JP3239703U - 歯内治療ハンドピース - Google Patents
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Abstract
【課題】歯科医の筋骨格系を損なわず、歯内やすりの金属構造も損なうことがなく、その結果としてやすり自体の根管内部での破損のリスクがない、患者に対して効果的な歯内治療を行うことを可能にするシステムを提供する。【解決手段】マイクロモータ8-コントラアングル9の組立体の上に設置された歯内やすり11が、第1の方向(動作角度)に、続けて反対の方向(除荷角度)に、交互の運動によって回転される、歯内治療を行うための器具を制御するためのシステムであって、回転の方向の反転が、ゼロから動作値までの、回転の速度の正弦波加速で行われることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本考案は、歯の根管を失活させ、その後の充填作業のために歯内空間を型どるための器具を意図した歯内治療ハンドピースの技術分野に関する。詳細には、本考案は、やすりと呼ばれる歯内治療器具の動きの制御に関する。
Edward Maynard(1813~1891)は、最初の手動の歯内治療器具の発明者であり、歯内治療学の父とされている。
典型的には、歯が虫歯によって損傷を受けた場合、エナメル質および象牙質が、血管および神経が通っている随室まで攻撃される場合がある。この場合、歯科医が歯の生命力を救うことは不可能であり、歯を失活化させる場合があり、これは血管および神経の除去、ならびに例えばガッタパーチャなどの不活性物質による根管および髄室の充填を伴う。一方、この種の処置は、死活化された歯をその場所に維持することを可能にし、抜歯や人工歯によるその置換などのより侵襲的な処置を回避することができる。
Maynardによって発明された器具は、根管から血管および神経を除去し、ガッタパーチャの円錐を導入するために根管自体を拡大する目的で、手動で回転された。歯科医は、歯内やすりを二方向に回転させ、その後、除去された有機残渣を注意深く取り出さなければならなかった。歯の死活化に関連するいくつかの問題があることはよく知られており、その1つは、やすりが歯科医の手から落ち、患者の消化管に達するリスクであり、もう1つは、歯内やすりが、極めて歪んだ形状を有することがある根管の内部で破損することである。歯内やすりの破片の摘出は極めて困難であり、最悪の場合、歯内治療が救おうとしていた歯を失うことにつながる、歯科医と患者の両方にとって不快な作業である。
1964年に公開された、Micro Mega S.A.の特許文献1は、両方向での回転運動が、手動で達成できるよりずっと速い速度(毎分3000回転)で行われる、機械的なハンドピースに設置された歯内やすりの利用を既に記述している。
死活化に関連する問題の1つは、有機物質の残渣が、根管の内部に残る場合があり、これが経時的に歯の膿瘍を生じさせる場合があることである。したがって製造者の関心は、全ての有機物が、とりわけ有機物の流出物(血管および神経)において根管から除去されることを確実にする方法に集中した。
特許文献2は、例えば、切削工具に課される負荷を、負荷が予め規定されたまたは予め設定された閾値に達したとき、その工具を動作方向に対して反対の方向に回転させるために測定するための手段を備えた、歯科治療のための装置を記載している。
特許文献3は、様々なパラメータ、とりわけ各々の回転方向に関する回転速度および/または回転角度の独立した設定が備わった、歯内やすりを一方向と反対方向に交互に回転させることができる歯内治療ハンドピースを記載する最初の文献である。
Dentsplyの特許文献4は、第1の方向、例えば時計周りでのやすりの回転の後に続いて、やすりを反対方向、例えば反時計周りに回転させる歯内治療ハンドピースを記載している。回転の2つの円弧は異なる長さであり、詳細には、関与する根管からの有機残渣の引き出しを容易にする目的で、回転の第1の円弧は、第2のものより長い。
その後の、VdWの特許文献5は、円弧の長さを選ぶための基準をより詳細に記載している。
既知の臨床的問題は、歯内やすりを根尖を超えるまで押し込むリスクであり、近位の根の部分の破損、およびその結果の合併症(膿瘍)が伴い、これらは歯の喪失につながる場合がある。
