間が相対的に加速度をもって移動している途
中で信号の中断が生じても、信号の中断中にキャリア位
相の推測追尾が行われることになる。
【0026】
【0027】
【0028】請求項の衛星航法受信装置では、受信手
段は複数ビットから成る航法メッセージデータにより繰
り返し変調された測位用衛星からの電波を受信し、キャ
リア信号再生手段は受信信号に含まれるキャリア信号を
再生する。位相角積算手段は再生されたキャリア信号の
位相角を積算し、航法メッセージデータ復調手段は航法
メッセージデータを復調する。そしてビットデータ長さ
判定手段は復調された航法メッセージデータを構成する
各ビットデータが予め定められた1ビット分の時間だけ
連続するか否かを判定する。もし復調された航法メッセ
ージデータを構成するデータの或るビットが予め定めら
れた1ビット分の時間連続しなければ、その時点で再生
キャリア信号の位相角の積算時にサイクルスリップが生
じたものと見なすことができる。
【0029】請求項の衛星航法受信装置では、コード
パターン抽出手段が、復調された航法メッセージデータ
に繰り返し現れるコードパターンを抽出し、コードパタ
ーン出現判定手段は抽出されたコードパターンが予め定
められた周期で現れるか否かを判定する。もし復調され
た航法メッセージデータに現れるコードパターンが予め
定められた周期と異なった場合には、その時点でサイク
ルスリップが発生したものと見なすことができる。
【0030】請求項の衛星航法受信装置では、直交成
分抽出手段は受信信号のキャリア周波数の直交成分を抽
出し、絶対値抽出手段はキャリア成分の除去された直交
信号の絶対値を求める。移動平均値抽出手段は絶対値の
一定時間での移動平均値を求め、比較手段は絶対値と移
動平均値との大小比較を行う。
【0031】ここで請求項の衛星航法受信装置の主要
部の構成例をブロック図として図3に示す。図3におい
てIQ分離回路2が直交成分抽出手段に相当し、絶対値
回路21が絶対値抽出手段に相当し、移動平均回路22
が移動平均値抽出手段に相当し、コンパレータ24が比
較手段に相当する。受信回路1により受信された信号は
IQ分離回路2により同相成分(I信号)と直交成分
(Q信号)に分離され、キャリア成分除去回路3よりキ
ャリア成分が除去され、C/Aコード同期回路4により
C/Aコードとの同期がとられる。位相誤差抽出回路
5、ループフィルタ6およびキャリア信号再生回路7は
キャリア位相に同期するフェーズロックループ回路を構
成する。積算回路20はキャリア成分の除去された直交
成分を一定時間積算して絶対値回路21はその絶対値を
求める。キャリア位相と完全に同期がとられている通常
状態では絶対値回路21の出力レベルは0であるが、サ
イクルスリップが生じれば直交成分が現れ、絶対値回路
21の出力レベルが上昇する。
【0032】基準レベル回路23は通常状態における直
交成分の平均値から基準レベルを設定するため、コンパ
レータ24の比較結果によりサイクルスリップの有無を
検出できることになる。
【0033】請求項の移動体測位システムでは、既知
の固定点に設置した基準局と移動体上に設けた移動局と
から成り、基準局の受信手段は測位用衛星からの電波を
受信し、キャリア信号再生手段は受信信号に含まれるキ
ャリア信号を再生し、位相角積算手段は再生されたキャ
リア信号の位相角を積算し、さらに位相角積算値データ
送信手段は求められた位相角精算値を無線送信する。移
動局側の受信手段は測位用衛星からの電波を移動体上で
相対的に一定の位置関係にある複数の点で受信し、キャ
リア信号再生手段は各受信信号に含まれるキャリア信号
を再生し、位相角積算手段は各キャリア信号の位相角を
積算する。位相角積算値データ受信手段は前記基準局よ
り送信された位相角積算値データを受信し、相対位置ベ
クトル積算手段は受信した位相角積算値と、移動体上の
複数の点で受信して求めた位相角積算値と基準点の位置
情報および測位用衛星の位置情報から基準点に対する移
動体上の複数の受信点の相対位置ベクトルを求める。相
対位置ベクトル比較手段は求めた移動体上の各受信点間
の相対位置ベクトルと移動体上の各受信点間の既知の相
対位置ベクトルとの比較を行う。そしてサイクルスリッ
