JP3238467U - 線材供給装置における後付けコイルバインダー - Google Patents

線材供給装置における後付けコイルバインダー Download PDF

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貴彦 團野
幹大 中川
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Abstract

【課題】コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置に後付けで取り付けられる後付けコイルバインダーを提供する。【解決手段】後付けコイルバインダー10は、設置ベース材1の左右上面に取付可能とした左右一対のレール本体11と、各レール本体11の長さ方向中間外側部に基端部が枢支される揺動アーム14と、各揺動アーム14の基端近くと各レール本体11の後端外側部との間に介在されかつ伸縮動により各揺動アーム14を前倒し位置から直立位置までの範囲で揺動させる第1シリンダー15と、各揺動アーム14の揺動端部に直交状に設けられ、かつ各揺動アーム14が直立位置のもとで後方に向って伸縮動する第2シリンダー16と、各第2シリンダー16の先端に揺動アーム14と平行状に設けられると共に線材束Aの半径方向内端面に対して当接可能な長さを有しかつ直立状態のまま本体2側へ移動する押さえバー18と、を備える。【選択図】図4

Description

本考案は、主としてボルトやナット或いはその他のパーツ類を圧造する圧造成形機へ線材を供給する線材供給装置における後付けコイルバインダーに関する。
従来、例えば所定寸法の素材を複数段の圧造ステーションに順次供給することにより、該素材を一連の流れで粗から精に段階的に圧造成形して所定形状に仕上げるようにした圧造成形機が実用化されている。この種の圧造成形機には線材供給装置が並設され、該供給装置から供給される線材を圧造成形機に設けたカッターで所定寸法に切断し、この切断した素材を粗から精に段階的に圧造成形するようになされている。
そして、この線材供給装置としては、通常図8に示すように、方形状を呈するベース部材1と、ベース部材1の後端部に立設された本体2と、本体2の上部からベース部材1の前端側に片持ち状で水平方向に突出しかつその遊端側から挿通されるコイル状線材束Aを吊り下げ支持する支軸3と、この線材束Aを構成する線材Bの一端を挟持する上下一対の繰り出しローラ5,6と、これらローラ5,6をモータにより回転駆動することにより上記支持軸3に支持された線材束Aから線材Bを繰り出して圧造成形機に供給する線材繰り出し機構4と、を備えた構成となっている。
一方、この線材供給装置にセットされる線材束Aは、図9に示すように線材Bをコイル状に密に巻き重ね、その状態でその周囲数箇所を結束部材C…Cで結束してコンパクトに結束保持されている。そして、使用時には、線材束Aはその結束状態のままクレーンなどを用いて線材供給装置の支軸3に、その遊端側から支軸3上に挿通されて吊り下げ支持される。その後、結束部材C…Cが切断されて線材束Aは支軸3上に拡散状に支持され、かつ、その線材Bの一端が上下繰り出しローラ5,6間に挟持され、これらローラ5,6の回転により、その一端側から圧造成形機に供給されるようになされている。
なお、上記結束部材C…Cを切断したとき、線材束Aは、図8に示すように、コイル全体としての中心線方向、すなわち、支軸3の軸芯方向に拡散することから、支軸3の遊端側の端部に起立状に設けられたストッパー6に受け止められる構造となっている。
ところで、線径が太く単位長さ重量が重いコイル状の線材束Aを上述したように支軸3上に挿入しかつ結束部材C…Cを切断して支軸3上に拡散させ整然と支持させる際、蜜に結束された線材束Aは太径のコイル線材B自身がもつ大きな反発力により支軸3の軸芯方向に一気に拡散するため、注意して作業を進めないと拡散した線材束Aの一端部がストッパー7を超えて外部への飛び出すといった恐れを有していた。
また、圧造成形機などで製造する製品の変更などにより、線材束Aを完全に使いきる前に線径や材料の異なる別の線材束Aに交換する必要が生じる場合がある。このとき、支軸3上に残っている線材束Aは、蜜に寄せ集めて再び結束部材C…Cによって結束したうえでクレーンなどを用いて支軸3上から外部に取り出され、別の線材束Aに交換される。その際、支軸3上でコイル中心方向に拡散状態にある先に使用した線材束Aを密に寄せ集めて結束する作業が必要となる。しかし、拡散した線材束Aを一箇所に蜜に寄せ集めるためには非常に大きな力が必要であり、特に線径が太く単位長さ重量が重い線材でなる線材束Aの場合には、この寄せ集め作業を一人の作業者の力だけで行うことは極めて困難な作業となる問題を有していた。
なお、上記した問題を解決する手段として本出願人は、先に、支軸の下方で本体の中央位置部分に、支軸と平行で片持ち状に配設された左右一対のレール部材と、これら両レール部材に沿って移動可能に設けられた移動部材によるリニアガイド機構と、移動部材に設けられかつ支軸に支持される線材束の外周円よりも半径方向外方に突出する押え部材と、移動部材をレール部材に沿って移動させることにより押え部材で支軸上の線材束を本体側に寄せ集め可能なボールネジ駆動機構とからなるコイルバインダー機構を装備した線材供給装置を提案し出願した。
このコイルバインダー機構付き線材供給装置によれば、線材束の支軸への載置時に線材束の支軸からの飛び出しを防止することができ、さらに、線材束の交換時、支軸上に重いコイル状線材が拡散状態で残った状態であっても、左右一対の平行状レールと左右一対のボールネジ機構との組み合わせで押え部材を有する移動部材を本体側へ移動させることにより、支軸上で拡散した線材束を密に寄せ集めて、線材束を再び密に結束する作業及び線材束の交換作業を容易に行うことができる。
実用新案登録第3216937号公報参照
しかし、上述のコイルバインダー機構付き線材供給装置にあっては、コイルバインダー機構が、本体と一体不分離に組み込まれて装備された構成のものである。そのため、コイルバインダー機構を備えていない多くの既存の線材供給装置に対しては上述のコイルバインダー機構を後付けで取り付けて採用するといったことは困難であった。従って、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置に替えて、新たにコイルバインダー機構付きの線材供給装置を買い揃える必要があった。
そこで本考案は、線材供給装置に関する上記のような実情に対処するもので、線材供給装置とは別に独立した構成から成る後付けコイルバインダーを形成すると同時に、この後付けコイルバインダーを、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置が設置される設置ベース材上にその空間スペースを有効利用して後付けで取り付けられるように工夫し、これによりコイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置であっても線材束の支軸への載置時に線材束の支軸からの落下や飛び出しを防止できると共に、線材束を再び密に結束する作業及び線材束の交換作業を安全かつ容易化できる線材供給装置における後付けコイルバインダーの提供を課題とする。
課題を解決するための手段
上記した問題を解決するため、本考案は、設置ベース材と、設置ベース材の後端部に立設される本体と、本体の上部から設置ベース材の前端側に向って水平片持ち状に突出しかつその遊端側から挿通されたコイル状の線材束を吊り下げ支持する支軸と、支軸に支持された線材束から線材を繰り出して成形機に供給する線材繰り出し機構とを備えた線材供給装置における後付けコイルバインダーであって、設置ベース材の左右上面に、それぞれ支軸の長さ方向と平行状でかつ設置ベース材の後端部から前方側へ延びるように取り付けられる左右一対のレール本体と、各レール本体の長さ方向中間外側部にそれぞれ基端部が枢支される揺動アームと、各揺動アームの基端近くと各レール本体の後端外側部との間に介在されかつ伸縮動により各揺動アームを前倒し位置から直立位置までの範囲で揺動させる第1シリンダーと、各揺動アームの揺動端部に直交状に設けられかつ各揺動アームが直立位置のもとで後方に向って伸縮動する第2シリンダーと、各第2シリンダーの先端にそれぞれ揺動アームと平行状に設けられると共に線材束の半径方向内端面に対して当接可能な長さを有しかつ直立状態のまま後方へ移動する押さえバーと、を備え、両第2シリンダーを短縮させてそれぞれ押さえバーを前方位置に位置させ、かつ、その状態から両第1シリンダーを伸長させてそれぞれ揺動アームを直立位置から前倒し位置に揺動させることにより、各揺動アームと一緒に第2シリンダーと押さえバーを前倒し位置に揺動させて線材束の支軸への出し入れを可能にする一方、両第1シリンダーを短縮させてそれぞれ揺動アームを前倒し位置から直立位置へ揺動させ、かつ、各揺動アームが直立位置に停止した状態のもとで両第2シリンダーを伸長させてそれぞれ押さえバーを直立状態のまま後方側へ移動させ支軸上の線材束を本体側へ寄せ集めるように構成されていることを特徴とする。
