JP3239915B2 - 原子吸光分光光度計 - Google Patents
原子吸光分光光度計Info
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- JP3239915B2 JP3239915B2 JP29474093A JP29474093A JP3239915B2 JP 3239915 B2 JP3239915 B2 JP 3239915B2 JP 29474093 A JP29474093 A JP 29474093A JP 29474093 A JP29474093 A JP 29474093A JP 3239915 B2 JP3239915 B2 JP 3239915B2
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- Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気加熱原子吸光法(フ
レームレス方式)の原子吸光分光光度計に関するもので
ある。
レームレス方式)の原子吸光分光光度計に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気加熱原子吸光法による原子吸光分光
光度計は、電気加熱炉により試料を原子化する原子化
部、原子化部へ測定光を照射する光源部、原子化部を透
過した測定光を検出する検出器、及びその検出器の出力
により吸光度を求めて試料濃度を算出するデータ処理装
置を備えている。原子化部に試料を注入して原子化さ
せ、その原子化した試料成分による測定光の吸収ピーク
を測定する。通常はそのピーク高さで与えられる吸光度
をデータとし、検量線を用いて試料の濃度を算出してい
る。
光度計は、電気加熱炉により試料を原子化する原子化
部、原子化部へ測定光を照射する光源部、原子化部を透
過した測定光を検出する検出器、及びその検出器の出力
により吸光度を求めて試料濃度を算出するデータ処理装
置を備えている。原子化部に試料を注入して原子化さ
せ、その原子化した試料成分による測定光の吸収ピーク
を測定する。通常はそのピーク高さで与えられる吸光度
をデータとし、検量線を用いて試料の濃度を算出してい
る。
【0003】電気加熱原子吸光法で測定される試料は低
濃度の試料であり、測定対象物は試料溶液中にppbで
表わされる程度にしか含まれていないことが多い。試料
溶液中には測定対象物の元素以外に他の元素も含まれて
いるので、測定対象元素が他の元素と化合している場合
もあり、また原子化部の温度が変動することもある。測
定対象元素が他の元素の影響を受けたり原子化部の温度
が変化したりした場合には、原子化部での試料の分解速
度が変化して、ピーク出現開始位置がずれたりピーク形
状が変化することがある。しかし、ピーク高さのみを検
出して濃度を測定する方法では、このようなピーク出現
開始位置のずれやピーク幅の変化が起こっていても正し
いデータとして扱われてしまい、その結果、濃度測定値
の信頼性に問題が生じる。
濃度の試料であり、測定対象物は試料溶液中にppbで
表わされる程度にしか含まれていないことが多い。試料
溶液中には測定対象物の元素以外に他の元素も含まれて
いるので、測定対象元素が他の元素と化合している場合
もあり、また原子化部の温度が変動することもある。測
定対象元素が他の元素の影響を受けたり原子化部の温度
が変化したりした場合には、原子化部での試料の分解速
度が変化して、ピーク出現開始位置がずれたりピーク形
状が変化することがある。しかし、ピーク高さのみを検
出して濃度を測定する方法では、このようなピーク出現
開始位置のずれやピーク幅の変化が起こっていても正し
いデータとして扱われてしまい、その結果、濃度測定値
の信頼性に問題が生じる。
【0004】測定されたデータの信頼性を高めるために
数回繰り返して測定を行ない、得られた複数のデータの
変動係数(=(標準偏差/平均値)×100%)がある
基準値以下に収まっておればそれらのデータの平均値を
求めてその平均値から濃度を算出することが行なわれて
いる。もしその複数のデータの変動係数が基準値を超え
ていれば、もう1回の測定を繰り返し、得られたデータ
のうちから一定数のデータの組み合わせの変動係数を求
め、最も小さい変動係数が基準値以下になるまでこのよ
うな繰返し測定を行ない、最終的には変動係数が基準値
以下になった時点で濃度を求めるというような繰返し測
定が行なわれている。この場合もピークの出現開始位置
がずれたりピーク幅が変動した場合でも変動係数が基準
値以下になった場合にはそのデータは適正なデータとし
て採用されている。
