JP3239224U - レンチ頭部の蓋閉構造 - Google Patents

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Abstract

Figure 0003239224000001
【課題】レンチ頭部の蓋板が脱落しないレンチ頭部の蓋閉構造を提供する。
【解決手段】レンチ頭部の蓋閉構造は、蓋板50をレンチの頭部30に取り付ける構造であり、頭部の一端面には収容室34が内に向かって凹設され、収容室の開口部には凹室40が凹設されており、蓋板は凹室中に取り付けられて収容室を閉じ、蓋板は凹室の周壁42自体によって凹室中に固定される。このように、蓋板は何らかの接合部材によってレンチの頭部に取り付けられるのではなく、レンチの頭部自体によって固定されており、これによって蓋板の脱落を防止し、頭部内に取り付けられた構成要素が落下しないようにすることができる。
【選択図】図7

Description

本考案はレンチに関し、具体的にはレンチ頭部の蓋板の蓋閉構造に関するものである。
図1及び図2は既知のレンチ10を示しているが、レンチの頭部11の収容室12中にはラチェット13、係止部材14が取り付けられている。レンチ10は双方向ラチェットレンチであり、トグル15により係止部材14を異なる位置に移動させることで、ラチェットレンチ10の伝動方向を切り替えることができ、またトグル15は、バネ151と鋼球152によって係止部材14を弾性的に押し支えている。
頭部11の底面には蓋板16が取り付けられ、ラチェット13、係止部材14などの構成要素が収容室12から落ちないようになっている。既知技術では、ねじ17や止め具などの接合部材によって蓋板16を頭部11に接合している。
しかし、レンチ10を使用しているとき、ねじ17や止め具などの接合部材は緩んで落ちることがあり、蓋板16が脱落して、ラチェット13、係止部材14、バネ151及び鋼球152などの構成要素が落下しかねない。構成要素が落下すると、レンチが使用できなくなるだけでなく、例えば飛行機、航空機といった安全性の要求が高い装置や機器など、綿密さが求められる場面や環境において構成要素を散らばしたり無くしたりするなら危険を招くことになり、装置や機器の安全性が脅かされてしまう。そのため、レンチの頭部中の構成部品の落下を防ぐことは、解決を要する課題である。
本考案は、上述の欠点を解決することを意図しており、レンチ頭部の蓋板が脱落しないようにした、レンチ頭部の蓋閉構造を提供することを主な目的としている。
上述の目的を達成するために、本考案が提供するレンチ頭部の蓋閉構造は、
レンチの頭部であって、頭部の一端面に収容部が内に向かって凹設され、収容室の開口部に凹室が設けられた、レンチの頭部と、
凹室中に取り付けられて収容室を閉じる蓋板と、を含み、そのうち、蓋板は、凹室の周壁自体によって凹室中に固定される。
このように、蓋板は何らかの接合部材によってレンチの頭部に取り付けられるのではなく、レンチの頭部自体によって固定されており、これによって蓋板の脱落を防止し、頭部内に取り付けられた構成要素が落下しないようにすることができる。
本考案の1つの実施形態において、蓋板の直径は凹室の直径よりもやや大きく、蓋板の周面が凹室の周壁と圧迫し合っている。
本考案の1つの実施形態において、蓋板の一端は案内端であり、比較的小さな直径を有しており、案内端の直径は凹室の直径よりも小さい。蓋板を凹室に取り付けるときは、案内端を先に凹室中に入れると蓋板が凹室に入りやすいようになっており、それから凹み室と圧迫し合うようになる。
本考案の1つの実施形態において、案内周壁は、傾斜状の錐面又は円弧状の弧形錐面を呈してよい。
本考案の1つの実施形態において、凹室の直径は外側が狭く、内側は広くなっており、蓋板が凹室から脱離するのをよりいっそう防止する。
本考案の1つの実施形態において、頭部と蓋板の硬度は異なり、軟らかい方を変形しやすくさせている。
本考案の1つの実施形態において、凹室の周壁は、凹室の外側開口部に肩縁を有し、蓋板の外端面を当止して、蓋板が落下できないようになっている。
本考案の1つの実施形態において、凹室の周壁の外側開口部の直径は縮んで肩縁を形成し、肩縁は内に向かって延在し且つ蓋板の外端面を当止する。
本考案の1つの実施形態において、蓋板の厚さは凹室の高さよりもやや小さく、蓋板の外端面と凹室の外側開口部の辺縁との間に隙間が形成され、隙間の位置に肩縁が形成されている。
本考案の目的、特徴及び達成される効果は、下記の2つの好ましい実施例の説明及び図面から理解することができる。
既知のレンチの底面斜視図である。 図1の分解斜視図である。 本考案の好ましい第1実施例におけるレンチの底面斜視図である。 本考案の好ましい第1実施例におけるレンチの頭部及び蓋板の上下方向の断面図である。 図4の蓋板を頭部の凹室に取り付ける際の断面図である。 図5の部分拡大図である。 図4の蓋板を頭部の凹室に取り付けた際の断面図である。 図7の部分拡大図である。 本考案の好ましい第2実施例におけるレンチの頭部及び蓋板の上下方向の断面図である。 図9の蓋板を頭部の凹室に入れた際の断面図である。 図10の部分拡大図である。 図11の蓋板をかしめる方式で固定することを示す図である。
実施例1
図3及び図4を参照されたい。本考案の好ましい第1実施例で提供するレンチ頭部の蓋閉構造であって、本実施例はレンチ20において実施されるものであり、通常はラチェットレンチにおいて実施される。レンチ20は、頭部30とシャフト32を含み、レンチの頭部30とシャフト32は一体に製造された構造でよい。又は、図に示す通り、30、32の両者が枢着され、頭部30とシャフト32の間の角度が調整可能になっていてもよい。頭部30の一端面、例えば底端の端面に、収容室34が内に向かって凹設され、収容室34内には、ラチェット36、歯止部材38、トグル39、弾性部材及び鋼球などの構成要素が取り付けられており、蓋板50で収容室34の開口に蓋をする。上述のラチェット36、歯止部材38、トグル39、弾性部材及び鋼球は、図2に示すような構成要素であり、これらの構成要素は本考案の主な目的ではないため、説明を省略する。
