JP3237307B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3237307B2 JP13351193A JP13351193A JP3237307B2 JP 3237307 B2 JP3237307 B2 JP 3237307B2 JP 13351193 A JP13351193 A JP 13351193A JP 13351193 A JP13351193 A JP 13351193A JP 3237307 B2 JP3237307 B2 JP 3237307B2
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    • H01L2924/1301Thyristor

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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイリスタ等の半導体
装置に係わり、特に結露による電極間の短絡を防止する
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電力制御やスイッチングなど
に利用されるパワートランジスタやサイリスタ等を用い
た半導体装置がある。近年、スイッチング特性の向上に
伴って、このような半導体装置が大電力の制御に広く利
用されるようになっている。
【0003】図3は、そのような大電力を制御する半導
体装置の側断面図である。同図に示すように、この半導
体装置1は、四方を囲む枠状のケース2と、このケース
2の下部に接着している銅板3及びケース2の上部を覆
うカバー4からなる筐体を具えている。この筐体内に
は、底部すなわち銅板3上に基板5が接合され、基板5
上には複数の半導体素子6が搭載されている。そして、
これらの半導体素子6と接続している5個の電極端子7
が至端を外部に出して配設されている。
【0004】筐体内の下方には、半導体素子6、基板
5、及び5個の電極端子7の半導体素子6との接続端が
埋没するようにゲル状樹脂8が充填され、これによって
半導体素子6及び基板5を保護している。このゲル状樹
脂8の上部にはエポキシ樹脂層9が形成され、これによ
ってゲル状樹脂8の流動を抑えている。
【0005】同図に示す半導体装置1は、通常、およそ
10cm×5cmの平面寸法を有する規模のもので数百
アンペアの大電流を制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような大電力を制御する半導体装置の設置環境は概して
過酷な場合が多い。特に高温多湿で時刻により温度差が
激しい等の環境下では、図3に示す筐体内の空隙10に
結露を生ずることが多い。そして、このような結露が成
長してエポキシ樹脂層9の表面に水溜りが形成され、こ
の水溜りを介して電極端子7間が電気的に接触すると、
この水溜りを介して電極端子7間が導通し、短絡電流の
発生を誘発するという問題があった。
【0007】本発明は上記問題を解決するものであり、
その目的はエポキシ樹脂層9上に結露による水溜りが発
生しても電極端子間の短絡を防止できる半導体装置を実
現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、四方壁、底部
及び上蓋から成るハウジング内に、半導体を搭載した基
板と、該基板を介して一端を上記半導体に接続された少
なくとも3個以上の電極端子と、これら電極端子の一
端、上記半導体及び上記基板を埋設・密閉したゲル状樹
脂と該ゲル状樹脂の上一面を覆う樹脂層を収納した半導
体装置に適用される。
【0009】本発明の半導体装置では、上記上蓋の内面
は、上記樹脂層の裸面と対向して該裸面との間に空隙を
形成し、上記各電極端子は、上記上蓋、上記空隙及び上
記樹脂層を貫通して一端が上記半導体に接続され他端が
上記上蓋の外部に突出し、上記ハウジングと一体に形成
された絶縁部は、上記各電極端子の各貫通部分を上記空
隙において相互に遮断し、端部が上記樹脂層の裸面に没
入して密着するように構成される。
【0010】上記絶縁部は、例えば請求項2記載のよう
に、両端が開口する中空の鞘を形成し、該鞘の一方の開
口部は上記上蓋に設けられた電極端子挿通孔と一体に形
成されて上記上蓋の外面に突設され、上記鞘の他方の開
口部は上記樹脂層の裸面に没入して密着し、上記中空は
内部に上記各電極端子の各貫通部分を挿通されて構成さ
れる。
【0011】また、上記絶縁部は、例えば請求項3記載