数回繰り返して測定を行ない、得られた複数のデータの
変動係数(=(標準偏差/平均値)×100%)がある
基準値以下に収まっておればそれらのデータの平均値を
求めてその平均値から濃度を算出することが行なわれて
いる。もしその複数のデータの変動係数が基準値を超え
ていれば、もう1回の測定を繰り返し、得られたデータ
のうちから一定数のデータの組み合わせの変動係数を求
め、最も小さい変動係数が基準値以下になるまでこのよ
うな繰返し測定を行ない、最終的には変動係数が基準値
以下になった時点で濃度を求めるというような繰返し測
定が行なわれている。この場合もピークの出現開始位置
がずれたりピーク幅が変動した場合でも変動係数が基準
値以下になった場合にはそのデータは適正なデータとし
て採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】原子吸光分光光度計の
試料は共存物の影響を受けやすく、それがピーク出現開
始位置や半値幅として現れるが、従来の測定方法では出
現開始位置や半値幅に変化があったとしてもそのデータ
を異常データとして削除することは行なわれていない。
原子吸光法は標準試料を用いて検量線(校正曲線)を求
め、それを基に濃度を算出する相対定量法であるので、
未知試料のピーク形状が検量線を作成した標準試料のピ
ーク形状と類似していることが前提となっているにもか
かわらず、従来はピーク形状が類似しているかどうかに
よってデータの適否を判定することは行なわれていない
ため、測定結果の信頼性に問題が残っている。そこで、
本発明はデータの信頼性をさらに高めるようにした原子
吸光分光光度計を提供することを目的とするものであ
る。
試料は共存物の影響を受けやすく、それがピーク出現開
始位置や半値幅として現れるが、従来の測定方法では出
現開始位置や半値幅に変化があったとしてもそのデータ
を異常データとして削除することは行なわれていない。
原子吸光法は標準試料を用いて検量線(校正曲線)を求
め、それを基に濃度を算出する相対定量法であるので、
未知試料のピーク形状が検量線を作成した標準試料のピ
ーク形状と類似していることが前提となっているにもか
かわらず、従来はピーク形状が類似しているかどうかに
よってデータの適否を判定することは行なわれていない
ため、測定結果の信頼性に問題が残っている。そこで、
本発明はデータの信頼性をさらに高めるようにした原子
吸光分光光度計を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1と図2により説明す
ると、本発明の原子吸光分光光度計は、電気加熱炉によ
り試料を原子化する原子化部2、原子化部2へ測定光を
照射する光源部12、原子化部2を透過した測定光を検
出する検出器14、及びその検出器14の出力により吸
光度を求めて試料濃度を算出するデータ処理装置16を
備えている。そして、データ処理装置16は、検出器1
4による検出データを記憶する検出データ記憶部20
と、検量線を作成したときの標準試料の検出ピークデー
タを記憶する標準試料ピークデータ記憶部22と、未知
試料のピークを標準試料ピークデータ記憶部22のデー
タと比較してピーク形状及びピーク出現開始位置のうち
の少なくとも1つの一致の程度からその未知試料データ
の適否を判定するピーク判定部30とをさらに備えてい
る。未知試料のデータの適否を判定するパラメータとし
てはピーク形状やピーク出現開始位置を用いる。ピーク
形状に関するものとしては、ピークの各時点における一
致度、ピーク高さに対する半値幅の割合などを用いるこ
とができる。
ると、本発明の原子吸光分光光度計は、電気加熱炉によ
り試料を原子化する原子化部2、原子化部2へ測定光を
照射する光源部12、原子化部2を透過した測定光を検
出する検出器14、及びその検出器14の出力により吸
光度を求めて試料濃度を算出するデータ処理装置16を
備えている。そして、データ処理装置16は、検出器1
4による検出データを記憶する検出データ記憶部20
と、検量線を作成したときの標準試料の検出ピークデー
タを記憶する標準試料ピークデータ記憶部22と、未知
試料のピークを標準試料ピークデータ記憶部22のデー
タと比較してピーク形状及びピーク出現開始位置のうち
の少なくとも1つの一致の程度からその未知試料データ
の適否を判定するピーク判定部30とをさらに備えてい
る。未知試料のデータの適否を判定するパラメータとし
てはピーク形状やピーク出現開始位置を用いる。ピーク
形状に関するものとしては、ピークの各時点における一
致度、ピーク高さに対する半値幅の割合などを用いるこ
とができる。
【0007】
