JP3235836B2 - 半透膜の製造方法 - Google Patents

半透膜の製造方法

Info

Publication number
JP3235836B2
JP3235836B2 JP51043393A JP51043393A JP3235836B2 JP 3235836 B2 JP3235836 B2 JP 3235836B2 JP 51043393 A JP51043393 A JP 51043393A JP 51043393 A JP51043393 A JP 51043393A JP 3235836 B2 JP3235836 B2 JP 3235836B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
semipermeable membrane
copolymer
butanol
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51043393A
Other languages
English (en)
Inventor
清 石井
耕一 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP3235836B2 publication Critical patent/JP3235836B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/40Polymers of unsaturated acids or derivatives thereof, e.g. salts, amides, imides, nitriles, anhydrides, esters
    • B01D71/42Polymers of nitriles, e.g. polyacrylonitrile
    • B01D71/421Polyacrylonitrile
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/76Macromolecular material not specifically provided for in a single one of groups B01D71/08 - B01D71/74
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/40Polymers of unsaturated acids or derivatives thereof, e.g. salts, amides, imides, nitriles, anhydrides, esters
    • B01D71/42Polymers of nitriles, e.g. polyacrylonitrile

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、食品、医薬品、発酵製品等の精製や、産業
排水、生活排水等の処理等に広く使用されている半透膜
の製造方法に関する。
関連技術の記載 米国特許第3,950,257号に開示されている、アクリロ
ニトリルと非電解質水溶性モノマーとの共重合体を膜素
材とする半透膜(限外濾過膜)は、膜性能のバランスが
良いため、および、膜が比較的汚れ難く、また、汚れて
も洗浄によって汚れを容易に取り除けるという性質を有
するために、食品、医薬品、発酵製品等の精製や、産業
排水、生活排水等の処理等の分野で広く使用されてい
る。しかし、上記半透膜でも、膜性能、特に透過流束に
ついては、常に進歩を求めるユーザーの要望には、まだ
十分に応えていないのが現状である。
本発明は、このようなユーザーの要望に応えるべくな
されたものであり、さらに高い膜性能を有する半透膜の
製造方法の提供を目的とする。
発明の開示 本発明者らは、相変換法によって半透膜を製造するに
際して、膜性能に影響を与える多くの要因の内、溶剤と
それに添加する非溶剤の種類に着目し、それらについて
系統的に再検討を行った。その結果、特定の溶剤および
非溶剤を用いることにより、半透膜の溶質排除率を低下
させないで透過流束を向上できる事を見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、膜素材として、アクリロニトリルと
非電解質水溶性モノマーであるN−ビニル−2−ピロリ
ドンとのコポリマー(a)であって、アクリロニトリル
含量が80モル%〜96.1モル%のものを用い、コポリマー
(a)と、コポリマー(a)の溶剤(b)であって水と
混和するものと、コポリマー(a)の非溶剤(c)であ
って水と溶剤(b)の両方に混和するものとからなる溶
液(キャスト液)から、相変換法によって半透膜を製造
する方法において、非溶剤(c)として、炭素数3〜4
