JP3235649B2 - 水素酸素発生装置用電解セル - Google Patents

水素酸素発生装置用電解セル

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JP3235649B2
JP3235649B2 JP04881897A JP4881897A JP3235649B2 JP 3235649 B2 JP3235649 B2 JP 3235649B2 JP 04881897 A JP04881897 A JP 04881897A JP 4881897 A JP4881897 A JP 4881897A JP 3235649 B2 JP3235649 B2 JP 3235649B2
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清司 平井
明子 三宅
信一 安井
宏子 小林
輝行 森岡
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神鋼パンテツク株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素酸素発生装置用
電解セル(以下、単に電解セルという)、そのガスケッ
トおよび多孔質給電体ユニットに関する。さらに詳しく
は、水を電気分解することによって高純度の水素ガスお
よび酸素ガスを得るための水素・酸素発生装置用の電解
セルと、電解セルに用いられるガスケットと、電解セル
に用いられる多孔質給電体ユニットとに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、高圧型の高純度水素
酸素発生装置(以下、単にHHOGという)51は、純
水電気分解セル(以下、単に電解セルという)52が収
容された水素酸素発生タンク(以下、単に純水タンクと
いう)53と、この純水タンク53に純水Wを供給する
ための純水供給タンク54と、水素ガスH2 から液分
(純水)を除去するための水素ガス用気液分離タンク5
5とを主要構成機器としている。なお、56は純水供給
ポンプである。電解セル52は円筒状を呈している。
【0003】また、純水タンク53内の電解セル52で
は、純水が電解セル52内部で電気分解され、水素ガス
2 と酸素ガスO2 とが発生している。発生した酸素ガ
スO2 は直接純水タンク53内の純水内を通過させら
れ、酸素ガス取り出し管57を通して除湿器(図示せ
ず)に送られ、除湿後に収集される。一方、発生した水
素ガスH2 は純水タンク53内の純水を通さず、電解セ
ル52から第一水素ガス取り出し管58aを通して水素
ガス用気液分離タンク55に導かれ、そこで液分を除去
され、第二水素ガス取り出し管58bを通して除湿器
(図示せず)に送られ、除湿後に収集される。なお、5
9は純水タンク53内の純水Wの水温上昇を抑制するた
めのクーラである。
【0004】前記電解セル52は固体電解質膜ユニット
を所定組並べ合わせたものであり、円柱形を呈してい
る。前記固体電解質膜ユニットは固体電解質膜の両側に
電極板を有し、それらに囲まれた空間の一方が陽極室で
他方が陰極室となり、周囲をガスケット等の部材によっ
て囲まれたもので、それぞれの室に給電体を備えてい
る。
【0005】電解セル52の構造は図7および図8に示
す。図7は組み立て前の電解セルを示し、図8は組み立
て後の電解セルの要部を示す。図中、61は円板状の電
極板であり、62は円板状の固体電解質膜であり、62
aは固体電解質膜62の両面に施された白金メッキ層で
ある。63は円板状の多孔質給電体であり、63aは多
孔質給電体63の固体電解質膜62側の面に同心状に貼
設された円輪状の保護プレートであり、多孔質給電体6
3より外径が大きくされている。64は円輪状のガスケ
ット、65は円輪状の保護シートである。そして、66
は水素ガス取り出しポート、66aは水素ガス取り出し
経路、67は酸素ガス取り出しポート、67aは酸素ガ
ス取り出し経路である。68aおよび68bは端板であ
る。本図では純水供給経路は表されていないが、水素ガ
ス取り出しポート66と同様の構成によって形成されて
いる。
