JP3232864U - 打上げ花火の黒玉防止の改善された煙火用着火線 - Google Patents
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Abstract
【課題】取り付けが容易でかつ確実に固定できる打上げ煙火用着火線を提供する。【解決手段】煙火用着火線1は、銅線を芯材2として周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせたものに火薬4を塗布した。銅線の剛性を利用して、親コードや雷コード等の導火線にあけた穴に容易に差し込むことができる。銅線の塑性を利用して親コードや雷コード等の導火線の穴に通した後に煙火用着火線1を絡める、或いは捩ることによって確実かつ容易に導火線に固定することが可能となる。芯材2を中心にし、その周囲を複数の糸で撚ることによって湾曲、捩り等の変形にあっても芯材2と糸31〜34及び糸に染み込んだ火薬4が分離しない優れた応力耐性を有する。【選択図】図2
Description
本考案は、打ち上げ花火の黒玉防止のための煙火用着火線に関する。
打上げ花火では先ず花火を打ち上げるための発射薬を燃焼させ、続いてその炎を利用して花火玉を上空で破裂及び点火させるための親コード及び雷コードと呼ばれる導火線に着火させている。
特許文献1の速火線では、糸条体と、この糸条体に含浸させたバイトン含有パイロラントとを有するものが提案されており、それにより、取り扱いが容易であり、火炎伝播が速く、火炎温度が高い速火線を提供することができるものである。
特許文献2の速火線の製造装置は、基体糸を巻き取る糸巻と、薬液を収納した薬槽と、薬槽内の薬液中に位置し基体糸が巻き付けられるガイドローラと、上記糸巻を回転させる駆動装置とを備え、基体糸を薬槽の薬液中を通し且つガイドローラに巻き付けた後上記糸巻に巻き取るようにしたので、品質の良好な速火線を自動的にしかも安全に製造することができるというものである。
しかしながら、花火玉を上空で破裂及び点火させるための親コード及び雷コードと呼ばれる導火線に着火しない場合は、黒玉と呼ばれる危険な不発玉となって地上に落下してくる。
発射薬の燃焼によって確実に導火線に着火するために、花火玉の導火線に小さな穴をあけ、そこに引火しやすく燃焼速度の速い着火線と呼ばれる細い導火線を差し込み固定している。
着火線は、綿糸に火薬を染み込ませ乾燥させたものであるため比較的もろく、導火線の穴に通す際に穴の摩擦に耐え切れず、挿入先が折れるなど、穴に通しづらく、迅速確実に通すには熟練した技量が必要となる。
導火線の穴に通した後に、着火線を導火線に巻き付けるなどして固定しても準備から打ち上げまでの時間経過とともに綿糸の復元力によって巻き付けが緩み、打ち上げ時の重力加速度及び風圧等によって外れてしまい、導火線への不着火につながり黒玉が発生することがある。
本考案の目的は、取り付けが容易でかつ確実に固定できる打上げ煙火用着火線を提供することにある。
(1)本考案の煙火用着火線は、打上げ花火の親コード及び雷コードを含む導火線への着火性を向上させるために取り付けられる煙火用着火線であって、鉄線からなる芯材と、前記芯材の周囲を撚り合わされた複数の糸と、を有し、前記芯材と前記周囲に撚り合わされた複数の糸に、泥薬が塗布されていることを特徴とする。
(2)前記芯材は、直径が0.25mm〜3.0mmの範囲である。
(3)前記各糸の撚り数が、50T/m〜75T/mの範囲である。
(4)前記複数の糸は、2〜4本の綿糸である。
本考案によれば、取り付けが容易でかつ確実に固定できる打上げ煙火用着火線を提供することができる。
図1は、本考案の実施形態における煙火用着火線(以下、「着火線」と称す。)の構造を示す図面であり、(a)は芯材に綿糸4本で撚り合わせた例、(b)は芯材に綿糸で3本撚り合わせた例、(c)は芯材に綿糸2本で撚り合わせた例を示す図である。
図1(a)に示すように、芯材2の周囲を4本の糸31〜34で撚ったものであり、(b)は芯材2の周囲を3本の綿糸31〜33で撚ったものであり、(c)は芯材2の周囲を2本の綿糸31、32で撚った形状である。