の一価アルコール及び/又は炭素数4〜14の多価アルコ
ールを使用することを特徴とするアクリロニトリル系半
透膜の製造方法を提供するものである。従来の膜素材で
あっても、本発明の方法を適用することにより、従来得
られていた半透膜に比べ、膜性能のうちの溶質排除率が
低下することなく、透過流束が有意に大きい半透膜を得
ることができた。
本発明では、前記コポリマー(a)として、アクリロ
ニトリル含量が90モル%超〜96.1モル%のものを用いる
ことができる。
前記溶剤(b)として、ジメチルスルホキシド及び/
叉はジメチルホルムアミドを用いるのが好ましい。
前記非溶剤(c)として、1−ブタノール、2−ブタ
ノール、イソブチルアルコールおよび炭素数7〜14の多
価アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いる
のが好ましく、1−ブタノール、2−ブタノール、イソ
ブチルアルコールおよび炭素数7〜11の多価アルコール
からなる群から選ばれる1種以上を用いるのがさらに好
ましい。
前記非溶剤(c)として、2−ブタノール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール200およびポリエチレングリコール300からな
る群から選ばれる1種以上を用いるのが特に好ましく、
2−ブタノール、トリエチレングリコールおよびポリエ
チレングリコール200からなる群から選ばれる1種以上
を用いるのが最も好ましい。
また、前記非溶剤(c)として、1−プロパノール、
2−プロパノール、2−ブタノール、トリエチレングリ
コールおよびポリエチレングリコール200からなる群か
ら選ばれる1種以上を用いるのもよい。
以下に、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明では、膜素材として、アクリロニトリルと非電
解質水溶性モノマーであるN−ビニル−2−ピロリドン
とからなるコポリマー(a)であって、アクリロニトリ
ル含量が80モル%〜96.1モル%のものを用いる。このコ
ポリマー(a)の構成モノマーは、アクリロニトリルと
非電解質水溶性モノマーであるN−ビニル−2−ピロリ
ドンである。また、アクリロニトリル含量は、モノマー
全量を基準(100モル%)とした値である。
非電解質水溶性モノマーとは、モノマーが非電解質で
且つ水溶性であり、更に、該モノマーを単独で重合した
場合、生成ポリマーが水溶性となるモノマーのことで、
N−ビニル−2−ピロリドン(以下、単にビニルピロリ
ドンという)である。
膜素材であるコポリマー(a)のアクリロニトリル含
量は、80モル%〜96.1モル%である。コポリマー(a)
中の水溶性モノマー含量が大きくなると、得られる半透
膜の透過流束は大きくなるが、膜の機械的強度と耐熱性
は低下する傾向があるため、アクリロニトリル含量は80
モル%以上とする。また、アクリロニトリル含量が96.1
モル%を越えると、得られる半透膜の膜性能、特に透過
流束が低下するので好ましくない。なお、アクリロニト
リル含量は、上記範囲内で、多くする事が、すなわち、
90モル%超〜96.1モル%とすることが好ましい。
従来は、良好な膜性能を有するアクリロニトリル系半
透膜を得るためには、膜素材のコポリマー中のアクリロ
ニトリル含量の上限は90モル%であるといわれていた
(米国特許第3,950,257号参照)。しかし、本発明の製
膜方法によれば、膜素材のコポリマー中のアクリロニト
リル含量の上限を96.1モル%まで拡張する事ができる。
本発明で用いるコポリマーの製造方法は、特に限定さ
れないが、一般的には、原料であるモノマー混合物を、
適当な溶剤中で、油溶性ラジカル重合開始剤(例えばベ
ンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル)
の存在下に共重合させる。また、本発明では、本発明の
限定要件を満足するアクリロニトリル系コポリマーであ
れば、市販のアクリロニトリル系コポリマーを使用して
もよい。
本発明では、コポリマー(a)の溶剤(b)として、
コポリマー(a)をよく溶解し、かつ、水と混和するも
のを用いる。水と混和するものを用いるのは、製膜時の
凝固液や洗浄槽の洗浄液として、経済的にも安全上から
も好ましい水または水溶液を用いたいからである。この
ような溶剤(b)として、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン
等が例示されるが、ジメチルスルホキシド及び/又はジ
メチルホルムアミドを用いるのが好ましい。
本発明では、コポリマー(a)の非溶剤(c)とし
て、コポリマー(a)を溶解せず、水と溶剤(b)の両
者に混和するものであって、炭素数3〜4の一価アルコ
