JP6626276B2 - 抗菌性積層体 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性を有する不織布を用いた積層体を提供することである。
本発明はまた、抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性を有するうえに、優れた装飾性を備えた不織布を用いた積層体を提供する。
本発明では、多孔質基材層の表面に形成させた抗菌性を備えた銅−錫合金層が露出するように開口部を有する絵柄層が形成されるので優れた抗菌性が発揮され、銅−錫合金層は絵柄層によって積層体に接触するものが銅−錫合金層に接触することから保護されるので、接触によって剥離したり摩滅したりすることがなく、優れた抗菌耐久性が発揮される結果、優れた抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性を有する積層体が提供される。
本発明によれば、優れた抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性を有するうえに、優れた装飾性を備えた不織布を用いた積層体が提供される。
本発明の多孔質基材としては、織布、不織布、編布などの布質基材、発泡シートなどの形態をとり得るが、なかでも布質基材が好ましく、とくには織布および不織布が好ましい。多孔質基材を構成する好ましい材質としては、合成樹脂および天然繊維を挙げることができる。
本発明で用いられる不織布の目付は、積層不織布の場合には積層不織布として、10〜80g/m2程度、好ましくは50〜70g/m2程度であることが好ましい。
本発明においては、多孔質基材層の表面の少なくとも一部に、銅−錫合金が薄層として被覆されている。多孔質基材が布質基材である場合には、それを構成する繊維の表面に銅−錫合金が薄層として被覆されていることが好ましい。
なお、不織布層の表面に銅‐錫合金層被覆を行うとき、形成される銅−錫合金層の厚さを知るために、通常被覆の際に樹脂フィルムを指標体として用いて形成される銅−錫合金層の厚さを間接的に知る方法を採用することもできる。
本発明の絵柄層は、多孔質基材層の表面に銅−錫合金の薄層を形成させた面に、塗工材を用いて種々の模様を描くことにより形成させることができる。絵柄層を形成させる方法としては、グラビア印刷、モールドプリント、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の印刷法などを挙げることができる。中でもグラビア印刷およびモールドプリントによって形成させることが好ましい。
本発明の絵柄は、単色で形成させてもいいし、複数の色を用いて形成させて、多様な意匠性を持たせて装飾性を発揮させることもできる。
本発明の積層体は、予め形成させた多孔質基材層の表面に、銅−錫合金被覆を施し、続いて得られた銅−錫合金被覆を施した面に塗工材を用いて絵柄層を形成させることによって得ることができる。
絵柄層の開口部が、種々の形状を採り得ることは前記したが、開口部が円形である場合の絵柄の例を絵柄1として図3に示した。また、絵柄が円形以外の形状である場合の例として、開口部が菱形である場合の絵柄を絵柄2として図4に示した。
そのほか衣服、芯地、裏地、エプロン、靴下、足袋等の衣類;シーツ、布団カバー、枕カバー等の寝具;帽子、手袋、テーブルクロス、等の身回り品;ベッドマット、マスク、包帯、ガーゼ、吸収材、創傷保護材、オムツ、各種生理用品等の医療用品・生理用品・衛生材料;壁用シート、床材、カーテン、椅子張り地、バスマット等の内装材;飲料や各種水を浄化する浄水材料;空調機・空気清浄機・掃除機・クリーンルーム用のフィルタ、浄水フィルタ等のフィルタ材料、車用カバーシート、シートクロス、天井材、床材等の車内装品;包装材料;などにも有用である。
銅−錫合金層に含まれる金属原子は、蛍光X線法により検出し原子数比率を求めた。
不織布の基材ロールの先端と終端にリードフィルムを繋いでおき、被覆操作後のリードフィルムの光透過率を測定して検量線に基づいて被覆銅−錫合金層量を算出した。
実施例および比較例で得られた積層体を、一辺が50ミリメートルの正方形に切り出してサンプルとした。このサンプルについて、黄色ブドウ球菌を用いて、JIS Z2801に準拠した抗菌性試験を実施した。
ポリエチレン板上で検出された菌のコロニー数を、菌数(A)で割った値の常用対数値を抗菌活性値とし、抗菌活性値をもって抗菌性能試験結果とした。
実施例および比較例で得られた積層体について、幅2.5cm、長さ10cmに切り出してサンプルを得た。得られたサンプルについてJIS L0849に準拠して表面を、水で濡れたフェルト布を用いて3kgf荷重の条件下で1000回擦った後、サンプルをさらに切り出して一辺が50ミリメートルの正方形になるようにした。この正方形のサンプルについて、黄色ブドウ球菌を用いて、上記したJIS Z2801に準拠した抗菌性試験を実施し、抗菌活性値を測定した。
