JP3233670U - 虹発生用プリズム - Google Patents

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JP3233670U JP2021000979U JP2021000979U JP3233670U JP 3233670 U JP3233670 U JP 3233670U JP 2021000979 U JP2021000979 U JP 2021000979U JP 2021000979 U JP2021000979 U JP 2021000979U JP 3233670 U JP3233670 U JP 3233670U
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Abstract

【課題】プリズム単体で虹近似光を投影・現出することが可能な虹発生用プリズムを提供する。【解決手段】虹発生用プリズムは、平行光線を入射すべき第一面1、入射後屈折分散した光線を全反射する第二面2、及び分散光線を空中に出射する第三面 3よりなる三角形断面で形成される。第二面2には、円弧状断面の円筒溝5を設け、第二面2側を底部としたときに予め設定した平行光線が第一面1から入射したときに、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で第二面2の円弧状断面の円筒溝5に入射する。【選択図】図3

Description

本考案は、太陽光や室内照明から人工的な虹を映し出すことが可能な虹発生用プリズムに関する。
従来、教育現場などで使用するプリズムは代表的には、正三角柱状のプリズムの斜辺面に太陽光等の平行光線を入射し、該平行光線を波長ごとに分光して反対側の斜辺面から出射して離間した位置に投影することで投影対象に波長ごとに色分けされた虹類似が映し出される。しかしながら、通常のプリズムから波長ごとに分光・出射した分散光は、投影光の形状がプリズムの形状、離間距離によってその形状や光量が変化し、そのままでは虹類似とまで言えるものにはならない。特許第2709974号公報(特許文献1)では、プリズムから近距離の位置に円筒鏡を設け、これに反射させ、反射光が湾曲したスペクトルを生ずることにより、虹近似を投影させることとしている。
上記特許文献1で投影される虹近似の光は、平行光線を分光したプリズムを円筒鏡で反射させた後に円筒光の形状により虹近似の形状にしており、円筒鏡での反射によって光量の損失がある。また、プリズムからの出射光と円筒鏡との間のスペースも必要となり、狭い空間に設置する虹近似光の投影装置に適さない。さらに、虹近似光を拡大・縮小して投影する場合、プリズムからの出射光と円筒鏡との間の距離が固定されているため、円筒鏡で反射された光をさらに反射鏡等で反射させる必要があり、光量損失が大きくなり、高精度・高輝度の投影光を作成することが難しい。
一方、特許文献2(特開2001−141914号公報)では、プリズム内に入射した平行光線の反射面を円形にしてプリズムから出射する分散光を虹近似にするプリズム装置が提供されている。この装置の場合、円筒鏡を使用せず、プリズムから虹近似光を出射できる点では有利であるが、プリズム形状の具体性がなく、投影光の大きさ・輝度の調整をユーザに委ねているという問題がある。
また近年、AR(Augmented Reality)関連技術により建築物の壁面等の大型施設に対する光学的装飾が発達しており、クリーンエネルギーの注目と相まって太陽光に基づいて装飾し得るプリズムによる装飾の潜在的なニーズは大きいものと考えられる。
特許第2709974号公報 特開2001−141914号公報 特開2006−162913号公報
本考案は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、プリズム単体で虹近似光を投影・現出することが可能な虹発生用プリズムの実施可能な具体的な構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第一の本考案は、平行光線を入射させるように設定された第一面(1)、該第一面(1)に前記平行光線が入射したときに屈折分散した光線を全反射させるように形成された第二面(2)、及び前記第二面(2)で反射された光線が入射したときに分散光線として空中に出射する第三面 (3)よりなる三角形断面の虹発生用プリズム(4)において、前記第二面(2)には、第二面に円弧状断面の円筒溝(5)を設け、前記第二面(2)側を底部としたときに予め設定した前記平行光線が前記第一面(1)から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で前記第二面(2)の円弧状断面の円筒溝(5)に入射するように形成され、横断面が前記第一面(1)を底面とする略二等辺三角形又は略二等辺三角形の頂部が削除された形状に形成され、
さらに、
θ+γ≦90°
γ=arc・sin(sinα/n12
α:第一面(1)の法線に対する入射角
γ:第一面(1)内への出射角
θ:第一面(1)に対する対角
12:プリズム4から大気への屈折率、
平行光線の角度:α+θ
の関係を有する。
第一の本考案の虹発生プリズム(4)では、略二等辺三角形の頂部が削除され、底辺に相当する面を第一面(1)、斜辺に相当する面を第二面(2)及び第三面(3)として形成されている。この第一面(1)を太陽光等の平行光線が入射し、第二面(2)を接地し、第三面(3)から出射して虹を投影させている。この虹発生プリズム(4)は、上記条件の角度θ、αを構成・設定すると平行光線を第一面(1)に入射させると第二面(2)で略全反射し、第二面(2)に反射コーティング等の加工を施さなくても虹近似光を投影することができることを提供した点で有利である。また、反射面としての第二面(2)に円弧状断面の円筒溝(5)を施しており、確実な全反射及び虹形状の構成を簡易な加工処理を施すことで達成している点でも有利である。
第二の本考案は、平行光線を入射させるように略垂直に起立した第一面(11)、該第一面(11)に前記平行光線が入射したときに屈折分散した光線を全反射させるように接地側に形成された第二面(12)、及び前記第二面(12)で反射された光線が入射したときに分散光線として空中に出射する第三面 (13)よりなる三角形断面の虹発生用プリズム(14)において、前記第二面(12)には、第二面に円弧状断面の円筒溝(15)を設け、前記第二面(12)側を底部としたときに予め設定した前記平行光線が前記第一面(11)から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で前記第二面(12)の円弧状断面の円筒溝(15)に入射するように形成され、横断面が第一面(11)、第二面(12)を斜辺、第三面(13)を底辺とする略直角二等辺三角形に形成され、
さらに、
θ+γ≦90°
γ=arc・sin(sinα/n12
α:第一面(1)への法線に対する平行光線の入射角
γ:第一面(1)内への出射角
θ:第一面(1)に対する対角
12:プリズム4から大気への屈折率、
の関係を有する。
第二の本考案の虹発生プリズム(14)では、斜辺に相当する面を第一面(11)及び第二面(12)、底辺に相当する面を第三面(13)として形成されている、第一面(1)を太陽光等の平行光線が入射するように略垂直に起立させ、第二面(12)を接地し、第三面(13)から出射して虹を投影させている。この虹発生プリズム(14)は、上記条件の角度θ、αを構成・設定すると第一の虹発生プリズム(4)と同様に平行光線を第一面(11)に入射させると第二面(12)で略全反射し、第二面(12)に反射コーティング等の加工を施さなくても虹近似光を投影することができ、反射面としての第二面(2)に円弧状断面の円筒溝(15)を施すことで確実な全反射及び虹形状の構成を簡易に達成している点で有利である。
また第三の本考案は、内部に水又は水溶液を注水可能な薄板で囲まれた透明又は半透明の枠体で形成された水槽形状の虹発生用プリズム(104)において、
該枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに平行光線が入射する方向に向いて立設する第一面(101、111)と、及びが該第一面(101、111)の幅方向に上に凸となる所定曲率に形成され、前記第一面(101、111)に前記平行光線が入射したときに水又は水溶液内で屈折分散した光線を反射させ、反射させた分散光線を水又は水溶液内から空中に出射させるように設定された底面側の第二面(102)より形成される。
第三の本考案の虹発生用プリズム(104,114)は、枠状のプリズム内に水等の液体を充填した屋内外に設置する大型の水槽類似のものを想定している。この虹発生用プリズムでは、上部が開放等されて注水可能で太陽光等の平行光線が第一面又は水面(液面)に入射し、底面として傾斜する曲面を有する第二面で反射する構造を有している。この虹発生用プリズム(104,114)を採用すれば、枠体の内部に注水するだけで第一及び第二の虹発生用プリズム(4,14)と同様に虹発生用プリズムを形成することができる。とりわけ枠体を設置し、注水するだけで屋内外に大型の虹発生用プリズムを設置することができ、コスト及び据え付け労力の軽減を企図できる点で有利である。また、注水量や水溶液の色合いを変化させるだけで虹近似の投影光を変化させることができ、水溶液ゆえの揺らぎを投影光を反映させることもできる。
