JP3232112U - 被覆構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた発泡性を有し、基材の耐熱保護性能を維持することが可能な被覆構造体を提供する。【解決手段】基材1表面に、被膜2を有する被覆構造体であって、基材が、厚み30mm以上の金属基材1a及び/またはセメント質基材1bであり、被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材によって形成され、被覆材が、樹脂成分として、熱硬化性樹脂を含む。【選択図】図3

Description

本考案は、新規な被覆構造体に関する。
近年、建造物において高層化・大架構化が進み、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)等、種々の構造物が普及しつつある。これらは、所望の構造耐性によって種々組み合わされ採用されている。鉄骨、鋼材、コンクリート等の基材は、その厚みが大きい場合には熱容量が大きくなるため、基材温度が上がりにくい特徴がある。このため、実際に耐火被覆材を必要としないこと、あるいは軽減することが可能となる場合がある。しかしながら、建造物によっては、より高い耐熱保護性能が要求される場合がある。
これに対して、例えば、基材にけい酸カルシウム成形板、石こう系成形板等の無機ボード、あるいはロックウール等を被覆した構造体が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2003−105890号公報
しかしながら、上記特許文献1のような構造体では、被覆厚みが大きくなる場合がある。これに対して、従来の熱発泡性被覆材等を採用することも可能であるが、厚みが大きい基材の場合には基材温度が上がりにくく、良好な発泡性が得られない場合があり、所望の耐熱保護性能を得るには、まだ改善の余地があった。
このような課題を解決するために本考案者らは、厚みが30mm以上の金属基材及び/またはセメント質基材の被覆構造体において、特定樹脂成分を含む被覆材を被覆することにより、優れた発泡性を示し、優れた耐熱保護性能を維持することができることを見出し、本考案の完成に至った。
すなわち、本考案は以下の特徴を有するものである。
1.基材表面に、被膜を有する被覆構造体であって、
前記基材が、厚み30mm以上の金属基材及び/またはセメント質基材であり、
前記被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材によって形成され、
前記被覆材が、樹脂成分(a)として、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする被覆構造体。
2.前記被覆材は、樹脂成分(a)として、ポリオール成分(a1)及びポリイソシアネート成分(a2)を含むことを特徴とする1.に記載の被覆構造体。
本考案は、基材表面に、被膜を有する被覆構造体に関するものであり、前記基材が、厚み30mm以上の金属及び/またはコンクリート系基材であり、前記被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材によって形成される。その被覆材が、樹脂成分(a)として、熱硬化性樹脂を含むことにより、火災等による温度上昇に際し、優れた発泡性を示し、基材の耐熱保護性を高めることができる。
本考案被覆構造体の一例を示す断面図である。 本考案被覆構造体の別の一例を示す断面図である。 本考案被覆構造体の別の一例を示す断面図である。
以下、本考案をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
本考案の被覆構造体の一例を図1に示す。図1〜3では、基材1表面に被膜2を有する。基材1は、厚み30mm以上(好ましくは30mm以上100mm以下)の金属基材及び/またはセメント質基材である。このように厚みが30mm以上ある基材は、熱容量が大きく、火災等によって高温に晒された場合であっても基材の温度が上昇しにくい特徴を有する。なお、上記厚みを満たす基材の1m当たりの熱容量は、好ましくは50kJ/K(より好ましくは50〜400kJ/K)程度である。具体的に基材として使用する金属基材としては、例えば、鉄骨(鋼材)、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、鉛、チタン等の金属、あるいは各種金属の合金等が挙げられ、セメント質基材としては、例えば、コンクリート、モルタル等が挙げられる。本考案では、金属及びコンクリート基材を複合したものも使用できる。
基材の形状は、上記厚みを有するものであれば、特に限定されず、板(ボード、パネル)状、角柱状、丸柱状、角形鋼管、丸形(円形)鋼管、あるいは、角形二重鋼管、丸形(円形)二重鋼管、等を使用することができる。なお、基材1の大きさ、長さ等は、公知のものであれば特に限定されない。また、基材11は、その表面に、何らかの下地処理(防錆処理、難燃処理等)が施されたものであってもよい。
上記基材1の表面に形成される被膜2は、その被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材によって形成されるものである。以下、被覆材について説明する。
本考案の被覆材2は、樹脂成分(a)として、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする。本考案では、樹脂成分(a)として、熱硬化性樹脂を含むことによって、厚みが30mm以上の金属基材及び/またはセメント質基材のような熱容量が大きな基材であっても、優れた耐熱保護性を発揮することができる。この作用機構は、以下に限定されるものではないが、例えば、厚みが30mm以上の金属基材及び/またはセメント質基材のような熱容量が大きな基材が、火災等によって高温に晒された場合、基材表面の温度はゆっくりと上昇する。このような基材表面に形成された被膜の樹脂成分が、熱硬化性樹脂を含むことにより、熱可塑性樹脂のみの場合に比べ溶融状態となりにくく、被膜の垂れ等を抑制し、効率的に発泡して炭化断熱層を安定して形成することができる。これによって、優れた耐熱保護性を発揮することができると考えられる。