ール及び炭素数4〜14の多価アルコールから選択される
一種以上を使用する。水と溶剤(b)の両者に混和する
ものを使用するのは、均一なキャスト液を得るためと、
製膜時の凝固液や洗浄槽の洗浄液として、経済的にも安
全上からも好ましい水または水溶液を用いたいからであ
る。また、炭素数3〜4の一価アルコール及び/または
炭素数4〜14の多価アルコールを用いるのは、これらを
用いることにより、従来の方法で得られた半透膜と比較
して、溶質排除率がほぼ同等かそれより優れていて、か
つ、透過流束がより高い半透膜が得られるからである。
炭素数3〜4の一価アルコールとしては、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール(sec−ブチルアルコール)、i−ブチルアルコ
ールおよびtert−ブチルアルコールが挙げられる。ま
た、炭素数4〜14の多価アルコールとしては、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール200およびポリエ
チレングリコール300等が挙げられる。
本発明では、非溶剤(c)として、1−ブタノール、
2−ブタノール、イソブチルアルコールおよび炭素数7
〜14の多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上
を用いるのが好ましく、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、イソブチルアルコールおよび炭素数7〜11の多価ア
ルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いるのが
さらに好ましく、2−ブタノール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
200およびポリエチレングリコール300からなる群から選
ばれる1種以上を用いるのが特に好ましく、2−ブタノ
ール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリ
コール200からなる群から選ばれる1種以上を用いるの
が最も好ましい。
また、本発明では、非溶剤(c)として、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、2−ブタノール、トリエチ
レングリコールおよびポリエチレングリコール200から
なる群から選ばれる1種以上を用いるのもよい。
本発明では、相変換法によって、アクリロニトリル系
半透膜を製造する。製膜工程の一例(平膜の製造に関す
る一例)を挙げると下記の通りである。
(1)高分子化合物、溶剤および非溶剤(添加剤とも呼
ばれる)からなる溶液(キャスト液)を作る。
(2)平滑な基盤の上にキャストする。
(3)キャストした液膜上より、溶媒を短時間蒸発させ
る。
(4)ゲル化液に膜全体を浸漬する。
(5)膜全体を水洗する。
(6)乾燥または熱処理する。
本発明では、各々の工程の条件は特に限定されない
が、条件の一例を挙げると、下記の通りである。
(A)キャスト液の組成 膜素材であるコポリマー(a)の濃度は、10〜35重量
%とすることができるが、好ましくは16〜27重量%であ
る。
(B)液膜の厚み 通常は0.01〜0.30mmであり、好ましくは0.05〜0.25mm
である。
なお、本発明は、相変換法による平膜の製造方法のみ
ならず、相変換法による管状膜や中空糸膜の製造方法等
も包含するものである。
アクリロニトリルと非電解質水溶性モノマーであるN
−ビニル−2−ピロリドンとのコポリマーであって、ア
クリロニトリル含量が80〜96.1%のものを膜素材とし
て、本発明方法によって半透膜(限外濾過膜)を製造す
ると、従来の方法によって得られた半透膜に比べて、よ
り高い膜性能を有する、すなわち、溶質排除率と透過流
束のうちのいずれか、又は両者が有意に大きい半透膜が
得られる。又、本発明を適用すれば、従来は90モル%で
あったコポリマー中のアクリロニトリル含量の上限を、
溶質排除率と透過流束のいずれをも低下させることな
く、96.1モル%まで拡張することができる。
実施例 以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3、参考例1〜7 実施例と参考例の相違は、非溶剤(添加剤)の種類に
ある。
まず、米国特許第3,950,257号に開示されている方法
によって、アクリロニトリルとビニルピロリドンとを共
重合し、アクリロニトリル含量92.3モル%、ビニルピロ
リドン含量7.7モル%で、還元粘度2.96dl/g[濃度1gdl
のジメチルホルムアミド(DMF)溶液で測定]のコポリ
マーを得た。尚、このコポリマーの重合条件は、下記の
通りである。
