JP3237974B2 - ディジタル信号復号装置 - Google Patents

ディジタル信号復号装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工衛星や光海底ケ―
ブルを使ったディジタル通信装置や、ディジタルVTR
あるいはディジタルビデオディスクなどのディジタル記
録再生装置のディジタル信号復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル信号復号装置において、ビタ
ビ復号は、信号に含まれる情報を最大限に生かして復号
を行う最尤復号の一つの方法であり、従来はおもに通信
衛星や光海底ケ―ブルなどを使ったディジタル通信分野
でさまざまな研究が行われていた検出方法である。また
一方では、最近研究開発が盛んなディジタルVTRある
いはディジタルビデオディスクは従来のアナログ信号に
比較して数倍の情報量を持つディジタルテレビジョン信
号を記録しなければならないため、その記録密度を非常
に高くする必要がある。このような高度な通信装置ある
いは記録再生装置では、受信あるいは再生された信号の
S/N比は相当に低くなり、従来行われていたビット毎
の復号は著しく困難になっている。そこで、このような
低S/N再生信号に含まれる情報を少しでも有効に活用
して復号を行うことが求められている。中でもビタビ復
号は、S/Nを実効的に約3dB向上させることが理論
的に明らかであるため、注目を集めている復号法であ
る。以下にビタビ復号の最も簡単な適用として、NRZ
Iの復号に用いる場合を説明する。
【0003】NRZIは図6に示したプリコ―ドブロッ
クで表わすように入力信号ak と遅延信号bk-1 との排
他的論理和演算bk を作り、これを磁気記録装置に記録
する。
【0004】 bk =ak (+)bk-1 …(1) これを再生すると、磁気記録系は微分特性を持っている
ため、再生信号zk はbk −bk-1 となり、したがって
この信号系は2つの状態Sk ={+1、−1}を持って
いることになる。
【0005】 zk =bk −bk-1 …(2) これを状態遷移図で表すと図7となり、再生信号zが+
2のとき状態Sは−1から+1に遷移し、−2のとき状
態Sは+1から−1に遷移し、また0のときは状態の遷
移は起こらない。再生信号に雑音が含まれないときは検
出される信号はzk ={−2,0,+2}のいずれかで
あるため、状態遷移は一意に定まるが、実際に検出され
る信号yk は雑音nk を含んでいる。
【0006】 yk =zk +nk …(3) ここで雑音がガウス分布するならば、yk とzk のユ―
クリッド距離、すなわち(yk −zk2 が最小となる
k が送信されたと推定することによって最尤復号を行
うことができる。時刻kにおける状態jまでの{−(ユ
―クリッド距離)}の和の最大値は状態jのメトリック
(尤度)と呼ばれ、これをLk j で表す。時刻k−1に
おける状態iのメトリックがLk-1 i であったとき、時
刻kにおける状態jのメトリックLk j は次式で表され
る。
【0007】 Lk j =max{Lk-1 i −(yk −zk ij2 } …(4) このときLk j を与える、時刻k−1の状態iから時刻
kの状態jへの唯一の遷移は尤度が最も高い、すなわち
「確からしさ」が最も高い「生き残りパス」として保存
し、これを各時間kの各状態jにおいて巡回的に行うの
がビタビ復号である。NRZIの場合、さきに述べたよ
うに状態数は2であるので、i(またはj)={+1,
−1}、また基準となるzk ij={+2,0,−2}で
ある。これをトレリス線図で表すと図8のようになる。
【0008】このようにビタビ復号は、検出した信号系
列に対して距離の最も小さい、したがって最も確からし
い信号系列に復号することができる最尤復号であるの
で、雑音に影響されにくい復号を行うことができる。し
たがって、ディジタル記録再生装置などのS/Nの低い
機器において、大きな効果が期待できる。
【0009】図9は従来のビタビ復号器の構成を示した
ブロック図である。再生装置によって再生された信号は
自動利得制御装置(AGC)33によって一定の振幅に
制御された後に等化器(EQ)34によって波形等化さ
れアナログディジタル変換器(ADC)35で量子化さ
れる。このディジタルデ―タはブランチメトリック計算
回路36によってそれぞれの遷移に対するユ―クリッド
距離(ブランチメトリック)が計算される。
【0010】つぎの加算比較選択回路(ACS)37は
これとパスメトリックメモリ38のパスメトリック(L
k-1 )とにより式(4)に従って次のパスメトリック
(Lk)を選択し、パスメトリックを更新すると共に選
択した生き残りパス情報を生き残りパス保存手段(パス
メモリ)39に記録する。このパスメモリは所定のビッ
ト長の状態遷移を記憶することができ、状態遷移が起き
たとき過去のデ―タにさかのぼって状態を決定すること
で復号信号が出力を得ることができる。したがって、出
力される復号信号はこのパスメモリに保存できるビット
長だけ遅れている可能性がある。
【0011】ところで、パスを決定するために使われる
パスメトリックすなわち尤度情報は逐次変更され保存さ
れて、また次のパスの決定に利用される。これによりビ
タビ検出は、特定時刻の振幅情報だけを復号に用いる従
来の検出方式と異なり、ある時系列上で最も確からしい
符号系列を選択できる。
【0012】しかし、雑音以外の何か突発的な障害によ
りパスメトリックが大きく変化してしまったとき(これ
をパスメトリックの発散と呼ぶ)、その影響は以後の復
号に大きく現れることが容易に想像できる。高度な通信
装置あるいは記録再生装置ではこのような現象が頻繁に
発生する状況がある。例えば微弱な電波信号を受信する
通信システムでは不規則に混入する妨害電波による障害
を完全に除去することは困難であり、また回転ドラムに
搭載された回転ヘッドによりテ―プ状記録媒体を走査し
て信号を再生するディジタルVTRなどでは記録媒体の
傷などに起因して信号が突然消滅してしまうドロップア
ウトという現象が頻繁に発生する。したがって、従来は
適当な一定の時間間隔でパスメトリックを初期化するこ
とが必要であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】近年、ディジタル信号
処理技術を使った動画像圧縮法が飛躍的に進歩し、これ
をディジタル通信装置あるいは記録再生装置に用いるこ
とで大量のディジタル動画像放送や長時間のディジタル
動画像記録をはかる試みがなされるようになった。動画
像圧縮は種々の方法が提案されているが、CCITTと
ISOで検討されたMPEG方式に代表されるように、
その主なものはいわゆるブロック符号化可変圧縮方式に
属するものである。この方式によれば、小さな画素ブロ
ック毎に符号化を行い、その画素ブロックが持っている
情報量に応じて符号の長さを可変とする事で効率よく画
像圧縮を行うことができる。しかし、このような圧縮ブ
ロックデ―タを送信あるいは記録し、その受信信号ある
いは再生信号をビタビ復号器で復号する場合、受信ある
いは再生後の伸張処理は圧縮ブロック毎に行われるた
め、妨害信号やドロップアウトなどによるメトリックの
発散が次のブロックにまで影響を及ぼし、このような障
害が起きていない圧縮ブロックのデ―タまで正しく復号
できないという問題があった。所定時間毎にメトリック
を初期化する方法も、圧縮後のブロックの長さは任意と
なるため、1個の圧縮ブロックの途中でメトリックの初
期化が行われ、メトリック発散の伝搬を防ぐ十分な効果
が期待できないという問題があった。また、初期化周期
を短くすれば、せっかくのビタビ復号法による最尤復号
の効果が得られないことは明白である。
【0014】また、前記したように、ビタビ復号は各サ
ンプル点での振幅情報から受信データ系列の尤度を計算
し、最も尤度の高いデータ系列を出力する。しかし、サ
ンプル点での振幅情報のみを使用しているため、一般的
なノイズ以外に起因する信号振幅レベルの変化には非常
に影響を受け易いことは容易に想像できる。この現象に
ついては「ディジタルビデオ記録技術」(日刊工業新聞
社)81ページに詳しく述べられている。
【0015】VTRは特に再生信号レベルの変動が大き
なシステムである。再生信号レベル変動の主な発生要因
には、ひとつにはトラックズレがある。これは記録時に
ヘッドがテープ上を走査した軌跡と再生時に走査した軌
跡が一致しないことによって発生するもので、記録に使
用した装置と再生に使用した装置が異なる場合や経時変
化を起こしたテープを再生した場合などによく発生す
る。しかしこれによる再生振幅レベルの変化はヘッドの
回転にともなった比較的長い周期で変化するため、AG
C(自動利得制御回路)などによって容易に取り除くこ
とができる。
【0016】もうひとつの再生信号レベル変動要因はテ
ープとヘッドの隙間、すなわちスペーシングの変動があ
る。VTRではヘッドがテープに接触した状態で走査
し、信号を再生するが、実際はテープの表面荒さによ
り、ヘッドとテープの間には僅かなスペーシングが存在
する。これはテープおよびヘッドの表面状態や振動状況
によって敏感に変化し、信号振幅に決定的な影響を与え
る。スペーシングによる再生信号振幅の低下は分離損失
(spacing loss)と呼ばれ、理論的には下
式に従う。
【0017】 分離損失L=54.6*d/λ[dB] …(5) (dはスペーシング、λは記録波長:「磁気記録の理
論」朝倉書店より引用) すなわち、信号振幅の低下はスペーシングの指数関数で
あり、また記録波長が短い高密度記録を行う場合ほどそ
の影響を大きく受けることがわかる。また、この分離損
失に起因する変動が非常に早い周期で現れることはその
原因から明らかであり、したがって、トラックズレによ
る振幅変動を除くのに用いるAGCのように長い収束時
間を必要とするフィードバック回路では、分離損失変動
による早い振幅変動を取り除くことは不可能である。
【0018】また、スペーシングの変動は周波数特性の
変化をもたらす。周波数特性の変化は等化誤差を増大さ
せ、エラーの要因となる。これについて従来、等化誤差
を極小に収束させるように自動的に等化特性を変化させ
る自動等化回路も種々開発されてきた。これらの自動等
化回路をもちろんビタビ検出回路と共に用いることがで
き、この場合には振幅変動も自動的に補正することもで
きる。しかし、この自動等化もまたフィードバック回路
であるため収束に必要な時間より短い周波数特性変化に
追随して機能することはできないのである。
【0019】すなわち、VTRのスペーシング変動に起
因する瞬時の再生振幅変動について、AGC回路も自動
等化回路も全く機能せず、これが高密度ディジタルVT
Rにおいて最尤復号回路がうまく働かない大きな要因で
あった。
【0020】本発明のディジタル信号復号装置はこのよ
うな課題に着目してなされたものであり、その第1の目
的とするところは、ブロック圧縮符号化されたディジタ
ル信号の送信受信あるいは記録再生に適したディジタル
信号復号装置を提供することにある。
【0021】また、本発明の第2の目的は、瞬時の再生
振幅変動にも対応可能な復号方法によって高密度ディジ
タルVTRを実現できるディジタル信号復号装置を提供
することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、本発明は、複数のディジタルデータ単位毎
に圧縮された圧縮ブロックデータを送信あるいは記録
し、これを受信あるいは再生した信号を最尤復号するデ
ィジタル信号復号装置において、受信あるいは再生した
信号に含まれる所定の情報列を検出することにより、
号される1個あるいは複数個の圧縮ブロックデータ単位
を検出する検出手段と、上記検出手段による制御信号に
よって、最尤復号に用いる尤度情報を所定の値に初期化
する初期化手段とを具備する。
【0023】また、上記の第2の目的を達成するため
に、本発明は、再生あるいは伝送された信号を等化し、
特定のタイミングで信号の振幅情報を抽出し、この振幅
情報からディジタル信号を復号するディジタル信号復号
装置において、孤立再生波が、情報ビット間隔よりも狭
い範囲での複数の検出点で有意な値を持つように等化処
理を行なう等化手段と、上記複数の検出点における振幅
情報を抽出する抽出手段と、抽出された複数の振幅情報
に対して所定の演算を行なうことで、復号時の基準レベ
ルを制御する制御手段とを具備する。
【0024】
【作用】すなわち、本発明のディジタル信号復号装置
は、複数のディジタルデ―タ単位毎に圧縮された圧縮ブ
ロックデ―タを送信あるいは記録し、これを受信あるい
は再生した信号を最尤復号する場合、復号される1個あ
るいは複数個の圧縮ブロックデ―タ単位を検出手段によ
って検出し、この検出手段による制御信号によって、最
尤復号に用いる尤度情報を所定の値に初期化する。
【0025】また、本発明のディジタル信号復号装置
は、再生あるいは伝送された信号を等化し、特定のタイ
ミングで信号の振幅情報を抽出し、この振幅情報からデ
ィジタル信号を復号する場合、孤立波が複数の検出点で
有為な値を持つような等化を行った後、ディジタル情報
の時間間隔より狭いタイミングで複数の振幅情報を抽出
し、抽出された振幅情報に対して所定の演算を行なうこ
とで復号時の基準レベルを制御する。
【0026】
【実施例】まず、第1実施例の概略を説明する。本実施
例ではビタビ検出器にパスメトリック初期化手段を設
け、圧縮されたデータの圧縮ブロック毎あるいは複数の
圧縮ブロック毎に受信あるいは再生されるように所定の
特定パターンの検出信号を送信あるいは記録して、この
特定パターン検出信号あるいはブロック伸張器からの圧
縮ブロックデータ検出信号によりパスメトリックを初期
化できるようにした。
【0027】また、このようなパスメトリックの初期化
に際して、受信あるいは再生信号が初期化されたパスメ
トリックを用いて正しく復号されるように、この特定パ
ターンに続いて所定長の任意ビット列が復号されるよう
に構成するかもしくは、ビタビ復号器に入力バッファと
出力バッファとを設ける。
【0028】したがって、可変長圧縮を行った場合で
も、圧縮ブロック毎あるいは複数の圧縮ブロック毎にパ
スメトリックの初期化を行うことができ、ビタビ検出の
効果を保ちつつドロップアウトなどの突発的障害による
パスメトリックの発散が隣接ブロックに波及することを
完全に防止できる。
【0029】また、第2実施例においては、所定の等化
方式に従って等化した再生信号から、情報ビットにあた
る振幅を取り出すとともに、情報ビット間隔より狭い近
傍の信号振幅も取り出し、両者の間で既知となる相関関
係を用いて、周波数特性変化の補正を瞬時に行なう。
【0030】したがって、従来、AGC回路や自動等化
回路といったフィードバック回路では不可能であった周
波数特性の瞬時の変化の補正を行い、適正な最尤復号を
行うことができる復号器を提供することができる。
【0031】以下に図面を参照して上記した概略を詳細
に説明する。図1は本発明の第1実施例に係るディジタ
ル信号復号装置のブロック図である。この実施例ではブ
ロック圧縮ディジタル記録再生装置を取り上げたが、記
録再生器を送信受信機に置き換えることによってディジ
タル通信装置にも適用できることはもちろんである。
【0032】図1において、ディジタル映像信号1はブ
ロック圧縮器2で複数の映像デ―タで構成されるブロッ
ク毎に圧縮され、ブロック情報付加器3でこの圧縮ブロ
ックごとに必要な情報が付加され、ディジタル圧縮デ―
タ信号4となる。この信号は変調器5によって記録再生
装置6の特性に適した信号特性に変換される。本実施例
では連続する同一ビット長を2以上7以下に制限するラ
ンレングスリミッテッドコ―ドRLL(2,3)変調器
を用いている。そして、変調後の信号は記録再生装置6
によって記録媒体に記録される。
【0033】この圧縮の様子を図2に示す。ディジタル
映像信号1は一定長のデ―タブロック23に区切られて
圧縮されるが、圧縮されたデ―タブロック(圧縮ブロッ
ク)は従来例で説明したように情報量に依存した種々の
長さを持っているので、これを区切るために圧縮ブロッ
ク毎にデ―タ長情報や元の映像での位置を記した情報列
24を記した情報列24が付加される。
【0034】また複数の圧縮ブロックごとにメトリック
初期化情報列25が付加される。付加情報列25は所定
のビットパタ―ン26と任意ビットパタ―ン27によっ
て構成されている。特定ビットパタ―ンは0が8個連続
し、1が8個連続する16ビットパタ―ンを用いた。こ
れは先に示したようにRLL(2,3)変調器では発生
しないビットパタ―ンであるため、画像情報デ―タと区
別して検出することが比較的容易にできるからである。
もちろんこのパタ―ンは変調から除外されそのまま記録
されるが、変調後に付加される構成としても差し支えな
い。
【0035】図3に任意ビットパタ―ン27が必要な理
由を示す。図3(a)は再生信号列である。これに対し
図3(b)に示した復号信号列は少なくともビタビ復号
器のパスメモリで保存しているデ―タ長に相当する時間
的遅れを生じている。したがって復号後に特定ビットパ
タ―ンを検出してメトリック初期化制御信号16を発生
させたときに既に特定ビットパタ―ン直後のパスメトリ
ック計算は終了しているため、初期化されたメトリック
による計算は行われていない。したがって、メトリック
の初期化に用いる特定ビットパタ―ン直後の情報列の信
頼度は低く、そのためこの部分には映像情報デ―タでは
なく任意ビット列27を挿入するのが適当である。ただ
し、任意ビット列27に画像情報デ―タ以外の何らかの
情報、たとえば日付などの撮影デ―タや編集に用いるデ
―タを繰り返し記録するといった用途に使用することも
十分可能である。
【0036】図1に戻って実施例の再生後の信号の流れ
を説明する。記録再生装置6により再生された信号は、
記録再生過程における周波数特性により符号間干渉など
を生じ、かつ雑音が付加されたアナログ信号である。こ
のアナログ再生信号は自動利得制御装置(AGC)7で
まず適当な振幅に増幅された後、等化器8で記録再生過
程の周波特性を補償して符号間干渉を低減させる。この
信号から信号自身のクロックタイミングをクロック抽出
器としてのフェ―ズロックル―プ(PLL)9で抽出
し、このクロックタイミングに基づいてアナログ−ディ
ジタル変換器(ADC)10はアナログ信号をサンプリ
ングして、ディジタル信号系列に変換する。
【0037】11は入力バッファメモリである。これは
後段のビタビ復号器12に入力されるディジタル信号系
列を所定時間分だけ記憶し、外部制御信号23により所
定時間前のディジタル信号系列を再入力させることがで
きる。この役割については後に詳しく説明する。
【0038】12は本実施例に用いた最尤復号器である
ビタビ復号器の基本的な構成を示している。その機能は
従来例と同様であり、13はメトリックを計算するブラ
ンチメトリック計算器、14は(4)式で示した次のパ
スメトリックを計算し判定する加算比較判定器(AC
S)、15はこの計算に用いるパスメトリックを保存す
るパスメトリックメモリで外部制御信号16により所定
値に初期化することができる初期化手段を設けている。
17は加算比較判定器14で判定された生き残りパスを
記憶する生き残りパスメモリで、状態遷移が発生したと
判定されたときに記憶している生き残りパスを逆にたど
ることで復号を行う。
【0039】18は所定信号系列との比較を行う比較判
定器である。この比較判定器には図2で説明した特定ビ
ットパタ―ン26が記憶されていて、復号ビット系列が
この特定ビットパタ―ン26と一致していれば、パスメ
モリ初期化制御信号16を発生させパスメモリを初期化
させる。
【0040】19は出力バッファメモリである。これは
復号されたビット系列を所定時間分だけ保存し遅らせて
出力する。そして外部制御信号23により保存するビッ
ト系列を所定時間分だけ削除して再保存することができ
る。この役割は入力バッファメモリ11とビタビ復号器
12と合わせて後に詳しく説明する。
【0041】復号された信号は復調器20で復調された
圧縮ブロックデ―タとなる。この圧縮ブロックデ―タは
圧縮ブロック単位でブロック伸張器21により元の映像
信号デ―タに伸張されディジタル画像デ―タ22とな
る。このときブロック伸張器21は図2で説明した圧縮
ブロック単位に付加された情報列24により圧縮ブロッ
クの区切りを検出し、このときパスメトリック初期化制
御信号16およびバッファメモリ制御信号23を発生す
る。つぎにこの制御信号とバッファメモリの役割を説明
する。
【0042】図4はビタビ復号器12の前段の入力バッ
ファメモリ11と後段の出力バッファメモリ19の役割
について説明した図である。サンプリングされたディジ
タル信号系列は入力バッファメモリの所定の位置24に
保存され、保存位置は図中下方に更新される。ビタビ復
号器は入力バッファメモリの所定位置25からデ―タを
読み込み、この位置もまた図中下方に更新される。ま
た、復号結果は出力バッファメモリの所定位置25にい
ったん保存され、保存位置が図中下方に更新され、それ
より遅れた所定位置29の復号結果が出力される。通常
は各位置を示すポインタ―は同じように増加あるいは減
少し、巡回的にメモリを指し示すため、それぞれのバッ
ファメモリはデ―タを少し遅らせるだけの働きしかな
い。しかし前述のバスメモリ初期化制御信号16と同期
してバッファ制御信号23が発生したとき、入力バッフ
ァメモリ11の出力位置は現在の位置25より所定時間
もどった位置28に移動する。また、出力バッファメモ
リの入力位置はこの所定時間分たけ現在の位置26から
移動せず、出力バッファメモリの出力位置はこの間に位
置27から位置29に移動する。
【0043】図5はバッファメモリを用いたこのような
初期化プロセスを説明する図である。(a)は入力バッ
フアメモリ11の入力系列、(b)はビタビ復号器12
の入力信号系列、(c)はビタビ復号器12の出力信号
系列、(d)は出力バッファメモリの出力系列である。
30は先に説明した圧縮ブロックの区切りまたは特定パ
タ―ン位置であり、ここからパスメトリックを初期化す
ることが望ましい。しかし入出力バッファメモリおよび
ビタビ復号器などの処理のため復号された圧縮ブロック
の区切りまたは特定ビットパタ―ンの位置は入力位置よ
りかなり遅れて出力系列(d)の31のタイミングとな
る。これを伸張器21あるいは特定パタ―ン検出器18
としての初期化検出器32で検出してパスメトリック初
期化制御信号16だけを発生させても通常は間に合わな
い。
【0044】しかしこの検出器32によりバッファ制御
信号23を入力バッファに送り、ビタビ復号器12には
所定時間前のデ―タから(b)の33のタイミングで再
入力するようにする事で初期化されたメトリックを用い
たパスメトリック計算を行うことができる。この再復号
されたデ―タはもちろん先の特定ビットパタ―ンあるい
は圧縮ブロックデ―タの区切といったパスメトリックの
初期化を動機づける情報からは遅れているが、出力バッ
ファ19は入力ポインタ―を更新せず、すなわちその分
だけ入力を行わないことで出力バッファメモリ19の出
力は連続してしかも特定ビットパタ―ンあるいは圧縮デ
―タブロックの区切り直後のデ―タから初期化されたパ
スメトリックによる復号結果を得ることができる。
【0045】上記した手段は、特定ビットパタ―ン26
に引き続いて所定長任意ビットパタ―ン27を復号する
ことでこの問題を回避している。これは簡便な方法であ
るが、記録密度を多少犠牲にするため頻繁に用いること
はできない。しかし、バッファメモリを用いることで圧
縮ブロック毎のメトリックの初期化が可能となりメトリ
ックの発散が圧縮ブロック間で伝搬するのを防ぐことが
できる。また、圧縮ブロック毎のメトリックの初期化以
外に複数の圧縮ブロックを集めた大きなブロック単位に
は特定ビットパタ―ンおよびそれに続く任意のビットパ
タ―ンを記録することでメトリックの初期化を行うと共
に、図示しない制御信号により入力バッファメモリと出
力バッファメモリの入出力位置を初期化することにより
これらのバッファメモリがあふれるのを防ぐことができ
る。
【0046】バッファメモリに必要な大きさは、バッフ
ァメモリが初期化されるまでに行われるパスメトリック
初期化の回数に、少なくともビタビ復号器のパスメモリ
の大きさを乗じた大きさである。したがって、圧縮ブロ
ック毎のパスメトリック初期化回数に応じてバッファメ
モリを初期化する特定ビットパ―タンを付加することに
より、実際にバッファがあふれることはない。
【0047】パスメトリック初期化の頻度は記録再生シ
ステムの特性に依存する。すなわち、ドロップアウトな
どの突発的障害によるメトリック発散が小さいか、また
は1個の圧縮ブロック内で収束する可能性が高い場合
は、数ブロック毎の初期化も有効である。また、記録フ
ォ―マットにより1圧縮ブロックが複数に分割されてい
る場合、分割されたブロック毎にパスメトリックを初期
化することも可能である。さらに通常付加されるエラ―
訂正コ―ドによるエラ―の訂正過程で得られるエラ―発
生状態によってパスメトリック初期化制御信号を発生さ
せることによってエラ―発生を抑制することが可能であ
る。
【0048】以下に、本発明の第2実施例を説明する。
まず、第2実施例の原理から説明する。再生ヘッドによ
り再生された信号は等化器により符号間干渉を抑圧した
後に、復号器に入力される。図10は孤立再生波が本実
施例による復号器に入力されるときの波形を示してい
る。横軸の時間は情報ビット間隔で規格化されている。
通常の等化器では孤立再生波の識別点nT(nは0でな
い整数)でほぼ0になり、時刻0の再生波が他の識別時
刻に干渉しないように等化を行う。しかし、本実施例の
復号器に入力される波形では、図10に示すように時刻
0および時刻±T/2の識別点で0でない値をとり、か
つ他の識別点nT/2(nは0および±1で無い)では
ほぼ0となっている。このように本来の識別点(時刻
0)以外に0でない有為な値をもつ位置が、情報ビット
間隔より狭い間隔で存在するのがこの等化方式の特徴で
ある。このような等化にはこれ以外にも種々の方式が考
えられ、本実施例による復号器に適用することができ
る。
【0049】図11は本実施例による復号器に入力可能
な別の等化方式による等化後の孤立再生波形を示してい
る。この波形は図10の波形とは異なり、識別点時刻0
およびT/2で同じ波高となり、それ以外のT/2間隔
の識別点ではほとんど0となっている。このような等化
方式による波形の違いは本実施例の原理に影響を与える
ものではないため、記録再生系の特性に適した等化方式
を選択すれば良い。本実施例では等化器にトランスバー
サルフィルターを用いた。
【0050】このブロック図を図12に示す。トランス
バーサルフィルターは複数の遅延素子(D)101とそ
の間の信号を取り出しそれぞれの信号をタップ係数と呼
ばれるある係数で増幅減衰あるいは乗算を行う素子10
2とこれらの信号を加算する加算器103からなる。先
に取り上げた2つの等化方式のどちらもこのトランスバ
ーサルフィルターのタップ係数を調整することによって
実現することができる。トランスバーサルフィルターの
応答Zを演算で表すと式5になる。
【0051】 z=a0*f0+a1*f1+a2*f2+a3*f3+a4*f4+a5*f5+a6*f6 …(6) ここでa0〜a6はタップ係数。f0〜f6は時間Dづ
つ遅延された再生信号の振幅値である。この式に等化条
件を代入し、タップ係数を求めれば所望の条件を満足す
る等化器を実現することができる。
【0052】さて、本実施例による復号器では本来の検
出位置(時刻0)の振幅だけでなく、次の(または前
の)検出位置(時刻Tまたは時刻−T)との間の隣接す
る位置(例では時刻T/2あるいは−T/2)での振幅
情報も同時に用いて復号を行う。
【0053】これには図14に示す3種類の構成があ
る。いずれも再生信号を増幅器104で増幅した後にサ
ンプリング器105によってディジタルデータとしてサ
ンプリングされるまでは同じである。図14(a)は等
化器(等化回路)106を2つ利用したもので一方から
は時刻0での振幅を取り出し、他方からは時刻2/Tで
の振幅を取り出す。これらを適当なタイミングで周波数
特性補償回路(基準補償器)109が読みとり、後に詳
しく説明する方法で基準レベル信号を作り、これを最尤
復号器110に出力する。この構成では2つの等化器が
必要となり回路規模は比較的大きくなるが、本来の検出
位置である時刻0での振幅を得るための等化方式と、周
波数特性補償のための振幅を取り出すための等化方式を
別に設定できるという利点が生じる。従って、各等化器
の遅延素子の遅延量は従来の等化器同様にTで済む(た
だし、2つの等化器への入力あるいは等化器からの出力
はTより小さい時間だけずれている必要がある)。
【0054】図14(b)は1つの等化器106から異
なる検出時刻の振幅を取り出す方法である。これを実現
する等化器106は例えば図13のように構成すること
ができる。この等化器106における遅延素子101の
遅延量はT/2であり、各タップから取り出された信号
が2系統のタップ係数群(aおよびb)によるトランス
バーサルフィルターによってタイミングがずれた形で等
化される。これによって本来の検出位置(時刻0)とそ
れより少しずれた検出位置(時刻T/2)での振幅情報
を同時に出力することができる。この構成の利点は遅延
素子を共有していることによって特性のばらつきを抑え
られることと実際の等化特性はタップ係数を設定するこ
とによって変化させることができることである。ただ
し、回路規模は大きく実装しずらい点がある。
【0055】図14(c)は1つの等化器106からの
信号を所定時間遅らせる遅延回路111を使用すること
で本来の検出位置とずれた位置での振幅情報を得るもの
である。最も単純な回路構成で達成することができる
が、等化方式/等化特性は全く同一であり、別の選択を
行うことができない。
【0056】等化器の構成については他にも考えられる
が、要点は本来の検出位置における振幅とこの位置から
情報ビット間隔Tより近い時間だけずれた検出位置にお
ける振幅を取り出すことができ、かつ、それぞれに適し
た等化が行われることによって、それぞれの検出点にお
いて一定の振幅が期待できるという点である。次にこの
2つの振幅を用いて最尤復号器の補正を行う方法につい
て説明する。
【0057】再生波形は次の(7)式に示すローレンツ
波形で近似することができる。 f(t)=1/(1+(t/D50) 2 ) …(7) ここでD50は再生振幅が1/2となる時間間隔を示
し、記録再生系の周波数特性を代表するパラメータとな
っている。本実施例で克服しようとする課題は周波数特
性の瞬時の変動であり、ここではD50の変化としてと
らえることができる。ある周波数特性(D50=D0)
の状況で最適化された等化器のタップ係数aは次の
(8)式を満たす。
【0058】
【数1】
【0059】ここでは簡単のため等化器の構成は図14
(c)に従うものとした。右辺は2つの検出点で期待で
きる一定の振幅値である。さて、先に述べたようにスペ
ーシング変動による周波数特性変化により再生波形のD
50が変化した時、検出する振幅はもはや右辺の定数で
はない。このときの再生波形をgとすれば検出される振
幅xは次の(9)式を満たす。
【0060】
【数2】
【0061】等化誤差が比較的小さい時はx2とx3は
ほとんど0に近い。従来の只一つの検出点による振幅情
報のみを取り出す場合、振幅の変化が雑音によるもので
あるのかあるいは別の要因による変化であるのかを区別
する方法は全く無い。したがって、振幅変化はすべて雑
音であるとして最尤復号を行っていたため、雑音以外の
スペーシング変動などに起因する振幅変動が直接に最尤
復号を妨害してエラーを発生させることになっていた。
ところが、本実施例によれば振幅情報を本来の検出位置
とそれからずれた検出位置のすくなくとも2ケ所で検出
している。もちろん、どの検出点でもノイズの影響を受
けるが、もし振幅変動がスペーシング変動に起因したも
のであったならば2ケ所の振幅情報は周波数特性変動に
従って特徴的な強い相関を持つことになる。この相関関
係を用いれば周波数特性変動に基づく振幅変動を補正
し、雑音のみによる正しい最尤復号を行う事ができるの
である。
【0062】図15は固定されたある等化器において記
録再生系の周波数特性すなわちD50を変化させたとき
の、本来の検出位置における振幅の変化率p(x0)
と、それからT/2だけずれた検出位置における振幅の
変化率q(2*x1)との関係を示したグラフである。
このように2ケ所で検出できる振幅の変化率には一定の
関係があり、この変化率から逆にD50を求め、これに
より周波数変動を補正することができるのである。一
方、この2ケ所の検出間隔に比較して低い周波数で帯域
制限された雑音による振幅変化率の関係はほとんど一定
であり、また増加方向にも減少方向にも等分に確率的分
布をするため、平均化すれば影響を取り除くことができ
る。したがって、このような2検出点での振幅変化率に
よる補正を行う場合でも雑音の影響を最小にとどめてお
くことが可能となる。
【0063】 ξ=2*x1/x0 …(10) (10)式で定義される波形歪率ξによる検出時刻0で
の振幅低下率ηの関係を、関数fを使ってη=f(ξ)
と表せば、そこから推定される適切な基準値はx0*η
となる。したがって最尤復号を行う上で確からしさとな
る尤度をこの修正された基準レベルとすればスペーシン
グ変動などによる瞬時の周波数変動を補正することがで
きる。
【0064】また、補正尤度の計算は雑音によるゆらぎ
を平均化する意味で或重みn(0<n<1)による漸化
式を用いるのが適切な場合もある。すなわち、補正基準
値s′を以前の補正基準値sを用いてs′=n*s+
(1−n)*η*sとなる演算により更新する。このよ
うな波形歪率ξと振幅低下率ηの関係fを用いた基準レ
ベルの修正やその更新は図14の基準レベル修正回路に
より計算され、ここで得た修正基準レベルに基づき最尤
復号器にて復号が行われる。
【0065】さて、これまでは孤立再生波(只一つの再
生波)について議論していたが、複数の再生波が重ね合
わされた場合でも同様にして基準レベルを修正すること
が可能である。次にこの理由を説明する。
【0066】ある情報ビットに注目した場合、その前後
に存在する情報ビットによる波形の相互干渉すなわち符
号間干渉が一般に問題となる。このため等化器は情報ビ
ットによる波形が他の情報検出点で影響を及ぼさないよ
うに孤立再生波が他の検出点で0近傍の特性になるよう
に調整されている。本実施例による復号方式に必要な等
化特性でもこの条件を満たすように、検出時刻0以外の
各情報ビット間隔ではその振幅が0近傍となっているの
でこの点は問題ない。しかし、先に説明したように周波
数特性の変動を瞬時に補正するために情報ビット間隔よ
り狭い間隔の振幅情報を用いるとき、その検出点で大き
な波形干渉が存在する可能性がある。
【0067】たとえば、先に図10で取り上げた等化特
性ではT/2の検出点での振幅はその両隣の情報ビット
による影響を等分に受けて、±1、±1/2、0の5値
情報となる。従って周波数変動を補正する前にこの検出
点での判定が必要となると共に、基準レベル修正のため
の演算が複雑になり、またその信頼性も低下する恐れが
ある。
【0068】ところが、従来例で説明したNRZIプリ
コードを施したデータを記録再生した場合、隣あった情
報ビットが(1,1)あるいは(−1,−1)のように
同じになることはありえないため、T/2での振幅は±
1/2と0の3値となる。したがって、T/2が0であ
る可能性が大きい場合は基準レベルの修正を行わないよ
うにすれば、他の場合は符号間干渉の影響無しで基準レ
ベルの修正を正しく行うことができるのである。
【0069】なお、本発明はディジタルVTRに限ら
ず、他のディジタル信号記録再生装置あるいは通信装置
に適用可能なことは言うまでもあるまい。以上上記した
第1、第2実施例によれば、復号後のエラーレートを低
く抑えることができ、外乱に対して復号の基準レベルを
適性に保つことができる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
第1に、複数デ―タ毎に圧縮された圧縮ブロックを記録
再生して最尤復号する上で、ドロップアウトなどの雑音
以外の突発的障害により大きく変化してしまった尤度情
報を、1個あるいは複数個の圧縮ブロックごとに所定値
に初期化することで、突発的障害が次の圧縮ブロックに
波及することを完全に防ぐことができる。よって伸張後
のデ―タにおける誤りを飛躍的に減少させることがで
き、ディジタル映像信号のような大量のデ―タを送信受
信あるいは記録再生する、圧縮手段を用いた通信装置あ
るいはディジタルVTR、ディジタルビデオディスクな
どの圧縮ディジタル信号処理装置を実現することができ
る。
【0071】第2に、所定の等化方式にしたがって等化
した再生信号から、情報ビットにあたる振幅を取り出す
と共に、情報ビット間隔より狭い近傍の信号振幅も取り
出し、両者の間で既知となる相関関係を用いて、周波数
特性変化の補正を瞬時に行うことで、ディジタルVTR
のスペーシング変動にみられるような瞬時の周波数変化
の影響を受けない最尤復号器を実現させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるディジタル記録再生
装置のブロック図である。
【図2】本発明によるブロックデ―タの圧縮過程図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例による特定ビットパタ―ン
付加時の復号の説明図である。
【図4】本発明の第1実施例による入出力バッファの動
作説明図である。
【図5】本発明の第1実施例による入出力バッファフッ
を用いた復号の説明図である。
【図6】NRZIプリコ―ドのブロック図である。
【図7】NRZI復号の状態遷移図である。
【図8】NRZI復号のトレリス線図である。
【図9】従来のビタビ復号器のブロック図である。
【図10】本発明の第2実施例による等化特性の一例で
ある。
【図11】本発明の実施例による等化特性の別の一例で
ある。
【図12】トランスバーサルフィルターの構成である。
【図13】トランスバーサルフィルターの他の構成であ
る。
【図14】本発明の第2実施例の構成ブロック図であ
る。
【図15】ふたつの検出点での振幅変化率の相関関係図
である。
【符号の説明】
1…ティジタル映像信号、2…ブロック圧縮器、3…ブ
ロック情報付加器、4…圧縮ディジタルデ―タ、5…変
調器、6…記録再生装置、7…自動利得制御装置(AG
C)、8…等化器、9…クロック抽出器、10…アナロ
グ−ディジタル変換器(ADC)、11…入力バッファ
メモリ、12…ビタビ復号器、13…ブランチメトリッ
ク計算器、14…加算比較判定器(ACS)、15…パ
スメトリックメモリ、16…パスメトリック初期化制御
信号、17…生き残りパスメモリ、18…比較器、19
…出力バッファメモリ、20…復調器、21…ブロック
伸張器、22…ディジタル映像デ―タ、101…遅延素
子、102…乗算器、103…加算器、104…増幅
器、105…サンプリング器、106,107,108
…等化回路、109…基準補償器、110…最尤復号
器、111…遅延装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/92 H04N 5/92 H (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 13/00 G11B 20/18 534 G11B 20/18 570 H04L 25/00 H04N 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のディジタルデータ単位毎に圧縮さ
    れた圧縮ブロックデータを送信あるいは記録し、これを
    受信あるいは再生した信号を最尤復号するディジタル信
    号復号装置において、受信あるいは再生した信号に含まれる所定の情報列を検
    出することにより、 復号される1個あるいは複数個の圧
    縮ブロックデータ単位を検出する検出手段と、 上記検出手段による制御信号によって、最尤復号に用い
    る尤度情報を所定の値に初期化する初期化手段と、 を具備したことを特徴とするディジタル信号復号装置。
  2. 【請求項2】 再生あるいは伝送された信号を等化し、
    特定のタイミングで信号の振幅情報を抽出し、この振幅
    情報からディジタル信号を復号するディジタル信号復号
    装置において、 孤立再生波が、情報ビット間隔よりも狭い範囲での複数
    の検出点で有意な値を持つように等化処理を行なう等化
    手段と、上記複数の検出点における 振幅情報を抽出する抽出手段
    と、 抽出された複数の振幅情報に対して所定の演算を行なう
    ことで、復号時の基準レベルを制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とするディジタル信号復号装置。
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