のように、両端が開口する中空の鞘を形成し、該鞘はそ
の胴部を上記四方壁の内壁に設けられた腕木体先端と一
体に形成されてハウジング内に突設され、上記鞘の一方
の開口部は上記上蓋内面の電極端子挿通孔に密着し、上
記鞘の他方の開口部は上記樹脂層の裸面に没入して密着
し、上記中空は内部に上記各電極端子の各貫通部分を挿
通されて構成される。
【0012】また、上記絶縁部は、例えば請求項4記載
のように、板状の隔壁を形成し、該隔壁は、その一端を
上記上蓋に設けられた電極端子挿通孔と他の電極端子挿
通孔との間において上記上蓋の内面と一体に形成され、
上記一端に対向する他端は上記樹脂層の裸面に没入して
密着し、残る他の両端は上記四方壁の内壁に密着して構
成される。
【0013】
【作用】これによって、上記ハウジング部材の蓋部材内
面と上記樹脂の表面との間の空隙を貫通する複数の電極
端子が、鞘状の絶縁部材によってその中空内に同軸に取
り囲まれて上記空隙から遮断されるか、又は板状の絶縁
隔壁により個別に隔絶されて互いに遮断される。このた
め、上記空隙に結露による水溜りが発生しても電極端子
の空隙貫通部分が水溜りに接触することがなく、又は水
溜まりに接触しても互いに電気的に導通することがなく
電極端子間の絶縁が保たれ、絶縁不良による障害発生の
危険を解消する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1(a) は、第1実施例の半導体装置の側断
面図、同図(b) はこの半導体装置のカバーの裏面を示す
図(カバーの下面図)である。
【0015】同図(a) に示すように、半導体装置11
は、四方を囲む枠形のケース12、このケース12の下
部に形成されたフランジ12aに接着剤により接着して
いる銅板13、及びケース12の上部を覆うカバー14
からなる筐体(ハウジング)15を具える。
【0016】上記ハウジング15内の底部すなわち銅板
13上に基板16を接着剤17にて接合し、この基板1
6上に複数の半導体素子18を搭載する。これらの半導
体素子18をワイヤ(リード線)19により基板16の
回路パターン20に接続し、5個の電極端子21の一端
を回路パターン20に接続し他端をカバー14から外部
に出して配設する。5個の電極端子21のカバー14か
ら外部に出ている端部には外部の電極との接合を確実に
するためのボルト孔21aを設ける。
【0017】上記ハウジング15内の下方にゲル状樹脂
22を充填してこのゲル状樹脂22内に上記基板16、
半導体素子18、及び5個の電極端子21の回路パター
ン20との接続端を埋没させて、これらの部材をゲル状
樹脂22にて保護する。このゲル状樹脂22上にエポキ
シ樹脂層23を形成しゲル状樹脂22の流動を抑える。
この構成において、上記エポキシ樹脂層23の表面とカ
バー14の裏面との間には空隙24が存在する。
【0018】同図(b) に示すように、カバー14の裏面
には、中央長手方向に5個のボルト孔25を等間隔で連
設する。各ボルト孔25の周縁には、ボルト孔25に外
部から挿入されるボルト先端部のネジに螺合するナット
を固定するためのナット穴26を削設する。また、カバ
ー14の裏面の周囲4辺に沿ってケース12の上部内縁
に嵌合する凸条27を周設する。
【0019】上記カバー14の裏面の、上記凸条27に
よって囲まれ、上記5個のボルト孔25の中央を結ぶ線
によって2分される一方の面に3個の電極端子挿通孔2
8を設け、他方の面に2個の電極端子挿通孔28を設け
る。そして各電極端子挿通孔28には、これに連続する
空洞を有する鞘状絶縁部材29をカバー14の裏面に接
合又は一体成型により突設し、この鞘状絶縁部材29が
突出する長さをカバー14の裏面からエポキシ樹脂層2
3の表面までの距離より長くなるよう構成する(同図
(a) 参照)。
【0020】このことにより、鞘状絶縁部材29の突端
は弾性を有するエポキシ樹脂層23の表面に圧入され樹
脂面と強固に密着する。これによって、エポキシ樹脂層
23の表面からカバー14の電極端子挿通孔28を挿通
して外部に出る5個の電極端子21を、エポキシ樹脂層
23の表面とカバー14の裏面との間の空隙24から鞘
状絶縁部材29によって完全に隔絶する。
【0021】したがって、上記空隙24に結露による水
溜まりが生じても、電極端子21はその水溜まりから隔
絶されて、水溜まりに接触することがない。すなわち結
露による電極端子21間の短絡が防止され、絶縁不良に
基づく障害の発生が予防される。
