JP3235498B2 - 弾性表面波共振器及びラダー型弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波共振器及びラダー型弾性表面波フィルタ

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JP3235498B2
JP3235498B2 JP01695397A JP1695397A JP3235498B2 JP 3235498 B2 JP3235498 B2 JP 3235498B2 JP 01695397 A JP01695397 A JP 01695397A JP 1695397 A JP1695397 A JP 1695397A JP 3235498 B2 JP3235498 B2 JP 3235498B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電基板上に駆動
電極及び反射器を有する弾性表面波(以下SAWと称す
る)共振器、及びこれらを組み合わせて形成されたSA
Wフィルタに関する。特にデジタル方式の携帯電話用の
フィルタでは帯域内の平坦性が重要視されるが、本発明
は、通過帯域内のリップルを低減し、帯域の平坦性を向
上させたSAW共振器及びSAWフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、従来のSAWフィルタの特性
を示す。このフィルタは、図1に示されるようなSAW
共振器が、図5(a)に示されるようにラダー型に複数
接続されて形成されたものである。なお、図1及び図5
(a)は本発明の実施形態を説明する図であるが、形状
の説明をするために便宜上ここで用いた。各共振器の駆
動電極(以下IDTと称する。)及び反射器の電極指
は、それぞれ等しいピッチで形成されており、IDTと
反射器との間隔もこのピッチと等しい幅である。
【0003】このフィルタの通過特性図のうち、通過帯
域部分を拡大したものを図8に示す。(なお、この図
は、本発明の効果を示すグラフと重ねて示されてい
る。)さらに拡大したものを図9に示す。(この図も本
発明の効果を示すグラフと重ねて示されている。)これ
らの図に示されるように、従来のSAWフィルタでは、
通過帯域にリップルが大きく現れている。
【0004】この理由は、SAW共振器ではIDT電極
や反射器において反射波によるスプリアスが発生する
が、SAWフィルタを構成する全てのSAW共振器のI
DT電極・反射器の電極が同じピッチで形成されている
ため、スプリアスが互いに強めらる結果、SAW共振器
を複数組み合わせたSAWフィルタとした時に、図8,
9のように大きなリップルとなって現れると考えられ
る。なお、本明細書では、SAW共振器の周波数特性中
に現れる不要なピークをスプリアスと呼び、SAWフィ
ルタの通過帯域中に現れる不要なピークをリップルと呼
ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような大きな
リップルを持つフィルタをデジタル方式の携帯電話に使
用すると、リップルの部分が信号の二値化に悪影響を及
ぼし、データ等が正確に伝送できないという問題点があ
る。デジタル方式の携帯電話では、受信した電波を1か
0かの信号に置換するが、帯域内で安定した受信レベル
が得られないと、本来1となるべきところが0と置換さ
れる問題があり、帯域内のフィルタ特性はその平坦性が
強く要求される。
【0006】従って、本発明は周波数特性の平坦性の優
れたSAW共振器、及びそれらを組み合わせて構成する
SAWフィルタの特性のうち、通過帯域内の平坦性に優
れたSAWフィルタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段を
採った弾性表面波共振器及びラダー型弾性表面波フィル
タにより解決することができる。請求項1記載の発明で
は、圧電性基板と、該圧電性基板上に形成され、電気信
号を弾性表面波に変換する駆動電極と、該駆動電極の両
端に形成され、該弾性表面波を反射する第1の反射器及
び第2の反射器とを有し、該第1の反射器と該第2の反
射器のピッチが1%以下の範囲で異なることを特徴する