なお、上記第一から第三の本虹発生用プリズムは、ポリメタクリル酸メチル樹脂又は光学ガラスからなる、ことが好ましい。
虹発生用プリズムの材質は、大気に対する絶対屈折率やコスト、加工の便宜からポリメタクリル酸メチル樹脂又は光学ガラスが代表的に例示される。特に第三の水槽型の虹発生用プリズム(104,114)では水に対する絶対的屈折率からも光量損失を低減できて好ましい。
第三の本虹発生用プリズム(104,114)における枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに予め設定した傾斜角αの前記平行光線が前記第一面(101、111)又は注水された水又は水溶液の液面から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で直接、前記第二面(102、112)の内表面に入射するように形成され、
θ+arc・sin(sinα/1.33)<51°
α:代表的な平行光線の第一面又は水面への入射角
θ:第二面の傾斜角
の関係を有する、ことが好ましい。
第三の水槽型の虹発生用プリズム(104,114)の一例として、上記条件を満足する場合には、注水量、枠体の材質を問わず、底面に加工を施さなくても単に透明・半透明の枠体を設置するだけで虹近似の投影光を生成することができる点でコスト的にも有利である。
さらに、第三の本虹発生用プリズム(104,114)における他の例としての枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに予め設定した傾斜角αの前記平行光線が前記第一面(101、111)又は注水された水又は水溶液の液面から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で、前記第二面(102、112)の内表面又は外表面に積層されたコーティング層に入射するように形成され、
θ+arc・sin(sinα/1.33)≧51°
α:代表的な平行光線の第一面又は水面への入射角
θ:第二面の傾斜角
平行光線の角度:π/2−α
の関係を有しても良い。
第三の水槽型の虹発生用プリズム(104,114)の他の例として、上記条件を満足する場合には、枠体の底面に反射コーティングを施す必要があり、コスト増加は要求されるが底面の傾斜角を大きくすることもでき、底面のみ加工するだけで奥行き制限のある場所や天井等に虹近似を投影することもでき、建築物等設置場所の設計の自由度が増大する点で有利である。
本考案の虹発生用プリズムによれば、プリズムを設置するだけで必要な光量を確保した虹近似光を提供することができる。設置場所を類型化し、それに適したプリズムを準備すれば太陽光や平均的な室内光の角度は設定できるためプリズム内の反射面となる円弧状断面の第二面で光量損失がなく、弱い入射光線であっても鮮明な虹近似光を作成することができる。また、本虹発生用プリズムではその理想的な形状例やその形状に応じた位置・角度等の関係を提供しており、実施可能性も高いものとなっている。
虹発生用プリズムの内部の構造を示す断面図である。 虹発生用プリズムの右側面図である。 虹発生用プリズムの実施例を説明するための断面図である。 虹発生用プリズムの他の実施例を示す直角二等辺三角形断面のプリズムの断面図である。 図1〜図4の虹発生用プリズムの実施例を示す機構の斜視図である。 さらに水槽型の虹発生器プリズムの各方向から見た図を示しており、(a)はプリズムに液体を充填させた前方右斜め上方から見た斜視図であり、(b)は前方から見たプリズムの天面図を示している。 (c)は図6(a)の前方から見たプリズムの正面図、(d)は図6(a)のプリズムの右側面図である。 図6〜図7のプリズムの変形例であり、(a)はプリズムに液体を充填させた前方右斜め上方から見た斜視図であり、(b)は前方から見たプリズムの天面図を示している。 図6〜図7のプリズムの変形例であり、(c)は図8(a)の前方から見たプリズムの正面図、(d)は図8(a)のプリズムの右側面図である。
≪本考案の実施形態の例示≫
本考案の虹発生器の実施形態例について図1〜図5を参照しつつ以下、説明する。
図1は本考案の虹発生器としてのプリズム4の内部の構造を示す断面図、図2は図1のプリズム4の右側面図が示されている。また、図3には図1のプリズム4内に平行光線が入射されて出射されるまでの光線を略示している。