【0006】図7に示すボルト69によって叙上の各部
品類を両端板68a、68bで挟持するように締結すれ
ば電解セル52となる。電解セル52の両端の電極板間
に直流電圧を印加すると、両端の端部電極板はそれぞれ
陽極と陰極となり、それらの中間の電極板は片面が陽極
で多面が陰極の複極式電極板となる。一般に前記ガスケ
ット64はシリコンゴムから形成されている。多孔質給
電体63は網状のチタンから形成されており、部分的な
圧力が負荷されても凹んでなじむことができ、また、こ
の網状部の内部には流体が自在に流動しうる隙間が形成
されている。前記保護プレート63aは一般に厚さが
0.05〜0.5mm程度のチタン板から形成されてい
る。この保護プレート63aは、ボルト69締結によっ
て電解セル52を組み立てるときに、多孔質給電体63
の外周縁角部によって固体電解質膜62が損傷すること
を防止するために設けられている。
【0007】如上の従来の電解セル52を組み立てると
きには、たとえば図8の左側を下方にして端板68a、
ガスケット64、電極板61、ガスケット64、多孔質
給電体63、保護シート65、固体電解質膜62・・・
の各部品を、その外周側にガイド部材(図示せず)を設
置したうえでその順に積み重ねていく。そして最上段
(図中の右端)の端板68bを載置したのちにボルト6
9で全部品を挟圧する。
【0008】図6に示す電解セル52は純水タンク53
内に横置き(電解セルの中心軸がほぼ水平にされてい
る)にされているが、縦置きのものも存在する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】固体電解質膜62は含
水率30%程度から作動し、運転中の湿潤状態では機械
的強度が低いものとなっている。したがって、叙上のご
とく構成されたHHOG51では、図8に示すように、
電解セル52を組み立てるときにボルト69締結によっ
て前記保護プレート63aの外周側角部63bが固体電
解質膜62を押圧し、固体電解質膜62が破損するおそ
れがある。保護シート65が介在させられてはいるが、
この保護シート65は前述のごとく厚さが25〜100
μm程度しかなく、前記保護プレート63aの外周側角
部63bによって切れてしまい、損傷防止の大きな作用
は奏しえない。もし、保護シート65を厚くすれば固体
電解質膜62と多孔質給電体63との接触が悪くなると
いう問題が生じる。なお、保護プレート63aの内周側
角部は、多孔質給電体63が前述のごとく容易に凹むの
で固体電解質膜62を損傷することはない。
【0010】また、ガスケット面に部分的に保護プレー
トが重なるため、ガスケットの面圧が不均一となる。
【0011】本願発明はかかる問題を解決するためにな
されたものであり、ガスケットと保護プレートとが実質
的に同一平面をなすように、ガスケットの面に保護プレ
ートが嵌合しうる嵌合段部を形成することによって固体
電解質膜62に角部が押圧されることを防止する電解セ
ルおよびそのガスケットを提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第一態様にかか
る電解セルは、正負の両電極板のあいだに固体電解質膜
によって仕切られた陽極室と陰極室とを有する電解セル
であって、前記陽極室および陰極室それぞれに多孔質給
電体が配設されており、該多孔質給電体の外周に陽極室
および陰極室をそれぞれ画する環状ガスケットが嵌合さ
れており、前記多孔質給電体における固体電解質膜側の
面の外周縁に沿って、前記環状ガスケットの内周側の全
周にわたって重なり合うように、多孔質給電体の外周か
らその全周がはみ出す大きさの固体電解質膜保護用の環
状保護プレートが貼設されており、前記環状ガスケット
の面に前記環状保護プレートが嵌合して環状ガスケット
と環状保護プレートとが実質的に同一平面をなしうる嵌
合段部が形成されていることを特徴としている。
【0013】かかる構成によって本発明の電解セルは、
その環状保護プレートの外周縁が固体電解質膜側に突出
することがなくなる。すなわち、固体電解質膜側の面に
段差ができないので、ボルト等の締結によって電解セル
