JP3377902B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JP3377902B2
JP3377902B2 JP03494796A JP3494796A JP3377902B2 JP 3377902 B2 JP3377902 B2 JP 3377902B2 JP 03494796 A JP03494796 A JP 03494796A JP 3494796 A JP3494796 A JP 3494796A JP 3377902 B2 JP3377902 B2 JP 3377902B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィル
タに関し、詳細には、弾性表面波共振子を用いた共振器
型弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW:Surface Acoustic
Wave、以下、適宜SAWと略記する)装置は圧電基板
上に配置されたすだれ状電極あるいは変換器(IDT:
Interdigital Transducer)と呼ばれるものにより電気
−弾性表面波変換を行う装置である。なかでもSAWフ
ィルタは小型、軽量、無調整という特長を持ち、その製
造プロセスには半導体デバイスの製造に用いられるフォ
トリソグラフィ技術を利用できるため量産性にも優れて
いる。SAWフィルタは振幅特性と位相特性が独立に任
意に制御できることからPIF(映像中間周波)フィル
タ、VSB(残留側波帯)フィルタ等の通信フィルタ、
各種ディジタル信号処理用のフィルタとしてますます用
途が拡大している。
【0003】一般に、共振器型SAWフィルタは、ID
Tとその両端に配置したグレーティング反射器で構成さ
れた反射器型SAW共振子を利用してフィルタ構成する
ものである。共振器型SAWフィルタの構成は、図10
〜図12で示され、図10は反射器型SAW共振子の構
成を示す図である。共振器型SAWフィルタは図11に
示す梯型回路構成タイプと、図12に示す二重モードタ
イプに分類することができる。梯型回路構成タイプの共
振器型SAWフィルタは、原理的に低損失、高減衰量、
狭帯域、そして、整合回路不要という特長がある。
【0004】図10において、1は反射器型SAW共振
子のIDT、2は反射器型SAW共振子のグレーティン
グ反射器である。また、図11において、3は反射器型
SAW共振子であり、図10の反射器型SAW共振子3
を簡略化して表したものである。以下で説明する梯型回
路構成ではSAW共振子をこの図11のように略記して
示すものとする。
【0005】図13は反射器型SAW共振子10の構造
を示す図、図14はその反射器型SAW共振子の等価回
路、図15はそのリアクタンス特性図である。
【0006】図13において、11は圧電基板、12は
IDT、13,14はグレーティング反射器、15は入
力端子、16は出力端子であり、17の矢印は励振され
たSAWの伝搬方向を示している。
【0007】反射器型SAW共振子10のIDT12及
びグレーティング反射器13,14の各電極指は、それ
ぞれλ/2 ピッチ(λ:波長)で配置されており、I
DT12とグレーティング反射器13,14との間隔も
同様にλ/2ピッチで配置されている。また、この図1
3に示すようにIDT12の各電極指の交差長が一定で
ある正規型の反射器型SAW共振子が一般的に用いられ
ている。
【0008】上記IDT12、グレーティング反射器1
3,14、入力端子15及び出力端子16のパターンニ
ングはフォトリソグラフィ技術により作製される。ID
T12、グレーティング反射器13,14の金属材料に
は、SAWの振動に対する負荷を軽くし伝搬損失を少な
くするために比重の小さい金属材料が用いられ、一般に
はアルミニウムあるいは銅、シリコンを数%含んだアル
ミニウム合金が使用される。また、入力端子15と出力
端子16の金属材料にはボンディングを容易にするため
に金を用いることが多い。
【0009】図13及び図14を参照しながら反射器型
SAW共振子の動作原理を説明する。
【0010】図13に示す入力端子15に高周波電気信
号が入力されると、IDT12でSAWが発生し、図1
3中の矢印17に示すように両方向に伝搬する。この励
起されたSAWはIDT12の両端に配置されたグレー
ティング反射器13,14上で弾性的及び電気的な摂動
効果により反射され、グレーティング反射器13及びグ
レーティング反射器14間を多重走行する。そして、I
DT12上で透過波と反射波が重なり合いSAWの定在
波が発生し共振現象が起こる。
【0011】図14はSAW共振子の電気的等価回路図
であり、この図14に示すようにSAW共振子は、水晶
振動子と同様にR、L、Cの直列回路とこれに並列接続
されたIDTの静電容量C0で表すことができる。この
電気的等価回路のリアクタンス特性は図15の曲線18
で示すようになり、共振周波数frと反共振周波数fa
を持つ二重共振特性を持っている。したがって、SAW
共振子を従来公知のLCフィルタと同様に梯型回路構成
とすることによりバンドパスフィルタを構成することが
できる。
【0012】上記梯型回路構成タイプの共振器型SAW
フィルタの原理を説明する。図16及び図17は梯型回
路構成タイプの共振器型SAWフィルタの原理図を示す
図であり、図16はSAW共振子を一段梯型回路に接続
した回路構成を示す図である。
【0013】図16において、21は直列腕SAW共振
子、22は並列腕SAW共振子、23は入力端子、24
は出力端子であり、図示のようにSAW共振子は梯型回
路で構成される。
【0014】図17はSAW共振子を上記図16に示す
ように一段梯型回路構成した場合のリアクタンス特性と
伝送特性を示す特性図である。図17中の曲線25は直
列腕SAW共振子21のリアクタンス特性、曲線26は
並列腕SAW共振子22のリアクタンス特性である。ま
た、f1とf2はそれぞれ並列腕SAW共振子22の共
振周波数と反共振周波数であり、f3とf4はそれぞれ
直列腕SAW共振子21の共振周波数と反共振周波数で
ある。並列腕SAW共振子の反共振周波数f2と直列腕
SAW共振子の共振周波数f3をほぼ一致させるように
直列腕SAW共振子と並列腕SAW共振子を構成する
と、図17中の曲線27に示すような伝送特性(S2
1)をもつバンドパスフィルタを構成できることは従来
の回路網理論から周知の事実である。
【0015】図16に示すような1個の直列腕SAW共
振子21と並列腕SAW共振子22からなる一段梯型回
路構成の共振器型フィルタでは減衰量が小さいため、通
常は減衰量を大きくするためにSAW共振子を多段梯型
回路構成にする。
【0016】多段梯型回路構成の一例として、図18及
び図19にSAW共振子を三段梯型回路構成した共振器
型SAWフィルタの回路構成図とパターン構造の概略構
成図を示す。図18は三段梯型回路構成した共振器型S
AWフィルタの回路構成図であり、図19は三段梯型回
路構成した共振器型SAWフィルタのパターン構造を示
す図である。
【0017】図18において、31,32は直列腕SA
W共振子、33,34は並列腕SAW共振子、35は入
力端子、36は出力端子、37,38はアース端子、3
9は圧電基板である。
【0018】上記三段梯型回路構成した共振器型SAW
フィルタのパターン構造は、図19で示され、図18と
同一若しくは対応部分には同一符号を付している。すな
わち、SAW共振子31〜34は図19の破線領域内の
SAW共振子31〜34にそれぞれ対応しており、3
1,32は直列腕SAW共振子、33,34は並列腕S
AW共振子であり、39は圧電基板である。また、図1
9中の破線領域内のSAW共振子31〜34は、それぞ
れ31a〜34aのIDTと31b〜34b、31c〜
34cのグレーティング反射器で構成されている。
【0019】したがって、SAW共振子を多段梯型回路
構成した共振器型SAWフィルタにおいて、図19に示
すように従来通り直列腕SAW共振子と並列腕SAW共
振子を順に配置したパターン構造にすると、その共振器
型SAWフィルタのチップサイズは梯型回路の段数やS
AW共振子の交差長及び対数によりほぼ決定されてしま
うことになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のSAW共振子を多段梯型回路構成した共振器型
SAWフィルタにあっては、直列腕SAW共振子と並列
腕SAW共振子を順に配置したパターン構造にすると、
図19に示すようにその共振器型SAWフィルタのチッ
プサイズは梯型回路の段数やSAW共振子の交差長及び
対数によりほぼ決定されてしまう。このため、従来のS
AW共振子の配置方法では共振器型SAWフィルタのチ
ップサイズの小型化に限度があるという問題点が生じて
いた。
【0021】本発明は、共振器型SAWフィルタの特性
を劣化させることなくチップサイズの小型化を図ること
ができる弾性表面波フィルタを提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る弾性表面波
フィルタは、電気信号を弾性表面波に、あるいは弾性表
面波を電気信号に変換するすだれ状電極を備えた弾性表
面波共振子で直列腕あるいは並列腕を構成した梯型弾性
表面波フィルタにおいて、直列腕を構成する直列腕弾性
表面波共振子を互いに第1の方向に整列させるととも
に、並列腕を構成する並列腕弾性表面波共振子を互いに
第1の方向に整列させ、各直列腕弾性表面波共振子とそ
の一端に接続された並列腕弾性表面波共振子とを、第1
の方向に直交する第2の方向に互いに整列させて配置し
たパターン構造にし、さらに、直列腕弾性表面波共振子
と並列腕弾性表面波共振子との間に、幅が約10〜15
λ(但し、λは波長)のスリット板を設け、該スリット
板の長さ方向が弾性表面波の伝搬方向に対して垂直とな
るように配置したことを特徴とする。 本発明に係る他の
弾性表面波フィルタは、電気信号を弾性表面波に、ある
いは弾性表面波を電気信号に変換するすだれ状電極を備
えた弾性表面波共振子で直列腕あるいは並列腕を構成し
た梯型弾性表面波フィルタにおいて、直列腕を構成する
直列腕弾性表面波共振子を互いに第1の方向に整列させ
るとともに、並列腕を構成する並列腕弾性表面波共振子
を互いに第1の方向に整列させ、各直列腕弾性表面波共
振子とその一端に接続された並列腕弾性表面波共振子と
を、第1の方向に直交する第2の方向に互いに整列させ
て配置したパターン構造にし、さらに、直列腕弾性表面
波共振子と並列腕弾性表面波共振子との間に、幅が約1
0〜15λ(但し、λは波長)のスリット板を設け、該
スリット板の長さ方向が弾性表面波の伝搬方向に対して
約45°傾斜するように配置したことを特徴とする。
【0023】また、第2の方向は、弾性表面波共振子で
発生した弾性表面波が伝搬する方向であってもよく、弾
性表面波共振子は、すだれ状電極の両端にグレーティン
グ反射器を配置した弾性表面波共振子から構成されてい
てもよい。
【0024】
【0025】
【0026】また、グレーティング反射器は、約100
本以上の弾性表面波共振子からなるものであってもよ
く、約90〜110本の弾性表面波共振子からなるもの
であってもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る弾性表面波フィルタ
は、PIFフィルタ、VSBフィルタ等の通信フィル
タ、ディジタル信号処理用の弾性表面波フィルタに適用
することができる。
【0028】図1は本発明の第1の実施形態に係る共振
器型SAWフィルタのパターン構造を示す図であり、三
段梯型回路構成された共振器型SAWフィルタに適用し
た例である。また、図2は上記共振器型SAWフィルタ
の回路構成図であり、図1は図2の共振器型SAWフィ
ルタの回路構成のパターン構造図である。
【0029】図2に示す共振器型SAWフィルタ40に
おいて、41,42は直列腕SAW共振子、43,44
は並列腕SAW共振子、45は入力端子、46は出力端
子、47,48はアース端子である。なお、図2は回路
構成上では前記図18と同一構成の記述となる。
【0030】上記三段梯型回路構成した共振器型SAW
フィルタのパターン構造は、図1で示され、図2と同一
若しくは対応部分には同一符号を付している。すなわ
ち、SAW共振子41〜44は図1の破線領域内のSA
W共振子41〜44にそれぞれ対応しており、41,4
2は直列腕SAW共振子、43,44は並列腕SAW共
振子であり、49は圧電基板である。また、図1中の破
線領域内のSAW共振子41〜44は、それぞれ41a
〜44aのIDTと41b〜44b、41c〜44cの
グレーティング反射器で構成されている。
【0031】特に、共振器型SAWフィルタ40の特徴
的な構成として、図1に示す梯型回路構成中、直列腕S
AW共振子41と直列腕SAW共振子42とを第1の方
向(例えば、図面上縦方向)に整列させるとともに、並
列腕SAW共振子43と並列腕SAW共振子44をも同
様に第1の方向に整列させ、さらに直列腕SAW共振子
41と並列腕SAW共振子43、及び直列腕SAW共振
子42と並列腕SAW共振子44とを第1の方向に直交
する第2の方向(例えば、図面上横方向)に整列させ
る、すなわち、縦続接続となる直列腕SAW共振子41
と並列腕SAW共振子43、及び直列腕SAW共振子4
2と並列腕SAW共振子44とを同一線上に配置したパ
ターン構造に構成する。したがって、このパターン構成
をとるためにアース端子47,48は、入力端子45及
び出力端子46に対し、直列腕SAW共振子41と並列
腕SAW共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並
列腕SAW共振子44とを同一線上に配置できる位置ま
で外方に伸ばされたパターン配線となっている。
【0032】また、上記パターン構造に加えて、SAW
共振子41〜44のグレーティング反射器41b〜44
b、41c〜44cの本数は100本以上とする。
【0033】また、SAW共振子41〜44の電極指の
金属材料には、従来例と同様にアルミニウムあるいは
銅、シリコンを数%含んだアルミニウム合金を用いると
ともに、入力端子45、出力端子46、及びアース端子
47,48の金属材料にはボンディングを容易にするた
め金を用いる。
【0034】以下、上述のように構成された弾性表面波
フィルタ40の動作を説明する。
【0035】まず、グレーティング反射器とその反射特
性について説明する。
【0036】図3はグレーティング反射器の反射特性|
Γ(カ゛ンマ)|を示す特性図であり、グレーティング反射器
の本数N=50、100、150、200本とした場合
の反射特性を理論計算したものである。図3の横軸は規
格化した周波数、縦軸は損失である。図3に示すよう
に、理論計算上ではグレーティング反射器の本数を約1
00本以上にするとSAWの反射率はほぼ100%とな
る。
【0037】以上説明したように、第1の実施形態に係
る弾性表面波フィルタ40は、梯型回路構成中、縦続接
続となる直列腕SAW共振子41と並列腕SAW共振子
43、及び直列腕SAW共振子42と並列腕SAW共振
子44を同一線上に配置したパターン構造に構成すると
ともに、各SAW共振子41〜44のグレーティング反
射器41b〜44b、41c〜44cの本数が100本
以上になるように構成しているので、各SAW共振子4
1〜44内で発生したSAWはほとんど外部に漏れるこ
とがなく、各SAW共振子41〜44間で互いに影響を
及ぼしあうことはほとんどない。
【0038】したがって、グレーティング反射器の本数
が100本以上のSAW共振子41〜44で三段梯型回
路構成した共振器型SAWフィルタ40において図1の
ようなSAW共振子の配置構造にすると、共振器型SA
Wフィルタ40の従来の特性を劣化させることなくチッ
プサイズの小型化を図ることができる。例えば、図1に
示す共振器型SAWフィルタ40の圧電基板49の大き
さと、図19に示す従来の共振器型SAWフィルタの圧
電基板9の大きさとを比較すれば明らかなように、SA
Wフィルタを構成する圧電基板を小さく形成できるの
で、全体のチップサイズの小型化を図ることができる。