(使用容器) 21容量のセパラブルフラスコ (仕込条件) アクリロニトリル(全量初期仕込み) 122.0 g ビニルピロリドン(初期仕込み分) 5.2 g アゾビスイソブチロニトリル 0.69g パークレン 1200.0 g ビニルピロリドン(追加仕込み分、仕込条件:2g/hr) 11.8 g 合計 1339.69g (重合温度) 65.0℃ (重合雰囲気) 窒素ガス下 (重合時の圧力) 常圧 (重合時間) 6.0時間 (コポリマー収量) 117.3g(収率:84.4%) (コポリマーのアクリロニトリル含量) 92.3モル%
(CHN分析による) 次いで、溶剤としてのジメチルスルフォキシド(DMS
O)と添加剤としての各種の非溶剤との混合溶液に、コ
ポリマーを溶解し(コポリマー濃度:全量中18重量
%)、キャスト液とした。このキャスト液を、ポリエス
テル不織布の上に厚さ約0.2mmになるよう流延し、約3
秒間経過後、温度約25℃の水中に浸漬して製膜した。得
られた膜中の残留溶剤を十分に洗い出した後、膜から有
効膜面積25cm2の小判形に試験片を切り出し、それを循
環式試験機に装着し、純水の透過流束(PWPと略す、単
位:1/m2・h・kgf・cm-2)を有効圧力1kgf/cm2で、ま
た、濃度100ppmの牛血清アルブミン(BSAと略す)緩衝
剤溶液の溶質排除率(Rejと略す、単位:%)と透過流
束(PRと略す、単位:1/m2・h・kgf・cm-2)を膜面線速
約31cm/secで測定した。
その結果を表1に示す。
比較例1〜2 比較例として、従来の製膜処方(キャスト液の処方)
の内で、最も高い膜性能を与えたものを選んだ。即ち、
アクリロニトリル含量89.4モル%のビニルピロリドンと
アクリロニトリルからなるコポリマーを、ジメチルホル
ムアミド(DMF)と1,4−ジオキサンとの混合溶液に、コ
ポリマー濃度17重量%(比較例1)又は20重量%(比較
例2)になる様に溶解した以外は、実施例1〜2と同様
にして製膜を行い、かつ膜性能の評価を行った。
その結果を表1に示す。また、各種添加剤の優劣の比
較を容易にするために、実施例および参考例の半透膜の
膜性能の測定結果(透過流束)を、比較例の半透膜の膜
性能の測定結果(透過流束)に対する割合に換算して、
表2に示す。
表1および表2に示された結果より、溶質排除率の低
下がほとんどなく、透過流束の向上が著しいのは、非溶
剤(添加剤)として、1−プロパノールまたは2−ブタ
ノールを使用した場合であることが判る。
実施例4〜10、参考例8〜13 キャスト液中のコポリマー濃度を18重量%から16重量
%に変えた以外は、実施例1〜3と同様にして製膜する
と共に、膜性能評価を行った。
その結果を表3に示す。また、各種添加剤の優劣の比
較を容易にするために、実施例および参考例の半透膜の
膜性能の測定結果(透過流束)を、比較例の半透膜の膜
性能の測定結果(透過流束)に対する割合に換算して、
表4に示す。
表3と表4に示された結果より、BSA緩衝剤溶液を透
過させた場合の透過流束の向上の程度(比較例の半透膜
に対するもの)は、非溶剤(添加剤)として、1−プロ
パノール、2−ブタノール、トリエチレングリコールを
用いて製膜した半透膜で最も大きく、2−プロパノー
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テルを用いて製膜した半透膜が続いて大きいことが判
る。後者のグループについて、溶質排除率を見てみる
と、2−プロパノールを用いて製膜した半透膜では、溶
質排除率が80(比較例1)または88%(比較例2)から
96%に向上しているが、ジエチレングリコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレン
グリコールジメチルエーテルをそれぞれ使用して製膜し
た半透膜では、それぞれ、74%、66%、74%に低下して
いる。従って、溶質排除率も考慮にいれると、非溶剤と
して、1−プロパノール、2−ブタノール、トリエチレ
ングリコール及び2−プロパノールを使用することが、
顕著に優れている。
実施例11〜14、参考例14〜17 溶剤をDMSOからDMFに変えた以外は、実施例4〜10と
同様にして製膜し、かつ膜性能評価を行った。
その結果を表5に示す。また、各種添加剤の優劣の比
較を容易にするために、実施例および参考例の半透膜の
膜性能の測定結果(透過流束)を、比較例の半透膜の膜
性能の測定結果(透過流束)に対する割合に換算して、
表6に示す。
表5と表6に示された結果より、BSA緩衝剤溶液を透
過させた場合の透過流束の向上の程度(比較例の半透膜
に対するもの)は、非溶剤(添加剤)として、2−ブタ
ノールまたはポリエチレングリコール200を用いて製膜