プ発生点判定手段はその比較結果から再生キャリア信号
の位相角の積算時にサイクルスリップの発生した受信点
を判定する。
【0034】ここで基準局と移動局の位置と相対位置ベ
クトルとの関係を図4に示す。図4においてREFは既
知の固定点に設置した基準局、MRX1,MRX2,M
RX3はそれぞれ同一の船舶上に相対的に一定の位置関
係に配置した移動局側の3つの受信点である。基準局R
EFに対する各受信点MRX1,MRX2,MRX3の
相対位置ベクトルはP1,P2,P3として求められ
る。移動体上の各受信点間の相対位置ベクトルP12,
P13,P23は、各受信点が移動体上で固定されてい
るため、また3次元方位はジャイロコンパスなどにより
測定できるため、P12,P13,P23は既知の値で
ある。基準局REFおよび移動局上の複数点での受信に
より求めた基準点に対する各受信点の相対位置ベクトル
P1′,P2′,P3′から各受信点間の相対位置ベク
トルP12′,P13′,P23′がそれぞれ求められ
る。これらの相対位置ベクトルと既知の相対位置ベクト
ルP12,P13,P23とをそれぞれ比較する。もし
P12′,P13′がP12,P13と大幅に異なる異
常な値で、P23′がP23とほぼ等しい正常な値であ
れば、MRX1での受信時にサイクルスリップが生じた
ものと判定できる。また、もしP12′,P23′がP
12,P23と大幅に異なる異常な値で、P13′がP
13とほぼ等しい正常な値であれば、MRX2での受信
時にサイクルスリップが生じたものと判定できる。同様
にP13′,P23′がP13,P23と大幅に異なる
異常な値で、P12′がP12とほぼ等しい正常な値で
あれば、MRX3での受信時にサイクルスリップが生じ
たものと判定できる。
【0035】請求項の移動体測位システムでは、サイ
クルスリップ補正手段が前記サイクルスリップ有無判定
手段により判定されたサイクルスリップの発生した受信
点での受信による位相角積算値に対しサイクルスリップ
分の補正を行う。例えば図4においてP12′,P1
3′がP12,P13と大幅に異なる異常な値で、P2
3′がP23とほぼ等しい正常な値であれば、MRX1
での受信時にサイクルスリップが生じたものと判定でき
るが、この場合にはP12′,P13′がP12,P1
3に等しくなる方向にMRX1での位相角積算値データ
に位相角360°の整数倍の加減を行ってその補正を行
う。また、もしP12′,P23′がP12,P23と
大幅に異なる異常な値で、P13′がP13とほぼ等し
い正常な値であれば、MRX2での受信時にサイクルス
リップが生じたものと判定できるが、この場合にはP1
2′,P23′がP12,P23に等しくなる方向にM
RX2での位相角積算値データに位相角360°の整数
倍の加減を行ってその補正を行う。
【0036】
【実施例】この発明の実施例であるGPS受信機の構成
をブロック図として図5に示す。
【0037】図5において30は受信アンテナであり、
高周波増幅回路31はその受信信号を高周波増幅し、混
合器33は局部発振器32の信号と混合して中間周波信
号に変換する。中間周波増幅回路34はこれを増幅す
る。ADコンバータ35はその中間周波信号をサンプリ
ングしディジタルデータに変換する。IQ分離回路36
はAD変換されたデータから同相成分(I信号)と直交
成分(Q信号)とに分離する。キャリア成分除去回路3
7はIQ分離回路36から与えられる値を数値制御発振
回路47から与えられる信号に基づいてキャリア成分を
除去し、キャリア成分の除去したI信号とQ信号をそれ
ぞれEPL分離回路38,39へ出力する。
【0038】EPL分離回路38,39はそれぞれキャ
リア成分の除去されたI信号とQ信号の出力タイミング
を0.5チップ(C/Aコードの1ビット長の1/2)
進んだ信号(以下E(EARLY)信号という。)と、
0チップ(以下P(PUNCTUAL)信号という。)
および0.5チップ遅れた信号(以下L(LATE)信
号という。)に分離してそれぞれ掛け算器40,41へ
出力する。掛け算器40,41はそれぞれE,P,Lの
各信号について、C/Aコード発生回路45から出力さ
れるC/Aコードとの掛け算を行う。積算器42,43
