JP3238987B2 - シール材およびシール材形成方法並びにシール材製造方法 - Google Patents

シール材およびシール材形成方法並びにシール材製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種のバルブやポン
プ等に用いられるシール材およびシール部形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所や原子力発電所等で使
用される高温・高圧の蒸気バルブのシール材として、石
綿糸を耐熱性潤滑油と黒鉛で処理して、断面角形とした
コイルパッキンが主に使用されている。これは、図9
(A)に示すようなシール素材100を、(B)のよう
に円形に丸めてコイルパッキン101としたものであ
り、したがって1ヶ所に切口102が存在する。このよ
うなコイルパッキン101を各切口102の位相をずら
せた状態で、同図(C)に示すように複数(例えば5〜
10個)重ね合わせ、図示しない押え金具で加圧した状
態でシール部を形成することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このようなシール材には次のような問題がある。(1)
まず、石綿が発ガン性物質として問題視されており、石
綿の使用は環境衛生上の点から好ましくない。(2)耐
熱性潤滑材は時間とともに枯渇し、ある時期に増締め又
は取り替える必要が生じる頻度も多くなる。(3)その
際、火力発電所や原子力発電所等で使用するバルブの種
類やサイズは多種類あり、したがって径の異なる多種類
のシール材(パッキン)を用意する必要があるが、多く
のサイズのシール材を管理するのが大変であり、また、
シール材装着時によく注意しないと、シール材のサイズ
をまちがえやすい。(4)さらに、シール材の1ヶ所に
切口があるため、その切口が重ならないように注意して
複数個をセットしなければならず、そのセット方法が難
しく手間もかかるし、不適切なセットを行うと、蒸気漏
れを起こす原因にもなる。
【0004】本発明の課題は、石綿を使用することな
く、またサイズ管理の煩わしさもなく、しかもシール部
の形成も容易なシール材およびシール部形成方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかるシール
材は、内部が、ほぼ球状をなすセラミックス粒で形成さ
れ、その外側が黒鉛層でほぼ球状に取り囲まれた複合粒
体が多数加圧状態で集合させられてなるとともに、前記
黒鉛層の厚さtは、前記セラミックス粒の直径Dに対
し、前記多数加圧状態における圧縮性付与のためにt≧
D/2とされていることを特徴とする。
【0006】その複合粒体における芯材としてのセラミ
ッックス粒は、シール加圧に耐え得る圧縮強度をもった
骨材的役割を果たし、また外側の黒鉛層は、相手部材と
の摺動特性を向上させる機能を担う。
【0007】請求項2に係るシール材は、前記セラミッ
クス粒の圧縮強度は500kg/cm2以上、直径は0.5mm
以上であって、複合粒体の全体としての直径は1〜10
mm程度とされる。
【0008】さらに、請求項3のように上記多数の複合
粒体を、シール材が配置されるべきスペースに充填して
加圧することにより、黒鉛層の圧縮性によって複合粒体
同士を密着させてシール部を形成することができる。そ
して、このようなシール材およびシール部形成方法は、
固定部材と可動部材との間のシールに好適であり、例え
ば火力発電所の高温・高圧蒸気バルブのシール等に用い
ることができる。また、請求項4のようにすれば、シー
ル材の複合粒体を大量に効率よく生産できる。
【0009】
【作用】上記のようなシール材およびシール部材形成方
法では、内部が芯材としてセラミック粒で、外側が黒鉛
で形成された多数の複合粒体が加圧されることによ
り、黒鉛層の圧縮性に基づき、それらが互いに密着して
シール機能を発揮し、例えば高温・高圧蒸気の漏れ等を
防止する。
【0010】