した半透膜で最も大きく、ジエチレングリコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレング
リコール300及びポリエチレングリコール600を用いて製
膜した半透膜が次いで大きいことが判る。
DMFは、このコポリマー(アクリロニトリル系コポリ
マー)の溶剤の内では、DMSOと共に、最も透過流束の大
きい膜を作ることができる溶剤である。この点は、表5
と表6に示された結果からも明らかである。しかし、溶
剤としてDMFを用い、本発明方法で半透膜を製造する
と、溶質排除率は、全般的に比較例1より幾分低くなっ
た。比較例1に対する透過流束の向上の割合の大きい半
透膜を与える上記の添加剤の内では、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール300
及びポリエチレングリコール600を用いて製造した半透
膜で、溶質排除率の低下が大きかった。従って、溶質排
除率も考慮にいれると、溶剤がDMFの場合は、2−ブタ
ノールとポリエチレングリコール200が添加剤として最
も優れているといえる。
実施例15〜17 コポリマーとして、アクリロニトリルとビニルピロリ
ドンからなり、アクリロニトリル含量が85.7モル%、9
2.3モル%または96.1モル%のコポリマーを用い、いず
れの場合も、コポリマー濃度を17重量%、添加剤として
1−プロパノールを用い、その濃度を12重量%とした他
は、実施例1〜10と同様にして製膜し、膜性能評価を行
った。その結果を表7に示す。
表7の結果より、アクリロニトリル含量の増加に伴っ
て、得られる半透膜の溶質排除率が上昇し、透過流束は
低下する傾向が見られた。しかし、従来の製膜処方にお
いて用いることのできたコポリマーのアクリロニトリル
含量の上限であった90モル%を超えて96.1モル%のもの
を使用した場合でも、本発明方法によって得られた半透
膜では、BSA(100ppm)緩衝剤溶液の透過流束として、
比較例の半透膜のそれの122%を示した。このように、
本発明方法によって得られる半透膜の溶質排除率の大幅
な上昇を考慮すれば、透過流束の向上割合が小さい場合
でも、本発明方法によって得られる半透膜の膜性能向上
の効果は歴然としている。
実施例18〜20 添加剤として、1−プロパノールを12重量%用いる代
わりに、2−ブタノールとポリエチレングリコール200
との2:3(重量比)混合液を14重量%になるように用い
た以外は、実施例15〜17と同様にして製膜し、膜性能評
価を行った。その結果を表8に示す。
表8より、実施例18〜20におけるアクリロニトリル含
量の増大に伴う膜性能の変化は、実施例15〜17の場合よ
りも少ないことがわかる。しかし、アクリロニトリル含
量96.1%のコポリマーを用いた場合でも、得られた半透
膜は、BSA(100ppm)緩衝剤溶液の透過流束として、比
較例の半透膜のそれの126%を示した。このように、本
発明方法によって得られる半透膜の溶質排除率の大幅な
上昇を考慮すれば、透過流束の向上割合が小さい場合で
も、本発明方法によって得られる半透膜の膜性能向上の
効果は歴然としている。
実施例21、比較例3 実施例1で用いたと同じ組成のポリマー溶液(キャス
ト液)を、内径14.6mmのポリエステル不織布製円筒の内
表面に、厚さ約0.15mmで連続的に塗布した後、それを約
25℃の水中に浸漬し、連続的に成形された管状膜を作っ
た。この管状膜から、実施例1と同寸法同形態の平膜を
切り出し、実施例1と同じ装置に装着し、膜性能の評価
を行った。比較例として、比較例1で用いたと同じ組成
のポリマー溶液(キャスト液)を用いた他は、実施例21
と同様にして製膜したものについて、同様に膜性能評価
を行った。その結果を表9に示す。
管状膜の場合も、平膜同様に、本発明方法によって得
られた半透膜が、従来処方で得た半透膜よりも、有意に
優れた性能を示した。
実施例22 アクリロニトリル含量92.3モル%のアクリロニトリル
とビニルピロリドンからなるコポリマーを用い、コポリ
マー濃度17重量%、2−ブタノール(添加剤)濃度12重
量%、DMSO(溶剤)濃度71重量%のキャスト液を調製
し、それを用いた以外は、実施例21と同様にして管状膜
を作り、膜性能評価を行った。その結果を表10に示す。
実施例21同様、本発明方法によって得られた半透膜
が、従来処方で得た半透膜よりも、有意に優れた性能を
示した。
実施例23 アクリロニトリル含量89.4モル%のアクリロニトリル
とビニルピロリドンからなるコポリマーを用い、コポリ
マー濃度16重量%、ポリエチレングリコール200(添加
剤)濃度16重量%、DMSO(溶剤)濃度68重量%のキャス
ト液を調製した。
このキャスト液を、二重円管ノズルの円筒状のオリフ
ィス(内管と外管との間)から円筒状に連続的に押し出
し、約40℃の水の中に浸漬して、内径0.52mm、外径0.78