弾性表面波共振器により構成される。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
弾性表面波共振器において、前記第1の反射器のピッチ
及び前記第2の反射器のピッチを0.3〜0.8%の範
囲で異なる弾性表面波共振器により構成される。請求項
3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記
第1の反射器のピッチ及び前記第2の反射器のピッチを
前記駆動電極のピッチを中心として0.1〜1%の範囲
で異なる弾性表面波共振器により構成される。
【0009】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
発明において、前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
の反射器のピッチを前記駆動電極のピッチを中心として
0.3〜0.8%の範囲で異なる弾性表面波共振器によ
り構成される。請求項5記載の発明では、圧電性基板
と、該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波
に変換する駆動電極と、該駆動電極の該弾性表面波の伝
搬方向の両端に形成され、該弾性表面波を反射する第1
の反射器と第2の反射器を有し、該第1の反射器と該第
2の反射器のピッチが0.1〜1.2%の範囲で異なる
第1及び第2の弾性表面波共振器と、該第1の共振器に
より構成された複数の直列腕と、該第2の共振器により
構成された複数の並列腕とによりバンドパス型のフィル
タ特性を有することを特徴とするラダー型弾性表面波フ
ィルタにより構成される。
【0010】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
発明において、前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
の反射器のピッチを0.5〜0.9%の範囲で異なるラ
ダー型弾性表面波フィルタにより構成する。請求項7記
載の発明では、請求項5記載の発明において、前記第1
の反射器のピッチ及び前記第2の反射器のピッチを前記
駆動電極のピッチを中心として0.1〜1.2%の範囲
で異なる弾性表面波フィルタにより構成する。
【0011】請求項8記載の発明では、請求項6記載の
発明において、前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
の反射器のピッチを前記駆動電極のピッチを中心として
0.5〜0.9%の範囲で異なる弾性表面波フィルタに
より構成する。請求項9記載の発明では、圧電性基板
と、該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波
に変換する駆動電極と、該駆動電極の該弾性表面波の伝
搬方向の両端に形成され、該弾性表面波を反射する第1
の反射器と第2の反射器とを有する第1,第2,第3及
び第4の弾性表面波共振器と、該第1の共振器が最初の
段、第2の共振器が最終の段、第3の共振器が該第1及
び第2の共振器の間の段に設けられた直列腕と、該第4
の共振器により構成された複数の並列腕とによりバンド
パス型のフィルタ特性を有し、該第1の共振器の駆動電
極及び該第2の共振器の駆動電極のピッチが、0.2〜
0.8%の範囲で異なることを特徴とするラダー型弾性
表面波フィルタにより構成する。
【0012】請求項10記載の発明では、請求項9記載
の発明において、前記第1の共振器の駆動電極のピッチ
及び前記第2の共振器の駆動電極のピッチを0.3〜
0.7%の範囲で異なるラダー型弾性表面波フィルタに
より構成する。請求項11記載の発明では、請求項9記
載の発明において、前記第1の共振器の駆動電極のピッ
チ及び前記第2の共振器の駆動電極のピッチを前記第3
の共振器の駆動電極のピッチを中心として0.2〜0.
8%の範囲で異なる弾性表面波フィルタにより構成す
る。
【0013】請求項12記載の発明では、請求項10記
載の発明において、前記第1の共振器の駆動電極のピッ
チ及び前記第2の共振器の駆動電極のピッチを前記第3
の共振器の駆動電極のピッチを中心として0.3〜0.