【0039】図4は本発明の第2の実施形態に係る共振
器型SAWフィルタの回路構成を示す図であり、図5は
上記共振器型SAWフィルタのパターン構造図である。
第2の実施形態に係る共振器型SAWフィルタも、第1
の実施形態同様、三段梯型回路構成された共振器型SA
Wフィルタに適用した例である。なお、この図4及び図
5では図1及び図2と同一又は対応する要素は同一の符
号を付している。
【0040】図4に示す共振器型SAWフィルタ50に
おいて、41,42は直列腕SAW共振子、43,44
は並列腕SAW共振子、45は入力端子、46は出力端
子、47,48はアース端子である。なお、図4は回路
構成上では前記図2と同一構成の記述となる。
【0041】上記三段梯型回路構成した共振器型SAW
フィルタのパターン構造は、図5で示され、図4と同一
若しくは対応部分には同一符号を付している。すなわ
ち、SAW共振子41〜44は図5の破線領域内のSA
W共振子41〜44にそれぞれ対応しており、41,4
2は直列腕SAW共振子、43,44は並列腕SAW共
振子であり、49は圧電基板である。また、図5中の破
線領域内のSAW共振子41〜44は、それぞれ41a
〜44aのIDTと41b〜44b、41c〜44cの
グレーティング反射器で構成されている。
【0042】ここで、共振器型SAWフィルタ50は、
縦続接続となる直列腕SAW共振子41と並列腕SAW
共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並列腕SA
W共振子44とを同一線上に配置したパターン構造に構
成とし、SAW共振子41〜44のグレーティング反射
器41b〜44b、41c〜44cの本数は100本程
度とする。
【0043】特に、共振器型SAWフィルタ50の特徴
的な構成として、同一線上に配置された直列腕SAW共
振子41と並列腕SAW共振子43の間にスリット板5
1を設けるとともに、同じく同一線上に配置された直列
腕SAW共振子42と並列腕SAW共振子44の間にス
リット板52を設けたパターン構成とする。
【0044】上記スリット板51は、直列腕SAW共振
子41から漏れてきたSAWが並列腕SAW共振子43
に侵入するのを遮断するためのスリット板であるのと同
時に、逆に並列腕SAW共振子43から漏れてきたSA
Wが直列腕SAW共振子41に侵入するのを遮断するた
めのスリット板でもある。また、スリット板52は、直
列腕SAW共振子42から漏れてきたSAWが並列腕S
AW共振子44に侵入するのを遮断するためのスリット
板であるのと同時に、逆に並列腕SAW共振子44から
漏れてきたSAWが直列腕SAW共振子42に侵入する
のを遮断するためのスリット板でもある。
【0045】これらのスリット板51,52は、同一線
上に配置された直列腕SAW共振子41,42と並列腕
SAW共振子43,44の間のほぼ中央部に配置され、
かつスリット板51,52の長さ方向がSAWの伝搬方
向に対して垂直となるように配置する。このスリット板
51,52の幅(厚さ)は約10〜15λ(λ:波長)
程度とし、各スリット間の間隔も同程度とする。但し、
第2実施形態ではスリット板51,52の本数を3本と
しているが、スリットの本数に関しては制限はない。
【0046】このように、第2実施形態では三梯型回路
構成中、縦続接続となる直列腕SAW共振子41と並列
腕SAW共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並
列腕SAW共振子44を同一線上に配置したパターン構
造になっている。さらに、直列腕SAW共振子41と並
列腕SAW共振子43との間には各SAW共振子から漏
れてきたSAWを遮断するためのスリット板51が設け
られ、同様に直列腕SAW共振子42と並列腕SAW共
振子44との間には各SAW共振子から漏れてきたSA
Wを遮断するためのスリット板52が設けられている。
また、SAW共振子のグレーティング反射器41b〜4
4b、41c〜44cの本数は約100本程度(90〜
110本)とする。
【0047】また、SAW共振子41〜44の電極指の
金属材料には、従来同様アルミニウムあるいは銅、シリ
コンを数%含んだアルミニウム合金を用い、入力端子4
5、出力端子46、及びアース端子47,48の金属材
料にはボンディングを容易にするため金を用いる。ま
た、各SAW共振子から漏れてきたSAWを遮断するた
めのスリット板51,52は、アルミニウムや金などの
金属膜でも良いし、SiO2等の絶縁膜でも良い。さら
に、これらのスリットの構造としては金属膜や絶縁膜の
ような堆積膜だけでなく、圧電基板49に直接スリット
状の溝を作製し構成してもよい。
【0048】以下、上述のように構成された弾性表面波
フィルタ50の動作を説明する。
【0049】第1実施形態で述べたように、理論上では
グレーティング反射器の本数を約100本以上にすると
SAWの反射率はほぼ100%になるが、実際には約1
00本程度(90〜110本)のグレーティング反射器
のSAW共振子では多少のSAWの漏れが存在する。
【0050】したがって、グレーティング反射器の本数
が約100本程度のSAW共振子で梯型回路構成した共
振器型SAWフィルタに対して第1実施形態を適用した
場合、パターン構造内で同一線上に配置された直列腕S
AW共振子41,42と並列腕SAW共振子43,44
との間で漏れたSAWが互いの共振子持性に影響を与
え、共振器型SAWフィルタの特性の劣化の原因となる
ことが考えられる。
【0051】この問題点をさらに改善したのが第2実施
形態に係る弾性表面波フィルタ50である。
【0052】図5に示すように、第2実施形態に係る弾
性表面波フィルタ50では、三梯型回路構成中、直列腕
SAW共振子41と並列腕SAW共振子43との間に各
SAW共振子から漏れてきたSAWを遮断するためのス
リット板51が設けられ、同様に直列腕SAW共振子4
2と並列腕SAW共振子44との間には各SAW共振子
から漏れてきたSAWを遮断するためのスリット板52
が設けられている。これらのスリット板51,52の作
用について図6を用いて簡単に説明する。
【0053】図6は図5中のスリット板51,52の周
辺部分拡大した平面図及び断面図である。図6中の41
は直列腕SAW共振子のグレーティング反射器、42は
並列腕SAW共振子のグレーティング反射器、そして、
51,52は各SAW共振子から漏れてきたSAWを遮
断するためのスリット板である。53は各SAW共振子
から漏れてきたSAW、54はスリット板51,52に
より反射されたSAW、そして、55はスリット板5
1,52の質量負荷効果より放射されたSAWの散乱波
やバルク波である。
【0054】図6に示すように、直列腕SAW共振子の
グレーティング反射器41、及び並列腕SAW共振子の
グレーティング反射器42から漏れてきたSAW53は
スリット板51,52の端部において、音響インピーダ
ンスの不連続性により反射する。また、漏れてきたSA
W3の一部は各スリット板51,52の端部でスリット
板の質量負荷効果により、SAWの散乱やバルク波への
モード変換が生じる。これらのスリット板51,52の
作用により各SAW共振子から漏れてきたSAWが他方
のSAW共振子へ侵入するのを防ぐことができる。
【0055】したがって、図5に示すようにグレーティ
ング反射器の本数が約100本程度のSAW共振子で三
段梯型回路構成した共振器型SAWフィルタ50におい
て、縦続接続となる直列腕SAW共振子41と並列腕S
AW共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並列腕
SAW共振子44を同一線上に配置したパターン構造に
し、さらに同一線上に配置された直列腕SAW共振子と
並列腕SAW共振子との間のほぼ中央部分にスリット板
51,52を設け、かつスリット板の長さ方向がSAW
の伝澱方向に対して垂直となるように配置することによ
り、各SAW共振子から漏れてくるSAWによる特性へ
の影響をなくすことができ、共振器型SAWフィルタの
特性を劣化させることなくチップサイズの小型化を図る
ことができる。
【0056】図7は本発明の第3の実施形態に係る共振
器型SAWフィルタの回路構成を示す図であり、図8は
上記共振器型SAWフィルタのパターン構造図である。
第3の実施形態に係る共振器型SAWフィルタも、第
1、第2の実施形態同様、三段梯型回路構成された共振
器型SAWフィルタに適用した例である。なお、この図
7及び図8では図4及び図5と同一又は対応する要素は
同一の符号を付している。
【0057】図7に示す共振器型SAWフィルタ60に
おいて、41,42は直列腕SAW共振子、43,44
は並列腕SAW共振子、45は入力端子、46は出力端
子、47,48はアース端子である。なお、図4は回路
構成上では前記図2と同一構成の記述となる。
【0058】上記三段梯型回路構成した共振器型SAW
フィルタのパターン構造は、図8で示され、図7と同一
若しくは対応部分には同一符号を付している。すなわ
ち、SAW共振子41〜44は図8の破線領域内のSA
W共振子41〜44にそれぞれ対応しており、41,4
2は直列腕SAW共振子、43,44は並列腕SAW共
振子であり、49は圧電基板である。また、図8中の破
線領域内のSAW共振子41〜44は、それぞれ41a
〜44aのIDTと41b〜44b、41c〜44cの
グレーティング反射器で構成されている。
【0059】ここで、共振器型SAWフィルタ60は、
縦続接続となる直列腕SAW共振子41と並列腕SAW
共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並列腕SA
W共振子44とを同一線上に配置したパターン構造に構
成とし、SAW共振子41〜44のグレーティング反射
器41b〜44b、41c〜44cの本数は100本程
度とする。
【0060】また、共振器型SAWフィルタ60は、同
一線上に配置された直列腕SAW共振子41と並列腕S
AW共振子43の間にスリット板61を設けるととも
に、同じく同一線上に配置された直列腕SAW共振子4
2と並列腕SAW共振子44の間にスリット板62を設
けたパターン構成とする。
【0061】上記スリット板61は、直列腕SAW共振
子41から漏れてきたSAWが並列腕SAW共振子43
に侵入するのを遮断するためのスリット板であるのと同
時に逆に並列腕SAW共振子43から漏れてきたSAW
が直列腕SAW共振子41に侵入するのを遮断するため
のスリット板でもある。また、上記スリット板62は、
直列腕SAW共振子2から漏れてきたSAWが並列腕S
AW共振子4に侵入するのを遮断するためのスリット板
であるのと同時に逆に並列腕SAW共振子4から漏れて
きたSAWが直列腕SAW共振子2に侵入するのを遮断
するためのスリット板でもある。
【0062】これらのスリット板61,62は同一線上
に配置された直列腕SAW共振子と並列腕SAW共振子
の間のほぼ中央部に設け、かつスリット板61,62の
長さ方向がSAW伝搬方向に対して45°傾斜するよう
に配置する。このスリット板61,62の幅は約10〜
15λ(λ:波長)程度とし、各スリット間の間隔も同
程度とする。但し、第3実施形態ではスリット板61,
62の本数を2本としているが、スリットの本数に関し
ては制限はない。
【0063】このように、第3実施形態では三梯型回路
構成中、縦続接続となる直列腕SAW共振子41、並列
腕SAW共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並
列腕SAW共振子44を同一線上に配置したパターン構
造になっている。さらに、直列腕SAW共振子41と並
列腕SAW共振子43との間には各SAW共振子から漏
れてきたSAWを遮断するためのスリット板61が設け
られ、同様に直列腕SAW共振子42と並列腕SAW共
振子44との間には各SAW共振子から漏れてきたSA
Wを遮断するためのスリット板62が設けられている。
また、SAW共振子のグレーティング反射器41b〜4
4b、41c〜44cの本数は第2実施形態同様、約1
00側本程度(90〜110本)とする。
【0064】また、SAW共振子41〜44の電極指の
金属材料には、従来同様アルミニウムあるいは銅、シリ
コンを数%含んだアルミニウム合金を用い、入力端子4
5、出力端子46、及びアース端子47,48の金属材
料にはボンディングを容易にするため金を用いる。ま
た、各SAW共振子から漏れてきたSAWを遮断するた
めのスリット板61,62は、アルミニウムや金などの
金属膜でも良いし、SiO2等の絶縁膜でも良い。さら
に、これらのスリットの構造としては金属膜や絶縁膜の
ような堆積膜だけでなく、圧電基板49に直接スリット
状の溝を作製し構成してもよい。
【0065】以下、上述のように構成された弾性表面波
フィルタ60の動作を説明する。
【0066】第2実施形態で説明したように、約100
本程度(90〜110本)のグレーティング反射器のS
AW共振子では多少SAWの漏れが存在する。したがっ
て、グレーティング反射器の本数が約100本程度のS
AW共振子で梯型回路構成した共振器型SAWフィルタ
に対して第1実施形態を適用した場合、パターン構造内
で同一線上に配置された直列腕SAW共振子と並列腕S
AW共振子との間で漏れたSAWが互いの共振子特性に
影響を与え、共振器型SAWフィルタの特性劣化の原因
となることが考えられる。
【0067】第2実施形態同様、この問題点を改善した
のが第3実施形態である。図8に示すようにの第3実施
形態では三梯型回路構成中、直列腕SAW共振子41と
並列腕SAW共振子43との間に各SAW共振子から漏
れてきたSAWを遮断するためのスリット板61が設け
られ、同様に直列腕SAW共振子42と並列腕SAW共
振子44との間には各SAW共振子から漏れてきたSA
Wを遮断するためのスリット板62が設けられている。
これらのスリット板61,62の作用について図9を用
いて簡単に説明する。
【0068】図9は図8中のスリット板61,62の周
辺部分拡大した平面図及び断面図である。図9中の41
は直列腕SAW共振子のグレーティング反射器、42は
並列腕SAW共振子のグレーティング反射器、そして、
61,62は各SAW共振子から漏れてきたSAWを遮
断するためのスリット板である。53は各SAW共振子
から漏れてきたSAW、54はスリット板61,62に
より反射されたSAW、そして、55はスリット板6
1,62の質量負荷効果より放射されたSAWの散乱波
やバルク波である。
【0069】図9に示すように、直列腕SAW共振子の
グレーティング反射器41、及び並列腕SAW共振子の
グレーティング反射器42から漏れてきたSAW53は
各スリット板61,62の端部において、音響インピー
ダンスの不連続性により反射する。このときスリット板
61,62の長さ方向はSAWの伝搬方向に対して45
°傾斜しているのでスリット板61,62で反射したS
AW54は漏れてきたSAW53に対して90°伝搬方
向がずれて反射する。また、漏れてきたSAWの一部は
スリット板61,62の端部でスリット板の質量負荷効
果により、SAWの散乱やバルク波へのモード変換が生
じる。これらのスリット板の作用により各SAW共振子
から漏れてきたSAWが他方のSAW共振子へ侵入する
のを防ぐことができる。
【0070】したがって、図8に示すようにグレーティ
ング反射器の本数が約100本程度のSAW共振子で三
段梯型回路構成した共振器型SAWフィルタにおいて、
縦続接続となる直列腕SAW共振子41と並列腕SAW
共振子43、及び直列腕SAW共振子42と並列腕SA
W共振子44を同一線上に配置したパターン構造にし、
さらに同一線上に配置された直列腕SAW共振子と並列
腕SAW共振子との間のほぼ中央部分にスリット板6
1,62を設け、かつスリット板の長さ方向がSAWの
伝搬方向に対して45°傾斜するように配置することに
より、各SAW共振子から漏れてくるSAWによる特性
への影響を確実になくすことができ、共振器型SAWフ
ィルタの従来の特性を劣化させることなくチップサイズ
の小型化を図ることができる。
【0071】なお、上記各実施形態では、三段梯型回路