本考案の実施形態の着火線1は、打上げ花火の親コード及び雷コードを含む導火線への着火性を向上させるために取り付けられるものである。
着火線1は、鉄線からなる芯材2と、芯材2の周囲を撚り合わされた複数の糸31〜34と、を有する。
なお、着火線1は、芯材2と周囲の撚り合わされた複数の糸31〜34に、後述する火薬4が塗布されているものであるが、この点については、図2で説明する。
着火線1は、鉄線からなる芯材2と、芯材2の周囲を撚り合わされた複数の糸31〜34と、を有する。
なお、着火線1は、芯材2と周囲の撚り合わされた複数の糸31〜34に、後述する火薬4が塗布されているものであるが、この点については、図2で説明する。
芯材2には、銅線、アルミ線等の他の金属線を用いることができる。
芯材2は、直径が例えば0.25mm〜3.mmの範囲であり、好ましくは、直径が0.25mm〜0.3mmの範囲であり、より好ましくは、0.26mm及び0.29mmである。
芯材2は、直径が例えば0.25mm〜3.mmの範囲であり、好ましくは、直径が0.25mm〜0.3mmの範囲であり、より好ましくは、0.26mm及び0.29mmである。
本実施形態で用いる複数の糸31〜34は、綿糸に限らず、他の糸を利用することもできる。複数の糸31〜34の撚り合わせは、綿糸を2本以上撚り合わせるのがよく、例えば、2本、3本、4本等が考えられる。
各糸31〜34の撚り数は、50T/m〜75T/mの範囲である。
ここで、T/mは、1メートルあたりの撚り数(Twist)を示す。
ここで、T/mは、1メートルあたりの撚り数(Twist)を示す。
例えば、巻く側の糸車の回転は、150回/分一定で、芯糸(銅線)は0.5m/分〜19m/分で、巻き糸1本につき8〜300T/分が可能であり、各綿糸31〜34の撚り数は10〜150T/m/本となり、より好ましくは、各糸の撚り数が、50T/m以上75T/m以下である。
芯材2への綿糸31〜34の撚り合わせは、着火線1の製造装置により自動的に行われる。
芯材2への綿糸31〜34の撚り合わせは、着火線1の製造装置により自動的に行われる。
図2は、本考案の実施形態における着火線の切欠断面図である。
図2(a)は芯材2の周囲を綿糸4本で撚り合わせたもので、右回りの2本の綿糸32、34と、左回り2本の綿糸31、33で構成した場合の例である。同図(b)は、芯材2の周囲を綿糸3本で撚り合わせたもので、右回り2本の綿糸32、34と、左回り1本(逆も同じ)の綿糸31で構成した場合の例である。同図(c)は、芯材2の周囲を綿糸2本で撚り合わせたもので、右回り1本の綿糸32、左回り1本の綿糸31で構成した場合の例である。同図(d)は、芯材2の周囲を綿糸2本で撚り合わせたもので、右回り2本(左回りも同様に可能である)の綿糸32、34で構成した場合の例である。
図2(a)は芯材2の周囲を綿糸4本で撚り合わせたもので、右回りの2本の綿糸32、34と、左回り2本の綿糸31、33で構成した場合の例である。同図(b)は、芯材2の周囲を綿糸3本で撚り合わせたもので、右回り2本の綿糸32、34と、左回り1本(逆も同じ)の綿糸31で構成した場合の例である。同図(c)は、芯材2の周囲を綿糸2本で撚り合わせたもので、右回り1本の綿糸32、左回り1本の綿糸31で構成した場合の例である。同図(d)は、芯材2の周囲を綿糸2本で撚り合わせたもので、右回り2本(左回りも同様に可能である)の綿糸32、34で構成した場合の例である。
図2(a)〜図2(d)に示すように、本実施形態の着火線1は、芯材2の周囲を複数の綿糸で撚った形状であり、芯材2と周囲の撚り合わされた複数の綿糸31〜34に、火薬4が塗布されている。
ここで、火薬4が塗布された着火線1は、直径が例えば3.0mm程度である。
火薬4には、例えば泥薬等が含まれる。泥薬は、火薬に糊剤を加えて水で練って作られる。
芯材2の周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせた後、液状の火薬が入った槽に芯材2の周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせたものを入れ、取り出し後、乾燥させることにより、芯材4と周囲に撚り合わされた複数の綿糸31〜34に、火薬4を塗布することができる。