この分野では、根尖に対する限界位置の到達の電子的な検知によって根管内部でのやすりの進行をチェックするための制御装置の利用が知られている。根尖の検知を記載する2つの文献は、例えばCastelliniの特許文献6および特許文献7である。
しかしながら、引用された文献に記載されるような歯内治療ハンドピースの動作に欠点がないわけではない。
回転の方向の変化は、急な動きの反転、回転の阻止および即座の反対方向での再始動を伴う。この急な変化は、システムのモータ-ハンドピースのグリップへの振動の形態で操作者の手まで、一方向のみに回転する器具によって通常伝達される振動よりはるかに高い程度で伝達される器具の加速の変化(jerk)を、逆転する毎に発生させる。
実際、第1の欠点は、しばしば独立した請負人であり、彼らの長期の勤労年数を保証するあらゆる人間工学的基準を採用しようと試みる歯科医の筋骨格系に対する衝撃に関連している。
単純な振動の不快さに加えて、運動の反転によって生じる継続的かつ反復される機械的な加速の変化が、器具の動作についてのユーザの感覚の邪魔をし、ついには、根管内での作業の進行に対する彼らの感度を鈍らせる、支配的な感覚になる。
根管内での器具の通常の進行に対する不確かさを生じさせることに加えて、継続的な加速の変化は、器具自体の振動を引き起こし、その作業位置および圧力をより制御できなくさせる。
第2の欠点は、これは歯内やすりの破損につながる恐れがある、器具を使用している間の歯科医の感度の喪失に関連している。
第3の欠点は、ニッケルチタン合金(NiTi、ニチノール)などの特殊な超弾性合金で作成されており、この材料で作成されたやすりが湾曲した根管内で回転する際、より小さい、まっすぐにする横力を及ぼす、歯内やすりの機械的な疲労に関連している。合金は通常、結晶オーステナイト形態で存在し、その温度が特定の温度間隔内にあるとき、マルテンサイト系になる(降伏)。これは、機械的エネルギーが一定の方法(均一な速度での継続的な回転)で与えられた場合に生じる。このマルテンサイト相では、合金はその超弾性特性を表し、機械的応力が終わったとき、構造は素早くそのオーステナイト形態に戻り、より安定だが弾性の小さい構造を有する。それでもなお、たとえNiTiの歯内ファイルであっても全く破損しないわけではない。実際、突然の、急速に反復される回転方向の変化は、器具合金にとって、単一方向の動作に対して交互の動作を通して得られる周期的にねじりをゼロにする利点を無効にする場合がある機械的疲労の原因である。
第4の欠点は、根管の底部における有機残渣の蓄積の可能性である。実際、器具の形状に関連するアルキメデスの螺旋の効果を通して行われる、器具の使用中の残渣の除去は、回転の方向の逆転が、残渣の移動の方向も周期的に反転させるために、低減され、または完全に損なわれる場合もあり、すなわち、
-歯内やすりが、動作方向に回転する際、根管から除去された残渣は、外部開口に向かって(下の歯に作業している場合は上向きに、上の歯に作業している場合は下向きに)運ばれ、
-歯内やすりが、反対方向に回転する際、残渣は、根の端部に向かって押され、場合によって根尖に向かって詰め込まれることになり、結果として歯内空間の臨床的によくない準備段階となる。
-歯内やすりが、動作方向に回転する際、根管から除去された残渣は、外部開口に向かって(下の歯に作業している場合は上向きに、上の歯に作業している場合は下向きに)運ばれ、
-歯内やすりが、反対方向に回転する際、残渣は、根の端部に向かって押され、場合によって根尖に向かって詰め込まれることになり、結果として歯内空間の臨床的によくない準備段階となる。
本考案のねらいは、歯科医の筋骨格系を損なわず、歯内やすりの金属構造も損なうことがなく、その結果としてやすり自体の根管内部での破損のリスクがない、患者に対して効果的な歯内治療を行うことを可能にする方法および装置を提供することである。
この目的は、独立クレームの特徴を有する方法および装置によって達成される。有利な実施形態および改善点は、それらに従属するクレームにおいて特定されている。
実質的に、本考案は、各々の方向の変更において正弦波加速によって歯内やすりの振動運動を制御することからなる。これは、器具の振動を許容可能なレベルまで低下させ、操作の快適さと、根管内での器具の進行についての感覚とを高める。詳細には、低い減速比(4:1)のコントラアングルを利用して、加速、およびそれ故の振動が最適に抑えられる。しかしながら、異なる減速比、例えば6:1を有するコントラアングルも利用され得る。