【実施例】図2は、シール材を構成する小素材の一例と
して、複合粒体CBを示すものである。この複合粒体C
Bは、内部に芯材としてほぼ球状をなすセラミックス粒
2を有し、この周りがカーボン系材料としての黒鉛層3
でほぼ球状に取り囲まれたものである。黒鉛層3は天然
カーボンが望ましい。セラミックス粒2は、磁器、アル
ミナ(酸化アルミニウム)、窒化珪素、ジルコニア、カ
ーボン等からなるもので、その直径は例えば0.5mm以
上であり、複合粒体CBの全体としての直径は1〜5mm
程度とされる。また、複合粒体CBがシール(パッキ
ン)材として使用される際の締付面圧が200〜500
kg/cm2ぐらいであるとの前提に立てば、セラミックス粒
2の圧縮強度は500kg/cm2以上が望ましい。
【0011】また、外側の黒鉛層3の厚さtは、セラミ
ックス粒2の直径Dの1/2以上、言い換えればt≧D
/2とすることが望ましい。
【0012】このような複合粒体CBを用いたシール材
およびシール部形成方法の一実施例を、図1に示す。こ
の実施例は、火力発電所における高温・高圧の蒸気バル
ブのシール部への適用であり、同図(C)に示すハンド
ル5を回転操作することにより、シールケース部6内に
設けられたバルブシャフト7が軸方向に移動し、蒸気通
路の開閉および流量調整を行うものである。ここでは、
固定側である円筒状のシールケース部6と、可動側であ
るバルブシャフト7とのシールのために、図2の複合粒
体CBが用いられる。
【0013】このシールケース部6の一方の端にはエン
ドリング10が配置され、他方の端にはフランジ付きの
短い円筒状の押え金具8がボルト9で締め込まれるよう
になっている。シール部の形成に際しては、同図(A)
に示すようにボルト9を外して押え金具8を取り除いた
状態とする。そして、シール部が形成されるべき円筒状
のシールスペースSに、同図(B)に示すように複合粒
体CBを所定量投入し、このシールスペースSを複合粒
体CBで満たす。この状態では、多数の複合粒体CBの
粒子間に相当の空隙が存在する。そして、同図(C)に
示すように、押え金具8をシールケース部6の内周面と
バルブシャフト7の外周面との間の円筒状のスペースに
嵌合し、複数のボルト9を締め込むことにより、この押
え金具8の端面で複合粒体CBがエンドリング10との
間で加圧され、各粒体CBが緊密に密着させられる。こ
の際の押え金具8による締付面圧は、例えば200〜5
00Kgf/cm2程度とされる。
【0014】このような複合粒体CBの加圧集合体によ
るシール材、言い換えればシール部の形成によって、高
圧・高温蒸気あるいは熱水等の漏れが防止される。ここ
で、複合粒体CBのセラミックス粒2(図2参照)は、
上述の加圧に耐え得る圧縮強度をもった骨材的役割を果
たし、また外側の黒鉛層3は、バルブシャフト7の摺動
特性を向上させる機能を担う。すなわち、バルブシャフ
ト7の外周面には複合粒体CBの黒鉛層3が押し付けら
れ、これとバルブシャフト7との間に滑りが生じるが、
黒鉛層3の摩擦抵抗が小さいため、バルブシャフト7の
移動時に噛込み等を生じることなく、その円滑な移動が
保証される。また、任意のシール径および任意のシール
形状に対して、汎用的に対応できる。
【0015】なお、図1において、複合粒体CBが加圧
状態で維持されることにより構成されるシール部は、定
期分解点検等により、例えば2〜5年程度の周期で新し
いものと交換されている。その際には、ボルト9をゆる
めて押え金具8を取り外し、露出した複合粒体CB群の
塊を鋭利な治具で破砕し、その破砕物を適宜の吸引装置
でシールケース部6内から吸引することにより簡単に除
去できる。除去した複合粒体CBは、セラミックス粒を
分別回収処理した後、再活用が可能であるので、資源再
利用となり、コストダウンにもなる。このため本シール
材(CB)は、リサイクルとしての有用価値を生じるも
のである。そのような除去の後、新たな複合粒体CBを
充填し、前述のように押え金具8で押え込むようにすれ
ばよい。
