JP3240086U - 消臭防臭抗菌性付加印刷シート - Google Patents

消臭防臭抗菌性付加印刷シート Download PDF

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Abstract

【課題】ホタテ貝殻を高温で焼成し生成した抗菌剤を塗料に混錬しシルクスクリーン印刷およびグラビア印刷にて不織布または紙または布またはフィルムに印刷する事により容易に抗菌性および消臭性を付与する消臭防臭抗菌性付加印刷シートを提供する。【解決手段】本考案に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、基材シート11と、基材シート11に付着された塗料部材であって、卵殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ホッキ貝殻、珊瑚殻及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも1種の焼成物に加水し、粉砕してなる水酸化カルシウム粉末と塗料とを含んでなる塗料部材12とを備えることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本考案は、不織布、織布、編地等の生地または紙またはフィルム等の各種材料よりなる物品や壁面等の表面に消臭性や抗菌性をシルクスクリーン印刷及びグラビア印刷による方法にて付与するシートである。
より具体的には、ホタテ貝殻を高温で焼成し生成した抗菌剤を塗料に混錬しシルクスクリーン印刷およびグラビア印刷にて不織布または紙または布等に印刷する事により容易に抗菌性および消臭性を付与するシートである。
食器収納棚、下駄箱は密閉された空間により臭いや湿気が発生する事案が発生していた。また洗面所及びトイレのタオルかけ設置の壁面はタオルが触れる事により汚れが移染したり水分によりカビが発生する等の事象が発生していた。またスニーカーやビジネスシューズ等の物品は、特に使用時に着用者の脚が発汗しやすいことから、臭いが気になりやすい。このため、例えば特許文献1に記載されているような、消臭性を付与したインソール(中敷)が知られており、これを靴の内側に敷くことにより、臭いを抑制することもなされている。
特開平2-63403号公報
ところが、上述のような様々なニーズを解決しようとする場合、それぞれ使用する場所や用途に合わせて異なる物品を購入する必要があり特にインソール用の消臭抗菌に関しては市販の中敷きを靴に入れて用いると、微妙に靴の内側の寸法が変わって履き心地に違和感が生じることも多い。一方、例えば靴が当初から具えるインソールが取り外し可能な場合には、上述のようなインソールに交換することも可能であるが、寸法および形状が靴に合致していないと、靴内にスムーズに入りきらなかったり、あるいは逆に、スムーズに入っても余裕があり過ぎて靴から外れ出やすくなったりするといったことがあり、このためインソールの寸法および形状を靴に揃える必要があるという難点がある。また壁紙の汚れを防ぐ為には両面テープ等を用いて貼り付けなければならなかったが、長期間貼付していると剥がす際に壁紙が破れる等の事例が発生していた。
本考案は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、不織布または紙または布製およびフィルム製のシートにシルクスクリーン印刷またはグラビア印刷にて消臭抗菌性を必要とする敷物状の物品、靴のインソール等の物品および壁紙の汚れ防止用の物品に容易に消臭性や抗菌性を付与することが可能であって使用感も損なわれ難い消臭抗菌性のシートを提供することにある。
本考案に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートは、前記の課題を解決するために、基材シートと、前記基材シートに付着された塗料部材であって、卵殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ホッキ貝殻、珊瑚殻及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも1種の焼成物に加水し、粉砕してなる水酸化カルシウム粉末と塗料とを含んでなる塗料部材とを備えることを特徴とする。
前記の構成に於いては、前記塗料部材が、基材シートに均一に納まりまた例えば靴のインソールの表面内等に納まり得る拡がりおよび形状を有する配置となるように前記基材シートに付着されていることが好ましい。
前記の構成に於いては、前記水酸化カルシウム粉末の含有量が、前記塗料部材の全質量に対し1質量%~99質量%(より望ましくは5質量%~10質量%)の範囲であることが好ましい。
