JP3237620U - 空調衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】着用者に対する冷房と暖房とを互換的に便利良く行え、特に作業用のレインウェアとして有効な空調衣服を提供する。【解決手段】空調衣服は、着用者の上半身を包囲する身頃本体Aと、着用者の腰廻りを身頃本体Aと重畳的に包囲し得る腰ベルトから成り、着用者に対する冷房用送風ファンF1、F2が設置された第1腰ベルトB1と、同じく着用者に対する暖房用面状ヒーター71が設置された第2腰ベルトB2とを備え、各腰ベルトB1、B2の上端縁部を共通する身頃本体Aの中途高さ位置(H-H)へ内側から、互いに同じ着脱用具Sを介して着脱・交換自在に取り付けることにより、上記各腰ベルトB1、B2の下端縁部が何れも身頃本体Aの裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げる。【選択図】図22
Description
本考案は暑い環境下での着用による身体の冷房効果又は寒い環境下での着用による身体の暖房(保温を含む)効果を得られる空調衣服に関する。
この種の空調衣服又は冷・暖房衣服が特許文献1、2に開示されている。
特許文献1に記載の冷・暖房衣服ではその服本体(1)に対して、面状発熱体(遠赤外線放射シート)(2)と送風ファン(3)とが各々着脱自在に取り付けられており、その両者に共通する一台の携帯型二次電池(4)から面状発熱体(2)と送風ファン(3)へ、各々電力を供給することができるようになっている。
他方、特許文献2に記載の空調衣服ではその服本体部(11)に対して、空気導入手段(ファン)(2)の取り付け可能な第1着脱部(シート状部材)(12)と、その第1着脱部(12)と重なることによりファン取付孔(121)を被覆し得る第2着脱部(シート状部材)(13)とが、各々着脱自在に取り付けられるようになっている。
その場合、特許文献2の段落[0067]には「例えば、第1着脱部(12)及び/又は第2着脱部(13)に面状ヒーター等の暖め手段を設けて、ファンを駆動する電源を利用すれば、暖房用の衣服としても使用できる。」旨の記載がある。
そのため、特許文献1、2に記載された空調衣服又は冷・暖房衣服の何れにおいても、その服本体の用途を広く拡大できる利点があると言える。
ところが、特許文献1に記載された冷・暖房衣服の構成では、その服本体(1)から面状発熱体(遠赤外線放射シート)(2)と送風ファン(3)との何れか一方を取りはずし、残る他方を取り付けた状態のままとして、携帯型二次電池(4)から電力を供給することにより、冷房のみ又は暖房のみを行えるとしても、特にその冷房時送風ファン(3)の取付孔(吸気孔)が服本体(1)から外側に開口露呈するため、下着(内装着)としてのチョッキであればともかく、ジャンパーやコートなどの上着(外装着)に適用した場合、見栄え(意匠性)が悪くなるばかりでなく、雨水の浸入するおそれもある結果、レインウェアには到底適用実施することができない。
また、服本体(1)に対する面状発熱体(遠赤外線放射シート)(2)の取付部位と送風ファン(3)の取付部位とが相違する関係上、冷・暖房兼用型の衣服として使うことができるとしても、その兼用型として使う必要性や実益に乏しく、上記面状発熱体(2)と送風ファン(3)との何れに携帯型二次電池(4)が接続されているかを判別する手段や、その接続端子(8)(11)の電圧制御手段を装備する必要があることとも相俟って、製作コストがいたずらに高価となる問題もある。
他方、特許文献2に記載された空調衣服の構成によれば、第1着脱部(シート状部材)(12)に開口するファン取付孔(121)が第2着脱部(第1着脱部とほぼ同一形状のシート状部材)(13)によって、外側から被覆されるようになっているため、空調(冷房)使用時における見栄え(意匠性)の低下や雨水の浸入を招くおそれはないとしても、未だ次の諸問題がある。
つまり、服本体部(11)についてはその下端部の背面側に、台形や半円形、長方形などの特殊な凹状部(114)を形成する必要がある。しかも、その服本体部(11)の凹状部(114)に沿って、第1着脱部(12)を取り付けるための第1線ファスナー(第1取り付け手段)(115)のみならず、その外側へ第2着脱部(13)を取り付けるための第2線ファスナー(第2取付手段)(116)も並列設置しなければならない。左右一対の第1スナップボタン(117)も取り付ける必要がある。
また、上記第1着脱部(12)については服本体部(11)への空気導入用ファン(2)を取り付けるファン取付孔(121)と、その服本体部(11)の上記第1線ファスナー(115)と噛み合う第3線ファスナー(122)のほかに、上記服本体部(11)の第1スナップボタン(17)と係合する第2スナップボタン(123)も対応設置しなければならない。
更に、たとえ上記第1着脱部(12)とほぼ同一形状のシート状部材であるとしても、これに外側から重なるシート状部材の第2着脱部(13)を、特別に作成準備する必要があり、しかもその第2着脱部(13)には上記服本体部(11)の第2線ファスナー(116)と噛み合う第4線ファスナー(131)のみならず、同じく服本体部(11)の上記第1スナップボタン(117)と係合する第3スナップボタン(132)も取り付けなければならない。
その結果、言わば必要部品点数の非常に多い特殊な構成となって、製作上のコスト高を招くほか、その服本体部(11)に対する第1、2着脱部(12)(13)の着脱作業も著しく煩雑となり、却って便利良く使用することができない。
特に、服本体部(11)に第1、2線ファスナー(115)(116)を内外位置関係での2列として設置し、これらに第1着脱部(12)の第3線ファスナー(122)と第2着脱部(13)の第4線ファスナー(131)を、各々着脱自在に取り付けるようになっているため、その第1、2線ファスナー(115)(116)や第3、4線ファスナー(122)(131)を互いに同一の構成とした場合、その服本体部(11)に対する第1着脱部(12)の取付位置と第2着脱部(13)の取付位置とを間違うおそれがある。この点、第1、2着脱部(12)(13)を意図的に入れ替えて取り付け使用する必要性や実益に乏しい。
そして、このような間違いはファン取付孔(121)に代わる暖房用の面状ヒーターを第1着脱部(12)へ取り付けた構成において、頻発することが必至である。その面状ヒーターが取り付けられた第1着脱部(12)と、これが無い第2着脱部(13)とを、外側から一見して識別することは難しいからであり、たとえ第1、2線ファスナー(115)(116)について互いに異なる構成を採用したとしても、上記間違いを予防することはできない。
更に、空調(冷房)使用時に第1着脱部(12)のファン取付孔(121)を、外側から第2着脱部(13)によって被覆した場合、そのシート状部材の第2着脱部(13)は服本体部(11)から垂れ下がる状態のもとに、空気導入用ファン(2)の吸引力を受けて、同じくシート状部材の第1着脱部(12)へ密着する(張り付く)ことになり、そのファン取付孔(121)を施蓋してしまうため、ファン(2)の吸気作用に障害を与える問題もある。
本考案はこのような諸問題の解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な腰ベルトとから成り、
その腰ベルトの前身頃となる両端部に左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、同じく後身頃となる中央部に開口する所要数の送風ファン用通気口と、更に下端縁部に沿って延在する空気漏出防止用の伸縮材とを各々設置すると共に、
上記腰ベルトの上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、スライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱自在に取り付けることにより、その腰ベルトの下端縁部が上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げたことを特徴とする。
請求項2では腰ベルトの後身頃となる中央部に左右一対として並列する通気口の開口縁部へ、各々冷房用の送風ファンを着脱自在に挟み付け固定すると共に、
