JP3238894U - ジグソーパズル - Google Patents

Abstract

【課題】パズルの難易度の調整を可能にするとともに、装飾性の向上を実現するジグソーパズルを提供する。【解決手段】ジグソーパズル１００は、ハート型の輪郭１６と、輪郭１６と同心状の第１の型抜き線１８ａ、１８ｂ、１８ｃのグループと、第１の型抜き線と交わるように設けられる第２の型抜き線２０ａ、２０ｂ、２０ｃのグループと、を有するジグソーパズルであって、輪郭１６のハート型の下部突端部２４を含む輪郭線の一部と第２の型抜き線のグループによって、菱形状の模様が層状に設けられることを特徴とする。【選択図】図１

Description

本考案は、ジグソーパズルに関する。

１８世紀のイギリスで発明されたジグソーパズルは、当初は子供向けの知育パズルとして考案されたが、現在では、老若男女を問わない知的娯楽として浸透している。特にジグソーパズルの歴史が長い欧米では、ジグソーパズルは大人の高級な知的娯楽としても認知されている。

ジグソーパズルのバリエーションも各種多様である。数万個以上のピースを有する難易度の高いものや、立体的な形状に組み立てるものなど、趣向を凝らしたものが開発されている。材質も一般的に用いられる紙だけでなく、コルクなどの木材、アクリルなどの合成樹脂などを用いて展示、鑑賞することを目的とした装飾性の高い高級ジグソーパズルの分野も確立されている。

他方で、感染症のパンデミックによって、現在の社会において室内で親密な家族や恋人の間で楽しむことができる娯楽が求められている。子供や高齢者から一般の成人まで楽しむことができるジグソーパズルは、その用途にうってつけの娯楽である。

上述の観点から、ジグソーパズルの分野における更なる技術の発展が求められている。本出願人は、例えば、特許文献１および２において、ジグソーパズルとその製造方法を開示している。

特開２０２１－３３７５号公報 特開２０１９－１８７５６３号公報

本考案者はジグソーパズルについて以下のような認識を得た。
多くのジグソーパズルは全体が四角形のシートに、縦と横の型抜き線が升目状に設けられ、ピースが縦方向および横方向それぞれに層状に構成されている。
本考案者は、ジグソーパズルのこの特性を利用した新規な特徴を有するジグソーパズルを提供することを検討した。四角形のジグソーパズルでは単に型抜き線が升目状になっているだけであるのでそこに面白みはなく、創意工夫する余地も少ない。ここから、本考案者は、ジグソーパズルには、型抜き線による層状の模様を有効に利用するといった観点で改善すべき課題があることを認識した。

本考案は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、型抜き線による層状の模様を利用してパズルの難易度の調整を可能にするジグソーパズルを提供することにある。本考案の別の目的は、型抜き線による層状の模様を利用して装飾性を有するジグソーパズルを提供することにある。

上記課題を解決するために、本考案のある態様のジグソーパズルは、ハート型の輪郭と、輪郭と同心状の第１の型抜き線のグループと、第１の型抜き線と交わるように配される第２の型抜き線のグループと、を有するジグソーパズルであって、輪郭のハート型の下部突端部を含む輪郭線の一部と第２の型抜き線のグループによって、菱形状の模様が層状に設けられることを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本考案の構成要素や表現を相互に置換したものもまた、本考案の態様として有効である。

本考案によれば、パズルの難易度の調整を可能にするジグソーパズルを提供することができる。本考案によれば、装飾性の向上を実現するジグソーパズルを提供することができる。

実施の形態に係るジグソーパズルの平面図である。 実施の形態に係るジグソーパズルの一部を組み立てた状態の平面図である。

以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、ジグソーパズルに描かれる絵画、写真、文字、絵柄、模様などの図柄は省略して表示する。

［実施の形態］
図１は、実施の形態に係るジグソーパズル１００の平面図である。以下、平面視を基準に左右方向、上下方向とする。このような方向の表記はジグソーパズル１００の使用姿勢を制限するものではなく、ジグソーパズル１００は任意の姿勢で使用されうる。