さらに、根管内でやすりの係合が閾値のトルク値を超えて生じた場合、制御ソフトウェアが介入して動作角度の幅を縮小するように、歯内やすりの運動に適応制御が適用される。根管内での歯内やすりの係合がトルクの閾値を下回るまで回復すると、制御ソフトウェアが介入して、通常の、縮小されない角度に従って回転を再開する。根管内でのやすりの係合がトルクの閾値を超えたままであるとき、縮小された角度で予め定められた数の交互の運動の後、制御ソフトウェアが介在して、回転を止める、または前記やすりを動作(切削)方向と反対の方向の継続した回転で回転させる。
詳細には、本考案は、歯内治療を受けている患者を支持する歯科用処置ユニット(歯科用処置椅子)内に設置された電子ボード上にアップロードされることができる、歯内治療ハンドピースの制御ソフトウェアを記載している。技術のある人にとって、同じ概念を歯内治療ハンドピースに電気的に供給するスタンドアローン器具に適用することができるという事実は明白であり、スタンドアローン装置は、特定の歯科用椅子から、複数の歯科用治療椅子を備えた歯科開業場所内における別のものに容易に移動させることができる。
好ましい一実施形態では、根尖に対する根管の先端の位置を検出するための既知のシステムが、歯内やすりの適応制御に結合される。
本考案に関連する利点は多数ある。
第1の利点は、正弦波関数に従った方向の各々の変化における速度の調整を通して、器具がその回転方向を変える際に器具を握る手に伝達される加速の変化がなくなることである。
第2の利点は、これもまた、回転方向の不意の変化に起因する根管内での器具の寄生する振動を阻止するおかげで、操作者の手に伝達される振動を低下させ、歯科医の長期的な健康を改善することである。
2つの上述した利点は、歯内処置の間の操作者による感覚および手先の制御を改善させることに、より簡単には臨床的な成功につながる。
第3の利点は、歯内やすりに与えられる機械的応力および疲労を低下させ、不意の反復される反転に関する器具の疲労を最小限に抑え、回転方向の変化を調和的かつ調整された方法でさせることである。
第4の利点は、回転の異なる円弧、具体的には、器具が動作方向に回転する際、すなわち残渣を外に向かって取り出すのに有効なアルキメデスの螺旋の効果を伴うステップにおけるより長い円弧と、残渣を根尖に向けて運ぶことになる、反対のアルキメデスの螺旋の効果の持続時間を短縮させるための、反対方向のより短い円弧とを通じて行われる、根管からの有機残渣の除去に関するものである。
第5の利点は、根尖に対する歯内やすりの先端の位置の検出システムを統合し、器具の使用の間、やすりの瞬間的な位置を継続的に検出することに関するものである。制御は、先端を破るリスクを阻止するよう、ユーザによって設定することができる予め定められた閾値の位置まで、かつ万一閾値の位置に到達した場合の、器具の自動停止および閾値の位置からやすりの先端を後退させるための反対方向での回転など、ユーザによって選択され得る検出システムの設定に至るまで行われる。
本考案のさらなる利点および特性は、そこでは、本考案の例示の実施形態が図面に基づいて詳細に説明されている、以下の記載において開示される。
図1は、歯10、詳細には大臼歯の正面の断面を概略的な表現で示している。虫歯がエナメル質4と象牙質5を攻撃して、病変6を形成している。このような病変は、一部のケースでは、内部に血管と神経が通っている複数の(臼歯では4本の)根管2がそこから分岐している随室1まで深くなり得る。各々の歯根は近位に、歯槽ポケットまたは歯槽に接している、その頂端3を有する。根の頂端の一つが、根尖の病変7を示している。
既に説明したように、血管および神経を取り除くことを目的として、また充填物質の挿入に対してそれを準備するために導管自体を広げるために、歯内やすりが根管2の内部に挿入される。それでも、歯内治療中、器具の過度の使用により、根尖が破られ、歯内やすりが望ましくない方法で歯槽と接触するようになることが起こる場合がある。
図2は、歯内やすり11を根管2の内部で回転させるコントラアングル9が設置されたマイクロモータ8を示している。
マイクロモータ8は通常、根管2の内部で器具を使用する際、やすり11に直接適用するには速すぎる速度で回転することに注目すべきである。したがって、マイクロモータのそれより低い速度を有する回転の運動をやすり11に伝達する減速歯車が使用される(コントラアングル9)。