は掛け算器40,41の各E,P,L信号の出力値を一
定時間積算(カウントアップ)する。このC/Aコード
発生回路45と掛け算器40および積算器42とによっ
てI信号の相関器が構成され、C/Aコード発生回路4
5と掛け算器41および積算器43とによってQ信号の
相関器が構成される。C/Aコード発生回路45は設定
レジスタ44のデータに応じて定まる種類および位相の
C/Aコードを発生する。基準発振器48は基準周波数
信号を発生し、数値制御発振回路(NCO)47および
時計回路49へ与える。数値制御発振回路47は設定レ
ジスタ46に設定されるデータに基づいた周波数信号を
キャリア成分除去回路37へ与える。温度センサ50は
基準発振器48の温度を検出する。速度センサ52はこ
のGPS受信機が設けられる移動体の移動に伴う速度
(三次元方向と大きさ)を検出する。伝送制御インタフ
ェース59は外部装置との間でデータ伝送の制御を行
う。例えばこのGPS受信機が干渉測位を行う際の基準
局に用いられる場合にはデータ送信機との間でデータ伝
送制御を行う。CPU56はROM57に予め書き込ん
だプログラムを実行して後述する各種制御を行う。RA
M58は各種データの一時記憶および演算処理の際のワ
ーキングエリアとして用いる。CPU56はインタフェ
ース51を介して温度センサ50による基準発振器48
の温度データを読み取り、インタフェース53を介して
移動体の速度データを読み取る。またCPU56は積算
器42,43のデータを一定周期で読み取って、そのデ
ータからC/Aコードおよびキャリア位相追尾用の演算
(ループフィルタの演算)を行い、設定レジスタ44,
46へデータを設定することによってC/Aコード位相
およびキャリア位相との同期をとり、また設定レジスタ
46に設定したデータを一定時間ごとに積算してキャリ
ア位相の位相角積算値データを求める。
【0039】次に、図5に示したCPU56の請求項
に対応する動作をフローチャートとして図6に示す。ま
ず速度センサ52により移動体の速度を読み取り、また
温度センサ50により基準発振器48の温度を読み取る
(n1→n2)。続いて信号の中断状態にあるか否かの
判定を行う(n3)。具体的には図5に示した積算器4
2のP信号の積算値の値が予め定めた基準値に達しなけ
れば信号が中断しているものと見なし、基準値以上であ
ればC/Aコード位相およびキャリア位相との同期が保
たれているものと見なす。信号の中断状態でなければま
ず位相誤差PEを読み取る(n4)。これは図5に示し
た積算器42,43の求める同相成分のEPL信号およ
び直交成分のEPL信号の各々の積算値から求める。続
いてその位相誤差を積算して周波数変化分次元のデータ
VEを算出し、その周波数変化分の一定時間に亘る移動
平均値VE′を求め、更新する(n5→n6)。続いて
ステップn1,n2で読み取った移動体の移動速度と基
準発振器の温度を記憶する(n7→n8)。その後、周
波数変化分VEを積算して周波数次元のデータFEを求
め、位相誤差PEと周波数変化分VEおよび周波数FE
にそれぞれ一定の係数k1,k2,k3をそれぞれ重み
付けして加算することによって数値制御発振回路(NC
O)に対する制御データを算出し、これを図5に示した
設定レジスタ46へ設定する(n9→n10→n1
1)。もし信号の中断状態となれば、まず位相誤差PE
を0とする(n12)。続いて信号が中断状態でないと
きに記憶した移動体の速度と基準発振器の温度に対し、
今回読み取った移動体の速度および基準発振器の温度の
変化から周波数変化分の変動量ΔVEを予測する(n1
3)。そしてその変動量ΔVE分だけ周波数変化分の移
動平均値VE′に加算することによって周波数変化分デ
ータの補正を行う(n14)。その後、この周波数変化
分を積算して周波数次元のデータFEを算出し、同様に
して数値制御発振回路(NCO)に対する制御データを
算出し、これを設定レジスタ46へ出力する(n9→n
10→n11)。この図6に示した処理は一定周期で繰
り返し行われる。
【0040】次に図5に示したGPS受信機を用いて干
渉測位を行う場合の原理を図7を基に説明する。ここで