mmの中空糸膜を紡糸した。キャスト液の押し出しの際、
中心のオリフィスからは芯液として水を連続的に押し出
した。得られた中空糸膜を長さ20cmに切り取ってサンプ
ルとし、その両端に、試験液を循環する配管に接続して
いる注射針を差し込み、サンプルと注射針とを速硬化性
のエポキシ接着剤で封止して、内圧式で膜性能を測定し
た。その結果を表11に示す。
表11から明らかなように、本発明方法によれば、中空
糸膜の場合も優れた性能の膜を得ることができた。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜素材として、アクリロニトリルと非電解
    質水溶性モノマーであるN−ビニル−2−ピロリドンと
    のコポリマー(a)であって、アクリロニトリル含量が
    80モル%〜96.1モル%のものを用い、コポリマー(a)
    と、コポリマー(a)の溶剤(b)であって水と混和す
    るものと、コポリマー(a)の非溶剤(c)であって水
    と溶剤(b)の両方に混和するものとからなる溶液(キ
    ャスト液)から、相変換法によって半透膜を製造する方
    法において、非溶剤(c)として、炭素数3〜4の一価
    アルコール及び/又は炭素数4〜14の多価アルコールを
    使用することを特徴とするアクリロニトリル系半透膜の
    製造方法。
  2. 【請求項2】コポリマー(a)として、アクリロニトリ
    ル含量が90モル%超〜96.1モル%のものを用いる請求項
    1に記載の半透膜の製造方法。
  3. 【請求項3】溶剤(b)がジメチルスルホキシド及び/
    又はジメチルホルムアミドである請求項1記載の半透膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】非溶剤(c)が、1−ブタノール、2−ブ
    タノール、イソブチルアルコールおよび炭素数7〜14の
    多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上である
    請求項1に記載の半透膜の製造方法。
  5. 【請求項5】非溶剤(c)が、1−ブタノール、2−ブ
    タノール、イソブチルアルコールおよび炭素数7〜11の
    多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上である
    請求項1に記載の半透膜の製造方法。
  6. 【請求項6】非溶剤(c)が、2−ブタノール、ジエチ
    レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
    ングリコール200およびポリエチレングリコール300から
    なる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の半
    透膜の製造方法。
  7. 【請求項7】非溶剤(c)が、2−ブタノール、トリエ
    チレングリコールおよびポリエチレングリコール200か
    らなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の
    半透膜の製造方法。
  8. 【請求項8】非溶剤(c)が、1−プロパノール、2−
    プロパノール、2−ブタノール、トリエチレングリコー
    ルおよびポリエチレングリコール200からなる群から選
    ばれる1種以上である請求項1または2に記載の半透膜
    の製造方法。
JP51043393A 1992-01-16 1993-01-14 半透膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3235836B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-5407 1992-01-16
JP540792 1992-01-16
PCT/JP1993/000047 WO1993013853A1 (en) 1992-01-16 1993-01-14 Process for producing semipermeable membrane

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3235836B2 true JP3235836B2 (ja) 2001-12-04

Family

ID=11610295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51043393A Expired - Fee Related JP3235836B2 (ja) 1992-01-16 1993-01-14 半透膜の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3235836B2 (ja)
