JP3237667U - イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン性液体が塗布されている保護層を備える文化財の保護構造を提供する。【解決手段】イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、基材層1と、該基材層の上に形成される漆喰層2と、該漆喰層の上に形成される上絵層3と、該上絵層の上に形成される塗布層4と、該塗布層の上に形成され、成分にイオン性液体が含まれる保護層5と、を含む。【選択図】図1
Description
本考案は、主にイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造に関し、特に、イオン性液体が塗布されている保護層を備える文化財の保護構造に関する。
多くの寺院には、民話、又は忠誠心、親孝行、意気地、義侠心をテーマにした木器彩絵が多数あり、信者が寺院内に入って拝む時に、壮大な彩絵芸術を楽しむこともできる。信者は、拝む時に線香を焚いて祈ることで神や先祖への敬意を表す習慣があるが、線香の燃焼によるスート、空気中の粉塵、線香に含まれるタールが埃と結合して形成された汚れ、又はその他の不明な原因による染みが、木器彩絵に取り除きにくい汚れを付けることがある。
従来の清掃方法では、木器彩絵に付着する埃に対しては、軟質ブラシと吸引掃除機を併用して掻き取っていた。また、木器彩絵に付着する汚れに対しては、ブレード又はメス等の器具で乾式清掃を行うか、又は化学有機溶媒で湿式清掃を行っていた。線香中の炭素粒子及びタール等の有害物質による木器彩絵表面のスートに対しては、湿式直接清掃又は湿式間接清掃等の方法で清掃を行っていた。
しかしながら、古い木器彩絵は非常に壊れやすいため、上記の清掃方法で清掃する時に、わずかな不注意でも、木器彩絵の顔料がまだらになって脱落し、木器彩絵に損傷を与えるおそれがある。
以上に鑑みて、上記課題を解決できるイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造を提供する必要がある。
本考案の目的は、イオン性液体が塗布されている保護層により、埃、汚れ等の汚染物がイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造に吸着することを減少可能な、イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造を提供することである。
上記の目的を達成するために、本考案は、基材層と、該基材層の上に形成される漆喰層と、該漆喰層の上に形成される上絵層と、該上絵層の上に形成される塗布層と、該塗布層の上に形成され、成分にイオン性液体が含まれる保護層とを含む、イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造を提供する。
いくつかの実施例では、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、該保護層の上に形成される光触媒層をさらに含んでもよい。これにより、光触媒作用を生じることができ、汚れ除去、静菌及び抗菌の効果がある。
いくつかの実施例では、該光触媒層の成分はナノ酸化亜鉛を含む。
いくつかの実施例では、該塗布層の材質は、ポリウレタン塗料、ラッカー又はエポキシ樹脂を含む。これにより、上絵層の傷付き及び損傷を回避する効果がある。
いくつかの実施例では、該塗布層の成分は該イオン性液体を含む。これにより、埃が塗布層に付着しにくくなる効果がある。
いくつかの実施例では、該イオン性液体は1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートである。これにより、埃がイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造に付着することを防止する効果がある。
本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、イオン性液体成分を含む保護層を塗装することにより、埃が該イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造に付着しないようにすることができるという特徴を有する。これにより、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、保護機能を実現することができる。
以下において、図面を参照しながら本考案の実施例を詳細に説明する。図面は主に簡略化した模式図であり、本考案の基本構成を概略的に示すものに過ぎないため、これらの図面では、本考案に係る構成要素のみが示される。示されている構成要素は、実施時の数量、形状、寸法スケール等に応じて描かれたものではない。実際の実施時の規格寸法は選択的な設計であり、レイアウト形態がより複雑になることがある。
以下において、本考案が実施可能な特定の実施例を例示するために、図面を参照しながら各実施例を説明する。本考案に記載される「上」、「下」、「前」、「後」等の方向用語は、図面を参照した方向に過ぎない。従って、使用される方向用語は、本考案の説明及び理解のためのものであり、本考案を限定するものではない。また、本明細書において、用語「含む」は、反対として明示されない限り、示される構成要素を含むが、他の構成要素を除外しないことを意味すると理解される。
図1は、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造の第1実施例である。図1に示すように、該イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、基材層1、漆喰層2、上絵層3、塗布層4及び保護層5を含み、該基材層1、該漆喰層2、該上絵層3、該塗布層4及び該保護層5が順次積層される。
本考案では、該基材層1の外観態様は限定されない。本実施例では、該基材層1を矩形で説明する。該基材層1は、該イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造の基板とされる木製のものであり得る。
該漆喰層2の外観態様は、好ましくは該基材層1と同様であり、該基材層1の上に形成される。具体的には、該漆喰層2は、絵師が斧で木に切欠きを形成し、木の切欠きを大きく引き裂き、切欠き内に竹の釘を打ち、パテを調製し、パテを切欠き内に充填し、パテを平らにし、麻繊維をパテに貼り付け、麻繊維を研磨し、パテを麻繊維に塗り、中間層のパテを塗り、磨いたパテを塗り、そして桐油を浸透させる等の漆喰処理を該基材層1の上で実施することで形成されるものであってもよい。これらは本考案が属する技術分野における通常の知識に属し、当業者であれば理解可能である。