を組み立てるときに前記環状保護プレートの外周縁が固
体電解質膜を損傷することがない。さらに、従来技術の
ようにガスケットに対して不均一な面圧を加えることも
ない。
【0014】また、本発明のガスケットは、電解セルの
陽極室および陰極室をそれぞれ構成する多孔質給電体の
外周に配設される、陽極室および陰極室をそれぞれ画す
るための環状ガスケットであって、その一方の面に内周
側を薄くする段差が形成されており、該段差に、前記多
孔質給電体の外周縁に沿ってその一方の面に貼設された
固体電解質膜保護用の環状保護プレートの外周側が嵌合
し、且つ、多孔質給電体がガスケットの内周側に嵌合す
ることにより、該環状保護プレートとで実質的に同一平
面をなしうるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0015】かかる構成によって本発明のガスケット
は、電解セルに組み込んだときに、前記本発明の電解セ
ルと同様の作用効果を奏する。
【0016】本発明の第二態様にかかる電解セルは、正
負の両電極板のあいだに固体電解質膜によって仕切られ
た陽極室と陰極室とを有する電解セルであって、前記陽
極室および陰極室それぞれに多孔質給電体が配設されて
おり、前記多孔質給電体の外周縁に沿ってその固体電解
質膜側の面に多孔質給電体の外周からその全周がはみ出
す大きさの環状の保護プレートが貼設されており、該多
孔質給電体の外周側に陽極室および陰極室をそれぞれ画
する環状ガスケットが嵌合されており、該環状ガスケッ
トと環状保護プレートとが互いに重なり合っており、環
状保護プレートおよび環状ガスケットそれぞれの固体電
解質膜側の面が互いに実質的に同一平面をなすように接
合されてなることを特徴としている。
【0017】かかる構成によって本発明の電解セルにお
いても、その環状保護プレートの外周縁が固体電解質膜
側に突出することがなく、環状保護プレートの外周縁が
固体電解質膜を損傷することがない。
【0018】さらに、その環状ガスケットと多孔質給電
体とが環状保護プレートを介して接合され、一体化され
ているので、組み立て時にとくに環状ガスケットと多孔
質給電体とが偏心することがない。その結果、環状ガス
ケットが電解セル外方にはみ出したり、環状ガスケット
に加わる面圧が不均一になることがないので、部品の損
傷や発生ガスの漏洩の心配がない。
【0019】また、保護プレートは薄く形成されるが、
その内径側が多孔質給電体に接合され、その外径側がガ
スケットに接合されているため、剛性が向上して好まし
い。
【0020】本発明の多孔質給電体ユニットは、電解セ
ルの陽極室および陰極室をそれぞれ構成する多孔質給電
と、該多孔質給電体の外周側に嵌合されて陽極室およ
び陰極室をそれぞれ画する環状ガスケットとからなる
孔質給電体ユニットであって、メッシュ状の多孔質給電
体の外周縁に沿ってその固体電解質膜側の面に多孔質給
電体の外周からその全周がはみ出す大きさの環状の保護
プレートが貼設されており 上記環状ガスケットと環状
保護プレートとが互いに重なり合っており、環状保護プ
レートおよび環状ガスケットそれぞれの固体電解質膜側
の面が互いに実質的に同一平面をなすように接合されて
なることを特徴としている。
【0021】かかる構成によって本発明の多孔質給電体
ユニットは、電解セルに組み込んだときに、前記本発明
の電解セルと同様の作用効果を奏する。
【0022】なお、特許請求の範囲でいう「環状」と
は、円環状(円輪状)のみならず、多角環状、長円環状
および楕円環状等も含む意味である。要するに電解セル
の形状に応じて設定すればよい。
【0023】また、多孔質給電体の外周から全周がはみ
出す大きさの環状の保護プレートとは、環状の保護プレ
ートの大きさが多孔質給電体の固体電解質膜と対峙する
部分の実質的外周の全周からはみ出す大きさであること
を意味する。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎに、添付図面に示された実施
形態を参照しつつ本発明の電解セル、ガスケットおよび
多孔質給電体ユニットを説明する。
【0025】図1は本発明の電解セルの一実施形態にお