WO (1) WO1993013853A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5651209A (en) * 1979-10-02 1981-05-08 Japan Exlan Co Ltd Manufacture of acrylonitrile-based hollow fiber semipermeable membrane
JPS5888010A (ja) * 1981-11-18 1983-05-26 Toyobo Co Ltd アクリルニトリル系分離膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1993013853A1 (en) 1993-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102386027B1 (ko) 설폰 중합체 멤브레인의 제조를 위한 조성물 및 방법
AU616793B2 (en) Integral asymmetric polyether-sulfone membrane, process for the production, and use for ultrafiltration and microfiltration
NL8002844A (nl) Werkwijze ter bereiding van een selectieve permeabele membraan en de aldus verkregen membranen.
US10173177B2 (en) Process for the preparation of ethylene/chlorotrifluoroethylene polymer membranes
EP0559902A1 (en) Permselective polyacrylonitrile copolymer membrane and production thereof
EP3441133A1 (en) Semipermeable membrane
JP3235836B2 (ja) 半透膜の製造方法
JPS5837842B2 (ja) 限外濾過膜の製造方法
US5859175A (en) Process for the preparation of polyether amide solutions, steam-sterilizable dialysis membranes obtainable using the polyether-amide solutions, and a process for the production of these membranes
US10752716B2 (en) Copolymers and terpolymers based on chlorotrifluoroethylene and vinyl chloride and uses thereof
KR100593816B1 (ko) 폴리술폰계 폴리머와 친수성 코폴리머를 포함하는 단일상블렌드로 이루어진 친수성 폴리머막
US6858141B2 (en) Process for the preparation of ultrafiltration membranes of polyacrylonitrile, using malic acid as an additive
JPS60172312A (ja) ポリスルホン中空糸膜の製造法
JP2855233B2 (ja) 透水性にすぐれる芳香族ポリスルホン半透膜の製造方法
JPS6329562B2 (ja)
JPS6151928B2 (ja)
KR20170096652A (ko) 아세틸화 알킬 셀룰로오스 분리막 및 그의 제조방법
JP3818157B2 (ja) ポリフェニルスルホン中空糸膜の製造方法
RO110408B1 (ro) Membrană pe bază de amestecuri polimerice
JPS61107909A (ja) 中空繊維状分離膜の製造方法
WO2024118390A1 (en) Narrow pore distribution pvdf uf membranes made with safer solvents
JPS61141907A (ja) 中空繊維状分離膜の製造方法
JPS6352526B2 (ja)
JPH05184893A (ja) 半透膜およびその製造法
JPH0829240B2 (ja) ポリスルホン系中空糸膜の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees