JP3234634B2 - 被熱転写記録紙 - Google Patents
被熱転写記録紙Info
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Description
特に多数回印字できる熱転写記録媒体を繰り返し使用し
て高印字濃度で、かつ印字濃度低下の少ない画像を形成
できる被熱転写記録紙に関する。
記録装置において、熱転写を利用したものは装置の小型
化、低価格化、保守費の低減が図れるものとして広く普
及している。熱転写記録装置に用いられる熱転写記録媒
体は基材上に熱転写性インク層が単に設けられているも
のであり、1回の使用でインク層の加熱部分が全て転写
して繰返し使用ができないために、ランニングコストの
点で問題があった。そこで繰返し使用可能な熱転写記録
媒体が求められ、現在まで各種の方法が提案されてき
た。
53、特開昭55−105579公報に開示されている
ような基材上に微細多孔質インク層を設け、少しずつ熱
溶融性インクが浸み出るようにしたもの、特開昭58−
212993公報に開示されるような基材上のインク層
の上に多孔質膜を設け、インク流出量を制御したもの、
更に特開昭60−127191、特開昭60−1271
92号に開示されるような接着層を介してインク層を設
け、少しずつインクを剥がして転写させるもの等が提案
されている。
用の被転写紙を用いて繰返し熱転写印字を行った場合、
画像濃度低下、印字の画像濃度変化が大きいという欠点
があった。
を解決するため鋭意研究してきた結果、熱転写記録媒体
上の転写インクが溶融時に示す物性値に近い試薬1級流
動パラフィンの被熱転写記録紙の吸収特性及び、被熱転
写記録紙の表面形状特性が特定の範囲にある転写インク
受容体が、多数回記録用の被熱転写記録紙として有効で
あることの知見を得て本発明に至った。
ィンを用いたブリストー法(J.TAPPI No.5
1−87)により、0.1MPa圧力下で測定される吸
収係数(Ka)と、三次元表面粗さ解析により求められ
る、面の負荷曲線の直線部分の傾き(fc)との積が
2.5〜4.0の範囲にある記録面、又は試薬第1級流
動パラフィンを用いたブリストー法(J.TAPPI
No.51−87)により、0.1MPa圧力下で測定
される吸収係数(Ka)と粗さ指数(Vr)より求めら
れる100msec間の転移量(V)が4.0〜7.0
ml/m2の範囲にある記録面を持つことを特徴とする
被熱転写記録紙である。
て、更に上記吸収係数(Ka)が0.15〜0.55m
l/m2・msec1/2、または面の負荷曲線の直線部の
傾き(fc)が7.0以上、あるいは粗さ指数(Vr)
が2.0〜5.0の範囲にあることが好ましい。
が、三次元表面粗さ解析により求められる径50μm以
上、深さ20μm以上の孔が面積1.00mm2当り6
0個以下の記録面を有することがより好ましい。
(ka)の測定は、J.TAPP紙パルプ試験法No.5
1−87に従い、吸収時間の平方根に対する流動パラフ
ィンの試験紙への転移量(ml/m2)を測定し、得ら
れた吸収曲線の直線部分の傾きを算出するものである。
の直線部分の傾き(fc)とは、まず、図1に示すよう
に、三次元触針式表面粗さ解析より求められる最大の高
さ(SRmax)を記録面の深さ方向に10等分したとき
の各等分切断面の測定面全体に対する面積率(%)を求
め、次に図2に示すようにSRmax値よりの深さを横
軸に、各等分切断面の面積率を縦軸にとったときの曲線
(負荷曲線)1の直線部分2よりその傾を算出するもの
である。
30Kで行い、その値を下記条件で三次元粗さ解析装置
(小坂研究所製SPA−11)を用いて解析し、前記の
方法で記録面の負荷曲線の直線部分の傾きを得るもので
ある。
