JP3236678U - 食器洗浄機 - Google Patents

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淳二 高木
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弘之 永森
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【課題】食器類と貯水液をいれる洗浄槽の液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させることによって洗浄力を向上することができ、且つ、循環・攪拌効果により洗いむらが発生しない食器洗浄機を提供する。【解決手段】洗浄と循環・攪拌を行なうために、洗浄槽6に食器類19が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で、食器類にキャビテーションを伴う高速噴流を衝突させる水中噴射用ノズル5を洗浄槽の底部に設置し、液中に噴射する。貯水液に混入する汚れをろ過するフィルター21と循環ポンプ14を備え、洗浄槽の側面部の吸込み管3から給入された液を循環ポンプの送水管4から貯水液中にある水中噴射用ノズルを通って洗浄槽の中に噴射する。【選択図】図1

Description

本考案は、食器洗浄機に関するものである。
従来における食器洗浄機の概略構造を説明すると食器洗浄機の本体内部に洗浄槽を配設し、洗浄槽下部にはモータにより回転駆動される洗浄ポンプを固定している。また洗浄槽内には前記洗浄ポンプにより圧送された貯水液を噴射する回転アームノズル、洗浄水を温水化するためのヒータ、食器類を収納する食器かごを備えており、食器類は回転アームノズルより勢いよく空気中に噴射された貯水液が衝突して洗浄される仕組みとなっている。そして従来の食器洗浄機の運転方法を説明すると、まず洗浄工程において洗剤を手動あるいは自動的に投入し、回転アームノズルが貯水液に浸からない一定水位まで給水した後、モータとヒータに通電し、貯水液を温水化しながら回転アームノズルより空気中に噴射された貯水液を食器類にうちあて、これに付着した汚れを洗浄するようにしていた。洗浄工程が終了すれば貯水液を機外に排出してすすぎ工程に移り、すすぎ工程は通常数回繰り返され、洗浄工程と同様に回転アームノズルが貯水液に浸からない一定水位まで給水した後洗浄ポンプを運転し、ためすすぎを行っている。しかし、このような温水や洗剤を用いた洗浄においても、飯粒等のデンプン質は中々落ちにくく、特に、でんぷん質がのり状にこびりつき乾燥したものは洗浄時間を長くしてもきれいに落ちきれないという問題があった。
この問題を改善する方式として、特許文献1には洗剤を出来るだけ使わないようにするとともに、洗濯能力を上げるために洗浄液よりも比重の小さい個体粒子を混合し、この粒子の研磨作用により洗浄を行うことを特徴とする食器洗浄機も提案されている。さらに、特許文献2には通常の洗濯機と超音波を組み合わせた食器洗浄機も提案されている。また、特許文献3,4には、洗濯能力を上げるために水道の水栓から給水口部に至るまでの給水経路上に外部から微細な泡を供給する食器洗浄機や、水道の水栓から給水口部に設けられ給水経路を局所的に縮小することにより給水経路の外部から気体の供給を得ることなく給水経路を通過する水に微細気泡水を生成する微細気泡発生器を組み合わせた食器洗浄機も提案されている。
特開昭47―36670号公報 特開平2-218325号公報 特開2007-117315号公報 特開2018-175445号公報 特開昭60-168554号公報 特開平06-047665号公報 特開平08-257998号公報
祖山 均著 「解説 超音波より強力水だけで洗浄:キャビテーション噴流式洗浄装置」日本工業出版 2001年 超音波techno編集部編 13巻11号 p66-71
上記従来の食器洗浄機洗浄方式においては、食器類を洗浄するための力として回転アームノズルから空気中に噴射される貯水液の衝突力だけであり、通常の汚れに対しては比較的効果があるが、薄膜状に付着した汚れや、飯粒等のデンプン質は中々落ちにくく、特に、でんぷん質がのり状にこびりつき乾燥したものは洗浄時間を長くしてもきれいに落ちきれないという問題があった。また、空気中で、回転アームノズルより噴射する洗浄水の吐出圧力を大きくすると、洗浄水が食器類や洗浄槽に衝突する音等が増大し、騒音の増大を招いていた。更に、上記食器洗浄機の問題点を改善するために考案された特許文献1のように、洗浄液中の研磨剤の除去や、特許文献2,3、4のように、超音波を用いる場合や微細な泡を発生させる場合には食器の汚れ除去効果が出るような複雑な工夫も必要になる。また、超音波振動を発生する手段は家庭内の電波障害防止のための時としてノイズフィルターが必要となる問題もあった。
そこで、本考案は従来の食器洗浄機と構成および使い勝手を大幅にかえることなく効率的で短時間洗浄を可能とした食器洗浄機を得ることと、効率的な洗浄を行ない、洗浄工程に費やす時間の短縮を図った食器洗浄機の運転方法を提供することにある。すなわち洗浄槽に食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で、液中に高速で貯水液を噴射することによりキャビテーションを発生させて食器類の汚れを落とし、同時に攪拌も行って洗いむらも起こりにくい洗浄が可能となる。キャビテーション噴流を用いた洗浄では、強力なキャビテーションを発生させて洗浄に活用するので、水だけあるいは、従来よりも少ない洗浄剤で洗浄できる。