本考案における熱硬化性樹脂としては、反応性官能基を有するものであればよく、1成分または2成分以上からなるものが使用できる。具体的には、1種または2種以上の樹脂からなるもの、1種以上の樹脂と1種以上の硬化剤からなるもの等が使用できる。このような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等が挙げられ、水分散タイプ、水可溶タイプ、弱溶剤タイプ、強溶剤タイプ、NADタイプ、粉末タイプ等特に限定されない。本考案では特に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂から選ばれる1種以上が好適に用いられる。
上記反応性官能基としては、例えば、カルボキシル基、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、水酸基、イソシアネート基、カルボニル基、ヒドラジド基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
このような反応性官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシシリル基どうし等の組み合わせが挙げられる。
本考案における熱硬化性樹脂は、このような反応性官能基の組み合わせの1種または2種以上を有するものである。特に、好適な反応性官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基とエポキシ基、水酸基とイソシアネート基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシシリル基どうしから選ばれる1種以上が挙げられる。
中でも、本考案の熱硬化性樹脂としては、水酸基とイソシアネート基との組み合わせ、例えば、ポリオール化合物(a1)(以下「(a1)成分」ともいう。)とポリイソシアネート化合物(a2)(以下「(a2)成分」ともいう。)の組み合わせが好ましい。これらは、(a1)成分と(a2)成分との混合・反応により被膜を形成するものである。このような(a1)成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油、ひまし油変性ポリオール、エポキシ変性ポリオール、シリコーン変性ポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
特に、本考案では(a1)成分として、ポリエーテルポリオールを含み、その分子量が1000以上(好ましくは3000以上20000以下、より好ましくは5000以上18000以下、さらに好ましくは6000以上15000以下、最も好ましくは6500以上12000以下)であることが好適である。このようなポリオール成分を使用することにより、被膜2の温度上昇(好ましくは被膜表面温度が200℃以上、さらに好ましくは250℃以上)によって、優れた発泡性を有し、基材1の耐熱保護性能を高めることができる。なお、本考案においてポリオール化合物(a1)の分子量は、数平均分子量(Mn)であり、ポリスチレン重合体をリファレンスとして用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求めた、いわゆるポリスチレン換算分子量である。
上記ポリエーテルポリオールは、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール誘導体、ソルビトール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加重合により得られるものである。本考案では、上記多価アルコール類と、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドとの付加重合により得られる重合体が好適であり、末端にエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドが付加されたものがより好適である。さらに、上記のポリエーテルポリオールとして、活性水素原子を有する官能基が3つ以上(官能基数3以上)のポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。この場合、硬化性に優れ、安定して被膜を形成することができるため本考案の効果が得られやすい。活性水素原子を有する官能基としては水酸基が好適である。
このようなポリエーテルポリオールとしては、水酸基価が3〜150mgKOH/g(より好ましくは5〜100mgKOH/g、さらに好ましくは7〜40mgKOH/g、最も好ましくは10〜30mgKOH/g)であることが好ましい。このようなポリオール成分を使用することにより、いっそう優れた発泡性を発揮し、基材の耐熱保護性能を高めることができる。
また、上記ポリエーテルポリオールの含有量は、ポリオール成分(a1)の全量に対して、90重量%以上(より好ましくは95重量%以上)であることが好ましい。また、上記(a1)ポリオール成分が、ポリエーテルポリオールのみの態様も好適である。
本考案のポリイソシアネート化合物(a2)としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等、あるいはこれらをアロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化した誘導体;及び、これらをアルコール類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン化合物類等でブロックした、ブロックイソシアネート等が挙げられ、これから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