0.7mN、極性切替えノーマル、X測定長さ2.0m
m、Y送りピッチ5μm、Y記録リミット210mm、
X送り速さ0.2mm/S、Y記録ピッチ2mm、縦倍
率(Z)500、横倍率(X)100、位相特性補償、
低域カットオフR+W、高域カットオフ0.08、GA
IN1倍、Xピッチ5μm、測定本数100本、サンプ
リングモードPOINT、P.MODE8また、本発明
における転移量(V)とは、吸収係数(Ka)と粗さ指
数(Vr)により、吸収時間(T)内に吸収された量
(ml/m2)であり、下記の式により求められる。
I紙パルプ試験法No.51−87に従い、吸収時間の平
方根に対する流動パラフィンの試験紙への吸収量(ml
/m2)を測定し、得られた吸収曲線の直線部分の傾き
を算出するものであり、また粗さ指数(Vr)は同様に
して得られた吸収曲線の切片を算出することにより得ら
れるものである。
熱溶融性インクを溶融状態で被熱転写記録紙が吸収可能
な時間とし、100msecで算出する。
の孔の個数の測定は三次元表面粗さ解析により求められ
る径50μm以上、深さ20μm以上の凹部の数をカウ
ントするものである。
写記録における初回印字の際の熱溶融性インク転移量
(g/m2)、特に記録媒体として基材上にインク層を
具備し、インクが該インク層より溶融滲出により被熱転
写記録紙に記録されるものを使用する場合、次の関係が
成立することを見出した。
字条件(印加エネルギーヘッド押圧、記録速度等)によ
り異なるものである。
明らかではないが、吸収係数は記録面そのもののインク
受理性を示し、面の負荷曲線の直線部分の傾きは、印字
の際の被熱転写記録紙の記録面と熱転写記録媒体のイン
ク滲出部分との接触性を示し、両者の積が実質的なイン
ク転移量を決定するものと考えられる。
ンを用いたブリストー法による吸収係数(Ka)と、三
次元表面粗さ解析より求められる面の負荷曲線の直線部
分の傾き(fc)の積は2.5〜4.0の範囲にある記
録面を有する被熱転写記録紙が多数回熱転写記録を好ま
しいことを見出したものである。上記積が2.5以下で
あると、インク受容性が劣り、多数回印字に於て濃度低
下は少ないものの高印字濃度が得られない。また4.0
以上であると初回印字におけるインク転移量が大きくな
り過ぎ、熱転写記録媒体より多量のインクが滲出転写す
るために、2回目以降の濃度低下が大きくなり実用的で
はない。
0.55ml/m2・msec1/2、又はfcが7.0以
上の被熱転写記録紙においては多数回印字の濃度変化だ
けでなく、細線画像の再現性も優れたものとなり好まし
い結果を与える。
ラフィンを用いたブリストー法による吸収係数(Ka)
と、粗さ指数(Vr)より求められる吸収時間(T)1
00msec間の転移量(V)が4.0〜7.0ml/
m2の範囲にある記録面を有する被熱転写記録紙も多数
回熱転写記録に優れた性能を示すものであり、4.0m
l/m2以下であるとインク受容性が劣り、多数回印字
において濃度低下は少ないものの高印字濃度が得られな
い。また、7.0ml/m2を越えると初回印字におけ
るインク転移量が大きくなりすぎ、熱転写記録媒体より
多量のインクが滲出転写するために2回目以降の濃度低
下が大きく実用的でない。
5.0ml/m2の範囲にある被熱転写記録紙において
は多数回印字の濃度変化だけでなく、細線画像の再現性
も優れたものとなり好ましい結果を与える。
前記の三次元表面粗さ解析により求められる径50μm
以上、深さ20μm以上の孔が1.00mm2面積あた
り60個以下であれば、転写画像の解像度が向上しより
好ましい。すなわちドット再現性や細線再現性にはこの
孔の大きさ及び個数が影響し、これが多いとドット抜け
による解像度低下の傾向を示す。
範囲に保持され、またはVが上記の範囲に保持されてい