上記腰ベルトへ外側から取り付けた左右一対の下向き開口する半円錐形吸気誘導フードにより、その腰ベルトに付属する送風ファンを身頃本体との内外相互間に一定の通気空間が確保される状態に被覆して、
上記送風ファンがその吸気誘導フードの下方から腰ベルトの内側へ吸い込む空気により、着用者の身体を冷房するように定めたことを特徴とする。
請求項3では腰ベルトの前身頃となる左右何れか一方の端部付近へ、内側又は外側からバッテリ収納ポケットを取り付けると共に、
そのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリと、左右一対の送風ファンとを着脱自在の電気コードによって接続したことを特徴とする。
請求項4では腰ベルトの後身頃となる中央部に左右一対として並列する通気口の外側から、その腰ベルトへ各々下向き開口する半円錐形の吸気誘導フードを取り付ける一方、
同じく通気口の内側から上記腰ベルトへ、メッシュシート又はネットから成るファン収納ポケットを各々取り付けると共に、
そのファン収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリ一体内蔵型の冷房用送風ファンが、上記吸気誘導フードの下方から通気口並びにファン収納ポケットの網目を通じて腰ベルトの内側へ吸い込む空気により、着用者の身体を冷房するように定めたことを特徴とする。
請求項5ではファン収納ポケットを前後方向から見て有底の矩形に造形して、その左右両側辺と底面になる下辺を腰ベルトへ内側から各々縫い付けると共に、
上記ファン収納ポケットの開口面になる上辺と左右何れか一方又は双方の側辺に、スライドファスナーや面ファスナー、ハトメホック、その他の係脱可能な係止用具を各々取り付けたことを特徴とする。
請求項6では着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な腰ベルトとから成り、
その腰ベルトの前身頃となる両端部に左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、同じく少なくとも後身頃となる中央部に所要数の暖房用面状ヒーターとを各々設置すると共に、
上記腰ベルトの上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、スライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱自在に取り付けることにより、その腰ベルトの下端縁部が上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げたことを特徴とする。
請求項7では腰ベルトの前身頃になる左右何れかの一端部と後身頃になる中央部との2個所へ、前後一対として向かい合う面状ヒーターを内蔵設置したことを特徴とする。
請求項8では腰ベルトの前身頃となる左右何れか一方の端部付近へ、内側又は外側からバッテリ収納ポケットを取り付けると共に、
そのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリと、面状ヒーターとを着脱自在の電気コードによって接続したことを特徴とする。
請求項9では着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な互いに同じ大きさの第1、2腰ベルトとから成り、
その第1、2腰ベルトの各々前身頃となる両端部には左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、第1腰ベルトの下端縁部に沿って延在する空気漏出防止用の伸縮材とを設置すると共に、
上記第1腰ベルトの後身頃となる中央部には所要数の通気口を開口形成して、その各通気口の開口縁部へ冷房用の送風ファンを着脱自在に取り付けるか、又はその各通気口の内側から腰ベルトに取り付けた網目があるファン収納ポケットへ、冷房用の送風ファンを出し入れ自在に収納する一方、上記第2腰ベルトの少なくとも後身頃となる中央部には所要数の暖房用面状ヒーターを取り付けて、
上記第1、2腰ベルトの各々上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、互いに共通する同じスライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱・交換自在に取り付けることにより、その各腰ベルトの下端縁部が何れも上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げることを特徴とする。
請求項10では身頃本体が作業用レインウェアのそれとして、表面に撥水性と裏面に防水性とを付与された合成繊維の織布から成ることを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、身頃本体と別個な腰ベルトに開口する所要数の送風ファン用通気口へ、着用者の冷房用送風ファンを取り付けると共に、その腰ベルトを身頃本体の中途高さ位置へ着脱用具により吊り下げ状態に取り付け、更に腰ベルトを係止用具の係止により、着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合して、その着用者の腰廻りを冷房する空調衣服として使用できる効果がある。
しかも、その空調衣服としての使用中、上記身頃本体の中途高さ位置から吊り下がる腰ベルトは、その通気口も含む全体が外側から身頃本体によって包囲(被覆)されており、その腰ベルトの下端縁部は身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に保たれるため、上記通気口から腰ベルトの内側へ雨水が浸入したり、衣服自身の外観体裁(意匠性)が悪くなったりするおそれはない。
また、上記腰ベルトを身頃本体から取りはずすことにより、その言わば身頃本体のみから成る軽量な非空調の通常衣服として着用することもでき、利便性と用途の拡大に役立つ。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、上記腰ベルトの通気口を並列する左右一対として、その各通気口の開口縁部へ冷房用の送風ファンを着脱自在に挟み付け固定使用できるほか、上記腰ベルトとその外側から包囲(被覆)する身頃本体との内外相互間に、下向き開口する半円錐形をなす左右一対の吸気誘導フードが介在し、これによって一定の通気空間が確保されているため、その吸気誘導フードの下方から腰ベルトの内側に向かう上記送風ファンの吸気作用を円滑に安定良く営ませることもでき、上記身頃本体が送風ファンの空気(外気)吸引力を受けて腰ベルトに張り付くことにより、その上記通気口を施蓋してしまうおそれはない。
請求項3の構成を採用するならば、上記左右一対の通気口へ着脱自在に挟み付け固定した冷房用の送風ファンと、腰ベルトのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリとを、電気コードによって着脱自在に接続使用することができる。
また、請求項4の構成を採用するならば、電源になるバッテリと電気コードを介して接続する必要がある上記送風ファンに代えて、その接続配線の不要なバッテリ一体内蔵型の送風ファンを使用することができ、その送風ファンを腰ベルトに取り付けられたファン収納ポケットへ、出し入れ自在に便利良く収納し、これが腰ベルトの通気口とファン収納ポケットの網目を通じて、腰ベルトの内側へ吸い込む空気(外気)により、着用者を冷房し得る効果がある。
更に、請求項5の構成を採用するならば、上記腰ベルトに取り付けられたファン収納ポケットへ、バッテリ一体内蔵型の送風ファンを出し入れ自在に収納できるほか、その矩形なファン収納ポケットの開口面になる上辺と、左右何れか一方又は双方の側辺とに各々取り付けられた係止用具の係止状態を解除することにより、そのほぼ全開した腰ベルトの上記通気口へ、別個なバッテリとの接続配線が必要な別異の送風ファンも、容易に便利良く挟み付け使用することができ、対応性が広がる。
他方、請求項6の構成によれば、所要数の暖房(保温も含む)用の面状ヒーターが設置された別個な腰ベルトを、身頃本体の中途高さ位置へ着脱用具により吊り下げ状態に取り付けると共に、その腰ベルトをやはり係止用具の係止により、着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合して、その着用者の腰廻りを暖房・保温する空調衣服として使用できる効果がある。
しかも、その空調衣服としての使用中、着用者の腰廻りは上記身頃本体の中途高さ位置から吊り下がる腰ベルトと、その外側に垂れ下がる身頃本体との言わば二重壁により包囲(被覆)された状態にあるため、その腰ベルトの内側から暖気が外側へ逃げる(放熱する)おそれはなく、長く保温状態を持続できる効果もある。
また、上記腰ベルトの下端縁部は身頃本体の裾部から張り出し露呈しないように被覆されているため、その空調衣服としての外観体裁(意匠性)が悪くなることもない。
そして、上記腰ベルトを身頃本体から取りはずすことにより、あおの言わば身頃本体だけから成る軽量な非空調の通常衣服として着用することもできるのであり、利便性と用途の拡大に寄与する。
その場合、請求項7の構成を採用するならば、腰ベルトを着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合した時、その前後一対として向かい合う関係になる面状ヒーターにより、着用者の腰廻りを前側(腹側)と後側(背中側)から効率良く暖房・保温することができる。
請求項8の構成を採用するならば、腰ベルトのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリと、前後一対の面状ヒーターとを電気コードによって、着脱自在に接続使用することができ、便利である。
殊更、請求項9の構成によれば、冷房用の送風ファンを備えた第1腰ベルトと、暖房(保温)用の面状ヒーターを備えた第2腰ベルトとの2種が、その両者に共通する身頃本体の中途高さ位置へ、内側から同じ着脱用具を介して互換的に取り付けられるようになっているため、その第1腰ベルトを身頃本体へ取り付けることにより、着用者を冷房する空調衣服として使用できる一方、第2腰ベルトを同じく身頃本体へ取り付けることにより、着用者を暖房・保温する空調衣服として使用できるほか、その第1、2腰ベルトの何れも取りはずすことにより、その言わば身頃本体のみから成る非空調の通常衣服としても着用することができ、その選択し得る利便性と用途の拡大に著しく優れる。
また、上記第1、2腰ベルトは互いに同じ大きさとして、その何れも使用中外側から身頃本体によって包囲(被覆)され、その第1、2腰ベルトの下端縁部が身頃本体の裾部から張り出し露呈することはないため、常に一定不変の良好な外観体裁(意匠性)を得られる効果もある。
何れにしても、請求項10の構成を採用するならば、作業用レインウェアとして著しく有効な空調衣服を得られ、実益大である。
以下、図面に基づいて本考案に係る空調衣服の実施形態を詳述する。先ず、図1~13はその暑い環境下での作業用レインウェア(レインパーカー)に適用した第1実施形態を示しており、これは身頃本体(A)とヘッドフード(11)、左右一対の袖(12)、左右一対の襠(添え布)(13)並びにこれらと別個独立の腰ベルト(B)とから成る。
これらの構成部材は何れもポリエステルやナイロン、その他の伸縮性が比較的少ない合成繊維の織布から成り、その表面には撥水性が付与されている一方、裏面にはポリウレタン樹脂(PU)のラミネート又はコーティングやポリ塩化ビニール樹脂(PVC)のラミネート又はコーティングによる防水性が与えられている。
左右一対の上記襠(13)は何れも袖(12)の袖口部から身頃本体(A)における腰廻りの中途高さ位置(H-H)に至るまでの一定長さを有しており、上下方向への極めて細長い展開輪郭形状を呈する。
そして、その襠(13)は袖(12)の脇部と、身頃本体(A)における前身頃(10F)の体側部(横腹部)に沿って連続的に縫製されている。(14F)はその襠(13)における袖(12)の脇部と前身頃(10F)の体側部に沿って延在する前側縫製ラインを示している。
また、上記襠(13)は同じく袖(12)の脇部と、身頃本体(A)における後身頃(10R)の体側部(横腹部)に沿ってやはり連続的に縫製されている。(14R)はその襠(13)における袖(12)の脇部と、後身頃(10R)の体側部に沿って延在する後側縫製ラインである。
(15F)(15R)は上記前身頃(10F)と後身頃(10R)を含む身頃本体(A)と、左右一対の袖(12)とを連結するために斜め方向へ延在する前側縫製ライン並びに後側縫製ライン、(16)は前身頃(10F)における左右一対のポケット(図示省略)を開閉するスライドファスナー、(17)は上記ヘッドフード(11)の根元部を身頃本体(A)に縫い付ける首廻りの縫製ライン、(18)はそのヘッドフード(11)における中途高さ位置のほぼ水平な開閉用スライドファスナーであり、これによってヘッドフード(11)の約上半部を取りはずし開放することができるようになっている。
(19)は上記ヘッドフード(11)の裏布(内布)をなすメッシュシートであり、ヘッドフード(11)の約上半部を取りはずして、そのメッシュシート(19)を図3のように着用者の頭部へ被り、その上方から図外のヘルメットを被り使用することも可能である。(20)は上記ヘッドフード開閉用スライドファスナー(18)の防水カバーである。
また、(21F)は左右一対の襠(13)を連結する如く、上記身頃本体(A)における前身頃(10F)の胸部に延在するほぼ水平な前側縫製ライン、(21R)は上記斜め方向に延在する左右一対の後側縫製ライン(15R)を連結する如く、後身頃(10R)における背中の上部に延在するほぼ水平な後側縫製ラインであり、その前側縫製ライン(21F)と後側縫製ライン(21R)とはほぼ同じ高さに対応位置している。
(22)は上記身頃本体(A)における前身頃(10F)の開閉用スライドファスナーであり、その身頃本体(A)の中央縦断線上に沿って延在している。(23)はスライドファスナー(22)を被覆する防水カバーであって、そのスライドファスナー(22)における左右一対のテープ片(図示省略)と一緒に前身頃(10F)へ縫い付けられている。
更に、(24)は上記防水カバー(23)をスライドファスナー(22)の被覆状態に保つ雌雄一対の面ファスナーであり、その面ファスナー(24)の止着を解くことによって、上記スライドファスナー(22)をスライド操作することができる。
上記身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)から裾部までは着用者の腰廻りに対応位置する領域として、その腰廻りを外側から包囲(被服)するようになっている。しかも、その身頃本体(A)と別個な上記腰ベルト(B)が身頃本体(A)の内側において、その中途高さ位置(H-H)へ着脱自在に取り付けられ、自ずと吊り下がるようになっている。
つまり、(S)はその身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)へ内側から腰ベルト(B)を取り付けるための着脱用具であって、好ましくは図3~5のようなスライドファスナーから成り、その係脱自在に係止し合う一方(上側)のエレメント(務歯)(25U)が、テープ片(26U)を介して身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)へ横断状態に縫い付けられている。(27)はその直線的な縫製ラインであり、これに沿って延在する防水テープ(図示省略)を、その身頃本体(A)の裏側(内側)から貼り付けることが好ましい。
そして、そのスライドファスナー(S)の係脱自在に係止し合う他方(下側)のエレメント(務歯)(25D)は、やはりテープ片(26D)を介して腰ベルト(B)の上端縁部に沿い縫い付けられている。(28)はその直線的な縫製ラインであり、上記身頃本体(A)に対する縫製ライン(27)と平行に延在する。(29)は上記スライドファスナー(S)の腰ベルト(B)側に付属しているスライダー(操作摘まみ)である。
尚、身頃本体(A)に対する別個な腰ベルト(B)の着脱用具(S)としては、その腰ベルト(B)を取りはずすこともできる限り、上記スライドファスナーに代わる比較的係止力の強いベルクロファスナーや点在分布する複数のハトメホック(ドットボタン)などを採用しても良い。