本考案に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートは、塗料部材が水酸化カルシウム粉末を含有するため、抗菌性、防カビ性及び消臭性に優れる。従って、靴のインソール等の物品に塗料部材を転写または貼付することにより、該物品に容易に消臭性や抗菌性を付与することができる。また、例えば靴のインソールの場合、シルクスクリーン印刷にて塗布する基材をアイロン転写用の溶剤にした場合、消臭性を有するインソールを靴に追加的に入れるのではなく、靴が当初から具えるインソールに直接的に消臭性や抗菌性を付与することができるため、靴の内側の寸法が変わって履き心地に違和感が生じるといったように、物品の使用感が損なわれるようなことともなり難い。またこの場合、インソールを交換するのでもなく既存のインソールを利用できるため、その寸法および形状を靴に揃えるといった必要もない。
さらにまた、水酸化カルシウム粉末は、卵殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ホッキ貝殻、珊瑚殻及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも1種を焼成した後に加水し、粉砕したものからなる。すなわち、水酸化カルシウム粉末は生物由来の材料や石灰石を原料として調製されたものであるため、人体に対する安全性に優れている。このため、本考案に係る消臭抗菌性アイロン熱転写シートを、例えば人体に直接的または間接的に接触するような部位に有用に適用することができる。
本考案の実施の一形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートを表す平面図である。 本考案の実施の一形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートをシルクスクリーン印刷にて塗布する基材をアイロン転写用の溶剤にて作成した場合の使用方法を説明する図である。 本考案の実施の他の形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートを裏面弱粘着性シートにて制作した場合の使用方法を説明する図であって、靴のインソールに使用した例を示す図である。 本考案の実施の他の形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートを裏面弱粘着性シートにて制作した場合の使用方法を説明する図であって、タオルかけ設置の壁面に使用した例を示す図である。
本実施の形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートについて、図1~図3に基づき以下に説明する。図1は、消臭防臭抗菌性付加印刷シートを表す平面図である。図2、図3は、消臭防臭抗菌性付加印刷シートの使用方法を説明する図である。
図1に示す様に、本実施の形態の消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、基材シート11と塗料部材12とを備えるものとなっている。
ここで、本明細書に於いて「抗菌」及び「抗菌性」とは、JIS L 1902:2015で規定される様に、「細菌の増殖を抑制させる性質」を意味する。また、本明細書に於いて「防カビ」及び「防カビ性」とは、カビの発生及び増殖を遅延ないし阻止することを意味し、例えば、JIS Z 2911:2010で規定されるカビ抵抗性試験により評価することができる。さらに、本明細書に於いて「消臭」及び「消臭性」とは、雑菌の繁殖に伴い発生する臭気物質を分解して臭気物質を除去する意味の他、臭気物質の生成そのものを抑制する制臭性をも含む意味である。
本実施の形態に係る基材シート11は、平面視に於ける全体形状として、幅W、長さLを有するやや縦長の矩形のシート状体となっている。基材シート11のほぼ全面には、それぞれ平面視ドット形の粒状の形態を有する多数(複数)の塗料部材12が付着されており、これら塗料部材12は、互いに縦横に一定間隔Sをおいて、仮想の格子(碁盤目)の交点上に各々位置するように規則的に配列されている。
ここで、本明細書に於いて、「ドット形」とは、円形、ないし概ね円形に近い楕円形、多角形、不定形等の任意の平面形状を意味し、「ドット形の粒状の形態」とは、このような任意の平面形状をなすように粒状(スポット状)に一点部にかたまった形態を意味する。
基材シート11の材質およびその厚さは、塗料部材12を安定的に保持することができ、また、製造段階で塗料部材12を付着させる際や使用段階で塗料部材12を物品に転写または(シートごと)貼付して定着する際に加わる圧力、熱等に耐え得る強度を有するものであればよいが、特に塗料部材12を物品に熱転写する場合に、熱伝導性を有していることが望ましく、換言すれば、断熱性を有するものは望ましくない。例えば材質として、紙、布、不織布、樹脂シート等が挙げられるが、安価で取り扱いも容易なこと等から紙または不織布が特に好適に用いられる。
塗料部材12は、水酸化カルシウム粉末と溶剤(塗料)とを主成分として塗料原料を調製し、この塗料原料を基材シート11に付着させることにより形成される。なお、本明細書において、「塗料原料」とは、塗料部材を形成する原料であって、水酸化カルシウム粉末と塗料とを含んでなり、基材シート11に付着させる前の段階にある原料を意味する。