【0022】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
2(a) は、第2実施例の半導体装置の側断面図であり、
図1(a) に示した第1実施例と同じ構成部分については
同一の番号を付与して示してある。また図2(b) は、第
2実施例の半導体装置の枠形ケースの上面図である。
【0023】同図(a),(b) に示す半導体装置31は、鞘
状絶縁部材29′及び枠形ケース12′の構成が、図1
(a),(b) に示した半導体装置11の鞘状絶縁部材29及
び枠形ケース12の構成と異なり、他の部分は夫々同一
である。
【0024】この実施例では、同図(b) に示すように、
鞘状絶縁部材29′を、枠形ケース12′の空隙24に
露出する内壁12bの上部(同図(a) 参照)に突設した
腕木体12cの端部に接合又は一体に形成する。この実
施例の場合も、鞘状絶縁部材29′の長さをカバー1
4′の裏面からエポキシ樹脂層23の表面までの距離よ
り長くなるよう構成する(同図(a) 参照)。また、鞘状
絶縁部材29′の空洞29aは上下2方向に開口する。
【0025】同図(a) に示すように、上記構成の鞘状絶
縁部材29′及び枠形ケース12′を備える半導体装置
31において、エポキシ樹脂層23の表面から突き出る
5個の電極端子21は、鞘状絶縁部材29′の空洞29
aを挿通し、さらにカバー14′の電極端子挿通孔28
(図1(b) 参照)を挿通して、至端が外部に突出する。
そして、鞘状絶縁部材29′の上方開口部はカバー1
4′の電極端子挿通孔28に密着し、一方、鞘状絶縁部
材29′の下方開口部はエポキシ樹脂層23の表面に圧
入され樹脂面と密着する。
【0026】これによって、エポキシ樹脂層23の表面
とカバー14′の裏面間の空隙24において、該空隙2
4から5個の電極端子21を鞘状絶縁部材29′によっ
て完全に隔絶する。
【0027】したがって、上記空隙24に結露が生じて
も、その結露による水溜まりから隔絶されることによ
り、電極端子21の水溜まりとの接触による短絡が防止
され、絶縁不良による障害発生の危険が解消される。
【0028】続いて、図3に第3実施例を示す。図3
(a) は、第3実施例の半導体装置の側断面図であり、図
1(a) に示した第1実施例と同じ構成部分については同
一の番号を付与して示してある。また図3(b) は、第3
実施例の半導体装置のカバーの裏面を示す図(カバーの
下面図)である。
【0029】同図(a) ,(b) に示す半導体装置41は、
図1又は図2に示した鞘状絶縁部材29又は29′が無
く、これらに代わって、隔壁30がカバー14の裏面に
一体に設けられる。他の部分は図1(a) ,(b) に示した
半導体装置11の構成と、夫々同一である。
【0030】図3(a) ,(b) に示す本実施例の隔壁30
は、絶縁部材からなり、電極端子挿通孔28と他の電極
端子挿通孔28との間にそれぞれ突設される。この隔壁
30の突設幅は、同図(b) に示すように、ケース12の
上部内縁に嵌合するカバー14の凸条27の外縁に一致
して形成される。これにより、隔壁30の両側端部はケ
ース12の内壁に密着する。また、隔壁30の突設端
は、同図(a) に示すように、エポキシ樹脂層23の表面
に圧入され樹脂面と強固に密着する。
【0031】これによって、エポキシ樹脂層23の表面
とカバー14の裏面との間の空隙24において、この空
隙24を挿通して外部に出る5個の電極端子21が個別
に隔絶される。したがって、空隙24に結露による水溜
まりが生じて電極端子21がその水溜まりに接触して
も、隔壁30の存在により互いに電気的に導通すること
がなく、この結果、結露による電極端子間の短絡が防止
され、絶縁不良に基づく障害発生の危険が解消される。
【0032】尚、上述した第1及び第2の実施例におい
ても、鞘状絶縁部材29(又は29′)をハウジング1
5を形成する部材であるカバー14(又はケース1
2′)に接合又は一体に形成しているが、このように、
ハウジング部材に接合又は一体に形成することなく鞘状
絶縁部材を独立の部材としてもよい。この場合は、半導
体装置のカバー組み立て前に、5個の電極端子に鞘状絶
縁部材を嵌込むようにすればよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鞘状絶縁部材をハウジング部材に接合又は一体に形成す
ることにより、自動的にエポキシ樹脂層の表面とハウジ
ングのカバーの裏面間の空隙において、鞘状絶縁部材が
その空洞に電極端子を同軸に取り囲み、空洞の上下開口