何れにしても、身頃本体(A)の内側へ腰ベルト(B)を取り付けた使用状態では、着用者の腰廻りが内側の腰ベルト(B)とその外側の身頃本体(A)によって、重畳的に包囲(被覆)されることとなる。
その場合、図7、9から明白なように、その身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)から吊り下がる腰ベルト(B)の長さ(Y2)は、同じく中途高さ位置(H-H)から垂れ下がる身頃本体(A)の長さ(Y1)よりも短く、その腰ベルト(B)の下端縁部が身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈しない状態に保たれている。
そのため、身頃本体(A)の周囲から腰ベルト(B)を目視することはできず、その見栄え(意匠性)が悪化したり、その身頃本体(A)の外側から腰ベルト(B)の内側へ雨水が浸入したりするおそれはない。
しかも、ゴム紐やその他の伸縮材(30)が上記腰ベルト(B)の下端縁部に沿って設置されており、その下端縁部を着用者の腰廻りへ引き絞り密着させることによって、後述する送風ファン(扇風機)(F1)が身頃本体(A)における腰ベルト(B)の内側へ吸い込んだ空気(外気)をはらみ、その内側から外側へ空気が漏出することを防止している。
(31)は上記腰ベルト(B)の前身頃となる両端部に、左右一対として対応設置された係脱可能な係止用具であって、好ましくは図4、5のような点在分布する複数ずつのハトメホック(ドットボタン)から成り、これらを上記前身頃(10F)の中央縦断線上において係止する(咬み合わせる)ことにより、その腰ベルト(B)を着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合することができ、その係止(咬み合わせ)を解除して、身頃本体(A)の前身頃(10F)を開くことになる。尚、上記係止用具(31)としては図示のようなハトメホックに限らず、これに代わる面ファスナーなどを採用してもさしつかえない。
また、上記腰ベルト(B)の後身頃となる中央部には所要数の送風ファン(扇風機)用通気口(32)が、好ましくは図4~6のように並列する左右一対の円形な通気口(32)が開口分布されている。(33)はその各通気口(32)の開口縁部を補強するシートリングである。
しかも、その腰ベルト(B)における各通気口(32)の外側からは、冷房用送風ファン(扇風機)(F1)の吸気誘導フード(34)が取り付けられている一方、同じく腰ベルト(B)における各通気口(32)の内側からは、そのファン収納ポケット(35)が取り付けられており、ここに収納された送風ファン(F1)が吸気誘導フード(34)の下方から、上記腰ベルト(B)の内側へ吸い込む空気(外気)によって、着用者の身体(上半身)を冷房することができるようになっている。
即ち、これらの設置状態を示した図4~9において、(36)は左右一対の吸気誘導フード収納ポケットであって、前後方向から見て矩形をなし、その下辺を除く上辺と左右両側辺との3辺が、腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に外側から各々縫い付けられている。(37)はその縫製ラインである。
これに比し、上記送風ファン(F1)の吸気誘導フード(34)は前後方向から見てのほぼ等脚台形として、EVA発泡体やその他の弾性変形可能な軽い板材から造形されており、これをその上記収納ポケット(36)へ抜き差し自在に差し込めば、その過程において自ずと図8、9のような下向き開口する半円錐形に弯曲(変形)し、その復元突っ張り力によって上記収納ポケット(36)の内部へ脱落不能に取り付け保持されるようになっている。
この点、図示の実施形態では吸気誘導フード収納ポケット(36)の開口下端部を吸気誘導フード(34)の下辺受け止め片(38)として、内向きの折り曲げ状態に保つと共に、吸気誘導フード(34)とその収納ポケット(36)とをハトメホック(ドットボタン)(39)によって係脱自在に係止している。
何れにしても、上記吸気誘導フード(34)の取付状態では腰ベルト(B)と、これを包囲(被覆)する身頃本体(A)との内外相互間に、その腰ベルト(B)に付属した半円錐形の吸気誘導フード(34)が介在することになるため、身頃本体(A)が上記送風ファン(F1)の空気吸引力を受けて、腰ベルト(B)に密着する(張り付く)ことにより、その上記通気口(32)を施蓋してしまうおそれなく、必ず一定の通気空間(D1)が確保されるのであり、その結果吸気誘導フード(34)の下向き開口から送風ファン(F1)へ、図9の矢印(Z1)で示す如く充分な空気(外気)の吸い込み作用を営ませることができる。
他方、上記腰ベルト(B)における各通気口(32)の内側に存在するファン収納ポケット(35)は、図5、7のような前後方向から見ての上向き拡開するほぼ倒立等脚台形や上下方向に細長い矩形として、網目(通気孔)を有する合成繊維のメッシュシート又はネットから造形されており、その左右両側辺だけが腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に内側から各々縫い付けられている。(40)はその縫製ラインを示している。
その場合、ファン収納ポケット(35)の底面となる下辺はその底面を奥行寸法の大きなほぼ長方形に区成するため、上記左右両側辺に縫い付けられた別個なファン受け止めバンド(41)によって、送風ファン(F1)を下方から支持できる状態に保っているが、このような別個なファン受け止めバンド(41)を備えた有底のファン収納ポケット(35)に代えて、上記ファン収納ポケット(35)の左右両側辺のみならず、下辺も含む3辺を腰ベルト(B)へ内側から縫い付けても良い。
(42)は上記ファン収納ポケット(35)における送風ファン(F1)の出し入れ口となる上辺を開閉するためのハトメホック(ドットボタン)であるが、これに代わる面ファスナーやその他の係脱可能な係止用具を採用しても良い。
特に、図7と対応する図14の部分変形実施形態に示す如く、そのファン収納ポケット(35)における上辺の開閉用ハトメホック(42)又は面ファスナーのみならず、左右両側辺の何れか一方又は双方を開閉することができるスライドファスナー(43)も設置することが好ましい。
そうすれば、上記ファン収納ポケット(35)のハトメホック(42)又は面ファスナーの係止状態を解除すると共に、スライドファスナー(43)を下方へスライド操作して、腰ベルト(B)からファン収納ポケット(35)を引き離し展開することにより、その腰ベルト(B)の上記通気口(32)をほぼ全開させることができ、その結果その通気口(32)の開口縁部へ図外の送風ファンを、そのファン収納ポケット(35)に言わば邪魔されることなく、自由に便利良く取り付け又は取りはずすことも可能となる。
(44)はその図外の送風ファンに必要な電源となるバッテリの収納ポケットであり、図5に示すように上記腰ベルト(B)の前身頃となる左右何れかの一端部に内側又は外側から縫い付けられている。(45)は上記通気口(32)に取り付けられた図外の送風ファンと、そのバッテリ収納ポケット(44)に収納された図外のバッテリとを接続する電気コードの通し込み用コードホルダーであり、上記腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に内側又は外側から縫い付けられている。
更に、上記身頃本体(A)における後身頃(10R)の背中と対応位置する上部中央には、図3、5、10、11のような一定長さ(L)の弛み形成バンド(46)が両肩部を結ぶ高さ位置での水平線上に沿って延在する橋渡し状態に架設されている。
つまり、身頃本体(A)の中央縦断線とほぼ直交する水平な弛み形成バンド(46)の左右両端部が、その後身頃(10R)に内側から縫い付けられており、その予め適当に設定された一定長さ(L)での引張り力によって、後身頃(10R)の上部中央位置に上下方向から見てほぼ三日月形又は弓形の通気空間(D2)となる弛み部(47)を弯曲形成しているのである。
その後身頃(10R)に弛み部(47)を形成する一定長さ(L)の上記バンド(46)は、着用者の背中と接触するため、その背後に図10の鎖線で示すような通気空間(D2)が形成されることとなる。(48)はその後身頃(10R)に対する弛み形成バンド(46)の縫製ラインを示している。