水酸化カルシウム粉末は強アルカリ性を示すことから、水酸化カルシウム粉末を含有させることにより、雑菌の増殖を抑制することができる。また、水酸化カルシウム粉末は防カビ効果も有するため、カビの増殖を抑制又は低減することができる。その結果、抗菌性、防カビ性及び消臭性に優れた塗料部材12とすることができる。
水酸化カルシウム粉末は、卵殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ホッキ貝殻、珊瑚殻及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「卵殻等」という場合がある。)の焼成物に加水し、粉砕したものからなる。
卵殻等の焼成物は焼成カルシウム(酸化カルシウム(CaO))からなり、卵殻等を高温焼成することで得られる。卵殻等は、通常、廃棄処理されるものであるところ、これを焼成カルシウムの原料に用いることで、原料の調達コストを抑制することができ、廃棄物の有効利用が図られる。また、卵殻等は炭酸カルシウム(CaCO)を主成分としており、その焼成物は高い消臭性と抗菌性を備える。
焼成カルシウムは、卵殻等の原料を水で粗洗浄した後に乾燥し、粉砕を行う。さらに、粉砕で得られた粗粉砕物を焼成することで得ることができる。
粗洗浄は、原料の表面等に付着している汚れや有機物を除去するために行われる。粗洗浄の洗浄時間や洗浄方法は、汚れ等が除去可能であれば特に限定されない。
また、乾燥の方法は特に限定されず、自然乾燥、熱風乾燥又は加熱乾燥等を採用することができる。さらに、乾燥時間及び乾燥温度等の乾燥条件についても特に限定されず、適宜必要に応じて設定可能である。
粉砕の方法は特に限定はされず、ボールミル又はロールミル等の公知の粉砕機を使用することができる。粉砕物の粒度についても特に限定はなく、粗粉砕程度でもよい。
卵殻等の焼成は、当該卵殻等を酸化して、即ち、炭酸カルシウムを酸化して酸化カルシウムを生成させるために行われる。従って、焼成は酸化雰囲気で行われるのが好ましく、通常は大気中で行われる。焼成温度及び焼成時間は、原料が十分に焼成される条件であれば特に限定されない。例えば、原料が卵殻である場合、焼成温度は800℃~1150℃の範囲内が好ましく、850℃~1150℃の範囲内がより好ましく、約1000℃が特に好ましい。また、焼成時間は0.5時間~1時間の範囲内が好ましい。また、原料がホタテ貝殻である場合、焼成温度は同じく800℃~1150℃の範囲内が好ましく、820℃~1150℃の範囲内がより好ましく、約850℃が特に好ましい。また、焼成時間も同じく0.5時間~1時間の範囲内が好ましい。
尚、粗粉砕物については、焼成前にさらに煮沸及び洗浄を行い、付着している汚れや有機物等の除去を行ってもよい。
水酸化カルシウムは、前述のようにして得られた焼成カルシウム(酸化カルシウム)に加水することで、酸化カルシウムを水和して得られる。得られた水酸化カルシウムの固体に対しては、さらに粉砕により微粉末にする。これにより、水酸化カルシウム粉末が得られる。粉砕方法としては特に限定されず、例えば、ミキサー、エアジェットミル、ボールミル、ロールミル等の公知の粉砕機を使用することができる。
水酸化カルシウム粉末の平均粒径は特に限定されないが、通常は3.6μm~15μmの範囲内が好ましく、4μm~15μmの範囲内がより好ましく、4μm~10μmの範囲内が特に好ましい。前記数値範囲の平均粒径を有する水酸化カルシウム粉末を用いたことで、水酸化カルシウム粉末を塗料中に均一に分散させることができる。これにより、塗料に於いて、抗菌性能や消臭性能にバラツキが生じるのを抑制することができる。尚、卵殻はホタテ貝殻等の貝殻と異なり含有する不純物が少ない。そのため、前述の貝殻の場合に比較して、高純度の水酸化カルシウム粉末を得ることができる。
水酸化カルシウム粉末の含有量は、塗料部材の全質量に対し1質量%~99質量%の範囲が好ましく、より好ましくは2質量%~80質量%、さらに好ましくは3質量%~50質量%、さらに一層好ましくは5質量%~10質量%である。水酸化カルシウム粉末の含有量を1質量%以上(好ましくは5質量%以上)にすることにより、良好な抗菌性、防カビ性及び消臭性を発揮させることができる。その一方、水酸化カルシウム粉末の含有量を99質量%以下(好ましくは10質量%以下)にすることにより、塗料部材12の形状保持性および付着性が低下するのを抑制することができる。
上記水酸化カルシウム粉末と、上記塗料、無機顔料等とを、混合して塗料原料とし、この塗料原料をシルクスクリーン印刷およびグラビア印刷等の方法により基材シート11に付着させることで塗料部材12が形成されこれにより消臭防臭抗菌性付加印刷シート1が得られる。