【作用】未知試料を測定したときのデータのピーク形状
を標準試料のピーク形状と比較してそのピーク出現開始
位置が一致しており、又はさらにピーク形状が類似して
いる場合にその未知試料のデータを適正なものとして採
用する。未知試料のデータと標準試料のデータを比較し
たときに、ピーク出現開始位置が一致しない場合やピー
ク形状が類似しない場合には、その未知試料に関しては
再測定が必要であることを表示するようにして、データ
の信頼性を高める。
を標準試料のピーク形状と比較してそのピーク出現開始
位置が一致しており、又はさらにピーク形状が類似して
いる場合にその未知試料のデータを適正なものとして採
用する。未知試料のデータと標準試料のデータを比較し
たときに、ピーク出現開始位置が一致しない場合やピー
ク形状が類似しない場合には、その未知試料に関しては
再測定が必要であることを表示するようにして、データ
の信頼性を高める。
【0008】
【実施例】図1は一実施例を表わす。2は原子化部の電
気加熱炉であり、グラファイトチューブが用いられ、両
端の電極6,8間に電圧を印加することによって加熱さ
れる。加熱炉2には試料注入用の穴4があけられ、試料
注入機構10によって試料が注入される。加熱炉2の一
端からはホロカソードランプなどの光源部12から測定
対象元素に対応した波長の測定光が照射され、加熱炉2
を透過した測定光が検出器14で検出される。データ処
理装置16は試料注入機構10による試料注入開始時点
から検出器14による検出信号をデータとして取り込
み、原子化部による吸光度を求める。検量線を基にして
その吸光度から濃度を算出して出力する。
気加熱炉であり、グラファイトチューブが用いられ、両
端の電極6,8間に電圧を印加することによって加熱さ
れる。加熱炉2には試料注入用の穴4があけられ、試料
注入機構10によって試料が注入される。加熱炉2の一
端からはホロカソードランプなどの光源部12から測定
対象元素に対応した波長の測定光が照射され、加熱炉2
を透過した測定光が検出器14で検出される。データ処
理装置16は試料注入機構10による試料注入開始時点
から検出器14による検出信号をデータとして取り込
み、原子化部による吸光度を求める。検量線を基にして
その吸光度から濃度を算出して出力する。
【0009】データ処理装置16の機能を図2に示す。
検出データは一定時間ごとに取り込まれて検出データ記
憶部20に記憶される。検量線を作成したときの標準試
料についてのピークのデータは標準試料ピークデータ記
憶部22に記憶される。1つの試料について複数回の繰
返し測定が行なわれ、平均値算出部24では一定数のデ
ータの組合わせの平均値と標準偏差とから変動係数が算
出され、変動係数が予め設定された基準値以下になった
データの組合わせの平均値が採用される。検量線データ
記憶部26には標準試料を用いて作成した検量線データ
が記憶されており、濃度算出部28は平均値算出部24
で算出され、採用された平均値に対して検量線データ記
憶部26の検量線を元にして濃度を算出する。
検出データは一定時間ごとに取り込まれて検出データ記
憶部20に記憶される。検量線を作成したときの標準試
料についてのピークのデータは標準試料ピークデータ記
憶部22に記憶される。1つの試料について複数回の繰
返し測定が行なわれ、平均値算出部24では一定数のデ
ータの組合わせの平均値と標準偏差とから変動係数が算
出され、変動係数が予め設定された基準値以下になった
データの組合わせの平均値が採用される。検量線データ
記憶部26には標準試料を用いて作成した検量線データ
が記憶されており、濃度算出部28は平均値算出部24
で算出され、採用された平均値に対して検量線データ記
憶部26の検量線を元にして濃度を算出する。
【0010】採用された平均値を算出した複数のデータ
についてピーク判定部30は検出データ記憶部20に記
憶されているそれらのデータのピーク出現開始位置とピ
ーク形状の少なくとも1つについて、標準試料ピークデ
ータ記憶部22に記憶されている標準試料のデータと比
較し、両者の一致の程度を判定してそれぞれのデータの
適否を判定する。データとして適さないものが含まれて
いる場合は濃度を出力する際に警告の表示を添えて出力
するようにする。32は測定結果の濃度とピーク判定部
30によるデータの適否の判定結果をともに出力する出
力部である。
についてピーク判定部30は検出データ記憶部20に記
憶されているそれらのデータのピーク出現開始位置とピ
ーク形状の少なくとも1つについて、標準試料ピークデ
ータ記憶部22に記憶されている標準試料のデータと比
較し、両者の一致の程度を判定してそれぞれのデータの
適否を判定する。データとして適さないものが含まれて