コントラアングルハンドピース4:1は、マイクロモータの回転に対して1/4に減速された回転運動をやすりに伝達し、すなわち、例えばマイクロモータ8が毎分1000回転で回転する場合、やすり11は、毎分250回転でしか回転しない。コントラアングルハンドピース6:1は、マイクロモータの回転に対して1/6に減速された回転運動をやすりに伝達し、すなわち、例えばマイクロモータ8が毎分1200回転で回転する場合、やすり11は、毎分200回転でしか回転しない。本考案ではコントラアングルハンドピース4:1と6:1とが好適に使用されるが、代替の実施形態では、異なる減速比を有するコントラアングルが使用され得る。
詳細には、やすりは、時計周りまたは反時計周りに、回転の第1の円弧で、続けて、第1の円弧に対して反対の方向に、回転の第2の円弧で回転する。根管から有機残渣を抜き出す能力を高めるために、特定の回転角度が選択され、例えばそれぞれ
-第1の円弧に関して210°(動作角度δ)
-第2の円弧に関して90°(除荷角度η)
が選択された。これらの2つの円弧は、同一の長さの2つの円弧での交互の回転に対して、根管の内部に残っている有機残渣の削減につながることが実験により示された。
-第1の円弧に関して210°(動作角度δ)
-第2の円弧に関して90°(除荷角度η)
が選択された。これらの2つの円弧は、同一の長さの2つの円弧での交互の回転に対して、根管の内部に残っている有機残渣の削減につながることが実験により示された。
やすりの交互の運動を伴う歯内治療の実用性および安全性のために極めて重要な要因は、回転の方向の反転の様式にある。急な反転は、器具および患者の手に振動を引き起こし、根管内でのやすりの動作に対する操作者の感度を低下させ、医原性の病変または処置後の再発を生じさせる先端3の破損に場合によってつながり得る。
本考案では、回転の反転は、ゼロから動作値、表示するならば毎分500回転までの漸進的な速度の制御を通して行われる。そのような加速の調整は、キリ(burr)において2.5×109rad/s2未満であるように、一定の方法で行われる。
図3は、歯内やすり2の加速のグラフを示している。x座標は時間であり、y座標はやすり自体によって到達される加速度である。加速は、最大速度に達するまでは一定のままで、キリにおいて1×10-9rad/s2に等しく、一方、減速段階では、キリにおいて2.5×10-9rad/s2未満のままである。このサイクルが実質的に繰り返され、継続期間の全ての周期が図3にt(ini)とt(end)によって示されている。やすりの往復運動における加速度の変動は、実質的に正弦波の傾向で、詳細には、増分または減分を伴って行われることに注目されたい。瞬間0とt(ini)の間には、停止位置からの装置の始動段階があり、慣性に打ち勝たなければならない最初の加速のランプの後は、瞬間t(end)で周期的に繰り返し、t(ini)から再び始まる、交互の回転のサイクルが始まる。
角運動量の反転の地点は、図3において、それぞれ、t(ad)とt(da)によって示されている。
この加速は、最新技術より4~5倍低く、これは振動の減少の原因となるものであることに注目されたい。
さらに、やすりが、所与の閾値の運動量を超えて根管内に係合した場合、制御ソフトウェアが介入し、(反対の方向での)除荷角度を変えない一方で、やすりの過剰な機械的応力を阻止し、結果として起こる破損のリスクを抑えるために(第1の方向での)動作角度の幅を縮小し、2.33:1の動作角度/除荷角度の比から1:1の動作角度/除荷角度の比へと移るように、適応性のある運動がやすり11に適用される。
図4は、動作方向での回転の角度41と、反対方向の角度42とを、実線で示し、縮小された動作角度43を点線で示している。動作角度は、制御システムを介して縮小される。図から容易に発見することができるように、動作角度41は210°に等しく、除荷角度42は90°に等しい。やすりの疲労に関する閾値を超えた場合、動作角度43は、実線で示されている90°まで縮小される。
図5は、x座標としての回転の角度を、y座標としての器具に対するトルクに関連付けるグラフであり弾性回転の第1の段階から実線の末端部分において、過度の負荷に起因するやすりの降伏および破損が表されている。降伏の段階の始め(または弾性ねじりの終わり)に相当するトルクの、少なくとも75%に達したとき、制御システムが介入し、回転の角度が縮小される。