塗料部材12の寸法や形状、配列等は、対象(定着対象)の寸法および形状に対応して適宜設定すればよい。本実施形態においては、定着対象を靴のインソールの表面としており、このため、図1に示すように、一様に拡がるように塗料部材12が配置形成されている。
尚、塗料部材12の配置態様としても、図1に示す本実施形態のような、多数のドット形の塗料部材12を配列したもの以外にも、例えば、多数(複数)のハート型や星型など任意の形状、平面視直線状のリブを格子状(碁盤目状)に縦横ないし斜めに配置形成したもの、多数(複数)の波状、ジグザグ状等の平面形状を有するリブを並行するように配置形成したもの等、また企業ロゴ、その他文字、イラスト等、任意のものが可能である。
基材シート11の寸法および形状としては、定着する対象(定着対象)の寸法および形状、塗料部材12が配置形成される領域の寸法および形状に対応して適宜設定すればよい。特に、基材シート11の形状として、例えば、矩形状、三角形状等の多角形状、円状、楕円状等の幾何学的形状や、不定形状、各種のキャラクタを模した形状等、定着対象ないし定着領域の形状に応じて任意の形状に設定することができる。
本実施の形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、例えば図2または図3に示すようにして使用することができる。即ち、まず、図2(a)に示すように、靴のインソール13における先端部(つま先側部)の上に、塗料部材12形成側面を下にして消臭防臭抗菌性付加印刷シート1を載置し、次いで、図2(b)に示すように、基材シート11の上からアイロン14で加熱・加圧して塗料部材12をインソール13に転写し、次いで、図2(c)に示すように、インソール13から基材シート11を剥がし、これにより、図2(d)に示すように、インソール13への塗料部材12の熱転写を完了する。
本考案の消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、例えば図3に示すような別の実施形態(変形例)とすることもできる。本変形例に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、前記実施形態と基本的に同様に、基材シート11と塗料部材12とを備える構成となっているが、不織布よりなる基材シート11における塗料部材12形成側面と反対側の面(裏面)に、弱粘着性の粘着剤よりなる粘着剤層が形成され、この粘着剤層の外側面に剥離紙15が付着されて、シール状に構成されている。
本変形例に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1を使用する際には、図3(a)に示すように、予め貼付する部分に合せてカットされているまたはハサミ等を用いてカットした消臭防臭抗菌性付加印刷シート1の裏面の剥離紙15を剥がし、図3(b)に示すように靴のインソール13または壁に合せて貼り付ける事により完了する。
また、本変形例に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1は、特にシール状に構成されているため、壁等の対象にも簡便に適用することができる。図4は、本変形例に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1をタオルかけ設置の壁面16に適用した例を示す。
図4に示す例においては、洗面所及び/又はトイレの壁面16において、タオルかけ17にタオルをかけた際に当該タオルの後ろ側に位置する縦長の長方形状の領域に対応する寸法および形状となるように消臭防臭抗菌性付加印刷シート1がカットされ、裏面の剥離紙を剥がし、塗料部材12形成側面を前側(表側)にして、壁面16に貼り付けられている。
このように、本実施の形態に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シート1によれば、靴のインソール13に、簡便かつ容易に塗料部材を転写または貼付して消臭性や抗菌性を付与することができる。またこのとき、例えば消臭性を有するインソールを靴に追加的に入れるのではなく、靴が当初から具えるインソール13に直接的に消臭性や抗菌性を付与することができる。従って、靴の内側の寸法が実質的に変わることもなく、履き心地に違和感が生じることもほとんどないので、使用感も損なわれ難い。また、既存のインソール13を利用できるため、その寸法および形状を靴に揃えるといった必要もない。
(水酸化カルシウム粉末の調製)
粉砕機にて微粉砕化した形態の水酸化カルシウム粉末を用意した。
(塗料原料の調製)
上記水酸化カルシウム粉末と、水溶性塗料、接着剤、無機顔料、混合ガルベン等を適量にて混合して、塗料原料を得た。
(塗料原料の印刷)
基材シートとして、転写紙(日本製紙社製)または不織布(日精社製)を用い、固形状態の塗料原料を、加熱・撹拌などの方法により溶融させグラビア印刷を行い、これにより、塗料原料をインクとして、図1に示す配列となるように基材シートに印刷した。
(抗菌性試験)
JIS L 1902:2015に従い、下記の条件で抗菌性試験を行った。