ける固体電解質膜ユニットの要部を示す組み立て前断面
図である。図2は図1における本発明のガスケットの一
実施形態を示す斜視図である。図3は図1の固体電解質
膜ユニットの要部を示す組み立て後断面図である。図4
は本発明の多孔質給電体ユニットの一実施形態を示す一
部切欠き斜視図である。図5は図4の多孔質給電体ユニ
ットを組み込んだ本発明の電解セルの他の実施形態にお
ける固体電解質膜ユニットの要部を示す組み立て前断面
図である。
【0026】図1および図3に示すのは電解セルに組み
込まれる固体電解質膜ユニット1である。この固体電解
質膜ユニット1において、2は円板状の固体電解質膜で
あり、2aは固体電解質膜2の両面に施された多孔質の
白金メッキ層である。3は円板状の多孔質給電体であ
り、3aは多孔質給電体3の固体電解質膜2側の面にお
ける外周に沿って貼設された円輪状の保護プレートであ
り、多孔質給電体3の端縁による固体電解質膜2の損傷
を防止するために設けられるものである。4は円輪状の
ガスケット、5は円輪状の保護シートである。6は円板
状の電極板である。
【0027】多孔質給電体3の材質は電極板6と同じチ
タン製であり厚さ0.5〜2mm程度のメッシュ状のも
のを用いる。前記保護プレート3aは厚さ0.05〜
0.5mm程度のチタン板から形成されており、多孔質
給電体3への貼設方法は特に限定されないが本実施形態
においてはスポット溶接によって貼設されている。保護
プレート3aの内径は多孔質給電体3の外形より小さ
く、外径は多孔質給電体3の外形より大きくされてい
る。
【0028】つぎに、前記固体電解質膜2としては、固
体高分子電解質を膜状に成形したものの両面に貴金属、
とくに白金族金属からなる多孔質層を化学的に無電解メ
ッキによって形成した固体高分子電解質膜を使用するの
が好ましい。前記固体高分子電解質膜としては、カチオ
ン交換膜(フッ素樹脂系スルフォン酸カチオン交換膜で
あり、たとえば、デュポン社製「ナフィオン117」)
が好ましい。また、この場合、前記多孔質メッキ層とし
ては白金族金属のうち白金が好ましく、とくに白金とイ
リジウムとからなる二重構造とすれば、80°Cにおい
て200A/dm2 の高電流密度で四年間の長期にわた
って電気分解することが可能である。なお、前記イリジ
ウムの他に、二種類以上の白金族金属をメッキした多層
構造の固体電解質膜も使用することができる。
【0029】ちなみに、たとえば従来の、電極を物理的
にイオン交換膜に接触させた構造の固体電解質膜では5
0〜70A/dm2 程度の電流密度である。
【0030】また、以上のごとく構成された固体電解質
膜2では、固体高分子電解質と多孔質メッキ層とのあい
だには水は存在しないので、溶液抵抗やガス抵抗が少な
い。したがって、固体高分子電解質と両多孔質メッキ層
とのあいだの接触抵抗が低くなり、電圧降下が少なくな
り、電流分布が均一となる。その結果、高電流密度化、
高温水電解、高圧水電解が可能となり、高純度の酸素ガ
スおよび水素ガスを効率よく得ることが可能となる。
【0031】なお、前記固体高分子電解質膜の他、セラ
ミック膜等の他の固体電解質膜を使用することも可能で
ある。
【0032】そして、7は水素ガス取り出し経路、8は
酸素ガス取り出し経路である。本図では純水供給経路は
表されていないが、前記ガス取り出し経路7、8と同様
の構成によって形成されている。
【0033】その他の構成は前述の従来技術のもの(図
7および図8)と同じである。
【0034】前記保護シート5は厚さが25〜100μ
m程度のフッ素樹脂フィルムから形成されており、運転
中に強酸性となる固体電解質膜2から前記ガスケット4
を隔離して保護するために配設される。この保護シート
5は円輪状であり、ちょうど固体電解質膜2の白金メッ
キ層2aの外周側に嵌合するような形状寸法にされてい
る。
【0035】前記ガスケット4は厚さが0.5〜2mm
程度のシリコンゴム板から円輪状に形成されている。そ
して、ちょうど多孔質給電体3の外周側に嵌合するよう
な形状寸法にされている。もちろん、ガスケット4と多
孔質給電体3とは完全な嵌め合い状態(つまり、密な嵌
合)でなくてもよく、若干の隙間(たとえば片側約0.