本考案による課題解決手段は、貯水液を入れる洗浄槽に食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で、食器類の汚れ除去と攪拌を行うために、洗浄液をノズルから高速で液中に噴射し、液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させる1個もしくは複数個の水中噴射用ノズルを備える。この構成であれば、食器類の汚れ除去と攪拌を行うために用いる上記水中噴射用ノズルから噴射された高速水噴流によって発生するキャビテーション気泡の崩壊によって発生する衝撃波によって共振した洗浄液が食器類とそれに付着した汚れに対し激しくぶつかりあって、食器類から汚れが分離される。同時に水中噴射用ノズルの角度やノズルの数を適宜選択し最適の高速水噴流によって洗浄液が攪拌され、食器類がむらなく洗浄される条件も選ぶことが出来る。特許文献6,7、8には、キャビテーション気泡
を発生させる種々の構造のノズルが提案され洗浄、剥離、掘削等の工業分野でも実用化されている。
上記洗浄槽は、特に場所は限定しないが例えば側面下部に貯水液を前記ノズルに給入する給入口を備え、この給入口から送出された貯水液をノズルから高速で液中に噴射するに際して、貯水液に混入する汚れをろ過するフィルターと循環ポンプを備える。
以上説明したように本考案の食器洗浄機によれば、次の効果を得ることができる。(1)貯水液を上記ノズルから高速で液中に噴射し、液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させることによって食器類の汚れ除去と攪拌を行うため、少ない洗浄剤で、場合によってはアルカリ剤、更には水のみで被食器類の汚れを均一に落とすことができるので、洗浄液の排水公害を低減することができる。(2)食器洗浄機自身の均一な洗浄能力向上により、食器類を傷めず、時間の節約、水の使用量の低減をはかることができる。
本考案の一実施例の食器洗浄機の断面図である。
本考案の洗浄機において、水中に高圧水を噴射して、高圧水の噴流まわりにキャビテーションを発生させるキャビテーション噴流によって洗浄槽に入れられた食器類の表面に付着した汚れ、特に飯粒のデンプン質の汚れを効果的に除去する。キャビテーション噴流では、洗浄槽の中の食器類のどの場所にも噴射出来、キャビテーションの発生領域や衝撃力が、ノズルの位置や噴射圧力などのパラメータにより制御可能である。また
には、同じ電力に対してキャビテーション噴流は、超音波振動子の数倍以上の衝撃力を生じさせることができ、キャビテーション噴流の洗浄能力の方が、従来の超音波洗浄機よりもはるかに強力であることが報告されている。特に、食器洗浄機においては(1)キャビテーション噴流からは四方八方に衝撃圧が放射されるので、食器類の側面や背面までも洗浄が可能である。特に、細い円柱体などが洗浄対象の場合、1方向からの噴流の衝突によって円柱体の全側面が洗浄される。従ってさまざまな方向から噴流を当てるようなノズルやワーク(食器類)の複雑な動きの操作が不要になる。(2)キャビテーション噴流は、水中で噴射すると液が攪拌されると同時に、周囲の水の抵抗によって噴流の力は大きく低下し食器類に対する衝撃も空気中にくらべて穏やかになり、外部への騒音も少ない。
以下、本発明の一実施例について図面により詳細に説明する。
図1においては、1は食器洗浄機、6は開閉扉7をそなえた洗浄槽、13は洗浄槽6の底部に配置した1個もしくは複数個の水中噴射用ノズル5を有するスプリンクラー、14は食器洗浄機1と洗浄槽6間に配設した循環用ポンプである。而して、この循環ポンプ14は吸込側にフィルター21を設けた排水口22を介して洗浄槽6の底面に没設した吸込み管3と、吐出側の送水管4を介してスプリンクラー13に夫々連通する。12は洗浄槽6の排水を制御する電磁式の排水弁である。8はスプリンクラー13の上方にて洗浄槽2に出入自在に装備される食器籠で、食器類を載置する。9は洗浄槽6の上部に開口してシャワー状に給水する給水口で、電磁式の給水弁18を介して水源に接続する。16は洗浄槽6の底部に配置したヒータで、洗浄水の昇温用及び乾燥用の熱源として作用する。20は洗浄槽6の水位を検出して動作する水位スイッチ、2は水位スイッチ20とあいまって、前洗浄、本洗浄、濯ぎ、乾燥の各工程を順次自動的に実行できるように各タイマー接点を切換え動作し、モータ15と連結した循環ポンプ14、排水弁12及びサーミスタ17を備えたヒータ16等を制御するコントロールパネルである。
次に、その動作について説明する。先ず、食器類を載置した食器籠8を洗浄槽6内に挿設し、コントロールパネル2をセットする。すると、下記の如く各工程が順次行なわれ、食器類は洗浄され乾燥される。
(前洗浄工程)
給水弁18が開放して給水口9よりシャワー状に給水し、洗浄槽6内の水位がスプリンクラー13とヒータ16の間の所定の位置に達した時点で循環ポンプ6が駆動される。