7%の範囲で異なる弾性表面波フィルタにより構成す
る。上記の各手段は次のような作用を有する。
【0014】請求項1記載の発明では、左右の反射器の
ピッチを0.1〜1%の範囲で異ならせることにより、
左右の反射器で発生するスプリアスも微妙に周波数が異
なるので、各反射器で発生する微妙に異なる2種類の周
波数のスプリアスが互いに打ち消し合い、共振特性の平
坦性が向上する。請求項2記載の発明では、左右の反射
器のピッチを0.3〜0.8%の範囲で異ならせること
により、請求項1の構成よりもさらに共振特性の平坦性
が向上する。
【0015】請求項3記載の発明では、駆動電極のピッ
チを中心に、左右の反射器のピッチを0.1〜1%の範
囲で異ならせることにより、駆動電極及び左右の反射器
で発生する微妙に異なる3種類の周波数のスプリアスが
互いに打ち消し合い、請求項1,2の場合に比べ、より
効率的にリップルを小さくでき、さらに共振特性の平坦
性が向上する。
【0016】請求項4記載の発明では、駆動電極のピッ
チを中心に、左右の反射器のピッチを0.3〜0.8%
の範囲で異ならせることにより、さらにリップルを小さ
くでき、請求項1,2,3の共振器よりもさらに共振特
性の平坦性が向上する。請求項5記載の発明では、左右
の反射器のピッチを0.1〜1.2%の範囲で異ならせ
た共振器によりラダー型フィルタを構成することによ
り、発生するスプリアスも微妙に周波数が異なるので、
反射器間を往復する間に互いに弱め合い、通過帯域内の
リップルが小さくなり、通過帯域の平坦性が向上する。
【0017】請求項6記載の発明では、左右の反射器の
ピッチを0.5〜0.9%の範囲で異ならせた共振器に
よりラダー型フィルタを構成することにより、請求項5
の構成よりもさらにバンドパス特性の通過帯域の平坦性
が向上する。請求項7記載の発明では、駆動電極のピッ
チを中心に、左右の反射器のピッチを0.1〜1.2%
の範囲で異ならせた共振器によりラダー型フィルタを構
成することにより、請求項3と同様な作用により効率的
に発生したスプリアスを互いに弱め合うことができ、請
求項5,6の構成よりもさらに通過帯域の平坦性が向上
する。
【0018】請求項8記載の発明では、駆動電極のピッ
チを中心に、左右の反射器のピッチを0.5〜0.9%
の範囲で異ならせた共振器によりラダー型フィルタを構
成することにより、請求項3と同様な作用により効率的
に発生したスプリアスを互いに弱め合うことができ、請
求項5,6,7の構成よりもさらに通過帯域の平坦性が
向上する。
【0019】請求項9記載の発明では、ラダー型フィル
タの直列腕の最初の段及び最終の段の共振器の駆動電極
のピッチを0.2〜0.8%の範囲で異ならせてラダー
型フィルタを構成することにより、最初の段と最終の段
の共振器の駆動電極のピッチをづらすことにより、直列
腕の共振周波数を微妙にづらすことができ、各共振器で
発生するスプリアスが互いに打ち消し合うので、通過帯
域のリップルを小さくすることができ、通過帯域の平坦
性が向上する。
【0020】請求項10記載の発明では、ラダー型フィ
ルタの直列腕の最初の段及び最終の段の共振器の左右の
反射器のピッチを0.3〜0.7%の範囲で異ならせて
ラダー型フィルタを構成することにより、請求項9の構
成よりもさらにラダー型フィルタの通過帯域の平坦性が
向上する。請求項11記載の発明では、ラダー型フィル
タの直列腕の最初の段及び最終の段の共振器の駆動電極
のピッチを、間の段の共振器の駆動電極のピッチを中心
として0.2〜0.8%の範囲で異ならせてラダー型フ
ィルタを構成することにより、請求項9,10の構成よ
りもさらに直列腕の共振周波数を微妙にづらすことがで
き、各共振器で発生するスプリアスが互いに打ち消し合
うので、ラダー型フィルタの通過帯域の平坦性が向上す
る。
【0021】請求項12記載の発明では、ラダー型フィ
ルタの直列腕の最初の段及び最終の段の共振器の駆動電
極のピッチを、間の段の共振器の駆動電極のピッチを中
心として0.3〜0.7%の範囲で異ならせてラダー型
フィルタを構成することにより、請求項9,10,11
の構成よりもさらにラダー型フィルタの通過帯域の平坦
性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕以下本発明の実施形態を、図1〜13
により具体的に説明する。図1〜10は第1実施形態を
説明するものであり、図11〜13は第2実施形態を説
明するものである。
【0023】図1は、結晶のX軸を中心にY軸からZ軸
に42°の角度で回転させた方位でX面に平行にカット
されたリチウムタンタレート(LiTaO3)基板(不図示)