そして、上記送風ファン(F1)がその吸気誘導フード(34)の下方から腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に開口分布する通気口(32)と、その腰ベルト(B)に付属しているファン収納ポケット(35)の網目(通気孔)を経て、腰ベルト(B)の内側へ吸い込んだ空気(外気)を、図10の矢印(Z2)で示すように、その身頃本体(A)における後身頃(10R)の弛み形成バンド(46)によって弯曲形成された弛み部(47)の通気空間(D2)から、着用者の首廻りを指向する上方へ円滑に誘導・送出させることができるようになっている。
着用者の頭部が上記ヘッドフード(11)やこれに代わる図外のヘルメットによって被覆されている場合には、上記送風ファン(F1)から上方へ誘導される空気が、その着用者の首廻りから引き続きヘッドフード(11)やヘルメットの内部へ送出されることになり、その頭部を背後から冷却することができる。
上記第1実施形態の送風ファン(扇風機)(F1)は電気配線不要(所謂コードレス)なバッテリ一体内蔵型の合成樹脂製品であって、図12、13のような排気側になる円形のリヤーガード(ファン本体)(49)と、吸気側になる対応的な円形のフロントガード(ファンカバー)(50)とから組み立てられており、その分解も行えるようになっている。
リヤーガード(49)は断面コ字形をなし、その内側には軸流ファン(ファンブレード)(51)とその回転駆動用モーター(52)が格納設置されていると共に、その円形中心部から周縁部に向かって多数のスポーク(53)が放射状に派出している。
(54)は上記リヤーガード(49)の外周面から連続一体に張り出し形成されたバッテリ収納ボックスであって、前後方向から見てほぼU字形をなし、その内部にはバッテリ(55)と制御回路基板(プリント配線基板)(56)が格納設置されている。そのバッテリ(55)としてはリチウムイオン電池のみに限らず、ニッケル・カドミウム蓄電池やその他の二次電池を採用することができる。
そして、図示省略してあるが、上記モーター(52)側の端子とバッテリ(55)側の電極とは、制御回路基板(56)を介して接続配線されている。その配線(リード線)はバッテリ収納ボックス(54)内の制御回路基板(56)から、リヤーガード(49)の外周面(円弧面)と上記スポーク(53)を貫通して、ファン回転駆動用モーター(52)に到達している。
(57)は上記バッテリ収納ボックス(54)の開閉用カバープレートであり、固定ビス(58)によって着脱自在に取り付けられている。(59)(60)は上記制御回路基板(56)上に並列する電源スイッチと複数の風力(風量)表示ランプ(LEDランプ)であり、その電源スイッチ(59)を上記バッテリ収納ボックス(54)における平坦面の外側から長押しすることによって、送風ファン(F1)をオン・オフ(起動・停止)操作するようになっている。
他方、上記送風ファン(F1)のフロントガード(50)はリヤーガード(49)と向かい合う断面コ字形をなし、そのフロントガード(50)の外周面に設置された雄ネジ(61)と、リヤーガード(49)の内周面に対応形成された雌ネジ(62)とが、着脱自在に螺合締結されている。(63)はフロントガード(50)の円形中心部から周縁部に向かって放射状に派出する多数のスポークであり、上記リヤーガード(49)のスポーク(53)と相俟って軸流ファン(ファンブレード)(51)を安全に防護している。
本考案の第1実施形態に係る作業用レインウェアとして具体化された空調衣服は、上記構成を備えており、これを例えば降雨時の屋外作業に供するに当たっては、図3、4のように、その身頃本体(A)における中途高さ位置(H-H)の内側に列設されている着脱用具(スライドファスナー)(S)のエレメント(務歯)(25U)へ、別個な腰ベルト(B)の上端縁部に列設されている同じく着脱用具(スライドファスナー)(S)の対応的なエレメント(務歯)(25D)を、そのスライダー(29)のスライド操作により係脱自在に係止させて、その腰ベルト(B)を上記身頃本体(A)から図5のような吊り下がる状態に保つ。
そして、その身頃本体(A)を着用した後、腰ベルト(B)をその係止用具(ハトメホック又は面ファスナー)(31)の係止により、着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合する。しかも、その腰ベルト(B)に付属しているファン収納ポケット(35)へ予めか又は身頃本体(A)の着用後に、上記バッテリ一体内蔵型の送風ファン(扇風機)(F1)を差し込み収納し、そのファン(F1)を起動させれば、これによって空気(外気)が図9のように上記吸気誘導フード(34)の下方から、腰ベルト(B)の通気口(32)並びにファン収納ポケット(35)の網目を通じて、その腰ベルト(B)の内側へ吸い込まれ、着用者の背中と後身頃(10R)との相互間隙を自ずと上方へ流動して、その後身頃(10R)の上部中央に弯曲形成された弛み部(47)の通気空間(D2)から、着用者の首廻りに至るまでの上半身を効率良く冷房することができる。
その際、上記送風ファン(F1)はバッテリ一体内蔵型として、別個なバッテリと接続配線する電気コードが無いため、その断線やその他の支障を生じるおそれはなく、またそのファン収納ポケット(35)の出し入れ口がハトメホック(42)又は面ファスナーによって閉止されているため、着用者の作業姿勢が大きく変化しても、そのポケット(35)から送風ファン(F1)の脱落するおそれもない。
更に、上記身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)から吊り下がる腰ベルト(B)は、その身頃本体(A)による外側からの包囲(被覆)状態にあり、しかもその腰ベルト(B)の伸縮材(30)が設置された下端縁部は、身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈することもないので、腰ベルト(B)の上記通気口(32)から内側へ雨水が浸入したり、空調衣服としての見栄え(意匠性)が悪くなったりするおそれはなく、上記腰ベルト(B)と身頃本体(A)との内外相互間に送風ファン(F1)の吸気誘導フード(34)が、図8、9のように介在することとも相俟って、そのファン(F1)の吸気作用を常時円滑に安定良く営ませることができ、優れた冷房効果を得られる。
そして、着用者の身体を冷房する必要がなく、通常の非空調衣服として使用する場合には、上記着脱用具(スライドファスナー)(S)におけるエレメント(務歯)(25U)(25D)同士の係止状態を解除して、その身頃本体(A)から腰ベルト(B)を取りはずせば良い。
そうすれば、上記身頃本体(A)だけの軽量な衣服として着用することができると共に、その衣服や上記腰ベルト(B)を容易に洗濯したり、小型扁平に折りたたんだりすることもでき、著しく便利である。
先には図1~13に基づいて、腰ベルト(B)における各通気口(32)の内側から取り付けたファン収納ポケット(35)へ、バッテリ一体内蔵型の送風ファン(扇風機)(F1)を出し入れ自在に収納する構成を説明したが、その図6~9と対応する図15~18の別な変形実施形態に示す構成を採用しても良い。
つまり、その採用する送風ファン(扇風機)(F2)はバッテリ一体内蔵型でなく、使用上別個なバッテリ(64)と電気コード(65)を介して接続配線する必要がある合成樹脂製品であり、腰ベルト(B)に開口する各通気口(32)へ外側(吸気側)から差し込まれる固定リング(66)と、その固定リング(66)の胴面へ同じく腰ベルト(B)の内側(排気側)から螺合締結されるファン本体(67)とを備えている。
そして、そのファン本体(67)と固定リング(66)とを相対的に螺進すれば、そのファン本体(67)の張り出しフランジ(68)と固定リング(66)に対応する張り出しフランジ(69)とによって、腰ベルト(B)における各通気口(32)の開口縁部を挟み付け固定するようになっている。そのため、上記ファン本体(67)と固定リング(66)とを相対的に螺進することにより、腰ベルト(B)の各通気口(32)から送風ファン(F2)を取りはずし交換することができる。図6~9のようなバッテリ一体内蔵型の送風ファン(F1)を出し入れするための特別なファン収納ポケット(35)は設置されていないのである。