構成した共振器型SAWフィルタについて適用した例で
あるが、縦続接続となる直列腕弾性表面波共振子と並列
腕弾性表面波共振子とを同一線上に配置したパターン構
造を持つものであればどのような弾性表面波フィルタに
も適用できることは言うまでもなく、例えばSAW共振
子を一段以上梯型回路構成した共振器型SAWフィルタ
全てにおいて同様に適用可能であり、同様の効果を得る
ことができる。
【0072】また、上記各実施形態では、直列腕SAW
共振子41,42と、その出力側に接続された並列腕S
AW共振子43,44とを同一線上に配置しているが、
直列腕SAW共振子41,42と、その入力側に接続さ
れた並列腕SAW共振子43,44とを同一線上に配置
することとしてもよい。
【0073】また、上記各実施形態では、梯型回路構成
用のSAW共振子としてIDTの両端にグレーティング
反射器を設けた反射器型SAW共振子について適用した
例であるが、IDTを多対構造にしIDT内の内部反射
を利用して共振現象を起こすIDT型SAW共振子を用
いた梯型回路構成タイプの共振器型SAWフィルタにつ
いても同様に適用可能であり、同様の効果を得ることが
できる。
【0074】また、上記第1の実施形態では、グレーテ
ィング反射器の本数を100本以上、上記第1、第2の
実施形態では、グレーティング反射器の本数を100本
程度(90〜110本)としており、これによって各S
AW共振子内で発生したSAWは外部に漏れることがな
く、各SAW共振子間で互いに影響を及ぼしあうことは
なくなるが、これは一例であって要求される特性及びチ
ップサイズ等の条件によって上記本数に限定されず、最
適な本数が決定されるのは言うまでもない。
【0075】また、上記第1、第2の実施形態におい
て、直列腕弾性表面波共振子と並列腕弾性表面波共振子
との間にスリット板を配置する構成であればどのような
スリット板でもよく、スリット板の幅、本数、設置角度
等は上記各実施形態の適用例には限定されない。例え
ば、スリット板の長さ方向がSAW伝搬方向に対して4
5°傾斜するものでなく、垂直により近い傾斜であって
もよい。
【0076】さらに、上記各実施形態に係る弾性表面波
フィルタが、電気信号を弾性表面波に、あるいは弾性表
面波を電気信号に変換するすだれ状電極の両端にグレー
ティング反射器を配置した弾性表面波共振子を梯型回路
構成されるものであれば、どのような構成でもよく、梯
型回路のパターン構造やその梯型回路の段数、入出力ア
ース端子の配線パターン形状等、更にはすだれ状電極等
の種類や個数、接続状態等は上記各実施形態に限定され
ない。
【0077】
【発明の効果】本発明に係る弾性表面波フィルタは、直
列腕を構成する直列腕弾性表面波共振子を互いに第1の
方向に整列させるとともに、並列腕を構成する並列腕弾
性表面波共振子を互いに第1の方向に整列させ、各直列
腕弾性表面波共振子とその一端に接続された並列腕弾性
表面波共振子とを、第1の方向に直交する第2の方向に
互いに整列させて配置したパターン構造とし、さらに、
直列腕弾性表面波共振子と並列腕弾性表面波共振子との
間に、幅が約10〜15λ(但し、λは波長)のスリッ
ト板を設け、該スリット板の長さ方向が弾性表面波の伝
搬方向に対して垂直となるように配置し、各弾性表面波
共振子のグレーティング反射器の本数を、例えば100
本以上とするように構成しているので、共振器型弾性表
面波フィルタの特性を劣化させることなくチップサイズ
の小型化を図ることができる。本発明に係る他の弾性表
面波フィルタは、直列腕を構成する直列腕弾性表面波共
振子を互いに第1の方向に整列させるとともに、並列腕
を構成する並列腕弾性表面波共振子を互いに第1の方向
に整列させ、各直列腕弾性表面波共振子とその一端に接
続された並列腕弾性表面波共振子とを、第1の方向に直
交する第2の方向に互いに整列させて配置したパターン
構造とし、さらに、直列腕弾性表面波共振子と並列腕弾
性表面波共振子との間に、幅が約10〜15λ(但し、
λは波長)のスリット板を設け、該スリット板の長さ方
向が弾性表面波の伝搬方向に対して約45°傾斜するよ
うに配置し、各弾性表面波共振子のグレーティング反射
器の本数を、例えば100本以上とするように構成して
いるので、共振器型弾性表面波フィルタの特性を劣化さ
せることなくチップサイズの小型化を図ることができ
る。
【0078】また、本発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕弾性表面波共振子と並列腕弾性表面波共振子
との間にスリット板を設け、該スリット板の長さ方向が
弾性表面波の伝搬方向に対して垂直となるように配置し
た構成としているので、各弾性表面波共振子から漏れて
くるSAWによる特性への影響をなくすことができ、共
振器型弾性表面波フィルタの特性を劣化させることなく
チップサイズの小型化を図ることができる。
【0079】また、本発明に係る弾性表面波フィルタ
は、直列腕弾性表面波共振子と並列腕弾性表面波共振子
との間にスリット板を設け、該スリット板の長さ方向が
弾性表面波の伝搬方向に対して約45°傾斜するように
配置した構成としているので、各弾性表面波共振子から
漏れてくる弾性表面波による特性への影響を確実になく
すことができ、共振器型弾性表面波フィルタの特性を劣
化させることなくチップサイズの小型化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る弾性表