考案の効果
本考案の後付けコイルバインダーによれば、上記した構成により、線材供給装置とは別に独立した構成から成る後付けコイルバインダーを形成すると同時に、この後付けコイルバインダーを、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置が設置される設置ベース材上にその空間スペースを有効利用して後付けで取り付けることができる。その結果、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置であっても線材束の支軸への載置時に線材束の支軸からの落下や飛び出しを防止できると共に、線材束を再び密に結束する作業及び線材束の交換作業を安全かつ容易化できる。
その上、2種類の第1、第2シリンダーを用い、第1シリンダーの伸縮動作により揺動アームと一緒に第2シリンダーと押さえバーを直立位置又は前倒し位置に選択的に揺動させて線材束の支軸への出し入れを可能にする一方、揺動アームが直立位置に停止した状態のもとで第2シリンダーを伸長させることにより押さえバーを直立状態のまま後方側へ移動させて支軸上の線材束を本体側へ寄せ集めるように構成されているので、第2シリンダーにより押さえバーを直立状態のまま後方側へ移動させて支軸上の線材束を本体側へ安定よく寄せ集めることができる。また、線材束の結束部材を切断して支軸上に拡散させる際にも、第2シリンダーにより押さえバーを直立状態のまま前方へ移動させることにより線材束の弾性反発力を安定よく抑え込んで支軸上に整然と拡散支持させることができる。
本考案に係る後付けコイルバインダーを後付けした線材供給装置の正面図である。 同線材供給装置の支軸への線材束挿入状態を示す側面図である。 後付けコイルバインダーにおける揺動アームの直立位置を示す側面図である。 同押さえバーによる線材束押し付け状態を示す側面図である。 同線材束を開放して支軸上に線材を広げる途中の側面図である。 同線材束を開放して支軸上に線材を広げた状態の側面図である。 残った線材を結束する場合の揺動アームと押さえバーの動作を示す説明図である。 従来例の側面図である。 線材束の結束状態時の外観図である。
以下本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、この実施の形態に係る既存の線材供給装置Xは、方形状を呈する設置ベース材1と、設置ベース材1の後端部に立設される本体2と、本体2の上部から設置ベース材1の前端側に向って水平片持ち状に突出しかつその遊端側から挿通されたコイル状の線材束Aを吊り下げ支持する支軸3と、支軸3に支持された線材束Aから線材Bを繰り出して圧造成形機Yに供給する線材繰り出し機構4とを備えている。
線材繰り出し機構4としては、支軸3の本体2側基端部に、線材束Aを構成する線材Bの一端を挟持する上下一対の繰り出しローラ5,6が配設されると共に、これらローラ5,6を回転駆動する駆動モータ(図示せず)が備えられている。駆動モータは正逆回転させることが可能で、繰り出しローラ5,6との間に線材Bを挟持した状態で逆転駆動することにより、一旦繰り出しローラ5,5前方のへ繰り出した線材Bを、不使用時に支軸3上の線材束A側に巻き戻すことができるようになっている。また、図中、符号7は支軸3の遊端部に設けられた線材束Aの落下防止用ストッパーであり、また、符号8,8は、支軸3上の線材束Aを内方から支えてコイル形状を一定に保持するための押し付けアームである。
さらに、図1に示すように、本体12の側面上部における繰り出しローラ5,6による繰り出し方向前方には、これらのローラ5,6により繰り出された線材Bを上下から押圧して矯正しながら前方の圧造成形機Yへ案内する複数の矯正ローラ9…9が配置されている。
そして、この線材供給装置Xには、その設置ベース材1上の空間スペースを有効利用して利用して本考案の線材供給装置用後付けコイルバインダー10が後付けで取り付けられる。つまり、線材束Aの支軸3への載置時に線材束Aの支軸3からの脱落や飛び出しを防止し、また、支軸3上に残った線材束Aを再び密に結束する際にその結束作業を容易化するための後付けコイルバインダー10が後付けで取り付けられる。