いる場合は濃度を出力する際に警告の表示を添えて出力
するようにする。32は測定結果の濃度とピーク判定部
30によるデータの適否の判定結果をともに出力する出
力部である。
【0011】図2における平均値算出部24、濃度算出
部28及びピーク判定部30はデータ処理装置16に含
まれるCPU、ROM、RAMなどにより実現される。
検出データ記憶部20はRAMにより実現され、標準試
料ピークデータ記憶部22や検量線データ記憶部26は
フロッピーディスク装置やハードディスク装置などの不
揮発性メモリ装置により実現される。出力部32はプリ
ンタやディスプレーである。
部28及びピーク判定部30はデータ処理装置16に含
まれるCPU、ROM、RAMなどにより実現される。
検出データ記憶部20はRAMにより実現され、標準試
料ピークデータ記憶部22や検量線データ記憶部26は
フロッピーディスク装置やハードディスク装置などの不
揮発性メモリ装置により実現される。出力部32はプリ
ンタやディスプレーである。
【0012】ピーク判定部における判定方法を図3に示
す。(A)はピーク形状による判定方法を示したもので
ある。S0は標準試料ピークデータ記憶部22に記憶さ
れている標準試料のピーク形状、Sは未知試料のピーク
形状である。検出器の出力を一定時間ごとに取り込んだ
ときの各ポイント(各時刻)のデータでピーク形状の一
致の程度を比較し、ピークの全てのポイントについての
一致度を予め設定しておいた許容値と比較することによ
って、このピークデータが適正なものであるかどうかを
判定する。両データを比較する際、標準試料のピークと
未知試料のピークが同じ高さになるように拡大又は縮小
の波形処理を行なった後に、各ポイントでの比較を行な
ってずれの程度を算出する。ずれ幅がいくらであれば適
正なデータであると判定するかの許容値は予め定めてお
く。全ポイントでのデータの比較を行なうのに代えて、
ピーク高さHに対する半値幅W0(標準試料),W(未
知試料)の割合を比較することによってデータの適否を
判定するようにしてもよい。
す。(A)はピーク形状による判定方法を示したもので
ある。S0は標準試料ピークデータ記憶部22に記憶さ
れている標準試料のピーク形状、Sは未知試料のピーク
形状である。検出器の出力を一定時間ごとに取り込んだ
ときの各ポイント(各時刻)のデータでピーク形状の一
致の程度を比較し、ピークの全てのポイントについての
一致度を予め設定しておいた許容値と比較することによ
って、このピークデータが適正なものであるかどうかを
判定する。両データを比較する際、標準試料のピークと
未知試料のピークが同じ高さになるように拡大又は縮小
の波形処理を行なった後に、各ポイントでの比較を行な
ってずれの程度を算出する。ずれ幅がいくらであれば適
正なデータであると判定するかの許容値は予め定めてお
く。全ポイントでのデータの比較を行なうのに代えて、
ピーク高さHに対する半値幅W0(標準試料),W(未
知試料)の割合を比較することによってデータの適否を
判定するようにしてもよい。
【0013】(B)はピーク出現開始位置t0(標準試
料)とt(未知試料)のずれ幅Tを比較する方法であ
る。このずれ幅Tがいくら以下であれば適正なデータで
あると判定するかの許容値も予め定めておく。
料)とt(未知試料)のずれ幅Tを比較する方法であ
る。このずれ幅Tがいくら以下であれば適正なデータで
あると判定するかの許容値も予め定めておく。
【0014】(A)で示されるようなピーク形状に基づ
く判定と、(B)に示されるピーク出現開始位置による
判定のうち、両方が満たされなければ適正であると判定
しないようにするか、又はいずれか一方が満たされれば
適正と判定するかはオペレータが選択できるようにして
おいてもよい。
く判定と、(B)に示されるピーク出現開始位置による
判定のうち、両方が満たされなければ適正であると判定
しないようにするか、又はいずれか一方が満たされれば
適正と判定するかはオペレータが選択できるようにして
おいてもよい。
【0015】図4に、標準試料を用いて検量線を作成し
た際に標準試料ピークデータ記憶部に標準試料のパラメ
ータを記憶する動作を示す。標準試料が測定され、その
検出データが検出データ記憶部20にいったん記憶さ
れ、標準試料ピークデータ記憶部22にはその標準試料
のピーク形状のデータが記憶される。ピーク形状はデー
タを取り込んだ各ポイントに対する吸光度として記憶さ
れる。また、ピーク出現開始位置も求められ、ピーク高
さに対する半値幅も算出されて、それらも標準試料ピー
クデータ記憶部22に記憶される。
た際に標準試料ピークデータ記憶部に標準試料のパラメ