受信機Aは基準局の受信機、受信機Bは移動局の受信機
と考える。受信機A、受信機BおよびGPS衛星を含む
平面が垂直面であって、衛星の仰角がθであるとき、受
信機Aと受信機Bの受信する電波にはrcos(θ)分
だけの位相差が生じる。逆に、この位相差から受信機A
と受信機B間の基線長rが判明する。そして、異なった
位置から送信される衛星の電波について位相差を求める
ことによって、基準局に対する移動局の基線ベクトル
(三次元方向と距離)が求められる。GPSの測位用電
波信号のL1帯を用いれば、その1波長は約19cmで
あるため、1波長より短い数センチ程度の変化を検出で
きるようになる。ただしキャリア信号の位相角を積算す
る際に電波のマルチパスなどによって信号が瞬断すれば
360°の整数倍のスリップ(サイクルスリップ)が生
じる。このようなサイクルスリップの発生を観測時に検
出する方法を次に説明する。
【0041】図8は図5に示したCPU56の請求項
に対応する動作を示すフローチャートである。この図8
に示す処理は航法メッセージのビットスタートのタイミ
ングで実行される。航法メッセージはビット率50bp
sで180°位相変調されていて、メインフレームは全
ビット数1500ビットで30秒間のデータから成り、
6秒300ビットづづの5つのサブフレームに分割され
ている。従って1ビットは20msec持続する。図8
に示す例では、1msecの周期で航法メッセージ信号
を読み取り、これを20回(20msecの間)読み取
る(n20→n21→n22)。そして20個分のサン
プリングデータが全て同一極性であるか否かを判定する
(n23)。航法データは180°の位相変調がなされ
ているため、もし20回のサンプリングのうちにビット
の切り替わりがあれば、その時点で極性が変わるため、
このことからサイクルスリップが発生したことを検知で
きる。
【0042】次に、図5に示したCPU56の請求項
に対応する処理手順をフローチャートとして図9に示
す。この処理は航法メッセージのスタートタイミングか
ら実行される。まず航法メッセージの1ビット分のサン
プリングデータを抽出する(n30)。具体的には1ビ
ット分である20msecの間に1msec毎に20回
のサンプリングを行い、20個のデータの極性から多数
決によりビット“1”または“0”を決定する(n3
1)。この処理を1サブフレーム(300ビット)分に
ついて行う(n32→n30・・・)。その後、この1
サブフレームの先頭に付加されているTLMと略されて
いるテレメトリを兼ねた同期パターンの8ビット(プリ
アンブル)のビットパターンが予め定められているビッ
トパターン“10001011”またはこの反転パター
ンとの一致判定を行う。これが一致しなければサイクル
スリップが生じたものと見なすことができる。
【0043】次に、図5に示したCPU56の請求項
に対応する処理手順をフローチャートとして図10に示
す。まず直交成分のデータQを読み取る(n40)。具
体的には図5に示した積算器43のP信号の積算値を読
み取る。続いてその絶対値の移動平均値QMを算出する
(n41)。そしてこのQMから一定比率高い値QRを
基準レベルとして決定する(n42)。そして、直交成
分Qと基準レベルQRとの大小比較を行う(n43)。
サイクルスリップの生じていない通常状態では直交成分
Qは基準レベルQRより小さいが、サイクルスリップが
生じれば、直交成分Qは基準レベルQRを大きく上回る
ことになるため、このことからサイクルスリップの有無
を判定することができる。
【0044】次に、請求項およびに対応する移動体
測位システムの構成をブロック図として図11に示す。
図11において60は陸上の既知点に固定配置された基
準局であり、GPS受信機61とデータ送信機62から
構成している。70は船舶上に装備された移動局であ
り、3つのGPS受信機71,72,73とデータ受信
機74から構成している。固定局のGPS受信機61は
複数のGPS衛星(81,82など)からの電波を受信
し、その位相角積算値を求める。データ送信機62は各
衛星毎の位相角積算値を時刻データとともに無線送信す
る。移動局側の3つのGPS受信機71,72,73は
図4に示したMRX1,MRX2,MRX3の位置に配
置していて、それぞれ各衛星からの電波を受信して位相
角積算値を求める。移動局側のデータ受信機74は各G
PS受信機の求めた各衛星ごとの位相角積算値を時刻デ
ータとともに収集し、基準局のデータ送信機62から送
信されたデータを受信して、干渉測位法により基準局に
対する各GPS受信機71,72,73の相対位置ベク
トルを求める。この構成により、移動局70は既知点で
ある基準較正点に停船している状態で、移動局の各GP
S受信機の絶対位置を設定するとともに、位相角積算値
の整数値バイアスを決定し、その基準較正点から出発し
て衛星からの電波を受信し続けながらその位相角積算値
を求めれば、移動局の移動した各点の位置を基準局に対
する相対位置として順次測位するいわゆるキネマティッ
クGPS測位を行うことができる。
【0045】図11に示したGPS受信機61、71、
72、73の構成は図5に示したものと基本的に同一で
あるが、基準局側のGPS受信機61については図5に
示した速度センサ52は不要である。
【0046】図11に示したデータ送信機62の構成を
ブロック図として図12に示す。図12においてCPU
90はROM91に予め書き込んだプログラムを実行す
る。
【0047】RAM92はそのプログラムの実行に際し
て伝送データの一時記憶や加工を行う際のワーキングエ
リアとして用いる。伝送制御インタフェース93はGP
S受信機61との間で各種データの伝送制御を行う。C
PU90はこの伝送制御インタフェース93を介してG
PS受信機61から衛星の識別情報、位相角積算値およ
び時刻データなどの各種データを読み取る。伝送制御イ
ンタフェース94は無線送信するための信号を送信し、
データ送信回路95はその信号を無線送信する。
【0048】図11に示した移動局側のデータ受信機7
4の構成をブロック図として図13に示す。図13にお
いてCPU100はROM101に予め書き込んだプロ
グラムを実行する。RAM102はそのプログラムの実
行に際して伝送データの一時記憶や加工を行う際のワー
キングエリアとして用いる。伝送制御インタフェース1
03は3つのGPS受信機71,72,73との間で各
種データの伝送制御を行う。CPU100はこの伝送制
御インタフェース103を介して各GPS受信機から衛
星の識別情報、位相角積算値および時刻データなどの各
種データをそれぞれ読み取る。データ受信回路105は
基準局のデータ送信機から無線送信された信号を受信
し、CPU100は伝送制御インタフェース104を介
して受信信号を読み取る。ジャイロコンパス106は移
動体の3次元方位を検出する。CPUはこの3次元方位
から3つのGPS受信機71,72,73間の相対位置
ベクトルを求める。
【0049】次に図13に示した移動局側のデータ受信
機のCPUの処理手順をフローチャートとして図14〜
図16に示す。まず基準局のデータ送信機62から送信
された各種データを読み取る。(基準局のデータ送信機
62から送信された各種データはそれを受信するごとに
順次記憶していて、その記憶データを読み出す。)(n
50)また各GPS受信機71,72,73からデータ
(衛星の識別情報、位相角積算値および時刻情報など)
を読み取る(n51)。続いてこれらのデータに基づい
て図4に示したように基準局に対する移動局の各GPS
受信機の相対位置ベクトルP1,P2,P3を算出する
(n52)。続いてジャイロコンパスから3次元方位を
読み取り、この3次元方位とGPS受信機71、72、
73の各受信点の相対位置に基づき各受信機間の相対位
置ベクトルP12,P13,P23をそれぞれ算出する
(n53→n54)。続いて図15以降に示すように、
移動局側の各受信機間の相対位置ベクトルP12,P1
3,P23と測定による相対位置ベクトルP12′,P
13′,P23′をそれぞれ比較することによってサイ
クルスリップの生じた受信点の判定を行う。すなわち図
15に示すように、まず判定用のフラグF12,F1
3,F23をそれぞれリセットし、相対位置ベクトルP
12とP12′との差が予め定めた値以内であるか否か
によってP12′の正常/異常判定を行う(n56→n
57→n58)。異常であればフラグF12をセットす
る(n59)。同様に相対位置ベクトルP13とP1
3′との差を求めて、P13′が正常であるか否かを判
定する(n60→n61)。異常であればフラグF13
をセットする(n62)。さらに相対位置ベクトルP2
3とP23′との差を求め、これによりP23′の正常
/異常判定を行う(n63→n64)。異常であればフ
ラグF23をセットする(n65)。続いて図16に示
すように、フラグF12,F13がともにセット状態で
あれば受信点MRX1に配置したGPS受信機71の求
めた位相角積算値にサイクルスリップが生じたものと見
なし、その補正を行う(n66→n67→n68→n6
9)。またフラグF12,F23がセット状態であれば
受信点MRX2に配置したGPS受信機72の求めた位
相角積算値にサイクルスリップが生じたものと見なし
て、その補正を行う(n70→n71)。またフラグF
13,F23がセット状態であれば受信点MRX3に配
置したGPS受信機73の求めた位相角積算値にサイク
ルスリップが生じたものと見なして、その補正を行う
(n72→n73→n74)。
【0050】フラグF12,F13,F23がともにリ
セット状態であれば何れにおいてもサイクルスリップが
生じなかったものと見なす。フラグF12,F13,F
23のうち何れか1つのみがセット状態となった場合に
は異常状態と見なして異常処理を行う(n77,n7
8,n79,n80)。なお、サイクルスリップの補正
は各受信点間の相対位置ベクトルが既知の相対位置ベク
トルに等しくなる方向に360°の整数倍の位相角積算
値を加減算して行う。サイクルスリップの生じていない
状態またはサイクルスリップの補正が行われた後は、各
GPS受信機間の相対位置ベクトルから船首方位、ロー
リングおよびピッチなどの船体運動を測定する(n7
6)。
【0051】
【発明の効果】この発明の請求項1の衛星航法受信装置
によれば、受信信号の中断があった場合でも、その間に
キャリア位相の推測追尾を行うことができ、信号復帰後
に直ちにキャリア位相の追尾が続行することができ、マ
ルチパスが生じる場合など受信条件の悪化した場合でも
測位が継続できるようになる。また、請求項2,3,4
の衛星航法受信装置によれば、キャリア信号の位相角の
積算時にサイクルスリップが生じたか否かを観測時に直
ちに知ることができ、サイクルスリップが生じた場合の
対策が容易となる。請求項5,6の移動体測位システム
によれば、移動局側でサイクルスリップが生じたことを
判定することができるとともに、移動局を停止して再較
正することなくその自動補正を容易に行えるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項に対応する衛星航法受信装
置の主要部の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すループフィルタ6の構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】この発明の請求項に対応する衛星航法受信装
置の主要部の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明の請求項に対応する移動体測位シス
テムにおける基準局と移動局の位置および相対位置ベク
トルとの関係を示す図である。
【図5】この発明の実施例であるGPS受信機の構成を
示すブロック図である。
【図6】図5に示すCPU56の請求項に対応する処
理手順を示すフローチャートである。
【図7】干渉測位法の原理を示す図である。
【図8】図5に示すCPU56の請求項に対応する処
理手順を示すフローチャートである。
【図9】図5に示すCPU56の請求項に対応する処
理手順を示すフローチャートである。
【図10】図5に示すCPU56の請求項に対応する
処理手順を示すフローチャートである。
【図11】請求項5,6に対応する移動体測位システム
の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すデータ送信機62の構成を示す
ブロック図である。
【図13】図11に示すデータ受信機74の構成を示す