実施例および比較例で得られた積層体について、幅2.5cm、長さ10cmに切り出してサンプルを得た。得られたサンプルについてJIS L0849に準拠して、布を用いて表面を3kgf荷重の条件下で摩擦し、銅−錫合金層で被覆された不織布の表面の破損が目視によって認められるまでの摩擦回数を耐摩耗性とした。
多孔質基材として、目付けが60g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布(三井化学社製、SFS060)を用意した。この不織布は、二層のポリプロピレンスパンボンド不織布の間に微小孔を有するポリプロピレンフィルムが挟まれた構造を有するものである。
この不織布層に銅−錫合金[銅74原子%、錫26原子%(銅60重量%、錫40重量%)]を真空蒸着によって蒸着させて、表面が銅−錫合金層で被覆された不織布を得た。銅−錫合金層の被覆厚さは80nmであった。
得られた表面が銅−錫合金層で被覆された不織布に、ポリエチレンを構成樹脂とする塗工材を使用してグラビア印刷によって開口率が30%の絵柄層を、厚さ1mmで形成させて積層体を得た。絵柄層の開口部の形状は、直径が1mmの円形であった。
上記で得られた積層体について、抗菌性能試験と抗菌耐久性試験を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、絵柄層の形成を省略するほかは同様にして、スパンボンド不織布に銅−錫合金を被覆したものを積層体として得た。
得られた積層体について、抗菌性能試験と抗菌耐久性試験を行った。結果を表1に示した。
実施例1で得られた不織布の表面が銅―錫合金層で被覆された不織布に絵柄層を形成させた積層体について、抗菌耐久性試験を行う際に積層体表面を擦るときに用いる水で濡れたフェルト布を、エチルアルコールで濡れたフェルト布に代えるほかは同様にして抗菌耐久性試験を行った。結果を表1に示した。
実施例1と同様にして得られた表面が銅−錫合金層で被覆された不織布にグラビア印刷によって絵柄層を設けた積層体を得た。
得られた積層体について、前記耐摩耗性試験において用いる布として、乾燥白綿布(かなきん3号)(実施例3)、同白綿布にエチルアルコールを含浸させた布(実施例4)および同白綿布に0.5%次亜塩素酸を含浸させた布(実施例5)をそれぞれ用いて耐摩耗性試験を行った。結果を表2に示した。
実施例3において、絵柄層の形成を省略するほかは同様にして、スパンボンド不織布に銅−錫合金を被覆したものを積層体として得た。得られた積層体について、実施例3と同様にして耐摩耗性試験を行った。結果を表2に示した。
本発明により提供される積層体は、多孔質基材層の表面に形成させた抗菌性を備えた銅−錫合金層が露出するように開口部を有する絵柄層が形成されるので優れた抗菌性が発揮される。また、絵柄層によって積層体に接触するものが銅−錫合金層に接触することから保護されるので、銅−錫合金層が接触によって剥離したり摩滅したりすることがない。その結果、本発明の積層体は、抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性及び耐摩耗性を有するのである。
本発明により提供される積層体は、抗菌性を有し、優れた抗菌耐久性及び耐摩耗性を有するうえに、優れた装飾性を備えた積層体である。
本発明により提供される積層体は、スリッパ、靴の中敷等の履物用材料のほか、各種用途への展開が期待される積層体である。
2.不織布
3.銅−錫合金層
4.絵柄層
5.開口部
6.絵柄1
7.絵柄2
Claims (4)
- 多孔質基材からなる層の表面の少なくとも一部に銅−錫合金層が形成されている多孔質基材層に、開口部を有する絵柄が形成された絵柄層が積層されている抗菌性を有する積層体であって、前記銅−錫合金層が、銅を60〜90原子%含有し、且つ錫を10〜40原子%含有すると共に、前記絵柄層の開口率が20〜80%であり、且つ前記絵柄層の厚さが0.1〜3mmである積層体。
- 前記多孔質基材が、織布、不織布及び編布から選ばれた布質基材である請求項1に記載の積層体。
- 前記布質基材が、合成樹脂または天然繊維からなることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
- 前記絵柄層がグラビア印刷またはモールドプリントによって形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
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