ータを記憶する動作を示す。標準試料が測定され、その
検出データが検出データ記憶部20にいったん記憶さ
れ、標準試料ピークデータ記憶部22にはその標準試料
のピーク形状のデータが記憶される。ピーク形状はデー
タを取り込んだ各ポイントに対する吸光度として記憶さ
れる。また、ピーク出現開始位置も求められ、ピーク高
さに対する半値幅も算出されて、それらも標準試料ピー
クデータ記憶部22に記憶される。
【0016】図5は1回の測定ごとにそのデータが適正
であるか否かを判定する場合の手順を示したものであ
る。各未知試料の測定ごとにそのピーク高さが基準試料
ピークデータ記憶部22に記憶されているピーク高さと
一致させるように拡大又は縮小による波形処理が施され
る。そして各ポイントでのデータの比較によるピーク形
状、ピーク高さに対する半値幅及びピーク出現開始位置
のいずれか又は全てについて未知試料と標準試料で比較
され、一致性の判定が行われる。一致しておればそのデ
ータは適正なものとして採用され、一致していなければ
警告が発せられる。一致しているというのは未知試料デ
ータと標準試料ピークデータとのずれが許容範囲内であ
ることを示す。
であるか否かを判定する場合の手順を示したものであ
る。各未知試料の測定ごとにそのピーク高さが基準試料
ピークデータ記憶部22に記憶されているピーク高さと
一致させるように拡大又は縮小による波形処理が施され
る。そして各ポイントでのデータの比較によるピーク形
状、ピーク高さに対する半値幅及びピーク出現開始位置
のいずれか又は全てについて未知試料と標準試料で比較
され、一致性の判定が行われる。一致しておればそのデ
ータは適正なものとして採用され、一致していなければ
警告が発せられる。一致しているというのは未知試料デ
ータと標準試料ピークデータとのずれが許容範囲内であ
ることを示す。
【0017】図6は1つの未知試料について繰り返し測
定を行なう場合の手順を示したものである。平均値を求
めるための一定回数の繰返し測定を行ない、その一定数
のデータの変動係数を算出する。変動係数が予め定めら
れた基準値St以下であればその平均値を算出する。も
し変動係数が基準値Stよりも大きければ、もう1回の
測定を行ない、先に行なった一定数のデータに再度行な
った1回のデータを加えたもののうちから一定数のデー
タの組合わせの変動係数を算出して、最も小さい変動係
数の組合わせの変動係数が基準値St以下になるまで測
定を繰り返す。変動係数が基準値St以下になった組合
わせのデータの平均値が採用され、検量線から濃度が算
出される。
定を行なう場合の手順を示したものである。平均値を求
めるための一定回数の繰返し測定を行ない、その一定数
のデータの変動係数を算出する。変動係数が予め定めら
れた基準値St以下であればその平均値を算出する。も
し変動係数が基準値Stよりも大きければ、もう1回の
測定を行ない、先に行なった一定数のデータに再度行な
った1回のデータを加えたもののうちから一定数のデー
タの組合わせの変動係数を算出して、最も小さい変動係
数の組合わせの変動係数が基準値St以下になるまで測
定を繰り返す。変動係数が基準値St以下になった組合
わせのデータの平均値が採用され、検量線から濃度が算
出される。
【0018】次に、平均値を求めた組合わせの各データ
について、ピーク形状やピーク出現開始位置について標
準試料ピークデータ記憶部22に記憶されている標準試
料のピークのものと比較してその一致性を判定する。平
均値を求めた組合わせの全てのデータが一致性を満たし
ておれば濃度が算出されて出力される。もし平均値を求
めた組合わせのデータの中に1つでも一致性を満たして
いないものが含まれている場合には、算出された濃度と
ともに警告の表示も行なわれる。
について、ピーク形状やピーク出現開始位置について標
準試料ピークデータ記憶部22に記憶されている標準試
料のピークのものと比較してその一致性を判定する。平
均値を求めた組合わせの全てのデータが一致性を満たし
ておれば濃度が算出されて出力される。もし平均値を求
めた組合わせのデータの中に1つでも一致性を満たして
いないものが含まれている場合には、算出された濃度と
ともに警告の表示も行なわれる。
【0019】
【発明の効果】本発明では、ピーク形状やピーク出現開
始位置といった試料中の共存物の影響によるデータの適
否を判定するので、測定結果の信頼性が高まる。種々の
試料を1つの検量線を用いて定量することが可能である
かどうかもこの発明によるピーク形状やピーク出現開始
位置の比較によって判断することができるようになる。
また、試料を調整した際に、その試料が適正なものであ