火薬4には、例えば泥薬等が含まれる。泥薬は、火薬に糊剤を加えて水で練って作られる。
芯材2の周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせた後、液状の火薬が入った槽に芯材2の周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせたものを入れ、取り出し後、乾燥させることにより、芯材4と周囲に撚り合わされた複数の綿糸31〜34に、火薬4を塗布することができる。
着火線1の芯材2に銅線を取り入れ、その芯材2の周囲に複数の綿糸31〜34を撚り合わせ、火薬4が塗布されていることにより、塗布した火薬4により、撚り合わせた複数の綿糸31〜34を固めるという構造にすることにより、芯材を中心にし、その周囲を複数の綿糸31〜34で撚ることによって、湾曲、捩り等の変形にあっても芯材と糸及び糸に染み込んだ火薬が分離しない優れた応力耐性を有する。
図3は、導火線に貫通させた煙火用着火線の図であり、(a)は正面から見た図、(b)は上面から見た図である。
導火線10は、直径が例えば5.3mm程度で構成されている。
導火線10は、直径が例えば5.3mm程度で構成されている。
本実施形態の着火線1は、従来の綿糸のみのものよりも大きな剛性を持たせることができるため、親コード又は雷コード等の導火線10にあけた穴に挿入する際の摩擦に対しても無理なく容易に差し込むことができる。
芯材2としての銅線の塑性を利用して親コード等の導火線10の穴に通した後に着火線1を絡める、或いは捩ることによって、確実かつ容易に導火線10に固定することが可能となる。これにより、従来の綿糸のみのものの様に綿糸の復元力によって固定が緩み導火線10から外れることが無くなる。その為、固定した後に緩み防止のためテープの貼付や紐による結束が必要なくなり作業が効率性にも供するのである。
以上の通り、本実施形態の着火線1は、芯材2の周囲を複数の綿糸31〜34で撚った形状であり、芯材2と周囲の撚り合わされた複数の綿糸31〜34に、火薬4が塗布されているため、取り付けが容易でかつ確実に固定できる打上げ着火線1を提供することができる。
上記は、本考案の好ましい実施例に過ぎず、本考案の請求の範囲に従って行った同等の変更及び修正は、いずれも本考案の請求の範囲内に属する。
1 煙火用着火線
2 芯材
31〜34 綿糸
4 火薬
10 導火線
2 芯材
31〜34 綿糸
4 火薬
10 導火線
Claims (4)
- 打上げ花火の親コード及び雷コードを含む導火線への着火性を向上させるために取り付けられる煙火用着火線であって、
鉄線からなる芯材と、
前記芯材の周囲を撚り合わされた複数の糸と、を有し、
前記芯材と前記周囲に撚り合わされた複数の糸に、火薬が塗布されていることを特徴とする煙火用着火線。 - 前記芯材は、直径が0.25mm〜3.0mmの範囲である、請求項1に記載の煙火用着火線。
- 前記各糸の撚り数が、50T/m〜75T/mの範囲であることを特徴とする煙火用着火線。
- 前記複数の糸は、2〜4本の綿糸である、請求項1又は請求項2に記載の煙火用着火線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021000504U JP3232864U (ja) | 2021-02-16 | 2021-02-16 | 打上げ花火の黒玉防止の改善された煙火用着火線 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3232864U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024192847A1 (zh) * | 2023-03-21 | 2024-09-26 | 湖北及安盾消防科技有限公司 | 一种环保多线芯型防潮热敏线及其制备方法 |
-
2021
- 2021-02-16 JP JP2021000504U patent/JP3232864U/ja active Active
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