尚、上記送風ファン(F2)の左右一対は図15のように所要長さの電気コード(65)を介して、バッテリ(64)と接続配線されることになり、そのバッテリ(64)を電源として送風ファン(F2)の軸流ファン(ファンブレード)(70)が、回転駆動されることは言うまでもない。そのバッテリ(64)の収納ポケット(44)は図5に基づいて既述のとおり、腰ベルト(B)の前身頃となる左右何れかの一端部に、また電気コード(65)の通し込み用コードホルダー(45)は同じく腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に、各々内側又は外側から縫い付けられている。
図15~18の変形実施形態におけるその他の構成は図1~13に説示したそれと実質的に同一であるため、図15~18に対応する同一の符号を記入するにとどめて、その構成の詳細な説明を省略する。
その場合、特に図14の部分変形実施形態に示したファン収納ポケット(35)の構成を採用するならば、既に一言したとおり、そのファン収納ポケット(35)へバッテリ一体内蔵型の送風ファン(F1)を出し入れ自在に収納する使用法のほかに、その腰ベルト(B)に開口する通気口(32)の開口縁部へ、図15~18のような形態の異なる送風ファン(F2)を着脱自在に挟み付け固定し、電気コード(65)を介してバッテリ(64)と接続配線する使用法も行えるため、その使い分けできる利便性があり、対応性も広がる。
次に、図19~21は寒い環境下での作業用レインウェアに適用した本考案の第2実施形態を示しており、その構成上図1~13の上記第1実施形態と共通する点については、その図19~21に図1~13と同一の符号を記入するにとどめて、その構成の説明を省略し、上記第1実施形態と異なる構成を主として説明する。
つまり、本考案の第2実施形態に係る空調衣服(作業用レインウェア)の身頃本体(A)も、その中途高さ位置(H-H)にやはり内側から腰ベルト(B)を取り付けるための着脱用具(好ましくはスライドファスナー)(S)における一方(上側)のエレメント(務歯)(25U)が、テープ片(26U)を介して縫い付けられているけれども、その縫製ライン(27)は比較的短く、図19のように前身頃(10F)の左右何れか一端部では欠落した状態にある。
また、その身頃本体(A)の後身頃(10R)には上記第1実施形態のような通気空間(D2)を確保するための弛み形成バンド(46)が、縫い付けられていない。
他方、身頃本体(A)と別個な腰ベルト(B)の下端縁部には、上記第1実施形態のような伸縮材(30)が列設されていないが、これを設置することによって、腰ベルト(B)の内側から暖気(熱気)が外側へ漏出(放熱)しないように防止しても良い。
上記着脱用具(スライドファスナー)(S)における他方(下側)のエレメント(務歯)(25D)は、やはりテープ片(26D)を介して腰ベルト(B)の上端縁部に沿って縫い付けられているが、その縫製ライン(28)も対応的に短く、図20のように腰ベルト(B)の前身頃となる左右何れかの一端部では欠落した状態にある。
そして、その身頃本体(A)と別個な腰ベルト(B)の後身頃になる中央部と、同じく前身頃になる左右何れか一端部との2個所には、暖房用の面状ヒーター(71)が内蔵(封入)設置されており、腰ベルト(B)をその左右両端部にある係止用具(ハトメホック又は面ファスナー)(31)の係止によって、着用者の包囲状態に巻き曲げ閉合した時、その2個所の面状ヒーター(71)が前後一対として向かい合う位置関係になり、着用者の腰廻りを前側(腹側)と後側(背中側)から効率良く暖房・保温することができるようになっている。
但し、上記第1実施形態の送風ファン(扇風機)(F1)(F2)が空気(外気)を吸い込む通気口(32)の構成に準じて、その第2実施形態の面状ヒーター(71)を腰ベルト(B)の後身頃となる中央部に並列する左右一対(2個)(図23を参照)や、加熱有効面積の広大な1個、その他の所要数だけ設置しても良い。
その場合、面状ヒーター(71)としてはPTC面状発熱シート(フェバーヒーター)やグラフトカーボンヒーター、シリコンラバーヒーター、その他の電気的発熱体を採用することができるが、特に自己温度制御機能を有する点で安全なPTC面状発熱シートの採用が望ましい。
その面状ヒーター(71)と所要長さの電気コード(65)を介して接続されるバッテリ(64)の収納ポケット(44)は、上記第1実施形態の変形実施形態における送風ファン(F2)のバッテリ収納ポケット(44)と同じく、図21のように腰ベルト(B)の前身頃となる左右何れかの他端部へ、内側又は外側から縫い付けられている。(72)は上記面状ヒーター(71)に通電するための電源スイッチであり、腰ベルト(B)における好ましくは上記バッテリ収納ポケット(44)の近辺に設置されている。
このような第2実施形態の空調衣服(作業用レインウェア)を降雨時の屋外作業に供する場合には、上記第1実施形態のそれと同じく、その身頃本体(A)における中途高さ位置(H-H)の内側に列設されている着脱用具(スライドファスナー)(S)のエレメント(務歯)(25U)へ、別個な腰ベルト(B)の上端縁部に列設されている同じ着脱用具(スライドファスナー)(S)の対応的なエレメント(務歯)(25D)を、そのスライドファスナー(29)のスライド操作により係脱自在に係止させて、その腰ベルト(B)を上記身頃本体(A)から吊り下がる状態に保つ。
そして、その身頃本体(A)を着用した後、腰ベルト(B)の左右両端部に対応設置されている係止用具(ハトメホック又は面ファスナー)(31)の係止によって、着用者の腰廻りを包囲する状態に巻き曲げ閉合し、電源スイッチ(72)のオン操作により面状ヒーター(71)を発熱させれば、着用者の腰廻りをすばやく暖房・保温することができる。
その使用中、上記身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)から吊り下がる腰ベルト(B)と、その外側に自ずと垂れ下がる身頃本体(A)との言わば内外二重壁により、着用者の腰廻りが包囲(被覆)された状態にあるため、上記面状ヒーター(71)による暖気が腰ベルト(B)の内側から外側へいたずらに放熱するおそれはなく、その暖房の効率化と保温状態の持続に役立つ。
また、上記腰ベルト(B)の下端縁部はその外側から身頃本体(A)によって包囲(被覆)されており、その身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈していないので、腰ベルト(B)の内側へ雨水が浸入したり、空調衣服としての外観(意匠性)が悪くなったりするおそれもない。
そして、着用者の身体を暖房・保温する必要がなく、通常の非空調衣服として使用する場合には、上記着脱用具(スライドファスナー)(S)におけるエレメント(務歯)(25U)(25D)同士の係止状態を解除して、その身頃本体(A)から腰ベルト(B)を取りはずせば良い。
そうすれば、上記第1実施形態の空調衣服(作業用レインウェア)と同じく、身頃本体(A)だけの軽量な衣服として着用することができ、その衣服を容易に洗濯したり、小型扁平に折りたたんだり、上記腰ベルト(B)だけを新品と交換したりすることもでき、著しく便利である。
本考案の空調衣服として、図1~18の第1実施形態では暑い環境下での冷房可能な作業用レインウェアを説示し、また図19~21の第2実施形態では寒い環境下での暖房(保温を含む)可能な作業用レインウェアを説示したが、冷房と暖房に互換使用できる兼用型の空調衣服として構成しても良い。
つまり、図22、23は本考案の第3実施形態として、作業用レインウェアに適用した冷・暖房兼用型の空調衣服を示しており、その構成上図1~21の上記第1、2実施形態と共通する点については、その図22、23に図1~21と同一の符号を記入して、第3実施形態の構成を要約説明すると、その第3実施形態でも身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)には第1、2実施形態と同じく、腰ベルト(B)を取り付けるための着脱用具(好ましくはスライドファスナー)(S)における一方(上側)のエレメント(務歯)(25U)が、そのテープ片(26U)を介して内側から縫い付けられている。