5mm程度)が生じていてもよい。また、図2も併せて
参照すれば明らかなように、その内周縁側が薄くされて
いる。すなわち、段部4aが形成されている。この段部
4aは前記保護プレート3aの多孔質給電体3の外周縁
から外方へ拡大された部分が嵌合する形状寸法にされて
いる。すなわち、段部4aの内径は保護プレート3aの
外形とほぼ同一かやや大きい値であり、段部4aの深さ
は保護プレート3aの厚さとほぼ同一値である。
【0036】かかるガスケット4を前記保護プレート3
a付きの多孔質給電体3と重ねて組み立てれば、図3に
示すように、ガスケット4における固体電解質膜2側面
に保護プレート3aの外周縁が突出することがなくな
り、電解セルとして組み立てたときに固体電解質膜2を
損傷することがない。
【0037】なお、多孔質給電体3とガスケット4とは
同一厚さ(0.5〜2mm程度)であるため、前述のよ
うにガスケット4に保護プレート3a用嵌合段部4aが
形成されると、ガスケット4の段部4aと反対側に多孔
質給電体3が保護プレート3aの厚さ分だけはみ出す。
しかし、電解セル組み立て時のボルトによる締付によっ
て多孔質給電体3は圧縮されるとともに電極板6と固体
電解質膜2とに十分に密着させられるため問題はない。
【0038】また、保護プレート3aの内周縁側は電解
セルを組み立てたときに弾力性を有する多孔質給電体3
をたわませるように多孔質給電体3内に沈み込むため、
該内周縁側角部によって固体電解質膜2を損傷すること
はない。
【0039】図4には前記保護プレート3a付きの多孔
質給電体3とガスケット14とが一体に結合されて形成
された多孔質給電体ユニット13が示されている。この
多孔質給電体ユニット13においては、前記ガスケット
4(図1および図2)のように予め段部4aを形成する
ことはせず、ガスケット14を成形するときに保護プレ
ート3aと一体に結合したもの、すなわち、インサート
成形等によって成形したものである。その場合、保護プ
レート3aの一方の面と、ガスケット14の一方の面と
が同一平面P(図5も併せて参照)を形成するように成
形する。なお、ガスケット14を保護プレート3aと一
体に成形する方法は前記インサート成形に限定されな
い。つぎに、ガスケット14と一体になった保護プレー
ト3aに同心状に多孔質給電体3をスポット溶接等によ
って接合し、多孔質給電体3と保護プレート3aとガス
ケット14とが一体になった多孔質給電体ユニット13
が出来上がる。
【0040】この多孔質給電体ユニット13を固体電解
質膜ユニット1に組み込む場合、図5に示された状態と
なる。なお、図5は組み立て前を示す。多孔質給電体ユ
ニット13以外は図1の固体電解質膜ユニット1と同一
構成であるため、符号を共通する。
【0041】本多孔質給電体ユニット13を固体電解質
膜ユニット1に組み込んで電解セルとして組み立てた場
合にも、図3に示すようにガスケット14における固体
電解質膜2側の面に保護プレート3aの外周縁が突出す
ることがなくなり、電解セルとして組み立てたときに固
体電解質膜2を損傷することがない。
【0042】さらに、前記三者3、3a、14を一体に
した多孔質給電体ユニット13を用いれば、以下のよう
な利点も得られる。すなわち、電解セルをたとえば図5
の左側を下方にして組み立てるときに、固体電解質膜2
および保護シート5まで積み上げた後にそれらの上に多
孔質給電体ユニット13を載置する場合、ガイドするも
のが無くても、ガスケット14の外周縁を案内しつつ他
の電解セル部品に重ねて組み込むことにより、全て3、
3a、14が同心状に配設される。その結果、発生ガス
の漏洩や部品の損傷の原因となるガスケット14の外方
へのはみ出しや面圧不均一が防止される。なお、叙上の
実施形態では高圧型のHHOGを例にとって説明した
が、本発明の電解セルは高圧型のHHOGに限らず、低
圧型のもの(発生した酸素ガスを電解セルから酸素ガス
取り出し管を通して取り出すことによって純水タンクを
省略したタイプ)にも適用することができる。
【0043】また、本発明は如上の実施形態のように円
柱形電解セルのみならず、角柱形や楕円柱形の電解セル
にも適用しうることは明らかである。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、その固体電解質膜保護
用の保護プレートの外周縁が固体電解質膜側に突出する
ことがなくなるので、ボルト等の締結によって電解セル
を組み立てるときに前記保護プレートの外周縁が固体電
解質膜を損傷することがない。さらに、従来技術のよう
にガスケットに対して不均一な面圧を加えることもな
い。その結果、発生ガスの漏洩や混合の心配はなく、も
ちろん固体電解質膜の長寿命化や再利用が可能となる。
【0045】また、本発明の第二態様によれば、上記効
果に加えて、環状ガスケットと多孔質給電体とが環状保
護プレートを介して接合され、一体化されているので、
組み立て時に部品同士が偏心することがない。その結
果、環状ガスケットが自身の平面方向に移動してガスケ
