JP3238868B2 - ワイヤハーネスの端末構造 - Google Patents

ワイヤハーネスの端末構造

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JP3238868B2
JP3238868B2 JP26088196A JP26088196A JP3238868B2 JP 3238868 B2 JP3238868 B2 JP 3238868B2 JP 26088196 A JP26088196 A JP 26088196A JP 26088196 A JP26088196 A JP 26088196A JP 3238868 B2 JP3238868 B2 JP 3238868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤハーネスの
端末構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のワイヤハーネスの端末構造
を示す。図中符号1は同軸ケーブル、2は導電性金属バ
ックシェルである。同軸ケーブル1は、複数本集合させ
てバックシェル2に突設された導入口4に挿入してあ
る。集合された同軸ケーブル1の、導入口4に挿入され
る端部は、集合用テープ5によって結束してある。各同
軸ケーブル1の先端ではケーブルシールド6が後方反転
(図3右側)されており、コンタクト7を露出させてい
る。ケーブルシールド6は、導電性金属細線をメッシュ
状に編み込んだものであり、同軸ケーブル1をバックシ
ェル2内に挿入した際に先端が導入口4の後方に突出す
る長さを確保してある。なお、コンタクト7は、バック
シェル2の前方(図3左側)に装着されたコネクタ(図
示せず)の目的の端子に接続してある。また、前記コネ
クタはバックシェル2にゆるみ止めのため溶接固定する
ことが一般的である。
【0003】集合した各同軸ケーブル1から後方反転し
たケーブルシールド6は、同軸ケーブル1束とともに導
入口4に圧入することで固定している。また、ケーブル
シールド6の導入口4後端から突出する部分は、前方反
転されてバックシェル2外面に溶接固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なワイヤハーネスの端末構造の場合、ケーブルシールド
6をバックシェル2の外面に溶接固定することに起因し
て、(1)ケーブルシールド6の溶接部が大きくなって
重量が増大する、(2)コンタクト7を接続する端子を
交換するには、バックシェル2とコネクタとの溶接を壊
してコネクタとバックシェル2とを分離する必要がある
ため、作業に手間がかかる。再び組み立てる場合にも手
間がかかり、作業能率に不満がある、といった問題が生
じていた。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、EMIの漏洩防止効果が向上し、しかも簡便に組
み立て分解することができる軽量のワイヤハーネスの端
末構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載のワイヤハーネスの端末構造では、同軸ケーブル
と、該同軸ケーブルの口出しした先端に露出されたコン
タクトを内装保護する導電性バックシェルと、同軸ケー
ブルの外側に装着されたインナースリーブとを備え、同
軸ケーブルの口出し部から基端に向けて反転させたケー
ブルシールドを、前記バックシェルから突設された固定
用スリーブとインナースリーブとの間に挟み込み、固定
用スリーブをかしめて固定したことを特徴とするワイヤ
ハーネスの端末構造を前記課題の解決手段とした。
【0007】本発明によれば、同軸ケーブルから引き出
して反転させたケーブルシールドを、固定用スリーブと
インナースリーブとの間でかしめ固定するので、ケーブ
ルシールドは固定用スリーブとインナースリーブとの間
に収納され、バックシェルの外側に露出することは無
い。ケーブルシールドが固定用スリーブから突出する場
合には、導電線入りの保護テープ等を外側に巻装してシ
ールドする。この際、ケーブルシールドの固定用スリー
ブから突出した部分を、従来例のようにバックシェルの
外面に導く必要は無いので、同軸ケーブルに沿って延在
させたケーブルシールドの外側に保護テープを巻き付け
るなどするだけで、容易にシールドすることができる。
複数本の同軸ケーブルを固定用スリーブ内に固定する場
合には、全ての同軸ケーブルを集合させた外側にインナ
ースリーブを装着する。
【0008】請求項2記載の発明では、バックシェルの
同軸ケーブルと対向する位置に装着されたコネクタと同
軸ケーブルの口出し部との間で、コンタクトに余長を確
保したことを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス
の端末構造を前記課題の解決手段とした。
【0009】本発明によれば、バックシェルをコネクタ
に着脱する際に、コンタクトが余長の範囲内で移動し
て、引張応力の発生を防ぐ。バックシェルをコネクタに
螺着する構成を採用した場合では、コンタクトのねじれ
をも防止することができる。コンタクトが複数本の場合
には、これらコンタクトをバックシェル内で結束部材に
よって集合し、コネクタと結束部材との間でコンタクト
に余長を確保することも本発明に含まれる。また、各コ
ンタクトの余長を揃えたり、特に必要布線長の変動が大
きいコンタクトのみ余長を長くとることも本発明に含ま
れる。
【0010】請求項3記載の発明では、バックシェルと
コネクタとは分離、一体化可能であり、バックシェルと
コネクタとには一体化時に互いに当接して溶接固定され
る固定用突起をそれぞれ外面に突設したことを特徴とす
る請求項2記載のワイヤハーネスの端末構造を前記課題
の解決手段とした。
【0011】本発明によれば、バックシェルとコネクタ
とを一体化した際に固定用突起同士を溶接固定して、一
体化状態を維持する。固定用突起同士の溶接は、その先
端同士を点溶接することが好ましい。これにより、バッ
クシェルとコネクタとを分離する際の溶接部分の除去
(切断)が容易になり、分離作業が簡単になる。しか
も、バックシェルとコネクタとを再度一体化する場合、
固定用突起同士を再度溶接すれば良いので、固定用突起
の突出寸法の範囲で分離、一体化を繰り返し行うことが
可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明のワイヤハーネスの端
末構造の一実施形態を、図1および図2を参照して説明
する。図中、図3と同一の構成部分には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。図1において、符号10は
バックシェル、11はコネクタ、12はインナースリー
ブである。
【0013】バックシェル10は、導電性金属からな
り、同軸ケーブル1の口出しした先端に露出されたコン
タクト7を内装保護している。該バックシェル10の後
部(図1右側)には、複数本集合された同軸ケーブル
1、1…が挿入される固定用スリーブ13を突設してあ
る。この固定用スリーブ13には、集合用テープ14に
よって結束してなる同軸ケーブル1束の先端が挿入して
ある。前記集合用テープ14は、金属メッシュを張った
ものであり、EMIの漏洩を低減している。同軸ケーブ
ル1束の先端はバックシェル10の筐体部15に達して
いる。
【0014】筐体部15は、コネクタ11によって前部
開口部16(図1左側)を閉塞してあり、内部にコンパ
ウンド17を充填してある。筐体部15内では、各同軸
ケーブル1から引き出された複数本のコンタクト7をテ
ープ等の結束部材18によって結束してある。これらコ
ンタクト7および結束部材18は前記コンパウンド17
内に埋設してある。各コンタクト7の先端は、コネクタ
11の端子(図示せず)にそれぞれ接続してある。な
お、各コンタクト11には、同軸ケーブル1の口出し部
19とコネクタ11との間の適宜位置で余長20を確保
している。
【0015】筐体部15の前部開口部16は、コネクタ
11に突設された螺着スリーブ21に螺着されるように
なっており、筐体部15と螺着スリーブ21とを正逆に
相対回転することで、バックシェル10とコネクタ11
とが着脱されるようになっている。バックシェル10と
螺着スリーブ21とには、一体化時に互いに当接して溶
接固定される固定用突起22、23をそれぞれ外面に突
設してある。バックシェル10側の固定用突起22は、
前部開口部16先端から外側に向けて突出し、コネクタ
11側(螺着スリーブ21側)の固定用突起23は、螺
着スリーブ21の基部から外側に突出し、筐体部15を
螺着スリーブ21の奥側までねじ込んだ時に両固定用突
起22、23が当接して、バックシェル10とコネクタ
11の位置決めがなされる。
【0016】図2に示すように、インナースリーブ12
は、同軸ケーブル1束先端で集合用テープ14の外側に
圧挿してある。該インナースリーブ12の外面には、同
軸ケーブル1の口出し部19から基端に向けて反転させ
たケーブルシールド6が配置される。このケーブルシー
ルド6は、インナースリーブ12外面に平均的に分散配
置してあり、同軸ケーブル1束を固定用スリーブ13に
挿入したことによって固定用スリーブ13とインナース
リーブ12との間に挟み込まれ、この状態で強固にかし
め固定してある。なお、インナースリーブ12は、ステ
ンレス等の導電体からなり、EMIの漏洩を低減してい
る。
【0017】ケーブルシールド6の口出し部19から外
側に引き出した部分には、インナースリーブ12の約3
倍の長さを有しており、集合用テープ14に沿ってイン
ナースリーブ12の後方に延在している。図2中24は
保護テープであり、固定用スリーブ13から後方に延在
するケーブルシールド6の外側に巻き付けられ、ケーブ
ルシールド6を同軸ケーブル1束と一体的に結束し、分
散しないように保護している。なお、保護テープ24
も、集合用テープ14と同様に金属メッシュ付きテープ
であり、EMIの漏洩を低減している。
【0018】以下、本実施形態の作用および効果を説明
する。前記ワイヤハーネスの端末構造では、同軸ケーブ
ル1から引き出して反転させたケーブルシールド6を、
固定用スリーブ13とインナースリーブ12との間でか
しめ固定するので、単純な固定作業によって強固に固定
することができる。また、ケーブルシールド6は固定用
スリーブ13と保護テープ24とによって露出が防止さ
れているので、従来構造に比べて、EMIの漏洩防止効
果が飛躍的に向上する。しかも、ケーブルシールド6を
ハンダ固定するわけではないので、軽量化することがで
きる。
【0019】螺着スリーブ21に対して筐体部15を回
転させることで、バックシェル10とコネクタ11とが
分離、一体化される。この際、コンタクト7が余長20
の範囲内で移動して引張応力の発生が防止され、コネク
タ11とコンタクト7との接続状態に影響を与えない。
また、コンパウンド17も、コンタクト7に作用する変
位力を吸収して、断線や接続状態の安定維持に機能す
る。なお、コンタクト7の余長20は、バックシェル1
0とコネクタ11との分離、一体化時の回転軸線から離
間した位置である程長くして、回転による変位量の違い
に対応させることがより好ましい。
【0020】バックシェル10とコネクタ11とにそれ
ぞれ突設した固定用突起22、23を溶接固定すること
で、バックシェル10とコネクタ11の一体化状態を維
持する。固定用突起22、23同士の溶接は、その先端
同士を点溶接することが好ましい。これにより、バック
シェル10とコネクタ11とを分離する際の溶接部分の
除去(切断)が容易になり、分離作業が簡単になるとと
もに、軽量化することができる。しかも、バックシェル
10とコネクタ11とを再度一体化する場合、固定用突
起22、23同士を溶接し直せば良いので、固定用突起
22、23の突出寸法の範囲で分離、一体化を複数回繰
り返し行うことが可能である。
【0021】なお、バックシェル10等の各構成部分の
形状は適宜変更可能であることは言うまでも無い。口出
し部19から引き出したケーブルシールド6が固定用ス
リーブ13から突出しない長さである場合には、保護用
テープ24は不要である。バックシェル10とコネクタ
11とを着脱する構造としては、両者の分離、一体化が
可能であれば、本実施形態に記載した螺着に限定されな
い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のワ
イヤハーネスの端末構造によれば、同軸ケーブルの口出
し部から基端に向けて反転させたケーブルシールドを、
バックシェルから突設された固定用スリーブとインナー
スリーブとの間に挟み込み、固定用スリーブをかしめて
固定した構成により、(1)同軸ケーブルから引き出し
て反転させたケーブルシールドが固定用スリーブとイン
ナースリーブとの間に収納されて露出しないので、EM
Iの漏洩を低減することができる、(2)固定用スリー
ブをかしめるだけでケーブルシールドを簡便に固定でき
るので、従来の溶接による固定に比べてケーブルシール
ドの固定作業が容易になり、固定の作業能率が向上す
る、(3)溶接によってケーブルシールドの固定を行う
従来例に比べて、軽量化できる、といった優れた効果を
奏する。
【0023】請求項2記載のワイヤハーネスの端末構造
によれば、バックシェルの同軸ケーブルと対向する位置
に装着されたコネクタと同軸ケーブルの口出し部との間
で、コンタクトに余長を確保したことにより、バックシ
ェルをコネクタに着脱する際に、コンタクトが余長の範
囲内で移動して引張応力の発生を防止するので、コンタ
クトとコネクタとの接続状態が安定に維持されるととも
に、コンタクトの断線等も防止することができるといっ
た優れた効果を奏する。
【0024】請求項3記載のワイヤハーネスの端末構造
によれば、バックシェルとコネクタとを一体化した際
に、これらバックシェルおよびコネクタの外面に突設し
た固定用突起同士を溶接固定して一体化状態を維持する
ようにしたので、溶接部分を除去(切断)するだけでバ
ックシェルとコネクタとを簡便に分離することができ、
分離作業が簡単になる。しかも、バックシェルとコネク
タとを再度一体化する場合、固定用突起同士を再度溶接
すれば良いので、固定用突起の突出寸法の範囲で分離、
一体化を繰り返し行うことが可能になり、コンタクトと
コネクタとの接続替え等の作業が容易になるといった優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のワイヤハーネスの端末構造の実施の
形態を示す正断面図である。
【図2】 図1の端末構造の後部を示す拡大断面図であ
る。
【図3】 従来例のワイヤハーネスの端末構造を示す正
断面図である。
【符号の説明】
1 同軸ケーブル 6 ケーブルシールド 7 コンタクト 10 バックシェル 11 コネクタ 12 インナースリーブ 13 固定用スリーブ 19 口出し部 20 余長 22 固定用突起 23 固定用突起

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸ケーブル(1)と、該同軸ケーブル
    の口出しした先端に露出されたコンタクト(7)を内装
    保護する導電性バックシェル(10)と、同軸ケーブル
    の外側に装着された導電体のインナースリーブ(12)
    とを備え、 同軸ケーブルの口出し部(19)から基端に向けて反転
    させたケーブルシールド(6)を、前記導電性バックシ
    ェルから突設された固定用スリーブ(13)とインナー
    スリーブとの間に挟み込んだ状態で固定用スリーブをか
    しめて固定すると共に、この状態において固定用スリー
    ブから後方に露出状態で延在するケーブルシールドに金
    属メッシュが張られた保護テープ(24)を巻き付け
    る、ことを特徴とするワイヤハーネスの端末構造。
  2. 【請求項2】 複数本集合させた同軸ケーブルの場合に
    は、金属メッシュが張られた集合用テープ(14)によ
    って同軸ケーブルを結束してインナースリーブに圧挿す
    る、ことを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネスの
    端末構造。
  3. 【請求項3】 導電性バックシェルの同軸ケーブルと対
    向する位置に装着されたコネクタ(11)及び導電性バ
    ックシェルには、互いに当接する固定用突起(22,2
    3)がそれぞれ設けられ、当該固定用突起を点溶接する
    ことによりコネクタと導電性バックシェルとを一体化
    し、また溶接部分を除去することによりコネクタと導電
    性バックシェルとを分離する、ことを特徴とする請求項
    1または2記載のワイヤハーネスの端末構造。
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