他方、上記身頃本体(A)と別個な腰ベルト(B)としては、上記第1実施形態に例示するような冷房用の送風ファン(扇風機)(F)を備えた第1腰ベルト(B1)と、上記第2実施形態に例示するような暖房・保温用の面状ヒーター(71)を備えた第2腰ベルト(B2)との2種が作成用意されている。
しかも、その第1、2腰ベルト(B1)(B2)の上端縁部には、上記着脱用具(スライドファスナー)(S)における一方(身頃本体側)のエレメント(務歯)(25U)と係脱自在に係止し得る他方(下側)となるエレメント(務歯)(25D)が、テープ片(26D)を介してやはり内側から縫い付けられている。その第1、2腰ベルト(B1)(B2)の上端縁部に沿って延在するエレメント(務歯)(25D)は互いに同一であり、その両者に共通する上記身頃本体(A)側のエレメント(務歯)(25U)へ互換性をもって、着脱・交換自在に取り付け使用され、何れも身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)から吊り下がるようになっている。
その場合、第1、2実施形態と同様に、その第1、2腰ベルト(B1)(B2)の下端縁部は何れも身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈せず、必ず身頃本体(A)によって外側から包囲(被覆)されるようになっており、その意味において第1、2腰ベルト(B1)(B2)は互いに同じ大きさに形成されているのである。
この点、図示の第3実施形態では身頃本体(A)における後身頃(10R)の上部中央位置に、上記第1実施形態と同じ機能を発揮する弛み形成バンド(46)が設置されており、その身頃本体(A)に冷房用の第1腰ベルト(B1)を取り付け使用した時、送風ファン(扇風機)(F1)(F2)によって第1腰ベルト(B1)の内側へ吸い込まれた空気(外気)が、着用者の背中に沿って上方へ流動し、その弯曲形成された弛み部(47)の通気空間(Z2)を経て、着用者の首廻りへ誘導・送出されるようになっている。
また、その第1腰ベルト(B1)に開口分布する左右一対の通気口(32)へ、各々内側から取り付けられたファン収納ポケット(35)は、上記第1実施形態の部分変形実施形態として図14に示した片側辺の開閉用スライドファスナー(43)を具備しており、そのスライド操作と上辺開閉用ハトメホック(42)の解除を行って、ファン収納ポケット(35)を腰ベルト(B1)から引き離し展開することにより、そのぼぼ全開状態になった上記通気口(32)へ、別個なバッテリ(64)と電気的に接続使用される送風ファン(扇風機)(F2)を、容易に挟み付けることができるようになっている。
他方、暖房用の第2腰ベルト(B2)には上記第2実施形態の腰ベルト(B)と異なって、その後身頃となる中央部に左右一対の面状ヒーター(71)が並列設置されており、これによって着用者の腰廻りを暖房・保温することができるようになっている。
その他の構成として、第1、2腰ベルト(B1)(B2)の前身頃となる両端部には係脱可能な左右一対の係止用具(ハトメホック)(31)が、同じく前身頃となる左右何れかの一端部にはバッテリ収納ポケット(44)が、更に後身頃となる中央部には電気コード(65)の通し込み用コードホルダー(45)が、各々設置されているほか、特に冷房用第1腰ベルト(B1)の下端縁部に沿って、その絞り用伸縮材(30)が列設されてもいる。
このような第1、2腰ベルト(B1)(B2)が具備する構成としては、その身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)へ取り付けるための着脱用具(S)が互いに同一であって、互換的に取り付け又は取りはずすことができ、またその取り付け使用状態において、第1、2腰ベルト(B1)(B2)の下端縁部が両者に共通する身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈しない限り、上記通気口(32)と面状ヒーター(71)の個数や配置、係止用具(31)の種別、その他の構成に相違変化があっても良く、自由に構成できることである。
本考案の第3実施形態に係る作業用レインウェアとして具現化された空調衣服(冷・暖房衣服)は、上記構成に備えているため、これを暑い環境下での屋外作業に供する場合には、その身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)に列設されている着脱用具(スライドファスナー)(S)のエレメント(務歯)(25U)へ、別個な第1腰ベルト(B1)の上端縁部に沿って列設されている同じ着脱用具(S)の対応的なエレメント(務歯)(25D)を、スライダー(29)の操作により係脱自在に係止させて、その第1腰ベルト(B1)を身頃本体(A)の内側において吊り下がる状態に保てば良い。
そうすれば、上記第1実施形態やその変形実施形態の空調衣服(作業用レインウェア)と同様にして、そのバッテリ一体内蔵型の送風ファン(F1)や別個なバッテリ(64)と電気コード(65)を介して接続使用される送風ファン(F2)により、着用者の腰廻りから首廻りまでの上半身を有効に冷房することができる。
また、同じく上記空調衣服(冷・暖房衣服)を寒い環境下での屋外作業に供するに当たっては、共通する同じ身頃本体(A)の中途高さ位置(H-H)にある上記着脱用具(S)のエレメント(務歯)(25U)へ、第1腰ベルト(B1)に代わる第2腰ベルト(B2)の上端縁部に列設されている対応的なエレメント(務歯)(25D)を、やはり係脱自在に係止させることにより、その身頃本体(A)の内側において吊り下がる状態に保つのである。
そうすれば、上記第2実施形態の空調衣服(作業用レインウェア)と同様に、その別個なバッテリ(64)と電気コード(65)を介して接続使用される面状ヒーター(71)により、着用者の腰廻りを有効に暖房・保温することができる。
更に、上記着脱用具(スライドファスナー)(S)の係止状態を解除し、身頃本体(A)から第1、2腰ベルト(B1)(B2)の何れも取りはずすことにより、その言わば身頃本体(A)だけから成る衣服を、非空調の軽量な通常衣服として着用することもでき、その3仕様の使い分けを行える利便性があり、用途の拡大にも寄与する。
その空調衣服の共通する身頃本体(A)に対して、冷房用の第1腰ベルト(B1)を取り付けた使用状態と、暖房(保温を含む)用の第2腰ベルト(B2)を取り付けた使用状態と、その何れも取り付けない身頃本体(A)だけでの使用状態との何れにおいても、その衣服の外観体裁(意匠性)は一定不変であり、上記第1、2腰ベルト(B1)(B2)は外側から身頃本体(A)によって包囲(被覆)され、その下端縁部が身頃本体(A)の裾部から張り出し露呈しないため、常に好体裁の外観(意匠性)を得られる効果もある。
尚、作業用レインウェアを好適な実施形態として、本考案に係る空調衣服の具体的構成を詳述したが、レインウェア以外のあらゆる通常衣服に本考案を適用できることは言うまでもない。
(10F)・・・前身頃
(10R)・・・後身頃
(25U)(25D)・・・スライドファスナーのエレメント(務歯)
(26U)(26D)・・・テープ片
(29)・・・スライダー
(30)・・・伸縮材
(31)・・・係止用具
(32)・・・通気口
(34)・・・吸気誘導フード
(35)・・・ファン収納ポケット
(36)・・・吸気誘導フード収納ポケット
(42)・・・ハトメホック
(43)・・・スライドファスナー
(44)・・・バッテリ収納ポケット
(45)・・・コードホルダー
(46)・・・弛み形成バンド
(64)・・・バッテリ
(65)・・・電気コード
(71)・・・面状ヒーター
(72)・・・電源スイッチ
(A)・・・身頃本体
(B)・・・腰ベルト
(B1)・・・第1腰ベルト
(B2)・・・第2腰ベルト
(D1)(D2)・・・通気空間
(F1)(F2)・・・送風ファン
(H-H)・・・身頃本体の中途高さ位置
(S)・・・着脱用具
(Y1)・・・身頃本体の長さ
(Y2)・・・腰ベルトの長さ
(10R)・・・後身頃
(25U)(25D)・・・スライドファスナーのエレメント(務歯)
(26U)(26D)・・・テープ片
(29)・・・スライダー