るものであれば、被熱転写記録紙としての素材加工はい
かなる方法がとられていても差し支えはなく、製造工程
において、叩解度、添加薬品、樹脂、ドライヤー方法、
サイズ剤、キャレンダーを調整することによって得るこ
とができる。また、合成紙においても発泡度、受容層の
添加物の調整等にて得ることができる。
上に微細多孔質インク層を設け、少しづつ熱溶融性イン
クが浸み出るようにしたもの、基材上にインク層を設
け、その上に多孔質膜を設け、インク流出量を制御した
もの、支持体上に接着層を介してインク層を設け、少し
づつインクを剥がして転写されるもの等を用いることが
できるが、特に多孔質インク層を設けたものや、多孔質
膜を設けた熱転写記録媒体のようにインクが溶融滲出に
より多数回転写できる熱転写記録媒体を用いるのが好ま
しい。
する。なお、実施例に記載の各成分の量(部)は重量部
である。
で塗工し、カレンダー掛けを60kgf/cm行なっ
て、Ka0.51、fc7.20、径50μm以上、深
さ20μm以上の孔が1.00mm2当り5個の被転写
紙を得た。
で塗工し、カレンダー掛けを行なってKa0.35、f
c9.80、径50μm以上、深さ20μm以上の孔が
1.00mm2当り20個の被転写紙を得た。
レス器に掛け、60℃で乾燥を行なって、Ka0.2
6、Fc:11.10、径50μm以上、深さ20μm
以上の孔が1.00mm2当り10個の被転写紙を得
た。
テル樹脂を70重量部とした以外は実施例2と同様の条
件で被転写紙を得た。Ka:0.15、Vr=2.90
ml/m2、径50μm以上、深さ20μm以上の孔は
0であった。
cmとした以外は実施例1同様の条件で被転写紙を得
た。Ka=0.46、fc=6.00、径50μm以
上、深さ20μm以上、深さ20μm以上の孔が1.0
0mm2当り30個であった。
した。Ka=1.01、fc=7.15、Vr=3.9
3、径50μm以上、深さ20μm以上の孔が1.00
mm2当り75個であった。
mm2当り0個、Ka=0.03、fc=6.80の市
販のアート紙を被転写紙とした。
mm2当り10個、Ka=0.05、fc=15.00
の市販の合成紙を被転写紙とした。
m以上、深さ20μm以上の孔が面積1.00mm2当
り55個の市販のコート紙を被転写紙とした。次に下記
のように熱転写記録媒体を作製し、印字試験を行った。
分散を行ない均一インクとした。その後系を65℃と
し、低融点油溶性染料ベンゾールブラック10部及びメ
チルエチルケトン/トルエン(2/1比)675部を添
加し、32℃において再分散を行なった。分散後室温で
放冷することによって熱溶融性ゲル化インクを得た。こ
のインクを用い、下記それぞれのインク層塗液を調製
し、各インク層を作製した。
片面に耐熱処理を施した基材上に膜厚8μmになるよう
に塗布し75℃で乾燥させて第1インク層を作製した。
ように第2インク層を塗布し110℃において乾燥発泡
させて、熱転写記録媒体を得た。
転写記録媒体をラインプリンターに装置し、表1に示し
た上記実施例及び比較例の被熱転写記録紙上に全ベタ
部、及びCODE39バーコードより構成される印字パ
ターンを用い熱転写記録媒体の同じ位置を4回繰り返
し、印字し、各回の画像濃度を反射濃度計で(マクベス
社製RD−914)で、バーコード読取率をバーコード
レーザ、チェッカー(Symbol Technolo
gy社LC2811)を用いて測定した。その結果を表
2に示す。
りの径50μm以上、深さ20μm以上の孔(凹部)の
数
/mm) プラテン圧:280gf/cm 転写記録媒体の剥離角:45°(被転写紙に対して) 印加エネルギー:17mJ/mm2 印字速度:4インチ/sec 表1及び表2から明らかなようにKa×fcの値が2.