プリズム4の形状を説明する前に虹近似の投影光が形成される様子をプリズム4への入射光から出射光の光路を説明する。まず、プリズム4の第一面1に 太陽光や室内光等の平行光線6が入射される。入射光6は、第一面1に対して−αの角度で入射すると、屈折し、第二面2に設けた円弧状円筒溝5の内凸表面7で反射され、第三面3から出射するときに可視域で6r1から6v1までの七色に 屈折分散する。この様子を、その代表的光線6nでもって光路で考える。
第一面1に対する対角をθ、他の2角を(π―θ)/2とし、光線6が入射角―αで第一面1に入射し、出射角−γで屈折するとし、大気の絶対屈折率=n、プリズム4の絶対屈折率=n、大気からプリズム4への屈折率=n12、プリズム4から大気への屈折率=n21とすると、
大気からプリズム4への屈折率n12=sinα/sinγ
したがって、γ=arc・sin(sinα/n12)・・・式(1)
である。
また、第一面1から入射した光線6は第二面2に設けた円弧状円筒溝5の内凸表面7に−βの入射角で入射し、+βの出射角で反射する。このとき光量損失を避けるためにβは臨界角(屈折率が大きいところから小さいところに光が向かうとき、全反射が起きる最も小さな入射角)以上であることが好ましい。
臨界角をβとすると、
β>臨界角=arc・sin(n/n)・・・式(2)
また、βは対角θ、第一面1内への出射角γとの関係上
β=(180°―θ―γ)/2・・・式(3)
となる。
ここで大気の絶対屈折率=n、プリズム4の絶対屈折率=n、プリズム4から大気への屈折率=n21とを考える。まず、n=1.000293である。またプリズム4は、光学プラスティック(アクリル樹脂、特にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA))又は光学ガラス(B270(高度クラウンガラス),K09,FK01〜FK03,FK1〜FK6,BK7(K9)),BaK1〜BaK4,SF01〜SF03,SF1〜SF19)であり、それぞれ汎用されるものを最も広く採用した場合、光学プラスティックの絶対屈折率n=1.49〜1.76であり、光学ガラスの絶対屈折率n=1.4706〜1.84666である。したがって、式(2)より
β>44°25.2′≧臨界角≧32°47.2′
すなわちβ≧45°・・・式(2−1)
と考えれば十分である。この式(2−1)と式(3)より
θ+γ≦90°・・・式(4)
となる。
また、式(1)について、大気からプリズム4への屈折率n12=n/n≒1.47〜1.84であり、
arc・sin(sinα/1.84)≦arc・sin(sinα/n12)≦arc・sin(sinα/1.47)となる。
第二面2に設けた円弧状円筒溝5の内凸表面7で−βの反射角で全反射された光線6nは、全反射するとともに左右方向に円弧状に曲げられながら、第三面3で屈折されて−λの出射角で第三面3から空中に出射する。そして、図5に示すように第三面3から出射した光線は、その前面に適当な壁面または天井面8があれば、6r2から6v2までの七色に分かれ、壁面または天井面8に円弧状の虹近似光が投影・現出される。
なお、図1〜図3のプリズム4において頂点付近は、反射光線の行き届かない無効部分であるから、図示点線部分9を削除しても差し支えない。また、第一面1および第三面3に反射防止コーティングを実施すれば、光度の増大ならびに保持に効果的である。
具体的に図1〜図3のプリズム4では、図1〜図3視点の横断面において角度θが、25°〜 30°、残る二つの角度が75°〜78°の二等辺三角形であることが好ましい。
次に他の例として図4に示すプリズム14のように横断面において光線16に対する第一面11、第二面12を斜辺、第三面13を底辺とする直角二等辺三角形の形状でも、第二面12に円筒溝を設け、第二面12への入射光線の入射角が臨界角を超えないようにして虹近似光を壁面または天井面8に投影・現出させることもできる。
このとき第一面11に対する対角をθ´、他の2角がπ/2,θ´であり、光線16が入射角―α´で第一面11に入射し、出射角−γ´で屈折すると、
大気からプリズム4への屈折率n12=sinα/sinγ
したがって、γ=arc・sin(sinα´/n12)であり、第2面12に対する光線16の角度はα´であるので
γ=arc・sin(sinα´/n12)・・・式(1)
また、第一面11から入射した光線16は第二面12(その円弧状円筒溝の内凸表面)に−β´の入射角で入射し、+β´の出射角で反射する。このとき光量損失を避けるためにβ´は臨界角以上であることが好ましい。