ットに不均一面圧を生ぜしめたり、保護プレートを変形
させて固体電解質膜を損傷したりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解セルの一実施形態における固体電
解質膜ユニットの要部を示す組み立て前断面図である。
【図2】本発明のガスケットの一実施形態を示す斜視図
である。
【図3】図1の固体電解質膜ユニットの要部を示す組み
立て後断面図である。
【図4】本発明の多孔質給電体ユニットの一実施形態を
示す一部切欠き斜視図である。
【図5】図4の多孔質給電体ユニットを組み込んだ、本
発明の電解セルの他の一実施形態における固体電解質膜
ユニットの要部を示す組み立て前断面図である。
【図6】従来の高圧型水素酸素発生装置の一例を示す系
統図である。
【図7】従来の電解セルの型電解セルの一例を示す組み
立て前の断面図である。
【図8】従来の電解セルの型電解セルの一例を示す組み
立て後の要部断面図である。
【符号の説明】
1・・・固体電解質膜ユニット 2・・・固体電解質膜 2a・・白金メッキ層 3・・・多孔質給電体 3a・・保護プレート 4、14・・・電極板 4a・・段部 5・・・保護シート 6・・・電極板 7・・・水素ガス取り出し経路 8・・・酸素ガス取り出し経路 13・・・多孔質給電体ユニット
フロントページの続き (72)発明者 小林 宏子 兵庫県神戸市長田区名倉町5丁目8番11 号 (72)発明者 森岡 輝行 兵庫県加古川市平岡町土山934−4 (56)参考文献 特開 平8−296078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極板と陰極板とのあいだに固体電解質
    膜によって仕切られた陽極室と陰極室とを有する電解セ
    ルであって、 前記陽極室および陰極室それぞれに多孔質給電体が配設
    されており、 該多孔質給電体の外周に陽極室および陰極室をそれぞれ
    画する環状ガスケットが嵌合されており、 前記多孔質給電体における固体電解質膜側の面の外周縁
    に沿って、前記環状ガスケットの内周側の全周にわたっ
    て重なり合うように、多孔質給電体の外周からその全周
    がはみ出す大きさの固体電解質膜保護用の環状保護プレ
    ートが貼設されており、前記環状ガスケットの面に、前
    記環状保護プレートが嵌合して環状ガスケットおよび環
    状保護プレートそれぞれの固体電解質膜側の面が実質的
    に同一平面をなしうる嵌合段部が形成されてなることを
    特徴とする水素酸素発生装置用電解セル。
  2. 【請求項2】 電解セルの陽極室および陰極室をそれぞ
    れ構成する多孔質給電体の外周に配設される、陽極室お
    よび陰極室をそれぞれ画するための環状ガスケットであ
    って、 その一方の面に内周側を薄くする段差が形成されてお
    り、 該段差に、前記多孔質給電体の外周縁に沿ってその一方
    の面に貼設された固体電解質膜保護用の環状保護プレー
    トの外周側が嵌合し、且つ、多孔質給電体がガスケット
    の内周側に嵌合することにより、環状保護プレートとで
    実質的に同一平面をなしうるように構成されてなること
    を特徴とする電解セル用環状ガスケット。
  3. 【請求項3】 正負の両電極板のあいだに固体電解質膜
    によって仕切られた陽極室と陰極室とを有する電解セル
    であって、 前記陽極室および陰極室それぞれに多孔質給電体が配設
    されており、 前記多孔質給電体の外周縁に沿ってその固体電解質膜側
    の面に多孔質給電体の外周からその全周がはみ出す大き
    さの環状の保護プレートが貼設されており、 該多孔質給電体の外周側に陽極室および陰極室をそれぞ
    れ画する環状ガスケットが嵌合されており、 該環状ガスケットと環状保護プレートとが互いに重なり
    合っており、環状保護プレートおよび環状ガスケットそ
    れぞれの固体電解質膜側の面が互いに実質的に同一平面
    をなすように接合されてなることを特徴とする水素酸素
    発生装置用電解セル。
  4. 【請求項4】 電解セルの陽極室および陰極室をそれぞ
    れ構成する多孔質給電体と、該多孔質給電体の外周側に
    嵌合されて陽極室および陰極室をそれぞれ画する環状ガ
    スケットとからなる多孔質給電体ユニットであって、 メッシュ状の多孔質給電体の外周縁に沿ってその固体電
    解質膜側の面に多孔質給電体の外周からその全周がはみ
    出す大きさの環状の保護プレートが貼設されており 上記 環状ガスケットと環状保護プレートとが互いに重な
    り合っており、 環状保護プレートおよび環状ガスケットそれぞれの固体
    電解質膜側の面が互いに実質的に同一平面をなすように
    接合されてなることを特徴とする電解セル用多孔質給電
    体ユニット。
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