【0016】ここで、複合粒体CBの黒鉛層3の厚さに
ついては先に触れたが、もう少し詳しく言及する。黒鉛
層3が薄過ぎると、バルブシャフト7等の摺動により黒
鉛層3が破れてセラミックス粒2が表面に露出し、バル
ブシャフト7の移動時にいわゆる噛込みが生じやすくな
ることから、黒鉛層3の厚さは前述のようにセラミック
ス粒2の直径Dの1/2以上が好ましい。ただし、逆に
黒鉛層3を厚くしてセラミックス粒2を小さくし過ぎる
と、黒鉛層が厚いほど圧縮性も大きくなることから、シ
ール材としての充填時(パッキンセット時)に、黒鉛層
3の圧縮性のために充填に要する複合粒体CBの量及び
充填時間が共により多く必要となり、作業性等が悪くな
る。したがって、前述のようにセラミックス粒2の直径
は少なくとも0.5mm以上とすることが望ましい。
【0017】図3は、本発明をポンプシール部に適用し
た実施例を示すものである。この実施例では、シールケ
ース部15と回転軸16との間の円筒状のシールスペー
スに所定量の複合粒体CBが充填され、かつボルト17
の締込みにより、押え金具18が複合粒体CBをエンド
リング19との間で加圧した状態に維持し、その状態
で、図1の場合と同様のシール機能が発揮される。特
に、回転軸16の回転において、複合粒体CBの黒鉛層
3によって良好な摺動特性が得られ、噛込み等のない、
回転軸16の円滑な回転が保証される。
【0018】次に、以上のようなシール部を構成する基
となる図2の複合粒体CBの製造方法を幾つか説明す
る。図4は、黒鉛の粉体を用いた造粒法による製法を示
すものである。まず、図4(A)、(B)に示すよう
に、円形断面の容器26内にセラミックス粒2を相当数
入れ、回転ローラ27、27により容器26を回転させ
る。この回転状態で、バインダー28を容器26内にス
プレ−装置29によって噴霧し、容器26の内周面を転
動するセラミックス粒2に付着させる。そして、同図
(C)に示すように、容器26を回転させつつ黒鉛粉体
CPを容器26中で転動するセラミックス粒2に散布す
ることにより、それらセラミックス粒2の表面にバイン
ダー28を介して黒鉛粉体CPが付着する。このような
工程を適数回繰り返すことで、この繰返し回数により黒
鉛粉体CPの付着量が調整でき、所定厚さの黒鉛粉体C
Pで取り巻かれた複合粒体CBが得られる。
【0019】図5は、黒鉛粉体CPをプレス成形する製
法である。まず、図5(A)に示すように、下金型30
と中金型31をセットし、半球状凹部32aを底面とす
るキャビティ32に黒鉛粉体CPを投入する。そして、
同図(B)に示すように、上金型34によって黒鉛粉体
CPがプレス成形されるが、上金型34にはキャビティ
32の半球状凹部32aより小さい半球状凸部34aが
形成されており、この上金型34のプレスにより、真中
に半球状凹部36を有する半球状の中間成形体37が得
られる。
【0020】そして、同図(C)に示すように型開きし
て、この中間成形体37の半球状凹部36にセラミック
ス粒2を入れ、さらに同図(D)に示すように、このセ
ラミックス粒2の上に黒鉛粉体CPを投入し、その後、
同図(E)に示すように、2度目に投入した黒鉛粉体C
Pを、上記とは別の上金型38によってプレスする。こ
の上金型38には、キャビティ32の半球状凹部32a
と共同して一つの球状空間を形成する半球状凹部39が
形成されており、この上金型38によるプレス成形によ
って上側半球部が成形されて、全体として、中心部にセ
ラミックス粒2が埋設された複合粒体CBが得られる。
その後、上金型38および中金型31を取り外し、下金
型30より複合粒体CBを取り出すこととなる。
【0021】図6は、シートをプレス成形するもので、
同図(A)に示すように、半球状凹部45を有する下金
型46上に、平板状の黒鉛シートCSをセットする。そ
の後、同図(B)に示すように、半球状凸部48を有す
る上金型49で、この黒鉛シートCSをプレス成形する
ことにより、半球状凹部50が形成された黒鉛半球部5
1を形成する。このようにして得られた2枚の黒鉛シー