臨界角をβ´とすると、
β´>臨界角=arc・sin(n/n)・・・式(12)
また、βは対角θ´、第一面11内への出射角γ´との関係上
β´=γ´/2・・・式(13)
となる。
さらに他の例として図6〜図9に示されるプリズム104、114を説明する。図6は本考案の虹発生器としてのプリズム104の各方向から見た図を示しており、図6(a)はプリズム104に液体を充填させた前方右斜め上方から見た斜視図であり(図中X方向を前方、Y方向を右方、Z方向を上方とする(後述の図8(a)も同様))、図6(b)は図6(a)のZ方向から見たプリズム104の天面図、図7(c)は図6(a)のX方向から見たプリズム104の正面図、図7(d)は図6(a)のY方向から見たプリズム104の右側面図である。また、図8〜図9は図6〜図7のプリズム104の変形例としてのプリズム114の各方向から見た図を示しており、図6〜図7同様に図8(a)はプリズム114に液体を充填させた前方右斜め上方から見た斜視図であり、図8(b)は図8(a)のZ方向から見たプリズム114の天面図、図9(c)は図8(a)のX方向から見たプリズム114の正面図、図9(d)は図8(a)のY方向から見たプリズム114の右側面図である。
また、図7(d)と図9(d)とには、それぞれプリズム104,114内に太陽光等の平行光線が入射されて出射されるまでの光線106及び光線116を略示している。なお、図6〜図9のプリズム104,114において符号末数が図1〜図5のプリズム4、14における符号末数と同一の部材は同一の役割を有する部材を示している。
それぞれプリズム104,114は、図1〜図5に示したプリズム4、14のように樹脂等の中実部材とは異なり、透明体又は半透明(有色、無色)の枠体104(a)、114(a)で囲んで形成された水槽近似の形状であり、上方(−Z方向)に開口して内部に注水自在となっている。なお、上方の開口に対する蓋部材の有無は後述する虹形成用の出射光線の設定や投影予定場所により応じて設定される。また、注水する液体は代表的には水であり、予め設定した喫水線t、t’まで注水し、虹投影や出射角度の設計に応じて他の有色又は無色の液体が採用されることもある。また、注水する液体の喫水線t、t’についても投影状態、場所等に応じて予め推奨喫水線を設定するが、この喫水線t、t’は夏期冬期の太陽光のような入射角度が変化する平行光線に応じて複数設定することもでき、喫水線t、t’を替えるだけで投影状態、場所を変更自在である点でも本プリズム104、114は有利である。この点については後述する。
以下、プリズム104、114についてもプリズム4、14と同様に虹近似の投影光が形成される様子をプリズム104、114への入射光から出射光の光路を説明しつつ、その形状について説明する。まず、プリズム4、14と同様にプリズム104、114の第一面101、111に 太陽光や室内光等の平行光線6が入射されるように設置する例について説明する。この例については枠体104(a)、114(a)の前後方向(X方向)が短い場合が多く、a1/b1<a2/b2であるプリズム114における図9(d)に示す光線116で説明する。
図9(c)の入射光116は、第一面111に対して−α1の角度で入射すると、屈折し、第二面112に設けた円弧状の第二面円筒溝112の内表面で反射され、第三面としての水面113から出射するときに可視域(図3の6r1から6v1参照)までの七色に 屈折分散する。この様子を、その代表的光線116nでもって光路で考える。なお、枠体114(a)は、その設置場所や注水量等に応じた強度を有する光学プラスティック(アクリル樹脂、特にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA))又は光学ガラス(B270(高度クラウンガラス),K09,FK01〜FK03,FK1〜FK6,BK7(K9)),BaK1〜BaK4,SF01〜SF03,SF1〜SF19)が採用され、上述したように光学プラスティックの絶対屈折率n=1.49〜1.76であり、光学ガラスの絶対屈折率n=1.4706〜1.84666である。これに対して、空気の絶対屈折率n=1.00、水の絶対屈折率n=1.33である。したがって、実際には入射光116が第一面111に入射する際には空気/枠体の間、枠体/水の間の2段階で屈折するが、空気/枠体の絶対屈折率差は、枠体/水の絶対屈折率差に対して大きいため、ここでは近似的に第一面111と空気/水の屈折面として考えることとする。