負荷の、すなわちモータによってやすりに加えられるトルクの検出は、例えばモータによって吸収される電力もしくはモータによって吸収される電流、または他の電気的パラメータを測定するユニットを備え付けるなどの、様々な方法で行うことができる。さらに、様々な切削工具の機械的特徴を記述する値を、そのデータを設定するための手動設定式のインターフェースを通して、または、読み取られ、かつ、そのデータが保存され歯内ハンドピースの制御電子部品によってアクセス可能であるデータベースに自動的に関連付けられることができるやすりの種類を示す自動的な手段を通して、設定することができる。これには、データベースと、使用中の特定のやすりの制御プロセスを設定するためにデータを取得するための読み取りインターフェースと、を有する通信インターフェースが備えられている。
図3はまた、図示されたグラフから再現される正弦波の傾向の形状も、一例として示している。
好ましい一実施形態において、本考案は、根尖を基準としてユーザによって設定された限界位置に対する根管内でのやすりの進行への電子的な制御装置の利用を含む。やすりの進行の計測は、例えば特許文献6において記載されるような既知の方法でそのインピーダンスを測定して行われる。手短に言えば、この方法および装置は、
-やすり11の、ハンドピースに適用され根管2内に位置付けられる先端によって規定される第1の極と、患者の口腔内に位置決めされ他端において歯科ユニット(図示せず)に接続された基準要素(図示せず)によって規定される第2の極とによって組み合わせて生成される電気的な量の所与の値Vを測定するためのユニットと、
-信号Sを、歯内やすり11の先端と根管の頂端3との間の距離に相当する値Hに変換するような方法で、電気的な量の値Vの関数として測定ユニットによって送信されるそれぞれの信号Sを処理するためのユニットと、
-処理ユニットに接続され、歯内やすり11の先端と根管の頂端3との間の距離Hの関数として、比例する音響/ビデオ基準信号を少なくとも発するように設計された、距離の値Hを検出するための手段と、
を備える。
-やすり11の、ハンドピースに適用され根管2内に位置付けられる先端によって規定される第1の極と、患者の口腔内に位置決めされ他端において歯科ユニット(図示せず)に接続された基準要素(図示せず)によって規定される第2の極とによって組み合わせて生成される電気的な量の所与の値Vを測定するためのユニットと、
-信号Sを、歯内やすり11の先端と根管の頂端3との間の距離に相当する値Hに変換するような方法で、電気的な量の値Vの関数として測定ユニットによって送信されるそれぞれの信号Sを処理するためのユニットと、
-処理ユニットに接続され、歯内やすり11の先端と根管の頂端3との間の距離Hの関数として、比例する音響/ビデオ基準信号を少なくとも発するように設計された、距離の値Hを検出するための手段と、
を備える。
システムは、根管内のやすり自体を通して、設定された限界位置に対するやすりの先端の位置を直接検出することによって機能する。例えば限界位置に接近するにつれて増大する周波数によって断続する音響信号、および器具コンソール上の視覚情報は、根管内のやすりの進行を伴い、やすりの先端の限界位置への漸進的な接近についてユーザにリアルタイムで知らせる。限界位置に到達したとき、制御システムは、断続的な信号の代わりに、特定の音響信号、例えば継続的な信号を発する。制御システムはまた、限界位置に到達したとき、マイクロモータの回転を自動的に止めるように設定することもできる。別の任意選択の設定は、限界位置に到達したとき、マイクロモータを停止することに加えて、制御システムが、やすりの先端を限界位置から後退させ、それを根尖から遠ざける目的で動作方向と反対の方向にやすりの回転を生じさせることである。
図6は、図2によるマイクロモータの制御電子回路の一例を示す。そのような例は、トルクを検出し、回転の第1の方向における回転角度の幅の可能な限界を導き出すユニットと、上述した加速度の時間に対する変動の正弦波関数に応じた加速の制御ユニットとの両方を、組み合わせて含んでいる。それでもなお、2つの作動モードは、一方が他方から独立して、さらには、他方の機能および関係のあるユニットがシステム内に存在せず、一度に1つずつとして設けることができることは気づくべきである。
