JP3237768B2 - 熱可塑性ポリエステルスクラツプからの芳香族酸のメチルエステル及びグリコールの回収 - Google Patents

熱可塑性ポリエステルスクラツプからの芳香族酸のメチルエステル及びグリコールの回収

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、高温で過剰のメタノール蒸気
によって熱可塑性ポリエステルスクラップを処理するこ
とによって前記スクラップから芳香族酸のメチルエステ
ル例えばジメチルテレフタレート及びグリコール例えば
エチレングリコールを回収する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】廃物のポリエステルからジメチルテレフ
タレート及びエチレングリコールを回収する方法は知ら
れている。例えば、米国特許第3,776,945号、
米国特許第3,488,298号及び米国特許第2,8
84,443号を参照せよ。’945特許においては、
ポリエステル廃物をメタノールによって処理してジメチ
ルテレフタレートを生成させ、次に過剰のメタノールを
蒸発させ、そして次にジメチルテレフタレート及びエチ
レングリコールを蒸発させる。’298特許は、ポリエ
ステルをメタノールによって処理することによってポリ
エステルを解重合させ、次にリン化合物を添加し、そし
て最後にメタノール、エチレングリコール及びジメチル
テレフタレートを蒸発させる。’443特許は、メタノ
ール、再エステル化触媒及び高沸点有機液体の存在下で
210℃未満の温度にポリエステルを加熱することによ
ってポリエステルを解重合させる。ジメチルテレフタレ
ートを、反応容器から結晶として分離する。
【0003】
【発明の要約】本発明の方法は、テレフタル酸及びグリ
コールのポリマーからジメチルテレフタレートを製造す
る方法であって、反応ゾーン中の該ポリマーを230℃
より高い温度でそして約15気圧未満の圧力でメタノー
ル蒸気によって処理すること、反応ゾーンからメタノー
ル、ジメチルテレフタレート及びグリコールの蒸気(こ
こで、該蒸気はジメチルテレフタレート1モルあたり少
なくとも約3モルのメタノールを含む)を連続的に除去
すること、該蒸気からメタノールを分離すること、並び
に蒸気からジメチルテレフタレートを分離することを有
して成る方法である。
【0004】
【詳細な説明】本発明は、臨界温度、即ち230℃より
高く加熱されたメタノール蒸気によってポリエステル樹
脂を解重合させることができ、そして生成するモノマー
である、ジメチルテレフタレート及びグリコール、通常
はエチレングリコールを、ジメチルテレフタレート1モ
ルあたり少なくとも3モルの量のメタノールで反応器か
ら取り出される蒸気中にメタノールが存在する場合に
は、メタノール蒸気と一緒の蒸気として反応器から連続
的に取り出すことができるという発見を基にしている。
{“臨界温度”という術語はその通常の技術的意味にお
いて使用される。それは、圧力を増すことによってメタ
ノールを液化することが可能ではない温度という230
℃である}。次に、反応器からの蒸気を分離カラム中で
凝縮によって分離するか、または冷却しそして結晶化し
たジメチルテレフタレートを、例えば、濾過によって分
離する。
【0005】反応器に供給される過剰のメタノール蒸気
は、キャリアーガスとして作用することによって反応器
からのジメチルテレフタレート蒸気の取り出しを助け
る。反応器を離れる蒸気がジメチルテレフタレート1モ
ルあたり少なくとも約5モルのメタノールを含むことが
好ましく、そしてジメチルテレフタレート1モルに対し
て100モルほど多量のメタノールのモル比でさえ有用
であることが示された。エチレングリコールを含むポリ
エステルに加えて、ブチレングリコールの単位を含むポ
リマーも解重合させそしてモノマーを本発明の方法によ
って回収することができる。
【0006】本発明の方法によって処理されるポリエス
テルポリマーは汚染物を含まないという必要はない。本
方法は、ポリエステル繊維とその他の繊維例えば綿との
ブレンド、金属被覆されているポリエステル、染色され
ているポリエステル、顔料添加されているポリエステ
ル、その他のプラスチックと混合されているポリエステ
ル等にも良く機能する。
【0007】もし所望ならば、反応器はまた、ポリエス
テルのための溶媒を含んでもよい。以下の実験13にお
いて示されるように、適切な溶媒は、メチル水素テレフ