トCSを用い、まず、同図(C)に示すように、黒鉛シ
ートCSの半球状凹部50に球状のセラミックス粒2を
セットするとともに、その黒鉛シート材CSに所定の接
着材を塗布する。その後、もう一方の黒鉛シートCSを
この上に被せ、さらに半球状凹部53を有する上金型5
4によってプレス成形することにより、2枚の黒鉛シー
トCSの間にセラミックス粒2をサンドイッチ状に挟み
込んだ状態とする。そして、同図(D)に示すように、
筒状切断部55を有する上金型56によって、このセラ
ミックス粒2が中心部に埋設された積層部分を加圧切断
し、これを複合粒体CBとして取り出す。
【0022】図7は、流動体状の黒鉛CL(必要に応じ
て適宜のバインダーを含有)が収容された槽60内にセ
ラミックス粒2を投入し、その表面に黒鉛CLを付着さ
せるものである。なお、槽60をバレル槽のように振
動、回転もしくは遊星運動させ、セラミックス粒2に均
一に黒鉛CLが付着するようにすることができる。そし
て、この槽60から黒鉛CLが付着したセラミックス粒
2を取り出すこととなるが、必要に応じ乾燥工程を間に
おいて、この槽60の工程を繰り返すことにより、所定
厚さの黒鉛CLがコーティングされた複合粒体CBを得
る。
【0023】以上の説明した実施例では、芯材としてセ
ラミックス粒が用いられていたが、セラミックス粒に代
えて、金属(例えば鉄(Fe)、鉛(Pb)等)、プラ
スチック(例えば耐熱性の高いフッ化炭素樹脂(ポリテ
トラフルオロエチレン等)、あるいは強度の大きな強化
プラスチック(FRP)等)、または固体カーボン、も
しくはこれらを適宜組み合わせた複合材料、さらにはこ
れらと前記セラミックスとの複合材料(例えばセラミッ
クスと金属との組合せ、あるいはこれらにプラスチック
を加えた複合材料等)を芯材として、それの外側に天然
カーボン等の黒鉛層を設けた構造を採用することもでき
る。その場合、金属、プラスチック、固体カーボン等の
芯材、あるいは上述のような複合材料からなる芯材の直
径は、前記セラミックス粒の場合と同様、0.5mm以
上、また外側黒鉛層の厚みは芯材直径の1/2以上、シ
ール材として充填・封印した状態での締付面圧は200
〜500kg/cm2、またそれら芯材の圧縮強度は500kg
/cm2以上とすることが望ましい。そして、上記のような
材料を芯材とする複合小素材は、セラミックス粒を芯材
とする場合と同様に、前述の図4、図5、図6または図
7に示す方法で作ることができる。
【0024】ところで、以上のようなセラミックス、金
属、プラスチック等の芯材を用いず、図8に示すよう
に、粉体カーボンのみをバインダーを介して粒状に固
め、必要に応じて乾燥させることによりシール用小素材
Cを構成することも考えられる。しかしながら、芯材が
ないため芯材があるものに比べて比較的圧縮性が大き
く、シール箇所への充填の作業性とシール性能が必ずし
も良くない。これに対し、芯材を有する複合粒体では、
その内部の芯材により過度の圧縮が抑制されて、適度の
硬さとシールに必要な圧縮性が外側のカーボンに付与さ
れるとともに、シール部上・下層における加圧面圧の伝
達が均等化される。また、前述のようにセラミックス以
外の粒体(例えば金属、プラスチック等)または上述の
複合材料を芯材とする小素材についても、図1または図
3に示すような充填式のシール材として、図2の複合粒
体CBと同様にシール作用を果たすことができる。
【0025】
【表1】
【0026】ところで表1は、以上説明したシール用小
素材について芯材の有るものと無いもの、また芯材の有
るものについては、その芯材の種類で分類し、各々につ
いてシールの性能を比較したものである。この図から明
らかなように、セラミックスまたはカーボン(グラファ
イト)を芯材とするシール粒体は、常温でも高温でも望
ましいシール性能を得ている。芯材が金属の複合シール
粒体において、高温下での熱膨張率が著しく大きい金属
の場合は、摺動性能に問題が生じることもあるが、常温