頭部30の一端面(即ち底端の端面)の収容室34の開口部には、蓋板50を入れるための凹室40がさらに凹設されている。
図4を参照されたい。本実施例において、凹室40の直径(又は幅と呼ぶ)は、内側が広く外側が狭い形状を呈している。即ち、凹室の外側開口41部分の直径/幅は比較的小さく、凹室内部の直径/幅は比較的大きくなっている。凹室40の周壁42は、本実施例では錐状を呈しており、その直径/幅は外に向かって減少している。なお、凹室40の周壁は、垂直壁でもよく、必ずしも傾斜していなければならないというわけではない。本明細書に記載する直径又は幅は、いずれも凹室40及び蓋板50の横方向の寸法を説明する用語として用いている。
蓋板50の周面52の直径/幅は、凹室40の直径/幅よりもやや大きい。蓋板50の一端は案内端54であり、比較的小さな直径/幅を有しており、案内端54の直径/幅は、凹室40の直径/幅よりも小さい。案内端54の外周には、案内周壁56が形成されている。案内周壁56は、傾斜状の錐面又は円弧状の弧形錐面を呈してよい。蓋板50には、ラチェット36の柱部361を延出させるための貫通孔58が設けられている。
図5及び図6を参照されたい。蓋板50は、頭部30の凹室40中に取り付けられて、収容室34を閉じる。取り付ける際には、蓋板50の案内端54を凹室40に向ける方式で取り付けを行う。案内端54の直径は凹室40の直径よりも小さいため、容易に蓋板の一端(即ち案内端)を凹室40中に入れ込ませることができる。
次に、図7及び図8に示す通り、圧力又は衝撃力を加えて蓋板50を凹室40中に入れ込み、蓋板50と凹室40を結合させる。蓋板50を凹室40中に入れ込むとき、蓋板50の周面52と凹室40の周壁42のうちの少なくとも一方か又は両者が変形し、蓋板の周面52と凹室の周壁42が圧迫し合い、蓋板50が凹室40中に固定され、これにより蓋板が頭部30から脱離しないようにさせて、収容室34内の構成要素の落下を防止する。
本実施例は、凹室40の直径が内側は広く外側が狭い形態を呈するようにして、蓋板50が凹室40を脱離するのをより効果的に防げるようにしている。出願人の試験結果によれば、レンチ20が使用によって破損した場合でも、蓋板50が凹室40から脱離することはなかった。
頭部30と蓋板50は、異なる硬度の材質で製造することができ、例えば、一方は鉄金属材質で製造し、他方はアルミニウム又は銅の材質で製造するか、或いは両者を硬度が異なる金属材質にして、凹室40と蓋板50を押圧して結合するときに、軟らかい方をより変形しやすくさせることで、より緊密な結合効果を形成することもできる。
実施例2
図9は、本考案の好ましい第2実施例で提供するレンチ頭部の蓋閉構造である。同一要素には同じ符号を使用しており、各要素の構造については好ましい第1実施例の説明を参照できるため、ここでは説明を省略する。レンチ20'は、頭部30と蓋板50'を含み、頭部30には同様に収容室34と凹室40'が凹設されており、蓋板50'は凹室40'中に取り付けられる。
蓋板50'の直径/幅は、凹室40'の直径/幅とほぼ等しく且つそれ以下であり、蓋板50'を押圧せずとも凹室40'中に入れられるようになっている。蓋板50'の周面52はいずれも凹室40'の周壁42に近接している。凹室40'の周壁42と蓋板50'の周面52は、垂直壁でもよいし、傾斜を持つ壁面にして、凹室40'の幅/直径を外側が狭く、内側が広くなるようにしてもよい。
図10及び図11を参照されたい。蓋板50'の厚さTは、凹室40'の高さHよりもやや小さいのが好適である。これにより、蓋板50'が凹室40'に入れられると、蓋板50'の外端面59(即ち図11に示す蓋板の底面)と凹室40'の外側開口41部分の辺縁に隙間Gが形成される。
次に、機械又は適当な器具で凹室40'の外側開口41部分の周壁を押圧し、これによって外側開口41部分の直径/幅を縮めて、凹室40'の周壁42が隙間G部分で内に向かって延在する肩縁44を形成するようにさせる。図12に示す通り、肩縁44は、蓋板の外端面まで延在しており、これによって蓋板50'の外端面59を覆って当止し、蓋板50'を凹室40'中に固定する。
本考案の技術手段は、頭部30の凹室40、40'の壁面によって蓋板50、50'を固定するというものである。そのうち、好ましい第1実施例は、凹室40の周壁42によって蓋板50の周面52を圧迫するというものであり、好ましい第2実施例は、凹室40'の周壁42の肩縁44によって蓋板50'の外端面59を当止するというものである。このように、蓋板50、50'は何らかの接合部材によってレンチの頭部30に取り付けられるのではなく、レンチの頭部の凹室40、40'自体によって蓋板50、50'を固定するものであり、接合部材が緩み落ちるという問題がなく、蓋板の脱落が効果的に防止され、頭部内に取り付けられた構成要素が落下しないようになっており、これによってレンチを使用する環境の安全性が守られ、飛行機などの安全性が高い機器への危害が回避され、従来技術の欠点が解決される。
上述の実施例は本考案の技術的特徴の説明に過ぎず、限定するものではない。本考案の等価的修正はすべて本考案の保護範囲に属すると解釈されるべきである。
[既知]
10 レンチ
11 頭部
12 収容室
13 ラチェット
14 係止部材
15 トグル
151 バネ
152 鋼球
16 蓋板
17 ねじ
[本考案]
20、20' レンチ
30 頭部
32 シャフト
34 収容室
36 ラチェット
361 柱部
38 歯止部材
39 トグル
40、40' 凹室
41 外側開口
42 周壁
44 肩縁
50、50' 蓋板
52 周面
54 案内端
56 案内周壁
58 貫通孔
59 外端面
T 蓋板厚さ
H 凹室高さ
G 隙間