上に、アルミニウム合金により形成されたIDT電極
1、及びその両端に反射器2,3を形成したSAW共振
器を示している。IDTに印加された電気信号は、ID
Tの電極指のピッチに合った波長のSAWをリチウムタ
ンタレート基板内に出射する。このように発生したSA
Wは、反射器2,3間を往復し定在波4を発生させる
が、反射器のピッチに合わない波長のSAWは弱まり、
特定の波長のSAWだけが共振する。これは丁度個別部
品で形成されたLCタンク回路で起きる現象と同じであ
るため共振器として作用する。そして、SAW共振器の
等価回路はLCタンク回路で表現でき、この等価回路
は、図5(a)に示されるような記号で表される。
【0024】図2は、SAW共振器の周波数特性を示す
ものであり、丸で囲んだ部分を拡大したものを図3に示
す。図3は、IDT電極のピッチ(4.37μm=1λ)を
中心として反射器2,3のピッチを種々変えて測定した
ものであり、比較のため従来の等ピッチのものが重ねて
示されている。横軸は周波数(MHz )を示し、縦軸は減
衰(dB)を示している。
【0025】図3において、例えば0.5%と示されて
いる線は、IDT電極のピッチ(4.37μm=1λ)を中
心として、反射器2のピッチを0.995 λにし、反射器3
のピッチを1.005 λに設定したものの特性を示してい
る。このような状態を反射器2,3のピッチを変化率
0.5%で変えたものと定義する。図4は、横軸に反射
器2,3の変化率(%)をとり、縦軸にリップル幅(d
B)をとった場合の特性図である。リップル幅とは、図
3に示されるグラフにおいて、極大値(A付近)と極小
値(B付近)との差をとったものである。
【0026】図4に示されるように、左右の反射器の変
化率を0.1〜1%とすることにより、発生するスプリ
アスも微妙に周波数が異なるので、反射器間を往復する
間に互いに弱め合い、リップル幅が約0.065 (dB)以下
と小さく抑えられている。このレベルであれば、共振器
を複数ラダー型に組み合わせてフィルタを構成し、この
フィルタをデジタル方式の携帯電話に用いても前述した
リップルによる問題は生じない。
【0027】そして、より好ましくは、左右の反射器の
変化率を、0.3〜0.8%に設定すればリップル幅を
約0.06(dB)以下とさらに小さく抑えられる。次に、図
5(a)に示されるように、前記共振器を複数ラダー型
に組み合わせてフィルタを構成した場合(以下ラダー型
フィルタと称する。)について説明する。
【0028】ラダー型フィルタを構成する場合、各共振
器を図6のような配置で配列する。実際のデバイスの共
振器の配置を模式的に示すと、図7に示されるような配
置となる。具体的には、直列共振器(以下、直列腕と称
する。)5のIDTのピッチは4.37μmであり、並列共
振器(以下、並列腕と称する。)6のIDTのピッチは
4.57μmである。
【0029】ここで、ラダー型フィルタの原理を簡単に
説明する。SAW共振器は2つの共振周波数を持つ二重
共振特性を有している。一つを共振周波数(fr)、も
う一つを反共振周波数(fa)と呼ぶ。このような二重
共振特性を持つSAW共振器をそれぞれ図5(a)のよ
うに直列腕5及び並列腕6に配置し、さらに並列腕の反
共振周波数(fap)を直列腕の共振周波数(frs)
に略一致させると、それを中心とするバンドパス型のフ
ィルタ特性を示す回路を構成できる。
【0030】図8は、図5〜7に示されるようなラダー
型フィルタの左右の反射器の変化率(%)をIDT電極
のピッチ(4.37μm=1λ)を中心として、種々変えた
場合の通過帯域部分の拡大図であり、図9は通過帯域部
分をさらに拡大した図である。両図とも、横軸は周波数
(MHz )を示し、縦軸は減衰(dB)を示している。図1
0は、図4と同様に、横軸に反射器の変化率(%)をと
り、縦軸にリップル幅(dB)をとった場合の特性図であ
る。リップル幅とは、図9に示されるグラフにおいて、
極大値(C付近)と極小値(D付近)との差をとったも
のである。
【0031】図10に示されるように、左右の反射器の
変化率を0.1〜1.2%とすることにより、発生する
スプリアスも微妙に周波数が異なるので、反射器間を往
復する間に互いに弱め合い、リップル幅が約0.29(dB)
以下と小さく抑えられている。このレベルであれば、こ
のフィルタをデジタル方式の携帯電話に用いても前述し
たリップルによる問題は生じない。
【0032】そして、より好ましくは、左右の反射器の
変化率を、0.5〜0.9%に設定すればリップル幅を