下のシールであれば何ら問題はない。また、芯材がプラ
スチックの複合シール粒体では、高温下でのシールに必
ずしも適さない場合があるが、それでも常温下での使用
であれば充分なシール性能を発揮する。
【0027】以上のような充填式のシール用粒体(例え
ば複合粒体CB)によるシール性能について、火力発電
所の各種バルブ用パッキンとして試用した試験結果を以
下に示す。なお、試験条件は表2に示す通りであるが、
表2の左欄の主蒸気系ないし抽気系というのは、そのよ
うな系に用いられるバルブへの適用を示し、火力発電所
におけるそれぞれの系の意味は次の通りである。
【0028】 *主蒸気系 :ボイラで発生した過熱蒸気をタービンへ
送る配管系。 *再熱蒸気系:タービン途中から蒸気を取り出してボイ
ラ再熱器で再び加熱して過熱度を増し、タービンに返還
してさらに膨張を継続させる配管系。 *給水系 :ボイラで蒸気となるべき水を送る配管
系。 *抽気系 :タービン内の数カ所から蒸気を抽出し、
ボイラ給水を加熱するための配管系。
【0029】
【表2】
【0030】また、試験に用いたパッキン(シール材)
は次の通りである。 (1)石綿系パッキン<従来品> 石綿繊維と黒鉛とプラスチックとを混和成形した中芯
を、耐熱合金で補強した石綿糸で袋編し、かつ表面を黒
鉛処理したパッキン。 (2)ノンアスベスト系パッキン<参考例> 膨張黒鉛シートの内部にインコネル細線金網を配して
積層し、リング状に成形したパッキン(主蒸気系・給水
系に使用)。 インコネル線で補強した膨張黒鉛の糸を編成し、表面
を黒鉛処理したパッキン(再熱蒸気系・抽気系に使
用)。 (3)図1(C)に示すような複合粒体CBを用いたシ
ール部 <本発明品>
【0031】試験項目と試験結果は、表3に示す通りで
ある。
【0032】
【表3】
【0033】表3において、シール性能については、定
期的に押え金具のボルト再締付けが必要であった台数を
示しており、石綿系は8割近くが再締付けが必要であっ
た。次に残留面圧(締付面圧)であるが、表3に示す計
算式により、締付けボルトのトルクを測定して残留面圧
を求めた。なお、短期試験は期間を300日間、長期試
験は700日間とした。その結果を見ると、面圧の低下
は石綿系が最も大きく、次にノンアスベスト系が大き
く、本発明品は最も面圧低下が小さいことがわかる。
【0034】摺動抵抗については、作動不良の台数を調
べた。その結果として、作動不良が生じているためシー
ル部の面圧を緩めなければ作動させることができなかっ
た台数が記載されている。これから明らかなように、本
発明品は摺動抵抗が小さく、良好な作動性を示してい
る。
【0035】また、重量変化についても本発明品が最も
変化が小さかった。さらに取扱い性をみるために、シー
ル材を取り出すのに要した時間を計測した。なお、
「短」は「短期試験」の、「長」は「長期試験」の略称
である。石綿系が最も取出し時間が長い。ノンアスベス
ト系は石綿系の約半分のリング数であるため、取出し時
間もそれに対応して短くなっているが、本発明品はさら
にその半分以下の3〜4分程度の短時間で取出しできる
ことがわかった。なお、腐食性については、本発明品を
はじめ全て異常は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明のシール材およびシール部形成方
法によれば、内部に芯材を有し、その外側がカーボン系
材料で形成された複合粒体をシールすべきスペースに充
填し、これを加圧すればよいため、作業が単純で短時間
ですみ、かつ任意の形状および大きさのシール部が簡単
に得られる。従って、多種類のパッキンを準備する必要
がない。また、石綿を使用するものでないため安全性の
点からも心配なく、高温においてもシール部の劣化が少
なく、残留面圧が長期にわたって保持される。さらに、
粉体そのものをシールスペースに投入・充填する場合は
作業能率が悪く、粉体の飛散の問題等が生じやすいが、
本発明ではそのような問題も解消される。しかも、内部