・試験片A:本実施例で得られた消臭防臭抗菌性付加印刷(接着)シートを用いて靴下に熱転写の方法により消臭防臭抗菌性を施したもの(転写部分を中心に試験を実施)
・対照試験片Z:標準布(綿布)
・試験方法:菌液吸収法
・試験菌:黄色ぶどう球菌
・接種菌液濃度:1.6×10(CFU/mL)
・試験菌懸濁液:非イオン界面活性剤を0.05%添加したもの
・試験片の滅菌方法:オートクレーブによる

また、SEKマーク繊維製品の洗濯方法(一般社団法人繊維評価技術協議会)による洗濯および吊干しによる乾燥を行った。
混釈平板培養法により、生菌数を測定し、増殖値[F]を算出した。また、抗菌活性値[A]を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0003240086000002
表1から明らかな通り、対照試験片Zでは、18時間培養後に生菌数が大幅に増加していることが認められる。
これに対し、試験片Aでは、生菌数の増加が抑制されている。特に、洗濯10回を経た後でも、生菌数があまり増加しておらず、抗菌効果があるとされる抗菌活性値2.0を上回っていることが認められる。
(消臭性試験)
消臭加工繊維製品認証基準(一般社団法人繊維評価技術協議会)に基づき、機器分析実施マニュアルに従って、下記の条件で消臭性試験を行った。

・試験片B1、B2:本実施例で得られた消臭防臭抗菌性付加印刷シートを用いて靴下に塗料部材を熱転写により形成したもの(転写部分を中心に試験を実施)
・試験方法:アンモニア、酢酸およびイソ吉草酸を臭気成分とし、機器分析により測定(アンモニアおよび酢酸については検知管法、イソ吉草酸についてはガスクロマトグラフ法)
・初期ガス濃度:アンモニア100ppm、酢酸30ppm、イソ吉草酸約38ppm
・測定時間:2時間後
・試験片サイズ:検知管法100cm、ガスクロマトグラフ法50cm

また、SEKマーク繊維製品の洗濯方法(一般社団法人繊維評価技術協議会)による洗濯および吊干しによる乾燥を行った。
臭気成分の測定値から減少率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0003240086000003
表2に示す通り、アンモニアの減少率は、原品および洗濯10回後ともに、官能試験を併用する場合の評価基準とされる70%に等しいものであった。また、酢酸およびイソ吉草酸の減少率は、それぞれ、原品および洗濯10回後ともに、機器分析単独(官能試験省略)の場合の評価基準とされる70%および95%を上回るものであった。
以上の通り、本実施例に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートは、靴のインソールに消臭性や抗菌性を付与するのに好適に適用することができる。また、表面が布、織物、編物等の生地であれば、塗料部材が同様に入り込むようにして付着することができ、従って本考案に係る消臭防臭抗菌性付加印刷シートを同様に好適に適用することができる。例えば、衣料品(靴下等)、装身具(スリッパ中敷き等)、寝具(枕等)、家具(イス、クッション、壁等)、敷物等の各種物品における人体に接する面のように、臭いが付着しやすい部位の表面に特に好適に適用することができる。
1 消臭防臭抗菌性付加印刷シート
11 基材シート
12 塗料部材

Claims (3)

  1. 基材シートと、
    前記基材シートに付着された塗料部材であって、卵殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ホッキ貝殻、珊瑚殻及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも1種の焼成物に加水し、粉砕してなる水酸化カルシウム粉末と塗料とを含んでなる塗料部材とを備えることを特徴とする消臭防臭抗菌性付加印刷シート。
  2. 前記塗料部材が、基材シートに均一に納まり得る拡がりおよび形状を有する配置となるように前記基材シートに付着されていることを特徴とする請求項1に記載の消臭防臭抗菌性付加印刷シート。
  3. 前記水酸化カルシウム粉末の含有量が、前記塗料部材の全質量に対し1質量%~99質量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭防臭抗菌性付加印刷シート。
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