Claims (10)

  1. レンチの頭部であって、前記頭部の一端面に収容部が内に向かって凹設され、前記収容室の開口部に凹室が設けられた、レンチの頭部と、
    蓋板であって、周面を有し、前記蓋板は前記凹室中に取り付けられて前記収容室を閉じる、蓋板と、を含み、
    前記蓋板は、何らかの接合部材によって固定されるのではなく、前記凹室の周壁自体によって前記凹室中に固定されることを特徴とする、レンチ頭部の蓋閉構造。
  2. 前記蓋板の直径は前記凹室の直径よりも大きく、前記蓋板の周面が前記凹室の周壁と圧迫し合う、請求項1に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  3. 前記蓋板の一端は案内端であり、小さな直径を有しており、前記案内端の直径は前記凹室の直径よりも小さく、前記蓋板を前記凹室に取り付けるときは、前記案内端を先に前記凹室中に入れる、請求項2に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  4. 案内周壁が前記案内端の外周に形成され、前記案内周壁は傾斜状の錐面又は円弧状の弧形錐面を呈する、請求項3に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  5. 前記凹室の直径は外側が狭く、内側は広くなっている、請求項2に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  6. 前記頭部と前記蓋板の硬度が異なる、請求項2に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  7. 前記蓋板は外向きの外端面を有し、前記凹室の周壁は、前記凹室の外側開口部に肩縁を有し、前記蓋板の外端面を当止する、請求項2に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  8. 前記凹室の周壁の外側開口部の直径が縮んで前記肩縁を形成し、前記肩縁は内に向かって延在する、請求項7に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  9. 前記蓋板の厚さは前記凹室の高さよりも小さく、前記蓋板の外端面と前記凹室の外側開口部の辺縁との間に隙間が形成され、前記隙間の位置に前記肩縁が形成される、請求項7に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
  10. 前記凹室の直径は前記蓋板の直径よりも大きい、請求項7に記載のレンチ頭部の蓋閉構造。
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