約0.27(dB)以下とさらに小さく抑えられる。 〔第2実施形態〕次に、図11〜13により第2実施形
態を説明する。
【0033】本実施形態は、共振器を図5(b)に示さ
れるようにラダー型に4段接続してフィルタとしたもの
だが、直列腕の最初の段7及び最終の段8の共振器のI
DTのピッチを、間の段の共振器のIDTのピッチを中
心にして変化させたものである。図11は、ラダー型フ
ィルタの直列腕の最初の段7、及び最終の段8のIDT
の変化率(%)を間の段のIDT電極のピッチ(4.37μ
m=1λ)を中心として、種々変えた場合の通過帯域部
分の拡大図であり、図12は、通過帯域部分をさらに拡
大した図である。両図とも、横軸は周波数(MHz )を示
し、縦軸は減衰(dB)を示している。
【0034】図13は、横軸にIDTの変化率(%)を
とり、縦軸にリップル幅(dB)をとった場合の特性図で
ある。リップル幅とは、図12に示されるグラフにおい
て、極大値(E付近)と極小値(F付近)との差をとっ
たものである。図13に示されるように、直列腕の最初
の段7及び最終の段8の共振器のIDTの変化率が、
0.2〜0.8%とすることにより、発生するスプリア
スも微妙に周波数が異なるので、共振周波数が直列腕の
各共振器で微妙に異なり、リップル幅が約0.15(dB)以
下と小さく抑えられている。このレベルであれば、この
フィルタをデジタル方式の携帯電話に用いても前述した
リップルによる問題は生じない。
【0035】そして、より好ましくは、直列腕の最初の
段7及び最終の段8の共振器のIDTの変化率を、0.
3〜0.7%に設定すればリップル幅を約0.1 (dB)以
下とさらに小さく抑えられる。なお、ラダー型フィルタ
の段数は4段に限らず、もっと多くの段数を組み合わせ
てフィルタを構成してもよい。
【0036】以上本発明の実施形態を説明したが、用い
る圧電性基板は、36°Yカットのリチウムタンタレー
ト基板を用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、共振特性
の平坦性が向上した弾性表面波共振器、及びバンドパス
特性の通過帯域の平坦性が向上した弾性表面波フィルタ
を実現でき、デジタル方式の携帯電話に使用しても、信
号の二値化を良好に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】SAW共振器の構造を示す図である。
【図2】本発明のSAW共振器の周波数特性を示す図で
ある。
【図3】本発明のSAW共振器の周波数特性を示す拡大
図である。
【図4】本発明のSAW共振器の反射器の変化率とリッ
プル幅との関係を示す図である
【図5】本発明の第1実施形態のSAWフィルタの回路
構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態のSAWフィルタの共振
器の配置図である。
【図7】本発明の第1実施形態のSAWフィルタの共振
器の模式的な配置図である。
【図8】本発明の第1実施形態のSAWフィルタの通過
帯域部分の周波数特性を示す図である。
【図9】図8の拡大図である。
【図10】本発明の第1実施形態のSAWフィルタの反
射器の変化率とリップル幅との関係を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態のSAWフィルタの通
過帯域部分の周波数特性を示す図である。
【図12】図11の拡大図である。
【図13】本発明の第2実施形態のSAWフィルタのI
DTの変化率とリップル幅との関係を示す図である。
【図14】従来のSAWフィルタの周波数特性を示す図
である。
【符号の説明】
1・・・IDT 2・・・反射
器 3・・・反射器 4・・・定在
波 5・・・直列共振器 6・・・並列
共振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 嘉朗 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−181561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 9/64

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電性基板と、 該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波に変
    換する駆動電極と、 該駆動電極の該弾性表面波の伝搬方向の両端に形成さ
    れ、該弾性表面波を反射する第1の反射器及び第2の反
    射器とを有し、 該第1の反射器と該第2の反射器のピッチが0.3〜