該上絵層3の外観態様は、好ましくは該基材層1と同様であり、該漆喰層2の上に形成される。具体的には、該上絵層3は、絵師が所望の色又は模様に応じて、該漆喰層2に直接塗装して形成されて、美観と装飾の機能を有する構造設計であり得る。
該塗布層4の外観態様は、好ましくは該基材層1と同様であり、該上絵層3の上に形成される。本実施例では、該塗布層4の成分は、エポキシ樹脂(Epoxy)、ポリウレタン塗料(Polyurethane)、又はラッカー(Lacquer)等の透明材料を含んでもよい。
該保護層5の外観態様は、好ましくは該基材層1と同様であり、該塗布層4の上に形成される。本実施例では、該保護層5の成分は、イオン性液体(Ionic liquid,IL)を含んでもよい。本実施例では、該イオン性液体は、BMIM-PF6とも別称される1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートであってもよく、該BMIM-PF6は、疎水性で水に溶けない粘稠無色のイオン性液体である。
図2は、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造の第2実施例である。本実施例では、該塗布層4の成分も、上記のイオン性液体を含み得る。
図3は、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造の第3実施例である。第1実施例と比較して、光触媒層6をさらに含んでもよい。該光触媒層6の外観態様は、好ましくは該基材層1と同様であり、該保護層5の上に形成される。本実施例では、該光触媒層6の成分はナノ酸化亜鉛を含んでもよく、これによって、紫外線による該上絵層3への損傷を回避する。
上述のように、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、イオン性液体成分を含む保護層を塗装することにより、埃が該イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造に付着しないようにすることができる。これにより、本考案のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造は、保護機能を実現することができる。
上記に開示された実施形態は、本考案の原理、特徴及びその効果を例示的に説明するものに過ぎず、本考案の実施可能な範囲を限定するものではない。当業者であれば、本考案の主旨及び範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対して修正や変更を加えることができる。本考案の開示内容に基づいて行われた同等の変更及び修正は、いずれも後述する登録請求の範囲に含まれると見なされるべきである。
1 基材層
2 漆喰層
3 上絵層
4 塗布層
5 保護層
6 光触媒層
2 漆喰層
3 上絵層
4 塗布層
5 保護層
6 光触媒層
Claims (6)
- 基材層と、
該基材層の上に形成される漆喰層と、
該漆喰層の上に形成される上絵層と、
該上絵層の上に形成される塗布層と、
該塗布層の上に形成され、成分にイオン性液体が含まれる保護層と、を含む、
イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。 - 該保護層の上に形成される光触媒層をさらに含む、請求項1に記載のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。
- 該光触媒層の成分はナノ酸化亜鉛を含む、請求項2に記載のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。
- 該塗布層の材質は、ポリウレタン塗料、ラッカー又はエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。
- 該塗布層の成分は該イオン性液体を含む、請求項4に記載のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。
- 該イオン性液体は1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートである、請求項1又は5に記載のイオン性液体保護層を備える文化財の保護構造。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW110211903U TWM625422U (zh) | 2021-10-08 | 2021-10-08 | 具離子液體保護層之文物自潔結構 |
TW110211903 | 2021-10-08 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3237667U true JP3237667U (ja) | 2022-05-30 |
Family
ID=81756794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022001034U Active JP3237667U (ja) | 2021-10-08 | 2022-04-01 | イオン性液体保護層を備える文化財の保護構造 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3237667U (ja) |
TW (1) | TWM625422U (ja) |
-
2021
- 2021-10-08 TW TW110211903U patent/TWM625422U/zh unknown
-
2022
- 2022-04-01 JP JP2022001034U patent/JP3237667U/ja active Active
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Publication number | Publication date |
---|---|
TWM625422U (zh) | 2022-04-11 |
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