部がカバー裏面の電極端子挿通孔及びエポキシ樹脂層の
表面に密着するので、電極端子が鞘状絶縁部材によって
空隙から完全に隔絶される。あるいは、板状絶縁隔壁を
ハウジング部材に一体に形成することによって、エポキ
シ樹脂層の表面とハウジングのカバー裏面間の空隙にお
いて、隔壁のハウジング部材に一体に形成された残りの
三辺がエポキシ樹脂層の表面及びハウジング部材の内壁
に密着するので、複数の電極端子が上記空隙において個
別に隔絶され電気的に互いに遮断される。
【0034】したがって、空隙に結露による水溜まりが
生じても電極端子はその水溜まりから隔絶されて、その
水溜まりに接触することがなく、又は水溜まりに接触し
ても互いに電気的に導通することがなく、この結果、結
露による電極端子間の短絡が防止され、絶縁不良に基づ
く障害発生の危険が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は第1実施例の半導体装置の側断面図、
(b) はこの半導体装置のカバーの裏面を示す図(カバー
の下面図)である。
【図2】(a) は第2実施例の半導体装置の側断面図、
(b) はこの半導体装置の枠形ケースの上面図である。
【図3】(a) は第3実施例の半導体装置の側断面図、
(b) はこの半導体装置のカバーの裏面を示す図である。
【図4】従来の半導体装置の側断面図である。
【符号の説明】
11、31 半導体装置 12、12′ 枠形ケース 12a フランジ 12b 内壁 12c 腕木体 13 銅板 14、14′ カバー 15 筐体(ハウジング) 16 基板 17 接着剤 18 半導体素子 19 ワイヤ(リード線) 20 回路パターン 21 電極端子 21a ボルト孔 22 ゲル状樹脂 23 エポキシ樹脂層 24 空隙 25 ボルト孔 26 ナット穴 27 凸条 28 電極端子挿通孔 29、29′ 鞘状絶縁部材 29a 空洞 30 隔壁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四方壁、底部及び上蓋から成るハウジン
    グ内に、半導体を搭載した基板と、該基板を介して一端
    を前記半導体に接続された少なくとも3個以上の電極端
    子と、これら電極端子の一端、前記半導体及び前記基板
    を埋設・密閉したゲル状樹脂と該ゲル状樹脂の上一面を
    覆う樹脂層を収納した半導体装置において、 前記上蓋の内面は、前記樹脂の裸面と対向して該裸面
    との間に空隙を形成し、 前記電極端子は、前記上蓋、前記空隙及び前記樹脂
    を貫通して一端が前記半導体に接続され他端が前記上蓋
    の外部に突出し、 前記ハウジングは、該ハウジングと一体に形成され前記
    電極端子の各貫通部分を前記空隙において相互に遮断
    し、端部が前記樹脂層の裸面に没入して密着する絶縁部
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部は両端が開口する中空の鞘を
    形成し、該鞘の一方の開口部は前記上蓋に設けられた電
    極端子挿通孔と一体に形成されて前記上蓋の外面に突設
    され、前記鞘の他方の開口部は前記樹脂の裸面に没入
    して密着し、前記中空は内部に前記電極端子の各貫通
    部分を挿通されている、ことを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁部は両端が開口する中空の鞘を
    形成し、該鞘はその胴部を前記四方壁の内壁に設けられ
    た腕木体先端と一体に形成されてハウジング内に突設さ
    れ、前記鞘の一方の開口部は前記上蓋内面の電極端子挿
    通孔に密着し、前記鞘の他方の開口部は前記樹脂の裸
    面に没入して密着し、前記中空は内部に前記電極端子
    の各貫通部分を挿通されている、ことを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部は板状の隔壁を形成し、該隔
    壁は、その一端を前記上蓋に設けられた電極端子挿通孔
    と他の電極端子挿通孔との間において前記上蓋の内面と
    一体に形成され、前記一端に対向する他端は前記樹脂
    の裸面に没入して密着し、残る他の両端は前記四方壁の
    内壁に密着している、ことを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置。
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