後付けコイルバインダー10は、図1及び図2~図4に示すように、設置ベース材1の左右上面に、それぞれ支軸3の長さ方向と平行状でかつ設置ベース材1の後端部から前方側へ延びるように取り付けられる左右一対のレール本体11,11と、各レール本体11,11上にそれぞれレール本体11,11の長さ方向に移動可能に設けられるスライド体12,12と、各レール本体の長さ方向中間外側部にそれぞれ基端部が枢支軸13,13を介して枢支される揺動アーム14,14と、各揺動アーム14,14の基端近くと各レール本体11,11の後端外側部との間に介在されかつ伸縮動により各揺動アーム14,14を前倒し位置から直立位置までの範囲で揺動させる第1シリンダー15,15と、各揺動アーム14,14の揺動端部に直交状に設けられ、かつ各揺動アーム14,14の直立位置のもとで後方に向って伸縮動する第2シリンダー16,16と、各第2シリンダー15,15の先端にそれぞれ固定具17,17を介して揺動アーム14,14と平行状に設けられると共に線材束Aの半径方向内端面に対して当接可能な長さを有しかつ下端部が揺動アーム14,14の直立位置にて各スライド体12,12と一体的に係合して一緒に直立状態のまま後方側へ移動する押さえバー18,18と、を備えている。
なお、一対の第1シリンダー15,15と一対の第2シリンダー16,16には、図示していないがそれぞれ適宜油圧作動機構が接続され、作業者による操作スイッチの操作により一対の第1シリンダー15,15の伸縮作動と、一対の第2シリンダー16,16の伸縮作動とがそれぞれ個別に行われるようになされている。
そして、図3に示すように両第2シリンダー16,16を短縮させてそれぞれ押さえバー18,18とスライド体12,12を前方側位置に位置させ、かつ、その状態から両第1シリンダー15,15を伸長させてそれぞれ揺動アーム14,14を直立位置から前倒し位置に揺動させることにより、各揺動アーム14,14と一緒に第2シリンダー16,16と押さえバー18,18を前倒し位置に移動させる。
そして、図3に示すように両第2シリンダー16,16を短縮させてそれぞれ押さえバー18,18とスライド体12,12を前方側位置に位置させ、かつ、その状態から両第1シリンダー15,15を伸長させてそれぞれ揺動アーム14,14を直立位置から前倒し位置に揺動させることにより、各揺動アーム14,14と一緒に第2シリンダー16,16と押さえバー18,18を前倒し位置に移動させる。これにより、図2の仮想線で示すように支軸3の遊端部側に、クレーン等による線材束Aの支軸3への出し入れが可能となる空きスペースが形成される。一方、両第1シリンダー16,16を短縮させてそれぞれ揺動アーム14,14を前倒し位置から直立位置へ揺動させ、かつ、各揺動アーム14,14が直立位置に停止した状態のもとで両第2シリンダー18,18を伸長させてそれぞれ押さえバー18,18をスライド体12,12と共に直立状態のまま後方側へ移動させて支軸3上の線材束Aを本体2側へ寄せ集めるように構成されている
なお、符号19,19は両第1シリンダー15,15の先端部と揺動アーム14,14との枢支ピンであり、符号20,20は両第1シリンダー15,15の後端部とレール本体11,11の後端外側部との枢支ピンである。また、レール本体11,11、スライド体12,12、第2シリンダー16,16及び押さえバー14,14は、図1に示すように設置ベース材1上に、その両側の空間スペースを有効利用して支軸3に支持された線材束Aよりも半径方向内方に位置するように配設される。さらに、押さえバー14,14の長さは、直立位置において支軸3に支持された線材束A上面の高さよりもやや高くなる寸法、つまり線材束Aの半径方向内端面に確実に当接して線材束Aを本体側に押し込める長さに設定されている。
次に、以上のように構成した後付けコイルバインダーの作用について説明する。
まず、線材束の支軸への載置時には、図2に示すように後付けコイルバインダー10における第2シリンダー16,16を短縮させた状態のもとで、第1シリンダー15,15を伸長させて各揺動アーム14,14を直立位置から前倒し方向に円弧揺動させる。これにより、各揺動アーム14,14と共に第2シリンダー16,16と押さえバー18,18が前倒しされ第2シリンダー16,16が設置ベース材1上の前方待機位置まで移動する。その結果、図2の仮想線で示すように支軸3の遊端部側に、クレーン等による線材束Aの支軸3への出し入れが可能となる空きスペースが形成される。この前方待機位置のもとで、図2において仮想線で示すように結束部材C…Cによって結束されたコイル状の線材束Aを、クレーン等を用いて支軸3にその遊端側から挿通し、図2において実線で示すように本体1近くに吊り下げ支持させる。
次に、その吊り下げ後、第1シリンダー15,15を短縮させて揺動アーム14,14と第2シリンダー16,16と押さえバー18,18を図3に示すように前倒し位置から直立位置まで円弧揺動させる。その際、押さえバー18,18の下端部はスライド体12,12の上面部と係合する。そして、その直立位置のもとで第2シリンダー16,16を伸長させる。これにより押さえバー18,18は直立状態のまま図4に示すようにスライド体12,12、と一緒に本体2側に移動して線材束Aの半径方向内端面に当接する。従って、線材束Aを本体2側へ押し付けた状態で保持することになる。そして、この保持状態を保ったまま線材束Aの結束部材C…Cを切断する。その切断後、図5に示すように第2シリンダー16,16をゆっくり短縮させて、押さえバー18,18及び各スライド体12,12をゆっくりと各揺動アーム14,14の直立位置まで平行移動させる。然る後、両第1シリンダー15,15をゆっくりと伸長させて図6に示すように各揺動アーム14,14を直立位置から前倒し位置に円弧揺動させる。これにより線材束Aをその弾性反発力を抑えながら拡開させて、図6に示すように支軸3の全長、つまり繰り出しローラ6とストッパー7との間に拡散させて扁平状に支持させることができる。したがって、線材束Aの支軸3への拡散載置時に、線材束Aの支軸3からの落下や飛び出しを防止でき、かつ作業者の安全を確保できる。
線材束Aの支軸3への拡散載置後は、図6に示す扁平状に支持した状態で線材束Aを構成する線材Bの一端部を、繰り出しローラ5,6の間に挟持させ、これら繰り出しローラ5,6を繰り出し機構4のモータで回転させることにより、コイル状の線材束Aから線材Bを直線状に引き出だす。引き出された線材Bは矯正ローラ9…9を介して前方に繰り出され、圧造成形機Y側に供給される。その供給後は、圧造成形機Yを作動させ、圧造成形機Y側の送り装置により線材Bを圧造動作に合わせて支軸3上から間欠的に繰り出して圧造成形機Yに供給する。そして、圧造成形機Y側にてこれを所定寸法に順次切断しかつその切断素材を段階的に圧造成形して所定の製品を製造することになる。
一方、支軸3上の線材束Aを使い切る前に求める所定数の製品が製造され、次に異なる線材を材料とする新たな製品の製造を開始する場合、支軸3上に残っている線材Bを取り除いたうえで、新たな線材束Aに交換することになる。
その場合、まず、図3に示すように両シリンダー15,15を短縮させて各揺動アーム14,14を前倒し位置から直立位置まで円弧揺動させる。これにより、各押さえバー18,14を前倒し位置から直立位置まで揺動させる。そして、その直立以後は図4に示すように第2シリンダー16,16を伸長させて直立状態を維持したまま各押さえバー18,18をスライド体12,12と共に本体2側へ移動させる。これにより、図7に示すように各押さえバー18,18が支軸3上に拡散状態で支持されている残りの線材Bを本体2側に押し込んで一塊となるように蜜に寄せ集めることができる。
次に、残った線材Bが一塊となるように密に寄せ集められた時点で、作業者が適宜結束機を用いて結束部材C…Cにより周囲複数個所を結束する。これにより、支軸3上で残った線材束Aを迅速容易に結束することができる。その後は、第2シリンダー16,16を短縮させ、第1シリンダー15,15を伸長させて図2に示すように揺動アーム14,14と第2シリンダー16,16と押さえバー18,18を前倒し位置へ揺動させ、コイル状線材束Aの取出し可能な前方待機位置に待機移動させる。この待機状態のもとで再結束された線材束Aを、クレーンなどを用いて支軸3の遊端部から迅速容易にかつ安全に取り除くことができる。然る後は、上述した手順と同様に別の新たな線材束Aに交換すればよい。
以上のように、本考案の後付けコイルバインダー10によれば、線材供給装置とは別に独立した構成から成る後付けコイルバインダー10を形成すると同時に、この後付けコイルバインダー10を、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置Xが設置される設置ベース材1上にその空間スペースを有効利用して後付けで取り付けることができる。その結果、コイルバインダー機構を備えていない既存の線材供給装置Xであっても線材束Aの支軸3への載置時に線材束Aの支軸3からの落下や飛び出しを防止できると共に、線材束Aを再び密に結束する作業及び線材束の交換作業を安全かつ容易化できる。