ジグソーパズル１００は組み立てられた状態でハート型の輪郭１６を有する。ハート型の輪郭１６は下部突端部２４と上部凹部２６を通る直線である対象軸ｘに対して左右線対称となる。ジグソーパズル１００は、複数のパズルピース１０を備える。複数のパズルピース１０はそれぞれ互いに接続可能な凸状係合部１２および凹状係合部１４の両方、もしくはそのいずれかのみを有している。

ジグソーパズル１００は、第１の型抜き線１８ａ、１８ｂ、１８ｃのように、外側からそれぞれ一定の間隔を空けて平行状に設けられる輪郭１６と同心状の第１の型抜き線１８のグループを有する。第１の型抜き線１８のグループは層状の模様を形成する。図２は、実施の形態に係るジグソーパズル１００の一部を組み立てた状態の平面図である。外側から第１の層５０ａ、第２の層５０ｂ、第３の層５０ｃが形成される。図に施したハッチングは各層を区別するために便宜的に設けたものであり、図柄を表すものではない。

パズルピース１０は凸状係合部１２および凹状係合部１４がランダムに形成されるように設けられ、第１の型抜き線１８はそれら凸状係合部１２および凹状係合部１４に応じて凹凸の模様を形成する。

ジグソーパズル１００は、第２の型抜き線２０ａ、２０ｂ、２０ｃのように、第１の型抜き線１８と交わるように設けられる第２の型抜き線２０のグループをさらに有する。第２の型抜き線２０は、輪郭１６のある位置からジグソーパズル１００の内方向に向けて出発し頂部２２で折り返し輪郭１６の同じ側の別の位置に到達して山状の模様を形成する。第２の型抜き線２０は輪郭１６のカットによって一部が欠損していてもよい。第２の型抜き線２０はそれぞれ一定の間隔を空けて平行状に設けられる。ジグソーパズル１００は凸状係合部１２および凹状係合部１４がランダムに形成されるように型抜きされ、第２の型抜き線２０はそれら凸状係合部１２および凹状係合部１４に応じて凹凸の模様を形成する。

下部突端部２４から上方向に、第２の型抜き線２０の頂部２２が対称軸ｘ上に連なるように、第２の型抜き線２０が層状に形成される。それぞれの第２の型抜き線２０と、下部突端部２４を含む輪郭１６の輪郭線の一部と、によって菱形状の模様が形成される。頂部２２が上部凹部２６に達するとき、最も外側にある菱形状の頂部２２は上部凹部２６にあたる。輪郭１６のハート型の下部突端部を含む輪郭線の一部と第２の型抜き線のグループによって、菱形状の模様が層状に形成される。

複数のパズルピース１０のそれぞれは、輪郭１６と第１の型抜き線１８と第２の型抜き線２０の組み合わせで形状が決定される。凸状係合部１２および凹状係合部１４はランダムに形成される。基本形状を四角とするパズルピース１０が多いものの、それには限られず基本形状を有しないパズルピース１０も多く含まれる。

ジグソーパズル１００は、種々の公知材料で形成することができる。本実施例では、ジグソーパズル１００は、発泡性のエラストマーなどの樹脂で形成されている。このように形成されることにより、各パズルピース１０の側面は、パズルピース１０が非係合状態から係合状態に変化するときに収縮する。係合状態で側面が収縮するので、側面間に反発力が発生してその間の摩擦力を大きくすることができる。これにより、パズルピース同士が係合した状態を自己保持することができる。

ジグソーパズル１００には絵画、写真、文字、絵柄、模様などの図柄が描かれる。第１の型抜き線１８と第２の型抜き線２０の組み合わせで形成される模様を利用する図柄を有してもよいし、その形成される模様に応じた配色を行ってもよい。図柄はジグソーパズル１００のベース樹脂に直接印刷してもよく、図柄を印刷した樹脂フィルムをベース樹脂に貼付けて設けてもよい。