0〜6.0の範囲の記録面を有する被熱転写記録紙、ま
たはVが2.3〜11.5ml/m2の範囲にある記録
面を有する被熱転写記録紙は、これらの範囲外の値の記
録面を有する被熱転写記録紙に比較して、画像濃度が高
く、かつ、くり返し印字においても画像濃度低下を生じ
ないものである。またKa×fc又はVの値が上記の範
囲内の記録面を有し、かつfcの値が7以上、あるいは
径50μm以上、深さ20μm以上の孔が1mm2当り
60個以下のものはドット再現性や細線再現性にすぐれ
画像の解像度が向上するため、すぐれた読取率を示して
いる。
て、くり返し印字の画像濃度低下が少なく、かつ高画像
濃度及び高解像度の印字画像を得ることができる。
表面粗さ解析グラフである。
示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 試薬第1級流動パラフィンを用いたブリ
ストー法(J.TAPPI No.51−87)によ
り、0.1MPa圧力下で測定される吸収係数(Ka)
と、三次元表面粗さ解析により求められる、面の負荷曲
線の直線部分の傾き(fc)との積が2.5〜4.0の
範囲にある記録面を有することを特徴とする被熱転写記
録紙。 - 【請求項2】 試薬第1級流動パラフィンを用いたブリ
ストー法(J.TAPPI No.51−87)によ
り、0.1MPa圧力下で測定される吸収係数(Ka)
が0.15〜0.55ml/m2・msec1/2の範囲に
ある記録面を有することを特徴とする請求項1記載の被
熱転写記録紙。 - 【請求項3】 三次元表面粗さ解析により求められる面
の負荷曲線の直線部分の傾き(fc)が7.0以上の記
録面を有することを特徴とする請求項1記載の被熱転写
記録紙。 - 【請求項4】 三次元表面粗さ解析により求められる径
50μm以上、深さ20μm以上の孔が面積1.00m
m2当り60個以下の記録面を有することを特徴とする
請求項1、2または3項記載の被熱転写記録紙。 - 【請求項5】 試薬第1級流動パラフィンを用いたブリ
ストー法(J.TAPPI No.51−87)によ
り、0.1MPa圧力下で測定される吸収係数(Ka)
と粗さ指数(Vr)より求められる100msec間の
転移量(V)が4.0〜7.0ml/m2の範囲にある
記録面を有することを特徴とする被熱転写記録紙。 - 【請求項6】 試薬第1級流動パラフィンを用いたブリ
ストー法(J.TAPPI No.51−87)によ
り、0.1MPa圧力下で測定される粗さ指数(Vr)
が2.0〜5.0の範囲にある記録面を有することを特
徴とする請求項5記載の被熱転写記録紙。 - 【請求項7】 三次元表面粗さ解析により求められる径
50μm以上、深さ20μm以上の孔が面積1.00m
m2当り60個以下の記録面を有することを特徴とする
請求項5又は6記載の被熱転写記録紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16507892A JP3234634B2 (ja) | 1991-06-24 | 1992-06-23 | 被熱転写記録紙 |
Applications Claiming Priority (5)
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JP3-151603 | 1991-06-24 | ||
JP15160391 | 1991-06-24 | ||
JP3-336926 | 1991-12-19 | ||
JP33692691 | 1991-12-19 | ||
JP16507892A JP3234634B2 (ja) | 1991-06-24 | 1992-06-23 | 被熱転写記録紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05305781A JPH05305781A (ja) | 1993-11-19 |
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Family Applications (1)
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JP16507892A Expired - Fee Related JP3234634B2 (ja) | 1991-06-24 | 1992-06-23 | 被熱転写記録紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234634B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115016344B (zh) * | 2022-06-07 | 2023-09-19 | 智迪机器人技术(盐城)有限公司 | 一种基于机器人的汽车配件自动安装控制系统及方法 |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP16507892A patent/JP3234634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05305781A (ja) | 1993-11-19 |
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