ブロック図である。
【図14】図13に示すデータ受信機におけるCPUの
処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図13に示すデータ受信機におけるCPUの
処理手順を示すフローチャートである。
【図16】図13に示すデータ受信機におけるCPUの
処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
REF−基準局 MRX1,MRX2,MRX3−移動局の受信点 60−基準局 70−移動局 81,82−GPS衛星
フロントページの続き (72)発明者 福田 治美 鹿児島県鹿児島市谷山港1丁目16番地 運輸省第四港湾建設局鹿児島港工事事務 所内 (72)発明者 井澗 健二 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−27217(JP,A) 特開 昭62−272172(JP,A) 特開 平6−230103(JP,A) 特開 平6−201813(JP,A) 特開 平4−20889(JP,A) 土屋淳、今給黎哲朗(いまきいれ て つろう),「GPS測量と基線解析の手 引」,(社)日本測量協会,1992年10月 26日,pp.185−186,243−279,299 −303 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 5/00 - 5/14 IEEE/IEE Electroni c Library

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擬似雑音コードによりスペクトラム拡散
    された測位用衛星からの電波を受信する受信手段と、受
    信信号に含まれている擬似雑音コードに同期するコード
    同期手段と、受信信号に含まれるキャリア信号を再生す
    るキャリア信号再生手段と、このキャリア信号再生手段
    により再生された再生キャリア信号と受信信号との位相
    比較を行って位相誤差を求める位相誤差抽出手段と、そ
    の位相誤差から受信信号のキャリア位相に同期する再生
    キャリア信号の周波数を定めるループフィルタ手段とを
    備えた衛星航法受信装置において、 コード同期によりスペクトラム逆拡散された信号の強度
    を基準強度と比較し、基準強度に満たないとき、前記ル
    ープフィルタに対する位相誤差を0とし、前記スペクト
    ラム逆拡散された信号の強度が基準強度以上であると
    き、前記ループフィルタに対する位相誤差を前記位相誤
    差抽出手段の求めた位相誤差とする位相誤差切替手段を
    設け 位相誤差データを順次積算して周波数変化分データを求
    める位相誤差データ積算手段と、この周波数変化分デー
    タの移動平均値を記憶する平均周波数変化分データ記憶
    手段と、周波数変化分データを積算して周波数データを
    求める周波数変化分データ積算手段と、前記位相誤差デ
    ータ、周波数変化分データおよび周波数データをそれぞ
    れ重み付けして加算することにより再生キャリア信号の
    周波数制御データを求める周波数制御データ算出手段
    と、前記位相誤差切替手段により位相誤差が0に切り替
    えられたとき、前記周波数変化分データ記憶手段の内容
    を周波数変化分データとする周波数変化分データ切替手
    段とから、前記ループフィルタ手段を構成した ことを特
    徴とする衛星航法受信装置。
  2. 【請求項2】 複数ビットからなる航法メッセージデー
    タにより繰り返し変調された測位用衛星からの電波を受
    信する受信手段と、受信信号に含まれるキャリア信号を
    再生するキャリア信号再生手段と、再生されたキャリア
    信号の位相角を積算する位相角積算手段と、航法メッセ
    ージデータを復調する航法メッセージデータ復調手段と
    を備えた衛星航法受信装置において、 復調された航法メッセージデータを構成する各ビットデ
    ータが予め定められた1ビット分の時間連続するか否か
    を判定するビットデータ長さ判定手段を設け、このビッ