面波フィルタのパターン構造をを示す図である。
【図2】上記弾性表面波フィルタの回路構成図である。
【図3】上記弾性表面波フィルタのグレーティング反射
器の反射特性を示す図である。
【図4】本発明を適用した第2の実施形態に係る弾性表
面波フィルタの回路構成図である。
【図5】上記弾性表面波フィルタのパターン構造を示す
図である。
【図6】上記弾性表面波フィルタのパターン構造のスリ
ット板の拡大図である。
【図7】本発明を適用した第3の実施形態に係る弾性表
面波フィルタの回路構成図である。
【図8】上記弾性表面波フィルタのパターン構造を示す
図である。
【図9】上記弾性表面波フィルタのパターン構造のスリ
ット板の拡大図である。
【図10】従来の弾性表面波フィルタの構成を示す図で
ある。
【図11】従来の弾性表面波フィルタの回路構成図であ
る。
【図12】従来の弾性表面波フィルタの構成を示す図で
ある。
【図13】従来の弾性表面波フィルタの反射器型SAW
共振子の構造を示す図である。
【図14】従来の弾性表面波フィルタの反射器型SAW
共振子の等価回路図である。
【図15】従来の弾性表面波フィルタの反射器型SAW
共振子のリアクタンス特性を示す図である。
【図16】従来の弾性表面波フィルタの回路構成図であ
る。
【図17】従来の弾性表面波フィルタのリアクタンス特
性及び伝送特性を示す図である。
【図18】従来の三段梯型回路構成した共振器型弾性表
面波フィルタの回路構成図である。
【図19】従来の三段梯型回路構成した共振器型弾性表
面波フィルタのパターン構造を示す図である。
【符号の説明】
40,50,60 共振器型SAWフィルタ、41,4
2 直列腕SAW共振子、41a〜44a IDT、4
1b〜44b,41c〜44c グレーティング反射
器、43,44 並列腕SAW共振子、45 入力端
子、46 出力端子、47,48 アース端子、49
圧電基板、51,52,61,62 スリット板

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号を弾性表面波に、あるいは弾性
    表面波を電気信号に変換するすだれ状電極を備えた弾性
    表面波共振子で直列腕あるいは並列腕を構成した梯型弾
    性表面波フィルタにおいて、 直列腕を構成する直列腕弾性表面波共振子を互いに第1
    の方向に整列させるとともに、並列腕を構成する並列腕
    弾性表面波共振子を互いに前記第1の方向に整列させ、 各直列腕弾性表面波共振子とその一端に接続された並列
    腕弾性表面波共振子とを、前記第1の方向に直交する第
    2の方向に互いに整列させて配置したパターン構造に
    さらに、前記直列腕弾性表面波共振子と前記並列腕弾性
    表面波共振子との間に、幅が約10〜15λ(但し、λ
    は波長)のスリット板を設け、該スリット板の長さ方向
    が弾性表面波の伝搬方向に対して垂直となるように配置
    したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 電気信号を弾性表面波に、あるいは弾性
    表面波を電気信号に変換するすだれ状電極を備えた弾性
    表面波共振子で直列腕あるいは並列腕を構成した梯型弾
    性表面波フィルタにおいて、 直列腕を構成する直列腕弾性表面波共振子を互いに第1
    の方向に整列させるとともに、並列腕を構成する並列腕
    弾性表面波共振子を互いに前記第1の方向に整列させ、 各直列腕弾性表面波共振子とその一端に接続された並列
    腕弾性表面波共振子とを、前記第1の方向に直交する第
    2の方向に互いに整列させて配置したパターン構造に
    し, さらに、前記直列腕弾性表面波共振子と前記並列腕弾性
    表面波共振子との間に、幅が約10〜15λ(但し、λ
    は波長)のスリット板を設け、該スリット板の長さ方向
    が弾性表面波の伝搬方向に対して約45°傾斜するよう
    に配置したことを特徴とする 弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第2の方向は、弾性表面波共振子で
    発生した弾性表面波が伝搬する方向であることを特徴と
    する請求項1又は2のいずれかに記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】 前記弾性表面波共振子は、すだれ状電極
    の両端にグレーティング反射器を配置した弾性表面波共
    振子からなることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か一項に記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記グレーティング反射器は、約100
    本以上の弾性表面波共振子からなることを特徴とする請
    求項4記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記グレーティング反射器は、約90〜
    110本の弾性表面波共振子からなることを特徴とする
    請求項記載の弾性表面波フィルタ。
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