その上、2種類の第1、第2シリンダー15,16を用い、第1シリンダー15の伸縮動作により揺動アーム14と一緒に第2シリンダー16と押さえバー18を直立位置又は前倒し位置に選択的に揺動させて線材束の支軸への出し入れを可能にする一方、揺動アームが直立位置に停止した状態のもとで第2シリンダー16の伸長させることにより押さえバー18を直立状態のまま後方側へ移動させて支軸3上の線材束Aを本体2側へ寄せ集めるように構成されているので、第2シリンダー16により押さえバー18を直立状態のまま後方側へ移動させて支軸3上の線材束Aを本体2側へ安定よく寄せ集めることができる。また、線材束の結束部材を切断して支軸上に拡散させる際にも、第2シリンダーにより押さえバー18を直立状態のまま前方側へ移動させることにより線材束Aの弾性反発力を安定よく抑え込んで支軸上に整然と拡散支持させることができる。
なお、図に示す実施例では、スライド体12をレール部材11上に設けて押さえバー18の平行移動をより正確かつ円滑に行えるようにしているが、スライド体12は省略することも可能である。また、上記した実施例では、設置ベース材1として板状ベース部材を用いたけれども、何ら板状ベース部材に限定されるものではなく、例えばコンクリートなどの地面を直接設置ベース材1として用いてもよい。さらに、本考案の後付けコイルバインダーにあっては、これを線材供給装置の設置時において同時に取り付けできること勿論である。また、上記した実施例では、後付けコイルバインダー10を圧造成形機Yに用いた場合について説明したけれども、何ら圧造成形機Yに限定されるものではなく、圧造成形機Y以外の線材加工成形機における線材供給装置用後付けコイルバインダーなどとしても幅広く適用できるものである。
X 線材供給装置
1 設置ベース材
2 本体
3 支軸
10 後付けコイルバインダー
11 レール部材
12 スライド体
14 揺動アーム
15 第1シリンダー
16 第2シリンダー
18 押さえバー

Claims (1)

  1. 設置ベース材1と、設置ベース材1の後端部に立設される本体2と、本体2の上部から設置ベース材1の前端側に向って水平片持ち状に突出しかつその遊端側から挿通されたコイル状の線材束Aを吊り下げ支持する支軸3と、支軸3に支持された線材束Aから線材を繰り出して成形機に供給する線材繰り出し機構とを備えた線材供給装置における後付けコイルバインダーであって、上記設置ベース材1の左右上面に、それぞれ支軸3の長さ方向と平行状でかつ設置ベース材1の後端部から前方側へ延びるように取り付けられる左右一対のレール本体11,11と、各レール本体11,11の長さ方向中間外側部にそれぞれ基端部が枢支される揺動アーム14,14と、各揺動アーム14,14の基端近くと各レール本体11,11の後端外側部との間に介在されかつ伸縮動により各揺動アーム14,14を前倒し位置から直立位置までの範囲で揺動させる第1シリンダー15,15と、各揺動アーム14,14の揺動端部に直交状に設けられ、かつ各揺動アーム14,14が直立位置のもとで後方に向って伸縮動する第2シリンダー16,16と、各第2シリンダー16,16の先端にそれぞれ揺動アーム14,14と平行状に設けられると共に線材束Aの半径方向内端面に対して当接可能な長さを有しかつ直立状態のまま後方側へ移動する押さえバー18,18と、を備え、両第2シリンダー16,16を短縮させてそれぞれ押さえバー18,18を前方側に位置させ、かつ、その状態から両第1シリンダー15,15を伸長させてそれぞれ揺動アーム14,14を直立位置から前倒し位置に揺動させることにより、各揺動アーム14,14と一緒に第2シリンダー16,16と押さえバー18,18を前倒し位置に揺動させて線材束Aの支軸3への出し入れを可能にする一方、両第1シリンダー15,15を短縮させてそれぞれ揺動アーム14,14を前倒し位置から直立位置へ揺動させ、かつ、各揺動アーム14,14が直立位置に停止した状態のもとで両第2シリンダー16,16を伸長させてそれぞれ押さえバー18,18を直立状態のまま後方側へ移動させ支軸3上の線材束Aを本体2側へ寄せ集めるように構成されていることを特徴とする線材供給装置における後付けコイルバインダー。
JP2022001868U 2022-05-19 2022-05-19 線材供給装置における後付けコイルバインダー Active JP3238467U (ja)

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