るかどうかの判断材料とすることもできる。変動係数に
よって異常データを削除する機能と合わせて利用すれ
ば、分析中に共存物の影響による定量結果の誤りを抽出
することができ、データの信頼性をさらに高めることが
できる。
始位置といった試料中の共存物の影響によるデータの適
否を判定するので、測定結果の信頼性が高まる。種々の
試料を1つの検量線を用いて定量することが可能である
かどうかもこの発明によるピーク形状やピーク出現開始
位置の比較によって判断することができるようになる。
また、試料を調整した際に、その試料が適正なものであ
るかどうかの判断材料とすることもできる。変動係数に
よって異常データを削除する機能と合わせて利用すれ
ば、分析中に共存物の影響による定量結果の誤りを抽出
することができ、データの信頼性をさらに高めることが
できる。
【図1】一実施例を示すブロック図である。
【図2】同実施例におけるデータ処理装置の機能を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図3】同実施例においてピーク判定部で行なう動作を
示す図である。
示す図である。
【図4】一実施例における標準試料ピークデータ記憶部
への記憶動作を示すフローチャート図である。
への記憶動作を示すフローチャート図である。
【図5】未知試料の1回の測定ごとにピークの一致性を
判定する動作を示すフローチャート図である。
判定する動作を示すフローチャート図である。
【図6】変動係数による異常データ削除機能と本発明に
よるピークの一致性判定機能をともに備えた場合の動作
を示すフローチャート図である。
よるピークの一致性判定機能をともに備えた場合の動作
を示すフローチャート図である。
2 原子化部の加熱炉 4 試料注入穴 10 試料注入機構 12 光源部 14 検出器 16 データ処理装置 20 検出データ記憶部 22 標準試料ピークデータ記憶部 24 平均値算出部 26 検量線データ記憶部 28 濃度算出部 30 ピーク判定部 32 出力部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/74 WPI/L(QUESTEL)
Claims (1)
- 【請求項1】 電気加熱炉により試料を原子化する原子
化部、原子化部へ測定光を照射する光源部、原子化部を
透過した測定光を検出する検出器、及びその検出器の出
力により吸光度を求めて試料濃度を算出するデータ処理
装置を備えた原子吸光分光光度計において、 前記データ処理装置は、検出器による検出データを記憶
する検出データ記憶部と、 検量線を作成したときの標準試料の検出ピークデータを
記憶する標準試料ピークデータ記憶部と、 未知試料のピークを標準試料ピークデータ記憶部のデー
タと比較してピーク形状及びピーク出現開始位置のうち
の少なくとも1つの一致の程度からその未知試料データ
の適否を判定するピーク判定部とをさらに備えているこ
とを特徴とする原子吸光分光光度計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29474093A JP3239915B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 原子吸光分光光度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29474093A JP3239915B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 原子吸光分光光度計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07128228A JPH07128228A (ja) | 1995-05-19 |
JP3239915B2 true JP3239915B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=17811698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29474093A Expired - Fee Related JP3239915B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 原子吸光分光光度計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3239915B2 (ja) |
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