タレート及びジメチルテレフタレートの混合物である。
その他の溶媒例えばジフェニル、ジフェニルエーテル、
ジフェニルメタンは、溶媒を用いない場合に用いられる
温度よりも幾らか低い温度で本方法を効率的に行うこと
を可能にする可能性がある。溶媒の非存在下では、反応
器の温度は、通常は、ポリエステルの融点より高く維持
される。この温度は、いずれにせよ、メタノールに関す
る臨界温度である230℃よりも常に高い。反応容器中
の圧力は、通常は、1〜約15気圧に維持される。約4
〜10気圧の圧力が好ましい。
【0008】本方法は、解重合触媒の使用を要求せず、
そしてかくして、モノマーを再び重合させる場合に、引
き続いて除去または中和しなければならないであろう1
以上の成分の導入を回避する。
【0009】
【実施例】図面中に示される装置中で解重合を実施し
た。反応器6に、表中に示されるポリエステルを仕込み
そして予備加熱されたサンドバス5中に入れた。メタノ
ールの流れをポンプ1を経由して開始した。ゲージ2を
使用して圧力を測定した。温度を熱電対7によって測定
した。流入ラインは圧力開放バルブ4を有し、そして出
口ラインは圧力制御バルブ3を有していた。実験の終に
は、全反応器流出物を秤量しそしてエステル及び利用で
きるグリコール含量を測定した。反応器を冷却し、分解
しそして残渣の量を測定した。種々のソースからのポリ
エチレンテレフタレートの解重合の結果を表中に示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0012】1)ポリオレフィンテレフタレートのポリ
マーからジメチルテレフタレートを製造する方法であっ
て、反応ゾーン中の該ポリマーを230℃より高い温度
でメタノール蒸気によって処理すること、反応ゾーンか
らメタノール、ジメチルテレフタレート及びオレフィン
グリコールの蒸気(ここで、該蒸気はジメチルテレフタ
レート1モルあたり少なくとも約3モルのメタノールを
含む)を連続的に除去すること、該蒸気からメタノール
を分離すること、並びにジメチルテレフタレートを回収
することを有して成る方法。
【0013】2)凝縮によって反応ゾーンに存在する蒸
気からメタノールを分離し、そして凝縮によってジメチ
ルテレフタレートを回収する、上記1に記載の方法。
【0014】3)反応ゾーンがまた、ポリオレフィンテ
レフタレートのための溶媒をも含む、上記1に記載の方
法。
【0015】4)該グリコールがエチレングリコールで
ある、上記1に記載の方法。
【0016】5)ポリオレフィンテレフタレートを約1
5気圧未満の圧力でメタノール蒸気によって処理する、
上記1に記載の方法。
【0017】6)該圧力が1〜15気圧である、上記5
に記載の方法。
【0018】7)凝縮によって該グリコールもまた回収
する、上記2に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに適切な反応器の一
部断面の図である。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 ゲージ 3 圧力制御バルブ 4 開放バルブ 5 サンドバス 6 反応器 7 熱電対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭54−3857(JP,B2) 特公 昭32−8069(JP,B1) 特表 平5−507910(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/82 C07C 31/20 C07C 67/03 C07C 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンテレフタレートのポリマ
    ーからジメチルテレフタレートを製造する方法であっ
    て、反応ゾーン中の該ポリマーを230℃より高い温度
    でメタノール蒸気によって処理すること、反応ゾーンか
    らメタノール、ジメチルテレフタレート及びオレフィン
    グリコールの蒸気(ここで、該蒸気はジメチルテレフタ
    レート1モルあたり少なくとも約3モルのメタノールを
    含む)を連続的に除去すること、該蒸気からメタノール
    を分離すること、並びにジメチルテレフタレートを回収
    することを有して成る方法。
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