また、プリズム114では第二面112の接地面に対する傾斜角θ1がプリズム4における第一面1に対する対角θに相当し、光線116が入射角―α1で第一面111に入射し、出射角−γ1で屈折するとし、大気の絶対屈折率=n、水の絶対屈折率=n、大気から水への屈折率=n12、水から大気への屈折率=n21とすると、n=1.0003である。また水プリズム4は、n=1.3330ゆえ、
大気から水への屈折率n12=sinα1/sinγ1=n/n=1.33
したがって、γ1=arc・sin(sinα1/n12)=arc・sin(sinα1/1.33)・・・式(111)
となる。
また、第一面111から入射した光線116は第二面112の内表面に−β1の入射角で入射し、+β1の出射角で反射する。このとき光量損失を避けるためにβ1は臨界角(屈折率が大きいところから小さいところに光が向かうとき、全反射が起きる最も小さな入射角)以上であることが好ましい。
臨界角をβ1とすると、
β1>臨界角=arc・sin(n1/n2)=arc・sin(0.750)・・・式(112)
また、式(112)よりβ1は対角θ1、第一面111内への出射角γ1との関係上
β1=π/2−(θ1+γ1)・・・式(113)
となる。
ここで大気の絶対屈折率=n、水の絶対屈折率=n、水から大気への屈折率=n21とを考える。まず、n=1.0003である。また水プリズム4は、n=1.3330である。したがって、式(112)より
β1>=臨界角=arc・sin(n1/n2)で表される。≒48°37′
すなわちβ1>49°
と考えれば十分である。この式と式(113)より
θ1+γ1<π/2−β=51°・・・式(114)
となる。
したがって、θ1+γ1<51°の場合、第二面112で入射光線が全反射することとなり、式(111)より γ1=arc・sin(sinα1/n12)ゆえ
θ1+γ1=θ1+arc・sin(sinα1/n12)=θ1+arc・sin(sinα1/1.33)<51°
なお、θ1+γ1≧51°の場合、第二面112は、その内表面及び/又は外表面に反射層をコーティングすることが必須となる。
また、図7(b)プリズム104のような平行光線106が第一面101を通過せず直接、水面(喫水線t)を透過して傾斜角θ2の第二面102で反射して再び水面から出射する場合もありえるが、上述するように図8〜図9のプリズム114において光線116を大気から水への屈折、水から水(水から大気への屈折なし)に反射として枠体114を考慮しないで近似できることがわかったため、図7(b)の光線106の場合においても同様に考えることができる。なお、このとき太陽光等の平行光線の角度は接地面に対してπ/2−αである。
したがって、第二面102の傾斜角θ2の枠体104に光線106のように入射角―α2で水面に入射後、入射角γ2に屈折し、第二面102で反射角β2で全反射し、水面から出射角する場合においても、
したがって、θ2+γ2<51°の場合、第二面102で入射光線が全反射することとなり、
γ2=arc・sin(sinα2/n12)ゆえ
θ2+γ2=θ1+arc・sin(sinα2/n12)=θ2+arc・sin(sinα2/1.33)<51°
となり、θ2+γ2≧51°の場合、第二面102は、その内表面及び/又は外表面に反射層をコーティングすることが必須となる。
以上、本考案における虹発生用プリズムについての実施形態およびその概念及び周辺技術について説明してきたが本考案はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
なお、上述してきた第一〜第三の実施形態では、虹発生用プリズムの第二面(2,12,102,112)を略全反射する枠体について例示してきたが、第二面(2,12,102,112)の全反射が得られない場合であっても、全反射を確実にすべく反射材をコーティング、反射率の高い金属薄板を積層することで反射率の向上を図ることができる。
1,11,101,111 第一面
2,12,102,112 第二面
3.13 第三面
4,14,104,114 人工虹発生プリズム
5 円弧状断面の円筒溝
6,16,106,116 太陽光または平行光線
7 円筒溝の内表面
103,113 液面(水面)
θ 人工虹発生プリズムの第一面の対角
θ1,θ2 人工虹発生プリズムの第二面の傾斜角

Claims (6)

  1. 平行光線を入射させるように設定された第一面(1)、該第一面(1)に前記平行光線が入射したときに屈折分散した光線を全反射させるように形成された第二面(2)、及び前記第二面(2)で反射された光線が入射したときに分散光線として空中に出射する第三面 (3)よりなる三角形断面の虹発生用プリズム(4)において、