以上の構成によりジグソーパズル１００は以下のように使用される。
通常のジグソーパズルはパズルピース１０に表された図柄を手がかりに組立を行う。ジグソーパズル１００はそれに加え、パズルピース１０の形状を手がかりに組立を行う。
たとえば、ユーザは輪郭１６を含む第１の層５０ａを組み立てる。ユーザはさらに第２の層５０ｂを組み立て、さらに内側に層を組み立てる。ユーザは一番内部中心の層をまず組み立て、さらにその外側の層を組み立てるというように内から外に層を組み立ててもよい。

以上の構成によりジグソーパズル１００は以下のような効果を有する。
ジグソーパズル１００によって、難易度を調整したパズルを作ることができる。たとえば、第１の層５０ａは赤色、第２の層５０ｂはオレンジ色、第３の層５０ｃは黄色という風にグラデーションに配色したジグソーパズル１００を作る。赤色のパズルピース１０が第１の層５０ａのどこかに位置するのは容易にわかるが、第１の層５０ａの中のどの位置にあたるのかを判別することは比較的困難である。複数の層を同一の配色にするとさらに難易度は高まる。

また、ジグソーパズル１００には、基本形状を四角とするパズルピース１０が多いものの、それには限られず基本形状を有しないパズルピース１０も多く含まれる。パズルピース１０の形状によって、ある程度その層の中でどの位置に配されるかを判別することができるので、難易度が高すぎることにはならない。このように難易度を調整する余地が生まれる。

同一の層には同一もしくは関連する図柄が描かれる場合も同様の効果が得られる。
ジグソーパズル１００に層状の模様に関係のない図柄が描かれる場合も、層ごとに組み立てていくことができるので、パズルの難易度を下げることができる。

ジグソーパズル１００によって、パズルピース１０が色彩のみを利用した単純な構成の図柄であっても、層の模様を利用し、十分な装飾性を有するジグソーパズル１００を実現することができる。たとえば、層ごとに異なる色彩を配色したジグソーパズル１００や、パズルピース１０ごとに異なる色彩を配色したジグソーパズル１００であっても、層の模様と配色で装飾性を有するジグソーパズル１００を提供することができる。

実施の形態は例示であり、さまざまな変形例が可能であり、そうした変形例も前提技術に含まれることは当業者に理解されるところである。

実施の形態に係るジグソーパズル１００では１組のジグソーパズル１００を組み立てるように説明を行ったが、同一の型抜きがされた、色彩や図柄の異なった２組以上のジグソーパズル１００を用意して、それらの属するパズルピース１０を混ぜて組み立てるようにしてもよい。

たとえば、赤色と黒色を配色したジグソーパズル１００と青色と黄色を配色したジグソーパズル１００とを混ぜて組み合わせることにより、ランダムな模様のジグソーパズル１００を組み立てることができる。本変形例のジグソーパズル１００により、難易度が比較的低いジグソーパズル１００を提供することができる。また、ランダムな模様によって装飾性を高めたジグソーパズル１００を提供することができる。

１６ 輪郭、 １８ 第１の型抜き線、 ２０ 第２の型抜き線、 ２２ 頂部、 ２４ 下部突端部、 ２６ 上部凹部、 １００ ジグソーパズル。

Claims (2)

1. ハート型の輪郭と、
   前記輪郭と同心状の第１の型抜き線のグループと、
   前記第１の型抜き線と交わるように設けられる第２の型抜き線のグループと、
   を有するジグソーパズルであって、
   前記輪郭のハート型の下部突端部を含む輪郭線の一部と前記第２の型抜き線のグループによって、菱形状の模様が層状に設けられることを特徴とするジグソーパズル。
2. 前記模様において最も外側にある菱形状の頂部が、前記輪郭のハート型の上部凹部にあたるように設けられることを特徴とする請求項１に記載のジグソーパズル。

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