本考案では、(a2)成分として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)及び/またはその誘導体(以下「HMDI類」ともいう。)を含むことが好ましい。上記HMDI類の含有量は、ポリイソシアネート成分(a2)の全量に対して、90重量%以上(より好ましくは95重量%以上)であることが好ましい。また、ポリイソシアネート成分(a2)が、HMDI類のみからなる態様も好適である。また、誘導体としては、ビウレット体、及び/またはイソシアヌレート体が好適である。このような場合、形成被膜の硬化性に優れ、温度上昇時にはより優れた発泡性を発揮し、基材の耐熱保護性を高めることができる。
ポリオール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)の混合は、(a1)成分と(a2)成分のNCO/OH当量比で好ましくは0.6〜3.5(より好ましくは1〜2.5、さらに好ましくは1.1〜1.9)となるような比率で行う。このような場合、硬化性に優れ、所望の厚さで均一な被膜が形成可能であり、発泡性をよりいっそう高め、基材の耐熱保護性能を高めることができる。
本考案では、(a1)成分と(a2)成分の反応を促進する硬化触媒を併用することができる。硬化触媒とはイソシアネート基が反応して硬化するのを促進させる作用を有する物質である。硬化触媒としては、アミン系触媒、有機金属系触媒、及び無機系触媒等各種が挙げられる。例えば、アミン系触媒としては、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及び、ヘキサメチレンジアミンもしくはこれらの誘導体または溶剤との混合物等が挙げられる。有機金属系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機金属化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、オクチル酸錫等の有機金属塩等が挙げられる。無機系触媒としては、塩化スズ等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用でき、溶剤と混合して使用することもできる。本考案では、特に、有機金属系触媒を含むことが好適である。この場合、硬化を促進するとともに、樹脂成分(a)の硬化性を高めることができ、本考案の効果を高めることができる。
さらに本考案の被膜2を形成する被覆材には、例えば、発泡剤(b)、炭化剤(c)、難燃剤(d)、及び充填材(e)等を含むことができる。
発泡剤(b)としては、例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾビステトラゾーム及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。発泡剤(b)の含有量は、上記樹脂成分(a)の固形分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部(より好ましくは20〜150重量部)である。なお、本考案の発泡剤(b)は、火災時等の温度上昇によって被膜に発泡作用を付与するものであり、具体的には、被膜表面の温度が好ましくは200℃以上となった場合に発泡作用を付与するものである。
炭化剤(c)としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、デンプン、カゼイン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本考案では、特にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れている点で好ましい。炭化剤(c)の含有量は、上記樹脂成分(a)の固形分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部(より好ましくは20〜120重量部)である。なお、本考案の炭化剤(c)は、火災時等の温度上昇によって、上記樹脂成分(a)の炭化とともに脱水炭化することにより、炭化断熱層を形成する作用を付与するものである。
難燃剤(d)としては、例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、塩素化パラフィン、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、リン酸ホウ素、ポリリン酸ホウ素、リン酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本考案では、難燃剤(d)として、リン化合物を含むことが好ましい。難燃剤(d)の含有量は、上記樹脂成分(a)の固形分100重量部に対して、好ましくは100〜1000重量部(より好ましくは200〜800重量部)である。
充填剤(e)としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、粘土、クレー、シラス、マイカ、珪砂、珪石粉、石英粉、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。充填剤(e)の含有量は、上記樹脂成分(a)の固形分100重量部に対して、好ましくは3〜200重量部(より好ましくは5〜150重量部)である。
さらに、本考案では、上記成分に加えて金属水和物(f)を含むこともできる。金属水和物(f)は、温度上昇時に、脱水反応等による吸熱性を示すものであり、上記充填剤(e)とは異なるものである。このような金属水和物(f)としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。また、金属水和物(f)の平均粒子径は、好ましくは0.1〜20μm(より好ましくは0.2〜15μm、さらに好ましくは0.3〜8μm、最も好ましくは0.4〜3μm)である。金属水和物(f)の含有量は、上記樹脂成分(a)の固形分100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部(より好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは25〜80重量部)である。