    前記第二面(2)には、第二面に円弧状断面の円筒溝(5)を設け、前記第二面(2)側を底部としたときに予め設定した前記平行光線が前記第一面(1)から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で前記第二面(2)の円弧状断面の円筒溝(5)に入射するように形成され、
    横断面が前記第一面(1)を底面とする略二等辺三角形又は略二等辺三角形の頂部が削除された形状に形成され、
    さらに、
    θ+γ≦90°
    γ=arc・sin(sinα/n12
    α:第一面(1)の法線に対する入射角
    γ:第一面(1)内への出射角
    θ:第一面(1)に対する対角
    12:プリズム4から大気への屈折率、
    平行光線の角度:α+θ
    の関係を有する、虹発生用プリズム。
  2. 平行光線を入射させるように略垂直に起立した第一面(11)、該第一面(11)に前記平行光線が入射したときに屈折分散した光線を全反射させるように接地側に形成された第二面(12)、及び前記第二面(12)で反射された光線が入射したときに分散光線として空中に出射する第三面 (13)よりなる三角形断面の虹発生用プリズム(14)において、
    前記第二面(12)には、第二面に円弧状断面の円筒溝(15)を設け、前記第二面(12)側を底部としたときに予め設定した前記平行光線が前記第一面(11)から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で前記第二面(12)の円弧状断面の円筒溝(15)に入射するように形成され、
    横断面が第一面(11)、第二面(12)を斜辺、第三面(13)を底辺とする略直角二等辺三角形に形成され、
    さらに、
    θ+γ≦90°
    γ=arc・sin(sinα/n12
    α:第一面(1)への法線に対する平行光線の入射角
    γ:第一面(1)内への出射角
    θ:第一面(1)に対する対角
    12:プリズム4から大気への屈折率
    の関係を有する、虹発生用プリズム。
  3. 内部に水又は水溶液を注水可能な薄板で囲まれた透明又は半透明の枠体で形成された水槽形状の虹発生用プリズム(104)において、
    該枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに平行光線が入射する方向に向いて立設する第一面(101、111)と、及びが該第一面(101、111)の幅方向に上に凸となる所定曲率に形成され、前記第一面(101、111)に前記平行光線が入射したときに水又は水溶液内で屈折分散した光線を反射させ、反射させた分散光線を水又は水溶液内から空中に出射させるように設定された底面側の第二面(102)より形成される、虹発生用プリズム。
  4. ポリメタクリル酸メチル樹脂又は光学ガラスからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の虹発生用プリズム。
  5. 前記枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに予め設定した傾斜角αの前記平行光線が前記第一面(101、111)又は注水された水又は水溶液の液面から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で直接、前記第二面(102、112)の内表面に入射するように形成され、
    θ+arc・sin(sinα/1.33)<51°
    α:代表的な平行光線の第一面又は水面への入射角
    θ:第二面の傾斜角
    の関係を有する、請求項3に記載の虹発生用プリズム。
  6. 前記枠体は、その内部に水又は水溶液を注水したときに予め設定した傾斜角αの前記平行光線が前記第一面(101、111)又は注水された水又は水溶液の液面から入射し、その代表的な入射光線が臨界角より大きい入射角で、前記第二面(102、112)の内表面又は外表面に積層されたコーティング層に入射するように形成され、
    θ+arc・sin(sinα/1.33)≧51°
    α:代表的な平行光線の第一面又は水面への入射角
    θ:第二面の傾斜角
    平行光線の角度:π/2−α
    の関係を有する、請求項3に記載の虹発生用プリズム。
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