すると、食器類に付着した残滓を洗い流すと同時に、落ち難い飯粒等のデンプン質を湿潤状態にするために洗浄槽6内の貯水液はスプリンクラー13の1個もしくは複数個の噴出用ノズル5から空気中で食器類が水圧で移動したり、傷がつかない程度の0.1~0.5Mpの低圧で噴出される。そして、所定の時間が経過すると、排水弁12を開放して洗浄槽6内の水を外部に排出し、これの終了により次工程に移行する。
(本洗浄工程)
所定時間が経過して本工程を移行すると、先ず洗浄槽6内に給水を行なって洗浄槽6に食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態にする。そして、ポンプ14に通電され、食器類の汚れ除去と攪拌を行うために、スプリンクラー13の1個もしくは複数個の噴射用ノズル5から高速で液中に噴射し、液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させる為、落ち難い飯粒等のデンプン質も簡単に洗い流されることになる。水中であるため食器類19の衝突も軽減され安全に洗浄できる。貯水液として、ヒータ16に通電して温水を用いたり、洗浄剤を用いることにより、更にその効果は増大する。従って、本洗浄工程は短時間で所期の目的を達成できる。そして、所定時間が経過すると、排水弁12が開いて排水動作が行なわれ、その後次工程に移る。
(濯ぎ工程)
先に述べた前洗浄工程と同じような動作が行なわれ、食器類を清浄な水により濯ぎ、洗剤等を洗い流す。
(乾燥工程)
洗浄槽2内の水を排出した後、ヒータ15に通電することにより、乾燥が行なわれる。
以上の如く本案によれば、洗浄サイクル中の本洗浄工程に洗浄槽に食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で、食器類の汚れ除去と攪拌を行うために、貯水液をノズルから高速で液中に噴射し、液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させる1個もしくは複数個の水中噴射用ノズル備える工程を挿入することにより落ち難い飯粒等のデンプン質も簡単に洗い流すことができ、洗浄時間の短縮、洗浄効果の向上等を計れ、実用上非常に好都合な食器洗浄機を提供できる。
なお、図1の食器洗浄機1は、一実施例であり、他の形態、方式にとっても結果的にキャビテーション噴流が洗浄槽6の中の食器類19に効率よく噴射されるよう工夫されれば同じことである。例えば、上記ノズル5を洗浄槽6の貯水液中の食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で横の位置に付けたり、上記ノズル5の角度や上記ノズルの数を適宜選択し最適の高速水噴流によって貯水液10が攪拌され、食器類19がむらなく洗浄される条件を選ぶことも何ら制約されない。
貯水液10に混入する汚れをろ過するフィルター21は、上記ノズル5の噴出孔の孔径より大きい粒径の汚れを捕集できるフィルターを備えたものが好ましい。循環ポンプ14の能力は、食器洗浄機の種類や大きさ、更には上記ノズル5の口径や数によっても異なるが、通常では、キャビテーション噴流が発生する条件の吐出圧が数Mpから十数Mpで、流量が0.5リットル/分から400リットル/分のものが好ましい。また、ノズル5の噴出孔の孔径は、使用するノズルの数や形状にもよるが0.3~2.0mmの大きさのものが好ましい。
食器洗浄機1の開閉扉7は、洗濯槽1の上面を開閉するようになっており、貯水液10が外に飛散しないよう、又は、食器類19などの出し入れする時に身体にあたらないよう、蓋7にスイッチをもうけて、蓋4を開けた時に上記ノズル5の噴射が止まるようにしてある。また、前記貯水液が洗浄槽の液面のある所定のレベルでノズル5からの噴射を行うことができる水位スイッチ20を備える構成としている。
貯水液10は、冷水あるいは温水のみの場合もあれば、アルカリ剤や洗浄剤を用いる場合など、いろいろの条件の場合がある。食器類19の汚れをよりきれいに落としたい時、または早く洗浄を終えたい時などはモータ15と連動した循環ポンプ14の出力を上げて吐出圧や流量を上げて調節すればよい訳である。また、各工程は食器類19のよごれの程度に応じて適宜省略もしくは繰り返すものであり、これはコントロールパネル2にそのような機能をもたせておいて運転する。
1 食器洗浄機
2 コントロールパネル
3 吸込み管
4 送水管
5 ノズル
6 洗浄槽
7 開閉扉
8 食器籠
9 給水口
10 貯水液
11 排水パイプ
12 排水弁
13 スプリンクラー
14 循環ポンプ
15 モータ
16 ヒータ
17 サーミスタ(温度検出装置)
18 給水弁
19 食器類
20 水位スイッチ
21 フィルター
22 排水口

Claims (1)

  1. 本案は、食器洗浄機の洗浄サイクルの適宜位置に、洗浄槽に食器類が完全に水没するだけの水量がたくわえられている状態で、食器類の汚れ除去と攪拌を行うために、貯水液を1個もしくは複数個の水中噴射用ノズルから高速で液中に噴射し、液中にある食器類にキャビテーションを伴う高速水噴流を衝突させる工程を挿入してなることを特徴とする食器洗浄機
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