図6は、ある組み合わされたハードウェア/ソフトウェアアーキテクチャに従った型を示している。制御プロセッサ60は、マイクロモータの、およびそれ故にやすりの、二方向での交互の回転を生じさせ、このケースでは、組み合わせて、時間に関する正弦波関数に従って加速を変化させる、マイクロモータ62の供給信号を生成する周辺装置を制御する。やすりの侵入および切削の方向における、すなわち回転の第1の方向の回転の角度幅を修正するために、マイクロモータによって課されるトルクを測定するセンサ61がこの物理量を検出し、それを制御プロセッサ60に提供する。制御プロセッサ60の周辺メモリ64に記憶されたプログラム65が、センサ61からのトルクの測定を取得するステップを実行するための命令を制御プロセッサ60に提供し、続けて、この信号を、例えばインターフェース63を通して予め設定可能な閾値と比較して、この比較の結果に従って、またはセンサ61によって測定されたトルク値に従って、前記回転の第1の方向における回転角度の幅を維持または修正する。
同じように、周辺メモリ65内に記憶されたプログラムが、制御プロセッサ60に、正弦波関数に従う加速度の時間変動を制御するための命令を提供する。
あるいはそのようなアーキテクチャに対して、ユニットの少なくとも一部は、完全に電子的な種類のものであってよく、この場合、ユーザインターフェースは設けられず、動作モードは、ハードウェアに固定されて組み込まれる。
プログラム可能な制御ユニットを利用することによって、モータとやすりとの制御の様々な代替方法を実装することが可能になる。
一実施形態によると、システムは、少なくとも1つの第1の、および、少なくとも1つの第2の、閾値パラメータを格納するためのメモリを備える。パラメータは、根管(2)内のやすり(11)の係合によってもたらされるトルク値に関する第1の閾値と、第2の閾値とからなり、第2の閾値は前記第1の閾値より大きい。制御ユニットは、やすり(11)が、第1の方向(動作角度δ)に、続けて反対の方向(除荷角度η)に、交互の運動によって回転される、歯内やすり(11)の交互の運動を生じさせ、根管内のやすりの係合によってもたらされる、第1の閾値より大きく第2の閾値より小さい予め定められたトルク値に到達したとき、第1の方向における動作角度を縮小するように構成されている。根管2内のやすりの係合によってもたらされる、第1の閾値より小さい予め定められたトルク値に到達したとき、第1の方向における動作角度は回復される。根管2内のやすり11の係合によってもたらされる、第2の閾値より大きい測定されたトルク値に到達したとき、モータの回転は逆転され、モータおよびやすりが、反対方向(除荷角度η)に継続的に回転され、または、やすりのもしくはモータの回転は止められる。
代替として、または組み合わせて、制御ユニットは、第1の方向(動作角度δ)における動作角度の縮小の段階を数えるためにカウンターが設けられ、動作角度の縮小の最大限の段階の閾値の数が制御ユニットにおいて設定され、制御ユニットは、第1の方向における回転の角度の縮小の段階の数が閾値を超えたとき、モータおよびやすりの回転の方向を逆転し、かつ、モータおよびやすりを反対の方向(除荷角度η)に継続的に回転し、または、やすりのもしくはモータの回転は止めるように構成されているかもしれない。
1 随室
2 根管
3 歯の頂端
4 エナメル質
5 象牙質
6 冠のカリエス性病変
7 根尖の病変
8 マイクロモータ
9 コントラアングル
10 歯(大臼歯)
11 歯内やすり
41 第1の方向の角度(動作角度)
42 反対方向の角度(除荷角度)
43 縮小された動作角度
60 制御プロセッサ
61 トルクセンサ
62 供給信号生成器
63 ユーザインターフェース
64 メモリ
65 メモリ
2 根管
3 歯の頂端
4 エナメル質
5 象牙質
6 冠のカリエス性病変
7 根尖の病変
8 マイクロモータ
9 コントラアングル
10 歯(大臼歯)
11 歯内やすり
41 第1の方向の角度(動作角度)
42 反対方向の角度(除荷角度)
43 縮小された動作角度
60 制御プロセッサ
61 トルクセンサ
62 供給信号生成器
63 ユーザインターフェース
64 メモリ
65 メモリ
Claims (4)
- マイクロモータ(8)と、コントラアングル(9)と、マイクロモータとコントラアングルとの組立体内に設置された歯内やすり(11)とを備えるシステムであって、