の芯材で過度の圧縮が抑制されるため、シールスペース
への充填の作業性及びシール性能もよい。また、本発明
のシール材製造方法によれば、シール材となる複合粒体
を生産性よく量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシール部形成方法に併
わせて、シール材の一実施例を説明する工程図。
【図2】そのシール部の形成に使用される複合粒体の断
面図。
【図3】本発明をポンプシール部に適用した実施例を示
す断面図。
【図4】複合粒体を製造するための第一の方法を示す工
程図。
【図5】同じく第二の方法を示す工程図。
【図6】同じく第三の方法を示す工程図。
【図7】同じく第四の方法を示す説明図。
【図8】芯材を有しないシール粒体の比較例を示す図。
【図9】従来のシール材としてのパッキンと、その使用
形態を示す説明図。
【符号の説明】
CB 複合粒体 2 セラミックス粒 3 黒鉛層 8,18 押え金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清家 捷二 愛知県名古屋市緑区太子2丁目167番地 の1 (72)発明者 伊神 俊市 愛知県江南市草井町南210番地 (56)参考文献 特開 昭54−153813(JP,A) 特開 昭58−124864(JP,A) 特開 昭54−122693(JP,A) 特開 平3−117783(JP,A) 実開 昭55−171753(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/30 C04B 41/87 F04D 29/10 F16K 41/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が、ほぼ球状をなすセラミックス
    で形成され、その外側が黒鉛層でほぼ球状に取り囲まれ
    た複合粒体が多数加圧状態で集合させられてなるととも
    に、前記黒鉛層の厚さtは、前記セラミックス粒の直径
    Dに対し、前記多数加圧状態における圧縮性付与のため
    t≧D/2とされていることを特徴とするシール材。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス粒の圧縮強度は500
    kg/cm 2 以上、直径は0.5mm以上であって、複合粒体の
    全体としての直径は1〜10mm程度とされる請求項1に
    記載のシール材。
  3. 【請求項3】 内部が、ほぼ球状をなすセラミックス
    で形成され、その外側が黒鉛層でほぼ球状に取り囲まれ
    た複合粒体であって、前記黒鉛層の厚さtは、前記セラ
    ミックス粒の直径Dに対し、t≧D/2とされた複合粒
    体を、シール材が配置されるべきスペース内に多数充填
    して加圧することにより、前記黒鉛層の圧縮性によって
    前記複合粒体同士を密着させてシール部を形成する方
    法。
  4. 【請求項4】 ほぼ球状をなすセラミックス、金属、プ
    ラスチックあるいは固体カーボン等の芯材またはこれら
    の適宜の組合せに係る複合材料の芯材を相当数容器に入
    れ、その容器を回転させた状態で、バインダーを前記容
    器内に噴霧し、その容器の内側を転動する前記芯材にバ
    インダーを付着させるとともに、黒鉛粉体をその容器中
    で転動する前記芯材に散布することにより、それら芯材
    の表面にバインダーを介して黒鉛粉体を付着させ、その
    繰返しにより前記芯材が所定厚さの黒鉛粉体で取り巻か
    れた複合粒体が得られることを特徴とするシール材製造
    方法。
JP15132593A 1992-06-01 1993-05-28 シール材およびシール材形成方法並びにシール材製造方法 Expired - Fee Related JP3238987B2 (ja)

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