本考案では、充填剤(e)と金属水和物(f)を併用することが好ましく、この場合、充填剤(e)と金属水和物(f)は重量比1:9〜9:1(より好ましくは2:8〜8:2)とすることが好ましい。この場合、発泡性、特に高温下における炭化断熱層の収縮等を抑制し、安定した炭化断熱層を形成することができるため、本考案の効果を高めることができる。なお、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定される。
その他、添加剤としては、本考案の効果を著しく阻害しないものであればよく、例えば、顔料、繊維、湿潤剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、希釈溶媒等が挙げられる。
このうち酸化防止剤としては、例えば、リン系、硫黄系又はヒンダード型フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような酸化防止剤を含むことにより、平常時だけでなく、火災等による温度上昇に際しても被膜の劣化を抑制することができ、温度上昇によって形成される炭化断熱層の性状を高めることができる。
本考案は、上記ポリオール成分(a1)を含む主剤、及び上記ポリイソシアネート成分(a2)を含む硬化剤を有する2液型の被覆材であることが好ましい。すなわち、流通時には主剤と、硬化剤とを、それぞれ別のパッケージに保存した状態とし、使用時(塗付時)にこれらを混合すればよい。この場合、上記発泡剤(b)、上記炭化剤(c)、上記難燃剤(d)、及び上記充填剤(e)(さらには、上記金属水和物(f)、硬化触媒)はそれぞれ、主剤と硬化剤の少なくとも一方に混合すればよいが、本考案では主剤に混合することが好ましい。また、主剤と硬化剤の混合時に、各成分を添加することもできる。
(被膜構造体)
本考案の被膜構造体は、基材1表面に対し、上記被覆材を塗付して被膜2が形成された構造体である。
本考案の被覆材を基材1に塗付する際には、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、こて等の塗付具を使用して、1工程ないし数工程塗り重ねて塗付すれば良いが、1工程あたりの乾燥膜厚が好ましくは400μm以上(より好ましくは500〜5000μm)となるように塗付する。これにより、少ない塗工工程で、厚膜を形成することができる。最終的に形成される被膜厚は、所望の機能性、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.4〜30mm(より好ましくは1〜10mm)程度である。
被覆材を塗付後、被膜を乾燥させることにより、被膜2を形成することができる。乾燥温度は、好ましくは0℃以上40℃以下(常温)であり、必要に応じ加温することもできる。乾燥時間は、好ましくは4時間以上、より好ましくは24時間以上である。
本考案では、上記被覆材により形成される被膜2を保護するために、必要に応じてさらに上塗材を塗付することもできる。このような上塗材は、公知の被覆材を塗付することによって形成することができる。上塗材としては、例えばアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の被覆材を用いることができる。上塗材の塗付は、公知の塗付方法によれば良く、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
以下、実施例を示し、本考案の特徴をより明確にする。
<被覆材の製造>
樹脂成分(a)100重量部に対し、発泡剤(b)85重量部、炭化剤(c)60重量部、難燃剤(d)350重量部、充填材(e)80重量部、触媒1重量部、添加剤1を10重量部、添加剤2を70重量部、を混合・攪拌し被覆材を調整した。なお、樹脂成分(a)は、ポリオール成分(a1)とポリイソシアネート成分(a2)の混合比率が、NCO/OH当量比1.2となるように混合した熱硬化性樹脂である。
なお、被覆材の調製方法としては、(a1)成分、(b)成分〜(e)成分、触媒、及び添加剤を常法により混合しポリオール組成物(主剤)を調製し、次いで(a2)成分を混合し被覆材を調製した。
なお、原料としては以下のものを使用した。
・樹脂成分(a)
(a1):ポリエーテルポリオール(グリセリンを開始剤としたエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドとの重合体、数平均分子量7000、官能基数3、水酸基価24mgKOH/g、末端エチレンオキサイド付加)
(a2)ビウレット型ヘキサメチレンジイソシアネート
・発泡剤(b):メラミン
・炭化剤(c):ジペンタエリスリトール
・難燃剤(d):ポリリン酸アンモニウム
・充填剤(e):酸化チタン
・硬化触媒:有機金属系触媒
・添加剤1:分散剤、消泡剤等
・添加剤2:希釈溶剤(芳香族炭化水素)
図1に示すように、厚み30mmの鋼材に、上記被覆材をスプレーで塗付(乾燥膜厚5mm)し、常温(25℃)で7日間養生させ試験体とした。この試験体について、加熱試験を行ったところ、優れた発泡性を示すとともに、緻密な炭化断熱層を形成し優れた耐熱保護性が得られた。
1.基材
1a.鋼材
1b.コンクリート
2.被膜


Claims (2)

  1. 基材表面に、被膜を有する被覆構造体であって、
    前記基材が、厚み30mm以上の金属基材及び/またはセメント質基材であり、
    前記被膜が温度上昇によって炭化断熱層を形成する被覆材によって形成され、
    前記被覆材が、樹脂成分(a)として、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする被覆構造体。
  2. 前記被覆材は、樹脂成分(a)として、ポリオール成分(a1)及びポリイソシアネート成分(a2)を含むことを特徴とする請求項1に記載の被覆構造体。
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