前記マイクロモータの制御ユニットが、前記やすり(11)が、第1の方向に動作角度δで、続けて反対の方向に除荷角度ηで、交互の運動によって回転される、歯内やすり(11)の交互の運動を生じさせ、
根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされるトルク値を測定する手段が、前記制御ユニットに接続されており、前記制御ユニットが、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる予め定められたトルク値に到達したとき、第1の方向における前記動作角度が小さくなり、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる前記トルク値が予め定められ値を下回るようになったとき、前記第1の方向における前記動作角度が、その元の幅に戻るように、前記モータの回転を制御し、
前記動作角度が段階的に縮小されるときに、前記第1の方向の前記動作角度δにおける前記動作角度の縮小の段階を数えるカウンターが設けられ、
前記動作角度の縮小の最大限の段階の閾値の数が前記制御ユニットにおいて設定され、
前記制御ユニットは、前記第1の方向における回転の前記角度の縮小の前記段階の数が前記閾値を超えるとき、前記モータおよび前記やすりの回転の方向を逆転し、かつ、前記モータおよび前記やすりを前記反対の方向の前記除荷角度ηで継続的に回転し、または、
前記制御ユニットは、前記第1の方向における回転の前記角度の縮小の前記段階の数が前記閾値を超えるとき、前記やすりのもしくは前記モータの回転を止めるように構成されている、システム。 - 請求項1に記載の、歯内やすり(11)の交互の運動を伴う、マイクロモータ(8)とコントラアングル(9)とを備えるシステムであって、対応する信号を生成する、前記やすり(11)の回転に対する抵抗および/またはトルクを検出するための手段と、マイクロモータの供給信号を生成する、マイクロモータの作動動作の制御ユニットであって、マイクロモータの回転に対する抵抗またはトルクを測定する前記信号に従って、マイクロモータの回転の命令信号を生成し、回転に対する抵抗またはトルクの測定された値が、予め定められた閾値を超えたとき、第1の回転の角度を縮小し、回転に対する抵抗またはトルクの前記測定された値が、前記予め定められた閾値未満に戻ったとき、回転の元の角度を回復させる手段と、を備えるシステム。
- 歯内やすり(11)の交互の運動を伴う、マイクロモータ(8)とコントラアングル(9)とを備えるシステムであって、歯科処置ユニットに統合されている、またはスタンドアローン装置の形態で実現されている、請求項1または2に記載のシステム。
- 少なくとも1つの第1の、および、少なくとも1つの第2の、閾値パラメータを格納するためのメモリであって、前記パラメータが、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる前記トルク値に関する第1の閾値と、第2の閾値とからなり、前記第2の閾値は前記第1の閾値より大きい、メモリを備え、
前記制御ユニットが、前記やすり(11)が、第1の方向(動作角度δ)に、続けて反対の方向(除荷角度η)に、交互の運動によって回転される、前記歯内やすり(11)の交互の運動を生じさせ、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる、前記第1の閾値より大きく前記第2の閾値より小さい予め定められたトルク値に到達したとき、前記第1の方向における前記動作角度を縮小し、その一方で、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる、前記第1の閾値より小さい予め定められたトルク値に到達したとき、前記第1の方向における前記動作角度が回復され、かつ一方で、根管(2)内の前記やすり(11)の係合によってもたらされる、前記第2の閾値より大きい測定されたトルク値に到達したとき、前記モータの回転は逆転され、前記モータおよび前記やすりが、前記反対の方向(除荷角度η)に継続的に回転され、または、前記やすりのもしくは前記モータの回転が止められるように構成される、請求項1から3のいずれか1つに記載のシステム。
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