    0.8%の範囲で異なることを特徴する弾性表面波共振
    器。
  2. 【請求項2】 圧電性基板と、 該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波に変
    換する駆動電極と、 該駆動電極の該弾性表面波の伝搬方向の両端に形成さ
    れ、該弾性表面波を反射する第1の反射器及び第2の反
    射器とを有し、 該第1の反射器と該第2の反射器のピッチが前記駆動電
    極のピッチを中心として0.1〜1%の範囲で異なるこ
    とを特徴する弾性表面波共振器。
  3. 【請求項3】 前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
    の反射器のピッチは、前記駆動電極のピッチを中心とし
    て0.3〜0.8%の範囲で異なることを特徴する請求
    項1記載の弾性表面波共振器。
  4. 【請求項4】 圧電性基板と、 該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波に変
    換する駆動電極と、 該駆動電極の該弾性表面波の伝搬方向の両端に形成さ
    れ、該弾性表面波を反射する第1の反射器と第2の反射
    器を有し、該第1の反射器と該第2の反射器のピッチが
    0.1〜1.2%の範囲で異なる第1及び第2の弾性表
    面波共振器と、 該第1の共振器により構成された複数の直列腕と、 該第2の共振器により構成された複数の並列腕とにより
    バンドパス型のフィルタ特性を有することを特徴とする
    ラダー型弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
    の反射器のピッチは0.5〜0.9%の範囲で異なるこ
    とを特徴とする請求項4記載のラダー型弾性表面波フィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
    の反射器のピッチは、前記駆動電極のピッチを中心とし
    て0.1〜1.2%の範囲で異なることを特徴する請求
    項4記載のラダー型弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記第1の反射器のピッチ及び前記第2
    の反射器のピッチは、前記駆動電極のピッチを中心とし
    て0.5〜0.9%の範囲で異なることを特徴する請求
    項5記載のラダー型弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 圧電性基板と、 該圧電性基板上に形成され、電気信号を弾性表面波に変
    換する駆動電極と、 該駆動電極の該弾性表面波の伝搬方向の両端に形成さ
    れ、該弾性表面波を反射する第1の反射器と第2の反射
    器とを有する第1,第2,第3及び第4の弾性表面波共
    振器と、 該第1の共振器が最初の段、第2の共振器が最終の段、
    第3の共振器が該第1及び第2の共振器の間の段に設け
    られた直列腕と、 該第4の共振器により構成された複数の並列腕とにより
    バンドパス型のフィルタ特性を有し、 該第1の共振器の駆動電極及び該第2の共振器の駆動電
    極のピッチが、0.2〜0.8%の範囲で異なることを
    特徴とするラダー型弾性表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記第1の共振器の駆動電極のピッチ及
    び前記第2の共振器の駆動電極のピッチは、0.3〜
    0.7%の範囲で異なることを特徴とする請求項8記載
    のラダー型弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 前記第1の共振器の駆動電極のピッチ
    及び前記第2の共振器の駆動電極のピッチは、前記第3
    の共振器の駆動電極のピッチを中心として0.2〜0.
    8%の範囲で異なることを特徴する請求項8記載のラダ
    ー型弾性表面波フィルタ。
  11. 【請求項11】 前記第1の共振器の駆動電極のピッチ
    及び前記第2の共振器の駆動電極のピッチは、前記第3
    の共振器の駆動電極のピッチを中心として0.3〜0.
    7%の範囲で異なることを特徴する請求項9記載のラダ
    ー型弾性表面波フィルタ。
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