(30)・・・伸縮材
(31)・・・係止用具
(32)・・・通気口
(34)・・・吸気誘導フード
(35)・・・ファン収納ポケット
(36)・・・吸気誘導フード収納ポケット
(42)・・・ハトメホック
(43)・・・スライドファスナー
(44)・・・バッテリ収納ポケット
(45)・・・コードホルダー
(46)・・・弛み形成バンド
(64)・・・バッテリ
(65)・・・電気コード
(71)・・・面状ヒーター
(72)・・・電源スイッチ
(A)・・・身頃本体
(B)・・・腰ベルト
(B1)・・・第1腰ベルト
(B2)・・・第2腰ベルト
(D1)(D2)・・・通気空間
(F1)(F2)・・・送風ファン
(H-H)・・・身頃本体の中途高さ位置
(S)・・・着脱用具
(Y1)・・・身頃本体の長さ
(Y2)・・・腰ベルトの長さ
Claims (10)
- 着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な腰ベルトとから成り、
その腰ベルトの前身頃となる両端部に左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、同じく後身頃となる中央部に開口する所要数の送風ファン用通気口と、更に下端縁部に沿って延在する空気漏出防止用の伸縮材とを各々設置すると共に、
上記腰ベルトの上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、スライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱自在に取り付けることにより、その腰ベルトの下端縁部が上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げたことを特徴とする空調衣服。 - 腰ベルトの後身頃となる中央部に左右一対として並列する通気口の開口縁部へ、各々冷房用の送風ファンを着脱自在に挟み付け固定すると共に、
上記腰ベルトへ外側から取り付けた左右一対の下向き開口する半円錐形吸気誘導フードにより、その腰ベルトに付属する送風ファンを身頃本体との内外相互間に一定の通気空間が確保される状態に被覆して、
上記送風ファンがその吸気誘導フードの下方から腰ベルトの内側へ吸い込む空気により、着用者の身体を冷房するように定めたことを特徴とする請求項1記載の空調衣服。 - 腰ベルトの前身頃となる左右何れか一方の端部付近へ、内側又は外側からバッテリ収納ポケットを取り付けると共に、
そのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリと、左右一対の送風ファンとを着脱自在の電気コードによって接続したことを特徴とする請求項2記載の空調衣服。 - 腰ベルトの後身頃となる中央部に左右一対として並列する通気口の外側から、その腰ベルトへ各々下向き開口する半円錐形の吸気誘導フードを取り付ける一方、
同じく通気口の内側から上記腰ベルトへ、メッシュシート又はネットから成るファン収納ポケットを各々取り付けると共に、
そのファン収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリ一体内蔵型の冷房用送風ファンが、上記吸気誘導フードの下方から通気口並びにファン収納ポケットの網目を通じて腰ベルトの内側へ吸い込む空気により、着用者の身体を冷房するように定めたことを特徴とする請求項1記載の空調衣服。 - ファン収納ポケットを前後方向から見て有底の矩形に造形して、その左右両側辺と底面になる下辺を腰ベルトへ内側から各々縫い付けると共に、
上記ファン収納ポケットの開口面になる上辺と左右の何れか一方又は双方の側辺に、スライドファスナーや面ファスナー、ハトメホック、その他の係脱可能な係止用具を各々取り付けたことを特徴とする請求項4記載の空調衣服。 - 着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な腰ベルトとから成り、
その腰ベルトの前身頃となる両端部に左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、同じく少なくとも後身頃となる中央部に所要数の暖房用面状ヒーターとを各々設置すると共に、
上記腰ベルトの上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、スライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱自在に取り付けることにより、その腰ベルトの下端縁部が上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げたことを特徴とする空調衣服。 - 腰ベルトの前身頃になる左右何れかの一端部と後身頃になる中央部との2個所へ、前後一対として向かい合う面状ヒーターを内蔵設置したことを特徴とする請求項6記載の空調衣服。
- 腰ベルトの前身頃となる左右何れか一方の端部付近へ、内側又は外側からバッテリ収納ポケットを取り付けると共に、
そのバッテリ収納ポケットへ出し入れ自在に収納したバッテリと、面状ヒーターとを着脱自在の電気コードによって接続したことを特徴とする請求項6記載の空調衣服。 - 着用者の上半身を包囲する身頃本体と、その着用者の腰廻りを身頃本体との重畳的に包囲し得る別個な互いに同じ大きさの第1、2腰ベルトとから成り、
その第1、2腰ベルトの各々前身頃となる両端部には左右一対のハトメホックや面ファスナー、その他の係脱可能な係止用具と、第1腰ベルトの下端縁部に沿って延在する空気漏出防止用の伸縮材とを設置すると共に、
上記第1腰ベルトの後身頃となる中央部には所要数の通気口を開口形成して、その各通気口の開口縁部へ冷房用の送風ファンを着脱自在に取り付けるか、又はその各通気口の内側から腰ベルトに取り付けた網目があるファン収納ポケットへ、冷房用の送風ファンを出し入れ自在に収納する一方、
上記第2腰ベルトの少なくとも後身頃となる中央部には所要数の暖房用面状ヒーターを取り付けて、
上記第1、2腰ベルトの各々上端縁部を身頃本体の中途高さ位置へ内側から、互いに共通する同じスライドファスナーやハトメホック、その他の着脱用具を介して着脱・交換自在に取り付けることにより、その各腰ベルトの下端縁部が何れも上記身頃本体の裾部から張り出し露呈しない状態に吊り下げることを特徴とする空調衣服。 - 身頃本体が作業用レインウェアのそれとして、表面に撥水性と裏面に防水性とを付与された合成繊維の織布から成ることを特徴とする請求項1、6又は9記載の空調衣服。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022000963U JP3237620U (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 空調衣服 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022000963U JP3237620U (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 空調衣服 |
Publications (1)
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JP3237620U true JP3237620U (ja) | 2022-05-27 |
Family
ID=81653951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022000963U Active JP3237620U (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 空調衣服 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3237620U (ja) |
-
2022
- 2022-03-29 JP JP2022000963U patent/JP3237620U/ja active Active
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