    トデータ長さ判定手段の結果により、前記再生キャリア
    信号の位相角の積算時に生じるサイクルスリップの有無
    を検出することを特徴とする衛星航法受信装置。
  3. 【請求項3】 複数ビットからなる航法メッセージデー
    タにより繰り返し変調された測位用衛星からの電波を受
    信する受信手段と、受信信号に含まれるキャリア信号を
    再生するキャリア信号再生手段と、再生されたキャリア
    信号の位相角を積算する位相角積算手段と、航法メッセ
    ージデータを復調する航法メッセージデータ復調手段と
    を備えた衛星航法受信装置において、 復調された航法メッセージデータに繰り返し現れるコー
    ドパターンを抽出するコードパターン抽出手段と、 抽出されたコードパターンが予め定められた周期で現れ
    るか否かを判定するコードパターン出現判定手段とを設
    け、このコードパターン出現判定手段の結果により、前
    記再生キャリア信号の位相角の積算時に生じるサイクル
    スリップの有無を検出することを特徴とする衛星航法受
    信装置。
  4. 【請求項4】 測位用衛星からの電波を受信する受信手
    段と、受信信号に含まれるキャリア信号を再生するキャ
    リア信号再生手段と、再生されたキャリア信号の位相角
    を積算する位相角積算手段とを備えた衛星航法受信装置
    において、 受信信号のキャリア周波数の直交成分を抽出する直交成
    分抽出手段と、 キァリア成分除去手段によりキャリア成分が除去された
    直交成分の絶対値を求める絶対値抽出手段と、 その絶対値の一定時間での移動平均値を求める移動平均
    値抽出手段と、 この移動平均値より求めた基準値と前記絶対値との大小
    比較を行う比較手段と、 この比較手段の比較結果により、前記再生されたキャリ
    ア信号の位相角の積算時に生じるサイクルスリップの有
    無を検出することを特徴とする衛星航法受信装置。
  5. 【請求項5】 測位用衛星からの電波を受信する受信手
    段と、受信信号に含まれるキャリア信号を再生するキャ
    リア信号再生手段と、再生されたキャリア信号の位相角
    を積算し位相角積算値データを求める位相角積算手段
    と、この位相角積算値データを無線送信する位相角積算
    値データ送信手段とからなる、既知の点に設置した基準
    局と、 移動体上で相対的に一定の位置関係にある複数の点で測
    位用衛星からの電波をそれぞれ受信する受信手段と、各
    受信信号に含まれるキャリア信号を再生するキャリア信
    号再生手段と、再生された各キャリア信号の位相角を積
    算し位相角積算値データを求める位相角積算手段と、前
    記基準局より送信された位相角積算値データを受信する
    位相角積算値データ受信手段と、この位相角積算値デー
    タ受信手段の受信した位相角積算値データと、前記複数
    の点で受信して求めた位相角積算値データと基準点の位
    置情報および測位用衛星の位置情報から基準点に対する
    移動体上の複数の受信点の相対位置ベクトルを求める相
    対位置ベクトル算出手段と、この相対位置ベクトル算出
    手段の求めた移動体上の各受信点間の相対位置ベクトル
    と移動体上の各受信点間の既知の相対位置ベクトルとの
    比較を行う相対位置ベクトル比較手段と、その比較結果
    から前記再生されたキャリア信号の位相角の積算時にサ
    イクルスリップの発生した受信点を判定するサイクルス
    リップ発生点判定手段とからなる、移動体上に設けた移
    動局、 とからなる移動体測位システム。
  6. 【請求項6】 前記サイクルスリップ発生点判定手段に
    より判定したサイクルスリップの発生した受信点での受
    信による位相角積算値に対しサイクルスリップ分の補正
    を行うサイクルスリップ補正手段をさらに設けた請求項
    記載の移動体測位システム。
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